JP2012182328A - 薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換効率に優れた薄膜太陽電池を得ること。
【解決手段】透光性基板1上に、透明導電膜からなる表面側透明電極2、半導体膜からなり光電変換を行う前部光電変換ユニット、透明導電膜からなる中間透明導電膜4、半導体膜からなり光電変換を行う後部光電変換ユニット、導電膜からなる裏面側電極8をこの順で有し、前部部分光電変換ユニットと後部部分光電変換ユニットが中間透明導電膜4を介して電気的に並列接続され、前部光電変換ユニットおよび後部光電変換ユニットが、それぞれ異なるバンドギャップを有する発電層を含む部分光電変換ユニットにより構成され、前部光電変換ユニットおよび後部光電変換ユニットのうち少なくとも一方は、それぞれ異なるバンドギャップを有する発電層を含む複数の部分光電変換ユニットが電気的に直列接続されて構成され、前部光電変換ユニットと後部光電変換ユニットとの動作電圧が略等しくされている。
【選択図】図1−2

Description

本発明は、薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法に関し、特に、複数の部分光電変換ユニットが積層されているタンデム型の薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりにより、太陽電池の需要が世界的に拡大している。その中で原材料コストを抑えることができ、大面積CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いての大量生産が可能という利点を持つ薄膜シリコン(Si)系太陽電池が次世代を担う太陽電池として期待されている。
薄膜Si系太陽電池は、その膜の薄さから従来の結晶Si系太陽電池と比べた場合に、光吸収量が少なく、効率が低いという問題がある。薄膜Si太陽電池の高光電変換効率化を行う上では上記の光吸収量を増大させることが必須であり、その方法として同一基板上に吸収波長の異なる複数の発電層を積層させたタンデム型構造が利用されている。
一般にタンデム型薄膜Si系太陽電池では、同一基板上にバンドギャップの異なる発電層を有する複数の部分光電変換ユニットが直列に接続された構造が取られている。この直列タンデム型薄膜Si系太陽電池の性能は、各部分光電変換ユニットの動作電圧の和と各部分光電変換ユニットを貫通する電流によって定まる。このうち各部分光電変換ユニットを貫通する電流は、各々のセルの光吸収量に依存する一方で、最も発電量の少ない部分光電変換ユニットの電流値に律速されるという問題がある。このため、直列タンデム型薄膜Si系太陽電池では、各部分光電変換ユニットでの光吸収量をバランスさせる必要が有り、発電層の数が増えるほどその調整難度は増加する。
また、太陽電池の光吸収量は、太陽光の入射角度や日陰の有無、季節や時間等によっても異なるため、実用において部分光電変換ユニットの電流バランスを保ち続けることは極めて困難である。さらに部分光電変換ユニットに非晶質発電層を用いている場合は、光劣化による特性悪化は避けられない問題であり、これによる電流バランスの崩れも考慮する必要がある。
このような直列タンデム型構造が抱える問題を解決する方法として、複数の部分光電変換ユニットが並列に接続された並列タンデム型構造が検討されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に示されるような並列タンデム型薄膜Si系太陽電池の場合は、部分光電変換ユニットが回路的に並列に接続されているため、直列タンデム型構造で見られた電流律速の問題が存在しない。このため、部分光電変換ユニットごとの発電量の変化に依存せずに安定した性能を発揮することが可能となっている。したがって、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に示されるような並列タンデム型構造を用いれば、より安定した発電を行う太陽電池を実現することができる。
特開平3−89558号公報 特開平3−89559号公報 特開平3−89560号公報 特開平3−91267号公報
しかしながら、部分光電変換ユニットが並列接続されている並列タンデム型構造では、各部分光電変換ユニットの動作電圧が等しく、これに律速されるという問題がある。上記特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4では部分光電変換ユニットに用いている材料がほぼ同一であり、それぞれの最適動作電圧がほぼ等しいため問題とはならない。しかし、高光電変換効率のタンデム型太陽電池を作る場合は、広範囲の波長の光を取り入れる必要があるため、部分光電変換ユニットに用いる材料はバンドギャップがそれぞれ異なるものを使用する。したがって、部分光電変換ユニットごとに最適とされる動作電圧が異なるので、並列接続下では複数の部分光電変換ユニットを最適状態で動作させることができなくなる、という問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光電変換効率に優れた薄膜太陽電池およびその製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる薄膜太陽電池セルは、透光性基板上に、透明導電膜からなる表面側透明電極、半導体膜からなり光電変換を行う前部光電変換ユニット、透明導電膜からなる中間透明導電膜、半導体膜からなり光電変換を行う後部光電変換ユニット、導電膜からなる裏面側電極をこの順で有する薄膜太陽電池セルであって、前部部分光電変換ユニットと前記後部部分光電変換ユニットが前記中間透明導電膜を介して電気的に並列接続され、前記前部光電変換ユニットおよび前記後部光電変換ユニットが、それぞれ異なるバンドギャップを有する発電層を含む部分光電変換ユニットにより構成され、前記前部光電変換ユニットおよび前記後部光電変換ユニットのうち少なくとも一方は、それぞれ異なるバンドギャップを有する発電層を含む複数の部分光電変換ユニットが電気的に直列接続されて構成され、前記前部光電変換ユニットと前記後部光電変換ユニットとの動作電圧が略等しくされていること、を特徴とする。
本発明によれば、並列タンデム型構造において電圧律速による特性の低下を防止して光電変換効率に優れた薄膜太陽電池を実現できるという効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜太陽電池モジュールの構成を示す平面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜太陽電池モジュール薄膜太陽電池セルの短手向における断面構造を説明するための要部断面図である。 図2−1は、本発明の実施の形態1にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−2は、本発明の実施の形態1にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−3は、本発明の実施の形態1にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−4は、本発明の実施の形態1にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図3は、本発明の実施の形態2にかかるモジュールを構成するセルの短手向における断面構造を説明するための要部断面図である。 図4−1は、本発明の実施の形態2にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図4−2は、本発明の実施の形態2にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図5は、本発明の実施の形態3にかかるモジュールを構成するセルの短手向における断面構造を説明するための要部断面図である。 図6−1は、本発明の実施の形態3にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図6−2は、本発明の実施の形態3にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図7は、本発明の実施の形態4にかかるモジュールを構成するセルの短手向における断面構造を説明するための要部断面図である。 図8−1は、実施の形態4にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図8−2は、実施の形態4にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。 図8−3は、実施の形態4にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。
以下に、本発明にかかる薄膜太陽電池セルおよびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールおよびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜多接合太陽電池である薄膜太陽電池モジュール(以下、モジュールと呼ぶ)の構成を示す平面図である。図1−2は、モジュールを構成する薄膜太陽電池セル(以下、セルと呼ぶ)Cの短手向における断面構造を説明するための図であり、図1−1の線分A−A’方向における要部断面図である。
図1−1および図1−2に示すように、実施の形態1にかかるモジュールは、透光性絶縁基板1上に形成された短冊状(矩形状)のセルCを複数備え、これらのセルCが電気的に直列に接続された構造を有する。セルCは、図1−2に示すように透光性絶縁基板1上に第1電極である表面側透明電極2、薄膜半導体からなり第1の部分光電変換ユニットである第1光電変換ユニット3、中間透明導電膜4、薄膜半導体からなり第2の部分光電変換ユニットである第2光電変換ユニット5、第3の部分光電変換ユニットである第3光電変換ユニット6、第2電極である裏面側金属電極8が順次形成されている。
透光性絶縁基板1上に形成された表面側透明電極2には、透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向に延在するとともに透光性絶縁基板1に達するストライプ状の第1の分離溝91が形成されている。この第1の分離溝91の部分には第1光電変換ユニット3が埋め込まれている。
また、表面側透明電極2上に形成された第1光電変換ユニット3および中間透明導電膜4には、第1の分離溝91と異なる箇所において透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向に延在するとともに表面側透明電極2に達するストライプ状の第2の分離溝92が形成されている。この第2の分離溝92の部分には第2光電変換ユニット5が埋め込まれている。
また、第3光電変換ユニット6、第2光電変換ユニット5、中間透明導電膜4および第1光電変換ユニット3には、第1の分離溝91および第2の溝92と異なる箇所において透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向に延在するとともに表面側透明電極2に達するストライプ状の第3の分離溝93が形成されて各セルCが分離されている。この第3の分離溝93の部分には裏面側金属電極8が埋め込まれている。そして、この第3の分離溝93の部分に埋め込まれた裏面側金属電極8(接続部)により隣り合う2つのセルCが電気的に接続されている。
また、第3光電変換ユニット6上の裏面側金属電極8には、第3の溝93と異なる箇所において透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向に延在するとともに第3光電変換ユニット6に達するストライプ状の第4の分離溝94が形成されている。そして、この第4の分離溝94により、隣り合う2つのセルCの裏面側金属電極8が電気的に絶縁分離されている。
透光性絶縁基板1としては、透光性を有する絶縁基板が用いられる。このような透光性絶縁基板1には、通常は光透過率の高い材質が用いられ、例えばガラス基板が使用される。ガラス基板としては無アルカリガラス基板を用いてもよく、また、安価な青板ガラス基板を用いてもよい。ただし、透光性絶縁基板1は必ずしもガラスである必要はなく、光を透過する絶縁性基板であれば、樹脂等の基板を用いることも可能である。
表面側透明電極2は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO)などの透明導電性酸化膜や、これらの透明導電性酸化膜にアルミニウム(Al)を添加した膜などの透光性の膜によって構成される。また、表面側透明電極2は、ドーパントとしてアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)から選択した少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜、ITO膜、SnO膜、またはこれらを積層して形成した透明導電膜であってもよく、光透過性を有している透明導電膜であればよい。また、表面側透明電極2は、表面に凹凸が形成された表面テクスチャー構造を有してもよい。このテクスチャー構造は、入射した太陽光を散乱させ、光電変換セルでの光利用効率を高める機能を有する。
第1光電変換ユニット3は、PN接合またはPIN接合を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。ここでは、第1光電変換ユニット3は、表面側透明電極2側から順に積層された第1p型層31、第1i型層(発電層)32、第1n型層33を備える。
中間透明導電膜4は、透光性および高導電率を有する材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば表面側透明電極2と同様にITOやSnOなどの材料を使用することができる。
第2光電変換ユニット5は、PN接合またはPIN接合を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。ここでは、第2光電変換ユニット5は、表面側透明電極2側から順に積層された第2n型層53、第2i型層(発電層)52、第2p型層51を備える。
第3光電変換ユニット6は、PN接合またはPIN接合を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。ここでは、第3光電変換ユニット6は、表面側透明電極2側から順に積層された第3n型層63、第3i型層(発電層)62、第3p型層61を備える。
すなわち、第1光電変換ユニット3においては表面側透明電極2側からp−i−n接合が形成されるように各層が積層されるが、第2光電変換ユニット5および第3光電変換ユニット6においては表面側透明電極2側から順にn−i−p接合が形成されるように各層が積層される。
セルCにおいては、第1光電変換ユニット3が前部光電変換ユニットを構成し、第2光電変換ユニット5および第3光電変換ユニット6が後部光電変換ユニットを構成する。ここで、前部および後部は、光の入射側から見た位置関係である。前部光電変換ユニットと後部光電変換ユニットとは電気的に並列に接続されている。また、後部光電変換ユニットにおいて第2光電変換ユニット5と第3光電変換ユニット6とは電気的に直列に接続されている。
タンデム接合型太陽電池においては、光を有効的に取り入れるために、発電層に用いられる材料は光入射側に用いられる発電層の方がバンドギャップが広くなっている。太陽電池の最適動作電圧は発電層のバンドギャップの広さによってほぼ決まる値であるため、多層タンデム接合型太陽電池の場合は、最適動作電圧はトップセルが最も大きく、ボトムセルが最も小さくなる。
そして、部分光電変換ユニットが並列接続されている並列構造のタンデム型太陽電池では、各部分光電変換ユニットの動作電圧が等しく、複数の部分光電変換ユニットを最適状態で動作させることができなくなる。そこで、実施の形態1にかかるセルCにおいては、前部光電変換ユニットの最適動作電圧の和(第1光電変換ユニット3の最適動作電圧)と、後部光電変換ユニットの最適動作電圧の和(第2光電変換ユニット5の最適動作電圧と第3光電変換ユニット6の最適動作電圧との和)をバランスさせるようにして全ての部分光電変換ユニットを最適の条件で動作させる。すなわち、第1光電変換ユニット3の動作電圧と、第2光電変換ユニット5と第3光電変換ユニット6との動作電圧の和と、を一致できるように各部分光電変換ユニットのi型層の材料が選択される。
裏面側金属電極8は、裏面電極として機能するとともに、光電変換セルで吸収されなかった光を反射して再度光電変換セルに戻す反射層として機能するため、光電変換効率の向上に寄与する。したがって、裏面側金属電極8は、導電性と光反射性が求められ、導電率が高く光反射率が大きいほど好ましい。裏面側金属電極8は、例えば可視光反射率の高い銀(Ag)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)もしくはパラジウムなどの金属材料、またはこれらの金属材料の合金、これらの金属材料の窒化物、これらの金属材料の酸化物などにより形成することができる。なお、これらの裏面側金属電極8の具体的材料は特に限定されるものではなく、周知の材料から適宜に選択して用いることができる。
以上のように構成された実施の形態1にかかるモジュールでは、セルC内での電流の流れは、表面側透明電極2から第1光電変換ユニット3を介して中間透明導電膜4に至る経路と、裏面側金属電極8から第3光電変換ユニット6、第2光電変換ユニット5を介して中間透明導電膜4に至る経路と、の2つの流れが形成されることになる。したがって、実施の形態1にかかるセルCは、並列構造のタンデム型太陽電池として機能する。
つぎに、上記のように構成された実施の形態1にかかるモジュールの製造方法について図2−1〜図2−4を参照して説明する。図2−1〜図2−4は、実施の形態1にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。
まず、透光性絶縁基板1として例えばガラス基板を用意する。そして、透光性絶縁基板1の一面側に、表面側透明電極2を公知の方法で形成する。例えば、透光性絶縁基板1上に酸化亜鉛(ZnO)膜からなる表面側透明電極2をスパッタリング法により堆積させる。表面側透明電極2の膜厚は、例えば約1μmとする。なお、表面側透明電極2としては、酸化亜鉛(ZnO)の他にもITOやSnOなどの材料を利用することもできる。また、成膜方法として、CVD法などの他の成膜方法を用いてもよい。
つぎに、表面側透明電極2の一部を透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、表面側透明電極2を短冊状にパターニングし、セルC毎に複数の表面側透明電極2に分離する(図2−1)。表面側透明電極2のパターニングは、レーザスクライブ法により、透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向に延在して透光性絶縁基板1に達するストライプ状の第1の分離溝91を形成することで行う。なお、このように透光性絶縁基板1上に基板面内で互いに分離された複数の表面側透明電極2を得るには、写真製版などで形成したレジストマスクを用いて化学的エッチングする方法や、表面側透明電極2の製膜時においてマスクを用いた蒸着法やスパッタリング法を行うなどの方法でも可能である。
つぎに、第1の分離溝91内を含む表面側透明電極2上に第1光電変換ユニット3を例えばプラズマCVD法を用いて形成する。第1光電変換ユニット3としては、表面側透明電極2側から第1p型層31、第1i型層32、第1n型層33を順次積層する。第1p型層31としては、アモルファス炭化シリコン(a−SiC)膜を形成する。第1i型層32および第1n型層33には、アモルファスシリコン(a−Si)膜を形成する。第1i型層32の膜厚は、100nm程度とする。これにより、第1の分離溝91内には第1p型層31および第1i型層32が埋設される。
つぎに、第1光電変換ユニット3の上に、中間透明導電膜4を形成する。例えば、第1光電変換ユニット3上に酸化亜鉛(ZnO)膜からなる中間透明導電膜4をスパッタリング法により約1μmの膜厚で堆積させる。
つぎに、中間透明導電膜4および第1光電変換ユニット3の一部を第1の分離溝91と異なる箇所において透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、中間透明導電膜4および第1光電変換ユニット3を短冊状にパターニングし、複数に絶縁分離する(図2−2)。中間透明導電膜4および第1光電変換ユニット3のパターニングは、レーザスクライブ法により、透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向に延在して表面側透明電極2に達するストライプ状の第2の分離溝92を形成することで行う。
つぎに、第2の分離溝92内を含む第1光電変換ユニット3上に第2光電変換ユニット5、第3光電変換ユニット6を例えばプラズマCVD法を用いて形成する。第2光電変換ユニット5としては、表面側透明電極2側から第2n型層53、第2i型層52、第2p型層51を順次積層する。また、第3光電変換ユニット6としては、表面側透明電極2側から第3n型層63、第3i型層62、第3p型層61を順次積層する。
第2光電変換ユニット5においては、第2n型層53としてアモルファスシリコン(a−Si)膜を、第2i型層52としてアモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiGe)膜を、第2p型層51としてアモルファスシリコン(a−Si)膜を形成する。第2i型層52の膜厚は、例えば500nmとする。
第3光電変換ユニット6においては、第3n型層63としてアモルファスシリコン(a−Si)膜を、第3i型層62として微結晶シリコン(μc−Si)膜を、第3p型層61としてアモルファスシリコン(a−Si)膜を形成する。第3i型層62の膜厚は、例えば2μmとする。
部分光電変換ユニットを全て成膜した後、第3光電変換ユニット6から第1光電変換ユニット3までの一部を第1の分離溝91および第2の分離溝92と異なる箇所(第1の分離溝91と第2の分離溝92との間)において透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、第3光電変換ユニット6から第1光電変換ユニット3までを短冊状にパターニングし、セルC毎に絶縁分離する(図2−3)。このパターニングは、レーザスクライブ法により、透光性絶縁基板1の短手方向と略平行な方向に延在して表面側透明電極2に達するストライプ状の第3の分離溝93を形成することで行う。
最後に、第3の分離溝93内を含む第3光電変換ユニット6上に裏面側金属電極8を形成する。この時、裏面側金属電極8のセルC毎の分離を行うために、成膜は第4の分離溝94が形成されるようにパターニングして行う(図2−4)。例えば、マスクを用いたスパッタリング法によりAg膜を積層させる。裏面側金属電極8の製膜方法としては、他にマスク蒸着や印刷など、成膜と同時にパターニングを行える方法を用いることができる。なお、Ag膜の成膜後に、パターニングを行っても構わない。以上により、図1−1および図1−2に示すようなセルCを有する実施の形態1にかかるモジュールが得られる。
以上のように構成された実施の形態1にかかるモジュールでは、セルC内で発電された電流の流れは、表面側透明電極2から第1光電変換ユニット3を介して中間透明導電膜4に至る経路と、裏面側金属電極8から第3光電変換ユニット6、第2光電変換ユニット5を介して中間透明導電膜4に至る経路と、の2つの流れが形成される。これにより、セルCは、並列構造のタンデム型太陽電池モジュールとして機能する。
また、中間透明導電膜4が第3の分離溝93の部分に埋め込まれた裏面側金属電極8(接続部)を介して隣接するセルCの表面側透明電極2および裏面側金属電極8の2つと接続することで、中間透明導電膜4から出力された電流は、分離溝93に充填された裏面側金属電極8を通して後続のセルCの表面側透明電極2および第3光電変換セルの第3p型層61に流れ込む。したがって、実施の形態1にかかるモジュールでは、電気的に直列に接続された後部光電変換ユニットである第2光電変換ユニット5および第3光電変換ユニット6と、前部光電変換ユニットである第1光電変換ユニット3と、が電気的に並列に接続された構造を持つセルCが透光性絶縁基板1の面内方向において電気的に直列に接続された構造が形成される。
以上のように構成された実施の形態1にかかるモジュールでは、異なるバンドギャップを持つ3つの発電層(光電変換ユニット)により広範囲の波長の光を十分に吸収できるという利点が得られる。さらに、第1光電変換ユニット3と、第2光電変換ユニット5および第3光電変換ユニット6と、を並列に接続させていることで光電変換ユニットの電流の変動がモジュール全体に及ぼす影響を抑えて安定した発電が可能である、という並列タンデム太陽電池の利点を得ることができる。
また、実施の形態1にかかるモジュールでは、第1光電変換ユニット3の動作電圧と、第2光電変換ユニット5と第3光電変換ユニット6との動作電圧の和と、が一致するように第2光電変換ユニット5と第3光電変換ユニット6とが電気的に直列に接続されているため、それぞれの発電層(光電変換ユニット)のバンドギャップが異なるにも関わらず、上述した並列接続された2つの経路の動作電圧はほぼ等しくなっており、並列接続に起因した電圧律速によるセル特性の低下がほとんど生じない。
異なる動作電圧を持つ部分光電変換ユニットを電気的に並列に接続すると、電圧が動作電圧の小さい方に律速されるという問題がある。しかしながら、セルCにおいては、前部光電変換ユニットと後部光電変換ユニットとがそれぞれ内部に1つあるいは複数の部分光電変換ユニットを直列接続させるため、各部分光電変換ユニットの動作電圧を調整することができる。このため、バンドギャップの異なる発電層を利用した場合でも、前部光電変換ユニットと後部光電変換ユニットとの動作電圧を一致させることができる。
すなわち、実施の形態1では、セルCにおいて前部光電変換ユニットと後部光電変換ユニットとを電気的に並列に接続し、且つ前部光電変換ユニットの最適動作電圧の和と後部光電変換ユニットの最適動作電圧の和とをバランスさせることで、全ての部分光電変換ユニットを最適の条件で動作させることができる。
また、実施の形態1にかかるセルCを従来の直列多層タンデム構造の太陽電池セルと比較した場合は、実用環境下で受光量が変化しやすい短波長領域を吸収する部分光電変換ユニットを並列分離したことにより、入射光の変化に対してより安定した性能を発揮できる。
したがって、実施の形態1によれば、電圧律速による特性の低下が防止され光電変換効率に優れた薄膜太陽電池モジュールが実現されている。
なお、上述した実施の形態1にかかるモジュールの構造において、各部分光電変換ユニットのi型層の材料は上記の材料のほかにアモルファス酸化シリコン(a−SiO)、アモルファス炭化シリコン(a−SiC)、アモルファス窒化シリコン(a−SiN)などのワイドバンドギャップ材料や、微結晶シリコンゲルマニウム(μc−SiGe)、アモルファスゲルマニウム(a−Ge)、アモルファス炭素(a−C)などのナローバンドギャップ材料を使用することもできる。ここで、第1光電変換ユニット3の動作電圧と、第2光電変換ユニット5と第3光電変換ユニット6との動作電圧の和と、を一致できるように各部分光電変換ユニットのi型層の材料を選択することが好ましい。
また、実施の形態1においては、前部光電変換ユニットを1層、後部光電変換ユニットを2層とする3層構造を用いたが、前部光電変換ユニットおよび後部光電変換ユニットを構成する光電変換ユニット数はこれに限定されない。例えば、前部光電変換ユニットを2層以上、あるいは後部光電変換ユニットを3層以上にした、より多層のタンデム構造を用いてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1で示した構造では、各部分光電変換ユニットが第3の分離溝93の部分に埋め込まれた裏面側金属電極8(接続部)と繋がっているため、部分光電変換ユニットと裏面側金属電極8との接触部近辺で電流のリークが発生する虞がある。また、このリーク問題のため、通常薄膜太陽電池に用いられるような裏面側の透明導電膜を積層させることができないという問題もある。実施の形態2では、実施の形態1の変形例であり、このような問題を解決する薄膜太陽電池モジュールについて説明する。
図3は、本発明の実施の形態2にかかるモジュールを構成するセルCの短手向における断面構造を説明するための図であり、図1−2に対応する要部断面図である。図3に示す実施の形態2にかかるモジュールは、実施の形態1にかかるモジュールの構成を基本として、第3光電変換ユニット6上にZnOからなる裏面側透明導電膜7が追加され、その上に裏面側金属電極8が裏面側の全面に形成されている。また、第4の分離溝94の代わりに裏面側金属電極8から中間透明導電膜4に達するストライプ状の第6の分離溝94aが形成されている。この第6の分離溝94aは、裏面側金属電極8の表面から裏面側透明導電膜7、第3光電変換ユニット6、第2光電変換ユニット5を貫通して中間透明導電膜4の部分で止まっていることを特長とする。また、実施の形態2にかかるモジュールは、第3の分離溝93の代わりに、裏面側透明導電膜7から表面側透明電極2に達するストライプ状の第5の分離溝93aが形成されている。
つぎに、上記のように構成された実施の形態2にかかるモジュールの製造方法について図4−1および図4−2を参照して説明する。図4−1および図4−2は、実施の形態2にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。
まず、実施の形態1において図2−1〜図2−3を用いて説明した工程を実施し、部分光電変換ユニットを全て成膜した後にさらに裏面側透明導電膜7を成膜し、その後、裏面側透明導電膜7から表面側透明電極2に達するストライプ状の第5の分離溝93aを形成する(図4−1)。
つぎに、第5の分離溝93a内を含む裏面側透明導電膜7上に裏面側金属電極8を形成する。最後に、裏面側金属電極8から中間透明導電膜4に達するストライプ状の第6の分離溝94aを形成する(図4−2)。本実施の形態においては、第6の分離溝94aを形成するために、透光性絶縁基板1側からチタンサファイア光源を用いたレーザーによるスクライブを行う。
レーザスクライブ法を用いる場合は、前部光電変換ユニットを傷つけないように長波長のレーザーを用いることが好ましい。しかし、長波長のレーザーにおいてはエネルギー密度が低い問題があり、第6の分離溝94aを生成する際に時間がかかりすぎるという問題がある。第1光電変換ユニット3や表面側透明電極2での吸収を防ぎつつ、できるだけ高エネルギーのレーザーを用いることを考えた場合、チタンサファイア光源など800nm程度の波長のレーザーを使うことが好ましい。なお、分離溝の形成方法としては、他にもプラズマエッチングや化学エッチングなどの方法が考えられる。以上により、図3に示すような単位薄膜光電変換セルを有する実施の形態2にかかるモジュールが得られる。
以上のように構成された実施の形態2にかかるモジュールでは、実施の形態1の場合と同様にセルCにおいて、前部光電変換ユニットと後部光電変換ユニットとを電気的に並列に接続し、且つ前部光電変換ユニットの最適動作電圧の和と後部光電変換ユニットの最適動作電圧の和とをバランスさせることにより、電圧律速による特性の低下が防止され光電変換効率に優れた薄膜太陽電池モジュールが実現されている。
また、実施の形態2にかかるモジュールでは、中間透明導電膜4よりも上に積層された層では、その一部が第6の分離溝94aにより、第5の分離溝93aの部分に埋め込まれた裏面側金属電極8(接続部)と絶縁分離されている。このため、第5の分離溝93aの部分に埋め込まれた裏面側金属電極8(接続部)と後部光電変換ユニットとが一部分離されるため電流リークを低減できる。また、第3光電変換ユニット6と裏面側金属電極8との間に裏面側金属電極8の反射を高める透明導電膜を形成させることが可能となり、さらに光電変換効率の向上効果が得られる。
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態2の変形例であり、実施の形態2のモジュールからさらに内部の絶縁性を高めた薄膜太陽電池モジュールについて説明する。図5は、本発明の実施の形態3にかかるモジュールを構成するセルCの短手向における断面構造を説明するための図であり、図1−2に対応する要部断面図である。図5に示す実施の形態3にかかるモジュールは、実施の形態2にかかるモジュールの構成を基本として、第2の分離溝92の代わりに第3n型層63から表面側透明電極2に達するストライプ状の第7の分離溝92aが形成されている。この第7の分離溝92aは、第3n型層63の表面から第2光電変換ユニット5、中間透明導電膜4、第1光電変換ユニット3を貫通して表面側透明電極2の部分で止まっていることを特長とする。
つぎに、上記のように構成された実施の形態3にかかるモジュールの製造方法について図6−1および図6−2を参照して説明する。図6−1および図6−2は、実施の形態3にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。
まず、実施の形態2の場合と同様にして中間透明導電膜4の成膜までを行う。実施の形態2の場合は、その後レーザスクライブにより第2の分離溝92を形成したが、実施の形態3においてはこの段階ではレーザスクライブを行わない。すなわち、中間透明導電膜4の成膜後、続けてプラズマCVD法を用いた成膜処理により第2光電変換ユニット5の第2n型層53、第2i型層52、第2p型層51を順次積層し、さらに第3光電変換ユニット6の第3n型層63を成膜する。実施の形態3では、第2光電変換ユニット5の第2n型層53および第3光電変換ユニット6の第3n型層63に、アモルファスSiに代わり、より膜質の良い微結晶Siを用いる。
ここまで成膜を行った時点でレーザスクライブによる分離を行い、第3n型層63から表面側透明電極2に達するストライプ状の第7の分離溝92aを形成する(図6−1)。その後、第3i型層62、第3p型層61および裏面側透明導電膜7を順次積層し、実施の形態2の場合と同様にして第5の分離溝93aを形成する。そして、第5の分離溝93a内を含む裏面側透明導電膜7上に裏面側金属電極8を形成し、裏面側金属電極8から中間透明導電膜4に達するストライプ状の第6の分離溝94aを形成する(図6−2)。以上により、図5に示すようなセルCを有する実施の形態3にかかるモジュールが得られる。
以上のように構成された実施の形態3にかかるモジュールでは、実施の形態2の場合と同様に、セルCにおいて前部光電変換ユニットと後部光電変換ユニットとを電気的に並列に接続し、且つ前部光電変換ユニットの最適動作電圧の和と後部光電変換ユニットの最適動作電圧の和とをバランスさせることにより、電圧律速による特性の低下が防止され光電変換効率に優れた薄膜太陽電池モジュールが実現されている。
また、実施の形態3にかかるモジュールでは、中間透明導電膜4よりも上に積層された層ではその一部が第6の分離溝94aにより、第5の分離溝93aの部分に埋め込まれた裏面側金属電極8(接続部)と絶縁分離されている。
さらに、実施の形態3にかかるモジュールでは、表面側透明電極2よりも上に積層された層である第1光電変換ユニット3、中間透明導電膜4、第2光電変換ユニット5、第3光電変換ユニット6の第3n型層63では、その一部が第7の分離溝92aにより第5の分離溝93aの部分に埋め込まれた裏面側金属電極8(接続部)と絶縁分離されている。
実施の形態2にかかるモジュールの場合は、第2光電変換ユニット5や第3光電変換ユニット6は金属側裏面電極8と一部絶縁分離されたものの依然として接触している部分が残っている。しかしながら、実施の形態3にかかるモジュールでは、第2光電変換ユニット5や第3光電変換ユニット6の第3n型層63は裏面側金属電極8から完全に絶縁分離されている。このため、実施の形態3にかかるモジュールの場合は、第2光電変換ユニット5の第2n型層53、第2p型層51や、第3光電変換ユニット6の第3n型層63に対して微結晶Siなどの導電率の高い材料を利用することが可能となる。したがって、実施の形態3にかかるモジュールでは、より高い光電変換効率の向上効果が得られる。
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態1の変形例について説明する。図7は、本発明の実施の形態4にかかるモジュールを構成するセルCの短手向における断面構造を説明するための図であり、図1−2に対応する要部断面図である。図7に示す実施の形態4にかかるモジュールは、実施の形態1にかかるモジュールの構成を基本として、第1光電変換ユニット3の第1n型層33および第2光電変換ユニット5の第2n型層53が省略された構造を有する。
また、実施の形態4にかかるモジュールは、第2の分離溝92の代わりに、中間透明導電膜4から第1i型層(発電層)32、第1p型層31を貫通して表面側透明電極2に達するストライプ状の第8の分離溝92bが形成されている。また、実施の形態4にかかるモジュールは、第4の分離溝93の代わりに、第3光電変換ユニット6、第2p型層51、第2i型層(発電層)52、中間透明導電膜4、第1i型層(発電層)32、第1p型層31を貫通して表面側透明電極2に達するストライプ状の第9の分離溝93bが形成されている。
つぎに、上記のように構成された実施の形態4にかかるモジュールの製造方法について図8−1および図8−2を参照して説明する。図8−1および図8−2は、実施の形態4にかかるモジュールの製造方法を説明するための要部断面図である。
まず、実施の形態1の場合と同様にして第1i型層(発電層)32の成膜までを行う。実施の形態1の場合は、その後第1n型層33および中間透明導電膜4を成膜して第2の分離溝92を形成したが、実施の形態4においては第1n型層33を成膜しない。すなわち、第1i型層(発電層)32上に中間透明導電膜4を成膜した後、第8の分離溝92bを形成する(図8−1)。ここで、中間透明導電膜4としては、n型にドーピングされた微結晶SiOからなる透明導電膜を膜厚1μmで積層させる。
つぎに、実施の形態1の場合は第2の分離溝92の形成後、第2光電変換ユニット5の第2n型層53を成膜したが、実施の形態4においては第2n型層53を成膜しない。すなわち、第8の分離溝92b内を含む中間透明導電膜4上に第2i型層(発電層)52を成膜し、さらに、第2p型層51、第3n型層63、第3i型層(発電層)62、第3p型層61を順次成膜する。そして、第3光電変換ユニット6から表面側透明電極2に達するストライプ状の第9の分離溝93bを形成する(図8−2)。
その後は、実施の形態1の場合と同様にして第9の分離溝93b内を含む第3p型層61上に、第4の分離溝94を有する裏面側金属電極8を形成する(図8−3)。以上により、図7に示すようなセルCを有する実施の形態4にかかるモジュールが得られる。
以上のように構成された実施の形態4にかかるモジュールでは、実施の形態1の場合と同様にセルCにおいて、前部光電変換ユニットと後部光電変換ユニットとを電気的に並列に接続し、且つ前部光電変換ユニットの最適動作電圧の和と後部光電変換ユニットの最適動作電圧の和とをバランスさせることにより、電圧律速による特性の低下が防止され光電変換効率に優れた薄膜太陽電池モジュールが実現されている。
また、実施の形態4にかかるモジュールでは、n型にドーピングされた中間透明導電膜4が、実施の形態1の場合の第1n型層33および第2n型層53として働く。すなわち、第1p型層31と第1i型層(発電層)32と中間透明導電膜4とにより見かけ上の第1光電変換ユニット3aが構成されている。また、中間透明導電膜4と第2i型層(発電層)52と第2p型層51とにより見かけ上の第2光電変換ユニット5aが構成されている。
したがって、実施の形態4にかかるモジュールでは、第1光電変換ユニット3の第1n型層33および第2光電変換ユニット5の第2n型層53が省略された構造を有するため、製造工程の簡略化が実現されている。
このn型にドーピングされた中間透明導電膜4は、高導電率および高透過率を有することが好ましく、微結晶SiOの他にも微結晶Si系化合物やZn、SnOなどの材料を用いることができる。ただし、良好なpn接合を作るためには、各部分光電変換ユニットのi型層(発電層)のバンドギャップに比較的近い微結晶SiOや微結晶SiCを使うことが好ましい。
また、上記においては、実施の形態1の変形例として説明したが上記の構造を実施の形態2、実施の形態3に適用してもよい。
以上のように、本発明にかかる薄膜太陽電池は、光電変換効率に優れた薄膜太陽電池の実現に有用である。
1 透光性絶縁基板
2 表面側透明電極
3 第1光電変換ユニット
3a 第1光電変換ユニット
31 第1p型層
32 第1i型層
33 第1n型層
4 中間透明導電膜
5 第2光電変換ユニット
5a 第2光電変換ユニット
51 第2p型層
52 第2i型層(発電層)
53 第2n型層
6 第3光電変換ユニット
61 第3p型層
62 第3i型層(発電層)
63 第3n型層
7 裏面側透明導電膜
8 裏面側金属電極
91 第1の分離溝
92 第2の分離溝
92a 第7の分離溝
92b 第8の分離溝
93 第3の分離溝
93a 第5の分離溝
93b 第9の分離溝
94 第4の分離溝
94a第6の分離溝

Claims (7)

  1. 透光性基板上に、透明導電膜からなる表面側透明電極、半導体膜からなり光電変換を行う前部光電変換ユニット、透明導電膜からなる中間透明導電膜、半導体膜からなり光電変換を行う後部光電変換ユニット、導電膜からなる裏面側電極をこの順で有する薄膜太陽電池セルであって、
    前部部分光電変換ユニットと前記後部部分光電変換ユニットが前記中間透明導電膜を介して電気的に並列接続され、
    前記前部光電変換ユニットおよび前記後部光電変換ユニットが、それぞれ異なるバンドギャップを有する発電層を含む部分光電変換ユニットにより構成され、
    前記前部光電変換ユニットおよび前記後部光電変換ユニットのうち少なくとも一方は、それぞれ異なるバンドギャップを有する発電層を含む複数の部分光電変換ユニットが電気的に直列接続されて構成され、
    前記前部光電変換ユニットと前記後部光電変換ユニットとの動作電圧が略等しくされていること、
    を特徴とする薄膜太陽電池セル。
  2. 透光性基板上に、請求項1に記載の薄膜太陽電池セルが複数配設され、
    隣接する第1の薄膜太陽電池セルと第2の薄膜太陽電池セルとの間において前記後部光電変換ユニットから前記表面側透明電極に達する第1分離溝内に設けられて前記第1の薄膜太陽電池セルの前記表面側透明電極、前記裏面側電極および前記第2の薄膜太陽電池セルの中間透明導電膜に電気的に接続して前記第1の薄膜太陽電池セルと前記第2の薄膜太陽電池セルとを電気的に直列接続する第1接続部を有すること、
    を特徴とする薄膜太陽電池モジュール。
  3. 前記第1接続部よりも前記第2の薄膜太陽電池セル側において前記裏面側電極から前記中間透明導電膜に達する第2分離溝を備え、前記第2の薄膜太陽電池セルの前記後部光電変換ユニットが前記第1接続部と分離されていること、
    を特徴とする請求項2に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  4. 隣接する前記第2の薄膜太陽電池セルと第3の薄膜太陽電池セルとの間において前記後部光電変換ユニットから前記表面側透明電極に達する第3分離溝内に設けられて前記第2の薄膜太陽電池セルの前記表面側透明電極、前記裏面側電極および前記第3の薄膜太陽電池セルの中間透明導電膜に電気的に接続して前記第2の薄膜太陽電池セルと前記第3の薄膜太陽電池セルとを電気的に直列接続する第2接続部を有し、
    前記第2接続部よりも前記第2の薄膜太陽電池セル側において前記第2の薄膜太陽電池セルの前記後部光電変換ユニットを貫通する第4分離溝を備え、前記第2の薄膜太陽電池セルの後部光電変換ユニットが前記第2接続部と分離されていること、
    を特徴とする請求項3に記載の薄膜太陽電池モジュール。
  5. 前記前部光電変換ユニットの部分光電変換ユニットは、前記表面側透明電極側から順にp型層、i型層、n型層を有し、
    前記後部光電変換ユニットの部分光電変換ユニットは、前記表面側透明電極側から順にn型層、i型層、p型層を有し、
    前記中間透明導電膜がn型層であり、前記中間透明導電膜に隣接している前記部分光電変換ユニットのn型層が形成されていないこと、
    を特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の薄膜太陽電池モジュール。
  6. 透光性基板上に透明導電膜からなる表面側透明電極を形成する第1工程と、
    前記表面側透明電極上に半導体膜からなり前記表面側透明電極側からp型層−i型層−n型層の順の接合を有して光電変換を行う前部光電変換ユニットを形成する第2工程と、
    前記前部光電変換ユニット上に透明導電膜からなる中間透明導電膜を形成する第3工程と、
    前記中間透明導電膜上に半導体膜からなり前記表面側透明電極側からn型層−i型層−p型層の順の接合を有して光電変換を行う後部光電変換ユニットを形成する第4工程と、
    前記後部光電変換ユニット上に導電膜からなる裏面側電極を形成する第5工程と、
    を含み、
    前記前部光電変換ユニットおよび前記後部光電変換ユニットを、それぞれ異なるバンドギャップを有する前記i型層を含む部分光電変換ユニットにより形成し、
    前記前部光電変換ユニットおよび前記後部光電変換ユニットのうち少なくとも一方を、それぞれ異なるバンドギャップを有する前記i型層を含む複数の部分光電変換ユニットを電気的に直列接続させて形成して前記前部光電変換ユニットと前記後部光電変換ユニットとの動作電圧が略等しくすること、
    を特徴とする薄膜太陽電池セルの製造方法。
  7. 透光性基板上に、透明導電膜からなる表面側透明電極をセル毎に分離形成する第1工程と、
    前記表面側透明電極を形成した前記透光性基板上に、半導体膜からなり前記表面側透明電極側からp型層−i型層−n型層の順の接合を有して光電変換を行う前部光電変換ユニットを形成する第2工程と、
    前記前部光電変換ユニット上に透明導電膜からなる中間透明導電膜を形成する第3工程と、
    前記中間透明導電膜と前記前部光電変換ユニットをセルごとに分離する第4工程と、
    前記中間透明導電膜と前記前部光電変換ユニットを分離した前記透光性基板上に、半導体膜からなり前記表面側透明電極側からn型層−i型層−p型層の順の接合を有して光電変換を行う後部光電変換ユニットを形成する第5工程と、
    前記後部光電変換ユニットから前記表面側透明電極に達する分離溝を隣接するセル間の位置に形成する第6工程と、
    導電膜からなる裏面側電極を前記後部光電変換ユニット上にセル毎に分離形成する第7工程と、
    導電材料により前記分離溝を埋め込んで隣接するセルのうち一方のセルの表面側透明電極および裏面側電極と、他方のセルの前記中間透明導電膜と、を電気的に接続する第8工程と、
    を含み、
    前記前部光電変換ユニットおよび前記後部光電変換ユニットを、それぞれ異なるバンドギャップを有する前記i型層を含む部分光電変換ユニットにより形成し、
    前記前部光電変換ユニットおよび前記後部光電変換ユニットのうち少なくとも一方を、それぞれ異なるバンドギャップを有する前記i型層を含む複数の部分光電変換ユニットを電気的に直列接続して形成して前記前部光電変換ユニットと前記後部光電変換ユニットとの動作電圧を略等しくすること、
    を特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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