JP2010242829A - 駆動力伝達装置の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油の逆流や淀みなどを効果的に防止して、ギヤでかき上げられた潤滑油を必要箇所に効果的に供給する。
【解決手段】駆動力伝達装置1のケーシング2は、第1ケース20と第2ケース50の開口端21,51同士を横向きに突き合わせた構成であり、第1ケース20は、開口端21の上壁22と、ギヤ8,9の外周面に沿って延伸するガイドリブ26との間に形成され、その側面がシール部材10で塞がれた潤滑油通路25を有しており、潤滑油通路25は、ギヤ(ディファレンシャルギヤ)7がかきあげた潤滑油を受け入れる油受入口27と、潤滑油を堰き止める油堰止部31,35と、油受入口27の近傍に形成した逆流防止突起28とを有し、それらに対応する位置のシール部材10には、潤滑油通路25の潤滑油を第2ケース50側へ導出するための貫通穴からなる連通部11,12,13が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動力伝達装置が備える軸受などを潤滑するための潤滑構造に関する。
従来、自動車が備える駆動力伝達装置の潤滑構造として、特許文献1に記載の潤滑構造がある。この潤滑構造は、ケース内に複数の回転軸及びギヤを収納した駆動力伝達装置において、ケースの内壁とそれに対向するガイドリブとの隙間に区画された潤滑油通路を備えている。この潤滑油通路は、ディファレンシャルギヤでかきあげられた潤滑油を導入して、軸受など潤滑が必要な箇所に供給できるようになっている。
特開2007−159314号公報
このようなギヤでかきあげられた潤滑油を潤滑油通路で送る手法では、かきあげられた潤滑油の勢いが弱い場合、潤滑油が自重によって潤滑油通路を逆流し、ギヤの歯面に滴下する場合がある。これにより、ギヤに対するフリクションが生じるという問題がある。また、ディファレンシャルギヤによって油溜りからかきあげられる潤滑油は、必ずしもその絶対量が豊富ではない。そのため、ディファレンシャルギヤの回転が低速になる低車速時(渋滞モード)には、軸受などに十分な潤滑油を供給できないおそれがある。
また、駆動力伝達装置のケーシングが、一対のケース(ケース半体)の軸方向に開かれた開口端同士を横向きに突き合わせた構成の場合、上記のような潤滑油通路は、ケースの突き合わせ部分に配置されることがある。そして、このようなケースが鋳物製であると、型抜き勾配の都合上、潤滑油通路の底面がケースの開口端側(突き合わせ部分)に向かって下降傾斜することがある。そうすると、開口端を跨いで一方のケースから他方のケースへ潤滑油を送る場合、潤滑油が開口端の方へ逆流したり淀んだりして、潤滑油の円滑な供給が阻害されるおそれがある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を増加させず簡単な構成で、潤滑油の逆流や淀みなどを効果的に防止でき、ギヤでかき上げられた潤滑油を必要な箇所に効果的に供給できる駆動力伝達装置の潤滑構造を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明にかかる駆動伝達装置の潤滑構造は、複数の回転軸(3,4,5,6)及びギヤ(7,8,9)を収納した駆動力伝達装置(1)のケーシング(2)内で、最終減速機のギヤ(7)の回転によってかき上げられた潤滑油を潤滑箇所に供給するための潤滑構造であって、ケーシング(2)は、第1ケース(20)と第2ケース(50)の回転軸方向に開かれた開口端(21,51)同士を突き合わせた構成であり、開口端(21,51)の間に挟持されるシール部材(10)を備え、第1ケース(20)は、開口端(21)の上部を形成する上壁(22)と、上壁(22)の下側でギヤ(8,9)の外周面に沿って延伸するガイドリブ(26)との間に形成した潤滑油通路(25)を有しており、潤滑油通路(25)は、最終減速機のギヤ(7)がかきあげた潤滑油を受け入れる油受入部(27)と、該潤滑油通路(25)を流通する潤滑油が堰き止められる油堰止部(31,35)と、油受入部(27)の近傍のガイドリブ(26)に形成した逆流防止突起(28)と、を有し、シール部材(10)で潤滑油通路(25)の開口端(21)側が塞がれており、シール部材(10)の逆流防止突起(28)に対応する位置と油堰止部(31,35)に対応する位置にはそれぞれ、潤滑油通路(25)の潤滑油を第2ケース(50)側へ導出して潤滑箇所に供給するための連通部(11,12,13)が設けられていることを特徴とする。
本発明にかかる駆動伝達装置の潤滑構造によれば、ケースの開口端同士を密封するために従来から用いられているシール部材で潤滑油通路を区画し、該シール部材に連通部を設けることで、潤滑油の流通を制御している。したがって、駆動力伝達装置の部品点数を増加させることなく、簡単な構成で、ケーシング内における潤滑油の流れの最適化を図ることができる。
そして、この潤滑構造では、油受入部の近傍に設けた逆流防止突起と、該逆流防止突起に対応するシール部材の連通部とによって、潤滑油通路に導入された潤滑油が油受入部に向かって逆流した場合でも、該潤滑油が当該連通部から第2ケース側へ導出されるようになる。したがって、潤滑油通路を逆流した潤滑油が元のギヤに滴り落ちることを効果的に防止できる。これにより、最終減速機のギヤに対するフリクション発生を抑制できる。
また、潤滑油をかきあげる最終減速機のギヤを第1ケースの開口端よりも内側(第1ケース側)に配置しておけば、第1ケースの開口端から第2ケース側へ導出された潤滑油が当該ギヤを避けてその脇に滴下するようになる。したがって、潤滑油が最終減速機のギヤの歯面に滴り落ちることを確実に防止でき、潤滑油によるギヤのフリクションを防止できる。
また、油堰止部とそれに対応して設けたシール部材の連通部とによって、潤滑油通路の潤滑油を油堰止部で堰き止めて集約してから、第2ケース側へ導出することができる。したがって、油堰止部及びそれに対応する連通部をケーシング内の軸受など潤滑が必要な箇所に対応して配置しておけば、連通部から第2ケース側へ導出される潤滑油によって、軸受などを効果的に潤滑できるようになる。
また、上記の潤滑構造では、シール部材に設けた連通部は、油堰止部に対応する連通部の方が、逆流防止突起に対応する連通部よりも大きいことが望ましい。また、潤滑油通路に設けた油堰止部として、油受入部に近い側から順に少なくとも第1の油堰止部と第2の油堰止部の二つを設けるとよい。その場合、シール部材の連通部は、第2の油堰止部に対応する連通部よりも第1の油堰止部に対応する連通部の方が大きいことが望ましい。
また、上記の潤滑構造では、油堰止部に対応する連通部は、該油堰止部の底面よりも高い位置に開口しているか、油堰止部のシール部材側の開放面積よりも小さく開口しているとよい。これによれば、油堰止部に対して連通部が段差を有するようになるので、油堰止部で堰き止めた潤滑油を集約させて一定の量にしてから、第2ケース側へ導出することができる。したがって、第1ケース側から第2ケース側へ開口端を介して導出される潤滑油に逆流や淀みが生じることを抑制でき、軸受などの潤滑箇所に潤滑油を供給する効果を高めることができる。
また、上記の潤滑構造では、潤滑油通路の内面に、潤滑油の流れ方向に沿って延びる溝と突起の少なくともいずれかを有してなる油誘導部を設けるとよい。ギヤによってかき上げられた潤滑油は、主にその表面張力で潤滑油通路の内面を伝って流れるが、潤滑路の内面に上記の油誘導部を設けることで、潤滑油が伝う表面積を大きく確保できるので、潤滑油通路による潤滑油の供給量を増加させることができる。したがって、ギヤの回転が低速の場合でも、軸受などの潤滑を安定的に行えるようになる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる潤滑構造によれば、部品点数を増加させず簡単な構成で、潤滑油通路を流通する潤滑油の逆流や淀みなどを防止でき、ギヤでかき上げられた潤滑油を必要箇所に効果的に供給できる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2は、本発明の第1実施形態にかかる潤滑構造を備えた駆動力伝達装置1の分解斜視図であり、図1は、駆動力伝達装置1のフライホイールケース(以下、「第1ケース」と称す。)20をその開口端21側から見た斜視図であり、図2は、トランスミッションケース(以下、「第2ケース」と称す。)50をその開口端51側から見た斜視図である。なお、図1及び図2では、駆動力伝達装置1の内部構成部品を第1ケース20側に配置した状態を示している。
駆動力伝達装置1は、ハイブリッド車両などにおいて、駆動源であるエンジン(図示せず)の側部に設置される装置であって、互いに横向きに開口する第1ケース20の開口端21と第2ケース50の開口端51とを突き合わせ固定してなるケーシング2内に、平行に配置されたエンジン出力軸3、モータ軸5、カウンタ軸(アイドル軸)4、ディファレンシャル軸6、及び各軸に取り付けた複数のギヤ(ディファレンシャルギヤ7、カウンタギヤ(アイドルギヤ)8、モータギヤ9など)を収納した構成である。また、第1ケース20の開口端21と第2ケース50の開口端51の合わせ部には、シール部材10が挟持されている。また、第2ケース50の開口端51の背面側には、モータ71(図8参照)を搭載したミドルケース70が取り付けられている。なお、以下の説明で軸方向というときは、エンジン出力軸3、モータ軸5などケーシング2内に設置した各軸の軸方向を示すものとする。また、前または後というときは、駆動力伝達装置1を車両に搭載した状態での前後方向(図1参照)を示すものとする。
図1に示すように、エンジン出力軸3は、ケーシング2内の前方下側に配され、アイドル軸4は、エンジン出力軸3の後方に配され、ディファレンシャル軸6は、アイドル軸4の後下方に配されている。また、モータ軸5は、エンジン出力軸3とアイドル軸4との間の上方に配されている。アイドル軸4、モータ軸5、ディファレンシャル軸6にはそれぞれ、アイドルギヤ8、モータギヤ9、ディファレンシャルギヤ(ファイナルドリブンギヤ)7を含む複数のギヤが取り付けられている。
第1ケース20と第2ケース50はそれぞれ、軸方向(横向き)に開かれた開口端21と開口端51を有する中空容器状に形成されている。第1ケース20の開口端21の上部をなす上壁22、及び第2ケース50の開口端51の上部をなす上壁52は、ケーシング2内のアイドルギヤ8やモータギヤ9の外周面に沿う湾曲面形状になっている。シール部材10は、紙製のシート材(紙パッキン)であって、互いに対称形状である第1ケース20の開口端21及び第2ケース50の開口端51の形状に沿う細帯状の環状に形成されている。
ケーシング2の底部は、潤滑油が貯留される油溜り23になっており、所定の潤滑油の静的液位が保たれるようになっている。通常、ディファレンシャルギヤ7の歯面7aの下端が油溜りの潤滑油に浸っている。したがって、ディファレンシャルギヤ7の回転(図1における反時計回りの回転)で、油溜り23の潤滑油が歯面7aの接線方向(第1ケース20の上壁22に沿う方向)へかきあげられるようになっている。また、ディファレンシャルギヤ7は、その一方の側面(第2ケース50側の側面)7bが第1ケース20の開口端21の面に沿う位置に設置されている。これにより、ディファレンシャルギヤ7は、開口端21よりも内側(第1ケース20側)に収納されている。
第1ケース20内の上壁22に沿う位置には、ディファレンシャルギヤ7でかきあげられた潤滑油を案内する潤滑油通路25が設けられている。潤滑油通路25は、第1ケース20内に形成したガイドリブ26によって区画されている。ガイドリブ26(26a,26b,26c)は、上壁22とアイドルギヤ8及びモータギヤ9の外周面との隙間に配置されており、アイドルギヤ8及びモータギヤ9の外周面に沿う湾曲面状に形成されている。また、ガイドリブ26は、その軸方向(幅方向)が第1ケース20の底壁24から開口端21まで延在している。このガイドリブ26と上壁22との隙間が潤滑油通路25になっている。
ガイドリブ26は、ディファレンシャルギヤ7の真上の位置からモータギヤ9の前方上部まで延伸しているが、モータギヤ9の上方の2箇所で分断されている。すなわち、ガイドリブ26は、アイドルギヤ8の真上に配したリブ26aと、モータギヤ9の真上に配したリブ26bと、モータギヤ9の前方上部に配置したリブ26cの三片に分割されている。そして、潤滑油通路25は、その上流端でディファレンシャルギヤ7がかきあげた潤滑油を受け入れる油受入口(油受入部)27と、下流端(油受入口27の反対側の端部)で潤滑油を堰き止める第2油堰止部35と、油受入口27と第2油堰止部35の中間で潤滑油を堰き止める第1油堰止部31とを有している。そして、油受入口27の近傍(直後)におけるガイドリブ26の上面には、逆流防止突起28が形成されている。
油受入口27は、リブ26aの上流端と上壁22との隙間がディファレンシャルギヤ7の歯面7aを向いて開口している。これにより、ディファレンシャルギヤ7の回転で油溜り23から撥ね上げられた潤滑油が取り込まれる。また、第1油堰止部31は、アイドル軸4に対してディファレンシャル軸6と反対側の位置に配置されており、アイドルギヤ8に沿って下降傾斜するリブ26aの下流端に形成されている。また、第2油堰止部35は、モータ軸2に対してアイドル軸4と反対側の位置に設けられており、モータギヤ9に沿って下降傾斜するリブ26cの下流端に形成されている。
シール部材10は、潤滑油通路25に対応する部分の幅が他の部分の幅よりも大きくなっており、第1ケース20の開口端21と第2ケース50の開口端51とで挟持された際、潤滑油通路25の開口端21側の側面を塞ぐ(密閉する)ようになっている。また、シール部材10の潤滑油通路25に対応する位置には、貫通穴からなる三個の連通部11,12,13が設けられている。すなわち、潤滑油通路25の上流側から順に、逆流防止突起28に対応する位置に設けた連通部11と、第1油堰止部31に対応する位置に設けた連通部12と、第2油堰止部35に対応する位置に設けた連通部13とが設けられている。
図3は、第1ケース20の潤滑油通路25とシール部材10とを示す部分拡大斜視図である。また、図4は、第2ケース50の上壁52及びその近傍を示す部分拡大図であり、図3の潤滑油通路25に対応する第2ケース50側の部分を示す図である。以下、これらの図を参照して、油受入口27(逆流防止突起28)、第1油堰止部31、第2油堰止部35について詳細に説明する。
油受入口27の近傍に設けた逆流防止突起28は、潤滑油通路25の潤滑油が逆流した場合に、油受入口27からディファレンシャルギヤ7の歯面7a(図1参照)に滴下することを防止するもので、図3に示すように、リブ26aの幅方向に延びる直線棒状の小突起からなる。逆流防止突起28は、断面が略矩形状で、リブ26aの表面から僅かに突出する高さに形成されている。一方、逆流防止突起28に対応するシール部材10の連通部11は、逆流防止突起28の下流側の側部に設けられている。この連通部11は、リブ26aの上面から逆流防止突起28と同程度の高さまでの間に形成された略矩形状の小貫通孔からなる。
第1油堰止部31は、リブ26aの下流端に立設された奥壁32と、該奥壁32の上端からリブ26aと略平行に上流側へ延びる庇状の突出壁33とを備えており、横断面形状が略コ字型になっている。突出壁33と第1ケース20の上壁22との間には、若干の隙間が設けられている。一方、第1油堰止部31に対応するシール部材10の連通部12は、第1油堰止部31の開口端21側の開放側面31a(略コ字型の内周)に沿う略矩形の貫通穴として形成されている。この連通部12は、開放側面31aの面積よりも若干小さい寸法に形成されている。これにより、第1油堰止部31の開放側面31aと連通部12との間に段差が形成されるようになっている。
また、図4に示すように、第2ケース50における第1油堰止部31に対応する位置には、連通部12から流出した潤滑油を受けるリブ53が形成されている。リブ53の第1油堰止部31に対向する箇所は、第1油堰止部31の形状と比較して、突出壁33に対応する部分を省略した点だけが異なっており、それ以外は第1油堰止部31とほぼ同形状である。したがって、後述するように、連通部12から第2ケース50側に流出した潤滑油は、一旦リブ53で受け止められるが、その量が所定以上になると、リブ53の上端から落下する。
第2油堰止部35は、下降傾斜するリブ26cの下流端からさらに下流側にむかって略水平に延びる底壁36と、底壁36の下流端に略垂直に立設された奥壁37とを備えており、横断面形状が逆向きの略L字型になっている。奥壁37は、その上端が第1ケース20の上壁22に接続されている。したがって、奥壁37によって潤滑油通路25の最下流端が塞がれている。一方、第2油堰止部35に対応するシール部材10の連通部13は、第2油堰止部35の底面35bの近傍から所定高さまでの間に開口する横長の略長方形状の貫通孔からなる。この連通部13は、底面35bよりも若干高い位置に開口している。これにより、底面35bと連通部13との間に段差が形成されるようになっている。
また、図4に示すように、第2ケース50における第2油堰止部35に対向する位置には、連通部13から流出した潤滑油を受けるリブ54が形成されている。このリブ54は、第2油堰止部35とほぼ同形状である。したがって、後述するように、連通部13から第2ケース50側に流出した潤滑油は、一旦リブ54で受け止められるが、その量が所定以上になると、リブ54の上端から落下する。
なお、第2油堰止部35に対応する連通部13を必要以上に大きくすると、連通部13を流れる潤滑油でシール部材10が振動してノイズが発生する懸念がある。したがって、連通部13の高さ(潤滑油通路25の流れ方向に直交する方向の長さ)は、底面35bの近傍から第2油堰止部35の途中までの所定高さとしている。これに対して、第1油堰止部31では、シール部材10の連通部12の外周と略コ字型の奥壁32及び突出壁33の端辺とが潤滑油の表面張力によって密着するため、シール部材10に振動や騒音が発生し難い。したがって、連通部12は、連通部13よりも大きな寸法になっている。また、本実施形態では、シール部材10に設けた連通部11,12,13のうち、第1、第2油堰止部31,35に対応する連通部12,13の方が、逆流防止突起28に対応する連通部11よりも大きくなっている。
図5は、潤滑油通路25の内面を示す概略斜視図である。なお、同図では、潤滑油通路25の形状を概略的に示しており、実際の潤滑油通路25は、図1及び図3に示す形状である。潤滑油通路25の内面には、潤滑油の流れ方向に沿う複数の溝41a及び突起41bを有してなる油誘導面(油誘導部)41が設けられている。油誘導面41は、鋳物製の第1ケース20を製作する際の鋳抜き方向の都合によって、潤滑油通路25の奥面(流れ方向の突き当り面)42aと、潤滑油の進行方向に対する右側の側面(第1ケース20の底壁24側の面)42bのみに形成されている。奥面42aの油誘導面41が有する溝41a及び突起41bは、開口端21から横向きに延びる直線状の溝及び突起であり、側面42bの油誘導面41が有する溝41a及び突起41bは、ガイドリブ26と略平行に延びる直線あるいは湾曲線状の溝及び突起である。なお、図1及び図3では、油誘導面41の図示を省略している。
なお、図5では、潤滑油通路25の奥面42aと側面42bの両方に油誘導面41を設けているが、油誘導面41は、奥面42aと側面42bのいずれか一方のみに設けてもよい。また、上記の油誘導面41は、交互に配置された溝41a及び突起41bの両方を備えているが、油誘導面41は、溝41aと突起41bのいずれかのみで構成してもよい。
図3及び図4を参照して、上記構成の潤滑油通路25における潤滑油の流れについて説明する。ディファレンシャルギヤ7(図1参照)で撥ね上げられた油溜まり23の潤滑油は、油受入口27から潤滑油通路25に導入される。この潤滑油は、潤滑油通路25を下流側へ進む。この際、ディファレンシャルギヤ7で撥ね上げられた潤滑油の勢いが弱いと、潤滑油が油受入口27の方へ逆流することがある。
ここで、本実施形態の潤滑構造では、油受入口27の近傍に逆流防止突起28及び連通部11を設けているので、図3及び図4の矢印Aに示すように、潤滑油通路25を逆流した潤滑油は、逆流防止突起28で堰き止められて、シール部材10の連通部11から第2ケース50側に流出する。この潤滑油は、第2ケース50側でディファレンシャルギヤ7の側面7b(図1参照)に沿って滴り落ちる。なお、もし逆流防止突起28を設けていなければ、潤滑油通路25を逆流した潤滑油が油受入口27からディファレンシャルギヤ7の歯面7aに滴り落ちてしまう。そうすると、ディファレンシャルギヤ7にフリクションが生じてしまう。
一方、潤滑油通路25に沿って下流側へ進んだ潤滑油は、第1油堰止部31へ到達し、その一部が堰き止められる。第1油堰止部31によって堰き止められた潤滑油は、第1油堰止部31の奥壁32で受け止められて、底面31bに落ちる。この潤滑油が、第1油堰止部31に集約されて、図3及び図4の矢印Bに示すように、シール部材10の連通部12を通って第2ケース50側に流出する。第2ケース50側に流出した潤滑油は、一旦リブ53で受け止められ、その後、リブ53の上端から落下し、下方の軸受などに供給される。
一方、第1油堰止部31で堰き止められなかった潤滑油は、第1油堰止部31の突出壁33と第1ケース20の上壁22との隙間を通って、潤滑油通路25をさらに下流側へ進む。この潤滑油のうち勢いが強いものは、第2油堰止部35に到達する。第2油堰止部35に到達した潤滑油は、奥壁37で受け止められて、第2油堰止部35の底面35bに落ちる。この潤滑油は、図3及び図4の矢印Cに示すように、第2油堰止部35に集約されてから、シール部材10の連通部13を通って第2ケース50側に流出する。第2ケース50側に流出した潤滑油は、リブ54の上端から落下して、下方の軸受などに供給される。
以上説明したように、本実施形態の潤滑構造によれば、油受入口27の近傍に設けた逆流防止突起28と、逆流防止突起28に対応するシール部材10の連通部11とによって、潤滑油通路25に導入された潤滑油が油受入口27に向かって逆流した場合でも、該潤滑油が連通部11から第2ケース50側へ導出されるので、潤滑油通路25を逆流した潤滑油がディファレンシャルギヤ7の歯面7aに滴り落ちることを効果的に防止できる。これにより、ディファレンシャルギヤ7のフリクションの発生を抑制できる。
すなわち、潤滑油をかきあげるディファレンシャルギヤ7は、第1ケース20の開口端21より内側に配置されているので、連通部11から第2ケース50側へ導出された潤滑油がディファレンシャルギヤ7を避けてその側部に滴下するようになる。したがって、潤滑油がディファレンシャルギヤ7の歯面7aに滴り落ちることを防止できる。
また、本実施形態の潤滑構造によれば、第1、第2油堰止部31,35とそれらに対応するシール部材10の連通部12,13とによって、シール部材10で区画された(塞がれた)潤滑油通路25の潤滑油を第1、第2油堰止部31,35で堰き止めて集約してから、第2ケース50側へ導出することができる。したがって、第1、第2油堰止部31,35及びそれに対応する連通部12,13をケーシング2内の軸受など潤滑が必要な箇所に対応して配置しておくことで、連通部12,13から第2ケース50側へ導出される潤滑油によって、軸受などを効果的に潤滑できる。
また、第1油堰止部31に対応する連通部12は、第1油堰止部31の開放側面31aの面積よりも小さく開口しており、第2油堰止部35に対応する連通部13は、第2油堰止部35の底面よりも高い位置に開口している。これらによって、第1、第2油堰止部31,35に対してシール部材10の連通部12,13が段差を有するので、第1ケース20側から第2ケース50側へ導出される潤滑油に逆流や淀みが生じることを抑制でき、潤滑油の供給を安定させることができる。また、軸受などに潤滑油を供給する効果を高めることができる。
この点を詳述すると、第1ケース20及び第2ケース50は、鋳物製であるため、型抜き(鋳抜き)勾配の都合上、潤滑油通路25の底面(ガイドリブ26の上面)などが、若干ではあるが、開口端21側(突き合わせ部分)に向かって下降傾斜している。そうすると、開口端21を跨いで第1ケース20から第2ケース50へ潤滑油を移動させる際、潤滑油が開口端21の方へ逆流したり淀んだりして、潤滑油の円滑な供給が阻害されるおそれがある。しかしながら、本実施形態の潤滑油通路25では、第1油堰止部31及び第2油堰止部35に対してシール部材10の連通部12,13に段差を設けていることで、第1ケース20と第2ケース50の間で逆止弁構造(鋳抜き方向の逆止弁構造)を構成している。これにより、第1ケース20側から第2ケース50側へ潤滑油の受け渡しを円滑に行えるようにして、軸受など潤滑が必要な箇所へ潤滑油を送流する効果を高めている。
また、第1油堰止部31では、開放側面31aとシール部材10の連通部12との間に段差が形成されていることに加えて、突出壁33の有無により、第1ケース20側の第1油堰止部31と第2ケース50側のリブ53の形状が異なっている。これらによって、第1油堰止部31で集約された潤滑油が、連通部12を通って第2ケース50側へ導入されてリブ53から滴下し易くなる。したがって、その下の軸受などに潤滑油をスムーズに供給できるようになる。
また、第1油堰止部31は、第2油堰止部35よりも油受入口27に近いため、流れ込む潤滑油の勢いが強い。そのため、第1油堰止部31の奥壁32で潤滑油が跳ね返って上流側への逆流が生じ易い。これに対応するために、本実施形態では、連通部12の上下方向(潤滑油の流れに直交する方向)の寸法(高さ寸法)を大きくして、第1油堰止部31の開放側面31aを大きく開いている。これにより、第2ケース50側への潤滑油の逃げ道を大きく確保して、潤滑油の跳ね返りによる逆流を抑制している。
また、潤滑油通路25を流通する潤滑油の殆どが、表面張力によって潤滑油通路25の内面を伝う潤滑油である。そこで、本実施形態では、潤滑油通路25の内面42a,42bに溝及び突起からなる油誘導面41を形成している。これにより、潤滑油通路25内で潤滑油が伝う表面積を大きく確保できるので、潤滑油通路25を流れる潤滑油の量を増加させることができる。したがって、ディファレンシャルギヤ7でかきあげられる潤滑油の絶対量が少ない低車速時(渋滞モード)でも、軸受など潤滑を要する箇所に必要量の潤滑油を供給できるようになる。
また、本実施形態の潤滑構造では、第1ケース20と第2ケース50の開口端21,51同士を密封するために従来から用いられているシール部材10で潤滑油通路25を区画し、該シール部材10に連通部11,12,13を設けることで、第1ケース20と第2ケース50間の潤滑油の流通を制御している。したがって、駆動力伝達装置1の部品点数を増加させることなく、簡単な構成でありながら、ケーシング2内での潤滑油の流れの最適化を図ることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる潤滑構造について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、及び図示する以外の事項については、第1実施形態と同じである。
図6は、第2実施形態にかかる潤滑構造を備えた駆動力伝達装置の一部を示す分解斜視図である。同図では、駆動力伝達装置1の第2ケース50側のみを図示している。また、ケーシング2内の構成部品(各軸及びギヤ)を第2ケース50側に配置した状態を図示している。
本実施形態の潤滑構造は、第1実施形態の潤滑油通路25(図1参照)に加えて、ディファレンシャルギヤ7でかき上げられた潤滑油を取り込むための油取込部60を備えている。油取込部60は、第2ケース50に設けた略円形の開口61と該開口61から奥に通じる潤滑油の通路62とで構成されている。開口61は、第2ケース50内のディファレンシャルギヤ7とアイドルギヤ8が噛み合う位置の真横(同図の時計回りに回転するディファレンシャルギヤ7の回転方向の左斜め前側)に配置されている。
図7は、ディファレンシャルギヤ7のねじれ角と撥ね上げた潤滑油の進行方向との関係を説明するための模式図である。同図に示すように、本実施形態では、ディファレンシャルギヤ7のねじれ角は、歯面7aが回転方向に対して左斜め前方を向くように設定されている。これにより、ディファレンシャルギヤ7の回転で撥ね上げられた潤滑油は、ディファレンシャルギヤ7の回転方向に対して左斜め前方に向かって進行する。そして、本実施形態では、この潤滑油の進行方向の延長線上、あるいはその近傍に油取込部60の開口61を配置している。これにより、図6の矢印Dに示すように、ディファレンシャルギヤ7でかき上げられた潤滑油が油取込部60に効率良く取り込まれる。
本実施形態では、ディファレンシャルギヤ7のねじれ角によって潤滑油が進む向きを考慮して、油取込部60の開口61をディファレンシャルギヤ7の真横ではなく、回転方向の斜め前方に配置している。このように、油取込部60の配置やディファレンシャルギヤ7のねじれ方向の最適化を図るだけで、駆動力伝達装置1が備える部品点数の増加や構造の複雑化を招くことなく、ディファレンシャルギヤ7でかきあげた潤滑油の送流効果を向上させている。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態にかかる潤滑構造について説明する。図8は、第3実施形にかかる潤滑構造を備えた駆動力伝達装置の一部を示す斜視図である。同図は、第2ケース50の背面側に取り付けたミドルケース70を示しており、(a)は、ミドルケース70に後述する油ガイド部材75及びベアリングセットプレート78を取り付ける前の状態、(b)は、ミドルケース70に油ガイド部材75のみ取り付けた状態、(c)は、ミドルケース70に油ガイド部材75及びベアリングセットプレート78を取り付けた状態を示している。本実施形態の潤滑構造は、第1実施形態の潤滑油通路25(図1参照)及び第2実施形態の油取込部60(図6参照)に加えて、図8(c)に示すベアリングセットプレート78による潤滑油の塞き止め構造を備えている。
ミドルケース70は、内部にモータ71を収納しており、中心部には、円形のベアリング装着穴72が形成されている。ベアリング装着穴72には、モータ軸5(図1参照)を回転自在に支持するためのベアリング(図示せず)が圧入装着されるようになっている。また、ミドルケース70の外周端における中心部より若干高い位置には、第2実施形態で説明した油取込部60の通路62に連通する油穴73が形成されている。そして、ミドルケース70の端面(第2ケース50側の面)70aにおける油穴73とベアリング装着穴72との間には、油穴73から出た潤滑油をベアリング装着穴72に装着したベアリングに供給するための油ガイド部材75が取り付けられている。
油ガイド部材75は、略U字型の断面を有する細長い樋状の部材である。この油ガイド部材75は、略U字型の内部の長手方向に沿って一方の端部75aから他方の端部75bへ潤滑油を流通させるようになっている。油ガイド部材75は、耐熱性に優れた硬質ゴム材で構成されており、下端に設けた二股状の取付部75cをミドルケース70の端面70aに形成したスリット76の下端に嵌め込んで取り付けるようになっている。ミドルケース70に取り付けた油ガイド部材75は、一方の端部75aが油穴73の直下に位置し、他方の端部75bがベアリング装着穴72に形成した横向きの切り込み72aに面している。油ガイド部材75は、一方の端部75aから他方の端部75bに向かって若干下降傾斜している。
そして、ベアリング装着穴72の下端には、ベアリングを固定するためのベアリングセットプレート78が取り付けられている。ベアリングセットプレート78は、ベアリング装着穴72の下端に被せて取り付ける略平板状の部品で、ミドルケース70の端面70aにおけるベアリング装着穴72の下端に被さる本体部78aと、該本体部78aから油ガイド部材75の端部75bに向けて横方向に突出した突出部78bとを有しており、全体が横長の細板状に形成されている。ベアリングセットプレート78は、ベアリング装着穴72の下端にボルト79で固定される。ベアリングセットプレート78は、ベアリング装着穴72の下端に被せて固定した状態で、その上端辺78cがベアリング装着穴72の下端よりも若干上方に位置するとともに、突出部78bが油ガイド部材75の端部75bに被さる。これにより、油ガイド部材75の端部75bからベアリング装着穴72に流入する潤滑油が、ベアリング装着穴72からミドルケース70の端面70aに沿って手前側へ流れ落ちることを防止できるようになる。
ミドルケース70は、鋳物製であるため、型抜き(鋳抜き)勾配の都合上、ベアリング装着穴72の端部が若干ではあるが開放端(図の手前側)に向かって下降傾斜している。したがって、油ガイド部材75の端部75bからベアリング装着穴72に流入する潤滑油が、ベアリング装着穴72からミドルケース70の端面70aに沿って手前側へ流れ落ち易い。これに対処するため、本実施形態では、ベアリング装着穴72に対してベアリングを固定するためのベアリングセットプレート78に潤滑油を堰き止める機能を持たせている。すなわち、従来からベアリングを固定するために用いられていたベアリングセットプレート78の形状の最適化を図るだけで、駆動力伝達装置1が備える部品点数の増加や構造の複雑化を招くことなく、ベアリング装着穴72から潤滑油が流れ落ち難い構造を実現している。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
例えば、本発明のシール部材に設けた連通部は、潤滑油通路の潤滑油を第2ケース側へ導出できるものであれば、その具体的な形状は、実施形態に示す貫通穴には限定されず、切欠溝など他の形状であってもよい。また、潤滑油通路や油堰止部の具体的な形状や配置も、上記実施形態に示す形状や配置には限定されない。
本発明の第1実施形態にかかる潤滑構造を備えた駆動力伝達装置の一部(第1ケース側)を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかる潤滑構造を備えた駆動力伝達装置の一部(第2ケース側)を示す斜視図である。 潤滑油通路の詳細構成を示す部分拡大図である。 潤滑油通路に対応する部分の第2ケースの詳細構成を示す部分拡大図である。 潤滑油通路の内面を示す概略斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかる潤滑構造を備えた駆動力伝達装置の一部(第2ケース側)を示す斜視図である。 ディファレンシャルギヤのねじれ角と撥ね上げた潤滑油の進行方向との関係を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態にかかる潤滑構造を備えた駆動力伝達装置の一部(ミドルケース)を示す斜視図である。
1 駆動力伝達装置
2 ケーシング
3 エンジン出力軸
4 アイドル軸
5 モータ軸
6 ディファレンシャル軸
7 ディファレンシャルギヤ(最終減速機のギヤ)
7a 歯面
7b 側面
8 アイドルギヤ
9 モータギヤ
10 シール部材
11〜13 連通部
20 第1ケース
21 開口端
22 上壁
25 潤滑油通路
26 ガイドリブ
27 油受入口(油受入部)
28 逆流防止突起
31 第1油堰止部
31a 開放側面
31b 底面
32 奥壁
33 突出壁
35 第2油堰止部
35b 底面
36 底壁
37 奥壁
41 油誘導面(油誘導部)
41a 溝
41b 突起
50 第2ケース
51 開口端
60 油取込部
61 開口
62 通路
70 ミドルケース
72 ベアリング装着穴
73 油穴
75 油ガイド部材
78 ベアリングセットプレート

Claims (5)

  1. 複数の回転軸及びギヤを収納した駆動力伝達装置のケーシング内で、最終減速機のギヤの回転によってかき上げられた潤滑油を潤滑箇所に供給するための潤滑構造であって、
    前記ケーシングは、第1ケースと第2ケースの前記回転軸方向に開かれた開口端同士を突き合わせた構成であり、
    前記開口端の間に挟持されるシール部材を備え、
    前記第1ケースは、前記開口端の上部を形成する上壁と、前記上壁の下側で前記ギヤの外周面に沿って延伸するガイドリブとの間に形成した潤滑油通路を有しており、
    前記潤滑油通路は、前記最終減速機のギヤがかきあげた潤滑油を受け入れる油受入部と、該潤滑油通路を流通する潤滑油が堰き止められる油堰止部と、前記油受入部の近傍の前記ガイドリブに形成した逆流防止突起と、を有し、
    前記シール部材で前記潤滑油通路の前記開口端側が塞がれており、
    前記シール部材の前記逆流防止突起に対応する位置と前記油堰止部に対応する位置にはそれぞれ、前記潤滑油通路の潤滑油を前記第2ケース側へ導出して潤滑箇所に供給するための連通部が設けられている
    ことを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
  2. 前記シール部材に設けた前記連通部は、前記油堰止部に対応する連通部の方が、前記逆流防止突起に対応する連通部よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
  3. 前記油堰止部は、前記潤滑油通路に沿って前記油受入部に近い側から順に少なくとも第1の油堰止部と第2の油堰止部の二つが設けられており、
    前記シール部材に設けた連通部は、前記第2の油堰止部に対応する連通部よりも前記第1の油堰止部に対応する連通部の方が大きい
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
  4. 前記油堰止部に対応する前記連通部は、該油堰止部の底面よりも高い位置に開口しているか、前記油堰止部の前記開口端側の開放面よりも小さく開口している
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の動力伝達装置の潤滑構造。
  5. 前記潤滑油通路の内面に、前記潤滑油の流れ方向に沿って延びる溝と突起の少なくともいずれかを有してなる油誘導部を設けた
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の動力伝達装置の潤滑構造。
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