JP2010246019A - フェライト・磁石素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】永久磁石との接着工程でフェライトにクラックや反りが発生することのないフェライト・磁石素子の製造方法を得る。
【解決手段】互いに電気的に絶縁状態で交差して配置された第1及び第2中心電極を有するフェライトと、該フェライトに直流磁界を印加するようにフェライトの両主面に固着した一対の永久磁石とからなるフェライト・磁石素子の製造方法。磁石母材41A’の表面上に接着層42、金属箔(中心電極36)、絶縁層43、金属箔(中心電極35)、接着層44を形成し、フェライト母材32’を接着する。フェライト母材32’には予め分割溝32aが形成されており、接着後に所定の厚さに研磨される(工程9)。
【選択図】図7
【解決手段】互いに電気的に絶縁状態で交差して配置された第1及び第2中心電極を有するフェライトと、該フェライトに直流磁界を印加するようにフェライトの両主面に固着した一対の永久磁石とからなるフェライト・磁石素子の製造方法。磁石母材41A’の表面上に接着層42、金属箔(中心電極36)、絶縁層43、金属箔(中心電極35)、接着層44を形成し、フェライト母材32’を接着する。フェライト母材32’には予め分割溝32aが形成されており、接着後に所定の厚さに研磨される(工程9)。
【選択図】図7
Description
本発明は、非可逆回路素子などに組み込まれるフェライト・磁石素子の製造方法に関する。
従来より、アイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子は、予め定められた特定方向にのみ信号を伝送し、逆方向には伝送しない特性を有している。この特性を利用して、例えば、アイソレータは、自動車電話、携帯電話などの移動体通信機器の送信回路部に使用されている。
一般に、この種の非可逆回路素子では、中心電極が形成されたフェライトとそれに直流磁界を印加する永久磁石とからなるフェライト・磁石素子や、抵抗やコンデンサ(容量)からなる所定の整合回路素子を備えている。また、複数の非可逆回路素子を備えた複合電子部品、あるいは、非可逆回路素子とパワーアンプ素子とを備えた複合電子部品などがモジュールとして提供されている。
従来、この種の非可逆回路素子を構成するフェライト・磁石素子としては、特許文献1に記載されているように、中心電極を設けたフェライトを一対の永久磁石で挟着して一体化したものが知られている。このフェライト・磁石素子では、一対の永久磁石からフェライトに対して平行磁場を作用させるためにフェライトはできるだけ薄いことが好ましい。しかしながら、永久磁石にフェライトを接着する際の加熱時に、両者の線膨脹係数の差に起因して、薄いフェライトにクラックが発生し、中心電極に断線が生じるという問題点を有していた。クラックが発生しない条件に設定しても、やはり線膨脹係数の差に起因してフェライトに反りが発生し、接着層に不着部分(ボイド)が生じて接着信頼性が低下するという問題点を有していた。
そこで、本発明の目的は、永久磁石との接着工程でフェライトにクラックや反りが発生することのないフェライト・磁石素子の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1の形態であるフェライト・磁石素子の製造方法は、
互いに電気的に絶縁状態で交差して配置された複数の中心電極を有するフェライトと、該フェライトに直流磁界を印加するようにフェライトの表裏面にそれぞれ固着した第1及び第2の永久磁石とからなるフェライト・磁石素子の製造方法において、
前記フェライトよりも厚さが大きく、かつ、前記フェライトの複数単位の広さを有するフェライト母材に、1単位のフェライトの外形状に対応するラインに沿って分割溝を形成する工程と、
前記第1の永久磁石の複数単位の広さを有する第1の磁石母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記フェライト母材を前記分割溝の形成面が第1の磁石母材に対向するように接着する工程と、
前記フェライト母材の表面を所定の厚さに研磨する工程と、
研磨された前記フェライト母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第2の永久磁石の複数単位の広さを有する第2の磁石母材を接着する工程と、
前記第1の磁石母材、前記フェライト母材、前記第2の磁石母材からなる積層体を前記分割溝に沿って分割する工程と、
を備えたことを特徴とする。
互いに電気的に絶縁状態で交差して配置された複数の中心電極を有するフェライトと、該フェライトに直流磁界を印加するようにフェライトの表裏面にそれぞれ固着した第1及び第2の永久磁石とからなるフェライト・磁石素子の製造方法において、
前記フェライトよりも厚さが大きく、かつ、前記フェライトの複数単位の広さを有するフェライト母材に、1単位のフェライトの外形状に対応するラインに沿って分割溝を形成する工程と、
前記第1の永久磁石の複数単位の広さを有する第1の磁石母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記フェライト母材を前記分割溝の形成面が第1の磁石母材に対向するように接着する工程と、
前記フェライト母材の表面を所定の厚さに研磨する工程と、
研磨された前記フェライト母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第2の永久磁石の複数単位の広さを有する第2の磁石母材を接着する工程と、
前記第1の磁石母材、前記フェライト母材、前記第2の磁石母材からなる積層体を前記分割溝に沿って分割する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、本発明の第2の形態であるフェライト・磁石素子の製造方法は、
互いに電気的に絶縁状態で交差して配置された複数の中心電極を有するフェライトと、該フェライトに直流磁界を印加するようにフェライトの表裏面にそれぞれ固着した第1及び第2の永久磁石とからなるフェライト・磁石素子の製造方法において、
前記フェライトよりも厚さが大きく、かつ、前記フェライトの複数単位の広さを有するフェライト母材に、1単位のフェライトの外形状に対応するラインに沿って分割溝を形成する工程と、
前記フェライト母材の前記分割溝の形成面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第1の永久磁石の複数単位の広さを有する第1の磁石母材を接着する工程と、
前記フェライト母材の表面を所定の厚さに研磨する工程と、
研磨された前記フェライト母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第2の永久磁石の複数単位の広さを有する第2の磁石母材を接着する工程と、
前記第1の磁石母材、前記フェライト母材、前記第2の磁石母材からなる積層体を前記分割溝に沿って分割する工程と、
を備えたことを特徴とする。
互いに電気的に絶縁状態で交差して配置された複数の中心電極を有するフェライトと、該フェライトに直流磁界を印加するようにフェライトの表裏面にそれぞれ固着した第1及び第2の永久磁石とからなるフェライト・磁石素子の製造方法において、
前記フェライトよりも厚さが大きく、かつ、前記フェライトの複数単位の広さを有するフェライト母材に、1単位のフェライトの外形状に対応するラインに沿って分割溝を形成する工程と、
前記フェライト母材の前記分割溝の形成面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第1の永久磁石の複数単位の広さを有する第1の磁石母材を接着する工程と、
前記フェライト母材の表面を所定の厚さに研磨する工程と、
研磨された前記フェライト母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第2の永久磁石の複数単位の広さを有する第2の磁石母材を接着する工程と、
前記第1の磁石母材、前記フェライト母材、前記第2の磁石母材からなる積層体を前記分割溝に沿って分割する工程と、
を備えたことを特徴とする。
前記第1及び第2のフェライト・磁石素子の製造方法においては、接着層又は絶縁層を介して第1の磁石母材、フェライト母材、第2の磁石母材を積層していくことにより容易に製造することができ、かつ、フェライト母材は比較的厚い状態で第1の磁石母材と接着されるので、接着層の加熱時にフェライトにクラックや反りが発生することがなく、中心電極の断線や接着層にボイドが発生するなどの不具合がなく、信頼性が向上する。
また、積層した後にフェライトを研磨するため、単体の研磨では割れてしまうような厚みであっても特性上好ましいとされる薄さまでフェライトを薄く研磨することができる。そして、研磨工程の後、薄いフェライトに第2の磁石母材が接着されるが、このときフェライトには分割溝が形成されているため、クラックが発生するとしても分割溝に発生し、該分割溝は積層体の分割時にカットされるものであるため、製造されたフェライト・磁石素子にクラックが残ることはない。
本発明によれば、積層工法によって容易に精度の良好なフェライト・磁石素子を製造することができ、フェライトにクラックや反りが発生することを回避でき、信頼性が向上する。
以下、本発明に係るフェライト・磁石素子の製造方法の実施例について添付図面を参照して説明する。なお、各実施例において共通する部品、部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
(アイソレータの第1例、図1〜図5参照)
第1例である2ポート型アイソレータ1の分解斜視図を図1に示す。この2ポート型アイソレータ1は、集中定数型アイソレータであり、概略、回路基板20と、フェライト32と一対の永久磁石41A,41Bとからなるフェライト・磁石素子30と、整合回路素子(コンデンサC1は回路基板20上に実装され、他の素子は回路基板20に内蔵されている)とで構成されている。
第1例である2ポート型アイソレータ1の分解斜視図を図1に示す。この2ポート型アイソレータ1は、集中定数型アイソレータであり、概略、回路基板20と、フェライト32と一対の永久磁石41A,41Bとからなるフェライト・磁石素子30と、整合回路素子(コンデンサC1は回路基板20上に実装され、他の素子は回路基板20に内蔵されている)とで構成されている。
フェライト32には、図2に示すように、表裏の主面32a,32bに互いに電気的に絶縁された第1中心電極35及び第2中心電極36が形成されている。ここで、フェライト32は互いに対向する平行な第1主面32a及び第2主面32bを有する直方体形状をなしている。
また、永久磁石41A,41Bはフェライト32に対して直流磁界を主面32a,32bに略垂直方向に印加するように主面32a,32bに対して、例えば、エポキシ系の接着層42(図4参照)を介して接着され、フェライト・磁石素子30を形成している。永久磁石41A,41Bの主面は前記フェライト32の主面32a,32bと同一寸法であり、互いの外形が一致するように主面どうしを対向させて配置されている。なお、フェライト・磁石素子30の製造方法については、以下に図6〜図9(第1実施例)、図10〜図13(第2実施例)を参照して詳述する。
第1中心電極35は以下に説明するように金属箔(例えば、Cu箔)にて形成されている。即ち、図2に示すように、この第1中心電極35は、フェライト32の第1主面32aにおいて右下から立ち上がって左上に長辺に対して比較的小さな角度で傾斜して形成され、上面32c上の中継用電極35aを介して第2主面32bに回り込み、第2主面32bにおいて第1主面32aと透視状態で重なるように形成され、その一端は下面32dに形成された電極35bに接続されている。また、第1中心電極35の他端は下面32dに形成された電極35cに接続されている。このように、第1中心電極35はフェライト32に1ターン巻回されている。そして、第1中心電極35と以下に説明する第2中心電極36とは、間に絶縁層43(図4参照)が形成されて互いに絶縁された状態で交差している。中心電極35,36の交差角は必要に応じて設定され、入力インピーダンスや挿入損失が調整されることになる。
第2中心電極36は金属箔(例えば、Cu箔)にて形成されている。この第2中心電極36は、まず、0.5ターン目36aが第1主面32aにおいて右下から左上に長辺に対して比較的大きな角度で傾斜して第1中心電極35と交差した状態で形成され、上面32c上の電極36bを介して第2主面32bに回り込み、この1ターン目36cが第2主面32bにおいてほぼ垂直に第1中心電極35と交差した状態で形成されている。1ターン目36cの下端部は下面32dの電極36dを介して第1主面32aに回り込み、この1.5ターン目36eが第1主面32aにおいて0.5ターン目36aと平行に第1中心電極35と交差した状態で形成され、上面32c上の電極36fを介して第2主面32bに回り込んでいる。以下同様に、2ターン目36g、電極36h、2.5ターン目36i、電極36j、3ターン目36k、電極36l、がフェライト32の表面にそれぞれ形成されている。また、第2中心電極36の両端は、それぞれフェライト32の下面32dに形成された電極35c,36lに接続されている。なお、電極35cは第1中心電極35及び第2中心電極36のそれぞれの端部の接続用電極として共用されている。
また、電極35a,35b,35c,36b,36d,36f,36h,36j,36lはフェライト32の上下面32c,32dに形成された凹部37(図3参照)にAg,Cuなどをめっきにて形成されている。また、上下面32c,32dには凹部37と平行にダミー凹部38も形成され、かつ、ダミー電極39a,39b,39cが形成されている。この種の電極は、マザーフェライト基板にスルーホールを形成し、このスルーホールに電極材料をめっきした後、スルーホールを分断する位置でカットすることによって形成される。
図4は、フェライト32の主面32a上に各材料が積層される状態を示しており、主面32a上には接着層44を介して第2中心電極36が形成され、さらに、絶縁層43を介して第1中心電極35が形成され、さらに、接着層42を介して永久磁石41Aが貼着されている。フェライト32の主面32b側にも、図4では示していないが、同様に各材料が積層されている。
フェライト32としてはYIGフェライトなどが用いられている。第1及び第2中心電極35,36はCuなどの金属箔をエッチングして形成される。中心電極35,36の絶縁層43としてはポリイミドなどの樹脂膜などを用いることができる。これらも印刷、転写、フォトリソグラフなどで形成することができる。
永久磁石41A,41Bは、通常、ストロンチウム系、バリウム系、ランタン−コバルト系のフェライトマグネットが用いられる。永久磁石41A,41Bとフェライト32とを接着する接着層42としては、例えば、一液性の熱硬化型エポキシ接着剤を用いる。
基板20は、LTCCセラミック基板であり、その表面には、前記フェライト・磁石素子30や整合回路素子の一部であるチップタイプのコンデンサC1を実装するための端子電極25a,25b,25c,25d,25eや入出力用電極26,27、グランド電極28が形成されている。また、図5を参照して以下に説明する整合回路素子(コンデンサC2,CS1,CS2、抵抗R)が基板20に内部電極として形成され、ビアホール導体などを介して所定の回路が構成されている。
前記フェライト・磁石素子30は、基板20上に載置され、フェライト32の下面32dの電極35b,35c,36lが基板20上の端子電極25a,25b,25cとリフローはんだ付けされて一体化される。また、コンデンサC1が基板20上の端子電極25d,25eとリフローはんだ付けされる。
(回路構成、図5参照)
ここで、前記アイソレータ1の一回路例を図5の等価回路に示す。入力ポートP1は整合用コンデンサCS1を介して整合用コンデンサC1と終端抵抗Rとに接続され、整合用コンデンサCS1は第1中心電極35の一端に接続されている。第1中心電極35の他端及び第2中心電極36の一端は、終端抵抗R及びコンデンサC1,C2に接続され、かつ、コンデンサCS2を介して出力ポートP2に接続されている。第2中心電極36の他端及びコンデンサC2はグランドポートP3に接続されている。
ここで、前記アイソレータ1の一回路例を図5の等価回路に示す。入力ポートP1は整合用コンデンサCS1を介して整合用コンデンサC1と終端抵抗Rとに接続され、整合用コンデンサCS1は第1中心電極35の一端に接続されている。第1中心電極35の他端及び第2中心電極36の一端は、終端抵抗R及びコンデンサC1,C2に接続され、かつ、コンデンサCS2を介して出力ポートP2に接続されている。第2中心電極36の他端及びコンデンサC2はグランドポートP3に接続されている。
以上の等価回路からなる2ポート型アイソレータ1においては、第1中心電極35の一端が入力ポートP1に接続され他端が出力ポートP2に接続され、第2中心電極36の一端が出力ポートP2に接続され他端がグランドポートP3に接続されているため、挿入損失の小さな2ポート型の集中定数型アイソレータとすることができる。さらに、動作時において、第2中心電極36に大きな高周波電流が流れ、第1中心電極35にはほとんど高周波電流が流れない。
また、フェライト・磁石素子30は、フェライト32と一対の永久磁石41A,41Bが一体化されていることで、機械的に安定となり、振動や衝撃で変形・破損しない堅牢なアイソレータとなる。
(製造工程、第1実施例、図6〜図9参照)
前記フェライト・磁石素子30の第1実施例である製造工程について図6〜図9を参照して説明する。なお、図6〜図9及び第2実施例を示す図10〜図13ではフェライト・磁石素子30の断面を模式的に示している。
前記フェライト・磁石素子30の第1実施例である製造工程について図6〜図9を参照して説明する。なお、図6〜図9及び第2実施例を示す図10〜図13ではフェライト・磁石素子30の断面を模式的に示している。
また、フェライト32は以下のようにして製作したものを用いている。即ち、酸化イットリウム及び酸化鉄を主成分とするマイクロ波用磁性体粉末と、ポリビニールアルコール系有機バインダとを有機溶剤中に分散し、スラリーを得た。次に、前記マイクロ波用磁性体粉末を乾式プレスなどで成形し、1300〜1400℃程度の温度で焼成した。なお、前記主成分に代えて、マンガンマグネシウムフェライト、ニッケル亜鉛フェライト、カルシウムバナジウムガーネットなどの磁性体粉末を用いてもよい。
また、第1中心電極35と第2中心電極36の配置順序はいずれが先であってもよい。図2及び図4では第2中心電極36を内側に配置し、第1中心電極35を外側に配置した例を示したが、第1及び第2実施例である製造工程では第1中心電極35を内側に配置し、第2中心電極36を外側に配置した例で説明する。
まず、工程1では、フェライト母材32’の表面に分割溝32aを形成する。フェライト母材32’は完成されたフェライト32よりも厚さが大きく(例えば、フェライト32の厚さが0.1mmであれば、0.35〜0.6mm)、かつ、フェライト32の複数単位の面積を有している。分割溝32aは1単位のフェライト32の外形状に対応するラインに沿ってダイシングなどで形成される。分割溝32aの深さは、フェライト32の厚さにほぼ等しい。
工程2では、永久磁石41Aの複数単位の広さを有する磁石母材41A’の表面に接着層42を形成する。工程3では、接着層42上に金属箔を貼着し、フォトリソグラフィにより中心電極36となる電極層を形成するとともに、積層の基準となるマーカーを設ける。工程4では、フォトリソグラフィにより絶縁層43を形成する。工程5では、絶縁層43上に金属箔を貼着し、フォトリソグラフィにより中心電極35となる電極層を形成する。工程6では、電極34をめっきにて形成する。
次に、工程7では、接着層44を形成する。工程8では、接着層44上にフェライト母材32’を分割溝32aの形成面が磁石母材41A’に対向するように接着する。このとき、フェライト母材32’は厚みを有しているため、接着層44の加熱時にクラックや反りが発生することはない。工程9では、フェライト母材32’の表面を完成品の厚さとなるように研磨する。研磨は磁石母材41A’の裏面を基準面として行われ、磁石母材41A’からフェライト母材32’までのトータルの厚さTが決まる。
次に、工程10では、フェライト母材32’にスルーホール33(上下面の凹部37,38に相当する)を、先に形成した電極34に達するように形成する。スルーホール33はレーザ法により加工されるが、サンドブラスト法などで加工してもよい。工程11では、スルーホール33に電極34をめっきにて形成する。この電極34は、先の工程6で形成した電極34と一体化し、フェライト32の上下面32c,32dで中心電極35,36をそれぞれ接続する。工程12ではフェライト母材32’の表面に接着層45を形成する。工程13では、接着層45上に金属箔を貼着し、フォトリソグラフィにより中心電極35となる電極層を形成する。
次に、工程14では電極34をめっきにて形成する。この電極34は先の工程11で形成された電極34と一体化する。工程15では、フォトリソグラフィにより絶縁層46を形成する。工程16では、絶縁層46上に金属箔を貼着し、フォトリソグラフィにより中心電極36となる電極層を形成する。工程17では、電極34をめっきにて形成する。ここで形成される電極34は、中心電極35,36とそれぞれ接続し、先の工程14で形成した電極34と一体化する。工程18では、接着層47を形成する。工程19では、接着層47上にいま一つの永久磁石41Bの複数単位の広さを有する磁石母材41B’を接着する。接着層47の加熱時において、フェライト母材32’は薄く研磨されているが、分割溝32aが存在するため、クラックは分割溝32aに集中して発生する。
次に、工程20では、磁石母材41A、フェライト32、磁石母材41Bからなる積層体を分割溝32aに沿って分割する。これにて1単位のフェライト・磁石素子30が形成されることになる。分割溝32aの幅は分割に使用するダイシングの幅よりも小さく、分割溝32aは消え去る。
(製造工程、第2実施例、図10〜図13参照)
前記フェライト・磁石素子30の第2実施例である製造工程について図10〜図13を参照して説明する。
前記フェライト・磁石素子30の第2実施例である製造工程について図10〜図13を参照して説明する。
まず、工程1では、フェライト母材32’の表面に分割溝32aを形成し、接着層44を形成する。フェライト母材32’は完成されたフェライト32よりも厚さが大きく(例えば、フェライト32の厚さが0.1mmであれば、0.35〜0.6mm)、かつ、フェライト32の複数単位の面積を有している。分割溝32aは1単位のフェライト32の外形状に対応するラインに沿ってダイシングなどで形成される。分割溝32aの深さは、フェライト32の厚さにほぼ等しい。
工程2では、接着層44上に金属箔を貼着し、フォトリソグラフィにより中心電極35となる電極層を形成するとともに、積層の基準となるマーカーを設ける。工程3では、フォトリソグラフィにより絶縁層43を形成する。工程4では、絶縁層43上に金属箔を貼着し、フォトリソグラフィにより中心電極36となる電極層を形成する。工程5では、電極34をめっきにて形成する。
次に、工程6では、接着層42を形成する。工程7では、接着層42上に磁石母材41A’を接着する。磁石母材41A’は永久磁石41Aの複数単位の広さを有している。このとき、フェライト母材32’は厚みを有しているため、接着層42の加熱時にクラックや反りが発生することはない。工程8では、フェライト母材32’及び磁石母材41A’の表裏を反転させる。
工程9では、フェライト母材32’の表面を完成品の厚さとなるように研磨する。研磨は磁石母材41A’の裏面を基準面として行われ、磁石母材41A’からフェライト母材32’までのトータルの厚さTが決まる。なお、反転前の工程7において、フェライト母材32’の裏面を基準面として磁石母材41A’の表面を研磨してもよい。これにて、フェライト母材32’を研磨した際のトータルの厚さT(フェライト32の厚さ)が決まることになる。
次に、工程10では、フェライト母材32’にスルーホール33(上下面の凹部37,38に相当する)を、中心電極35に達するように形成する。スルーホール33はレーザ法により加工されるが、サンドブラスト法などで加工してもよい。工程11では、スルーホール33に電極34をめっきにて形成する。この電極34は、先の工程5で形成した電極34とともに、フェライト32の上下面32c,32dで中心電極35,36をそれぞれ接続する。工程12ではフェライト母材32’の表面に接着層45を形成する。工程13では、接着層45上に金属箔を貼着し、フォトリソグラフィにより中心電極35となる電極層を形成する。
次に、工程14では電極34をめっきにて形成する。この電極34は先の工程11で形成された電極34と一体化する。工程15では、フォトリソグラフィにより絶縁層46を形成する。工程16では、絶縁層46上に金属箔を貼着し、フォトリソグラフィにより中心電極36となる電極層を形成する。工程17では、電極34をめっきにて形成する。ここで形成される電極34は、中心電極35,36とそれぞれ接続し、先の工程14で形成した電極34と一体化する。工程18では、接着層47を形成する。工程19では、接着層47上にいま一つの永久磁石41Bの複数単位の広さを有する磁石母材41B’を接着する。接着層47の加熱時において、フェライト母材32’は薄く研磨されているが、分割溝32aが存在するため、クラックは分割溝32aに集中して発生する。
次に、工程20では、磁石母材41A、フェライト32、磁石母材41Bからなる積層体を分割溝32aに沿って分割する。これにて1単位のフェライト・磁石素子30が形成されることになる。分割溝32aの幅は分割に使用するダイシングの幅よりも小さく、分割溝32aは消え去る。
(製造方法の変形例)
なお、前記第1及び第2の実施例である製造工程において、スルーホール33を形成したり、電極34を形成するのは他の工程であってもよい。さらに、永久磁石41の下面(回路基板20に対する永久磁石41の実装面である)にもスルーホールを形成し、該スルーホールにめっきにて電極34を形成してもよい。このようにして形成したフェライト・磁石素子30の底面を図14に示す。永久磁石41の下面にも電極34を形成することにより、フェライト・磁石素子30を基板20上に実装する際のはんだ付け強度が向上する。
なお、前記第1及び第2の実施例である製造工程において、スルーホール33を形成したり、電極34を形成するのは他の工程であってもよい。さらに、永久磁石41の下面(回路基板20に対する永久磁石41の実装面である)にもスルーホールを形成し、該スルーホールにめっきにて電極34を形成してもよい。このようにして形成したフェライト・磁石素子30の底面を図14に示す。永久磁石41の下面にも電極34を形成することにより、フェライト・磁石素子30を基板20上に実装する際のはんだ付け強度が向上する。
前記製造工程においては、中心電極35,36を金属箔にて形成するとともに、電極34(35a,35b,35c,36b,36d,36f,36h,36j,36l)をめっきにて形成したため、焼結することはないので、焼結による収縮誤差が生じることはない。
(アイソレータの第2例、図15参照)
第2例である2ポート型アイソレータ2の分解斜視図を図15に示す。この2ポート型アイソレータ2は、基本的には前記第1例と同様の構成を備え、異なるのは、整合回路素子C1,C2,CS1,CS2,Rの全てをチップタイプとしてプリント配線回路基板20Aの表面にはんだ付けした点にある。プリント配線回路基板20Aの表面には第1及び第2中心電極35,36の両端を接続するための端子電極25a,25b,25c以外にも各整合回路素子を接続するための端子電極25d,25eが形成されている。また、図示しないが、入出力用電極、グランド電極も形成されている。
第2例である2ポート型アイソレータ2の分解斜視図を図15に示す。この2ポート型アイソレータ2は、基本的には前記第1例と同様の構成を備え、異なるのは、整合回路素子C1,C2,CS1,CS2,Rの全てをチップタイプとしてプリント配線回路基板20Aの表面にはんだ付けした点にある。プリント配線回路基板20Aの表面には第1及び第2中心電極35,36の両端を接続するための端子電極25a,25b,25c以外にも各整合回路素子を接続するための端子電極25d,25eが形成されている。また、図示しないが、入出力用電極、グランド電極も形成されている。
(複合電子部品の第1例、図16及び図17参照)
図16に第1例である複合電子部品3を示す。この複合電子部品3は、前記アイソレータ2とパワーアンプ81とをプリント配線回路基板82の表面に実装してモジュールとして構成したものである。パワーアンプ81の周囲にもチップタイプの必要な回路素子83a〜83fが実装されている。
図16に第1例である複合電子部品3を示す。この複合電子部品3は、前記アイソレータ2とパワーアンプ81とをプリント配線回路基板82の表面に実装してモジュールとして構成したものである。パワーアンプ81の周囲にもチップタイプの必要な回路素子83a〜83fが実装されている。
図17に複合電子部品3の回路構成を示す。インピーダンス整合回路86の出力は高周波パワーアンプ回路81に入力され、その出力はインピーダンス整合回路85を介してアイソレータ2に入力される。
(複合電子部品の第2例、図18参照)
図18に第2例である複合電子部品4を示す。この複合電子部品4は、アイソレータ2A,2Bをプリント配線回路基板91の表面に実装してモジュールとして構成したものである。アイソレータ2A,2Bは前記アイソレータ2と同様の構成からなり、アイソレータ2Aは例えば800MHz帯に使用され、アイソレータ2Bは例えば2GHz帯に使用される。
図18に第2例である複合電子部品4を示す。この複合電子部品4は、アイソレータ2A,2Bをプリント配線回路基板91の表面に実装してモジュールとして構成したものである。アイソレータ2A,2Bは前記アイソレータ2と同様の構成からなり、アイソレータ2Aは例えば800MHz帯に使用され、アイソレータ2Bは例えば2GHz帯に使用される。
(複合電子部品の第3例、図19参照)
図19に第3例である複合電子部品5を示す。この複合電子部品5は、アイソレータ2Aとパワーアンプ81Aの組、及び、アイソレータ2Bとパワーアンプ81Bの組をそれぞれプリント配線回路基板96の表面に実装してモジュールとして構成したものである。
図19に第3例である複合電子部品5を示す。この複合電子部品5は、アイソレータ2Aとパワーアンプ81Aの組、及び、アイソレータ2Bとパワーアンプ81Bの組をそれぞれプリント配線回路基板96の表面に実装してモジュールとして構成したものである。
(他の実施例)
なお、本発明に係るフェライト・磁石素子の製造方法は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
なお、本発明に係るフェライト・磁石素子の製造方法は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
特に、整合回路の構成は任意である。また、フェライト・磁石素子や整合回路素子を基板の表面に接合する方法としては、前記実施例に示したはんだ接合以外に、導電性接着剤による接合、超音波による接合、ブリッジボンディングによる接合などを用いてもよい。
以上のように、本発明は、フェライト・磁石素子に有用であり、特に、永久磁石との接着工程でフェライトにクラックや反りが発生することがない点で優れている。
1,2,2A,2B…アイソレータ
3,4,5…複合電子部品
30…フェライト・磁石素子
32…フェライト
33…スルーホール
34…電極
35…第1中心電極
36…第2中心電極
41…永久磁石
42,44,45,47…接着層
43,46…絶縁層
3,4,5…複合電子部品
30…フェライト・磁石素子
32…フェライト
33…スルーホール
34…電極
35…第1中心電極
36…第2中心電極
41…永久磁石
42,44,45,47…接着層
43,46…絶縁層
Claims (7)
- 互いに電気的に絶縁状態で交差して配置された複数の中心電極を有するフェライトと、該フェライトに直流磁界を印加するようにフェライトの表裏面にそれぞれ固着した第1及び第2の永久磁石とからなるフェライト・磁石素子の製造方法において、
前記フェライトよりも厚さが大きく、かつ、前記フェライトの複数単位の広さを有するフェライト母材に、1単位のフェライトの外形状に対応するラインに沿って分割溝を形成する工程と、
前記第1の永久磁石の複数単位の広さを有する第1の磁石母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記フェライト母材を前記分割溝の形成面が第1の磁石母材に対向するように接着する工程と、
前記フェライト母材の表面を所定の厚さに研磨する工程と、
研磨された前記フェライト母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第2の永久磁石の複数単位の広さを有する第2の磁石母材を接着する工程と、
前記第1の磁石母材、前記フェライト母材、前記第2の磁石母材からなる積層体を前記分割溝に沿って分割する工程と、
を備えたことを特徴とするフェライト・磁石素子の製造方法。 - 互いに電気的に絶縁状態で交差して配置された複数の中心電極を有するフェライトと、該フェライトに直流磁界を印加するようにフェライトの表裏面にそれぞれ固着した第1及び第2の永久磁石とからなるフェライト・磁石素子の製造方法において、
前記フェライトよりも厚さが大きく、かつ、前記フェライトの複数単位の広さを有するフェライト母材に、1単位のフェライトの外形状に対応するラインに沿って分割溝を形成する工程と、
前記フェライト母材の前記分割溝の形成面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第1の永久磁石の複数単位の広さを有する第1の磁石母材を接着する工程と、
前記フェライト母材の表面を所定の厚さに研磨する工程と、
研磨された前記フェライト母材の表面に中心電極となる電極層を形成し、その上に前記第2の永久磁石の複数単位の広さを有する第2の磁石母材を接着する工程と、
前記第1の磁石母材、前記フェライト母材、前記第2の磁石母材からなる積層体を前記分割溝に沿って分割する工程と、
を備えたことを特徴とするフェライト・磁石素子の製造方法。 - さらに、フェライト母材の表面を所定の厚さに研磨する工程の前に、前記第1の磁石母材の表面を研磨する工程と、を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェライト・磁石素子の製造方法。
- さらに、研磨された前記フェライト母材にスルーホールを形成し、該スルーホールに電極を設けて前記フェライト母材の表裏面に形成された中心電極を電気的に接続する工程と、を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェライト・磁石素子の製造方法。
- 前記スルーホールにめっきによって前記電極を設けることを特徴とする請求項4に記載のフェライト・磁石素子の製造方法。
- 前記中心電極は金属箔にて形成することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のフェライト・磁石素子の製造方法。
- 前記金属箔からフォトリソグラフィによって中心電極を形成することを特徴とする請求項6に記載のフェライト・磁石素子の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2009095086A JP2010246019A (ja) | 2009-04-09 | 2009-04-09 | フェライト・磁石素子の製造方法 |
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