JP2010245114A - 有機トランジスタの製造方法及び有機トランジスタ - Google Patents

有機トランジスタの製造方法及び有機トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】移動度の高い有機トランジスタを効率良く製造することができる製造方法及び有機トランジスタを得る。
【解決手段】ゲート電極2と、ゲート電極2上に設けられるゲート絶縁膜3,4と、ゲート絶縁膜3,4上に設けられる有機半導体層9と、ゲート絶縁膜3,4上の有機半導体層9にチャネル領域を形成するため設けられるソース電極7及びドレイン電極8とを備える有機トランジスタを製造する方法であって、ゲート電極2を形成する工程と、ゲート電極2の上にゲート絶縁膜3,4を形成する工程と、ソース電極7及びドレイン電極8を形成する工程と、ゲート絶縁膜3,4に、カップリング剤の溶液を接触させた状態で、ゲート電極2に電圧を印加してゲート絶縁膜3,4の上にカップリング剤層5を形成する工程と、カップリング剤層5が形成されたゲート絶縁膜3,4の上に有機半導体層9を形成する工程とを備えることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機半導体層を用いた有機トランジスタの製造方法及び有機トランジスタに関するものである。
近年、従来の無機系材料に代えて、有機系材料を活性材料として用いる有機薄膜素子への注目が集まってきている。有機薄膜素子の代表例としては、有機薄膜トランジスタや、有機エレクトロルミネッセント素子(有機EL素子)等が挙げられる。有機薄膜素子は、印刷法で成膜することができ、シリコン系等の無機半導体系素子に比べて低温での膜形成が可能であり、超軽量、薄型でフレキシブルなプラスチック基板上にも形成が可能であるため、新しいデバイスの創出や、低コスト化の面での期待が高い。
有機薄膜トランジスタの応用として最も期待されているものの1つは、アクティブマトリクス型フラットパネルディスプレイのバックプレーンへの応用である。具体的には、液晶、有機EL素子、電子ペーパー等の表示素子を駆動するための画素トランジスタとして有機薄膜トランジスタを使用できる可能性が示されている。しかしながら、一般的に有機半導体層は抵抗が大きいため、移動度が低いという課題があった。また、有機薄膜トランジスタは、通常、蒸着により有機半導体層を形成するが、グレイン境界が形成されやすく、グレイン境界でチャネルが途切れてしまうため、抵抗値が大きくなり、移動度が低減するという問題もある。
移動度を改善する方法の1つとして、特許文献1においては、絶縁膜と有機半導体層の間に新たな層となる有機分子層を挿入する方法が提案されている。この有機分子層は、絶縁膜と化学的に結合しているため、絶縁膜と有機半導体層の密着性及び有機半導体層の結晶性が良好となり、閾値電圧が低下し、かつ移動度を上昇させることが可能になると記載されている。
しかしながら、上記特許文献1の方法は、有機半導体膜を形成する材料がフラーレン誘導体に限定されており、有機半導体材料を変更する必要があるという問題があった。
有機半導体材料を変更することなく容易に移動度を改善する方法として、ゲート絶縁膜を、ODTS(octadecyltrichlirosilane)等のシランカップリング剤を用いて表面処理する方法(SAM処理:自己組織化単分子膜の形成)が報告されている(非特許文献1)。自己組織化単分子膜とは、有機化合物の一部を、基板表面の官能基と結合させたものである。この自己組織化膜は、製造方法が極めて簡便であるため、基板への成膜を容易に行うことができる。通常、自己組織化膜として、金基板上に形成されたチオール膜や、表面に水酸基を有する基板上に形成されたケイ素系化合物膜が知られている。中でも、耐久性が高い点で、ケイ素系化合物膜が注目されている。
ケイ素系化合物膜は、従来から撥水コーティングとして使用されており、撥水効果の高いアルキル基や、フッ化アルキル基を有機官能基として有するシランカップリング剤を用いて形成されている。シランカップリング剤処理により、表面自由エネルギーを低下させることで、大きなグレインサイズの有機半導体層が得られる。グレインサイズを大きくすることにより、キャリアトラップの原因となるグレイン間境界が少なくなり、移動度が高くなる。
従来の有機薄膜トランジスタにおいて、有機材料で形成されているのは、多くの場合、半導体層のみであり、絶縁膜としては無機材料が用いられていた。従来の無機絶縁膜表面を非特許文献1に記載のカップリング剤を用いて表面処理する場合、カップリング剤は無機質表面の水酸基に対して水素結合的に吸着する。その後、無機材料を加熱処理することで、脱水縮合反応して強固な化学結合を形成することができる。
一方、絶縁膜も有機材料で形成された有機薄膜トランジスタの開発も進められている。チャネルがゲート側面に形成された構造である縦型有機トランジスタにおいては、ゲート絶縁膜を均一成膜(コンフォーマルコーティング)する必要があり、材料としてポリパラキシリレンを用いている。このような有機絶縁膜表面を無機材料と同様にカップリング剤で処理する場合、絶縁膜表面とカップリング剤が反応せず、絶縁膜の上にカップリング剤の層を形成することができないという課題があった。
このような課題に対して、特許文献2においては、エポキシ系高分子前駆体とシランカップリング剤とを含む絶縁塗料を用いて有機絶縁膜を形成することが提案されている。このような有機絶縁膜を用いることにより、複雑な堆積プロセスを必要とせず、移動度の高い有機トランジスタを提供できる旨記載されている。
しかしながら、上記特許文献2においては、複雑なプロセスを必要としないものの、有機トランジスタがボトム構造に限定されており、ゲート絶縁膜を均一成膜(コンフォーマルコーティング)する必要がある縦型有機トランジスタに適応できないという問題がある。
特開2007−194360号公報 特開2007−305950号公報
S. C. Lim, S. H. Kim, J. H. Lee, M. K. Kim, D. J. Kim and T. Zyung, Synthetic Metals, Vol.148, p. 75, 2005
本発明の目的は、移動度の高い有機トランジスタを効率良く製造することができる製造方法及び有機トランジスタを提供することにある。
本発明の製造方法は、ゲート電極と、ゲート電極上に設けられるゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられる有機半導体層と、ゲート絶縁膜上の有機半導体層にチャネル領域を形成するため設けられるソース電極及びドレイン電極とを備える有機トランジスタを製造する方法であって、ゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の上にゲート絶縁膜を形成する工程と、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、ゲート絶縁膜に、カップリング剤の溶液を接触させた状態で、ゲート電極に電圧を印加してゲート絶縁膜の上にカップリング剤層を形成する工程と、カップリング剤層が形成されたゲート絶縁膜の上に有機半導体層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明においては、ゲート絶縁膜に、カップリング剤の溶液を接触させた状態で、ゲート電極に電圧を印加してゲート絶縁膜の上にカップリング剤層を形成している。本発明においては、ゲート電極に電圧を印加した状態で、カップリング剤の溶液を接触させているため、ゲート絶縁膜の表面にカップリング剤がファンデルワールス力により結合する。このため、単にカップリング剤を物理吸着した場合に比較し、カップリング剤がゲート絶縁膜に高密度に結合した状態で吸着される。このため、カップリング剤層の上に有機半導体層を形成する際、有機半導体層におけるグレインサイズの境界を減少させることができ、チャネルがグレインによって途切れるのを抑制することができる。このため、移動度の高い有機半導体層を形成することができる。
従って、本発明によれば移動度の高い有機トランジスタを効率良く製造することができる。
本発明におけるカップリング剤としては、有機基とホスホン酸基を有するカップリング剤を挙げることができる。このようなカップリング剤としては、以下の一般式で示されたものを挙げることができる。
Figure 2010245114
(式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、フェニル基、エーテル基、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、アニリン誘導体、ビニル基を有する誘導体、エポキシ基を有する誘導体、スチリル基を有する誘導体、メタクリロキシ基を有する誘導体、アクリロキシ基を有する誘導体、アミノ基を有する誘導体、ウレイド基を有する誘導体、クロロプロピル基を有する誘導体、メルカプト基を有する誘導体、スルフィド基を有する誘導体、イソシアネート基を有する誘導体である。)
エポキシ基を有する誘導体としては、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシプロピル基などが挙げられる。アミノ基を有する誘導体としては、N−アミノエチルアミノプロピル基、アミノプロピル基、ジメチルブチリデン、プロピルアミン基、N−フェニルアミノプロピル基、N−ビニルベンジルアミノエチルアミノプロピル基などが挙げられる。ウレイド基を有する誘導体としては、ウレイドプロピル基などが挙げられる。メルカプト基を有する誘導体としては、メチルメルカプトプロピル基などが挙げられる。スルフィド基を有する誘導体としては、テトラスルフィド基などが挙げられる。イソシアネート基を有する誘導体としては、イソシアネートプロピル基などが挙げられる。
有機基Rとしては、疎水性を示すものであることが好ましい。このような観点からは、有機基Rとしては、炭素数1〜20の炭化水素基、及び炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、さらに好ましくは、炭素数6〜18の炭化水素基、及び炭素数6〜18のアルキル基である。
カップリング剤の溶液に用いる溶媒としては、カップリング剤を溶解させることができるものであれば特に限定されるものではない。有機酸基とホスホン酸基を有するカップリング剤は、一般に極性溶媒に溶解して用いられる。極性溶媒としては、極性プロトン性溶媒及び極性非プロトン性溶媒が挙げられる。極性プロトン性溶媒としては、酢酸、1−ブタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、1−プロパノール、エタノール、メタノール、ギ酸などが挙げられる。また、極性非プロトン性溶媒としては、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。
カップリング剤溶液中のカップリング剤の濃度としては、例えば、0.05ミリモル/リットル〜1モル/リットルの範囲または飽和濃度までの範囲が挙げられる。
本発明においては、ゲート絶縁膜が有機材料から形成されていることが好ましい。ゲート絶縁膜を形成する有機材料としては、例えば、ポリパラキシリレン誘導体が挙げられる。ポリパラキシリレン誘導体としては、ポリパラキシリレン骨格を有するものであればよく、日本パリレン社製のパリレンC(poly-monochloro-paraxylylene)、パリレンN(poly-paraxylylene)、パリレンHTなどを用いることができる。
本発明に用いるカップリング剤としては、上記のホスホン酸基を有するカップリング剤以外に、シラン系カップリング剤、リン酸エステル系カップリング剤、チオール系カップリング剤などが挙げられる。
本発明の有機トランジスタとしては、いわゆる縦型有機トランジスタが挙げられる。本発明に従う好ましい実施形態の製造方法は、縦型有機トランジスタを製造する方法であり、基板と、基板上に凸部形状を形成する第1の電極と、第1の電極の上面及び側面を覆う絶縁膜と、絶縁膜を介して少なくとも第1の電極の上面上に設けられる第2の電極と、第1の電極の側面上の絶縁膜に沿う領域が、第2の電極との間で形成されるチャネル領域となるように、基板上に設けられる第3の電極とを備える有機トランジスタの製造方法であって、第1の電極がゲート電極であり、上記絶縁膜がゲート絶縁膜であり、第3の電極が第1の電極を挟みその両側に設けられるソース電極とドレイン電極であり、かつ第2の電極はフローティング電極であるか、あるいは、第2の電極及び第3の電極のいずれか一方がソース電極であり、他方がドレイン電極であることを特徴としている。
本発明の有機トランジスタは、ゲート電極と、ゲート電極上に設けられるゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられる有機半導体層と、ゲート絶縁膜上の有機半導体層にチャネル領域を形成するために設けられるソース電極及びドレイン電極と、ゲート絶縁膜と有機半導体層の間に設けられるカップリング剤層とを備える有機トランジスタであって、カップリング剤層が、ゲート絶縁膜にカップリング剤の溶液を接触させた状態で、ゲート電極に電圧を印加して形成された層であることを特徴としている。
本発明の有機トランジスタは、ゲート絶縁膜の上にカップリング剤層を有しており、このカップリング剤層の上に有機半導体層が形成されるので、有機半導体層におけるグレインの境界を減少することができ、移動度の高い有機トランジスタとすることができる。
本発明の製造方法によれば、移動度の高い有機トランジスタを効率良く製造することができる。
本発明の有機トランジスタは、移動度の高い有機トランジスタとすることができる。
本発明に従う一実施形態の有機トランジスタを示す模式的断面図。 本発明に従う他の実施形態の有機トランジスタを示す模式的断面図。 本発明に従うさらに他の実施形態の有機トランジスタを示す模式的断面図。 図1に示す実施形態の有機トランジスタを示す斜視図。 図1に示す実施形態の有機トランジスタを製造する工程を示す模式的断面図。 有機半導体層を形成する方法を説明するための概略図。 有機半導体層を形成する方法を説明するための概略図。
以下、本発明を具体的な実施形態により説明するが、本発明は以下の実施形態に限定さるものではない。
図1は、本発明に従う一実施形態の有機トランジスタを示す模式的断面図である。
図1に示すように、ガラス基板などの絶縁性の基板1の上には、第1の電極2が形成されている。第1の電極2によって、基板1上に凸部形状が形成されている。第1の電極2の上面2a及び側面2b,2cの表面には、第1の絶縁膜3が形成されている。第1の絶縁膜3は、第1の電極2の表面を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜である。
第1の絶縁膜3の上には、第2の絶縁膜4が形成されている。第2の絶縁膜4は、有機材料から形成されている。本実施形態においては、ポリパラキシリレン誘導体であるパリレンCから形成されている。
第1の電極2の上面2aの上には、第1の絶縁膜3及び第2の絶縁膜4を介して、第2の電極6が設けられている。第1の電極2の両側の基板1の上には、第2の絶縁膜4を介して、第3の電極7及び8が設けられている。第3の電極7及び8の端部は、第1の電極2に近づくにつれて、第2の絶縁膜4の傾斜面に沿って延びるように形成されている。
第2の電極6と第3の電極7との間の第2の絶縁膜4の上、並びに第2の電極6と第3の電極8との間の第2の絶縁膜4の上には、カップリング剤層5が形成されている。カップリング剤層5は、第2の電極6と第3の電極7及び8を形成した後、基板1をカップリング剤の溶液に浸漬し、第2の絶縁膜4にカップリング剤の溶液を接触させた状態で、第1の電極2に電圧を印加することにより形成されている。カップリング剤層5は、第2の電極6及び第3の電極7,8の上にもわずかながら形成されていると考えられるが、図1及びその他の図面においては図示していない。
第2の電極6と第3の電極7の間、及び第2の電極6と第3の電極8の間を含む領域を覆うように、有機半導体層9が形成されている。
上記の素子構造において、第1の電極2をゲート電極とし、第2の電極6をフローティング電極、第3の電極7,8をそれぞれソース/ドレイン電極とすることにより、有機電界効果トランジスタを構成させることができる。このような有機電界効果トランジスタにおいて、第2の電極6と第3の電極7との間、並びに第2の電極6と第3の電極8との間をチャネル領域とすることができる。また、カップリング剤層5の厚みは、図1及びその他の図面において厚く図示しているが、実際には、非常に薄い厚みであり、0.1〜5nm程度と考えられる。本実施形態において、第1の絶縁膜3及び第2の絶縁膜4がゲート絶縁膜となる。
図4は、図1に示す実施形態の縦型有機トランジスタを示す斜視図である。第1の電極2をゲート電極とし、第2の電極6をフローティング電極とし、第3の電極7,8をそれぞれソース/ドレイン電極とすることにより、第2の電極(フローティング電極)6と、第3の電極(ソース/ドレイン電極)7との間、及び第2の電極(フローティング電極)6と第3の電極(ソース/ドレイン電極)8との間にチャネル領域を形成し、縦型有機電界効果トランジスタとすることができる。
図5は、図1に示す実施形態の縦型有機電界効果トランジスタを製造する工程を示す模式的断面図である。
図5(a)を参照して、基板1上に、例えば、厚み1.0μmのアルミニウム膜を蒸着法またはスパッタリング法により形成し、その後レジストでマスクし、ウエットエッチングにより第2の電極2であるゲート電極2のパターンを形成した。
次に、図5(b)に示すように、第1の電極2を陽極として、0.1重量%リン酸水溶液を化成液として用い、5Vで20分間、第1の電極の表面を陽極酸化した。その後、純水で流水洗浄を1時間行った。陽極酸化により、第1の電極2の表面に第1の絶縁膜3を形成した。
次に、図5(c)に示すように、第1の絶縁膜3上と基板1の表面上に、第2の絶縁膜4を形成した。第2の絶縁膜4は、パリレンCを用いて、蒸着法により形成した。膜厚は、25nmとした。
次に、図5(d)に示すように、第2の絶縁膜4の上に、基板1を回転させながら、金を真空蒸着法により蒸着させた。膜厚は80nmとなるように、成膜した。また、チャネル幅が3mmになるようにマスクを用いて成膜した。成膜後、第1の電極2の側面2b及び2c上に堆積した金をエッチングにより除去した。エッチャント液としては、関東化学社製「AURUM302」を用いた。エッチングすることにより、第2の電極6と、第3の電極7及び8を形成した。
次に、図5(e)に示すように、第2の電極6と第3の電極7との間、及び第2の電極6と第3の電極8との間の第2の絶縁膜4の上に、カップリング剤層5を形成した。具体的には、オクタデシルホスホン酸0.5mM(ミリモル/リットル)を含むイソプロピルアルコール溶液中に、第2の電極6及び第3の電極7,8を形成した後の基板を浸漬し、ゲート電極である第1の電極2に5Vの電圧を20分間印加した。その後、イソプロピルアルコールで洗浄し、60℃で10分間熱処理を行い、カップリング剤層5を形成した。
上記のように、カップリング剤層5を形成する際、第2の電極2に電圧を印加している。第2の電極2に電圧を印加することにより、第2の絶縁膜4内に分極を引き起し、第2の絶縁膜4の表面を正に帯電させることができる。この正の電荷と、外部電荷により負に帯電したカップリング剤とは、ファンデルワールス力により結合または吸着することによって、カップリング剤層5が形成される。このため、カップリング剤層5は、第2の絶縁膜4に高密度な状態で結合して形成されている。
次に、有機半導体層9を、第2の電極6、第3の電極7,8、及びカップリング剤層5の上に形成した。有機半導体層9は、ペンタセンを用いて、基板1を回転させながら、厚み120nmとなるように真空蒸着法により形成した。有機半導体層9は、第1の電極2の側面2b側及び側面2c側の両側に形成する必要があるので、図6及び図7に示す方法を用いて形成することができる。
図6に示す方法では、基板1に角度をつけてセットし、蒸着源11を基板1の中心から離した場所にセットしている。これにより、蒸着源11と基板1上の第1の電極2の側面が垂直に近い角度で蒸着を行うことができ、側面上に成膜が可能となる。また、基板1と蒸着源11との距離を短くすることによっても、角度をつけることができる。この方法で第1の電極2の両側の側面に蒸着する場合には、位置を変えて2回蒸着を行う。片側のみのときは、蒸着を1回行う。
図7に示す方法では、基板1を水平にセットし、蒸着源11を基板1の中心から外れた位置にセットし、基板1を回転しながら、蒸着を行う。この方法では、第1の電極2の両側の側面に蒸着を行う場合でも、1回の蒸着で両側の側面への蒸着が可能となる。
本実施形態においては、図7に示す方法を用いて有機半導体層9を蒸着した。
上述のように、チャネル領域が形成される部分には、カップリング剤層5が形成されている。カップリング剤層5は、上述のように、第2の絶縁膜4の上に高密度に形成されているため、この上に有機半導体層9を形成する際、有機半導体層9におけるグレインの境界を減少することができる。このため、チャネル領域が形成される領域において、グレインの境界が少なくなり、移動度の高い有機半導体層を形成することができるので、移動度の高い縦型有機トランジスタを作製することができる。
以上のようにして、図1に示す本実施形態の縦型有機トランジスタを製造することができる。
(他の実施形態)
図2は、本発明に従う他の実施形態の縦型有機トランジスタを示す断面図である。本実施形態においては、第1の電極2の側面2b側にのみチャネル領域が形成されており、側面2c側には、チャネル領域が形成されていない。第2の電極6は、第1の電極2の上面2a上の第2の絶縁膜4上から、側面2cに対応する第2の絶縁膜4の上を通り、基板1上にまで延びるように形成されている。
本実施形態においては、第1の電極2をゲート電極とし、第2の電極6及び第3の電極7をそれぞれソース/ドレイン電極とすることにより、縦型の電界効果トランジスタを構成することができる。
図3は、本発明に従うさらに他の実施形態の縦型有機トランジスタを示す断面図である。本実施形態においては、ゲート電極となる第1の電極2が基板1に近づくにつれて、幅が狭くなる逆テーパー形状を有している。このような第1の電極2は、例えば、レジストをマスクとして用いてウエットエッチングする際、オーバーエッチングとなるようにウエットエッチングすることにより、形成することができる。
第1の電極2を逆テーパー形状に形成することにより、その上に形成される第1の絶縁膜3及び第2の絶縁膜4の側面を基板1に近づくにつれて幅が狭くなるように傾斜させることができる。第2の絶縁膜4の側面をこのように傾斜させることにより、第2の電極6及び第3の電極7,8を形成する際、側面部分の第2の絶縁膜4上に金属が付着しにくくなるので、その後のエッチングによる金属膜の除去工程が容易になったり、あるいは不要になる。
カップリング剤層5及び有機半導体層9は、第1の実施形態と同様にして形成することができる。
図2に示す実施形態及び図3に示す実施形態おいても、図1に示す実施形態と同様に、チャネル領域を形成する第2の絶縁膜4の上に、緻密なカップリング剤層5が形成されるので、その上に形成される有機半導体層におけるグレインの境界を減少させることができ、移動度の高い縦型有機トランジスタとすることができる。
本実施形態においては、カップリング剤として、オクタデシルホスホン酸を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、カップリング剤層5を形成する際に、印加する電圧は、上記実施形態の電圧に限定されるものではなく、例えば、5V〜50Vの範囲から選択することができる。また、低電圧駆動の素子を作製する場合には、5V〜10Vの範囲から選択することができる。
本実施形態においては、有機半導体層を形成する材料として、ペンタセンを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明における有機半導体層を形成するための有機材料としては、電子受容性機能を有する材料(n型半導体)と、電子供与性機能を有する材料(p型半導体)を用いることができる。例えば、以下に例示するような材料が利用できる。
上記電子受容性機能を有する材料としては、例えば、ピリジンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、キノリンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ベンゾフェナンスロリン類およびその誘導体によるラダーポリマー、シアノ− ポリフェニレンビニレンなどの高分子、フッ素化無金属フタロシアニン、フッ素化金属フタロシアニン類およびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体(PTCDA、PTCDIなど)、ナフタレン誘導体( NTCDA、NTCDIなど) 、バソキュプロインおよびその誘導体などの低分子有機化合物が利用できる。また、電子供与性機能を有する材料にフッ素基を置換した材料は電子受容性を示すので、これらフッ素基を導入した材料も利用できる。
電子供与性機能を有する材料としては、チオフェンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フェニレン− ビニレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フルオレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ベンゾフランおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、チエニレン− ビニレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、トリフェニルアミンなどの芳香族第3級アミンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、カルバゾールおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ビニルカルバゾールおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ピロールおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、アセチレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、イソチアナフェンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ヘプタジエンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマーなどの高分子、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン類およびそれらの誘導体、ジアミン類、フェニルジアミン類およびそれらの誘導体、ルブレン、ペンタセンなどのアセン類およびその誘導体、ポルフィリン、テトラメチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、テトラベンズポルフィリン、モノアゾテトラベンズポルフィリン、ジアゾテトラベンズポルフィン、トリアゾテトラベンズポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、オクタアルキルチオポルフィラジン、オクタアルキルアミノポルフィラジン、ヘミポルフィラジン、クロロフィル等の無金属ポルフィリンや金属ポルフィリンおよびそれらの誘導体、シアニン色素、メロシアニン色素、スクアリリウム色素、キナクリドン色素、アゾ色素、アントラキノン、ベンゾキノン、ナフトキノン等のキノン系色素などの低分子有機化合物が利用できる。金属フタロシアニンや金属ポルフィリンの中心金属としては、マグネシウム、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、白金、鉛などの金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物などを用いることができる。
有機半導体層としては、上記材料を単体で用いてもよいが、上記材料が適当なバインダ材料に分散混合されたものを用いてもよい。また、適当な高分子有機化合物の主鎖中や側鎖に、上記低分子有機化合物を組み込んだ材料を用いてもよい。バインダ材料あるいは主鎖となる高分子有機化合物としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、セルロース樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などや、これらの共重合体や架橋体、あるいは、ポリビニルカルバゾールやポリシランなどの光導電性ポリマーなどが用いられる。
有機半導体層の形成方法として、有機半導体層を構成する材料にもよるが、真空蒸着法やスパッタリング法に例示される物理的気相成長法(PVD法)、各種の化学的気相成長法(CVD法)、スピンコート法; スクリーン印刷法やインクジェット印刷法などの印刷法;エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法、浸漬法などの各種コーティング法、スプレー法等を挙げることができる。
本発明において用いる基板としては、各種ガラス基板や、表面に絶縁層が形成された各種ガラス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成された石英基板、表面に絶縁層が形成されたシリコン基板を挙げることができる。さらには、基板として、ポリエーテルスルホン(PES)やポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、パリレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、セルロース樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルフェノール樹脂及びポリビニルアルコール樹脂などの有機材料や、これらの共重合体や架橋体などに例示される高分子材料から構成されたプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板を挙げることができ、このような可撓性を有する高分子材料から構成された基体を使用すれば、例えば曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器への電界効果型トランジスタの組込みあるいは一体化が可能となる。
本発明にあっては、ゲート電極を構成する材料として陽極酸化が可能な金属、アルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモンなどのバルブ金属(弁作用金属)、これらの金属元素を含む合金、これらの金属からなる導電性粒子、あるいは、これらの金属を含む合金の導電性粒子を挙げることができる。
ゲート電極は、ゲート電極を構成する材料にもよるが、真空蒸着法やスパッタリング法に例示されるPVD法とエッチング技術との組合せ;各種のCVD法とエッチング技術との組合せ;スピンコート法とエッチング技術との組合せ;導電性ペーストや上述した各種の導電性高分子の溶液を用いたスクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;リフトオフ法;シャドウマスク法;上述した各種コーティング法とエッチング法との組合せ;及び、スプレー法とエッチング技術との組合せを挙げることができる。
電極材料(ソース電極、ドレイン電極、フローティング電極)は、半導体層との間の電気的特性(オーミック性やショットキー性など)によっても選択される。電極材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITO及び炭素が好ましい。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。ソース電極、ドレイン電極は、上に挙げた中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
以下、本発明を具体的な実施例に基づき説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<接触角測定>
(実施例1)
ガラス基板の上に、アルミニウム薄膜を形成し、これをエッチングすることにより、第1の電極を形成した。第1の電極は、1.5cm×1.5cm×0.7cmの直方体の形状に作製した。
次に、第1の電極を形成したガラス基板を、25℃の0.1重量%リン酸水溶液中に浸漬し、第1の電極2に定電圧36Vを印加して、20分間陽極酸化することにより、その表面に第1の絶縁膜を形成した。その後、純水で流水洗浄を1時間行った。
次に、第1の絶縁膜の上に、パリレンCを用いて第2の絶縁膜を膜厚25nmとなるように形成した。
次に、第2の絶縁膜を形成した基板を、オクタデシルホスホン酸0.5mM(ミリモル/リットル)含むイソプロピルアルコール溶液中に浸漬させ、同時に第1の電極に5Vの電圧を60分間印加した。その後、基板を取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄し、60℃で10分間熱処理した。これにより、第2の絶縁膜の上に、カップリング剤層を形成した。
カップリング剤層表面の純水に対する接触角を測定し、測定結果を表1に示した。
(実施例2)
カップリング剤を形成する際に、第1の電極に印加する電圧を10Vとし、印加する時間を60分とする以外は、実施例1と同様にしてカップリング剤層を形成し、カップリング剤層の表面における純水に対する接触角を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例3)
カップリング剤を形成する際に、第1の電極に印加する電圧を36Vとし、印加する時間を60分とする以外は、実施例1と同様にしてカップリング剤層を形成し、カップリング剤層の表面における純水に対する接触角を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
カップリング剤層を形成する際、第1の電極に電圧を印加せず、カップリング剤溶液中に浸漬するだけとした。浸漬時間は60分間とした。それ以外は、実施例1と同様にしてカップリング剤層を形成し、カップリング剤層表面の純水に対する接触角を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2010245114
表1に示すように、カップリング剤層を形成する際、第1の電極に電圧を印加した実施例1〜3においては、カップリング剤層を形成する際電圧を印加しなかった比較例1に比べ、接触角が大きくなっている。これは、撥水効果の高いアルキル基が、第2の絶縁膜であるパリレン表面に多く結合したことにより、表面の疎水性が高まったことによるものと考えられる。
カップリング剤層を形成していないパリレン表面の接触角は83.6°である。比較例1に示すように、カップリング剤溶液への浸漬で、若干接触角は高くなっているが、本発明に従い電極に電圧を印加することにより、より高い接触角が得られており、高密度なカップリング剤層が形成できていることがわかる。
<縦型有機トランジスタの製造>
(実施例4)
図1に示す実施形態の縦型有機トランジスタを、図5を参照して説明したように作製した。第1の電極2の高さは1.0μmとし、幅は10μmとした。
(実施例5)
カップリング剤層5を形成する際の印加電圧を10Vとし、印加時間を60分とする以外は、上記実施例4と同様にして縦型有機トランジスタを作製した。
(比較例2)
カップリング剤層5を形成する際、第1の電極に電圧を印加せず、カップリング剤溶液中に浸漬するだけとした。浸漬時間は、60分間とした。それ以外は、上記実施例4と同様にして縦型有機トランジスタを作製した。
実施例4及び実施例5並びに比較例2の縦型有機トランジスタの移動度を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2010245114
実施例5においては、実施例2と同様の印加電圧10V、印加時間60分の条件でカップリング剤層を形成している。この実施例5の素子では、比較例2に比べ、移動度が約46倍増加している。これは、カップリング剤層形成の際に、電圧を印加したことにより、オクタデシルホスホン酸がパリレン表面にファンデルワールス力により高密度に結合し、その表面に形成した有機半導体層におけるグレイン境界が減少したためであると考えられる。
実施例4においては、実施例1と同等の印加電圧(5V)で、実施例1の1/3の印加時間(20分)でカップリング剤層を形成している。実施例4においても、比較例2に比べ、移動度が約5倍向上している。この移動度の向上も、カップリング剤層形成により、その上に形成する有機半導体層のグレインの境界が減少したことによるものと考えられる。比較例2においては、カップリング剤層を形成するため、60分間浸漬しているが、実施例4のように電圧を印加することにより、1/3の時間でも、良好なカップリング剤層を形成できることがわかる。従って、本発明によれば、移動度が向上した有機トランジスタを作製することができるとともに、プロセス時間も短縮できることがわかる。
1…基板
2…第1の電極
2a…第1の電極の上面
2b,2c…第1の電極の側面
3…第1の絶縁膜
4…第2の絶縁膜
5…カップリング剤層
6…第2の電極
7,8…第3の電極
9…有機半導体層

Claims (5)

  1. ゲート電極と、前記ゲート電極上に設けられるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられる有機半導体層と、前記ゲート絶縁膜上の前記有機半導体層にチャネル領域を形成するため設けられるソース電極及びドレイン電極とを備える有機トランジスタを製造する方法であって、
    前記ゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極の上に前記ゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜に、カップリング剤の溶液を接触させた状態で、前記ゲート電極に電圧を印加して前記ゲート絶縁膜の上にカップリング剤層を形成する工程と、
    前記カップリング剤層が形成された前記ゲート絶縁膜の上に前記有機半導体層を形成する工程とを備えることを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
  2. 前記カップリング剤は、下記一般式で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機トランジスタの製造方法。
    Figure 2010245114
    (式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、フェニル基、エーテル基、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、アニリン誘導体、ビニル基を有する誘導体、エポキシ基を有する誘導体、スチリル基を有する誘導体、メタクリロキシ基を有する誘導体、アクリロキシ基を有する誘導体、アミノ基を有する誘導体、ウレイド基を有する誘導体、クロロプロピル基を有する誘導体、メルカプト基を有する誘導体、スルフィド基を有する誘導体、イソシアネート基を有する誘導体である。)
  3. 前記ゲート絶縁膜が有機材料から形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機トランジスタの製造方法。
  4. 基板と、前記基板上に凸部形状を形成する第1の電極と、前記第1の電極の上面及び側面を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜を介して少なくとも前記第1の電極の上面上に設けられる第2の電極と、前記第1の電極の側面上の前記絶縁膜に沿う領域が、前記第2の電極との間で形成されるチャネル領域となるように、前記基板上に設けられる第3の電極とを備える有機トランジスタの製造方法であって、
    前記第1の電極が前記ゲート電極であり、前記絶縁膜が前記ゲート絶縁膜であり、
    前記第3の電極が前記第1の電極を挟みその両側に設けられる前記ソース電極と前記ドレイン電極であり、かつ前記第2の電極がフローティング電極であるか、あるいは、前記第2の電極及び前記第3の電極のいずれか一方が前記ソース電極であり、他方が前記ドレイン電極であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機トランジスタの製造方法。
  5. ゲート電極と、前記ゲート電極上に設けられるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられる有機半導体層と、前記ゲート絶縁膜上の前記有機半導体層にチャネル領域を形成するために設けられるソース電極及びドレイン電極と、前記ゲート絶縁膜と前記有機半導体層の間に設けられるカップリング剤層とを備える有機トランジスタであって、
    前記カップリング剤層が、前記ゲート絶縁膜にカップリング剤の溶液を接触させた状態で、前記ゲート電極に電圧を印加して形成された層であることを特徴とする有機トランジスタ。
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