JP2010245192A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルファクターが高く良好な光電変換特性を有する薄膜太陽電池を得ること。
【解決手段】透光性絶縁基板上に、第1の電極層と、光電変換を行う第1光電変換層と、中間層と、光電変換を行う第2光電変換層と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層と、をこの順で有する薄膜太陽電池であって、前記中間層は、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第1中間層と、導電率が前記第1中間層の導電率の1/10以下の膜からなり前記第1中間層の光入射側または光出射側の少なくともいずれか一方において前記第1中間層に当接して設けられた第2中間層と、により構成される。
【選択図】図1−3

Description

本発明は、薄膜半導体の光起電力により発電する薄膜太陽電池およびその製造方法に関するものである。
薄膜太陽電池は、透光性絶縁基板上の透明電極膜と反射電極膜との間にp型層、i型層、n型層からなる半導体層である光電変換層を挟持し、さらに光電変換効率を向上させる目的で、例えばそれぞれアモルファスシリコン光電変換層と微結晶シリコン光電変換層とからなる複数の光電変換層を積層し、直列に接続した多接合構造とされている。この構造では、それぞれの半導体層のバンドギャップの違いから、光の吸収波長領域が異なることを利用して、光入射側のアモルファスシリコン光電変換層で太陽光のうち短波長成分を、微結晶シリコン光電変換層で太陽光のうち長波長成分をそれぞれ吸収させて光の有効波長域を広げ、さらには直列接合による開放電圧の加算により変換効率を向上させている。
また、アモルファスシリコン光電変換層と微結晶シリコン光電変換層との間には中間層が挟持されている。中間層は、光入射側のアモルファスシリコン光電変換層を通過した光を反射して、アモルファスシリコンに光を戻す役割を果たす。このため、アモルファスシリコン光電変換層の光電変換層は薄い膜厚で所定の吸収および発電電流を生じる。そして、光電変換層の膜厚を薄くできる分だけ光劣化を抑制することができ、劣化後の安定化効率を高くすることが可能となる。中間層において光を有効に反射させるためには、アモルファスシリコン光電変換層と中間層との屈折率差を大きくする必要がある。そこで、例えば中間層を、酸素成分を含有したシリコンとすることにより波長600nmの光に対して低い屈折率1.7以上2.1以下とする技術が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
一方、上述したような多接合構造の太陽電池セルでは、アモルファスシリコン光電変換層と微結晶シリコン光電変換層とでそれぞれ発生した電流を、中間層を介して低い抵抗で流さなければならない。抵抗成分が高い場合は、発生した電流による電圧降下がセル特性に影響を及ぼし、動作電流および動作電圧が低下し、いわゆるフィルファクターの低下を招く。したがって、光入射側から順にp型層、i型層、n型層が形成される場合、アモルファスシリコン光電変換層の電子と微結晶シリコン光電変換層の正孔とを中間層を介して再結合させ、見かけの電流を流さなければならない。このため、中間層は上記屈折率に加えて、導電性が求められる。
しかしながら、屈折率が低い酸化シリコンの場合は絶縁体となり、導電率が低下し、中間層としての役割を果たさなくなる。そこで、特許文献1では、中間層の非晶質シリコン相の中に微結晶シリコン相を含有し、暗導電率として10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下を与えることを開示している。
特許第4063735号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている屈折率1.7以上2.1以下では、導電率は例え微結晶シリコン相を含んでいても暗導電率は低くなる。また、リンおよびボロンといったドーパントを含有させても、ドーピングによって微結晶シリコン層が崩れてしまうことから、一定量以上含有させても効果がなかった。このように、特許文献1では、中間層として低屈折率および高い暗導電率を兼ね備えるために、非晶質シリコン相の中に微結晶シリコン相を含有させ、屈折率および暗導電率の範囲を規定しているが、かかる低い屈折率では相当量の酸素が必要とされ、結果として高い導電率を容易に得ることが困難である、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、フィルファクターが高く良好な光電変換特性を有する薄膜太陽電池およびその製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる薄膜太陽電池は、透光性絶縁基板上に、透明導電膜からなる第1の電極層と、第1のp型半導体層と第1のi型半導体層と第1のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第1光電変換層と、中間層と、第2のp型半導体層と第2のi型半導体層と第2のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第2光電変換層と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層と、をこの順で有する薄膜太陽電池であって、前記中間層は、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第1中間層と、導電率が前記第1中間層の導電率の1/10以下の膜からなり前記第1中間層の光入射側または光出射側の少なくともいずれか一方において前記第1中間層に当接して設けられた第2中間層と、により構成されて前記第1光電変換層と前記第2光電変換層とを電気的に接続すること、を特徴とする。
本発明によれば、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第1中間層と、導電率が前記第1中間層の導電率の1/10以下の膜からなり前記第1中間層の光入射側または光出射側の少なくともいずれか一方において前記第1中間層に当接して設けられた第2中間層と、により構成される中間層を備えることにより、第1光電変換層および第2光電変換層の中間層側に配置しているp型層およびn型層によって中間層に形成される逆電界が第2中間層に集中するため、第1中間層での電荷の流れがスムーズになり、フィルファクターが高く、光電変換特性に優れたタンデム型薄膜太陽電池を得ることができる、という効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の概略構成を示す平面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の断面構造を説明するため要部断面図である。 図1−3は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の詳細断面構造(層構成)を説明するため要部断面図である。 図2は、第2中間層の電圧割合と、第1中間層と第2中間層との導電率比(第1中間層の導電率/第2中間層の導電率)と、の関係を示す特性図である。 図3−1は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−2は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−3は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−4は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−5は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−6は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−7は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図4−1は、本発明の実施の形態2にかかるタンデム型薄膜太陽電池の断面構造を説明するため要部断面図である。 図4−2は、本発明の実施の形態2にかかるタンデム型薄膜太陽電池の詳細断面構造(層構成)を説明するため要部断面図である。 図5−1は、本発明の実施の形態3にかかるタンデム型薄膜太陽電池の断面構造を説明するため要部断面図である。 図5−2は、本発明の実施の形態3にかかるタンデム型薄膜太陽電池の詳細断面構造(層構成)を説明するため要部断面図である。 図6−1は、本発明の実施の形態4にかかるタンデム型薄膜太陽電池の断面構造を説明するため要部断面図である。 図6−2は、本発明の実施の形態4にかかるタンデム型薄膜太陽電池の詳細断面構造(層構成)を説明するため要部断面図である。
以下に、本発明にかかる薄膜太陽電池およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池である薄膜太陽電池モジュール(以下、モジュールと呼ぶ)1の概略構成を示す平面図である。図1−2は、モジュール1の断面構造を説明するための図であり、図1−1の線分A−A’方向における要部断断面図である。図1−3は、モジュール1の詳細断面構造(層構成)を説明するための要部断断面図である。
図1−1および図1−2に示すように、実施の形態1にかかるモジュール1は、透光性絶縁基板2上に形成された短冊状(矩形状)の薄膜太陽電池セル(以下、セルと呼ぶ)Cを複数備え、これらのセルCが電気的に直列に接続された構造を有する。セルCは、図1−2および図1−3に示すように透光性絶縁基板2、透光性絶縁基板2上に形成され第1の電極層となる透明電極層3、透明電極層3上に形成される第1光電変換層7、第1光電変換層7上に形成される中間層8、中間層8上に形成される第2光電変換層12、第2光電変換層12上に形成される上部透明導電層13、上部透明導電層13上に形成され第2の電極層となる裏面反射電極層14を備える。
透光性絶縁基板2上に形成された透明電極層3には、透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向に延在するとともに透光性絶縁基板2に達するストライプ状の第1の溝D1が形成されている。この第1の溝D1の部分に第1光電変換層7が埋め込まれることで、透明電極層3が隣接するセルCに跨るようにセル毎に分離されて形成されている。また、この第1の溝D1で、透光性絶縁基板2と第1光電変換層7の下層が接する。
また、透明電極層3上に形成された第1光電変換層7、中間層8および第2光電変換層12には、第1の溝D1と異なる箇所において透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向に延在するとともに透明電極層3に達するストライプ状の第2の溝(接続溝)D2が形成されている。この第2の溝(接続溝)D2の部分に上部透明導電層13が埋め込まれることで、裏面反射電極層14が上部透明導電層13を介して透明電極層3に接続される。そして、該透明電極層3が隣接するセルCに跨っているため、隣り合う2つのセルの一方の裏面反射電極層14と他方の透明電極層3とが電気的に接続されている。
また、裏面反射電極層14、上部透明導電層13、第2光電変換層12、中間層8および第1光電変換層7には、第1の溝D1および第2の溝(接続溝)D2とは異なる箇所で、透明電極層3に達するストライプ状の第3の溝(分離溝)D3が形成されて、各セルCが分離されている。このように、セルCの透明電極層3が、隣接するセルCの裏面反射電極層14と接続することによって、隣接するセルCが電気的に直列接続している。大面積の透光性絶縁基板2上では、上記の第3の溝(分離溝)D3により複数のセルを分離形成し、これらを多段に直列接続し、段数に応じた電圧を得る。
また、上記の各溝の加工には、例えばレーザスクライビング法およびメカニカルスクライビング法等が用いられ、例えば、透明電極層3はNd:YAG基本波(1.064μm)パルスレーザによる走査で加工され、第1、第2光電変換層および上部透明導電層13および裏面反射電極層14はNd:YAG第2高調波(532nm)パルスレーザによる走査で加工される。
透光性絶縁基板2側から光を入射するタイプのモジュール1では、透光性絶縁基板2は、ガラス、透明樹脂等からなる板状部材やシート状部材が用いられる。
透明電極層3は、光透過性を有している透明導電膜が用いられ、例えば酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、透明導電性薄膜(ITO)、酸化インジュウム亜鉛(IZO)に添加物を付与した材料等が用いられ、熱CVD(Chemical vapor deposition)法、スパッタリング法、蒸着法等および各種エッチング処理等の従来の手法を用いて形成される。また、透明電極層3は、光閉じ込めのために第1光電変換層7側の表面に凹凸形状が形成された表面テクスチャ構造(図示せず)を有する。このテクスチャ構造は、入射した太陽光を散乱させ、第1光電変換層7および第2光電変換層12で入射光をより効率的に吸収させ、光利用効率を高める機能を有する。テクスチャ形成法や耐還元性の向上等を目的に、透明電極層3は複数の材料膜から形成しても構わない。
図1−2に示すように2つの光電変換層が積層された構造の場合は、光の入射側に配置された第1光電変換層7には相対的にバンドギャップの広い材料、例えばアモルファスシリコン系材料を含んで構成される光電変換層が用いられる。その後方に配置された第2光電変換層12には、第1光電変換層7よりも相対的にバンドギャップの狭い材料、例えば微結晶シリコン系材料を含んで構成される光電変換層や、アモルファスシリコンゲルマニウムを含んで構成される光電変換層などが用いられる。各々の光電変換層は、第1導電型層であるp型層、実質的に真性な光電変換層であり第2導電型半導体層であるi型層、および第3導電型層であるn型層からなるP−I−N接合を構成する。
第1光電変換層7は、光入射側からみて透明電極層3の後方に配置され、図1−3に示すように、例えばそれぞれアモルファスシリコン(α−Si)からなるp型層4、i型層5、n型層6が順次積層されてP−I−N構造を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。i型層5にて光が吸収され、上記i型層5の両接合面に配置したp型層4とn型層6のフェルミ準位の差によりi型層5に電界が加わり、この電界によりi型層5で光吸収によって生成した電子と正孔をそれぞれ第1光電変換層7の外側に向かって導く。このような第1光電変換層7は、例えばプラズマCVD等の製膜方法により形成される。
ここで、p型層4は、光透過性および開放電圧をそれぞれ高める目的で、炭化シリコン(SiC)、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)等のワイドバンドギャップ材料を用いても構わない。また、p型層4とi型層5との界面、およびi型層5とn型層6との界面に、バンド不連続を補う、あるいは界面欠陥準位の影響を抑制する目的で、バッファー層として類似の材料でドーピングレベルを調整したものを使用しても構わない。さらに、p型層4は、所定の導電率を薄い膜厚で達成するために微結晶Siを含む材料を用いても構わない。
中間層8は、光透過性および光反射性の双方の特性を有し、かつ導電性を有する膜により構成され、図1−3に示すように第1光電変換層7と第2光電変換層12との間に配置される。中間層8は第1光電変換層7に入射した光を反射させることができるため、I型非晶質半導体層5の実効膜厚を増大させる効果がある。中間層8は、第1中間層8aと、該第1中間層より光入射側に近い位置(光入射側)または光入射側から遠い位置(光出射側)の少なくともいずれか一方において該第1中間層に当接する第2中間層8bと、により構成される。本実施の形態では、図1−2および図1−3に示すように、第2中間層8bが第1中間層に対して光入射側から遠い位置に配置されている場合を示している。
第1中間層8aは、波長600nmの光に対する屈折率nが第1光電変換層7よりも低い1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜により構成される。第2中間層8bは、屈折率に関しては特に制限が無く、導電率が第1中間層8aの導電率の1/10以下である導電率の低い膜により構成される。このような第1中間層8aおよび第2中間層8bは、例えばプラズマCVDおよびスパッタ等の製膜方法により形成される。このような第1中間層8aは、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物のいずれか、または、その混合物であって、第2中間層8bより酸素、窒素、炭素含有量が少ない材料で構成される。また、このような第2中間層8bは、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物のいずれか、または、その混合物であって、第1中間層8aより酸素、窒素、炭素含有量が多い材料で構成される。
第2光電変換層12は、光入射側からみて中間層8の後方に配置され、図1−3に示すように、例えばそれぞれ微結晶シリコン(μc−Si)を含むp型層9、i型層10、n型層11が順次積層されてP−I−N構造を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。第1光電変換層7で吸収されずに透過した長波長よりの光がi型層10にて吸収され、上記i型層10の両接合面に配置したp型層9とn型層11のフェルミ準位の差によりi型層10に電界が加わり、この電界によりi型層10で光吸収によって生成した電子と正孔をそれぞれ第1光電変換層12の外側に向かって導く。このような第2光電変換層12は、例えばプラズマCVD等の製膜方法により形成される。
上部透明導電層13は、光入射側からみて第2光電変換層12の後方に配置される。上部透明導電層13は、例えば酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、透明導電性薄膜(ITO)、酸化インジュウム亜鉛(IZO)に添加物を付与した材料等が用いられる。上部透明導電層13は、第2光電変換層12に対するメタル材料等のバリア膜として作用し、さらには反射率を最大にするように光位相を調整する作用がある。このような上部透明導電層13は、例えば、熱CVD(Chemical vapor deposition)法、スパッタリング法、蒸着法等の従来の手法を用いて形成される。
裏面反射電極層14は、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、クロム(Cr)およびこれら元素を含む合金から構成され、第1光電変換層7および第2光電変換層12と異なる形状・位置でパターニングされている。また、これらを積層して形成してもよい。図示はしないが、裏面反射電極層14上には各種保護膜を形成しても構わない。このような裏面反射電極層14は、例えば、熱CVD(Chemical vapor deposition)法、スパッタリング法、蒸着法等の従来の手法を用いて形成される。
つぎに、上記のような構成を有する本実施の形態にかかるモジュール1において第1光電変換層7と第2光電変換層12との間に配置された中間層8の役割について説明する。
第1光電変換層7で吸収された光の一部は、低い屈折率の中間層8の存在によって一部が第1光電変換層7に反射されて第1光電変換層7に戻されるため、第1光電変換層7に対する光利用効率が増大する。ここで、中間層8の光入射側には第1光電変換層7のn型層6が接して配置されており、その反対側には第2光電変換層のp型層9が接して配置されており、第1光電変換層7と第2光電変換層12とに挟持される中間層8には逆方向の電界が生じている。
第1光電変換層7および第2光電変換層12の内部では、それぞれp型層4、9側からn型層6、11側に進むにしたがってポテンシャルが低くなり、かかる電界勾配により発生電荷の輸送が効率良く行われる。第1光電変換層7のp型層4側からn型層6側方向に電子が輸送され、第2光電変換層12のn型層11側からp型層9側方向に正孔が輸送される。第1光電変換層7と第2光電変換層12とに挟持されている中間層8では、上記の電子と正孔とが再結合することによって見かけ上、電流が流れる必要がある。しかしながら、上述のとおり、中間層8内では第1光電変換層7と第2光電変換層12とは逆方向の電界が生じているため、中間層8の両界面に到達した電子および正孔は互いに中間層8内に引き込まれにくくなる。ここで、中間層8として用いられる光学的に屈折率の低い材料は導電率が低く、たとえ微結晶成分を含有し、ドーピングを施したとしても十分高い導電率は得られない。このため、中間層8内は、低い導電率であって、且つ上記逆方向の電界が生じているため、電子と正孔が再結合して見かけ上の電流を高めることは困難である。
そこで、本実施の形態では、中間層8が少なくとも第1中間層8aと第2中間層8bとから構成されており、第2中間層8bの導電率を第1中間層8aの導電率の1/10以下に低くする。また、第2中間層8bの膜厚を、第1中間層8aの膜厚よりも薄くし、1/10以下とすることが好ましい。中間層8に接するp型層9とn型層6の電位による逆電界は、中間層8内で分配される。導電率の高い第1中間層8aでは分配される電界は弱く、一方、導電率の低い第2中間層8bでは分配される電界が強くなる。第2中間層8bの膜厚を第1中間層8aの膜厚の1/10以下とした場合、電界は狭い第2中間層8bにより集中することになる。この狭い領域では、逆電界が形成されたとしても電荷の移動が生じる。電荷の移動は、第2中間層8bのバンド内の欠陥準位を介したホッピング伝導および欠陥準位間の共鳴トンネル伝導によるものと考えられる。また、導電率の高い第1中間層8aでは逆電界が弱くなり、特に膜厚が20nm以上150nm以下では十分に電荷の移動が起こり、電子と正孔の再結合が促され、見かけ上の電流が発生する。すなわち、第1中間層8aでの電荷の流れがスムーズになり、セルCのフィルファクターが高くなり、良好な光電変換特性を得ることができる。
なお、第1中間層8aの屈折率および膜厚は、光学的な効果から限定されるものである。第1中間層8aの導電率、第2中間層8bの導電率および第2中間層8bの膜厚は、主に電気的な効果から限定されるものである。
また、第2中間層8bは、第1中間層8aの光入射側およびその反対側のいずれの側に配置されてよく、第1中間層8aの両側に配置されてもよい。第2中間層8bに電界が集中し、第1中間層8aでスムーズな電荷の流れが促進され、かつ第2中間層8bでは局所的な伝導機構により電荷移動が果たされる点では、上記のいずれの構成でも同様となる。
このような第1中間層8aおよび第2中間層8bは、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、スズ(Sn)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)等の元素を含む酸化物で構成されることが好ましい。また、第1中間層8aおよび第2中間層8bは、導電率を向上させるために、ナノ結晶および微結晶相を膜中に含むことが好ましい。
また、第1中間層8aおよび第2中間層8bには、導電性を制御するためにB(ボロン)およびP(リン)をドーピングすることが好ましい。第1中間層8aと第2中間層8bの導電率を制御するのは、上記ドーピング量を制御する手法が簡便であり、適している。この場合、第2中間層8bにおけるB(ボロン)およびP(リン)のドーピング濃度は、第1中間層8aにおけるB(ボロン)およびP(リン)のドーピング濃度よりも低くされる。これにより、容易に第1中間層8aと第2中間層8bとの導電率に違いを与えることができる。
つぎに、第1中間層8aおよび第2中間層8bの導電率の数値範囲の限定の意味について説明する。図2は、第2中間層8bの電圧割合と、第1中間層8aと第2中間層8bとの導電率比(第1中間層8aの導電率/第2中間層8bの導電率)と、の関係を示す特性図である。第1中間層8aと第2中間層8bとの電圧の和を規格値1とすると、上記導電率の比が高くなるに従って、第2中間層8bにかかる電圧の割合が増大する。上記導電率の比が0から10までの範囲では、上記第2中間層8bにかかる電圧の割合は急激に増加する。そして、上記導電率の比が10以上になるとその変化は緩やかとなり、第2中間層8bの電圧割合が9割以上となる。
上述したように、上記第2中間層8bの電圧割合の増加効果は、第1中間層8aと第2中間層8bとの導電率の比を10まで上昇させた場合に顕著となるため、本発明では第2中間層8bの電圧割合が9割以上確保される観点で、第1中間層8aの導電率を第2中間層8bの導電率に対して10倍以上高くする。これにより、第1光電変換層7のn型層6および第2光電変換層12のp型層9のフェルミ準位の差である1〜2eV程度から電圧損失を差し引いた2V以下の電圧が中間層8の逆電界として作用し、この9割程度が第2中間層8bに印加される。したがって、第2中間層8bにてバンド内の欠陥準位を介したホッピング伝導および欠陥準位間の共鳴トンネル伝導等を引き起こそうとすると、少なくとも15nm以下でなければならない。中間層8には第1光電変換層7の伝導帯と第2光電変換層12の価電子帯とのエネルギー差(材料により異なるが、例えば0.5eV)から電圧損失を差し引いた緩やかなポテンシャル傾斜が存在し、上記、バンド内の欠陥準位を介したホッピング伝導および欠陥準位間の共鳴トンネル伝導等により、電荷の移動が起こるものと考えられる。
上述したように、実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、波長600nmの光に対する屈折率nが1.7以上2.5以下であり、且つ導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、膜厚が20nm以上150nm以下の膜により構成される第1中間層8aに対して、第2中間層8bの導電率が第1中間層8aの導電率の1/10以下であることから、第1光電変換層7および第2光電変換層12の中間層8側に配置しているp型層6およびn型層9によって中間層8に形成される逆電界が第2中間層8bに集中するため、第1中間層8aでの電荷の流れがスムーズになり、セルCのフィルファクターが高くなり、良好な光電変換特性を得ることができる。
また、実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、中間層8の一部の屈折率が第1光電変換層7より小さいため光入射側からの光の一部が第1光電変換層7へ反射され、第1光電変換層7での光吸収量が増加し、電荷発生量が増加する。これにより、第1光電変換層7を薄くすることが可能となり、膜形成時間の短縮および第1光電変換層7がアモルファスシリコンを含む場合には、光劣化の低減が可能となる。
したがって、実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、フィルファクターが高く、光電変換特性に優れたタンデム型薄膜太陽電池が実現されている。
なお、上記においては、第2中間層8bが第1中間層に対して光入射側から遠い位置に配置されている場合について説明したが、第2中間層8bは第1中間層に対して光入射側から近い位置に配置されてもよく、また第1中間層に対して光入射側から遠い位置および近い位置の両方に配置されてもよい。これらの場合においても、上述した実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池と同様に、第1光電変換層7および第2光電変換層12の中間層8側に配置しているp型層6およびn型層9によって中間層8に形成される逆電界が第2中間層8bに集中するため、第1中間層8aでの電荷の流れがスムーズになり、セルCのフィルファクターが高くなり、良好な光電変換特性を得ることができる。特に、第2中間層8bを第1中間層に対して光入射側から遠い位置および近い位置の両方に配置した場合は、逆電界箇所を2つに分割することにより、より容易に逆電界箇所での電荷の流れをスムーズにすることができる。
つぎに、上記のように構成された実施の形態1にかかるモジュール1の製造方法について説明する。図3−1〜図3−7は、実施の形態1にかかるモジュール1の製造工程を説明するための断面図であり、図1−2に対応する断面図である。
はじめに透光性絶縁基板2を準備する。透光性絶縁基板2としては、例えば平板状のガラス基板を用いる(以下ガラス基板2と記載)。本実施の形態では、ガラス基板2として無アルカリガラス基板を用いた場合について説明する。また、ガラス基板2として安価な青板ガラス基板を用いてもよいが、この場合には基板からのアルカリ成分の拡散を防止するためにプラズマ化学気相成長(PCVD)法によりアンダーコート層としてSiO膜を100nm程度の膜厚で形成するのがよい。
次に、ガラス基板2の一面側に、第1の電極層となる透明電極層3を形成する(図3−1)。透明電極層3としては、例えば酸化亜鉛(ZnO)膜をDCスパッタリング法で堆積形成する。また、透明電極層3には、表面に凹凸形状を形成し、表面テクスチャ構造を形成する。
なお、本実施の形態では透明電極層3としてZnO膜を用いるが、透明電極層3はこれに限定されることなく、光透過性を有している透明導電膜であればZnO膜以外に、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)の何れかを主成分とする材料からなる膜を使用しても良い。
また、上記においてはDCスパッタリング法により透明電極層3を形成する場合について説明したが、透明電極層3の形成方法はこれに限定されるものではなく、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的方法や、スプレー法、ディップ法、CVD法などの化学的方法を用いても良い。
次に、透明電極層3の一部を透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、透明電極層3を短冊状にパターニングし、複数の透明電極層3に分離する(図3−2)。透明電極層3のパターニングは、レーザスクライブ法により、透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向に延在して透光性絶縁基板2に達するストライプ状の第1の溝D1を形成することで行う。なお、このようにガラス基板2上に基板面内で互いに分離された複数の透明電極層3を得るには、写真製版などで形成したレジストマスクを用いてエッチングする方法や、メタルマスクを用いた蒸着法などの方法でも可能である。
次に、第1の溝D1を含む透明電極層3上に第1光電変換層7をプラズマCVD法により形成する(図3−3)。第1光電変換層7としては、例えば透明電極層3側からp型層4としてP型のアモルファス炭化シリコン膜(a−SiC膜)を、i型層5としてI型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)を、n型層6としてN型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)を順次形成する。
次に、第1光電変換層7上に、中間層8を形成する(図3−3)。中間層8は、第1光電変換層7上に第1中間層8aおよび第2中間層8bを順次積層して形成する。第1中間層8aとしては、波長600nmの光に対する屈折率nが低い1.7以上2.5以下であり、且つ導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下の膜をプラズマCVD法により20nm以上150nm以下の膜厚で形成する。第2中間層8bとしては、導電率が第1中間層8aの導電率の1/10以下である導電率の低い膜をプラズマCVD法により第1中間層8aの膜厚の1/10以下の膜厚で形成する。
続いて、中間層8上に第2光電変換層12をプラズマCVD法により形成する(図3−4)。第2光電変換層12としては、例えば第1光電変換層7側からp型層9としてP型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)を、i型層10としてI型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)を、n型層11としてN型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)を順次形成する。
そして、このようにして積層形成された第2光電変換層12、中間層8および第1光電変換層7に、透明電極層3と同様にレーザスクライブによってパターニングを施す(図3−5)。すなわち、第2光電変換層12、中間層8および第1光電変換層7の一部を透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、第2光電変換層12、中間層8および第1光電変換層7を短冊状にパターニングし、分離する。第2光電変換層12、中間層8および第1光電変換層7のパターニングは、レーザスクライブ法により、第1の溝D1と異なる箇所に、透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向に延在して透明電極層3に達するストライプ状の第2の溝(接続溝)D2を形成することで行う。第2の溝(接続溝)D2の形成後、第2の溝(接続溝)D2内に付着している飛散物を高圧水洗浄、メガソニック洗浄、あるいはブラシ洗浄により除去する。
次に、第2光電変換層12上および第2の溝(接続溝)D2内に上部透明導電層13として例えば酸化スズ(SnO)膜を真空蒸着により成膜する(図3−6)。このとき、第2の溝D2内を上部透明導電層13が満たすような条件で上部透明導電層13を形成する。また、上部透明導電層13の成膜方法として、CVD法などの他の成膜方法を用いてもよい。
つぎに、上部透明導電層13上に裏面反射電極層14として例えばアルミニウム(Al)膜をスパッタリング法により成膜する(図3−6)。また、裏面反射電極層14の成膜方法として、CVD法などの他の成膜方法を用いてもよい。本実施の形態では裏面反射電極層14としてアルミニウム(Al)膜を形成するが、裏面反射電極層13はこれに限定されるものではなく、金属電極として高反射率を有する銀(Ag)を用いてもよく、またこれらを積層して形成してもよい。
裏面反射電極層14の形成後、裏面反射電極層14、上部透明導電層13、第2光電変換層12、中間層8および第1光電変換層7の一部を透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して短冊状にパターニングして複数のセルCに分離する(図3−7)。パターニングは、レーザスクライブ法により、第1の溝D1および第2の溝(接続溝)D2とは異なる箇所に、透光性絶縁基板2の短手方向と略平行な方向に延在して透明電極層3に達するストライプ状の第3の溝(分離溝)D3を形成することで行う。なお、反射率の高い裏面反射電極層14にレーザを直接吸収させるのは困難なので、半導体層(第1光電変換層7、第2光電変換層12)にレーザ光エネルギーを吸収させて、半導体層(第1光電変換層7、第2光電変換層12)とともに裏面反射電極層14を局所的に吹き飛ばすことによって複数のセルCに対応させて分離される。以上により、図1−1〜図1−3に示すようなセルCを有するモジュール1が完成する。
上述したように、実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造方法によれば、波長600nmの光に対する屈折率nが1.7以上2.5以下であり、且つ導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、膜厚が20nm以上150nm以下の膜により構成される第1中間層8aと、導電率が第1中間層8aの導電率の1/10以下である第2中間層8bと、が積層された中間層8を第1光電変換層7と第2光電変換層12との間に形成するため、第1光電変換層7および第2光電変換層12の中間層8側に配置しているp型層6およびn型層9によって中間層8に形成される逆電界が第2中間層8bに集中し、第1中間層8aでの電荷の流れがスムーズになり、セルCのフィルファクターが高く良好な光電変換特性を得ることができる。
また、実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造方法によれば、一部の屈折率が第1光電変換層7より小さい中間層8を第1光電変換層7と第2光電変換層12との間に形成するため、光入射側からの光の一部が第1光電変換層7へ反射され、第1光電変換層7での光吸収量が増加し、電荷発生量が増加する。これにより、第1光電変換層7を薄くすることが可能となり、膜形成時間の短縮および第1光電変換層7がアモルファスシリコンを含む場合には、光劣化の低減が可能となる。
したがって、実施の形態1にかかるタンデム型薄膜太陽電池の製造方法によれば、フィルファクターが高く、光電変換特性に優れたタンデム型薄膜太陽電池を作製することができる。
実施の形態2.
図4−1は、実施の形態2にかかるタンデム型薄膜太陽電池(モジュール)の概略構成(層構成)を示す要部断面図である。図4−2は、実施の形態2にかかるタンデム型薄膜太陽電池(モジュール)の詳細断面構造(層構成)を説明するための要部断断面図である。図4−1および図4−2において、図1−2および図1−3と同じ部材には同じ符号を付してある。なお、実施の形態2にかかるモジュールにおける他の構成は実施の形態1の場合と同様であるため、図1−1〜図1−3を参照することとして、詳細な説明は省略する。
実施の形態2にかかるモジュールが実施の形態1にかかるモジュール1と異なる点は、中間層として第1中間層8aと第2中間層8bとにより構成された中間層8の代わりに、中間層18を備えることである。中間層18は、第1光電変換層7上に形成された第1中間層18aと、該第1中間層18a上に島状に形成された不連続膜からなる第2中間層18bと、により構成されている。また、第2光電変換層12は、第1中間層18a上および第2中間層18b上に形成されている。
ここで、第1中間層18aは、実施の形態1にかかるモジュール1の第1中間層8aと同様に、波長600nmの光に対する屈折率nが第1光電変換層7よりも低い1.7以上2.5以下であり、且つ導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下の膜により構成される。また、第2中間層8bは、実施の形態1にかかるモジュール1の第2中間層8bと同様に、屈折率に関しては特に制限が無く、導電率が第1中間層8aの導電率の1/10以下である導電率の低い膜により構成される。また、実施の形態1にかかるモジュール1の第1中間層8aと同様に、第1中間層18aの膜厚は20nm以上150nm以下であることが好ましい。このような第1中間層18aは、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物のいずれか、または、その混合物であって、第2中間層18bより酸素、窒素、炭素含有量が少ない材料で構成される。また、このような第2中間層18bは、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物のいずれか、または、その混合物であって、第1中間層18aより酸素、窒素、炭素含有量が多い材料で構成される。
このように構成された実施の形態2にかかるモジュールは、実施の形態1で説明した製造方法において、第1中間層18a上に第2中間層8bを島状に不連続膜として形成することにより作製することができる。
以上のような実施の形態2にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、中間層18の両界面の第1光電変換層7のn型層6および第2光電変換層12のp型層9によって形成される逆電界が、導電率の低い第2中間層18bにより強くかかる。このため、第2中間層18bを不連続膜とすることで、膜厚方向のみならず、膜面方向においても第2中間層18bに逆電界が集中し、第2中間層18bが形成されていない第2中間層18bの開口部分においては、逆電界が弱くなる。これにより、高い伝導性を示す第1中間層18aの逆電界が全体に弱くなり、電子と正孔の再結合がより促され、電荷の流れが第1中間層18aの膜中および第2中間層18bの開口部分付近においてよりスムーズに行われる。すなわち、第1中間層18aでの電荷の流れがよりスムーズになり、セルCのフィルファクターが高くなり、良好な光電変換特性を得ることができる。
また、実施の形態2にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、中間層18の一部の屈折率が第1光電変換層7より小さいため光入射側からの光の一部が第1光電変換層7へ反射され、第1光電変換層7での光吸収量が増加し、電荷発生量が増加する。これにより、第1光電変換層7を薄くすることが可能となり、膜形成時間の短縮および第1光電変換層7がアモルファスシリコンを含む場合には、光劣化の低減が可能となる。
したがって、実施の形態2にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、フィルファクターが高く、光電変換特性に優れたタンデム型薄膜太陽電池が実現されている。
なお、上記においては、不連続膜からなる第2中間層18bについて説明したが、第2中間層18bは実施の形態1のように連続膜とされてもよく、実施の形態2のように不連続膜とされてもよく、また連続膜と不連続膜との組み合わせにより構成されてもよい。
実施の形態3.
図5−1は、実施の形態3にかかるタンデム型薄膜太陽電池(モジュール)の概略構成(層構成)を示す要部断面図である。図5−2は、実施の形態3にかかるタンデム型薄膜太陽電池(モジュール)の詳細断面構造(層構成)を説明するための要部断断面図である。図5−1および図5−2において、図1−2および図1−3と同じ部材には同じ符号を付してある。なお、実施の形態3にかかるモジュールにおける他の構成は実施の形態1の場合と同様であるため、図1−1〜図1−3を参照することとして、詳細な説明は省略する。
実施の形態3にかかるモジュールが実施の形態1にかかるモジュール1と異なる点は、中間層として第1中間層8aと第2中間層8bとにより構成された中間層8の代わりに、中間層28を備えることである。中間層28は、第1光電変換層7上に形成された第1中間層28aと、該第1中間層18a上に形成された第2中間層28bと、により構成されている。また、第1中間層28aおよび第2中間層28bは、それぞれ実施の形態1にかかるモジュール1の第1中間層8aと同様に、波長600nmの光に対する屈折率nが第1光電変換層7よりも低い1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜により構成される。そして、第1中間層28aおよび第2中間層28bのいずれか一方はリンがドーピングされたn型半導体膜からなり、他方はボロンがドーピングされたp型半導体膜からなり、第1中間層28aと第2中間層28bとが互いに逆極性の電子状態とされている。
例えば中間層28は、リンがドーピングされたn型半導体膜からなり第1光電変換層7上に形成された第1中間層28aと、ボロンがドーピングされたp型半導体膜からなり該第1中間層28a上に形成された第2中間層28bと、により構成される。また、第1中間層28aおよび第2中間層28bは、それぞれ実施の形態1にかかるモジュール1の第1中間層8aと同様に、波長600nmの光に対する屈折率nが第1光電変換層7よりも低い1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜により構成される。
この場合、第1中間層28aと第2中間層28bとの接合界面に逆電界が局所的に集中する。接合界面では逆電界が局所的であるため、電荷の移動が不純物準位を介したホッピング伝導およびトンネル伝導等により行われる。そして、第1光電変換層7の中間層28側はn型層6であるため、第1中間層28aにはポテンシャル差による電界は発生しない、もしくは弱い。また、第2光電変換層12の中間層28側はp型層9であるため、第2中間層28bにはポテンシャル差による電界は発生しない、もしくは弱い。したがって、第1中間層28aおよび第2中間層28b中の電荷移動に対して逆電界による妨げは抑制される。
このように構成された実施の形態3にかかるモジュールは、実施の形態1で説明した製造方法において、リンがドーピングされたn型半導体膜からなる第1中間層28aを第1光電変換層7上に形成し、ボロンがドーピングされたp型半導体膜からなる第2中間層28bを第1中間層28a上に形成することにより作製することができる。
以上のような実施の形態3にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、逆電界が第1中間層28aと第2中間層28bの界面に集中するため、接合界面での欠陥準位を介してのホッピング伝導および準位間の共鳴トンネル伝導等により膜厚方向に良好な導電性を得ることができる。また、第1中間層28a中および第2中間層28b中では逆電界が生じず、良好な膜中導電性を得ることができる。すなわち、中間層28全体で電荷の流れがスムーズになり、セルCのフィルファクターが高くなり、良好な光電変換特性を得ることができる。
また、実施の形態3にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、中間層28の屈折率が第1光電変換層7より小さいため光入射側からの光の一部が第1光電変換層7へ反射され、第1光電変換層7での光吸収量が増加し、電荷発生量が増加する。これにより、第1光電変換層7を薄くすることが可能となり、膜形成時間の短縮および第1光電変換層7がアモルファスシリコンを含む場合には、光劣化の低減が可能となる。
したがって、実施の形態3にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、フィルファクターが高く、光電変換特性に優れたタンデム型薄膜太陽電池が実現されている。
なお、上記では、第1中間層28aがリンをドーピングしたn型半導体膜からなり、第2中間層28bがボロンをドーピングしたp型半導体膜からなる場合について説明したが、リンをドーピングしたn型半導体膜を第1中間層28aとして、ボロンをドーピングしたp型半導体膜を第2中間層28bとしてもよい。
この場合、第1中間層28aと第2中間層28bとの接合界面に逆電界が局所的に集中する。接合界面では逆電界が局所的であるため、電荷の移動が不純物準位を介したホッピング伝導およびトンネル伝導等により行われる。また、逆電界箇所を3つに分割することにより、より容易に逆電界箇所での電荷の流れをスムーズにすることができる。
実施の形態4.
図6−1は、実施の形態4にかかるタンデム型薄膜太陽電池(モジュール)の概略構成(層構成)を示す要部断面図である。図6−2は、実施の形態4にかかるタンデム型薄膜太陽電池(モジュール)の詳細断面構造(層構成)を説明するための要部断断面図である。図6−1および図6−2において、図1−2および図1−3と同じ部材には同じ符号を付してある。なお、実施の形態4にかかるモジュールにおける他の構成は実施の形態1の場合と同様であるため、図1−1〜図1−3を参照することとして、詳細な説明は省略する。
実施の形態4にかかるモジュールが実施の形態1にかかるモジュール1と異なる点は、中間層として第1中間層8aと第2中間層8bとにより構成された中間層8の代わりに、中間層38を備えることである。中間層38は、第1光電変換層7上に形成された第1中間層38aと、該第1中間層38a上に形成された第2中間層38bと、により構成されている。
第1中間層38aは、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜により構成される。第2中間層38bは、導電率が10−5Scm−1以上であるp型またはn型の膜により構成される。また、第2中間層38bは、600nmでの屈折率は、特に制限は無いが、例えば、通常のシリコン半導体の屈折率3.5以上5.0以下とする。そして、第1中間層38aの光入射側において第1中間層38aと接するドープ層と、第1中間層38aの光出射側において第1中間層38aと接するドープ層と、が同極性となるように、p型またはn型の第2中間層38bが第1中間層38aの光入射側または光出射側に配置されている。
例えば中間層38は、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなり第1光電変換層7上に形成された第1中間層38aと、シリコンを主成分としてP(リン)をドーピングされた導電率が10−5Scm−1以上であるn型層の膜からなり第1中間層28a上に形成された第2中間層38bと、により構成される。
この場合、第1中間層38aと第2光電変換層12の間には、n型層である第2中間層38bが挿入されているため、第1中間層38aの光入射側または光出射側の両接合面にはn型層が配置されることとなる。このような構造では、第1中間層38aの両接合面のポテンシャル差は同極性のため小さくなる。そして、第1中間層38aの両接合面のドープ層が同極性のため、ポテンシャル差は少なくともバンドギャップの1/2以下となり、例えばアモルファスシリコンベースの場合、バンドギャップ1.8eVの1/2以下の0.9eV以下のポテンシャル差となる。例えば微結晶シリコンベースの場合、バンドギャップ1.1eVの1/2以下の0.55eV以下のポテンシャル差となる。いずれの場合であっても、ポテンシャル差に相当する逆電界が中間層に発生するため、0eV以上0.5eV以下のポテンシャル差が好ましい。この条件では、中間層38aに逆電界は発生しない、ないし弱い逆電界が発生するのみであり、第1中間層38a中の電荷移動の大きな妨げにはならない。
一方で、第1中間層38a上のn型層である第2中間層38b上には第2光電変換層12のp型層9が配置されるため、このn型層である第2中間層38bとp型層9との界面には局所的に逆電界が発生する。この場合、逆電界が発生する空間が接合界面に局在するため、電荷の移動が可能となる。
このように構成された実施の形態4にかかるモジュールは、実施の形態1で説明した製造方法において、上述した第1中間層38aを第1光電変換層7上に形成し、n型層である第2中間層38bを第1中間層38a上に形成することにより作製することができる。
以上のような実施の形態4にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、中間層38aに接する両接合面のドープ層が同極性となることから、第2中間層38bとp型層9との界面には局所的に逆電界が発生し、第1中間層38aに逆電界がかかることが無いため、第1中間層38aの導電率が低い場合であっても電荷の流れがスムーズとなり、セルCのフィルファクターが高くなり、良好な光電変換特性を得ることができる。
また、実施の形態4にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、中間層38の屈折率が第1光電変換層7より小さいため光入射側からの光の一部が第1光電変換層7へ反射され、第1光電変換層7での光吸収量が増加し、電荷発生量が増加する。これにより、第1光電変換層7を薄くすることが可能となり、膜形成時間の短縮および第1光電変換層7がアモルファスシリコンを含む場合には、光劣化の低減が可能となる。
したがって、実施の形態4にかかるタンデム型薄膜太陽電池によれば、フィルファクターが高く、光電変換特性に優れたタンデム型薄膜太陽電池が実現されている。
なお、上記では、第1中間層38aを第1光電変換層7上に形成し、n型層である第2中間層38bを第1中間層38a上に形成した場合について説明したが、p型層である第2中間層38bを第1光電変換層7上に形成し、第1中間層38aを第2中間層38b上に形成した構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、光電変換層が第1光電変換層7と第2光電変換層12との2つで構成された二接合型薄膜太陽電池について説明したが、本発明は光電変換層を3段以上積層した多接合型シリコン系薄膜太陽電池にも適用してもよい。
以上のように、本発明にかかる薄膜太陽電池は、中間層を備えた多接合構造の薄膜太陽電池において、フィルファクターが高く良好な光電変換特性を有する薄膜太陽電池の実現に有用である。
1 薄膜太陽電池モジュール(モジュール)
2 透光性絶縁基板(ガラス基板)
3 透明電極層
4 p型層
5 i型層
6 n型層
7 第1光電変換層
8 中間層
8a 第1中間層
8b 第2中間層
9 p型層
10 i型層
11 n型層
12 第2光電変換層
13 上部透明導電層
14 裏面反射電極層
18 中間層
18a 第1中間層
18b 第2中間層
28 中間層
28a 第1中間層
28b 第2中間層
38 中間層
38a 第1中間層
38b 第2中間層

Claims (12)

  1. 透光性絶縁基板上に、透明導電膜からなる第1の電極層と、第1のp型半導体層と第1のi型半導体層と第1のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第1光電変換層と、中間層と、第2のp型半導体層と第2のi型半導体層と第2のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第2光電変換層と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層と、をこの順で有する薄膜太陽電池であって、
    前記中間層は、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第1中間層と、導電率が前記第1中間層の導電率の1/10以下の膜からなり前記第1中間層の光入射側または光出射側の少なくともいずれか一方において前記第1中間層に当接して設けられた第2中間層と、により構成されて前記第1光電変換層と前記第2光電変換層とを電気的に接続すること、
    を特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 前記第2中間層が、連続膜、不連続膜または連続膜と不連続膜との組み合わせにより構成されること、
    を特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 前記第2中間層の膜厚が、前記第1中間層の1/10以下であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の薄膜太陽電池。
  4. 前記第1中間層および前記第2中間層が、リンまたはボロンがドーピングされてなり、
    前記第2中間層におけるリンまたはボロンのドーピング濃度が前記第1中間層におけるリンまたはボロンのドーピング濃度より低いこと、
    を特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  5. 第2中間層が、前記第1中間層の光入射側および光出射側の両方において前記第1中間層に当接して設けられること、
    を特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  6. 透光性絶縁基板上に、透明導電膜からなる第1の電極層と、第1のp型半導体層と第1のi型半導体層と第1のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第1光電変換層と、中間層と、第2のp型半導体層と第2のi型半導体層と第2のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第2光電変換層と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層と、をこの順で有する薄膜太陽電池であって、
    前記中間層は、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなり前記第1光電変換層上に形成された第1中間層と、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなり前記第1中間層上に形成された第2中間層と、により構成されて前記第1光電変換層と前記第2光電変換層とを電気的に接続し、
    前記第1中間層および第2中間層のいずれか一方がn型半導体膜からなり、他方がp型半導体膜からなり、前記第1中間層と第2中間層とが互いに逆極性の電子状態とされていること、
    を特徴とする薄膜太陽電池。
  7. 前記第1中間層は、リンおよびボロンのいずれか一方がドープされてなり、
    前記第2中間層は、リンおよびボロンのいずれか他方がドープされてなること、
    を特徴とする請求項6に記載の薄膜太陽電池。
  8. 透光性絶縁基板上に、透明導電膜からなる第1の電極層と、第1のp型半導体層と第1のi型半導体層と第1のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第1光電変換層と、中間層と、第2のp型半導体層と第2のi型半導体層と第2のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第2光電変換層と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層と、をこの順で有する薄膜太陽電池であって、
    前記中間層は、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第1中間層と、導電率が10−5Scm−1以上であるp型またはn型の第2中間層と、により構成されて前記第1光電変換層と前記第2光電変換層とを電気的に接続し、
    前記第1中間層の光入射側において前記第1中間層と接するドープ層と、前記第1中間層の光出射側において前記第1中間層と接するドープ層とが同極性となるように、p型またはn型の前記第2中間層が前記第1中間層の光入射側または光出射側に配置されていること、
    を特徴とする薄膜太陽電池。
  9. 前記第2中間層が、前記第1中間層の光出射側に配置されたn型層または前記第1中間層の光入射側に配置されたp型層であること、
    を特徴とする請求項8に記載の薄膜太陽電池。
  10. 透光性絶縁基板上に、透明導電膜からなる第1の電極層と、第1のp型半導体層と第1のi型半導体層と第1のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第1光電変換層と、中間層と、第2のp型半導体層と第2のi型半導体層と第2のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第2光電変換層と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層と、がこの順で積層された薄膜光電変換装置の製造方法であって、
    前記透光性絶縁基板上に、前記第1の電極層を形成する第1工程と、
    前記第1の電極層上に、前記第1光電変換層を形成する第2工程と、
    前記第1光電変換層上に、前記中間層を形成する第3工程と、
    前記中間層上に、前記第2光電変換層を形成する第4工程と、
    前記第2光電変換層上に、前記第2の電極層を形成する第5工程と、
    を含み、
    前記第3工程では、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第1中間層と、導電率が前記第1中間層の導電率の1/10以下の膜からなり前記第1中間層の光入射側または光出射側の少なくともいずれか一方において前記第1中間層に当接する第2中間層と、を形成すること、
    を特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  11. 透光性絶縁基板上に、透明導電膜からなる第1の電極層と、第1のp型半導体層と第1のi型半導体層と第1のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第1光電変換層と、中間層と、第2のp型半導体層と第2のi型半導体層と第2のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第2光電変換層と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層と、がこの順で積層された薄膜光電変換装置の製造方法であって、
    前記透光性絶縁基板上に、前記第1の電極層を形成する第1工程と、
    前記第1の電極層上に、前記第1光電変換層を形成する第2工程と、
    前記第1光電変換層上に、前記中間層を形成する第3工程と、
    前記中間層上に、前記第2光電変換層を形成する第4工程と、
    前記第2光電変換層上に、前記第2の電極層を形成する第5工程と、
    を含み、
    前記第3工程では、
    波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第1中間層を前記第1光電変換層上に形成し、
    波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第2中間層を前記第1中間層上に形成し、
    前記第1中間層と第2中間層とが互いに逆極性の電子状態となるように前記第1中間層および前記第2中間層のいずれか一方をn型半導体膜により形成し、他方をp型半導体膜により形成すること、
    を特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  12. 透光性絶縁基板上に、透明導電膜からなる第1の電極層と、第1のp型半導体層と第1のi型半導体層と第1のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第1光電変換層と、中間層と、第2のp型半導体層と第2のi型半導体層と第2のn型半導体層とが前記第1の電極層側から順次積層されてなり光電変換を行う第2光電変換層と、光を反射する導電膜からなる第2の電極層と、がこの順で積層された薄膜光電変換装置の製造方法であって、
    前記透光性絶縁基板上に、前記第1の電極層を形成する第1工程と、
    前記第1の電極層上に、前記第1光電変換層を形成する第2工程と、
    前記第1光電変換層上に、前記中間層を形成する第3工程と、
    前記中間層上に、前記第2光電変換層を形成する第4工程と、
    前記第2光電変換層上に、前記第2の電極層を形成する第5工程と、
    を含み、
    前記第3工程では、波長600nmの光に対する屈折率が1.7以上2.5以下であり、導電率が10−8Scm−1以上10−1Scm−1以下であり、且つ膜厚が20nm以上150nm以下の膜からなる第1中間層と、導電率が10−5Scm−1以上であるp型またはn型の第2中間層とを、前記第1中間層の光入射側において前記第1中間層と接する層と、前記第1中間層の光出射側において前記第1中間層と接する層とが同極性となるように、p型またはn型の前記第2中間層を前記第1中間層の光入射側または光出射側に配置して形成すること、
    を特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
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