JP2016111279A - 多接合太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Toshiyuki Samejima
俊之 鮫島
靖典 安東
Yasunori Ando
靖典 安東
俊二 高瀬
Shunji Takase
俊二 高瀬
佳孝 瀬戸口
Yoshitaka Setoguchi
佳孝 瀬戸口
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Abstract

【課題】 接着型の多接合太陽電池を改良して、第1の太陽電池素子と第2の太陽電池素子間での反射ロスを低減させて光の透過率を高めることができるようにする。【解決手段】 この多接合太陽電池4は、第1のバンドギャップを有していて入射した光の一部を透過させる第1の太陽電池素子6と、その裏面に形成されていて光透過性および導電性を有する導電性膜10と、前記第1のバンドギャップよりも小さい第2のバンドギャップを有する第2の太陽電池素子8と、その表面に形成されていて光透過性および導電性を有する導電性膜12と、両導電性膜10、12の面を接着しているものであって光透過性および導電性を有する接着層14とを備えている。かつ太陽電池素子6、導電性膜10、太陽電池素子8、導電性膜12および接着層14の屈折率をそれぞれn1、n2、n3、n4およびn5とすると、n1>n2>n5かつn3>n4>n5なる関係を満たしている。【選択図】 図5

Description

この発明は、互いに異なるバンドギャップを有する半導体を含んでいる少なくとも二つの太陽電池素子を、光透過性および導電性を有する接着層によって接着した構成の多接合太陽電池およびその製造方法に関する。このような構成の多接合太陽電池は、接着型の多接合太陽電池と呼ぶこともできる。
太陽光は、図1に示すように広いエネルギーに渡ってスペクトルを持っている。
半導体で作られる太陽電池は、半導体のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を吸収して発電する。例えば結晶シリコンは、そのバンドギャップが1.12eVであり、1.12eV以上のエネルギーを持つ光を吸収してホールと電子を結晶シリコン内に発生させる。定常光照射下では、ホールと電子のエネルギー差は、半導体のバンドギャップで決まるため結晶シリコンの場合は入射光の波長によらず1.12eVである。
そして、半導体中のホール電子分極能率によって、図2に示す太陽電池の開放電圧Vocが決まる。この開放電圧Vocは、半導体のバンドギャップ(eV単位で表したときの数値)を超えないが近い値となる。よってバンドギャップよりも大きなエネルギーを持つ短波長の光が照射されたときも、開放電圧Vocは依然としてバンドギャップ近くの小さい値に止まり、入射光エネルギーのロスが半導体中で生じる。
短波長の光で大きな起電力および大きな電力を取り出すために、バンドギャップが異なり、分光吸収感度が異なる複数の半導体を重ね合わせた、多接合太陽電池が開発されている。
例えば、図3に示す例のように、エピタキシャル結晶成長技術を用いてInGaP、InGaAs、GeのPN接合を積層形成した多接合太陽電池が提案されている(非特許文献1参照)。このような多接合太陽電池は、可視から赤外域の広範囲の光を吸収して発電することが可能であり、効率が高い。
しかし、エピタキシャル結晶成長技術は、一般に成膜速度が遅く、多接合形成に多くの時間がかかるという課題がある。また、多くの異なる結晶を積層するために、結晶欠陥等の発生による歩留まり低下の課題もある。加えて、異なる結晶間のストレスを緩和する必要があり、大面積太陽電池への適用が難しいという課題もある。
一方、図4に示す例のように、予め単体太陽電池として作製されたバンドギャップの異なる複数の太陽電池素子を、透明な導電性接着剤で重ね合わせて接着する技術が提案されている(特許文献1および非特許文献2参照)。これは接着型の多接合太陽電池と呼ぶこともできる。
この技術は、完成した太陽電池素子同士を接着するため、高い歩留まりが期待できる。また、異種半導体結晶成長プロセスを必要としないので、大面積の多接合太陽電池の製造が可能であるという利点がある。
特開2011−210766号公報
Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 43, No. 3, 2004, pp. 882−889,"Evaluation of InGaP/InGaAs/Ge Triple-Junction Solar Cell under Concentrated Light by Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis", K. NISHIOKA, T. TAKAMOTO, T. AGUI, M. KANEIWA, Y. URAOKA and T. FUYUKI T. Sameshima, J. Takenezawa, M. Hasumi, T. Koida, T. Kaneko, M. Karasawa and M. Kondo,"Multi Junction Solar Cells Stacked with Transparent and Conductive Adhesive", Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 052301-1-4.
図4に示したような多接合太陽電池は上記のような利点を有しているけれども、上部(第1の)太陽電池素子が下部(第2の)太陽電池素子の光遮蔽の要因になる。これは図3に示したような多接合太陽電池においても同様である。即ち、上部太陽電池素子はバンドギャップが大きいので長波長の光に対して透明であり、うまく行くはずである。しかし、半導体は一般に屈折率が高いので、半導体に透明な波長帯であっても、光が上部太陽電池素子と下部太陽電池素子との界面付近で反射されて下部太陽電池素子にうまく伝達されず反射ロスが生じるという課題がある。
そこでこの発明は、図4に示したような接着型の多接合太陽電池を更に改良して、第1の太陽電池素子と第2の太陽電池素子間での反射ロスを低減させて光の透過率を高めることができるようにすることを主たる目的としている。
この発明に係る多接合太陽電池は、第1のバンドギャップを有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電しかつ当該光の一部を透過させる第1の太陽電池素子と、前記第1の太陽電池素子の裏面に形成されていて、光透過性および導電性を有する第1の導電性膜と、前記第1のバンドギャップよりも小さい第2のバンドギャップを有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電する第2の太陽電池素子と、前記第2の太陽電池素子の表面に形成されていて、光透過性および導電性を有する第2の導電性膜と、前記第1の導電性膜面と前記第2の導電性膜面とを接着しているものであって、光透過性および導電性を有する接着層とを備えており、かつ前記第1の太陽電池素子、前記第1の導電性膜、前記第2の太陽電池素子、前記第2の導電性膜および前記接着層の屈折率をそれぞれn1 、n2 、n3 、n4 およびn5 とすると、
1 >n2 >n5 かつ
3 >n4 >n5
なる関係を満たしている、ことを特徴としている。
この多接合太陽電池は、第1の導電性膜、第2の導電性膜および接着層を備えており、かつ前記屈折率の関係を満たしているので、第1の太陽電池素子と接着層との間および接着層と第2の太陽電池素子との間における光の反射率が低下する。従って、第1の太陽電池素子と第2の太陽電池素子間での反射ロスを低減させて光の透過率を高めることができる。
前記第1の太陽電池素子のバンドギャップに対応する光の波長をλ1 、前記第2の太陽電池素子のバンドギャップに対応する光の波長をλ2 、mを0以上の整数とすると、前記第1の導電性膜の膜厚d1 および前記第2の導電性膜の膜厚d2 を、
{(1+2m)/4n2 }×{(λ1 +λ2 )/3}≦d1 ≦{(1+2m)/4n2 }×{(λ1 +λ2 )/1.5}、
{(1+2m)/4n4 }×{(λ1 +λ2 )/3}≦d2 ≦{(1+2m)/4n4 }×{(λ1 +λ2 )/1.5}
の範囲内にしても良い。
前記第1の導電性膜の膜厚をd1 nm、抵抗率をρ1 Ωcm、前記第2の導電性膜の膜厚をd2 nm、抵抗率をρ2 Ωcmとすると、
1/d1 ≧ρ1 ≧1×10-6/d1 かつ
1/d2 ≧ρ2 ≧1×10-6/d2
なる関係を満たしていても良い。
この発明に係る多接合太陽電池の製造方法は、第1のバンドギャップを有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電しかつ当該光の一部を透過させる第1の太陽電池素子を作製する第1の工程と、前記第1の太陽電池素子の裏面に、光透過性および導電性を有する第1の導電性膜を薄膜形成方法によって形成する第2の工程と、前記第1のバンドギャップよりも小さい第2のバンドギャップを有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電する第2の太陽電池素子を作製する第3の工程と、前記第2の太陽電池素子の表面に、光透過性および導電性を有する第2の導電性膜を薄膜形成方法によって形成する第4の工程と、前記第1の導電性膜が形成された前記第1の太陽電池素子と、前記第2の導電性膜が形成された前記第2の太陽電池素子とを、前記第1の導電性膜面および前記第2の導電性膜面を接着される面にして、光透過性および導電性を有する接着剤を用いて接着する第5の工程とを備えており、かつ前記第1の太陽電池素子、前記第1の導電性膜、前記第2の太陽電池素子、前記第2の導電性膜および前記接着剤の屈折率をそれぞれn1 、n2 、n3 、n4 およびn5 とすると、
1 >n2 >n5 かつ
3 >n4 >n5
なる関係を満たしている、ことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、第1の太陽電池素子と第2の太陽電池素子とを接着した構成であるので、製造が簡単であり、高い歩留まりが期待できる。また、異種半導体結晶成長プロセスを必要としないので、大面積の多接合太陽電池の製造が可能になる。
しかもこの多接合太陽電池は、第1の導電性膜、第2の導電性膜および接着層を備えており、かつ第1の太陽電池素子、第1の導電性膜、第2の太陽電池素子、第2の導電性膜および接着層の屈折率をそれぞれn1 、n2 、n3 、n4 およびn5 とすると、n1 >n2 >n5 かつn3 >n4 >n5 なる関係を満たしているので、第1の太陽電池素子と接着層との間および接着層と第2の太陽電池素子との間における光の反射率が低下する。従って、第1の太陽電池素子と第2の太陽電池素子間での反射ロスを低減させて光の透過率を高めることができる。その結果、第2の太陽電池素子に効率良く光を到達させることができるので、この多接合太陽電池の変換効率を高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、第1の導電性膜の膜厚および第2の導電性膜の膜厚を当該請求項に記載の範囲内にしているので、第1の導電性膜および第2の導電性膜それぞれの上下面の界面における光の反射率を小さくすることができ、それによって光の透過率を高めて第2の太陽電池素子に効率良く光を到達させることができる。その結果、この多接合太陽電池の変換効率をより高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、第1の導電性膜の抵抗率および第2の導電性膜の抵抗率を当該請求項に記載の範囲内にしているので、太陽電池素子間の接続抵抗を小さくして当該接続抵抗に起因するこの多接合太陽電池の変換効率の低下を小さく抑えることができる。しかも、第1の導電性膜および第2の導電性膜におけるフリーキャリア吸収による光のロスを低減することができるので、第2の太陽電池素子に効率良く光を到達させることができる。これら二つの理由から、この多接合太陽電池の変換効率をより高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、第1の導電性膜および第2の導電性膜を構成する酸化物半導体膜は、光透過性および導電性が高く、かつ抵抗率の制御性も良い。従って、この多接合太陽電池の変換効率を高めるのに都合が良い。
請求項5に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、接着層は、透明の接着剤中にITO粒子を分散させたものであり、ITO粒子は光透過性および導電性が高いので、この多接合太陽電池の変換効率を高めるのに都合が良い。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の特長を有する多接合太陽電池を簡単に製造することができる。
太陽光のスペクトルの一例を示す図である。 太陽電池の電流−電圧特性の一例を示す図である。 従来の多接合太陽電池の一例を示す概略断面図である。 従来の多接合太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 この発明に係る多接合太陽電池の一実施形態を示す概略断面図である。 この発明に係る多接合太陽電池のより具体的な実施形態の例を示す概略断面図である。 この発明に係る多接合太陽電池の製造方法の工程の例を示す概略断面図である。 多接合太陽電池における接続抵抗が変換効率に及ぼす影響を計算した結果の一例を示す図である。 実験に用いた実施例1、2および比較例1、2の構成を示す概略断面図である。 実施例1および比較例1、2における光の透過率のスペクトルを測定した結果の一例を示す図である。 実施例2および比較例1、2における光の透過率のスペクトルを測定した結果の一例を示す図である。 図9(A)に示した構成におけるIGZO膜の膜厚と光の実効透過率との関係の例を示す図である。 第1(または第2)の導電性膜に着目して、その上下面の界面における光の反射率を小さくする場合の原理を説明するための概略断面図である。 太陽光のスペクトルの一例を示す概略図である。
図5に、この発明に係る多接合太陽電池の一実施形態を示す。この多接合太陽電池4は、二つの太陽電池素子6、8を有する、いわゆる2接合の場合の実施形態である。2接合の場合も、この出願では多接合太陽電池と呼んでいる。但し、この発明は2接合の場合に限られるものではない。
この多接合太陽電池4は、第1のバンドギャップEg1を有する半導体を含んでいて、入射した光2(具体的には太陽光)を用いて発電しかつ当該光2の一部を透過させる第1の太陽電池素子6と、この太陽電池素子6の裏面に形成されていて、光透過性および導電性を有する第1の導電性膜10と、前記第1のバンドギャップEg1よりも小さい第2のバンドギャップEg2(即ちEg1>Eg2)を有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電する第2の太陽電池素子8と、この太陽電池素子8の表面に形成されていて、光透過性および導電性を有する第2の導電性膜12と、第1の導電性膜10の面と第2の導電性膜12の面とを接着しているものであって、光透過性および導電性を有する接着層14とを備えている。光透過性を有していることは、物理学の分野では透明とも呼ばれている。
かつ、第1の太陽電池素子6、第1の導電性膜10、第2の太陽電池素子8、第2の導電性膜12および接着層14の屈折率をそれぞれn1 、n2 、n3 、n4 およびn5 とすると、次式の関係を満たしている。
[数1]
1 >n2 >n5 かつ
3 >n4 >n5
第2の太陽電池素子8は、この実施形態ではその下側に他の太陽電池素子がないので、必ずしも入射した光の一部を透過させる必要はない。第2の太陽電池素子8の下側に他の太陽電池素子を設ける場合は、太陽電池素子8は、入射した光の一部を透過させるものにすれば良い。
各太陽電池素子6、8は、例えば、公知の単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、薄膜シリコン太陽電池、アモルファスシリコンと単結晶シリコンを積層したハイブリッド型太陽電池等のシリコン系の太陽電池、シリコンの代わりにゲルマニウムを用いたゲルマニウム系の太陽電池、InGaAs 、GaAs 等の化合物系の太陽電池、有機系の太陽電池、その他の太陽電池であり、特定の構成のものに限定されない。半導体のバンドギャップは、例えば、Si が1.11eV、Ge が0.67eV、GaAs が1.43eV、GaNが3.4eVである。
より具体的な例を図6に示す。この例では、太陽電池素子6は、p+ 型シリコン20上にp型シリコン22を形成し、その上にn+ 型シリコン24を形成した構成をしている。この太陽電池素子6のバンドギャップEg1は1.11eVである。太陽電池素子8は、p+ 型ゲルマニウム26上にp型ゲルマニウム28を形成し、その上にn+ 型ゲルマニウム30を形成した構成をしている。この太陽電池素子8のバンドギャップEg2は0.67eVである。従って、上述したEg1>Eg2の関係を満たしている。
再び図5を参照して、各導電性膜10、12は、例えば、IGZO(In −Ga −Zn −O/インジウム−ガリウム−亜鉛−酸素)膜、ITZO(In −Sn −Zn −O/インジウム−スズ−亜鉛−酸素)膜、ZnO(酸化亜鉛)膜等の酸化物半導体膜であるが、その他の導電性膜でも良い。上記のような酸化物半導体膜は、光透過性および導電性が高く、かつ抵抗率の制御性も良い。従って、この多接合太陽電池4の変換効率を高めるのに都合が良い。例えば、各導電性膜10、12を所要の温度で所要の時間加熱することによって、各導電性膜10、12の抵抗率を比較的容易に制御することができる。
上記酸化物半導体膜の内でも、IGZO膜は、抵抗率の制御性が良いので、より好ましいと言える。
各導電性膜10、12の膜厚は、例えば、200nm〜500nm程度であるが、これに限られるものではない。
各導電性膜10、12は、例えば、単一の屈折率を有する単層膜でも良いし、異なる屈折率を有する複数層膜から成っていても良い。複数層膜から成る場合は、上記屈折率n2 、n4 として、各層の膜の屈折率を合成した屈折率(例えば、フレネル合成実効屈折率)を用いれば良い。各太陽電池素子6、8が複数層の半導体から成る場合の上記屈折率n1 、n3 についても同様である。フレネル合成実効屈折率は、簡単に言えば次のとおりである。即ち、光は、屈折率が異なる物質間の界面に入射すると、一部は反射し、一部は透過(屈折)する。このふるまいを記述するのがフレネルの式であり、このフレネルの式を用いて複数層膜の合成実効屈折率を求めたのがフレネル合成実効屈折率である。
接着層14は、例えば、透明の接着剤中にITO(酸化インジウムスズ)粒子を分散させたものであるが、その他の構成のものでも良い。ITO粒子は光透過性および導電性が高いので、この多接合太陽電池4の変換効率を高めるのに都合が良い。
より具体例を挙げると、接着層14を構成する透明の接着剤は、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、セルロース系接着剤である。ITO粒子は、例えば直径が20μm〜25μmのものであり、これを上記接着剤中に例えば5wt%〜6wt%分散させれば良い。
多接合太陽電池4の表面および裏面に、必要に応じて、表面電極16および裏面電極18をそれぞれ設ければ良い。光2が入射する側の表面電極16は、例えば、ITO膜等の透明導電膜である。裏面電極18は、例えば、ITO膜等の透明導電膜でも良いし、不透明な金属電極でも良い。
上記多接合太陽電池4においては、上述したように第1の太陽電池素子6のバンドギャップEg1が第2の太陽電池素子8のバンドギャップEg2よりも大きいので(即ちEg1>Eg2)、上側の太陽電池素子6では入射した光2の内で、バンドギャップEg1よりも大きいエネルギーの光、換言すればバンドギャップEg1に相当する波長よりも短い波長の光を吸収して発電し、それよりも長い波長の光を透過させる。下側の太陽電池素子8では、太陽電池素子6を透過して来た長い波長の光を吸収して発電する。このように両方の太陽電池素子6、8で発電することができるので、変換効率が高い。
ちなみに、公知のように、光のエネルギーE[eV]と波長λ[nm]とには次式の関係がある。
[数2]
E=1240/λ
この多接合太陽電池4は、第1の太陽電池素子6と第2の太陽電池素子8とを接着層14を用いて接着した構成であるので、製造が簡単であり、高い歩留まりが期待できる。また、異種半導体結晶成長プロセスを必要としないので、大面積の多接合太陽電池の製造が可能になる。
しかもこの多接合太陽電池4は、第1の導電性膜10、第2の導電性膜12および接着層14を備えており、かつ上記数1に示した屈折率の関係を満たしているので、第1の太陽電池素子6と接着層14との間および接着層14と第2の太陽電池素子8との間における光の反射率が低下する。従って、第1の太陽電池素子6と第2の太陽電池素子8間での反射ロスを低減させて光の透過率を高めることができる。その結果、第2の太陽電池素子8に効率良く光を到達させることができるので、この多接合太陽電池4の変換効率を高めることができる。
太陽電池素子6と接着層14との間および接着層14と太陽電池素子8との間における光の反射率をより低下させるためには、上記屈折率n1 、n2 、n3 、n4 およびn5 は、次式の関係を満たすのがより好ましい。
[数3]
2 =(n1 ×n5 0.5 かつ
4 =(n3 ×n5 0.5
上記のような多接合太陽電池4の製造方法の例を図7を参照して説明する。
この発明に係る多接合太陽電池の製造方法は、上記のような第1の太陽電池素子6を作製する第1の工程と、当該太陽電池素子6の裏面に上記のような第1の導電性膜10を薄膜形成方法によって形成する第2の工程と、上記のような第2の太陽電池素子8を作製する第3の工程と、当該太陽電池素子8の表面に上記のような第2の導電性膜12を薄膜形成方法によって形成する第4の工程とを備えている。
薄膜形成方法は、例えば、真空蒸着法、プラズマCVD法、プラズマスパッタリング法等である。
上記第1の工程と第2の工程とは、分けて行っても良いし、連続して行っても良い。同様に、上記第3の工程と第4の工程とは、分けて行っても良いし、連続して行っても良い。
この製造方法は、更に、上記導電性膜10が形成された太陽電池素子6と、上記導電性膜12が形成された太陽電池素子8とを、導電性膜10の面および導電性膜12の面を接着される面にして、光透過性および導電性を有する接着剤14aを用いて接着する第5の工程(図7(A)参照)を備えている。接着剤14aが前述した接着層14になる。この接着剤14aの例は、前述した接着層14の例と同じである。
以上によって、図7(B)に示す多接合太陽電池4aを製造することができる。これに必要に応じて表面電極16および裏面電極18を形成すれば、図5等に示した多接合太陽電池4が得られる。
接着剤14aを用いて上記接着を行う際は、所要の圧力(例えば5×105 Pa程度)をかけて行えば良い。必要に応じて、所要の温度に加熱しても良い。
この製造方法の場合も、第1の太陽電池素子6、第1の導電性膜10、第2の太陽電池素子8、第2の導電性膜12および接着剤14aの屈折率をそれぞれn1 、n2 、n3 、n4 およびn5 とすると、前述した数1の関係を満たしているものとする。
この製造方法によれば、導電性膜10が形成された第1の太陽電池素子6と、導電性膜12が形成された第2の太陽電池素子8とをそれぞれ作製しておき、その後でそれらを接着剤14aを用いて接着する(貼り合わせる)ので、多数の太陽電池素子を薄膜形成方法によって順次積層して多接合太陽電池を製造する方法に比べて、製造が簡単であり、歩留まりも高い。即ち、前述したような特長を有する多接合太陽電池4を簡単に製造することができる。
次に、上記導電性膜10および12の好ましい膜厚について説明する。図13は、第1(または第2)の導電性膜10(または12)に着目して、その上下面の界面における光の反射率を小さくする場合の原理を説明するための概略断面図である。なお、図13において光2を少し傾けて入射させているのは、単に、反射光2a、2bを図示しやすくするためである。
まず第1の導電性膜10について説明すると、第1の太陽電池素子6を通過して導電性膜10に入射する光2の内で、導電性膜10の上面の界面での反射光2aと下面の界面での反射光2bとの間の光路差Dは次式で表される。d1 は導電性膜10の膜厚、n2 は導電性膜10の屈折率である。
[数4]
D=2n21
この光路差Dが(1/2+m)λのとき、反射光2aと2bとが互いに打ち消し合うので、反射率は最小となる。即ち透過率は最大となる。mは0以上の整数(即ち、m=0、1、2、・・・)である。従って、透過率を最大にする膜厚d1 は次式で表される。λは以下に説明する波長である。
[数5]
1 ={(1+2m)/4n2 }λ
上記式における波長λの取り方について説明する。ここでは第2の(下側の)太陽電池素子8における発電に着目しているので、太陽電池素子6のバンドギャップに対応する波長をλ1 、太陽電池素子8のバンドギャップに対応する波長をλ2 とすると、図14も参照して、入射光2の内で波長λ1 までの光は太陽電池素子6で吸収され発電に利用される結果、太陽電池素子8で発電に利用できる波長、即ち上記数5中の波長λは次式の範囲内となる。
[数6]
λ1 <λ≦λ2
その内で特に好ましい波長λは、平均値であり次式で表される。
[数7]
λ=(λ1 +λ2 )/2
但し、好ましい波長λは、上記平均値だけに限られるものではなく、上記平均値を挟むある程度の範囲内にあれば良い。図14に示すように、太陽光の分光放射照度は、上記波長λ1 とλ2 との間では短波長側の方が強いことを考慮すると、上記平均値よりも短波長側の範囲を広めにしても良いので、上記波長λは次式で表される範囲にするのが好ましい。
[数8]
(λ1 +λ2 )/3≦λ≦(λ1 +λ2 )/1.5
従って、この数8と上記数5とから、導電性膜10の膜厚d1 の好ましい範囲は次式で表される。その内でも、m=0の場合が、膜厚d1 が最も小さくて済む。
[数9]
{(1+2m)/4n2 }×{(λ1 +λ2 )/3}≦d1 ≦{(1+2m)/4n2 }×{(λ1 +λ2 )/1.5}
第2の導電性膜12についても上記と同様であり、その膜厚をd2 、屈折率をn4 とすると、導電性膜12の膜厚d2 の好ましい範囲は次式で表される。その内でも、m=0の場合が、膜厚d2 が最も小さくて済む。
[数10]
{(1+2m)/4n4 }×{(λ1 +λ2 )/3}≦d2 ≦{(1+2m)/4n4 }×{(λ1 +λ2 )/1.5}
導電性膜10および12の膜厚d1 およびd2 をそれぞれ上記数9、数10で表される範囲内にすることによって、導電性膜10および12それぞれの上下面の界面における光の反射率を小さくすることができ、それによって光の透過率を高めて第2の太陽電池素子8に効率良く光を到達させることができる。その結果、上記多接合太陽電池4の変換効率をより高めることができる。
次に、上記導電性膜10および12の好ましい抵抗率について説明する。
多接合太陽電池4は、縦方向に電流を流さなければならない。そのためには、上記導電性膜10および12の抵抗率は十分小さい値であることが必要である。これを図8の例を参照して説明する。
図8は、同図中の右側に示すPNダイオードと直列抵抗Rとで多接合太陽電池を模擬して、多接合太陽電池における接続抵抗が変換効率に及ぼす影響を計算した結果の一例を示すものである。同図に示すように、本来の変換効率が30%の太陽電池において接続抵抗Rが存在する場合、開放電圧Vocが1.5Vのときの変換効率低下を0.5%以内に抑えるためには、接続抵抗Rは1Ωcm2 以下の低抵抗であることが必要である。ちなみにこの接続抵抗Rは面抵抗であり、膜厚をd、抵抗率をρとすると、R=ρdの関係がある。
このことから、上記第1の導電性膜10の膜厚をd1 nm、抵抗率をρ1 Ωcm、第2の導電性膜12の膜厚をd2 nm、抵抗率をρ2 Ωcmとすると、次式の関係を満たしていることが好ましい。
[数11]
1/d1 ≧ρ1 かつ
1/d2 ≧ρ2
しかし、抵抗が小さく導電度が大きい場合、導電性膜において光のフリーキャリア吸収が起こる。これは、特に赤外領域において顕著である。従って、下側の太陽電池素子8に用いる半導体のバンドギャップ相当の波長(例えばGe の場合は1850nm)におけるフリーキャリア吸収による光のロスを1%以内に低減するためには、上記導電性膜10、12の抵抗率ρ1 、ρ2 は、次式の関係を満たしていることが好ましい。
[数12]
ρ1 ≧1×10-6/d1 かつ
ρ2 ≧1×10-6/d2
従って、上記数11および数12を総合すると、導電性膜10、12の抵抗率ρ1 、ρ2 は、次式で表される範囲にあることが好ましい。
[数13]
1/d1 ≧ρ1 ≧1×10-6/d1 かつ
1/d2 ≧ρ2 ≧1×10-6/d2
それによって、太陽電池素子6、8間の接続抵抗を小さくして当該接続抵抗に起因する多接合太陽電池4の変換効率の低下を小さく抑えることができる。しかも、第1の導電性膜10および第2の導電性膜12におけるフリーキャリア吸収による光のロスを低減することができるので、第2の太陽電池素子8に効率良く光を到達させることができる。これら二つの理由から、多接合太陽電池4の変換効率をより高めることができる。
ところで、前述したように、この発明は、二つの太陽電池素子6、8を有する、いわゆる2接合に限られるものではなく、三つ以上の太陽電池素子を有する、いわゆる3接合以上の場合にも適用することができる。3接合以上の場合は、例えば、(a)第1の太陽電池素子6の上側に(かつ表面電極16の下側に)、他の1層または複数層の太陽電池素子を設けても良い。または、(b)第2の太陽電池素子8の下側に(かつ裏面電極18の上側に)、他の1層または複数層の太陽電池素子を設けても良い。または、上記(a)と(b)とを併用しても良い。その内の隣り合う二つの太陽電池素子に着目すれば、それらについて、上記第1の太陽電池素子6、第1の導電性膜10、第2の太陽電池素子8、第2の導電性膜12および接着層14について述べたのと同様の構成を採用すれば良い。
[実験結果]
次に、上記多接合太陽電池4を模擬した試料等を用いて、光の透過率のスペクトルを測定する実験を行った結果の例について説明する。この実験に用いた実施例1、2および比較例1、2の構成を図9に示す。
半導体基板として、厚さが500μmで屈折率が3.5の単結晶シリコン基板36を用い、その表面に屈折率が1.85のIGZO膜38をスパッタリング法によって形成して、IGZO膜38の膜厚が500nmの試料(実施例1用)と、IGZO膜38の膜厚が200nmの試料(実施例2用)とを二つずつ作製した。更に、IGZO膜38の抵抗率を数13に示した範囲にするために、各試料に350℃で1時間の熱処理を施して、IGZO膜38の抵抗率を0.03Ωcmとした。
そして、図9(A)に示すように、膜厚が500nmのIGZO膜38を形成した二つの試料を、IGZO膜38を接着される面にして、透明のエポキシ樹脂系接着剤中に直径が20μmのITO粒子を6wt%分散させて成り、透明かつ導電性を有し、屈折率が1.3の接着剤40を用いて接着した。この試料を実施例1と呼ぶ。同様にして、単結晶シリコン基板36の表面に膜厚が200nmのIGZO膜38を形成した二つの試料を、上記と同じ接着剤40を用いて接着した。この試料を実施例2と呼ぶ。この実施例1、2は、上記多接合太陽電池4を模擬したものであり、いずれも前記数1に示した屈折率の関係を満たしている。
また、比較のために、図9(B)に示すように、上記と同じ単結晶シリコン基板36のみの試料も用いた。これを比較例1と呼ぶ。更に、図9(C)に示すように、IGZO膜38を形成していない上記と同じ単結晶シリコン基板36を2枚、上記と同じ接着剤40を用いて接着した。これを比較例2と呼ぶ。この比較例2は、図4に示した従来の多接合太陽電池を模擬したものである。
そして、図9に示すように、上記実施例1、2および比較例1、2に光32を透過させて、その透過率のスペクトルを測定した。この測定には、フレネル型光干渉および自由キャリア吸収効果で構成された計算プログラムを用いた。
IGZO膜38の膜厚が500nmの上記実施例1および上記比較例1、2における光の透過率のスペクトルを測定した結果の一例を図10に示す。実施例1では、IGZO膜38を形成していることによって、波長が1100nmから1600nmに至るまで、比較例2よりも透過率の増大が観測され、IGZO膜38の形成によって反射ロスを低減させることのできる効果が確認できた。比較例1の透過率を波長1100nmから1600nmまで積分した値を1として求めた、実施例1の実効透過率は0.88であった。
IGZO膜38の膜厚が200nmの上記実施例2および上記比較例1、2における光の透過率のスペクトルを測定した結果の一例を図11に示す。実施例2では、IGZO膜38を形成していることによって、波長が1100nmから1600nmに至るまで、比較例2よりも透過率が増大しており、しかも実施例1よりも均一に増大しており、IGZO膜38の形成によって反射ロスを低減させることのできる効果が確認できた。この実施例2の実効透過率は0.92であった。
図12に、図9(A)に示した構成におけるIGZO膜38の膜厚と光の実効透過率との関係の例を示す。図12中に計算値とあるのは、計算上でIGZO膜38の膜厚を変えて実効透過率を計算した結果であり、実施例1、2とあるのは、上記実験における実施例1、2のものである。
計算値として示すように、IGZO膜厚を変化させると、当該膜の上下面の界面における反射光間の光路差が変化して両反射光の干渉状態が周期的に変化するため、IGZO膜38の膜厚による実効透過率の周期的変化があった。最大の実効透過率は、IGZO膜38の膜厚が175nmのときに0.925であると計算された。また、実施例1、2は、この計算値と良く一致していることが分る。
2 光
4、4a 多接合太陽電池
6 第1の太陽電池素子
8 第2の太陽電池素子
10 第1の導電性膜
12 第2の導電性膜
14 接着層
14a 接着剤
16 表面電極
18 裏面電極

Claims (6)

  1. 第1のバンドギャップを有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電しかつ当該光の一部を透過させる第1の太陽電池素子と、
    前記第1の太陽電池素子の裏面に形成されていて、光透過性および導電性を有する第1の導電性膜と、
    前記第1のバンドギャップよりも小さい第2のバンドギャップを有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電する第2の太陽電池素子と、
    前記第2の太陽電池素子の表面に形成されていて、光透過性および導電性を有する第2の導電性膜と、
    前記第1の導電性膜面と前記第2の導電性膜面とを接着しているものであって、光透過性および導電性を有する接着層とを備えており、
    かつ前記第1の太陽電池素子、前記第1の導電性膜、前記第2の太陽電池素子、前記第2の導電性膜および前記接着層の屈折率をそれぞれn1 、n2 、n3 、n4 およびn5 とすると、
    1 >n2 >n5 かつ
    3 >n4 >n5
    なる関係を満たしている、ことを特徴とする多接合太陽電池。
  2. 前記第1の太陽電池素子のバンドギャップに対応する光の波長をλ1 、前記第2の太陽電池素子のバンドギャップに対応する光の波長をλ2 、mを0以上の整数とすると、前記第1の導電性膜の膜厚d1 および前記第2の導電性膜の膜厚d2 を、
    {(1+2m)/4n2 }×{(λ1 +λ2 )/3}≦d1 ≦{(1+2m)/4n2 }×{(λ1 +λ2 )/1.5}、
    {(1+2m)/4n4 }×{(λ1 +λ2 )/3}≦d2 ≦{(1+2m)/4n4 }×{(λ1 +λ2 )/1.5}
    の範囲内にしている請求項1記載の多接合太陽電池。
  3. 前記第1の導電性膜の膜厚をd1 nm、抵抗率をρ1 Ωcm、前記第2の導電性膜の膜厚をd2 nm、抵抗率をρ2 Ωcmとすると、
    1/d1 ≧ρ1 ≧1×10-6/d1 かつ
    1/d2 ≧ρ2 ≧1×10-6/d2
    なる関係を満たしている請求項1または2記載の多接合太陽電池。
  4. 前記第1の導電性膜および前記第2の導電性膜は酸化物半導体膜である請求項1、2または3記載の多接合太陽電池。
  5. 前記接着層は、透明の接着剤中にITO粒子を分散させたものである請求項1、2、3または4記載の多接合太陽電池。
  6. 第1のバンドギャップを有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電しかつ当該光の一部を透過させる第1の太陽電池素子を作製する第1の工程と、
    前記第1の太陽電池素子の裏面に、光透過性および導電性を有する第1の導電性膜を薄膜形成方法によって形成する第2の工程と、
    前記第1のバンドギャップよりも小さい第2のバンドギャップを有する半導体を含んでいて、入射した光を用いて発電する第2の太陽電池素子を作製する第3の工程と、
    前記第2の太陽電池素子の表面に、光透過性および導電性を有する第2の導電性膜を薄膜形成方法によって形成する第4の工程と、
    前記第1の導電性膜が形成された前記第1の太陽電池素子と、前記第2の導電性膜が形成された前記第2の太陽電池素子とを、前記第1の導電性膜面および前記第2の導電性膜面を接着される面にして、光透過性および導電性を有する接着剤を用いて接着する第5の工程とを備えており、
    かつ前記第1の太陽電池素子、前記第1の導電性膜、前記第2の太陽電池素子、前記第2の導電性膜および前記接着剤の屈折率をそれぞれn1 、n2 、n3 、n4 およびn5 とすると、
    1 >n2 >n5 かつ
    3 >n4 >n5
    なる関係を満たしている、ことを特徴とする多接合太陽電池の製造方法。
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