JP2008108874A - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なトランジスタ特性を有し、さらにはトランジスタ素子間のバラツキの少ない有機薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極を有し、且つ、該ソース電極と該ドレイン電極との間に有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタにおいて、前記ソース電極または前記ドレイン電極の一方が、有機半導体層の中心近傍の1点から3本以上の放射状分岐構造を有する電極であり、前記ソース電極または前記ドレイン電極の他方が、該放射状分岐構造を有する電極を、一定の距離を挟んで包囲するように形成されていることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
【選択図】なし

Description

本発明は有機薄膜トランジスタに関する。
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてFPD(フラットパネルディスプレイ)に対するニーズが高まっている。また、情報化の進展に伴い、従来、紙媒体で提供されていた情報が電子化される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては、液晶、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)、電気泳動等を利用した素子を用いて表示媒体を形成している。
また、こうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度等を確保するために、画像駆動素子としてアクティブ駆動素子(TFT素子)を用いる技術が主流になっている。例えば、通常のコンピュータディスプレイではガラス基板上にこれらTFT素子を形成し、液晶、有機EL素子等が封止されている。
ここでTFT素子には主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)等の半導体を用いることができ、これらのSi半導体(必要に応じて金属膜も)を多層化し、ソース、ドレイン、ゲート電極を基板上に順次形成していくことでTFT素子が製造される。こうしたTFT素子の製造には、通常スパッタリング、その他の真空系の製造プロセスが必要とされる。
しかしながら、このようなTFT素子の製造では、真空チャンバーを含む真空系の製造プロセスを何度も繰り返して各層を形成せざるを得ず、装置コスト、ランニングコストが非常に膨大なものとなっていた。例えば、TFT素子では、通常それぞれの層の形成のために真空蒸着、ドープ、フォトリソグラフ、現像等の工程を何度も繰り返す必要があり、何十もの工程を経て素子を基板上に形成している。
スイッチング動作の要となる半導体部分に関しても、p型、n型等、複数種類の半導体層を積層している。こうした従来のSi半導体による製造方法ではディスプレイ画面の大型化のニーズに対し、真空チャンバー等の製造装置の大幅な設計変更が必要とされる等、設備の変更が容易ではない。
また、従来からのSi材料を用いたTFT素子の形成には高い温度の工程が含まれるため、基板材料には工程温度に耐える材料であるという制限が加わることになる。
このため実際上はガラスを用いざるをえず、先に述べた電子ペーパーあるいはデジタルペーパーといった薄型ディスプレイを、こうした従来知られたTFT素子を利用して構成した場合、そのディスプレイは重く、柔軟性に欠け、落下の衝撃で割れる可能性のある製品となってしまう。
ガラス基板上にSi系TFT素子を形成することに起因するこれらの特徴は、情報化の進展に伴う手軽な携行用薄型ディスプレイへのニーズを満たすにあたり望ましくないものである。
一方、近年において高い電荷輸送性を有する有機化合物として、有機半導体材料の研究が精力的に進められている。これらの化合物は有機EL素子用の電荷輸送性材料のほか、例えば、有機レーザー発振素子や、多数の論文にて報告されている有機薄膜トランジスタ素子(有機TFT素子)への応用が期待されている。
これらのような有機材料が半導体層であるデバイスを実現できれば、低温での真空ないし低圧蒸着による形成、あるいは溶剤に可溶な有機材料を用いることができればインクジェット法または印刷法などといった簡便なプロセスによって製造できると考えられる。
このような低温プロセス・溶液プロセスによる製造は、透明樹脂基板上へのTFT素子の形成を可能とし、ディスプレイを従来のものよりも軽く、柔軟性に富み、落としても割れない(もしくは非常に割れにくい)安価なディスプレイとすることができると考えられる。
これまでに半導体層として検討されてきた材料としては、ペンタセンやテトラセンといったアセン類、またこれらに置換基を導入した化合物、フタロシアニンやポルフィリン類、およびこれらの前駆体、ペリレンやそのテトラカルボン酸誘導体といった低分子化合物や、α−チエニールもしくはセクシチオフェンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とする芳香族オリゴマー、ナフタレン、アントラセンに5員の芳香族複素環が対称に縮合した化合物、モノ、オリゴ及びポリジチエノピリジン、更にはポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェニレンビニレンといった共役高分子などが挙げられる。
しかし、これらの有機半導体からなる薄膜は、a−Si薄膜と比較すると移動度が低く、アモルファス領域ではa−Si薄膜よりも数桁低い移動度しか得られず、有機EL素子などといった高い消費電力を要求するような用途には用いることができなかった。
結晶化した薄膜においてa−Si薄膜に近い移動度を有する有機半導体材料としては、Science,vol.303(2004),1644頁で報告されているルブレンなどが挙げられるが、同時に、有機半導体材料は結晶構造に異方性を有しており、結晶軸の向きが異なると移動度も変化すると報告されており、その結果、トランジスタ素子間のバラツキが大きいといった課題を有していた。このような課題は、有機半導体層を溶液プロセスで形成する場合にはより顕著である。
こうした課題を解決するために、例えば、ソース電極、ドレイン電極が一直線でなく相互に嵌合したような電極形状が(例えば、特許文献1参照。)、また、円弧状の電極形状(例えば、特許文献2参照。)、渦巻状の電極形状が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、これらの方法は、基本的にはチャネル巾を増大させることによってソース・ドレイン間の電流量を増大させることを主目的としており、素子のバラツキを抑えることについては検討および言及されておらず、いまだ不十分なものにとどまっていた。
米国特許出願公開第2003/0122120号明細書 特開2005−93633号公報 米国特許出願公開第2005/0127357号明細書
本発明の目的は、良好なトランジスタ特性を有し、さらにはトランジスタ素子間のバラツキの少ない有機薄膜トランジスタを提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成1〜6により達成された。
1.基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極を有し、且つ、該ソース電極と該ドレイン電極との間に有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタにおいて、
前記ソース電極または前記ドレイン電極の一方が、前記有機半導体層の中心近傍の1点から3本以上の放射状分岐構造を有する電極であり、前記ソース電極または前記ドレイン電極の他方が、該放射状分岐構造を有する電極を、一定の距離を挟んで包囲するように形成されていることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
2.前記ソース電極及び前記ドレイン電極が、ともに線対称な形状を有していることを特徴とする前記1に記載の有機薄膜トランジスタ。
3.前記有機半導体層が、有機半導体材料を含有する溶液を塗布することにより形成されたことを特徴とする前記1または2に記載の有機薄膜トランジスタ。
4.前記ソース電極または前記ドレイン電極の一方が、前記有機半導体層の中心近傍の1点から4本以上の放射状分岐構造を有する電極であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
5.前記有機半導体層の中心近傍の1点から3本以上に放射状分岐構造を有する電極が、更に分岐した形状を有する電極パターンを有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
6.基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極及びドレイン電極、更に、有機半導体層が、該基材上にこの順番で積層された、ボトムコンタクト構造を有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
本発明により、良好なトランジスタ特性を有し、さらにはトランジスタ素子間のバラツキの少ない有機薄膜トランジスタを提供することができた。
本発明の有機薄膜トランジスタは、請求項1〜6のいずれか1項に規定される構成により、キャリア移動度(平均移動度、最大移動度、最小移動度)が高く、薄膜トランジスタ素子ごとの標準偏差(製造した有機薄膜トランジスタ素子性能のロットバラツキを意味する)の小さい素子が得られることが判った。
以下、本発明を詳細に説明する。
《有機薄膜トランジスタ》
本発明の有機薄膜トランジスタについて説明する。
上記課題について本発明者らが鋭意検討したところ、特定のソース/ドレイン電極の形状を有する薄膜トランジスタであると、チャネル巾が広く大きな電流量を流すことができ、かつ有機半導体からなる有機半導体層の結晶方向がどのような方向に形成されたとしても、素子間のバラツキの小さい有機薄膜トランジスタを形成できることを見出した。
《本発明に係る、ソース電極、ドレイン電極》
本発明に係る、ソース電極、ドレイン電極について説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタは、請求項1に記載のように、ソース電極またはドレイン電極の一方が、有機半導体層の中心近傍の1点から3本以上の放射状分岐構造を有する電極であり、ソース電極またはドレイン電極の他方が、該放射状分岐構造を有する電極を、一定の距離を挟んで包囲するように形成されている特徴とする。
以下では、有機半導体層の中心近傍の1点から3本以上に放射状に分岐した形状を有する電極を第1の電極、この第1の電極を一定の距離を挟んで包囲するように形成されている電極を第2の電極と記載することがある。ここで、第1の電極がソース電極でもよいし、ドレイン電極でもよい、また、第2の電極がソース電極でもよいし、また、ドレイン電極でもよい。
(有機半導体層の中心近傍の定義)
有機半導体層(有機半導体層についてのは、後に詳細に説明する。)の中心近傍とは、有機半導体層が形成されている領域(ここで、領域は、円形として考察する。例えば、有機半導体層が多角形のような場合は、該多角形を含む円を有機半導体層が形成されている領域とする)の中心と、その外周部までの距離を100とした場合に、領域の中心から0〜30の範囲にある領域を表す。
このように、第1の電極において電極が分岐する点を有機半導体層の中心近傍に設定することで、有機半導体層の結晶構造の異方性に起因する薄膜トランジスタ素子の特性が平均化され、各トランジスタ素子間の特性のバラツキが少ない有機薄膜トランジスタを形成することができる。より好ましくは0〜20、さらに好ましくは0〜10の範囲に前記電極が放射状の分岐点を有する有機薄膜トランジスタ素子である。
第1の電極において、1点から放射状に分岐した部分の電極の形状は、直線状であってもよいが、円の一部、楕円の一部、2次以上の多項式によって表現される曲線の一部、双曲線の一部、S字曲線の一部、サイン曲線あるいはタンジェント曲線、またこれらを組み合わせた線上の形状であっても良いし、また三角形、円の一部、楕円の一部、2次以上の多項式によって表現される曲線の一部、双曲線の一部、S字曲線の一部、サイン曲線の組み合わせによって囲まれた形状の多角形であってよいが、電界の集中を避けるため、鋭角な部分は有していないことが好ましく、鋭角になる部分は曲線的な形状をしていることが好ましい。
対向するもう一方の電極は、前記の形状を有する電極を一定の距離を挟んで包囲するように形成されなければならない。
このように形成されることにより、もう一方の電極の形状に制限はなく、直線、円の一部、楕円の一部、2次以上の多項式によって表現される曲線の一部、双曲線の一部、S字曲線の一部、サイン曲線あるいはタンジェント曲線、またこれらを組み合わせた線上の形状であっても良いし、また三角形、円の一部、楕円の一部、2次以上の多項式によって表現される曲線の一部、双曲線の一部、S字曲線の一部、サイン曲線の組み合わせによって囲まれた形状の多角形の形状をしていても良い。
尚、本発明の有機薄膜トランジスタにおいては、前記放射状に分岐した形状を有する第1の電極と、それを包囲する第2の電極の間の距離がチャネル長Lとなるため、このLの長さにバラツキがあるとソース電極、ドレイン電極間に流れる電流にバラツキが発生したり、最も距離の短い電極間に電界が集中して故障の原因となったりすることがあるため、前記ソース電極、前記ドレイン電極間の距離は一定である必要がある。
(チャネル巾)
また、チャネル巾Wは、第1の電極と第2の電極が一定の距離で対向している区間の総和である。なお、チャネル長Lは10μm〜100μmであることが好ましく、より好ましくは25μm〜75μmである。チャネル巾Wは、チャネル長Lに対して1〜1万倍の長さであることが好ましく、より好ましくは5〜5000倍の長さである。中でも10〜1000倍の範囲であることが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、より好ましくはこの第1の電極と第2の電極が、有機半導体層に接触する範囲で線対称な形状を有していることである。
線対称な形状を有していることで、より素子間のバラツキの小さく、良好な特性を有する有機薄膜トランジスタを得ることができる。なお対称軸は1本だけでなく複数本有していてよい。
(本発明に係る、ソース電極、ドレイン電極の電極形状の具体例)
以下、本発明に用いられる電極形状の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。尚、第1の電極(ソース、S)および第2の電極(ドレイン、D)はほぼ同一の高さに形成されているが、有機半導体層は前記第1および第2の電極で形成される平面の上または下に接して形成されている。
(電極、並びに電極に係る材料)
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極、ドレイン電極(上記第1および第2の電極)やゲート電極、およびこれらと電源とをつなぐ配線を構成する材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、公知の電極材料にて形成される。電極材料としては導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等)も好適に用いられる。
ソース電極、ドレイン電極を形成する材料としては、上に挙げた中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましく、半導体層がp型半導体の場合は、白金、金、銀、ITO、導電性ポリマー及び炭素が好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等のドライプロセスを用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形状を形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングによって形成したパターニングし、レーザーアブレーション等により転写する方法、また導電性ポリマーの溶液あるいは金属微粒子を含有する分散液、導電性インク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等印刷法、インクジェット法などの溶液プロセスによって形成する方法、等が挙げられる。
ソース電極及びドレイン電極の形状を形成する手段としては、フォトリソグラフ法またはインクジェット法を用いて形成することが好ましい。
次に電極以外の層に用いる材料、およびそれらの形成方法について記載する。
《基板(基体等ともいう)》
まず有機薄膜トランジスタを形成する基板(基体)としては、種々の材料が利用可能であり、例えば、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素等のセラミック基体、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基体、紙、不織布等、および屈曲が可能な程度の厚みを有するステンレス、アルミ等の金属からなる基板等を用いることができるが、本発明において基体は樹脂からなることが好ましく、例えばプラスチックフィルムシートを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基体を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。また、曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器への電界効果型トランジスタの組込みあるいは一体化が可能となる。
《絶縁層(絶縁膜ともいう)》
本発明の有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム、等の金属酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の金属窒化物、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリビニルフェノール(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、エポキシ樹脂やオキセタン樹脂等の光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルランやトリアセチルセルロース等の天然多糖類を原料とした樹脂、低温化学的気相成長法で形成したパリレン等の有機系絶縁材料を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。
これらの材料の中でも、絶縁破壊電圧が高く、且つ、比誘電率の高い材料を用いることが好ましい。絶縁破壊電圧が高い材料では絶縁膜の膜厚を薄くすることができ、生産速度を高いものとすることができ、素子を折り曲げた際のクラックの発生や剥がれを低減することができる。また、比誘電率が高い材料を用いれば、低いゲート電圧でチャネルを形成することができ、低電圧で駆動できる有機薄膜トランジスタとすることができる。このような特性を満たす絶縁膜材料としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリビニルフェノール、およびポリイミドを好ましく用いることができる。
絶縁膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセス、ゲート電極の表面を酸化あるいは窒化することによって形成する方法が挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスとしては、例えばAu電極に対しては、一端をメルカプト基で修飾された炭化水素およびアルキルシランなどのように、ゲート電極と化学的に結合を形成し得る官能基を有する絶縁性分子によって、浸漬法等の方法で自己組織的にゲート電極表面を被覆することで、ゲート電極の表面に絶縁膜を形成することもできる。また、ゲート電極の表面を酸化あるいは窒化するといった手法を用いても絶縁膜を形成することができる。ゲート電極を酸化する方法としては、酸素プラズマを用いた酸化法、陽極酸化法を例示することができる。またゲート電極の表面を窒化する方法としては、窒素プラズマを用いた窒化法を例示することができる。
これらのうち、無機系の薄膜を形成する方法として好ましいのは、陽極酸化法、大気圧プラズマCVD法、およびそれらを組み合わせた方法である。
陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより、金属の表面上に形成することができる。陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウムまたはタンタルを挙げられる。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸あるいそれらの塩が用いられる。
陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1質量%〜80質量%、電解液の温度が5℃〜70℃、電流密度0.5A/dm2〜60A/dm2、電圧1V〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸またはホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。
これらの酸の濃度は5質量%〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20℃〜50℃、電流密度0.5A/dm2〜20A/dm2で20秒間〜250秒間電解処理するのが好ましい。
大気圧プラズマCVD法とは、大気圧下において対向する電極間に電界を印加することにより発生したプラズマ中に、薄膜を形成する原料化合物を導入し、プラズマ中で化学反応を起こして生成した微粒子を、基板上に堆積させることによって薄膜を形成するといった手法であり、その方法については、特開平11−43781号公報、特開2003−179234号公報、国際公開第04/75279号パンフレット等に記載の公知の技術を用いて作成することができる。
有機化合物からなる絶縁膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。また、無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。これら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
ゲート絶縁層表面は、表面エネルギーや各種の特性の改質を目的として、任意の表面処理を施してもよい。シランカップリング剤、例えば、オクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸等、および特願2006−82419号等に記載の化合物からなる自己組織化配向膜が好適に用いられる。
《有機半導体材料》
本発明の有機薄膜トランジスタの形成に用いられる有機半導体材料について説明する。
有機半導体膜を構成する有機半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が適用可能である。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニン、特開平11−251601号公報に記載のフッ素置換銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類、Chem. Commun. 1998, 1661頁や特開2003−304104号等に記載のポルフィリン類およびその金属化合物、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N′−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N′−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N′−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N′−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミド等のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミド等のアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、さらにポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号公報に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
これらのπ共役系材料のうちでも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物の誘導体、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンおよび金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
《有機半導体層の形成方法》
有機半導体層を形成する方法としては、真空蒸着法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、スパッター法、などの物理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CVD法)のようなドライプロセス、スピンコート法やスクリーン印刷法、インクジェット印刷法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法、浸漬法、スプレー法、滴下法、ラングミャー・ブロジェット法などといった溶液プロセスを挙げることができ、用いる有機半導体材料に応じてこれらの中から適切な方法を用いればよい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいては、上記のプロセスのうち、溶液プロセスで有機半導体層を形成することが好ましい。溶液プロセスで形成することができれば工程数の大幅な削減ができ、簡便な工程で有機薄膜トランジスタを形成することができるだけでなく、ドライプロセスで形成するよりも大きな結晶を形成することが可能であり、ひいては良好な移動度を有する有機薄膜トランジスタを形成することができる。
尚、一般に結晶サイズが大きくなると有機薄膜トランジスタの移動度は向上するが、他方で移動度の異方性も大きくなり、トランジスタ素子間のバラツキも大きくなる傾向があるが、本発明の電極形状であればこのようなバラツキも小さく抑えることが可能である。
しかし、一般に上記の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物は溶解性に乏しく、可溶性の有機半導体材料とするためには、上記のような有機半導体材料に、アルキル基、アルキルシリル基、シクロアルキル基、アリール基等の置換基を付与することによって、溶媒に可溶化された有機半導体材料を用いることが好ましい。
このような可溶性の有機半導体材料としては、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)や特開2003−292588号公報および特開2005−76030号公報に記載されているような、アルキル基を有するポリチオフェン系化合物、J.Am.Chem.Soc.,vol.127(2005),4986頁に記載されているような、トリアルキルシリルエチニル基を有するようなアセン化合物およびヘテロアセン化合物、また特開2003−304104号公報に記載されている、ビシクロ環のような立体的な環状構造を有するポルフィリン化合物などを挙げることができる。
また、有機半導体層を溶液プロセスで形成する場合、有機半導体材料を溶解していた溶媒が有機半導体層の外縁部から蒸発するため、有機半導体材料は有機半導体層の外縁部から固化・結晶化が起き、中心部に向かって結晶が成長するが、この場合、中心に向かって多数の結晶が成長するため、前記第1の電極は、前記有機半導体層の中心近傍の1点から4本以上に放射状に分岐した形状とすることで、より有機半導体層の結晶構造に適した電極となり、より良好なトランジスタ特性およびバラツキの低減を達成することができる。
また、外縁部から中心部へと向かって成長する結晶では、同一の巾で結晶が成長することはできないため、複雑なラメラ構造の結晶となることが多い。そのため、前記第1の電極における分岐構造を有機半導体層の中心近傍の1箇所以外にも複数箇所に設定することで、より有機半導体層の結晶構造に適した電極となり、さらに良好なトランジスタ特性およびバラツキの低減を達成することができる。
《有機半導体層の膜厚》
これら有機半導体膜の膜厚としては、特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体膜の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、有機半導体により異なるが、一般に10nm〜1μm、好ましくは、20nm〜500nm、より好ましくは30nm〜300nmである。
《保護層》
また、本発明の有機薄膜トランジスタ上には保護層を設けることも可能である。保護層は、有機半導体層に接して形成され、水分や酸素等の化学的劣化要因や、衝撃や折り曲げ等の物理的ストレスから有機半導体層を保護する目的で形成される。
保護層を形成する材料としては、無機酸化物または無機窒化物等、およびパリレンやPVA等の有機高分子材料が挙げられる。これらからなる保護層を有することにより、有機薄膜トランジスタの耐久性が向上する。これら保護層の形成方法としては、前述のゲート絶縁膜の形成法と同様の形成方法を挙げることができる。
《有機薄膜トランジスタの形態》
本発明の有機薄膜トランジスタは、基体上に有機半導体膜(以下、有機半導体層ともいう)で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、基体上に先ずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体膜で連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。
更に、ゲート電極から見てソース電極、ドレイン電極が、有機半導体層の手前にあるボトムコンタクト型と、有機半導体層の向こう側にあるトップコンタクト型に区別することができ、両者を組み合わせることによって、4種類の有機薄膜トランジスタの構成が可能である。本発明の有機薄膜トランジスタはこれらトップゲート型またボトムゲート型、またトップコンタクト型およびボトムコンタクト型のいずれでもよく、有機薄膜トランジスタを用いる用途に応じて選択することができる。
具体的な素子の層構成例の一例を、以下、図1、図2、図3に示す。
図1はトップゲート・ボトムコンタクト型の層構成例を示す。基体1上に、ソース電極4及びドレイン電極5を有し、その上から有機半導体膜6が形成されている。さらに有機半導体膜6に接してゲート絶縁層7が形成され、その上にゲート電極8を有する、といった構成である。
図2はボトムゲート・トップコンタクト型の層構成例を示す。基体1上にゲート電極8を有し、その上にゲート絶縁層7が形成されている。その上に有機半導体膜6が形成され、さらに有機半導体膜6に接してソース電極4及びドレイン電極5が形成されている、といった構成である。
図3は、ボトムゲート・ボトムコンタクト型の層構成例を示す。基体1上にゲート電極8を有し、その上にゲート絶縁層7が形成されている。その上にソース電極4及びドレイン電極5が形成され、その上に有機半導体膜6が形成されている、といった構成である。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、より好ましくは、上記図3で表されるボトムゲート・ボトムコンタクト型の構成を有することが好ましい。
有機半導体材料は酸素・水分・熱などによって劣化することがあるため、なるべく後半の工程で形成することで、他の層を形成する際のダメージを低減することができる。
このような観点で考えると、ボトムゲート・ボトムコンタクト型素子が最も後半の工程で有機半導体層を形成できるため、劣化の少ない良好な特性を有する有機薄膜トランジスタを得ることができる。
《等価回路図》
次に、有機薄膜トランジスタを縦方向および横方向に複数並べて2次元的に配列した、薄膜トランジスタシートを形成する際の構成について説明する。
図4は、本発明の有機薄膜トランジスタが複数配置される薄膜トランジスタ素子シート10の1例の概略の等価回路図である。
薄膜トランジスタシート10はマトリクス配置された多数の有機薄膜トランジスタ14を有する。11は各有機薄膜トランジスタ14のゲート電極のゲートバスラインであり、12は各有機薄膜トランジスタ14のソース電極のソースバスラインである。各有機薄膜トランジスタ14のドレイン電極には、出力素子16が接続され、この出力素子16は例えば液晶、電気泳動素子等であり、表示装置における画素を構成する。図示の例では、出力素子16として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。15は蓄積コンデンサ、17は垂直駆動回路、18は水平駆動回路である。
《下引き層》
また、本発明の有機薄膜トランジスタにおいては、基体がプラスチックフィルムの場合、基体と有機薄膜トランジスタとの密着性を高めるために、無機酸化物および無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層、及びポリマーを含む下引き層の少なくとも一方を有することが好ましい。
下引き層に含有される無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム,チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。また無機窒化物としては窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素である。
本発明において、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層は上述した大気圧プラズマ法で形成されるのが好ましい。
ポリマーを含む下引き層に用いるポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、ポリアミド樹脂、エチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれにより限定されない。
図5(6)はボトムゲート型、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタの一例である。以下、本発明の製造方法を用いた作製の一例を挙げる。
基体1として、ポリエーテルスルホン樹脂フィルム(200μm)を用い、この上に、先ず、50W/m2/分の条件でコロナ放電処理を施した。その後、以下のように接着性向上のため下引き層を形成した。
(下引き層の形成)
下記組成の塗布液を乾燥膜厚2μmになるように塗布し、90℃で5分間乾燥した後、60W/cmの高圧水銀灯下10cmの距離から4秒間硬化させた。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20g
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2g
シリコーン系界面活性剤 1g
メチルエチルケトン 75g
メチルプロピレングリコール 75g
更に、その層の上に下記条件で連続的に大気圧プラズマ処理して厚さ50nmの酸化ケイ素膜を設け、これらの層を下引き層2とした(図5(1))。
なお大気圧プラズマ処理装置としては、アースされ、150℃に保持されたロール状電極と、棒状の印加電極を750μmの距離を開けて対向させたような構造の装置を用いた。ロール状電極に前記下引き層を形成したPESフィルムを設置し、毎分10回転の速度で回転させながら、この両電極間に10W/cm2の放電出力を印加することでロール電極と印加電極との間にプラズマを発生させ、このプラズマ空間中に下記の組成のガスを導入し、所定の時間処理することによって、前記下引き層を有するPESフィルム上に所定の厚さの酸化ケイ素膜を設けた。
(使用ガス)
不活性ガス:窒素ガス(98.4体積%)
反応性ガス:酸素ガス(1.5体積%)
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気(室温で窒素ガスにてバブリング)(0.1体積%)
尚、ロール状電極は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材に対して、セラミック溶射によるアルミナを1mm被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmax5μmとした誘電体(比誘電率10)を有するような電極である。印加電極は、中空の角型のステンレスパイプに対し、同様の誘電体を同条件にて被覆したものを用いた。
次いで、ゲート電極8を形成する。
即ち、上記の下引き層2上に、下記組成の光感応性樹脂組成液1を塗布し、100℃にて1分間乾燥させることで、厚さ2μmの光感応性樹脂層を形成した。
(光感応性樹脂組成液1)
色素A 7部
ノボラック樹脂(フェノールとm−、p−混合クレゾールとホルムアルデヒドを共縮合させたノボラック樹脂(Mw=4000、フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比がそれぞれ5/57/38)) 90部
クリスタルバイオレット 3部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1000部
Figure 2008108874
次いで発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度でゲートライン及びゲート電極のパターンを露光し、アルカリ水溶液で現像してレジスト像を得た。さらにその上に、スパッタ法により、厚さ300nmのアルミニウム皮膜を一面に成膜した後、MEKで上記光感応性樹脂層の残存部を除去することで、ゲートバスライン及びゲート電極8を作製した(図5の(2)参照)。
さらに、以下の陽極酸化皮膜形成工程により、平滑化、絶縁性向上のための補助的絶縁膜として、ゲート電極に陽極酸化被膜を形成した(図では省略)。
(陽極酸化被膜形成工程)
ゲート電極を形成した後、基板をよく洗浄し、30質量%硫酸水溶液中で、2分間、30Vの低電圧電源から供給される直流を用いて、陽極酸化皮膜の厚さが120nmになるまで陽極酸化を行った。よく洗浄した後に、1気圧、100℃の飽和した蒸気チャンバーの中で、蒸気封孔処理を施した。このようにして陽極酸化被膜を有するゲート電極を下引き処理したポリエーテルスルホン樹脂フィルム上に作製した。
次いで、酸化チタンからなるゲート絶縁膜を形成する。
上述した大気圧プラズマ法の使用ガスを下記に変更し、厚さ30nmの酸化チタン層を設け、ゲート絶縁層7を形成した(図5の(3)参照)。
(使用ガス)
不活性ガス:窒素ガス(99.0体積%)
反応性ガス:水素ガス(0.9体積%)
反応性ガス:テトライソプロポキシチタン蒸気(150℃で窒素ガスをバブリング)(0.1体積%)
次に、オクチルトリクロロシラン(表面処理剤)を溶解したトルエン溶液(1質量%、55℃)に10分間浸漬した後、トルエンですすぎ、乾燥させ、陽極酸化被膜の表面処理を行った(図では省略)。
次に、半導体材料として、下記有機半導体材料(1)を用いて、表面処理を行ったゲート絶縁層上に有機半導体膜を形成した。即ち、有機半導体材料(1)のトルエン溶液(0.5質量%)を調製し、ピエゾ方式のインクジェット法を用いて、チャネルを形成すべき領域に吐出し、窒素ガス中で、50℃で3分乾燥し、基板上に膜厚20nmの有機半導体膜6を形成した(図5の(4)参照)。
Figure 2008108874
次いで、下記無電解メッキ触媒液をインクとして用い、回転ロール(支持ロール)にはバイアス電圧2000Vの電圧を印加し、さらにパルス電圧(400V)を重畳させてソース、ドレイン電極パターンに従ってインクを吐出した。ノズル吐出口の内径は10μmとし、ノズル吐出口と基材とのギャップは500μmに保持した。メッキ触媒含有インクとして下記処方のものを用いた。
(無電解メッキ触媒液)
可溶性パラジウム塩(塩化パラジウム) 20質量%(Pd2+濃度1.0g/L)
イソプロピルアルコール 12質量%
グリセリン 20質量%
2−メチル−ペンタンチオール 5質量%
1,3−ブタンジオール 3質量%
イオン交換水 40質量%
さらに、乾燥定着させて、触媒パターンM1を形成した(図5(5)参照)。
次いで、スクリーン印刷法により、下記無電解金メッキ液をインクとして用いてメッキ触媒パターンが形成された領域を含む領域に印刷を行った。メッキ剤がメッキ触媒と接触することでメッキ触媒のパターン上に無電解メッキが施され、金薄膜M2が形成された。
(無電解金メッキ液)
ジシアノ金カリウム 0.1モル/L
蓚酸ナトリウム 0.1モル/L
酒石酸ナトリウムカリウム 0.1モル/L
を溶解した均一溶液
金薄膜が形成された基板表面を、純水で、充分に洗浄、乾燥して、図5(6)に示される薄膜トランジスタが形成される。
以上、ボトムゲート・トップコンタクト型の薄膜トランジスタの作製例を示した。
ボトムゲート・ボトムコンタクト型の実施態様については、前記の有機半導体膜とソース、ドレインの形成順序を逆にすればよい。
即ち、ゲート絶縁膜7形成後、メッキ触媒パターンを形成し、メッキ剤と接触させ、ソース電極、ドレイン電極を形成した後(M1、M2)、本発明に係る表面処理剤を溶解したトルエン溶液に浸漬した後、トルエンですすぎ、乾燥させ、陽極酸化被膜の表面処理を行う。
次に、有機半導体材料をピエゾ方式のインクジェット法を用いて、チャネルを形成すべき領域に吐出し、窒素ガス中で50℃で3分乾燥し有機半導体膜6を形成する。図6にこの構成を示した。この場合には、有機半導体膜がメッキ剤等に晒されることがなく好ましい。
次いで、トップコンタクト型の薄膜トランジスタを用いたTFTシート(有機薄膜トランジスタ素子シート)の製造のより具体的な実施態様を図7を用いて説明する。
〈ゲートバスライン及びゲート電極の形成〉
図7の(1)は、PES(ポリエーテルスルホン)樹脂フィルム(200μm)を基板として、基板1上に、前記下引き層2及び陽極酸化被膜9付きのアルミニウムによるゲート電極8、そして、ゲート絶縁膜7、有機半導体膜6が、前記図5において示した方法により順次形成されたところを示す。
(有機半導体保護層形成工程)
この有機半導体膜6の上に、静電界印加用電極部と対向電極部との間に印加されるバイアス電圧及びパルス電圧等の条件を適宜調整し、十分に精製を行ったポリビニルアルコールを超純水製造装置で精製された水に溶解した水溶液をインクとして用いて、保護膜パターンの印刷を行った。印刷は、有機半導体膜の、ソース、ドレイン電極間において、半導体チャネルを構成する部分に選択的に保護膜材料を吐出した。印刷後、窒素ガス雰囲気中100℃にて、よく乾燥させ、厚さ1μmのポリビニルアルコールの有機半導体保護層3を形成した(図7の(2))。
保護膜のパターニングは、感光性樹脂を用いてレジストを形成させる方法によっても構わない。
次いで、電極形成領域に、ソース電極、ドレイン電極のパターンに従って前述のメッキ触媒液を吐出し、これを乾燥、定着しメッキ触媒パターンM1を形成した(図7の(3)、(4))。
次に、上記の触媒パターンが形成された基板を、前述の無電解金メッキ浴に浸漬して、厚み110nmの金からなる金属薄膜M2を形成させ、ソース、ドレイン電極を形成した。電極形成後充分に洗浄、乾燥し、薄膜トランジスタを形成した(図7の(5))。
このような方法を用いることで、レジストの形成によるソース電極、ソースバスライン、またドレイン電極の正確なパターニングを用いることなく、静電吸引型インクジェット装置による印刷を用い、メッキ触媒液を正確に電極パターンに従って吐出、配置することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、有機半導体材料(2)構造を下記に示す。
Figure 2008108874
尚、実施例1の比較の有機薄膜トランジスタ1〜4に係る、比較の電極1〜4(各々ソース電極、ドレイン電極を示す)の形状を以下の図11に示す。
図11において、(a)、(b)、(c)、(d)は、各々比較電極1、比較電極2、比較電極3、比較電極4を示す模式図である。
比較電極1では、ソース電極S、ドレイン電極Dともに、有機半導体層の中心近傍の1点から、3方向に放射状に分岐している構成を有している。
しかし、ソース電極Sを放射状分岐構造を有する電極と考えた場合も、ドレイン電極Dを放射状分岐構造を有する電極と考えた場合も、いずれにしろ、他方の電極により一定の距離を挟んで包囲された構成ではない。
比較電極2では、ソース電極S、ドレイン電極Dともに、有機半導体層の中心近傍の1点から、4方向に放射状に分岐し、更にまた、分岐した形状を有する電極パターンを有している。
しかし、該ソース電極S、該ドレイン電極Dも共に、他方の電極により一定の距離を挟んで包囲された構成ではない。
比較電極3、比較電極4は共に、ソース電極S、ドレイン電極Dが互いに相対するように設けられている構成であるが、該ソース電極S、該ドレイン電極Dも共に、有機半導体層の中心近傍の1点から3本以上の放射状分岐構造を有する構成ではなく、更に、他方の電極により一定の距離を挟んで包囲された構成も有していない。
実施例1
《有機薄膜トランジスタ1作製》
熱酸化によって形成された厚さ200nmの酸化ケイ素膜を有する、比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウェハー上に、前述のメッキ触媒液を下記の表1に記載の形状で吐出し、これを乾燥、定着しメッキ触媒パターンを形成した。
次に、上記の触媒パターンが形成された基板を、前述の無電解金メッキ浴に浸漬して、厚み110nmの金からなる金属薄膜を形成させ、所望の電極形状を有するソース、ドレイン電極を形成した。なお全ての電極形状は、チャネル長Lが30μm、チャネル幅Wが3mmとなるように作製した(W/L=100)。
このソース電極、ドレイン電極を形成したSiウェハーを、真空酸素プラズマ処理を行い、金からなるソース電極、ドレイン電極表面の洗浄と、酸化ケイ素膜表面の活性化を行った。
酸化ケイ素膜表面が活性化されたSiウェハーを、オクチルトリクロロシランを溶解したトルエン溶液(1質量%、55℃)に10分間浸漬した後、トルエンですすぎ、乾燥させ、酸化ケイ素膜の表面処理を行った。
次に、前記表面処理が施された熱酸化膜上に、前記のソース電極・ドレイン電極を完全に覆うような大きさの略円形に、前記有機半導体材料(1)をトルエンに0.5質量%の濃度で溶解した溶液をディスペンザーで塗布し、室温で乾燥させた後、窒素ガス雰囲気中で90℃、1分間の熱処理を施すことによって、有機半導体層(有機半導体膜ともいう)を形成した。形成した有機半導体層(有機半導体膜)の膜厚は30nmであった。
《有機薄膜トランジスタ2〜9の作製》
有機薄膜トランジスタ1の作製において、ソース電極S、ドレイン電極Dを各々表1に記載の構成に変更した以外は、同様にして、比較の有機薄膜トランジスタ1〜4、本発明の有機薄膜トランジスタ5〜8を各々作製した。
また、有機薄膜トランジスタ8の作成において、有機半導体材料(1)を有機半導体材料(2)に変更した以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ9(本発明)を作製した。
《キャリア移動度、分散(バラツキ)の評価》
上記に示した有機薄膜トランジスタ1〜9を、各々10個ずつ(10ロットともいう)作製し、下記のようにキャリア移動度の評価を行った。
キャリア移動度の測定は、測定素子のドレインバイアスを−50Vとし、ゲートバイアスを−50Vから0Vまで掃引したときのI−V特性の飽和領域から、キャリア移動度を算出した。
各10個ずつのキャリア移動度について、平均移動度、最大移動度、最小移動度、並びに、標準偏差σ(素子ごとのバラツキを示す尺度)を算出し、評価した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2008108874
表1から、比較例の電極形状の有機薄膜トランジスタ1〜4は、キャリア移動度(平均移動度、最大移動度、最小移動度)が低く、また、バラツキ(標準偏差σ)の大きい素子であることが判る。
他方、本発明に係る、放射状分岐構造を有する電極形状を有する本発明の有機薄膜トランジスタ5〜9は、キャリア移動度が全て良好であるだけでなく、素子間のバラツキも少なく、且つ、良好な特性を示すことがあきらかである。
本発明の有機薄膜トランジスタの構成例(トップゲート・ボトムコンタクト型)を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの構成例(ボトムゲート・トップコンタクト型)を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの構成例(ボトムゲート・ボトムコンタクト型)を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタシートの一例の概略の等価回路図である。 本発明の製造方法を用いた有機薄膜トランジスタ(ボトムゲート、トップコンタクト型)の構成の一例を示す図である。 本発明の製造方法を用いた有機薄膜トランジスタ(ボトムゲート、ボトムコンタクト型)の構成の一例を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタ(ボトムゲート、トップコンタクト型)の別の製造方法の一例を説明するための図である。 本発明の有機薄膜トランジスタに係る、放射状分岐構造を有するソース電極、該ソース電極を一定の距離を挟んで包囲するように形成されたドレイン電極の一例を示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタに係る、放射状分岐構造を有するソース電極、該ソース電極を一定の距離を挟んで包囲するように形成されたドレイン電極の一例を示す模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタに係る、放射状分岐構造を有するソース電極、該ソース電極を一定の距離を挟んで包囲するように形成されたドレイン電極の一例を示す模式図である。 実施例の比較の有機薄膜トランジスタ1〜4の形成に用いられる、ソース電極、ドレイン電極の構成を示す模式図である。
符号の説明
1 基体
2 下引き層
3 有機半導体保護層
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 有機半導体膜
7 ゲート絶縁層
8 ゲート電極
9 陽極酸化皮膜
10 有機薄膜トランジスタシート
11 ゲートバスライン
12 ソースバスライン
14 有機薄膜トランジスタ
15 蓄積コンデンサ
16 出力素子
17 垂直駆動回路
18 水平駆動回路

Claims (6)

  1. 基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極を有し、且つ、該ソース電極と該ドレイン電極との間に有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記ソース電極または前記ドレイン電極の一方が、前記有機半導体層の中心近傍の1点から3本以上の放射状分岐構造を有する電極であり、前記ソース電極または前記ドレイン電極の他方が、該放射状分岐構造を有する電極を、一定の距離を挟んで包囲するように形成されていることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  2. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極が、ともに線対称な形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記有機半導体層が、有機半導体材料を含有する溶液を塗布することにより形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記ソース電極または前記ドレイン電極の一方が、前記有機半導体層の中心近傍の1点から4本以上の放射状分岐構造を有する電極であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 前記有機半導体層の中心近傍の1点から3本以上に放射状分岐構造を有する電極が、更に分岐した形状を有する電極パターンを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極及びドレイン電極、更に、有機半導体層が、該基材上にこの順番で積層された、ボトムコンタクト構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
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