JP2010246340A - 電機における固定子及び該固定子の製造方法 - Google Patents

電機における固定子及び該固定子の製造方法 Download PDF

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将史 渡邉
Koji Ishihara
考二 石原
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Abstract

【課題】ティースの先端部に鍔部を形成しつつも、アウターコイル及びインナーコイルのステータコアへの組付作業性を低下させることがない電機の固定子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ティースは、先端部に鍔部13aが形成されるとともにステータコア11に装着可能な第1ティース13と、第1ティース13に隣り合う位置に配置されるとともに鍔部12aの第1ティース13に向けた突出長さが鍔部13aよりも短く形成された第2ティース12とからなる。アウターコイル30U,30V,30Wの外側でアウターコイル30U,30V,30Wに隣り合うティースと、インナーコイル40U,40V,40Wの外側でインナーコイル40U,40V,40Wに隣り合うティースとが第1ティース13である。また、インナーコイル40U,40V,40Wの内側でインナーコイル40U,40V,40Wに隣り合うティースが第2ティース12である。
【選択図】図1

Description

本発明は、インナーコイルとアウターコイルを備える電機における固定子及び該固定子の製造方法に関する。
電機としての電動機の固定子において、ステータコアのティースに対するコイルの巻装方法としては、1つのティースにコイルが巻装されるようにスロットにコイルを組み込む集中巻と、コイルを組み込むスロットの間に他のスロットが位置し、そのスロットをコイルエンドの渡り部が跨るようにコイルをスロットに組み込む分布巻とがある。上記分布巻の固定子の製造方法としての、回転電機における固定子の製造方法は、整形済みのコイルを、ステータコアの半径方向に沿ってステータコアの内周側から外周側へ向けて移動させて、コイルをスロットへ挿入することで行われる。このコイルのステータコアへの組付性を向上させるために、スロットを区画するティース間のギャップを広くすることが考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の回転電機のステータは、周方向に区分された分割コアからなり、分割コアはその周方向に一定距離を隔てて、ステータコアの径方向内側へ延在する2つティースを有する。また、分割コアは、2つのティースの間に形成された平行スロットと、2つのティースの周方向外側それぞれに形成された半スロットとを有する。
そして、分割コア同士を接合してステータコアを形成した状態では、各分割コアの2つのティース間に形成された平行スロットと、2つの半スロット同士の間に形成されたスロットとが設けられている。平行スロット、及び半スロット同士の間に形成されたスロットそれぞれは、ステータコアの内径中央の開口部から奥径部までの側壁が平行に形成されている。このため、各スロットへのコイルの挿入がスムーズになり、コイルのステータコアへの組付作業性が向上されている。
特開2009−11063号公報
ところが、特許文献1に開示の回転電機のステータにおいては、スロットそれぞれは、ステータコアの内径中央側の開口部から奥径部までの側壁が平行に形成されている。すなわち、ステータコアの周方向に隣り合うティース間の間隙は、ティースの先端から基端にかけて一定である。そして、特許文献1においては、スロットへのコイルの組付作業性を向上させるためにティースの先端部に鍔部を形成していないことから、ティースの先端部同士の間隙(ギャップ)が広くなってしまい、トルクリップルが大きくなっている。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ティースの先端部に鍔部を形成しつつも、アウターコイル及びインナーコイルのステータコアへの組付作業性を低下させることがない電機の固定子及びその製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステータコアにティースが複数配列されており、アウターコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれているとともに、インナーコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれており、前記アウターコイルのコイルエンドに、前記ステータコアの軸方向に延びる一対の起立部と、該起立部を連結し前記ティースの前記ステータコアからの突設方向の逆方向において前記インナーコイルのコイルエンドよりも外側に配置される渡り部とが形成されるとともに、前記インナーコイルのコイルエンドに、前記アウターコイルのコイルエンドの起立部を跨ぐ渡り部が形成されている電機における固定子において、前記ティースが、先端部に鍔部が形成されるとともに前記ステータコアに装着可能な第1ティースと、該第1ティースに隣り合う位置に配置されるとともに先端部の前記第1ティースに向けた突出長さが前記第1ティースの鍔部さよりも短く形成された第2ティースとからなり、前記アウターコイルの外側で該アウターコイルに隣り合うティースと、前記インナーコイルの外側で該インナーコイルに隣り合うティースとが前記第1ティースによって形成されるとともに、前記インナーコイルの内側で該インナーコイルに隣り合うティースが前記第2ティースによって形成されていることを要旨とする。
これによれば、アウターコイル又はインナーコイルを第2ティースに組付ける際、第2ティースの先端部が、アウターコイル又はインナーコイルの第2ティースに対する組付けの妨げにならず、アウターコイル及びインナーコイルのステータコアに対する組付作業性が低下することがない。また、第2ティースにアウターコイル又はインナーコイルを組付けた後に第1ティースがステータコアに装着されるが、第1ティースの鍔部の突出長さは、第2ティースの先端部における突出長さより長くなっている。このため、アウターコイル及びインナーコイルの組付作業性を低下させないようにするために第2ティースの先端部の突出長さが、第1ティースの鍔部の突出長さより短くなっていても、両ティース間のギャップが広くならず、トルクリップルが大きくなることもない。
また、前記第2ティースは前記ステータコアに対し一体成形されていてもよく、前記アウターコイルのコイルエンドに形成された渡り部と、前記インナーコイルのコイルエンドに形成された渡り部の両方が跨るティースが前記第2ティースによって形成されていてもよい。これによれば、例えば、全てのティースをステータコアに対して装着可能な第1ティースにする場合と比べると、ステータコアに第1ティースを装着するのに要する時間を短縮し、かつ部品点数を減らして固定子の製造コストを抑えることができる。さらに、全てのティースを第1ティースとする場合と比べると、隣り合うティース間のギャップのバラツキを抑えることができる。
また、前記電機は回転電機であり、この場合、前記第2ティースは基端部側から先端部側に向かうに従い細くなるように形成されるとともに該第2ティースの先端部には鍔部が形成され、前記第2ティースの鍔部の突出長さが、前記第1ティースの鍔部の突出長さより短く形成されている。これによれば、回転電機はステータコアが円環状に形成されたものである。このため、例えば、ティースが基端部側から先端部側まで同一幅で形成され、しかも先端部に鍔部が形成されていると、アウターコイル又はインナーコイルを第2ティースの外側に組付け可能とするにはアウターコイル又はインナーコイルの内幅を広げなくてはならない。しかし、第2ティースが基端部側から先端部側に向かうに従い細くなるように形成されると、鍔部が形成されていてもアウターコイル又はインナーコイルの内幅を広げることなく第2ティースに組付けることができる。
請求項6に記載の発明は、ステータコアにティースが複数配列されており、アウターコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれているとともに、インナーコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれており、前記アウターコイルのコイルエンドに、前記ステータコアの軸方向に延びる一対の起立部と、該起立部を連結し前記ティースの前記ステータコアからの突設方向の逆方向において前記インナーコイルのコイルエンドよりも外側に配置される渡り部とが形成されるとともに、前記インナーコイルのコイルエンドに、前記アウターコイルのコイルエンドの起立部を跨ぐ渡り部が形成され、前記ティースが、先端部に鍔部が形成されるとともに前記ステータコアに装着可能な第1ティースと、該第1ティースに隣り合う位置に配置されるとともに先端部の前記第1ティースに向けた突出長さが前記第1ティースの鍔部の突出長さよりも短く形成された第2ティースとからなる電機における固定子の製造方法において、前記アウターコイルを前記第2ティースに組付け、前記第1ティースを、前記アウターコイルの外側で該アウターコイルに隣り合う位置に装着し、前記インナーコイルを該インナーコイルの内側に前記第2ティースが隣り合うように該第2ティースに組付け、前記第1ティースを、前記インナーコイルの外側で該インナーコイルに隣り合う位置に装着することを要旨とする。
これによれば、アウターコイル又はインナーコイルを第2ティースに組付ける際、第2ティースの先端部が、アウターコイル又はインナーコイルの第2ティースに対する組付けの妨げにならず、アウターコイル及びインナーコイルのステータコアに対する組付作業性が低下することがない。また、第2ティースにアウターコイル又はインナーコイルを組付けた後に第1ティースがステータコアに装着されるが、第1ティースの鍔部の突出長さは、第2ティースの先端部における突出長さより長くなっている。このため、アウターコイル及びインナーコイルの組付作業性を低下させないようにするために第2ティースの先端部の突出長さが、第1ティースの鍔部の突出長さより短くなっていても、両ティース間のギャップが大きくなることがない。
本発明によれば、ティースの先端部に鍔部を形成しつつも、アウターコイル及びインナーコイルのステータコアへの組付作業性を低下させることがない。
実施形態の固定子を示す斜視図。 実施形態の固定子を示す平面図。 (a)はステータコアを示す斜視図、(b)は第1ティースを示す斜視図。 (a)はアウターコイルを示す斜視図、(b)はインナーコイルを示す斜視図。 (a)は第2ティースにアウターコイルを組付けた状態を示す斜視図、(b)はアウターコイルの外側に第1ティースを装着した状態を示す斜視図。 (a)は第2ティースにインナーコイルを組付けた状態を示す斜視図、(b)はインナーコイルの外側に第1ティースを装着した状態を示す斜視図。 アウターコイル及びインナーコイルの配線図。 別例の固定子を模式的に示す平面図。 別例の固定子を模式的に示す平面図。
以下、本発明の電機の固定子を具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図2に示すように、電機としての回転電機Mは、固定子10と、この固定子10の内側に配設された回転子15とからなる。図1及び図2に示すように、回転電機Mの固定子10は、環状のステータコア11と、ステータコア11の内周に複数配列された第1ティース13及び第2ティース12と、スロット14に組み込まれたアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wとからなる。本実施形態では、第1ティース13と第2ティース12の各個数は12個であり、スロット14の個数は24個である。スロット14は、ステータコア11の周方向に等ピッチで配列されている。
図2及び図3(a)に示すように、ステータコア11は、磁性体(鋼板)製の複数枚のコア板を積層して構成されている。ステータコア11の内周面には、複数の第2ティース12が一体成形されている。第2ティース12は、ステータコア11の半径方向(第2ティース12のステータコア11からの突設方向)に沿ってステータコア11の内周面からステータコア11の中心軸Pに向けて延びるように形成されている。また、第2ティース12は、基端部側(ステータコア11の内周面側)から先端部側(ステータコア11の中心軸P側)に向かうに従い徐々に細くなるように形成され、さらに、第2ティース12は、ステータコア11の軸方向全体に亘って延びるように形成されている。
第2ティース12の先端部には、鍔部12aが、ステータコア11の周方向に沿って延びるように第2ティース12の両側面から突設されている。第2ティース12の両側面それぞれからの鍔部12aの、ステータコア11の周方向(ステータコア11を中心軸L方向から見た場合の、第2ティース12の長さ方向に略垂直な方向)に沿った突出長さは同じになっている。第2ティース12の先端面、及び鍔部12aは、円弧状に延びるように形成されている。そして、図2に示すように、第2ティース12の鍔部12aは、ステータコア11の中心軸Pを中心とし、全ての第2ティース12の先端面を通過する円の円周に沿って延びるように形成されている。また、第2ティース12において、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12同士で対向する側面は、スロット14を形成する平坦面状の形成面12bである。
ステータコア11の内周面において、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12同士の中間位置には、係止凸部11aがステータコア11の軸方向全体に亘って延びるように突設されている。係止凸部11aはステータコア11の内周面からステータコア11の中心軸Pに向かうに従い徐々に拡幅するテーパ状に形成されている。
図1及び図2に示すように、ステータコア11において、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12の間には第1ティース13が装着されている。図3(b)に示すように、この第1ティース13は、矩形板状をなすとともに、基端部側(ステータコア11の内周面側)から先端部側(ステータコア11の中心軸P)に向かうに従い徐々に細くなるように形成されている。ステータコア11の軸方向に沿った第1ティース13の長さは、ステータコア11の軸方向への長さと同じになっている。
第1ティース13の先端部には、鍔部13aが、ステータコア11の周方向に沿って延びるように第1ティース13の両側面から突設されている。第1ティース13の両側面それぞれからの鍔部13aの、ステータコア11の周方向(ステータコア11を中心軸L方向から見た場合の、第1ティース13の長さ方向に略垂直な方向)に沿った突出長さは同じになっている。また、第1ティース13の両側面からのステータコア11の周方向に沿った鍔部13aの突出長さは、第2ティース12の両側面からの鍔部12aの突出長さより長く設定されている。
第1ティース13の先端面、及び鍔部13aは、円弧状に延びるように形成されている。そして、図2に示すように、第1ティース13の鍔部13aは、ステータコア11の中心軸Pを中心とし、全ての第1ティース13の先端面を通過する円の円周に沿って延びるように形成されている。また、第1ティース13において、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12に対向する側面は、スロット14を形成する平坦面状の形成面13bである。図3(b)に示すように、第1ティース13の基端面には、係止凹部13cが、ステータコア11の軸方向に沿った方向全体に亘って延びるように凹設されている。この係止凹部13cは、第1ティース13の基端面への開口から係止凹部13cの奥へ向かうに従い徐々に拡幅するテーパ状に形成されている。
そして、図1及び図2に示すように、第1ティース13の係止凹部13c内に、ステータコア11の係止凸部11aを嵌合させることにより、第1ティース13がステータコア11に装着されている。この装着状態では、係止凹部13cに対する係止凸部11aの係止により、第1ティース13がステータコア11の半径方向に沿ってステータコア11の中心軸Pへ向けて移動することが防止されている。また、ステータコア11に第1ティース13が装着されることにより、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12と第1ティース13との間には、第2ティース12の鍔部12a及び形成面12bと、第1ティース13の鍔部13a及び形成面13bから平面視矩形状のスロット14が区画されるようになっている。
また、第2ティース12の鍔部12aと、第1ティース13の鍔部13aとの間にはギャップGが形成される。このギャップGの広さは、トルクリップルを小さくするために予め設定された所定値になっている。すなわち、ギャップGの広さを一定の所定値にするため、鍔部12aの突出長さと、鍔部13aの突出長さがそれぞれ調節される。
アウターコイル30U,30V,30Wは、第2ティース12に対し分布巻によって巻装されている。アウターコイル30U,30V,30Wとしては、U相のアウターコイル30U、V相のアウターコイル30V、及びW相のアウターコイル30Wをそれぞれ2つずつ備え、アウターコイル30U,30V,30Wが同一円周上に配置されている。アウターコイル30U,30V,30Wそれぞれは、2個のスロット14に跨る状態で、かつ1個の第1ティース13を間に挟んだ2個の第2ティース12に跨るように2個の第2ティース12に組付けられている。また、同一スロット14内に異なる相のコイルが挿入されることはない。
一対のアウターコイル30Uは、24個のスロット14のうちの8個に間隔をおいて計4個のスロット14に挿入されている。また、アウターコイル30V及びアウターコイル30Wそれぞれについても上記したアウターコイル30Uと同様な配置となっている。またアウターコイル30U,30V,30Wそれぞれは、断面が長方形の均一な幅のコイル線(平角線)よりなるとともに絶縁被覆されている。図4(a)に示すように、アウターコイル30U,30V,30W(図4(a)ではアウターコイル30Uのみを図示)それぞれは、スロット14内に挿入される一対の挿入部37と、ステータコア11の軸方向の両端面から突出するコイルエンド31を有する。
アウターコイル30U,30V,30Wのコイルエンド31(以下、アウターコイルエンド31と記載する)は、一対のアウター起立部31aを備える。このアウター起立部31aは、各挿入部37からステータコア11の軸方向に沿って延びた後、ステータコア11の半径方向(第2ティース12のステータコア11からの突設方向と逆方向)に沿ってステータコア11の外側に向けて延びるように形成されている。また、アウターコイルエンド31は、アウター渡り部31bを備え、このアウター渡り部31bは一対のアウター起立部31aの先端を連結しステータコア11の周方向へ延びるように形成されている。そして、アウターコイルエンド31は、一対のアウター起立部31aとアウター渡り部31bとにより平面視コ字状に形成されている。
アウターコイルエンド31は、アウター渡り部31bがステータコア11の外周面に沿って延びるように所定の形状に整形されている。また、図1及び図2に示すように、アウターコイル30U,30V,30Wがステータコア11に組付けられた状態では、アウター渡り部31bは、ステータコア11の内周面よりもステータコア11の半径方向(第2ティース12のステータコア11からの突設方向と逆方向)外側に配置されている。なお、挿入部37をスロット14に組み込んだ状態のとき、ステータコア11の軸方向の両端面から突出する部位がアウターコイルエンド31となっている。また、挿入部37には合成樹脂製の絶縁シート32が巻装されている。
インナーコイル40U,40V,40Wは、第2ティース12に対し分布巻によって巻装されている。インナーコイル40U,40V,40Wとしては、U相のインナーコイル40U、V相のインナーコイル40V、及びW相のインナーコイル40Wをそれぞれ2つずつ備え、インナーコイル40U,40V,40Wが同一円周上に配置されている。各相のインナーコイル40U,40V,40Wは、それぞれ2個のスロット14に跨る状態で、かつ1個の第1ティース13を間に挟んだ2個の第2ティース12に跨るように2個の第2ティース12に組付けられている。また、同一スロット14内に異なる相のコイルが挿入されることはない。
一対のインナーコイル40Uは、24個のスロット14のうちの8個に間隔をおいて計4個のスロット14に挿入されている。インナーコイル40V及びインナーコイル40Wそれぞれについても上記したインナーコイル40Uと同様な配置となっている。各相のインナーコイル40U,40V,40Wは、断面が長方形の均一な幅のコイル線(平角線)よりなる。また、各相のインナーコイル40U,40V,40Wは絶縁被覆されている。図4(b)に示すように、各相のインナーコイル40U,40V,40W(図4(b)ではインナーコイル40Uのみ図示)は、スロット14内に配置される挿入部47と、ステータコア11の軸方向の両端面から突出するコイルエンド41を有している。インナーコイル40U,40V,40Wに形成されたコイルエンド41(以下、インナーコイルエンド41と記載する)は、挿入部47からステータコア11の軸方向に延びる一対のインナー起立部41aを備える。また、コイルエンド41は、これら一対のインナー起立部41aの先端を連結するようにステータコア11の周方向へ延びるインナー渡り部41bを備える。そして、コイルエンド41は、一対のインナー起立部41aと、インナー渡り部41bとにより正面視コ字状に形成されている。挿入部47には合成樹脂製の絶縁シート32が巻装されている。
そして、図1及び図2に示すように、アウター渡り部31bそれぞれは、インナー渡り部41よりもステータコア11の半径方向(第2ティース12のステータコア11からの突設方向の逆方向)外側に配置されている。また、ステータコア11の周方向におけるアウター起立部31aの内側であり、このアウター起立部31aに対しステータコア11の周方向に隣り合うティースは第2ティース12によって形成されている。また、ステータコア11の周方向におけるアウター起立部31aの外側であり、このアウター起立部31aに対しステータコア11の周方向に隣り合うティースは第1ティース13によって形成されている。
一方、インナー渡り部41それぞれは、ステータコア11の周方向に隣り合う2つのアウター起立部31aを跨いでいる。さらに、ステータコア11の周方向におけるインナー起立部41aの内側であり、このインナー起立部41aに対しステータコア11の周方向に隣り合うティースは第2ティース12によって形成されている。加えて、ステータコア11の周方向におけるインナー起立部41aの外側であり、このインナー起立部41aに対しステータコア11の周方向に隣り合うティースは第1ティース13によって形成されている。また、アウター渡り部31bとインナー渡り部41bの両方が跨るティースは、第2ティース12によって形成されている。そして、アウターコイル30U,30V,30Wは、インナーコイル40U,40V,40Wより先にステータコア11に組み込まれるコイルのことである。
次に、固定子10の製造方法について説明する。
まず、第1ティース13がステータコア11から取り外された状態において、図5(a)に示すように、1つの係止凸部11aを間に挟んだ2個の(対となる)第2ティース12に対し、各アウターコイル30U、30V,30Wを組付ける。このとき、各アウターコイル30U,30V,30Wをステータコア11の半径方向に沿って移動させ、ステータコア11の周方向におけるアウターコイル30U,30V,30Wの内側に一対の第2ティース12が挿入されるように、各アウターコイル30U,30V,30Wを一対の第2ティース12の外側に組付ける。
そして、U相、V相、W相それぞれ2つずつのアウターコイル30U,30V,30Wを、ステータコア11の周方向においてU相、V相、W相の順番で配置されるように第2ティース12に組付ける。この組付状態において、ステータコア11の周方向に隣り合うU相のアウターコイル30UとV相のアウターコイル30Vとの間、V相のアウターコイル30VとW相のアウターコイル30Wとの間、W相のアウターコイル30WとU相のアウターコイル30Uとの間それぞれには、第1ティース13を挿入可能とする隙間が形成される。
次に、図5(b)に示すように、ステータコア11の周方向におけるアウターコイル30U,30V,30Wの外側、すなわち、隣り合うアウターコイル30U,30V,30W同士の間の隙間に、第1ティース13を挿入するとともに、ステータコア11に第1ティース13を装着する。このとき、ステータコア11の係止凸部11aを第1ティース13の係止凹部13cに嵌合することで第1ティース13の装着が行われる。また、このとき、第1ティース13を、ステータコア11の軸方向に沿って移動させて係止凹部13cの内側に係止凸部11aを嵌合する。すると、ステータコア11に第1ティース13が装着されるとともに、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12と第1ティース13の間にスロット14が区画される。区画されたスロット14にはアウターコイル30U,30V,30Wの挿入部37が挿入されている。さらに、第2ティース12の鍔部12aと、第1ティース13の鍔部13aとの間に所定の広さのギャップGが形成される。
ここで、アウターコイルエンド31は、アウター起立部31aが、挿入部37からステータコア11の軸方向に沿って延びるとともにステータコア11の半径方向に沿って延び、アウター渡り部31bがステータコア11の内周面及び係止凸部11aよりもステータコア11の半径方向外側に配置されている。このため、一対のアウター起立部31a同士の間に間隙が形成されており、係止凸部11aがステータコア11の軸方向の両端面に臨む状態になっている。このため、一対のアウター起立部31a同士の間から一対の第2ティース12の間に、ステータコア11の軸方向に沿って移動させる第1ティース13を挿入可能であり、ステータコア11の半径方向に沿って移動させるインナーコイル40U,40V,40Wを挿入可能になっている。
次に、図6(a)に示すように、ステータコア11に装着された1つの第1ティース13を挟んだ2個の(対となる)第2ティース12に対し各インナーコイル40U,40V,40Wを組付ける。すなわち、インナー渡り部41b、及びアウター渡り部31bの両方が跨る第2ティース12に対し各インナーコイル40U,40V,40Wを組付ける。
各インナーコイル40U,40V,40Wは、ステータコア11の半径方向に沿ってステータコア11の内側から外側に向けて移動させる。そして、ステータコア11の周方向における各インナーコイル40U,40V,40Wの内側に一対の第2ティース12が挿入されるように、一対の第2ティース12の外側にインナーコイル40U,40V,40Wを組付ける。このとき、アウター渡り部31bがステータコア11の内周面よりもステータコア11の半径方向外側に配置され、ステータコア11の周方向に隣り合う一対のアウター起立部31a同士の間に間隙が形成されている。このため、アウター起立部31a及びアウター渡り部31bが、インナーコイル40U,40V,40Wの組付けの妨げになることがない。そして、各インナーコイル40U,40V,40Wの挿入部37が、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12間の間隙に収容されるとともに、インナー渡り部41bが、ステータコア11の周方向に隣り合うアウター起立部31aを跨ぎ、かつインナー渡り部41bがアウター渡り部31bよりも半径方向内側に配置される。
そして、U相、V相、W相それぞれ2つずつのインナーコイル40U,40V,40Wが、U相、V相、W相の順番で周方向に沿って配置されるように第2ティース12に組付ける。この組付状態において、ステータコア11の周方向に隣り合うU相のインナーコイル40UとV相のインナーコイル40Vとの間、V相のインナーコイル40VとW相のインナーコイル40Wとの間、W相のインナーコイル40WとU相のインナーコイル40Uとの間それぞれには、第1ティース13を挿入可能とする隙間が形成される。
次に、図6(b)に示すように、ステータコア11の周方向におけるインナーコイル40U,40V,40Wの外側、すなわち、ステータコア11の周方向に隣り合うインナーコイル40U,40V,40W同士の間の隙間に、第1ティース13を挿入するとともに、ステータコア11に第1ティース13を装着する。このとき、アウター渡り部31bがステータコア11の内周面よりも半径方向外側に配置されるとともに、アウター渡り部31bが係止凸部11aよりもステータコア11の半径方向外側に配置されている。そして、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12間は、一対のアウター起立部31a同士の間から開口しており、係止凸部11aがステータコア11の軸方向の両端面に臨む状態になっている。このため、アウター渡り部31bが第1ティース13の挿入、及び係止凸部11aと係止凹部13cとの嵌合の妨げになることがない。そして、第1ティース13と第2ティース12とでインナーコイル40U,40V,40Wを挟み込むように第1ティース13をステータコア11に装着する。
このとき、第1ティース13を、ステータコア11の軸方向に沿って移動させて係止凹部13cの内側に係止凸部11aを嵌合する。すると、ステータコア11に第1ティース13が装着されるとともに、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12と第1ティース13との間にスロット14が区画される。さらに、第2ティース12の鍔部12aと、第1ティース13の鍔部13aとの間に所定の広さのギャップGが形成され、固定子10が製造される。
図7は、上記方法により製造された固定子10におけるアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wの配線図を示す。インバータ50のU相の端子51に接続される一対のアウターコイル30UのU相挿入部(図7のみ37Uで示す)は、U相のスロット(図7のみ14Uoで示す)の群に通されている。インバータ50のV相の端子52に接続される一対のアウターコイル30VのV相挿入部(図7のみ37Vで示す)は、V相のスロット(図7のみ14Voで示す)の群に通されている。インバータ50のW相の端子53に接続される一対のアウターコイル30WのW相挿入部(図7のみ37Wで示す)は、W相のスロット(図7のみ14Woで示す)の群に通されている。
インバータ50のU相の端子51に接続される一対のインナーコイル40UのU相挿入部(図7のみ47Uで示す)は、U相のスロット(図7のみ14Uiで示す)の群に通されている。インバータ50のV相の端子52に接続される一対のインナーコイル40VのV相挿入部(図7のみ47Vで示す)は、V相のスロット(図7のみ14Viで示す)の群に通されている。インバータ50のW相の端子53に接続される一対のインナーコイル40WのW相挿入部(図7のみ47Wで示す)は、W相のスロット(図7のみ14Wiで示す)の群に通されている。
符号N1は、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wのコイル線33,34,43の終端を結線した中性点であり、符号N2は、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wのコイル線35,36,44の終端を結線した中性点である。そして、回転電機Mは、3相8極24スロットの回転電機である。回転子15は、インバータ50を介したアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wへの通電によって回転する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ステータコア11に対し一体成形された第2ティース12と、ステータコア11に対し装着可能な第1ティース13を設けた。そして、固定子10の製造時、アウターコイル30U,30V,30Wを第2ティース12に組付けた後、ステータコア11の周方向におけるアウターコイル30U,30V,30Wの外側に第1ティース13を装着した。さらに、インナーコイル40U,40V,40Wを第2ティース12に組付けた後、ステータコア11の周方向におけるインナーコイル40U,40V,40Wの外側に第1ティース13を装着するようにした。第2ティース12における鍔部12a突出長さは、第1ティース13における鍔部13aの突出長さより短くなっている。このため、第2ティース12の鍔部12aが、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wの第2ティース12に対する組付けの妨げにならず、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wの組付作業性が低下することがない。
また、第2ティース12の鍔部12aが組付けの妨げとならずにアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wを第2ティース12に組付けることができるため、組付け時にアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wを変形させる必要がない。よって、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wを変形させることによりアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wが損傷を受けてしまうことが防止でき、ひいては回転電機Mの性能低下を回避することができる。
さらに、第2ティース12にアウターコイル30U,30V,30Wを組付けた後、又は第2ティース12にインナーコイル40U,40V,40Wを組付けた後、ステータコア11に装着される第1ティース13の鍔部13aは、第2ティース12の鍔部12aより突出長さが長くなっている。そして、鍔部13aは、鍔部12aとの間のギャップGが所定値となるように第2ティース12に向けて延長されている。このため、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wの組付作業性を低下させないために第2ティース12の鍔部12aが短くなっていても、鍔部12a,13a間のギャップGが広くなることなく所定値とすることができ、トルクリップルを小さいままにすることができる。
(2)ステータコア11の内周に配列されるティースは、ステータコア11に一体成形された第2ティース12と、ステータコア11に装着可能な第1ティース13とからなり、全てのティースのうちの半分が第2ティース12となっている。よって、例えば、全てのティースを第1ティース13とする場合と比べると、ステータコア11に全てのティースを装着するのに要する時間を短縮し、部品点数を減らして固定子10の製造コストを抑えることができる。さらに、全てのティースを第1ティース13とする場合と比べると、第1ティース13とステータコア11との装着箇所のギャップによる鉄損増加を少なくすることができるとともに、ステータコア11の周方向に隣り合うティース間のギャップGのバラツキを抑えることができる。その結果として、トルクリップルが大きくなることを防止することができる。加えて、全てのティースを第1ティース13とする場合は、全ての第1ティース13をステータコア11に装着する際に発生するステータコア11の塑性変形量が大きくなるが、本実施形態では、全てのティースのうち半分のみが第1ティース13であるため、第1ティース13を組付ける際の塑性変形量を減らして電磁気特性の劣化を抑えることができる。
(3)第2ティース12の鍔部12aは、第1ティース13の鍔部13aより突出長さが短いが、第2ティース12の側面からは突出している。このため、第2ティース12の鍔部12aと、第1ティース13の鍔部13aとで、ギャップGが広くなることを防止し、スロット14のステータコア11中心部に向けた開口部が広くなることを防止することができる。また、第2ティース12の鍔部12aと、第1ティース13の鍔部13aとでスロット14からアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wが抜けることを防止することができる。
(4)第1ティース13は、ステータコア11の軸方向に沿って移動させて、ステータコア11の周方向におけるアウターコイル30U,30V,30W又はインナーコイル40U,40V,40Wの外側に装着される。このため、第1ティース13をステータコア11に装着する際に、第1ティース13によってアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wが変形させられることがない。よって、固定子10の製造時に、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wが損傷を受けることが防止される。
(5)第2ティース12の側面には平坦面状をなす形成面12bが形成されている。このため、第2ティース12にアウターコイル30U,30V,30W又はインナーコイル40U,40V,40Wを組付けるとき、形成面12bに沿ってアウターコイル30U,30V,30W又はインナーコイル40U,40V,40Wをスムーズに移動させることができる。
(6)アウターコイルエンド31は、アウター渡り部31bがインナー渡り部41bよりもステータコア11の半径方向外側に配置されるように、アウター起立部31aが挿入部37からステータコア11の半径方向に延びるように予め所定の形状に整形されている。このため、インナーコイル40U,40V,40Wをステータコア11に組付けたとき、コイルエンド31,41同士が干渉することがない。よって、分布巻の固定子10であっても、その製造時に、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wのコイル線が損傷を受けたりすることを防止することができ、固定子10の製造に伴う回転電機Mの性能低下を防止することができる。
(7)第2ティース12は、基端部側から先端部側に向かうに従い細くなるように形成され、その先端部に鍔部12aが形成されている。このため、例えば、第2ティース12が基端部側から先端部側まで同一幅で形成され、しかも先端部に鍔部が形成されていると、第2ティース12の外側に組付けられるアウターコイル30U,30V,30V及びインナーコイル40U,40V,40Wの内幅を広げなくてはならない。しかし、第2ティース12が基端部側から先端部側に向かうに従い細くなるように形成されると、鍔部12aが形成されていてもアウターコイル30U,30V,30V及びインナーコイル40U,40V,40Wの内幅を広げることなく第2ティース12に組付けることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第2ティース12と第1ティース13の合計個数及びスロット14の個数は24個でなく、36個でもよい。この場合、第2ティース12及び第1ティース13はそれぞれ18個ずつ設けられる。また、U相のアウターコイル30U、V相のアウターコイル30V、W相のアウターコイル30Wはそれぞれ3個ずつ設けられ、U相のインナーコイル40U、V相のインナーコイル40V、W相のインナーコイル40Wはそれぞれ3個ずつ設けられる。
○ 第2ティース12と第1ティース13の合計個数及びスロット14の個数は24個でなく、48個でもよい。図8は、固定子10を模式的に示す図である。図8に示す固定子10においては、アウターコイル30は16個設けられるとともに、インナーコイル40は8個設けられ、合計24個のコイルが用いられる。なお、アウターコイル30は、インナーコイルより先にステータコア11に組付けられるコイルである。第2ティース12が24個、第1ティース13が24個設けられている。そして、第2ティース12の鍔部12aの突出長さが、第1ティース13の鍔部13aの突出長さより短くなっている。
この場合、8個のアウターコイル(以下、第1のアウターコイル301とする)を、4つのスロット14を挟んだ一対の第2ティース12に組付け、次に、ステータコア11の周方向における各第1のアウターコイル301の外側に第1ティース13を装着する。次に、第1のアウターコイル301群よりもステータコア11の半径方向内側に、8個のアウターコイル(以下、第2のアウターコイル302とする)を、第1のアウターコイル301群が組付けられた第2ティース12に対し、反時計方向に第1ティース13を挿入する空間を挟んで隣り合う第2ティース12に組付ける。そして、ステータコア11の周方向における第2のアウターコイル302の外側に第1ティース13を装着する。
次に、第2のアウターコイル302群よりもステータコア11の半径方向内側に、8個のインナーコイル40を、第2のアウターコイル302群が組付けられた第2ティース12に対し、反時計方向に第1ティース13を挿入する空間を挟んで隣り合う第2ティース12に組付ける。そして、ステータコア11の周方向におけるインナーコイル40の外側に第1ティース13を装着する。その結果、固定子10が製造される。
○ 第2ティース12と第1ティース13の合計個数及びスロット14の個数は24個でなく、48個でもよい。図9は、固定子10を模式的に示す図である。図9に示す固定子10においては、アウターコイル30は18個設けられ、インナーコイル40は6個設けられる。なお、アウターコイル30は、インナーコイル40より先にステータコア11に組付けられるコイルである。また、ステータコア11に一体成形された第2ティース12が12個、ステータコア11に装着可能な第1ティース131,132,133,134が36個設けられている。
この場合、まず、ステータコア11に対し、6個のアウターコイル(以下、第1のアウターコイル301とする)を組付け、次に、ステータコア11の周方向における第1のアウターコイル301の外側に第1ティース131を装着する。このとき、第1のアウターコイル301群を組付けるための第1ティース131は、第2ティース12との間に2つのスロット14が区画される位置に装着される。また、対となる第1ティース131は、両第1ティース131の間に8個のスロット14が形成されるようにステータコア11に装着される。なお、第1ティース131は、両側面から同じ突出長さで鍔部13aが突出している。
次に、第1のアウターコイル301群よりもステータコア11の半径方向内側であり、かつ周方向の内側に、6個のアウターコイル(以下、第2のアウターコイル302とする)を組付ける。第2のアウターコイル302は、ステータコア11の周方向における第2ティース12の外側に組付けられる。ここで、第2ティース12の先端部においてステータコア11の周方向の両側面には鍔部12aが形成されていない。
次に、第1のアウターコイル301群が組付けられた第1ティース131に対し、ステータコア11の周方向に隣り合う位置であり、第2のアウターコイル302の外側となる位置に第1ティース132を装着する。よって、第1ティース132は、ステータコア11の周方向における第1ティース131と第2ティース12との間に装着される。ここで、第1ティース132は、ステータコア11の周方向に隣り合う第2ティース12に対向する側面からのみ鍔部13aが突設されるとともに、ステータコア11の周方向に隣り合う第1ティース131に対向する側面からは鍔部13aが突設されていない。このため、第1ティース131の鍔部13aと、第1ティース132の先端部との間、及び第2ティース12の先端部と、第1ティース132の鍔部13aとの間に所定の広さのギャップGが形成される。
次に、第2のアウターコイル302群よりもステータコア11の半径方向内側に、6個のアウターコイル(以下、第3のアウターコイル303とする)を組付ける。次に、ステータコア11の周方向における第3のアウターコイル303の外側に第1ティース133を装着する。このとき、第3のアウターコイル303を組付けるための第1ティース133は、各第2ティース12との間に2つのスロット14が区画される位置に装着される。また、対となる第1ティース133は、両第1ティース13の間に8個のスロット14が形成されるようにステータコア11に装着される。そして、第1ティース133は、両側面から鍔部13aが突設されている。
次に、第3のアウターコイル303群よりもステータコア11の半径方向内側に、6個のインナーコイル40を、ステータコア11の周方向における第2ティース12の外側に組付け、ステータコア11の周方向におけるインナーコイル40の外側に第1ティース134を装着する。このとき、第1ティース134は、第2ティース12に対向する側面からのみ鍔部13aが突設されるとともに、ステータコア11の周方向に隣り合う第1ティース133に対向する側面からは鍔部13aは突設されていない。このため、第1ティース133の鍔部13aと、第1ティース134の先端部との間、及び第1ティース134の鍔部13aと第2ティース12の先端部との間に所定の広さのギャップGが形成される。その結果、固定子10が製造される。
よって、第2ティース12には先端部に鍔部12aが形成されていないものも含み、また、第1ティース13には、一方の側面のみから鍔部13aが突設されたものみ含む。なお、第1ティース132,134において、鍔部13aが形成されていない側面から鍔部13aを僅かに突設させる一方で、対向する第1ティース131,133の鍔部13aの突出長さを僅かに短くしてギャップGの広さが所定値になるようにしてもよい。
○ 第2ティース12は、ステータコア11に対し装着可能に形成されていてもよい。すなわち、ティースの全てがステータコア11に対し装着可能になっていてもよい。この場合、アウターコイル30U,30V,30Wを第2ティース12に組付ける前に、第2ティース12がステータコア11に装着される。
○ 第2ティース12に鍔部12aは無くてもよい、すなわち、第2ティース12先端部の第1ティース13に向けた突出長さがゼロでもよい。この場合、アウターコイル30U,30V,30W又はインナーコイル40U,40V,40Wを、その内側に第2ティース12を挿入しながら第2ティース12に組付けるとき、鍔部12aが形成されている場合と比較して組付作業性を向上させることができる。
○ 第2ティース12における鍔部12aの突出長さと、第1ティース13における鍔部13aの突出長さは、ギャップGの広さが所定値となるように適宜変更してもよい。
○ アウターコイル30U,30V,30Wは、予めアウターコイルエンド31等が整形されたものでなくてもよく、平角線を環状に巻回したものを第2ティース12に組付けた後、アウターコイルエンド31等を整形してもよい。
○ 第1ティース13は、ステータコア11に装着した後、ステータコア11から分離不能に装着されてもよい。
○ 電機として、リニアモータのような直線型の電動機の固定子を本願発明のように構成してもよい。なお、直線型の電動機において、アウターコイルとは、インナーコイルよりも先にステータコアに組付けられるとともにティースの基端側に配置されるコイルを指し、インナーコイルとはアウターコイルの後にステータコアに組付けられてアウターコイルよりもティースの先端側に配置されるコイルを指す。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記第1ティースにおける基端側には係止凹部が形成されるとともに、前記ステータコアの内周には係止凸部が形成されている請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の電機における固定子。
G…ギャップ、M…電機としての回転電機、10…固定子、11…ステータコア、12…第2ティース、12a,13a…鍔部、13,131,132,133,134…第1ティース、14…スロット、30,30U,30V,30W,301,302,303…アウターコイル、31…アウターコイルのコイルエンドとしてのアウターコイルエンド、31a…アウター起立部、31b…アウターコイルのコイルエンドに形成された渡り部としてのアウター渡り部、40,40U,40V,40W…インナーコイル、41…インナーコイルのコイルエンドとしてのインナーコイルエンド、41b…インナーコイルのコイルエンドに形成された渡り部としてのインナー渡り部。

Claims (6)

  1. ステータコアにティースが複数配列されており、アウターコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれているとともに、インナーコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれており、前記アウターコイルのコイルエンドに、前記ステータコアの軸方向に延びる一対の起立部と、該起立部を連結し前記ティースの前記ステータコアからの突設方向の逆方向において前記インナーコイルのコイルエンドよりも外側に配置される渡り部とが形成されるとともに、前記インナーコイルのコイルエンドに、前記アウターコイルのコイルエンドの起立部を跨ぐ渡り部が形成されている電機における固定子において、
    前記ティースが、先端部に鍔部が形成されるとともに前記ステータコアに装着可能な第1ティースと、該第1ティースに隣り合う位置に配置されるとともに先端部の前記第1ティースに向けた突出長さが前記第1ティースの鍔部の突出長さよりも短く形成された第2ティースとからなり、
    前記アウターコイルの外側で該アウターコイルに隣り合うティースと、前記インナーコイルの外側で該インナーコイルに隣り合うティースとが前記第1ティースによって形成されるとともに、前記インナーコイルの内側で該インナーコイルに隣り合うティースが前記第2ティースによって形成されている電機における固定子。
  2. 前記第2ティースは前記ステータコアに対し一体成形されている請求項1に記載の電機における固定子。
  3. 前記アウターコイルのコイルエンドに形成された渡り部と、前記インナーコイルのコイルエンドに形成された渡り部の両方が跨るティースが前記第2ティースによって形成されている請求項1又は請求項2に記載の電機における固定子。
  4. 前記電機は回転電機である請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電機における固定子。
  5. 前記第2ティースは基端部側から先端部側に向かうに従い細くなるように形成されるとともに該第2ティースの先端部には鍔部が形成され、前記第2ティースの鍔部の突出長さが、前記第1ティースの鍔部の突出長さより短く形成されている請求項4に記載の電機における固定子。
  6. ステータコアにティースが複数配列されており、アウターコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれているとともに、インナーコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれており、前記アウターコイルのコイルエンドに、前記ステータコアの軸方向に延びる一対の起立部と、該起立部を連結し前記ティースの前記ステータコアからの突設方向の逆方向において前記インナーコイルのコイルエンドよりも外側に配置される渡り部とが形成されるとともに、前記インナーコイルのコイルエンドに、前記アウターコイルのコイルエンドの起立部を跨ぐ渡り部が形成され、前記ティースが、先端部に鍔部が形成されるとともに前記ステータコアに装着可能な第1ティースと、該第1ティースに隣り合う位置に配置されるとともに先端部の前記第1ティースに向けた突出長さが前記第1ティースの鍔部の突出長さよりも短く形成された第2ティースとからなる電機における固定子の製造方法において、
    前記アウターコイルを前記第2ティースに組付け、
    前記第1ティースを、前記アウターコイルの外側で該アウターコイルに隣り合う位置に装着し、
    前記インナーコイルを該インナーコイルの内側に前記第2ティースが隣り合うように該第2ティースに組付け、
    前記第1ティースを、前記インナーコイルの外側で該インナーコイルに隣り合う位置に装着することを特徴とする電機における固定子の製造方法。
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