JP2010242670A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで、精度がよく、かつ高速な処理が不要な失火検出手段を備える内燃機関の動弁装置を提供する。
【解決手段】吸気弁または排気弁を、全閉位置から開弁方向へ弱い力で駆動することにより、失火の有無により異なる筒内圧を弁の位置で判定する。すなわち、失火時は、弁が全閉位置から開弁方向へ駆動され、正常燃焼時は、弁が全閉位置であることを、動弁装置の可動部位置センサ3にて検出し、失火検出手段16により、弁の閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させ、可動部位置センサの情報により、弁が全閉か否かを検出ことで、失火の有無を検出する。
【選択図】図1
【解決手段】吸気弁または排気弁を、全閉位置から開弁方向へ弱い力で駆動することにより、失火の有無により異なる筒内圧を弁の位置で判定する。すなわち、失火時は、弁が全閉位置から開弁方向へ駆動され、正常燃焼時は、弁が全閉位置であることを、動弁装置の可動部位置センサ3にて検出し、失火検出手段16により、弁の閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させ、可動部位置センサの情報により、弁が全閉か否かを検出ことで、失火の有無を検出する。
【選択図】図1
Description
この発明は、電気的に駆動される内燃機関の動弁装置に関するもので、弁体または可動子の破損を防止するために失火を検出するものである。
内燃機関の吸排気バルブを現在主流であるカム駆動に代えて電気的に駆動する構成が提案されている。吸排気バルブを電気的に駆動する構成にすると、カムシャフト等の回転機構を省略することができると共に、バルブタイミングの変更が容易であることから、内燃機関の運転状態に応じた理想的な開閉弁タイミングを任意に設定可能となり、出力特性及び燃費特性を改善することが可能となる。
吸排気バルブの電気駆動装置としては、電磁石を用いた電磁アクチュエータによる構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この構成のアクチュエータにおいては、可動子(アーマチュア)をバルブの開弁方向に付勢するスプリングと可動子を閉弁方向に付勢するスプリングの2つのスプリングを有し、さらに可動子をそれぞれバルブの開弁方向と閉弁方向とに吸引する2つの電磁石を有している。
この場合、可動子とバルブからなる可動部は、電磁石に電流が流れていない場合には2つのスプリングのバネ力により、2つの電磁石の吸引面からそれぞれ所定の位置だけ離間した中立位置に保持され、また開弁側または閉弁側のどちらか一方の電磁石に電流が通電すると、その際に生じる電磁吸引力により、吸引力がスプリングのばね力に打ち勝って一方の電磁石側に引き寄せられることになる。
この状態で電磁石の電流を遮断すると、今度はスプリングのばね力により可動部は中立位置を一旦通過して他方の電磁石に接近する。このとき、他方の電磁石に電流を流しておくと、可動部は他方の電磁石に吸引される。
このようにして、2つの電磁石の電流の通電、遮断動作に従って可動子を所定の変位幅だけ変位させることを可能にしており、この変位を利用してバルブの開弁状態と閉弁状態とを切り替えている。
このような電磁駆動吸排気弁装置において、排気弁は、燃焼室内に高圧の燃焼ガスが残存する状況下で開弁方向に動作する。このため、排気弁が開弁方向に動作するためには、閉弁方向の動作に比して大きなエネルギーが必要となる。
このため、可動子の中立位置は、開弁側の電磁石に偏った位置に設定されている。この場合、閉弁状態におけるスプリングの反発力は、開弁状態におけるスプリングの反発力より大きくなり、両電磁石に等しい特性の電磁石を使用しても燃焼圧に対抗して開弁動作を行うことができる。
ところが、失火時には、排気弁の開弁動作に抗する燃焼圧力が大きく低下するため、閉弁側電磁石の通電停止後、スプリング力による可動子の加速が正常燃焼時より大きく、全開位置に高い速度で到達し、開弁側電磁石等の変位端に衝突する。この結果、異音の発生や可動子の破損が生じる。
この衝突を解決するために、前記特許文献1では、失火検出手段を設け、また、失火検出時に、排気弁の開弁時の可動子の速度を減速させる速度制御手段を設け、異音の発生や可動子の破損を防止することができる内燃機関の動弁装置を提供している。
この従来技術では、失火検出手段として、気筒内圧力を測定して失火を検出する、点火プラグ放電後の筒内イオン電流を測定して失火を検出する、クランク軸の回転変動に基づいて失火を検出する、排気弁の開弁時の弁体または可動子の速度または加速度に基づいて失火を検出する、という手段が提案されている。
上記従来技術における失火検出手段には、次のような、コストや精度についての問題がある。
筒内圧やイオン電流を測定し、失火を検出する手段の場合、動弁装置そのものには不要な筒内圧センサや筒内イオンセンサが必要で、コスト上昇の問題がある。
クランク軸の回転変動により失火検出する手段の場合、その検出精度が悪いという問題がある。なぜなら、燃焼によりトルクが発生し、クランク角の角速度の変化として現れるまでには遅れがある。このため、角速度の変化が現れる期間は、図10に示すように、爆発行程の中程から排気行程の前半にかけてまでとなる。回転変動により失火検出する仕様は、OBD(On-Board Diagnostic System:車載機能診断システム)用として適用されているが、OBD用では、精度よく検出できるよう、前記の期間を広く含むように設定する。すなわち、図10の回転変動検出期間Aの開始点と終了点の時刻を計測し、これを角速度に変換し、失火時と正常燃焼時を比較するのである。
ところが、排気弁の駆動を開始するのは、爆発行程の後半、図10に示す開駆動角度の位置である。排気弁の駆動を開始するまでに、失火の有無を判定しなければならないため、前記の回転変動検出期間Aでは、判定が間に合わない。このため、回転変動検出期間Bのような期間で角速度を検出し、失火の有無を判定する必要がある。しかし、図10より明らかに、回転変動検出期間Bとして設定できる期間は短く、その分、失火検出の精度が悪くなってしまう。
このように、回転変動により失火検出する場合は、検出精度が悪く、検出漏れ、または、誤検出が存在する。もし、1度でも検出漏れがあれば、可動子の破損を招き、この内燃機関を使用不能に陥れる危険がある。逆に、誤検出すれば、排気弁の開き方が不十分となり、所望のエンジン性能が得られない問題が生じる。
排気弁の開弁時の弁体または可動子の位置センサや速度センサから算出される速度や加速度に基づき、失火検出する手段の場合、排気弁を既に開弁させている時に失火検出を行うことから、速度過大の検出と同時に減速処理を行う必要がある。換言すれば、目標とする弁の位置や速度と実際の位置や速度が一致するよう、フィードバック制御を行う必要がある。
このため、制御装置内のマイクロコンピュータは、非常に短い周期で、位置センサや速度センサから信号を読み取り、失火の発生を判定する必要がある。その上、処理周期が短いことは、処理のタイミング誤差も非常に短い時間しか許容されないことを意味する。例えば、4気筒エンジンで、6000回転の場合、1行程、すなわち、180度クランク角は5msの時間となる。弁の動作角が、一般的なカムシャフトによる弁の動作角と同じとすると、例えば、90度クランク角で全閉から全開まで駆動する、と仮定する。
この駆動をフィードバック制御するためには、少なくとも10回、処理を行う必要があると考えられ、すると、フィードバック制御周期は250μsとなり、計測周期許容誤差が5%とすると、マイクロコンピュータは12.5μs以下のばらつき内に制御を行わなければならない。他のソフトウエア処理を行いながら、この精度を実現するためには、高速なマイクロコンピュータが必要で、すなわち、コスト上昇の問題がある。
この発明は上述した点に鑑みてなされたもので、低コストで、精度がよく、かつ高速な処理が不要な失火検出手段を備える内燃機関の動弁装置を提供するものである。
この発明に係る内燃機関の動弁装置は、排気弁と連動する可動子と、通電時に前記可動子を開弁方向に作動させる開弁側電磁石と、通電時に前記可動子を閉弁方向に作動させる閉弁側電磁石と、前記可動子を開弁方向に付勢する第1の弾性部材と、前記可動子を閉弁方向に付勢すると共に前記両電磁石が非通電時に第1の弾性部材と協働して前記可動子を両電磁石の中立位置に保持する第2の弾性部材と、前記可動子が全閉位置か否かを検出する位置検出手段と、内燃機関の失火を検出する失火検出手段と、前記失火検出手段が失火を検出したとき、前記排気弁の開弁時に前記可動子の速度が減速するように速度制御する速度制御手段とを備えた内燃機関の動弁装置であって、前記失火検出手段は、排気弁の閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させ、前記位置検出手段の情報により、排気弁が全閉か否かを検出することで、失火しているか否かを検出することを特徴とする。
また、吸気弁および排気弁のそれぞれと連動する可動子と、通電時に前記可動子を開弁方向に作動させる開弁側電磁石と、通電時に前記可動子を閉弁方向に作動させる閉弁側電磁石と、前記可動子を開弁方向に付勢する第1の弾性部材と、前記可動子を閉弁方向に付勢すると共に前記両電磁石が非通電時に第1の弾性部材と協働して前記可動子を両電磁石の中立位置に保持する第2の弾性部材と、前記可動子が全閉位置か否かを検出する位置検出手段と、内燃機関の失火を検出する失火検出手段と、前記失火検出手段が失火を検出したとき、前記排気弁の開弁時に前記可動子の速度が減速するように速度制御する速度制御手段とを備えた内燃機関の動弁装置であって、前記失火検出手段は、吸気弁の閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させ、前記位置検出手段の情報により、吸気弁が全閉か否かを検出することで、失火しているか否かを検出することを特徴とする。
この発明によれば、既存のセンサの利用または単純なスイッチのみを追加して、コスト上昇がないまたは低く、かつ精度のよく、高速な処理が不要な失火検出手段を提供することができ、失火検出手段として、吸気弁もしくは排気弁の閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させることで、失火の有無による筒内圧の違いを、弁の全閉か否かに反映させ、これを位置検出手段で検知し、失火を判定することができる。
実施の形態1.
次に図面を参照して、この発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、この発明に係る内燃機関の動弁装置を車両用内燃機関に適用した全体構成を示す図である。
次に図面を参照して、この発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、この発明に係る内燃機関の動弁装置を車両用内燃機関に適用した全体構成を示す図である。
図1に示すように、エンジンのシリンダ51の上部に固定されたシリンダヘッド52には、弁54(図1では単一の弁のみを示す)が設けられている。弁54から上方に伸延する弁軸61の上部には、スプリングリテーナ55が固定され、スプリングリテーナ55とシリンダヘッド52との間には弁54を閉弁方向に付勢するコイルスプリング56が設けられている。なお、53は燃焼室を示す。
また、シリンダヘッド52の上部には電磁弁のケースとなるハウジング60が立設されている。ハウジング60の内部には、閉弁側電磁石11と開弁側電磁石12とが所定の間隔をあけて上下に対向する位置に固定されている。これら閉弁側電磁石11と開弁側電磁石12との間には、軟磁性体の可動子(以下、アーマチュアと呼ぶ)57が可動子軸部材62により上下に滑動可能に支持されている。
閉弁側電磁石11より上部の位置には、可動子軸部材62にスプリングリテーナ58が固定され、ハウジング60の天井内面とスプリングリテーナ58との間には、アーマチュア57を開弁方向に付勢するコイルスプリング59が設けられている。
また、ハウジング60の天井部には、可動部(アーマチュア57と弁54を可動部と総称する)の速度を検出し速度信号を出力する可動部速度センサ2、可動部の位置を検出し位置信号を出力する可動部位置センサ3が設けられ、これらの速度信号及び位置信号は、制御装置1に伝えられるようになっている。
制御装置1は、エンジン制御処理部14と動弁制御処理部15を含み、エンジン制御処理部14は、クランク角や内燃機関の運転状態、例えば、エンジン回転数やエンジン負荷の情報を、動弁制御処理部15へ伝える。動弁制御処理部15は、失火検出手段16と速度制御手段17を含み、内燃機関の運転状態などから算出した電流目標値を、閉弁側電磁石電流制御部9及び開弁側電磁石電流制御部10に対して出力する。
閉弁側電磁石電流制御部9及び開弁側電磁石電流制御部10は、それぞれ入力された電流目標値に応じて、PWM制御により電源部13から各電磁石11、12へ電流を供給することにより電磁力を制御できるようになっている。
次に、本実施の形態の動弁装置の動作を説明する。アーマチュア57はコイルスプリング56、59に懸吊されており、閉弁側電磁石11および開弁側電磁石12が通電していないとき、閉弁側電磁石11と開弁側電磁石12の概略中央位置、或いは開弁側電磁石へ偏位した位置に位置するように、それぞれのコイルスプリング56、59の寸法及びバネ定数が設定されている。
ここで、コイルスプリング56、59と、弁54及びアーマチュア57を含む可動部とで構成されるバネ・マス系の固有振動数foは、合成バネ定数をK、合計慣性質量をmとし、摩擦を無視すると、fo=√(K/m)であることが知られている。
さて、エンジン始動前の初期動作において、上記固有振動数foに対応する周期で閉弁側電磁石11と開弁側電磁石12に交互に通電する。そして、可動部を共振させることにより徐々に可動部の振幅を増大させ、初期動作の最終段階で、例えば閉弁側電磁石11にアーマチュア57が吸着され、この吸着状態が保持される。
次に、エンジンの始動時または通常の稼働時には、例えば弁を開く時は、まず閉弁側電磁石11の電流が切られ、可動部はコイルスプリングの合成スプリング力により下方に移動を開始する。摩擦力などによるエネルギー損失のため、合成スプリング力だけで弁全開位置までアーマチュア57を移動させることはできない。そこで、アーマチュア57が開弁側電磁石12に十分近づき、電磁力が有効となる位置で開弁側電磁石12が通電されると、アーマチュア57が開弁側電磁石12に吸引され、弁54が全開状態となる。
さて、排気弁の開弁時には、排気弁が燃焼ガスの圧力に抗して開かなければならないため、吸気弁に比べて、排気弁のスプリングが強化されている。また、排気弁を駆動するアーマチュア57の中立位置は、開弁側電磁石12と閉弁側電磁石11との中央位置よりも開弁側電磁石に偏った位置に設定されている。
このため、内燃機関の失火時には、燃焼ガスの圧力が排気弁に作用しないため、開弁時のアーマチュア57の速度が上がりすぎ、開弁側変位端に高速度で衝突し、異音を発生したり、アーマチュア57が破損したりする。これを防ぐため、各気筒ごとの失火の有無を判定する失火検出手段16と、失火の場合にアーマチュア57の速度を減速させる速度制御手段17が、動弁制御処理部15内に備えられている。
前記失火検出手段16の検出原理を、図2にて説明する。図2は、弁54に作用する筒内圧の力を、クランク角度を横軸に示したものである。2本の曲線は、正常燃焼時と失火時の、それぞれの力の変化を示している。
混合気は圧縮行程にて圧縮され、例えば、圧縮上死点で点火されたとすると、爆発により筒内圧は急上昇し、ピストンを押し下げつつ、筒内圧は減少してゆく。弁54を開駆動開始させる位置である開駆動角度を、例えば圧縮上死点後のクランク角(ATDC)160度とした場合、その角度で弁が開き、筒内圧は減少する。一方、失火の場合は、爆発がないため、筒内圧は圧縮上死点をピークに減少し、開駆動角度にて弁54が開くため、筒内圧は減少する。なお、開駆動角度は、通常、ATDC180度の手前に設定され、また、本角度について、本特許は新しい技術を提案しないため、本特許の技術を適用する以前の開駆動角度のままでよい。
全閉位置にある弁54には、筒内圧により、アーマチュア57を閉弁させる方向に力が作用し、また、合成スプリング力により、アーマチュア57を開弁させる方向に力が作用している。加えて、閉弁側電磁石11の電流に応じて、アーマチュア57を閉弁させる方向に吸引力が作用している。これらの合成力が、閉弁方向か開弁方向かによって、全閉位置にある弁54が、そのまま全閉位置に留まるか、開き側へ移動するかが定まる。すなわち、電流値Ichkにより生じる吸引力から合成スプリング力を引いた、開弁方向へ作用する合成力と、筒内圧により閉弁方向へ作用する力との比較で、全閉位置にある弁54が移動するか否かが定まる。
よって、正常燃焼時と失火時の筒内圧の差、すなわち、閉弁方向へ作用する力の差、の領域に、上記開弁方向へ作用する合成力を設定すれば、失火の有無が判定できることになる。つまり、図2の判定ラインが示す、失火判定開始角度から失火判定終了角度までの区間の、電流値Ichkで定まる開弁方向へ作用する合成力を与えることで、失火の有無が判定できる。以上が、前記失火検出手段16の検出原理である。
このため、判定ラインを定める、失火判定開始角度、失火判定終了角度、電流値Ichkは、次のように設定する。まず、内燃機関の運転状態、例えば、エンジン回転数、エンジン負荷、点火時期を、幾つか設定し、正常燃焼と失火を発生させ、それぞれの筒内圧の変化を測定する。筒内圧の差が大きな時期を、失火判定開始角度、失火判定終了角度として設定する。例えば、失火判定開始角度を点火後10クランク角、失火判定終了角度を点火後70クランク角とする。また、クランク角や内燃機関の運転状態などの関数としてもよい。ただし、この区間の時間は、もし、失火している場合に、アーマチュア57が十分開駆動できるだけの時間を設定する。また、失火判定開始角度、失火判定終了角度は、次の電流値Ichkと相互に影響するため、これらだけを先に決定することはできず、電流値Ichkと組に設定する必要がある。
次に、弁の面積等により、筒内圧の差を力の差に換算する。前記で定めた区間において、電流値Ichkにより生じる吸引力から合成スプリング力を引いた、開弁方向へ作用する合成力が、力の差の領域の中ほどになるように、電流値Ichkを設定する。あるいは、電流値Ichkの設定値を幾つか設定し、実際に正常燃焼と失火を発生させ、弁が開駆動するか否かを実測することによって、電流値Ichkを適合する。また、図2では一定値であるが、クランク角に従い曲線状に設定することもできる。また、内燃機関の運転状態などの関数としてもよい。
エンジンの負荷が低い場合など、点火後の筒内圧の差が小さい場合、例えば、図3に示すような場合では、正常燃焼時と失火時の筒内圧の差の領域が狭くなる。このような場合、判定ラインと差の領域との境界が近く、検出漏れや誤判定の可能性がある。しかし、点火後の筒内圧の差が小さいことは、開駆動角度での筒内圧の差がより小さいことを意味する。開駆動角度での筒内圧の差が小さいため、アーマチュア57の加速が正常燃焼時と失火時で概ね同じとなり、速度制御をする必要がない。
つまり、このような場合に検出漏れや誤判定があったとしても、アーマチュア57は開弁側電磁石等の変位端に衝突せず、異音の発生やアーマチュア57の破損が生じることはない。一方、従来技術の、回転変動による失火検出の問題の原因は、回転変動を検出する区間が短くなることである。このため、気筒内圧の差が大きい場合にも、検出漏れや誤判定となる可能性が高く、異音の発生やアーマチュア57の破損が生じる危険がある。
以下、実施の形態の動作の説明に戻る。失火検出手段16では、エンジン制御処理部14から伝えられる、クランク角や内燃機関の運転状態に応じて算出した失火判定開始角度において、一時的に、吸気弁、もしくは、排気弁の、閉弁側電磁石の目標電流値を、電流値Ichkへ低下させる。すると、閉弁側電磁石11の吸引力が弱まり、合成スプリング力の方が優勢となり、その結果、可動部は開弁方向へ動こうとする。この時、失火していない場合には、燃焼ガスにより筒内圧が高いため、弁は全閉位置から動かない。もし、失火している場合は、筒内圧が低く、弁は全閉位置から開弁方向に動き始める。
弁が全閉位置から開弁方向に動作したかを、目標電流値を低下させている間定期的に、あるいは、失火判定終了角度において、可動部位置センサ3、または、可動部速度センサ2、または、これらのセンサがない動弁装置の場合には、弁が全閉位置であるか否かを検出するスイッチにより検出し、失火しているか否かを判定する。可動部位置センサ3及び可動部速度センサ2がない場合は、失火検出のためにスイッチを追加することになるが、筒内圧センサなどに比べ安価である。すなわち、従来例のように、高価なセンサを必要としない。
クランク角や内燃機関の運転状態に応じて算出した失火判定終了角度において、閉弁側電磁石の目標電流値を元の保持電流値Ihldへ戻す。電流値Ichkへ低下させる期間は、正常燃焼時と失火時の筒内圧が異なる期間内に設定すればよいため、実行タイミングの許容誤差は、従来例のように厳しくない。例えば、4気筒エンジンで、6000回転の場合、正常燃焼時と失火時との筒内圧差が大きい時期は、およそ1行程期間、すなわち5msあり、その期間に2回の目標電流値変更の処理を実施すればよい。それぞれの実施タイミングの許容ばらつきとして、10度クランク角とすると、これは時間で約280μsであり、マイクロコンピュータが他のソフトウエア処理を実施する間、本処理が待たされたとしても、許容できる範囲で問題ない。すなわち、従来例よりも、低速なマイクロコンピュータでよい。
以上のように、失火判定手段16にて失火の有無を判定終了後、開駆動角度において弁54を開動作するが、失火していない場合は、閉弁側電磁石11を停止し、失火している場合は、速度制御手段17により、弁を減速させる。速度制御手段17について、本特許は新しい技術を提案しないため、本特許の技術を適用する以前の動弁装置に備えられていた速度制御手段をそのまま用いてもよい。あるいは、下記に説明するように、閉弁側電磁石11を開駆動角度から減速期間終了角度まで、所定の電流値Imfで駆動し、その後、通電を停止してもよい。なお、減速期間終了角度、及び、電流値Imfは、あらかじめ適合された値を用いる。これらの値は、クランク角や内燃機関の運転状態に応じて随時更新してもよい。例えば、減速期間終了角度は、ATDC170度とする。電流Imfは、正常燃焼時と同じ弁速度となるように適合した値に設定する。
次に、図4のフローチャートを参照して、本実施の形態の動作を説明する。
図4は、失火検出手段16及び速度制御手段17の処理を示すフローチャートである。制御装置1内の動弁制御処理部15は、クランク角や内燃機関の運転状態に応じて算出した所定の期間、一定時間、または、一定クランク角ごと、または、下記判定角度到達時に、スタートより処理を開始する。例えば、点火から、10度クランク角ごとに、排気行程が終わるまでの間実施し、タイミングは、圧縮上死点後のクランク角(ATDC)の値にて判定する。または、失火判定開始角度、失火判定終了角度、開駆動角度、減速期間終了角度、にて処理を開始する。
まず、ステップ10(以下ステップをSと略す)にて、失火判定開始角度であるか否かを判定する。失火判定開始角度になっていないときは、Y判定となり、閉弁側電磁石11の目標電流値を、アーマチュア57を全閉位置に保持するための電流値Ihdlに設定する。次に、S12にて、失火フラグを0に設定(クリア)し、エンドにて処理を終了する。
S10にて、失火判定開始角度に到達、S13にて、失火判定終了角度には達していない、つまり、失火判定開始角度から失火判定終了角度までの間は、S14に進み、閉弁側電磁石11の目標電流値を失火しているか否かを検出するための電流値Ichkに設定する。
次に、S15にて、位置検出手段の情報から、アーマチュア57が全閉位置であるか否かを判断する。全閉位置である場合は、Y判定となり、エンドにて処理を終了する。全閉位置でない場合は、N判定となり、S16にて、失火フラグを1に設定(セット)し、エンドにて処理を終了する。
位置検出手段が可動部位置センサ3である場合は、検出位置が全閉位置であるか否かにより判定する。位置検出手段が可動部速度センサ2である場合は、速度が開弁方向に発生しているか否かにより、アーマチュア57が全閉位置であるか否かを判断する。動弁装置に、可動部位置センサ3や可動部速度センサ2がない場合は、アーマチュア57が全閉位置である場合のみONするスイッチを設け、このスイッチのON/OFFにより判定する。
S13にて、失火判定終了角度に到達、S17にて、開駆動角度には達していない、つまり、失火判定終了角度から開駆動角度までの間は、S18に進み、閉弁側電磁石の目標電流値を、アーマチュア57を全閉位置に保持するための電流値Ihdlに再び設定する。そして、エンドにて処理を終了する。
S17にて、開駆動角度に到達、S19にて、減速期間終了角度には達していない、つまり、開駆動角度から減速期間終了角度までの間は、S20に進み、失火フラグが0(クリア)か否かを判定する。失火フラグが0(クリア)である場合は、Y判定となり、S21にて、閉弁側電磁石11の目標電流値を0に設定する。S20で、失火フラグが1(セット)である場合は、N判定となり、S22にて、閉弁側電磁石11の目標電流値を、アーマチュア57を減速させるための電流値Imfに設定する。そして、S21、S22いずれも、エンドに進み、処理を終了する。
S19にて、減速期間終了角度に到達、つまり、減速期間終了角度以降は、S23に進み、閉弁側電磁石11の目標電流値を0に設定し、エンドにて処理を終了する。以上で、閉弁側電磁石11の目標電流値に対する処理は終了する。その後、所定のタイミングにおいて、開弁側電磁石12の目標電流値を電流値Ihdlに設定する。これにより、アーマチュア57を全開位置に保持する。
図5は、実施の形態の失火検出手段16及び速度制御手段17において、排気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値を、一時的に電流値Ichkへ低下させる場合のタイムチャートである。図中上から、排気弁位置、閉弁側電磁石電流、開弁側電磁石電流、それぞれの時間変化を示している。なお、閉弁側電磁石電流、開弁側電磁石電流、それぞれの弁を保持する電流値は、簡便のため、同一のIhldとしている。
失火判定開始角度になっていないときは、閉弁側電磁石11の目標電流値を電流値Ihdlに設定する。このとき、アーマチュア57は全閉位置に保持されている。
失火判定開始角度から失火判定終了角度までの間は、閉弁側電磁石11の目標電流値を電流値Ichkに設定する。この期間中、または、この期間終了時に、位置検出手段の情報から失火の有無を判定する。失火判定開始角度から失火判定終了角度までの時間は、もし、失火している場合に、アーマチュア57が十分開駆動できるだけの時間を設定する。
失火判定終了角度から開駆動角度までの間は、閉弁側電磁石11の目標電流値を電流値Ihdlに再び設定する。失火判定終了角度から開駆動角度までの時間は、失火している場合に、アーマチュア57が全閉位置に戻ってくる時間を設定する。あるいは、この時間を0に設定することもできるが、失火している場合、判定のために動き出した排気弁の位置や速度などに応じて、次の速度制御手段の目標電流値や実行時期を変更する必要がある。
開駆動角度から減速期間終了角度までの間は、先に検出した失火の有無に応じ、閉弁側電磁石11の目標電流値を0、または、電流値Imfに設定する。開駆動角度、減速期間終了角度、電流値Imfは、クランク角や内燃機関の運転状態に応じて算出された値が用いられる。
減速期間終了角度以降は、失火している場合も、閉弁側電磁石11の目標電流値を0とする。その後、開弁側電磁石12の目標電流値を電流値Ihdlに設定する。これにより、アーマチュア57を全開位置に保持する。この角度について、本特許は新しい技術を提案しないため、本特許の技術を適用する以前の角度のままでよい。
図6は、本実施の形態における制御装置1の詳細を示すブロック図である。同図において、動弁制御処理部15は、可動部位置センサ3が出力する位置信号に基づいて可動部の速度目標値を生成する速度目標値生成部5と、可動部速度センサ2が出力する速度信号と速度目標値とを比較する比較部4と、比較部4の比較結果に応じて閉弁側電磁石11または開弁側電磁石12に通電すべき電流目標値を生成する電流目標値生成部6と、閉弁側電磁石電流制御部9または開弁側電磁石電流制御部10のいずれに電流目標値を供給するかを切り換える切替器7を備えている。エンジン制御処理15、閉弁側電磁石電流制御部9、開弁側電磁石電流制御部10、閉弁側電磁石11、開弁側電磁石12は、図1で説明した構成要素と同じ構成要素である。
実施の形態2.
実施の形態1は、失火検出に排気弁を用いる場合であるが、以下に、失火検出に吸気弁を用いる場合を説明する。1つのシリンダには、吸気弁及び排気弁が備えられ、これらの動弁装置は、図1に図示された構成と同じである。どちらの弁に構成されているかを明確にするため、それぞれの名称に、吸気弁の、または、排気弁の、を補い区別することとする。
実施の形態1は、失火検出に排気弁を用いる場合であるが、以下に、失火検出に吸気弁を用いる場合を説明する。1つのシリンダには、吸気弁及び排気弁が備えられ、これらの動弁装置は、図1に図示された構成と同じである。どちらの弁に構成されているかを明確にするため、それぞれの名称に、吸気弁の、または、排気弁の、を補い区別することとする。
動弁装置の動作も、失火検出手段において、一時的に駆動させる弁を吸気弁に変更する以外は、上記実施の形態1と同じである。図5の説明と同様、全ての電磁石電流について、弁を保持する電流値は、簡便のため、同一のIhldとしている。
図7は、失火検出手段16及び速度制御手段17の処理を示すフローチャートである。制御装置1内の動弁制御処理部15は、クランク角や内燃機関の運転状態に応じて算出した所定の期間、一定時間、または、一定クランク角ごと、または、下記判定角度到達時に、スタートより処理を開始する。例えば、点火から、10度クランク角ごとに、排気行程が終わるまでの間実施し、タイミングは、圧縮上死点後のクランク角(ATDC)の値にて判定する。または、失火判定開始角度、失火判定終了角度、開駆動角度、減速期間終了角度、にて処理を開始する。
まず、S30にて、失火判定開始角度であるか否かを判定する。失火判定開始角度になっていないときは、Y判定となり、吸気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値を、吸気弁のアーマチュア57を全閉位置に保持するための電流値Ihdlに設定する。次に、S32にて、失火フラグを0に設定(クリア)し、エンドにて処理を終了する。
S30にて、失火判定開始角度に到達、S13にて、失火判定終了角度には達していない、つまり、失火判定開始角度から失火判定終了角度までの間は、S34に進み、吸気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値を失火しているか否かを検出するための電流値Ichkに設定する。
次に、S35にて、位置検出手段の情報から、吸気弁側アーマチュア57が全閉位置であるか否かを判断する。全閉位置である場合は、Y判定となり、エンドにて処理を終了する。全閉位置でない場合は、N判定となり、S36にて、失火フラグを1に設定(セット)し、エンドにて処理を終了する。
位置検出手段が吸気弁の可動部位置センサ3である場合は、検出位置が全閉位置であるか否かにより判定する。位置検出手段が吸気弁の可動部速度センサ2である場合は、速度が開弁方向に発生しているか否かにより、吸気弁のアーマチュア57が全閉位置であるか否かを判断する。動弁装置に、吸気弁の可動部位置センサ3や吸気弁の可動部速度センサ2がない場合は、吸気弁のアーマチュア57が全閉位置である場合のみONするスイッチを設け、このスイッチのON/OFFにより判定する。
S33にて、失火判定終了角度に到達、S37にて、開駆動角度には達していない、つまり、失火判定終了角度から開駆動角度までの間は、S38に進み、吸気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値を、吸気弁のアーマチュア57を全閉位置に保持するための電流値Ihdlに再び設定する。そして、エンドにて処理を終了する。以上で、吸気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値に対する処理は終了する。
S37にて、開駆動角度に到達、S39にて、減速期間終了角度には達していない、つまり、開駆動角度から減速期間終了角度までの間は、S40に進み、失火フラグが0(クリア)か否かを判定する。失火フラグが0(クリア)である場合は、Y判定となり、S41にて、排気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値を0に設定する。S40で失火フラグが1(セット)である場合は、N判定となり、S42にて、排気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値を、排気弁のアーマチュア57を減速させるための電流値Imfに設定する。そして、S41、S42いずれも、エンドに進み、処理を終了する。
S39にて、減速期間終了角度に到達、つまり、減速期間終了角度以降は、S43に進み、排気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値を0に設定し、エンドにて処理を終了する。以上で、排気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値に対する処理は終了する。その後、所定のタイミングにおいて、排気弁の開弁側電磁石の目標電流値を電流値Ihdlに設定する。これにより、排気弁のアーマチュア57を全開位置に保持する。
図8は、実施の形態の失火検出手段16及び速度制御手段17において、吸気弁の閉弁側電磁石11の目標電流値を、一時的に電流値Ichkへ低下させる場合のタイムチャートである。図中上から、吸気弁位置、排気弁位置、吸気弁の閉弁側電磁石電流、吸気弁の開弁側電磁石電流、排気弁の閉弁側電磁石電流、排気弁の開弁側電磁石電流、それぞれの時間変化を示している。
失火判定開始角度になっていないときは、吸気弁の閉弁側電磁石の目標電流値を電流値Ihdlに設定する。このとき、吸気弁のアーマチュア57は全閉位置に保持されている。
失火判定開始角度から失火判定終了角度までの間は、吸気弁の閉弁側電磁石の目標電流値を電流値Ichkに設定する。図5と同様、この期間中、または、この期間終了時に、位置検出手段の情報から失火の有無を判定する。失火判定開始角度から失火判定終了角度までの時間は、もし、失火している場合に、アーマチュア57が十分開駆動できるだけの時間を設定する。
失火判定終了角度以降は、吸気弁の閉弁側電磁石の目標電流値を電流値Ihdlに再び設定する。
開駆動角度から減速期間終了角度までの間は、先に検出した失火の有無に応じ、排気弁の閉弁側電磁石の目標電流値を0、または、電流値Imfに設定する。
減速期間終了角度以降は、失火している場合も、排気弁の閉弁側電磁石の目標電流値を0とし、アーマチュア57を全開位置に保持するための値とする。その後、排気弁の開弁側電磁石の目標電流値を電流値Ihdlに設定する。これにより、アーマチュア57を全開位置に保持する。この角度について、本特許は新しい技術を提案しないため、本特許の技術を適用する以前の角度のままでよい。
図9は、制御装置1の詳細を示すブロック図である。前記実施の形態1の図6に対し、閉弁側電磁石電流制御部9及び開弁側電磁石電流制御部10が、それぞれの弁に備えられているため、吸気側の構成要素の番号をa付きに、排気側の構成要素の番号をb付きにしている。他の構成要素および動作は同じであるため、説明は省略する。
このようにして、吸気弁を用いて失火検出を行う場合は、失火検出に排気弁を用いる場合より、失火判定終了角度から開駆動角度までの時間を短縮することができる。なぜなら、排気弁の閉弁側電磁石の目標電流値を0としてから、排気弁が開側方向に駆動するまでには、少し遅れ時間がある。この時間の分だけ短縮しても、吸気弁のアーマチュア57が全閉位置に戻ってから排気弁が開く、すなわち、吸気弁、排気弁は同時に開かない。その結果、失火判定開始角度から減速期間終了角度までの必要時間を短縮でき、例えば、よりエンジン高回転時での適用も可能となる。
前記実施の形態1及び2において、失火検出手段及び速度制御手段の処理タイミングを、クランク角の値で定めたが、点火時期、開弁方向に駆動する時期、などを基準とする、角度偏差もしくは時間偏差にて定義することも可能である。この場合も、クランク角や内燃機関の運転状態に応じて算出された値が用いられる。
また、前記実施の形態1及び2において、エンジン制御処理と動弁制御処理は、1つの制御装置内に構成しているが、従来例のように、別々の装置、すなわち、エンジン制御装置と、動弁制御用の制御装置に分けることも可能である。本特許によれば、失火検出に必要なマイクロコンピュータの負荷が小さくなるため、エンジン制御処理と動弁制御処理を1つの制御装置内に構成し、1つのマイクロコンピュータで処理を行うことも可能であり、大きなコスト削減が期待できる。
さらに、前記実施の形態1及び2において、失火検出手段により判定した失火の有無を、動弁装置の速度制御にのみ用いているが、OBD法規対応など他の制御に用いてもよい。すなわち、動弁装置が備えられたエンジンの場合、OBD法規対応の失火検出用に必要となっていたセンサがあれば、それを削除することができ、コスト削減できる。
1 制御装置、2 可動部速度センサ、3 可動部位置センサ、9 閉弁側電磁石電流制御部、10 開弁側電磁石電流制御部、11 閉弁側電磁石、12 開弁側電磁石、14 エンジン制御処理部、15 動弁制御処理部、16 失火検出手段、17 速度制御手段。
Claims (6)
- 排気弁と連動する可動子と、
通電時に前記可動子を開弁方向に作動させる開弁側電磁石と、
通電時に前記可動子を閉弁方向に作動させる閉弁側電磁石と、
前記可動子を開弁方向に付勢する第1の弾性部材と、
前記可動子を閉弁方向に付勢すると共に前記両電磁石が非通電時に第1の弾性部材と協働して前記可動子を両電磁石の中立位置に保持する第2の弾性部材と、
前記可動子が全閉位置か否かを検出する位置検出手段と、
内燃機関の失火を検出する失火検出手段と、
前記失火検出手段が失火を検出したとき、前記排気弁の開弁時に前記可動子の速度が減速するように速度制御する速度制御手段と
を備えた内燃機関の動弁装置であって、
前記失火検出手段は、排気弁の閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させ、前記位置検出手段の情報により、排気弁が全閉か否かを検出することで、失火しているか否かを検出する
ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 吸気弁および排気弁のそれぞれと連動する可動子と、
通電時に前記可動子を開弁方向に作動させる開弁側電磁石と、
通電時に前記可動子を閉弁方向に作動させる閉弁側電磁石と、
前記可動子を開弁方向に付勢する第1の弾性部材と、
前記可動子を閉弁方向に付勢すると共に前記両電磁石が非通電時に第1の弾性部材と協働して前記可動子を両電磁石の中立位置に保持する第2の弾性部材と、
前記可動子が全閉位置か否かを検出する位置検出手段と、
内燃機関の失火を検出する失火検出手段と、
前記失火検出手段が失火を検出したとき、前記排気弁の開弁時に前記可動子の速度が減速するように速度制御する速度制御手段と
を備えた内燃機関の動弁装置であって、
前記失火検出手段は、吸気弁の閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させ、前記位置検出手段の情報により、吸気弁が全閉か否かを検出することで、失火しているか否かを検出する
ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関の動弁装置において、
前記位置検出手段は、可動子の位置センサ、可動子の速度センサ、または可動子が全閉か否かを検出するスイッチのいずれかである
ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 請求項1から3までのいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置において、
前記失火検出手段において、前記閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させるときの通電量は、前記閉弁側電磁石が前記可動子に及ぼす吸引力と失火時の筒内圧による閉弁方向の合成力が、前記第1及び第2の弾性部材による開弁方向の合成力を超えなく、かつ、前記閉弁側電磁石が前記可動子に及ぼす吸引力と正常燃焼時の筒内圧による閉弁方向の合成力が、前記第1及び第2の弾性部材による開弁方向の合成力を超える値にする
ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 請求項1から4までのいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置において、
前記失火検出手段へクランク角や内燃機関の運転情報を伝えるエンジン制御処理部をさらに備え、
前記失火検出手段において、前記閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させる開始時期及び終了時期は、前記開始時期を、点火から所定時間経過時、点火から所定クランク角経過時、または、所定クランク角到達時のいずれかとし、前記終了時期を、通電量減少させてから所定時間経過時、通電量減少させてから所定クランク角経過時、所定クランク角到達時、開弁方向に駆動する時期の所定時間前、または、開弁方向に駆動する時期の所定クランク角前のいずれかとする
ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 請求項5に記載の内燃機関の動弁装置において、
前記失火検出手段において、前記閉弁側電磁石の通電量を一時的に減少させる開始時期、終了時期、通電量は、前記エンジン制御処理部からのクランク角や内燃機関の運転状態に応じて算出される
ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。
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