JP2010247934A - 紙送りローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐膨潤性に優れ、原稿汚れの発生や、ローラ外径変化による紙搬送精度の低下を抑制することができる紙送りローラを提供する。
【解決手段】軸体1と、ウレタン層2とを備え、プロダクションプリンティング向け高速機の定着下流の搬送経路またはオフィス向けMFPの定着下流の搬送経路に用いられる紙送りローラであって、ウレタン層2が下記の(A)〜(C)成分を含有するウレタン組成物の硬化体からなり、(C1)の配合量が(A)100重量部に対して3.2〜4.9重量部、(C2)の配合量が(A)100重量部に対して0.1〜1.8重量部であり、(C1)と(C2)との重量混合比が(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.2/1.8の範囲である紙送りローラ。
(A)PTMGのみからなるポリエーテルポリオール。
(B)ポリイソシアネート。
(C)1,4−ブタンジオール(C1)およびトリメチロールプロパン(C2)からなる鎖延長剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロダクションプリンティング(商用印刷や企業内での大量印刷)市場向け高速機(MFP)の定着下流の搬送経路またはオフィス向けMFPの定着下流の搬送経路に用いられる紙送りローラに関するものである。ここで、MFPとは、多機能周辺装置(Multifunction Peripheral)の略称であり、例えば、1台でプリンタ、スキャナ、複写機(コピー機)、ファクシミリ(FAX)等の機能を兼ねる機器等をいう。
プロダクションプリンティング(PP)市場向けプリンタ等の高速機(通常、カラーの印刷速度が70枚/分以上のものをいう)に用いられる搬送ローラにおいては、オフセット印刷した原稿にバリアブル印刷(追い刷り)をする際のインクのローラへの付着や、高速機の印刷用のトナーに含まれるワックスの、定着下流の搬送経路(パンチやステープル等の後処理を行うフィニッシャー部や、両面印刷部)でのローラへの付着が問題となっている。特に、PP市場向けの高速機は、24時間フル稼働印刷のため、実機内の温度が上昇(通常、100℃以上)するとともに、最近のトナーの低融点化の傾向等により、トナーやワックスが溶けて、搬送ローラのゴム層に染み込み、ゴム層が膨潤する。そのため、印刷された原稿にトナー等が再転写されることによる原稿汚れが発生したり、ゴム層の膨潤によってローラ外径が変化し、紙送り量が変動するため、紙搬送精度が悪化する等の不具合も発生している。また、オフィス向けMFPの定着下流の排紙ローラ等においても、トナーの低融点化により、上記PP市場向け高速機用の搬送ローラと同様のゴム層の膨潤による不具合が発生している。
従来、上記搬送ローラのゴム層材料としては、コストの面から、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)が使用されていた。しかしながら、EPDMはインクやトナーが染み込みやすいため、耐膨潤性が劣る。そのため、上記EPDMゴム層の搬送ローラでは、原稿汚れの発生や、ローラ外径変化による紙搬送精度の低下等の問題を解消することはできない。
一方、搬送ローラではないが、給紙ロールとしては、以下のものが提案されている。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)およびポリプロピレングリコール(PPG)とを併用してなるポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネートと、鎖延長剤を含有するウレタン組成物の硬化体からなるウレタン層を備えた給紙ロール(特許文献1)、また、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系イソシアネートと、PTMGとの反応により得られるNCO基末端ウレタンプレポリマーと、トリメチロールプロパン(TMP)を必須成分とする短鎖ジオールとの硬化体からなるウレタン層を備えた給紙ロール(特許文献2)。
特許第3692917号公報 特開2006−233081号公報
上記特許文献1,2に記載の給紙ロールは、通常の複写機等に用いられる給紙ロールであり、高い摩擦係数を維持することができるよう耐摩耗性が要求される。また、通常の複写機等は、PP市場向けの高速機用に比べて印刷量が少なく、24時間フル稼働で印刷されることもないため、トナー等の溶融が問題とならず、耐膨潤性は要求されない。したがって、上記特許文献1,2に記載の給紙ロールを、そのまま、PP市場向けの高速機用搬送ローラとして使用することはできず、使用したとしても、耐膨潤性を備えていないため、原稿汚れが発生し、ローラ外径変化により紙搬送精度が低下する等の問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐膨潤性に優れ、原稿汚れの発生や、ローラ外径変化による紙搬送精度の低下を抑制することができる、紙送りローラの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の紙送りローラは、軸体と、この軸体の外周面に形成されるウレタン層とを備え、プロダクションプリンティング向け高速機の定着下流の搬送経路またはオフィス向けMFPの定着下流の搬送経路に用いられる紙送りローラであって、上記ウレタン層が、下記の(A)〜(C)成分を含有するウレタン組成物の硬化体からなり、下記(C1)の配合量が(A)成分100重量部に対して3.2〜4.9重量部、下記(C2)の配合量が(A)成分100重量部に対して0.1〜1.8重量部であり、かつ、下記(C1)と(C2)との重量混合比が、(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.2/1.8の範囲であるという構成をとる。
(A)ポリテトラメチレンエーテルグリコールのみからなるポリエーテルポリオール。
(B)ポリイソシアネート。
(C)下記の(C1)および(C2)からなる鎖延長剤。
(C1)1,4−ブタンジオール。
(C2)トリメチロールプロパン。
ここで、本発明における紙送りローラとは、プロダクションプリンティング(PP)向け高速機(MFP)の定着下流の搬送経路、例えば、フィニッシャー部や、両面印刷部等に用いられる、搬送ローラ、反転ローラ、再搬送ローラ、スイッチバックローラ、従動ローラ等や、オフィス向けMFPの定着下流の搬送経路に用いられる、排紙ローラ、反転ローラ、従動ローラ等をいう。
本発明者は、耐膨潤性に優れ、原稿汚れの発生や、ローラ外径変化による紙搬送精度の低下を抑制することができる、紙送りローラを得るため、ポリウレタンに使用するポリオールおよび鎖延長剤を中心に、鋭意研究を重ね、実験を繰り返した。その結果、ポリオールとして、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)のみからなるポリエーテルポリオール(A)を選択し、鎖延長剤(C)として、1,4−ブタンジオール(C1)およびトリメチロールプロパン(C2)を選択し、その使用量を上記(C1)の配合量が(A)100重量部に対して3.2〜4.9重量部、上記(C2)の配合量が(A)100重量部に対して0.1〜1.8重量部になるように設定し、かつ、上記(C1)と(C2)との相互の重量混合比が、(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.2/1.8になるように設定すると好結果が得られることを見いだした。すなわち、上記ポリエーテルポリオール(A)と、上記鎖延長剤(C)とを上記のようにして用いてなるウレタン組成物の硬化体を用いて紙送りローラのウレタン層を形成すると、ローラ自体の耐膨潤性が優れるようになり、原稿汚れの発生や、ローラ外径変化による紙搬送精度の低下を抑制することができるようになる。
本発明の紙送りローラは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)のみからなるポリエーテルポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、1,4−ブタンジオール(C1)およびトリメチロールプロパン(C2)からなる鎖延長剤(C)を含有し、上記(C1)の配合量が(A)100重量部に対して3.2〜4.9重量部、上記(C2)の配合量が(A)100重量部に対して0.1〜1.8重量部であり、かつ、上記(C1)と(C2)との重量混合比が、(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.2/1.8の範囲であるウレタン組成物の硬化体を用いてウレタン層を形成している。そのため、耐膨潤性に優れ、原稿汚れの発生や、ローラ外径変化による紙搬送精度の低下を抑制することができる。
また、上記紙送りローラ表面の硬度(JIS−A)が70°以上であると、紙送りローラの耐膨潤性がさらに向上する。
そして、上記(C1)の配合量が(A)100重量部に対して3.5〜4.9重量部、上記(C2)の配合量が(A)100重量部に対して0.1〜1.5重量部であり、かつ、上記(C1)と(C2)との重量混合比が、(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.5/1.5の範囲であるウレタン組成物の硬化体を用いてウレタン層を形成すると、紙送りローラの耐膨潤性がより一層向上する。
本発明の紙送りローラの一例を示す模式図である。 本発明の紙送りローラにおける、摩擦係数の測定方法を模式的に示した説明図である。 本発明の一実施の形態を示す、プロダクションプリンティング向けプリンタ全体の構成を示す概略図である。 本発明の他の実施の形態を示す、オフィス向けMFPの構成を示す要部拡大部である。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の紙送りローラとしては、例えば、図1に示すように、軸体1の外周面にウレタン層2が形成された構造のものがあげられる。
ここで、本発明においては、上記ウレタン層2が、下記の(A)〜(C)成分を含有するウレタン組成物の硬化体からなり、上記(C1)の配合量が(A)100重量部に対して3.2〜4.9重量部、上記(C2)の配合量が(A)100重量部に対して0.1〜1.8重量部であり、かつ、上記(C1)と(C2)との重量混合比が、(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.2/1.8の範囲であって、これが最大の特徴である。
(A)ポリテトラメチレンエーテルグリコールのみからなるポリエーテルポリオール。
(B)ポリイソシアネート。
(C)下記の(C1)および(C2)からなる鎖延長剤。
(C1)1,4−ブタンジオール(以下、「1,4−BD」と略す場合あり)。
(C2)トリメチロールプロパン(以下、「TMP」と略す場合あり)。
上記軸体1としては、例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキを施したもの等があげられる。なお、必要に応じて、上記軸体1上に接着剤、プライマー等を塗布してもよく、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化してもよい。
つぎに、上記ウレタン層2を形成するウレタン組成物は、特定のポリエーテルポリオール(A成分)と、ポリイソシアネート(B成分)と、特定の鎖延長剤(C成分)とを含有する。
上記特定のポリエーテルポリオール(A成分)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)のみからなるものである。すなわち、PTMG以外の他のポリエーテルポリオール、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)を含有すると、24時間フル稼働印刷時等の機内温度上昇時に、トナーや、その含有ワックスの溶解に基づくウレタン層2への染み込み等が生じ、ウレタン層2の耐膨潤性が悪くなるからである。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)の数平均分子量(Mn)は、通常、1000〜3000の範囲であり、好ましくは1500〜2500である。
また、上記特定のポリエーテルポリオール(A成分)とともに用いられるポリイソシアネート(B成分)としては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらポリイソシアネートのなかでも、耐摩耗性の点から、MDIが好適に用いられる。
上記特定のポリエーテルポリオール(A成分)の水酸基のモル数(a)と、ポリイソシアネート(B成分)のモル数(b)との比は、a/b=1.0/1.5〜1.0/3.5の範囲が好ましい。
つぎに、上記特定のポリエーテルポリオール(A成分)およびポリイソシアネート(B成分)とともに用いられる鎖延長剤(C成分)としては、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)(C1)およびトリメチロールプロパン(TMP)(C2)が用いられる。これらC1,C2の選択使用、およびその配合量ならびにC1,C2相互の割合が本発明の特徴の一つである。
上記1,4−ブタンジオール(C1)の配合量は、上記特定のポリエーテルポリオール(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して3.2〜4.9重量部の範囲であり、好ましくは3.5〜4.9部の範囲である。すなわち、上記1,4−ブタンジオール(C1)の配合量が少なすぎると、耐膨潤性が悪化し、逆に1,4−ブタンジオール(C1)の配合量が多すぎると、摩擦係数が低くなるからである。
また、上記トリメチロールプロパン(C2)の配合量は、上記特定のポリエーテルポリオール(A成分)100部に対して0.1〜1.8部の範囲であり、好ましくは0.1〜1.5部の範囲である。すなわち、上記トリメチロールプロパン(C2)の配合量が少なすぎると、摩擦係数が低くなり、逆にトリメチロールプロパン(C2)の配合量が多すぎると、耐膨潤性が悪化するからである。
ここで、上記(C1)と(C2)との重量混合比は、(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.2/1.8の範囲であり、好ましくは(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.5/1.5の範囲である。すなわち、C1の重量比が高すぎる(C2の重量比が低すぎると)と、搬送ローラとして摩擦係数が低くなり、逆にC1の重量比が低すぎる(C2の重量比が高すぎる)と、耐膨潤性が悪化するからである。
また、上記鎖延長剤(C成分)自体の配合割合は、鎖延長剤(C成分)の水酸基のモル数(c)と、上記特定のポリエーテルポリオール(A成分)とポリイソシアネート(B成分)とからなる特殊なウレタンプレポリマー(以下、単に「ウレタンプレポリマー」と略す)中のイソシアネートのモル数(u)との比が、u/c=100/75〜100/105の範囲になるよう配合することが好ましく、特に好ましくはu/c=100/85〜100/95の範囲である。
なお、本発明におけるウレタン組成物には、上記1,4−BD(C1)およびTMP(C2)以外の鎖延長剤を配合しても差し支えない。このような鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の、分子量300以下のポリオールがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記ウレタン組成物には、上記A〜C成分に加えて、イオン導電剤、可塑剤、中空フィラー、触媒、発泡剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、安定剤、離型剤等を適宜配合しても差し支えない。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明の紙送りローラは、例えば、つぎのようにして作製することができる。
(ウレタン組成物の調製)
PTMGのみからなるポリエーテルポリオール(A成分)と、ポリイソシアネート(B成分)を混合し、窒素雰囲気下で所定の条件(好ましくは、80℃×3時間)にて反応させ、末端にNCO基を有するウレタンプレポリマーを作製する。そして、このウレタンプレポリマーに対して鎖延長剤(C成分)を配合することにより、ウレタン組成物を調製することができる。なお、A〜C成分以外の添加剤を配合する場合は、予めウレタンプレポリマー中に配合することが好ましい。
なお、上記ウレタン組成物の調製方法としては、上述のように、ポリエーテルポリオール(A成分)と、ポリイソシアネート(B成分)を予め反応させてNCO末端のプレポリマーとした後、鎖延長剤(C成分)等を添加し、必要により加熱硬化させるプレポリマー法が好ましいが、ワンショット法や、セミワンショット法等により調製しても差し支えない。
(紙送りローラの作製)
軸体となる芯金をセットした紙送りローラ成形用金型を準備し、これを所定温度(好ましくは、140℃)に加熱する。つぎに、この金型内に上記ウレタン組成物を注型し、所定の条件(好ましくは、140℃×60分間)で硬化反応させて硬化体を得る。得られた硬化体を脱型し、所的の条件(好ましくは、110℃×12時間)で二次硬化させた後、表面を研磨することにより、図1に示したような、軸体1の外周面にウレタン層2が形成されてなる紙送りローラを得ることができる。
このようにして得られた紙送りローラは、表面(ウレタン層2)の硬度(JIS−A硬度)が70°以上が好ましく、好ましくは73°以上、最も好ましくは74°以上である。すなわち、硬度が低すぎると、PP市場向けの高速機に用いる場合に、その高速回転によって紙送りローラが変形し、紙の搬送精度が悪くなる傾向がみられるからである。なお、上記JIS−A硬度は、JIS K 7321に準じて、タイプAデュロメーターで荷重9.8Nにて測定した値である。
また、本発明の紙送りローラの初期の摩擦係数(μ)は、1.4以上が好ましく、特に好ましくは1.5以上である。すなわち、摩擦係数(μ)が低すぎると、搬送性が悪くなる傾向がみられるからである。
なお、上記摩擦係数(μ)は、例えば、つぎのようにして測定することができる。すなわち、図2に示すように、紙送りローラ30に、その下方から、PPC用紙31を、テフロン(登録商標)シート32を介して平板33で押圧する〔押圧荷重(W):約2.94N(300g・f)〕。上記平板33は、紙送りローラ30の軸と平行な一端縁33aを軸に回動自在となっており、上記テフロン(登録商標)シート32は、上記平板33の他端側33bの表面に固定され、PPC用紙31が滑るようにする役割をしている。また、PPC用紙31の一端部をロードセル34に接続し、PPC用紙31が上記ロードセル34から遠ざかるよう、上記紙送りローラ30を回転させる(紙送りローラ30のウレタン層の外周面の周速度180mm/秒)。そして、紙送りローラ30がPPC用紙31上を滑るときのPPC用紙31にかかる引っ張り力(F:単位N)を上記ロードセル34で測定し、μ=F/Wから摩擦係数(μ)を算出する。
本発明の紙送りローラの厚みは、通常、1〜8mmであり、好ましくは3〜6mmである。なお、本発明の紙送りローラは、通常、ウレタン層2のみの単層構造であるが、場合によりその上に表層を形成しても差し支えない。また、上記図1においては、ウレタン層2の表面は平坦面で示されているが、適宜、シボ形状、凹凸溝形状等を形成しても差し支えない。
本発明の紙送りローラは、前記のように、PP向け高速機(MFP)の定着下流の搬送経路、例えば、フィニッシャー部や、両面印刷部等における、搬送ローラ、反転ローラ、再搬送ローラ、排紙ローラ、スイッチバックローラ、従動ローラ等や、オフィス向けMFPの定着下流の搬送経路における、排紙ローラ、反転ローラ、従動ローラ等として用いることができる。
図3は、プロダクションプリンティング向けプリンタ10全体の構成を示す概略図である。本発明の紙送りローラは、定着部(定着ローラ21、加圧ローラ22)よりも下流領域の搬送経路における、搬送ローラ11、反転ローラ12、再搬送ローラ13、排紙ローラ14等に用いることができる。なお、図において、23は中間転写ベルト、24は駆動ローラ、25は画像転写部、26は対向ローラ、27は二次転写ローラ、28はテンションローラ、29は給紙ローラ、41は再給送路、42は切換手段を示す。
また、図4は、オフィス向けMFPの構成を示す要部拡大部である。本発明の紙送りローラは、定着部50よりも下流領域の搬送経路における、反転ローラ61や排紙ローラ62等に用いることができる。なお、図において、51は転写部、52は再搬送ローラを示す。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示すウレタンプレポリマーを調製した。
〔ウレタンプレポリマーI〜Vの調製〕
下記の表1に示す割合で混合してなるポリエーテルポリオールを80℃にて1時間真空脱泡、脱水した後、ポリイソシアネートを同表に示す割合で混合し、窒素雰囲気下で80℃にて3時間反応させ、末端にNCO基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
Figure 2010247934
つぎに、上記ウレタンプレポリマーを用いて、以下のようにして紙送りローラを作製した。
〔実施例1〕
まず、軸体となる芯金(直径8mm、SUS304製)をセットした紙送りローラ成形用金型を準備し、これを140℃に加熱した。つぎに、上記ウレタンプレポリマーIを90℃にて30分間真空脱泡した後、このウレタンプレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)4.9部およびトリメチロールプロパン(TMP)0.1部を添加して、減圧下で2分間攪拌混合したものを、上記金型内に注型し、140℃で60分間硬化反応させて硬化体を得た。得られた硬化体を脱型し、110℃にて12時間、二次硬化させた後、表面を研磨することにより、軸体の外周面にウレタン層(厚み6mm)が形成された紙送りローラを作製した。
〔実施例2〜5、比較例1〜8〕
各成分の配合割合および種類を下記の表2(その1,その2)に示す内容に変更する以外は、実施例1と同様にして紙送りローラを作製した。
Figure 2010247934
このようにして得られた実施例品および比較例品の紙送りローラを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を上記表2(その1,その2)に併せて示した。
〔硬度(JIS−A)〕
紙送りローラ表面(ウレタン層)の硬度を、JIS K 7321に準じて、タイプAデュロメーターで荷重9.8Nにて測定した。
〔摩擦係数〕
前記図2に示す方法に従い、初期の摩擦係数(μ)を測定した。すなわち、前記図2に示すように、紙送りローラ30に、その下方から、PPC用紙31を、テフロン(登録商標)シート32を介して平板33で押圧した〔押圧荷重(W):約2.94N(300g・f)〕。上記平板33は、紙送りローラ30の軸と平行な一端縁33aを軸に回動自在となっており、上記テフロン(登録商標)シート32は、上記平板33の他端側33bの表面に固定され、PPC用紙31が滑るようにする役割をしている。また、PPC用紙31の一端部をロードセル34に接続し、PPC用紙31が上記ロードセル34から遠ざかるよう、上記紙送りローラ30を回転させた(紙送りローラ30のウレタン層の外周面の周速度180mm/秒)。そして、紙送りローラ30がPPC用紙31上を滑るときのPPC用紙31にかかる引っ張り力(F:単位N)を上記ロードセル34で測定し、μ=F/Wから摩擦係数(μ)を算出した。
〔外径変化量〕
各紙送りローラのサンプル(内径8mm、外径20mm、長さ20mm)をオーブンで90℃に加熱し、紙送りローラ表面にパラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP−9)を塗布し、ワックスを溶解させて表面にコーティングした。このコーティングを4回したものを90℃×10時間放置した後、オーブンから取り出し、室温(RT)(23〜24℃)にて空冷した。つぎに、この紙送りローラ表面に付着したワックスをメタノールでウエス拭きし、ウエスにワックスの付着汚れがなくなるまでメタノールで洗浄した。その後、1晩(12時間以上)放置し、紙送りローラの外径を測定した。耐膨潤性の評価は、試験前と試験後の紙送りローラの外径の変化量を測定し、外径変化量が0.035mm以下のものを◎、0.035mmを超えて0.05mm以下のものを○、0.05mmを超えて0.1mm以下のものを△、0.1mmを超え0.3mm以下のものを×、0.3mmを超えるものを××とした。なお、この耐膨潤性の評価によると、紙送りローラを実機に組み込んで評価した場合と同様の評価結果が得られる。
上記結果から、実施例品はいずれも、硬度、摩擦係数が良好で、外径変化量も小さく、耐膨潤性に優れていた。
これに対して、比較例1品は、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール(1,4−BD)のみを用い、トリメチロールプロパン(TMP)を併用していないため、摩擦係数が低く、搬送ローラには不適当であった。比較例2品は、1,4−BDの配合割合が少なすぎる(TMPの配合割合が多すぎる)ため、外径変化量が大きく、耐膨潤性が劣っていた。比較例3〜7品は、PTMGのみからなるポリエーテルポリオールではなく、PTMGとPPGとを併用したポリエーテルポリオールを用いているため、PPGの割合が多い程、硬度が小さくなり、外径変化量が大きく、耐膨潤性が劣っていた。比較例8品は、紙送りローラの基層がウレタン層ではなく、EPDM層であるため、外径変化量が大きく、耐膨潤性が著しく劣っていた。
本発明の紙送りローラは、前記のように、PP向け高速機(MFP)の定着下流の搬送経路、例えば、フィニッシャー部や、両面印刷部等における、搬送ローラ、反転ローラ、再搬送ローラ、排紙ローラ、スイッチバックローラ、従動ローラ等や、オフィス向けMFPの定着下流の搬送経路における、排紙ローラ、反転ローラ、従動ローラ等に用いることができる。
1 軸体
2 ウレタン層

Claims (3)

  1. 軸体と、この軸体の外周面に形成されるウレタン層とを備え、プロダクションプリンティング向け高速機の定着下流の搬送経路またはオフィス向けMFPの定着下流の搬送経路に用いられる紙送りローラであって、上記ウレタン層が、下記の(A)〜(C)成分を含有するウレタン組成物の硬化体からなり、下記(C1)の配合量が(A)成分100重量部に対して3.2〜4.9重量部、下記(C2)の配合量が(A)成分100重量部に対して0.1〜1.8重量部であり、かつ、下記(C1)と(C2)との重量混合比が、(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.2/1.8の範囲であることを特徴とする紙送りローラ。
    (A)ポリテトラメチレンエーテルグリコールのみからなるポリエーテルポリオール。
    (B)ポリイソシアネート。
    (C)下記の(C1)および(C2)からなる鎖延長剤。
    (C1)1,4−ブタンジオール。
    (C2)トリメチロールプロパン。
  2. 上記紙送りローラ表面の硬度(JIS−A)が70°以上である請求項1記載の紙送りローラ。
  3. 上記(C1)の配合量が(A)成分100重量部に対して3.5〜4.9重量部、上記(C2)の配合量が(A)成分100重量部に対して0.1〜1.5重量部であり、かつ、上記(C1)と(C2)との重量混合比が、(C1)/(C2)=4.9/0.1〜3.5/1.5の範囲である請求項1または2記載の紙送りローラ。
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