JP2010241373A - 衝撃吸収装置及び鉄道車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃エネルギーを吸収し、障害物や自車両の損傷を軽減する。
【解決手段】貫通ホロを取付けるためのホロ座2に、ホロの代わりに衝撃吸収体11を取付けることにより、鉄道車両10を改造することなく、長いストロークを確保でき、大きな衝撃吸収エネルギーを吸収することができる。衝撃吸収体11は、中空直方体形状に形成され、障害物と衝突すると塑性変形することによって衝撃エネルギーを吸収する。衝撃吸収体11の断面は、ホロ座2の枠と略同形状に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や列車などの障害物が鉄道車両の正面に衝突したときの衝撃を緩衝し、自動車、列車及び自車両の損傷並びに乗客及び乗務員への衝撃を軽減する衝撃吸収装置及び鉄道車両に関するものである。
既存車両における踏切での自動車や列車との衝突対策として、車両の外板の厚板化や骨の追加などにより車両前面を強化する方法が採られている。また、衝撃吸収材を車両の前方に突出して取り付けることによって、自動車や自車両の損傷を低減させている。例えば、特許文献1の装置は、衝突事故などの異常時に先頭車両の前方に緩衝部材を伸張させることによって、車両の前方で衝撃を受け止め、自動車や自車両の損傷を低減することができる。
特開2008−120383号公報
しかし、車両前面を強化するためには、大規模な改造工事が必要となる。また、衝撃吸収材を車両に取り付ける方法では、車両同士の連結を考慮して、車両の前方に突出した連結器の先端より衝撃吸収材を後方に位置させなければならない。このため、上記特許文献1の衝撃吸収材では、長いストロークを確保できず、大きな衝撃を緩衝することができない。
そこで、本発明の目的は、車両の改造を必要とせずに、長いストロークを確保することできる衝撃吸収装置及びこれを用いた車両を提供することである。
本発明の衝撃吸収装置は、鉄道車両が障害物に正面衝突した時の衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収装置において、衝撃吸収装置は、鉄道車両の妻面に設けられるホロ座に、ホロに代わって取り付けられるものであり、塑性変形することによって衝突時の衝撃エネルギーを吸収する第1衝撃吸収体と、ホロ座が有した、ホロをホロ座に固定するホロ固定部材に係合する第1係合部材とを有している。
本発明によると、ホロ座に取り付けた衝撃吸収装置によって衝撃を吸収できるので、車両前面を強化するための改造が必要とならない。また、ホロをホロ座に取り付ける方法と同様の方法によって、容易に衝撃吸収装置の取り付けができるので、必要に応じて、衝撃吸収装置を車両へ取り付けたり車両から取り外したりすることができる。また、必要に応じて、第1衝撃吸収体の材料、大きさ、形状を変更することができる。さらに、車両同士の連結や車両の牽引などの連結器を使用するときは、車両から衝撃吸収装置を取り外すことができるので、連結器の先端より前方に突出するような第1衝撃吸収体を用いることができ、第1衝撃吸収体において長いストロークを確保することができる。これによって、大きな衝撃を吸収でき、自車両の損傷を軽減することができる。
また、本発明の衝撃吸収装置は、ホロを介して連結される鉄道車両間において、ホロと、一方の鉄道車両に設けられたホロ座との間に取り付けられるものであり、ホロが有した、ホロをホロ座に固定するホロ固定部材に係合する第2係合部材をさらに有していることが好ましい。これによると、連結された車両同士で衝突が起こったとき、その衝突エネルギーが衝撃吸収装置によって吸収されるので、連結器や車両の連結面(妻面)の損傷を軽減することができる。また、衝撃吸収装置を車両間に容易に取り付けたり、取り外したりすることができる。
また、本発明の鉄道車両は、上述の衝撃吸収装置と、車両の前方に突出するように設けられた連結器とを備えており、第1衝撃吸収体の前端が、連結器の先端より前方に突出することが好ましい(但し、ホロを介して連結された鉄道車両間に、衝撃吸収装置が配設される場合を除く。)。これによると、衝撃を吸収するための長いストロークを確保することができる。また、障害物と第1衝撃吸収体とが、連結器の先端の手前で衝突するので、連結器の損傷を軽減できる。
また、本発明の衝撃吸収装置は、第1衝撃吸収体をホロ座に保持するとともにホロ座に固定される保持部材と、第1衝撃吸収体を前方へ移動させる駆動機構とをさらに有しており、駆動機構が、長手方向に関する両端のそれぞれが第1衝撃吸収体と保持部材とに連結された回転リンクと、水平方向に対して所定角度傾斜した回転リンクを、回転リンクの長手方向が水平方向に一致するように回転させる回転駆動部材と、回転駆動部材によって回転した回転リンクを停止させるストッパーとを有していることが好ましい。さらに、本発明の鉄道車両は、上述の衝撃吸収装置と、車両の前方に突出するように設けられた連結器とを備えており、駆動機構によって前方へ移動した第1衝撃吸収体の前端が、連結器の先端より前方に突出することが好ましい。これによると、駆動機構によって第1衝撃吸収体の前端が連結器の先端より前方に突出するので、障害物と第1衝撃吸収体とが連結器の先端の手前で衝突し、連結器の損傷を軽減できる。
また、本発明の衝撃吸収装置及び鉄道車両において、上述の回転リンクが、塑性変形することによって衝突時の衝撃エネルギーを吸収する第2衝撃吸収体であることが好ましい。これによると、第2衝撃吸収体によっても衝撃を吸収することができるので、より大きな衝撃を吸収することができる。
本発明の衝撃吸収装置及び鉄道車両によると、第1衝撃吸収体をホロの代わりに車両に取り付けるので、車両前面を強化するための車両の改造が必要とならない。また、ホロの装着と同様の方法によって衝撃吸収装置を車両に取り付けることができるので、必要に応じて、衝撃吸収装置の取り付けや取り外しができる。また、第1衝撃吸収体の材料、大きさ、形状を変更することができる。これにより、第1衝撃吸収体においてストロークを長く確保でき、大きな衝撃を吸収することができる。
(a)は、本発明の第1実施形態による鉄道車両の正面図、(b)は本発明の第1実施形態による鉄道車両の側面図である。 図1の衝撃吸収装置をホロ座に取り付ける直前の鉄道車両であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示している。 (a)〜(d)は、図1に示す掛金の拡大図である。(a)は背面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d),(e)は掛金を鉄道車両側からみた斜視図である。 (a)は、本発明の第2実施形態による鉄道車両の正面図、(b)は本発明の第2実施形態による鉄道車両の側面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態による鉄道車両の正面図、(b)は本発明の第2実施形態による鉄道車両の側面図である。 (a)は図4に示す回転リンクの一端の拡大図、(b)は図5に示す回転リンクの一端の拡大図である。 図4における衝撃吸収装置をホロ座に取り付ける直前の鉄道車両及び衝撃吸収装置の側面図である。 (a)は、本発明の変形例1による鉄道車両の正面図、(b)は本発明の変形例1による鉄道車両の平面図である。 (a)は、本発明の変形例1による鉄道車両の正面図、(b)は本発明の変形例1による鉄道車両の側面図である。 (a)は、本発明の変形例1による鉄道車両の正面図、(b)は本発明の変形例1による鉄道車両の側面図である。 図8における衝撃吸収装置をホロ座に取り付ける直前の鉄道車両を及び衝撃吸収装置の側面図である。 図8における衝撃吸収装置及びその周辺の拡大図である。 図9における衝撃吸収装置及びその周辺の拡大図である。 図10における衝撃吸収装置及びその周辺の拡大図である。 (a)は、変形例による鉄道車両の側面図であり、(b)は衝撃吸収装置を取り付ける工程を示す図である。 (a)は、変形例による鉄道車両の正面図、(b)は衝撃吸収装置をホロ及び鉄道車両に取り付ける工程を示す図である。 変形例による鉄道車両の側面図である。 (a)は、変形例による鉄道車両の正面図、(b)は他の変形例による鉄道車両の側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
ここでは、図1〜3を用いて、本発明に係る鉄道車両の第1実施形態を説明する。なお、図1(a),(b)、図2(a),(b)では、衝撃吸収装置の配置を主に示しており、衝撃吸収装置を除く部材の記載を省略している。
図1に示すように、鉄道車両10は、鉄道車両10の妻面に配設されたホロ座2と、ホロ座2に取り付けられた衝撃吸収装置100と、鉄道車両10の床下に配設された連結器3と、台車4とを有している。また、鉄道車両10内には運転室が設けられており、運転室内の運転台50には、ブレーキハンドル5が設けられている。
〔衝撃吸収装置100〕
ホロ座2に取り付けられた衝撃吸収装置100は、中空筒状の衝撃吸収体11と、衝撃吸収体11の端部に取り付けられた複数の掛金12とを有している。
〔衝撃吸収体11〕
衝撃吸収体11(第1衝撃吸収部材)は、中空直方体形状に形成されており、アルミニウム合金からなる。なお、本実施の形態では、アルミニウム合金を用いているが、他の軽合金や鉄鋼材を用いてもよい。衝撃吸収体11が、障害物と衝突すると、塑性変形することによって衝撃エネルギーを吸収する。衝撃吸収体11の断面は、ホロ座2の枠と略同形状に形成されており、厚みがホロ座2の枠の幅よりも厚い。衝撃吸収体11をホロ座2に取り付けると、図1(a)に示すように、ホロ座2が衝撃吸収体11によって覆われる。
衝撃吸収体11は、中空部がホロ座2に囲まれた空間と通じるように、ホロ座2に取り付けられている。衝撃吸収体11の後端には、掛金12が取り付けられている。掛金12は、ホロ座2に設けられた掛金受42に係合し、衝撃吸収体11をホロ座2に固定するときに用いられる。
本実施の形態においては、衝撃吸収体11がホロ座2に取り付けられたとき、衝撃吸収体11の前端が、連結器3の先端よりも前方へ突出する。なお、衝撃吸収体11は、本実施の形態における形状や大きさに限られない。例えば、衝撃吸収体11がホロ座2に取り付けられたときの衝撃吸収体11の前端が、連結器3の先端よりも後方や連結器3の先端とほぼ同じ位置になるような大きさの衝撃吸収体11を使用してもよい。
〔掛金12〕
掛金12は、衝撃吸収体11(中空直方体)の後端(ホロ座2側の端部)において、ホロ座2に設けられた孔41及び掛金受42の位置にあうように、また、衝撃吸収体11をホロ座2に取り付けたときの掛金12が、孔41及び掛金受42に対向するように設けられている。本実施の形態においては、衝撃吸収体11(中空直方体)の上面の中央部並びに左右両側面の上下両部及び中央部に取り付けられている。
ここで、掛金12の一例を、図3(a)〜(e)を用いて詳細に説明する。図3(a)〜(c)は、図1(a)において点線で囲まれた掛金12の拡大図である。また、図3(d)は、掛金12がホロ座2の掛止部23に掛けられたときを示しており、図3(e)は、掛金12を掛止部23から外したときを示している。図3(a)〜(e)に示すように、掛金12は、軸21と、軸21の中央付近から下方へ段形状に滑らかに延びたハンドル22と、軸21の一端からハンドル22の延在方向に対して垂直な方向に突出した掛止部23と、軸21の他端に取り付けられたバネ24と、バネ24を掛止部23側から受けるバネ受け25と、掛金12を衝撃吸収体11に固定する固定板26とを有している。掛金12は、掛止部23がホロ座2側にくるように、衝撃吸収体11の後端に取り付けられている。
〔軸21、ハンドル22、掛止部23〕
軸21とハンドル22と掛止部23とは一体に形成されている。ハンドル22を操作すると、軸21が回転し、これとともに、掛止部23が軸21を中心に回転する。このように、ハンドル22を操作することによって掛止部23の突出方向が変わる。掛止部23は、衝撃吸収装置100をホロ座2に取り付けるときに、ホロ座2に形成された後述する孔41に嵌められる。掛止部23を孔41に嵌め、ハンドル22を操作して、掛止部23の突出方向を掛金受42側へ変える。図3(d)に示すように、掛止部23が掛金受42と重なり、掛止部23(掛金12)が掛金受42に掛かる。掛止部23を掛金受42から外すときは、ハンドル22を操作し、掛止部23の突出方向が孔41に合うように変えて、図3(e)に示すように、掛止部23を掛金受42から外す。
〔バネ24、バネ受け25〕
軸21の端部(掛止部23と反対側の端部)には、バネ24がボルト31によって取り付けられている。バネ24の後部(掛止部23側の端部)には、バネ受け25が設けられている。ボルト31は、軸部がバネ24の中空に挿入されている。ボルト31を軸21の端部(掛止部23と反対側の端部)に向けて締め付けることによって、バネ24が軸21に取り付けられている。バネ受け25の後方には、バネ受け25に隣接して支持板28が取り付けられている。支持板28は、平面が軸21に対して垂直になるように、取り付けられている。
〔固定板26〕
支持板28に延在して、固定板26が設けられている。固定板26は、衝撃吸収体11にボルト32によって固定されている。固定板26が衝撃吸収体11に固定されることによって、掛金12が衝撃吸収体11に固定される。
バネ24は、ボルト31の頭部とバネ受け25との間を伸縮し、掛金12を衝撃吸収体11側(掛止部23と反対側)へ付勢する。掛止部23が掛金受42に掛かったとき(図3(d))、バネ24の付勢力によって掛止部23(掛金12)が掛金受42に押し付けられる。これによって、振動などが生じても、掛金12が掛金受42から外れない。
〔ホロ座2〕
ホロ座2には、孔41及び掛金受42が設けられている。掛金受42は、図示しないホロ(貫通ホロ)をホロ座2に固定するときに用いられ、ホロに設けられた掛金12に係合する。本実施の形態において、掛金受42は、衝撃吸収体11に設けられた掛金12に係合する。
ホロ座2は、鉄道車両10の妻面に取り付けられている。ホロ座2の枠体は、図2(a)に示すように、四隅が円弧状に形成された中空直方体形状に形成されている。孔41は、本実施の形態においては、ホロ座2の上枠の中央部並びに左右両枠の上下両部及び中央部に形成されている。孔41は、掛金12の掛止部23よりも少し大きい長方形状に形成されている。掛金受42は、ホロ座2の裏側(構体側)に、孔41に隣接して設けられている。図3(d),(e)に示すように、ホロ座2の裏側は、掛金受42によって段差が生じている。
〔連結器3〕
連結器3は、鉄道車両10の床下端部に設けられており、連結器3の先端が鉄道車両10の先端よりも前方へ突出している。連結器3によって、2車両の連結や故障等の緊急事態に車両同士を連結して推進や牽引する。連結器3の後方には、図示しない緩衝装置が設けられている。連結器3によって2車両を連結したときの車両同士の衝撃を、緩衝装置によって緩和する。
〔ブレーキハンドル5〕
ブレーキハンドル5は、鉄道車両10を停止させるときに運転士によって操作される。鉄道車両10の前方に、人、自動車又は列車などの障害物が、突然現れた非常時には、ブレーキハンドル5を非常ブレーキ位置へ操作する。ここで、ブレーキハンドル5によるブレーキの作動の一例を説明する。鉄道車両10の運転台には、図示しない、元空気溜めに繋がる元空気溜め管、ブレーキシリンダーに繋がるブレーキ管及び排気用の管が設けられている。運転士がブレーキハンドル5をブレーキ位置まで押すと、ブレーキ情報が伝達され、元空気溜め管とブレーキ管とを繋いだブレーキ弁が開き空気が逃がされる。ブレーキ管内は減圧になるが、予め圧力空気が蓄えられている補助空気溜めからブレーキシリンダーに圧縮空気が流れ込み、ブレーキシリンダー圧力が発生してブレーキがかかる。
〔衝撃吸収装置100を鉄道車両10へ取り付ける方法〕
図2(b)に示すように、衝撃吸収体11の掛金12が取り付けられている端部が、ホロ座2に対向するように、衝撃吸収装置100を配置する。掛金12の掛止部23を、ホロ座2に形成された孔41に嵌めながら、衝撃吸収体11をホロ座2に押し付ける。そして、衝撃吸収装置100側から、掛金12のハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42に掛ける。全てのハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42に掛けて、衝撃吸収装置100がホロ座2(鉄道車両10の妻面)に固定する。
〔衝撃吸収装置100を鉄道車両10から取り外す方法〕
衝撃吸収装置100がホロ座2に固定された状態(図1(b))から、ハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42から外す(図3(e))。全てのハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42から外して、衝撃吸収装置100をホロ座2から取り外す。
以上のように、本実施の形態の鉄道車両10及び衝撃吸収装置100によると、図示しないホロの代わりにホロ座2(鉄道車両10)に取り付けた衝撃吸収装置100によって、鉄道車両と障害物とが正面衝突した時の衝撃を吸収できるので、鉄道車両10の前面を強化するための改造が必要とならない。また、ホロをホロ座2に取り付けるときに用いる掛金12及び掛金受42によって、容易に衝撃吸収装置100の取り付けができるので、必要に応じて、衝撃吸収装置100を、鉄道車両10へ取り付けたり鉄道車両10から取り外したりすることができ、また、衝撃吸収体11の材料、大きさ、形状を変更することができる。鉄道車両10同士の連結や鉄道車両10の牽引などの連結器3を使用するときは、ホロ座2から衝撃吸収装置100を取り外せるので、連結器3の先端より前方に突出した衝撃吸収体11を用いても、連結器3の使用に支障が生じず、長いストロークを確保することができる。これによって、大きな衝撃を吸収でき、自車両の損傷を軽減することができる。
また、衝撃吸収体11の前端が連結器3の先端より前方に突出しているので、連結器3の先端より前方で、障害物と衝撃吸収体11との衝突がおこる。これによって、連結器3の損傷を軽減することができる。
また、衝撃吸収体11を作動させずに衝撃を吸収することができるので、例えば、特許文献1に記載の装置のように、緩衝部材を伸長させる構造に必要なメンテナンスが不要になる。
<第2実施形態>
続いて、本発明に係る鉄道車両の第2実施形態を、図4〜図7を用いて説明する。図4は、衝撃吸収体を展開させていないとき(衝撃吸収装置を鉄道車両に取り付けた直後)を示しており、図5は、衝撃吸収体を展開させたときを示している。図6は、回転リンクが回転する工程を示している。なお、本発明の実施の形態と同様なものに関しては、同符号で示し説明を省略する。
第2実施形態における衝撃吸収装置200は、図4(a),(b)に示すように、衝撃吸収体11をホロ座2に保持する取付金210と、取付金210に一端が固定された4本の回転リンク220と、回転リンク220の一端を支持する受け具230とをさらに有している。また、衝撃吸収装置200の上端には、衝撃吸収体11が展開しないように、衝撃吸収体11を取付金210に保持するラッチ240が設けられている。さらに、運転台50には、ラッチ操作ハンドル245が設置されている。ラッチ240とラッチ操作ハンドル245との間は、ワイヤー246によって接続されている。また、運転台50の下方には、ワイヤー巻取り器260が配設されており、ワイヤー巻取り器260に巻き付けられたワイヤー270は、衝撃吸収体11に取り付けられている。さらに、掛金12が、衝撃吸収体11の代わりに取付金210に取り付けられている。なお、これ以外は第1実施形態とほぼ同様なものであるので説明を省略することがある。
〔取付金210〕
取付金210は、ホロ座2と略同形状の金属製の枠体である。衝撃吸収装置200をホロ座2に取り付けるときに、取付金210がホロ座2に固定される。取付金210のホロ座2に固定される枠面には、第1実施形態における衝撃吸収体11と同様に、掛金12が取り付けられている。掛金12は、図4(a)に示すように、上枠の中央部と、左右両枠の上下部及び中央部とに、合計7個取り付けられている。衝撃吸収装置200をホロ座2に取り付けるときは、掛金12をホロ座2の孔41に嵌めながら、取付金210をホロ座2に取り付ける。そして、ハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42に掛けて、取付金210(衝撃吸収装置200)をホロ座2に固定する。衝撃吸収装置200がホロ座2に固定されたとき、取付金210は衝撃吸収体11とホロ座2との間に配設される。
取付金210の上枠の中央付近には、軸受け202が取り付けられている。軸受け202は、ラッチ240の軸241を受ける。
なお、本実施の形態においては、取付金210に、ホロ座2と略同形状の枠状のものを用いたが、この形状のものに限られない。例えば、ホロ座2の上枠や左右両枠に部分的に取り付けられる、短尺状のものを用いてもよい。
取付金210の左右両枠の内側面には、下端部及び中央より上方の位置に合計4つの受け具230が配設されている。受け具230には、回転リンク220の一端が回転自在に固定されている。受け具230の上には、図6に示すように、後方から前方にかけてバネ212、ピン213及びピン受け214が配置されている。
〔受け具230〕
受け具230には、長手方向に沿って中央に溝が形成されており、図4(a)に示すように、断面がコの字形に形成されている。中央の溝の開口が上面になるように、受け具230が取付金210の左右両枠の内側に固定されている。溝の中央付近には、図6(a)に示すように、回転リンク220の一端が位置している。この回転リンク220の一端は、溝の両側面230aに、ピン221によって回転自在に固定されている。回転リンク220は、ピン221によって固定された一端を中心に回転し、受け具230の溝に嵌まり、溝の底面230bによって回転が止められる。具体的には、底面230bにおいて、回転リンク220が固定された部分から前方に延在した部分(底面)230cがストッパーとなって、回転リンク220の回転を止める。
〔バネ212、ピン213、ピン受け214〕
受け具230の上には、図6(a),(b)に示すように、後方から順に、バネ212、ピン213及びピン受け214が配置されている。ピン213は、溝の両側の2つの側面230aに跨って配置されている。バネ212は、一端が図示しないバネ受けに固定されており、他端がピン213に取り付けられている。バネ212は、ピン213をピン受け214側(前方)へ付勢する。ピン受け214は、受け具230の片側の側面230aの上又は両側面230aの上に配設されている。ピン受け214には、ピン213側に溝214aが形成されている。
図6(a)の状態から、ピン213が、バネ212によって付勢され、受け具230の上を前進する。ピン213は、回転リンク220を前方へ押し、ピン受け214の溝214aに嵌まる(図6(b))。溝214aに嵌まったピン213は、回転リンク220が回転してもピン受け214から外れない。
〔回転リンク220〕
回転リンク220は、長手方向に関する一端が受け具230を介して取付金210に固定されており、他端が衝撃吸収体11に固定されている。この他端は、図4(b)に示すように、衝撃吸収体11の内側面に固定されており、取付金210に固定された位置よりも上方に、回転自在に固定されている。ここで、各回転リンク220の衝撃吸収体11に固定された位置を詳細に説明する。上側に配設された回転リンク220は、他端が、衝撃吸収体11の内側面において左右両側面の上端にそれぞれ固定されている。下側に配置された回転リンク220は、他端が、衝撃吸収体11の内側面において左右両側面の中央より少し下方の位置にそれぞれ固定されている。
図4(b)に示すように、ラッチ240が衝撃吸収体11に形成された溝201に係合しているとき、回転リンク220は取付金210(受け具230)に固定された位置から上方に延在している。ラッチ240が溝201から外れると、衝撃吸収体11が自重によって下降する。回転リンク220は、衝撃吸収体11の自重によって、また、バネ212に付勢されたピン213に押されて(図6(a))、回転リンク220の下端(受け具230に固定された端部)を中心に回転する。回転リンク220は、受け具230上に倒れて受け具230の溝に嵌まり、回転リンク220の長手方向が水平方向に一致する。回転リンク220の回転は、受け具230の底面230cによって止められる。
回転リンク220を、回転リンク220の長手方向が略鉛直方向に延在した状態(図6(a))へ戻すときは、衝撃吸収体11を後方へ移動させる。まず、ピン213を、ピン受け214から外し、ピン受け214の反対側(ホロ座2側)へ戻す。そして、衝撃吸収体11を後方へ戻す。衝撃吸収体11の後退に伴って、回転リンク220が、後端(固定された端部)を中心に回転する(図6(b))。
〔ラッチ240〕
取付金210の上枠の中央付近には、ラッチ240が取り付けられている。ラッチ240は、先端に引掛部242を有した鍵状のものであり、後端に軸241を有している。また、ラッチ240の後端には、突起部243が設けられている。突起部243には、ワイヤー246が取り付けられている。
ラッチ240は、軸241を中心に回転する。軸241は、取付金210の上枠に設けられた軸受け202に取り付けられている。引掛部242は、衝撃吸収体11に形成された溝201に係合する。溝201は、衝撃吸収体11の外側面において、上端の中央付近に形成されている。引掛部242が溝201に係合すると、衝撃吸収体11が、取付金210に隣接して保持される。引掛部242が溝201から外れると、衝撃吸収体11が、自重によって下降する。
〔ワイヤー246〕
ワイヤー246は、ラッチ240とラッチ操作ハンドル245とを接続している。ワイヤー246の一端は、突起部243に取り付けられており、他端は、ラッチ操作ハンドル245に接続している。ワイヤー246は、突起部243からローラーによって向きを変えてラッチ操作ハンドル245まで延びている。
〔ラッチ操作ハンドル245〕
運転台50には、ブレーキハンドル5とともにラッチ操作ハンドル245が配設されている。ラッチ操作ハンドル245を操作すると、ワイヤー246がラッチ操作ハンドル245側へ引かれる。突起部243は、ワイヤー246に引かれ、倒れる。ラッチ240は、軸241を中心に回転し、引掛部242が溝201から外れる。
〔ワイヤー巻取り器260〕
ワイヤー巻取り器260は、運転台50の下方に配設されており、本実施の形態においては、ラチェット式のワイヤー巻取り器を用いている。ラチェット式のワイヤー巻取り器260は、ワイヤー270が巻回される巻回軸(図示せず)と、ラチェットギヤ(図示せず)と、ラチェットギヤのギヤ部に係合するラッチ爪(図示せず)と、巻回軸を回転させるハンドル(図示せず)とを有している。また、ハンドルに延設してレバー262が取り付けられている。レバー262を操作し、ハンドルをワイヤー270を巻き付ける方向に操作すると、巻回軸が回転し、ワイヤー270がワイヤー巻回軸に巻き付く。また、ワイヤー270がロックされた状態(ラチェットギヤのギヤ部にラッチ爪が係合した状態)から、レバー262を操作し、ワイヤー270を巻き解く方向へハンドルを操作すると、ラッチ爪がギヤ部から外れ、ワイヤー270が緩められる。
〔ワイヤー270〕
ワイヤー巻取り器260の巻回軸に巻き付けられたワイヤー270は、衝撃吸収体11の内側面に取り付けられている。本実施の形態では、衝撃吸収体11の内側面において中央よりやや下方の位置に取り付けられている。ワイヤー270は、衝撃吸収体11に取り付けられた位置からローラーによって向きを変えてワイヤー巻取り器260の巻回軸に巻き付けられている。
〔ふた261〕
運転台50の下方には、ふた261が取り付けられている。ふた261は、ワイヤー巻取り器260が配設されている高さとほぼ同じ高さの位置に設けられている。ふた261を開けると、運転席とワイヤー巻取り器260が設置された場所とが通じる(図5(b))。ワイヤー270をワイヤー巻取り器260の巻回軸に巻き付けるときは、ふた261を開き、運転席からレバー262を操作する。
〔衝撃吸収装置200を鉄道車両10へ取り付ける方法〕
図7に示すように、衝撃吸収装置200において、ラッチ240を衝撃吸収体11の溝201に係合させ、衝撃吸収体11を取付金210に隣接して保持させておく。この状態の衝撃吸収装置200をホロ座2(鉄道車両10)へ取り付ける。取付金210に取り付けられた掛金12の掛止部23を、孔41に嵌めながら、取付金210をホロ座2に押し付ける。衝撃吸収装置200側から掛金12のハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42に掛け、取付金210(衝撃吸収装置200)をホロ座2に固定する。
その後、ラッチ240の突起部243とラッチ操作ハンドル245との間をワイヤー246によって接続する。また、衝撃吸収体11にワイヤー270を取り付ける。
〔衝撃吸収装置100を鉄道車両10から取り外す方法〕
第1実施形態と同様に、衝撃吸収装置200側から掛金12のハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42から外す。そして、取付金210(衝撃吸収装置200)をホロ座2から取り外す。
〔衝撃吸収体11を展開させる動作〕
鉄道車両10の前方に障害物が現れたときの衝撃吸収装置200を用いた一連の動作を説明する。運行中は、図4(b)に示すように、ラッチ240の引掛部242が衝撃吸収体11の溝201に係合している。衝撃吸収体11は、取付金210に隣接して保持されている。また、回転リンク220は、受け具230によって固定された下端から上方に延在している。なお、衝撃吸収装置200の前端は連結器3の先端より後方に位置している。
運転士が、鉄道車両10の前方に障害物を視認すると、ブレーキハンドル5を非常ブレーキ位置まで操作し、ラッチ操作ハンドル245を操作する。鉄道車両10は減速する。ワイヤー246は、ラッチ操作ハンドル245側へ引かれ、ラッチ240が回転する。ラッチ240の引掛部242が、衝撃吸収体11の溝201から外れ、衝撃吸収体11が、自重によって下降する。衝撃吸収体11が取付金210から離れると、バネ212が伸長し、ピン213がピン受け214に向けて付勢される。回転リンク220は、衝撃吸収体11の自重によって、また、ピン213に押されて、下端部を中心に回転し、衝撃吸収体11を前方へ押し出す。衝撃吸収体11は、下降しながら前方へ押し出され、展開する(図5(b))。回転した回転リンク220は、受け具230の底面230cによって止められ、衝撃吸収体11も停止する。衝撃吸収体11は、回転リンク220の長手方向の長さ分だけ、前方に移動するとともに下降する。(図5(a),(b))。このとき、衝撃吸収体11の先端は、連結器3の先端よりも前方へ突出している。
〔展開した衝撃吸収体11を戻す動作〕
運転台50の下方に設置されたふた261を開き(図5(b))、ワイヤー巻取り器260のレバー262を操作する。レバー262は、ワイヤー270を巻回軸へ巻き付ける方向に操作される。また、レバー262の操作とともに、ピン213を、ピン受け214の溝214aから外し、ピン受け214の反対側(取付金210側)に戻す。ワイヤー270が、ワイヤー巻回軸に巻き付けられ、ワイヤー巻取り器260側へ引かれる。これに伴って、衝撃吸収体11が取付金210側(ホロ座2側)へ引き寄せられ、元の状態に戻る。衝撃吸収体11が戻るにつれて、回転リンク220が、後端(受け具230によって固定された位置)を中心に回転する。衝撃吸収体11が取付金210に隣接するまでワイヤー270を巻き取り、ラッチ240の引掛部242を衝撃吸収体11の溝201に係合させる。
以上のように、本実施の形態の衝撃吸収装置200及び本実施の形態の衝撃吸収装置200を採用した鉄道車両10においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。また、衝撃吸収体11が回転リンク220の回転によって連結器3の先端より前方に展開するので、障害物が近づいても障害物と衝撃吸収体11とが連結器3の先端の手前で衝突する。このため、衝撃吸収体11に、鉄道車両10の長手方向に関する長さの短い形状を有した衝撃吸収体や展開する前の衝撃吸収体11の前端が連結器3の先端より後方に位置する形状の衝撃吸収体11を用いても、連結器の損傷を軽減することができる。また、衝撃吸収体11が、自重によって下降し、鉄道車両10の床下を塞ぐので、鉄道車両10の床下に障害物が巻き込まれることを防止できる。また、本実施の形態において、衝撃吸収体11を展開させていないときの衝撃吸収体11の前端が、連結器3の先端より後方に位置するが、衝撃吸収体11の前端が、連結器3の先端より前方や連結器3の先端とほぼ同じ位置になるように、衝撃吸収体11や取付金210を適宜変更してもよい。これによって、衝撃を吸収するストロークをさらに長く確保できるので、より十分に衝撃を吸収することができる。
また、回転リンク220に、第1実施形態における衝撃吸収体11で用いたアルミニウム合金材などの軽合金や鉄鋼材などの塑性変形することによって衝撃を吸収する材料を用いてもよい。これによって、回転リンク220が衝撃吸収体(第2衝撃吸収体)となり、衝撃吸収体11及び回転リンク220によって衝撃を吸収することができるので、より大きな衝撃を吸収することができる。
<変形例1>
続いて、上述の第2実施形態に係る鉄道車両及び衝撃吸収装置の変形例1を、図8〜図12を用いて説明する。図8は、衝撃吸収体を展開させていないとき(衝撃吸収装置を鉄道車両に取り付けた直後)を示しており、図9,10は、衝撃吸収体を展開させる工程を順に示している。図12a,図12b,図12cは、回転リンクが回転する工程を順に示している。なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同様なものに関しては、同符号で示し説明を省略する。また、図12a,12b,12cにおいては、衝撃吸収体が展開するときに作動する部材を主に示しており、その他の部材(掛金12、孔41、掛金受42、ラッチ240など)の記載を省略している。
本変形例における衝撃吸収装置300は、図8(b),図9(b)及び図12aに示すように、第2実施形態における回転リンク220の代わりに、一対のリンク320(回転リンク321,322)を用いており、また、第2実施形態におけるバネ212、ピン213の代わりに、バネ331,332を用いて回転リンク321,322を回転させる。一対のリンク320は、回転リンク321,322を有しており、回転リンク321,322の各々の中心がピン325によって連結されている。さらに、第2実施形態における、受け具230及びピン受け214を用いておらず、取付金210の左右両枠に縦方向に沿って形成された長穴340と、衝撃吸収体11の左右両側面に縦方向に沿って形成された長穴350とを用いている。なお、これ以外は第2実施形態とほぼ同様なものであるので説明を省略することがある。
〔長穴340〕
図12bに示すように、取付金210には、4つの長穴340が形成されている。長穴340は、取付金210の左右両枠の上部及び下部に、縦方向に沿って形成されている。長穴340は、枠体を貫通して形成され、後述するスライドピン342が通過する細長い穴に形成されている。長穴340の長手方向の長さは、回転リンク321,322の長手方向の長さと略同じ長さに形成されている。
〔長穴350〕
図12bに示すように、衝撃吸収体11の内側面には、4つの長穴350が形成されている。長穴350は、衝撃吸収体11の左右両側面の内側において、上部及び下部に、縦方向に沿って形成されている。長穴350は、取付金210に形成された長穴340と同様に、後述するスライドピン352が通過する細長い穴に形成されている。また、長穴350の長手方向の長さは、回転リンク321,322の長手方向の長さと略同じ長さに形成されている。
衝撃吸収装置300において、長穴340と長穴350の各々は鉄道車両10の長手方向に平行に配列している。平行に配列した長穴340と長穴350との間は、リンク320によって接続されている。
〔リンク320(320a,320b)〕
リンク320は、回転リンク321と回転リンク322とを有している。図12a〜図12cにおいては、上部のリンク320をリンク320aと示し、下部のリンク320をリンク320bと示して説明する。図12bに示すように、回転リンク321と回転リンク322とは、同形状のリンクであり、各々の中央部がピン325によって回転自在に連結されている。
〔回転リンク321〕
回転リンク321は、一端が長穴340の端部に固定ピン341によって固定されており、他端が、スライドピン352によって長穴350上にスライド自在に取り付けられている。スライドピン352は、長穴350の長手方向に沿ってスライドし、これに伴って、回転リンク321の他端が、長穴350上をスライドする。回転リンク321の他端がスライドすると、回転リンク321は、固定ピン341によって固定された端部を中心に回転する。スライドピン352が、長穴350の端部(固定ピン351側の端部)で止まると、回転リンク321の回転が止まる。本変形例においては、図12bに示すように、上方のリンク320aの回転リンク321は、一端が長穴340の上端に固定されており、下方のリンク320bの回転リンク321は、一端が長穴340の下端に固定されている。
〔回転リンク322〕
回転リンク322は、一端が長穴350の端部に固定ピン351によって固定されており、他端が、スライドピン342によって長穴340上にスライド自在に取り付けられている。スライドピン342は、長穴340の長手方向に沿ってスライドし、これに伴って、回転リンク322の他端が、長穴340上をスライドする。回転リンク322の他端がスライドすると、回転リンク322は、固定ピン351によって固定された端部を中心に回転する。スライドピン342が、長穴340の端部(固定ピン341側の端部)で止まると、回転リンク321の回転が止められる。本変形例においては、図12bに示すように、上方のリンク320aの回転リンク322は、一端が長穴350の上端に固定されており、下方のリンク320bの回転リンク322は、一端が長穴350の下端に固定されている。
なお、長穴340,350を形成する位置は、本変形例の位置に限られない。例えば、取付金210の左右両枠のそれぞれの中央付近に長穴340を形成してもよい。長穴350は、長穴340の位置に合うように、衝撃吸収体11の左右両側面のそれぞれの内側において、中央付近に形成する。また、リンク320(回転リンク321,322)の取り付け方及びバネ331,332の取り付ける位置は、変形例1における方法及び位置に限られない。例えば、上方に配設されたリンク320a(回転リンク321,322)の一端を、長穴340,350の下端に固定し、下方に配設されたリンク320b(回転リンク321,322)の一端を、長穴340,350の上端に固定してもよい。
〔バネ331〕
バネ331は、一端がスライドピン352に取り付けられており、スライドピン352を固定ピン351側へ付勢する。バネ331の他端は、図示しないバネ固定部に固定されている。本変形例においては、衝撃吸収体11の左右両側面において、バネ331が、上方に形成された長穴350の下端と、下方に形成された長穴350の上端とのそれぞれに設けられている(図12b)。
〔バネ332〕
バネ332は、一端がスライドピン342に取り付けられており、スライドピン342を固定ピン341側へ付勢する。バネ332の他端は、図示しないバネ固定部に固定されている。本変形例においては、衝撃吸収体11の左右両側面において、バネ332が、上方に形成された長穴340の下端と、下方に形成された長穴340の上端とにそれぞれ設けられている(図12b)。
次に、回転リンク321,322の動作を説明する。なお、下記には、回転リンク321と回転リンク322との動作を分けて説明するが、回転リンク321,322はほぼ同時に回転する。
〔バネ331、スライドピン352、回転リンク321の動作〕
図12aに示す状態から、バネ331が、伸長し、スライドピン352を固定ピン351側へ付勢する。スライドピン352及びスライドピン352に固定された回転リンク321の端部が、長穴350に沿って、固定ピン351側へ移動する(図12b)。これにともなって、回転リンク321が、固定ピン341に固定された端部を中心に回転する。スライドピン352は、長穴350における固定ピン351側の端部で止まり、回転リンク321の回転が止まる。回転リンク321は、回転リンク321の長手方向が水平方向(鉄道車両10の長手方向)に一致した状態になる(図12c)。なお、スライドピン352は、固定ピン351側の端部で止まると、この端部から外れず、固定ピン351の反対側の端部へ戻らない。このため、回転リンク321が水平となった状態に維持される。
〔バネ332、スライドピン342、回転リンク322の動作〕
図12aに示す状態から、バネ332が、伸長し、スライドピン342を固定ピン341側へ付勢する。スライドピン342及びスライドピン342に固定された回転リンク322の端部が、長穴340に沿って、固定ピン341側へ移動する。回転リンク322は、固定ピン351により固定された端部を中心に回転する(図12b)。スライドピン342は、長穴340における固定ピン341側の端部で止められ、回転リンク322の回転が止まる。回転リンク322は、回転リンク322の長手方向が水平方向(鉄道車両10の長手方向)に一致した状態になり、回転リンク321と回転リンク322が重なる(図12c)。なお、上述のスライドピン352と同様に、スライドピン342は、固定ピン341側の端部で止まると、この端部から外れず、固定ピン341の反対側の端部へ戻らない。このため、回転リンク322も水平となった状態に維持される。
対向するバネ331及びバネ332は、ほぼ同時に伸長する。対向するスライドピン352及びスライドピン342も、ほぼ一緒にスライドし、回転リンク321と回転リンク322とはほぼ同時に回転する。
〔衝撃吸収装置300を鉄道車両10へ取り付ける方法〕
図11に示すように、ラッチ240を衝撃吸収体11の溝201に係合させる。衝撃吸収体11が取付金210に隣接して保持された衝撃吸収装置300をホロ座2(鉄道車両10)へ固定する。衝撃吸収装置300をホロ座2に固定するときは、第2実施形態と同様に、取付金210の掛金12を掛金受42に掛けて、取付金210をホロ座2に固定する。
〔衝撃吸収装置300を鉄道車両10から取り外す方法〕
図8(b)の状態から、第2実施形態と同様に、掛金12を掛金受42から外し、取付金210(衝撃吸収装置300)をホロ座2から取り外す。
〔衝撃吸収体11を展開させるときの衝撃吸収装置300の動作〕
第2実施形態と同様に、運行中は、図8(b)に示すように、ラッチ240の引掛部242が衝撃吸収体11の溝201に係合している。また、衝撃吸収体11は、取付金210に隣接して保持されている。さらに、図12aに示すように、上方に配設されたリンク320a(回転リンク321,322)は、固定ピン341,351の各々によって固定された上端部から略鉛直下方向に延在しており、下方に配設されたリンク320b(回転リンク321,322)は、下端部から略鉛直上方向に延在している。
運転士が、ラッチ操作ハンドル245を操作すると、ラッチ240が回転する。ラッチ240の引掛部242は、衝撃吸収体11の溝201から外れ、衝撃吸収体11が取付金210から離れる。バネ331,332が伸長し、バネ331は、スライドピン352を固定ピン351側へ付勢し、バネ332は、スライドピン342を固定ピン341側へ付勢する。回転リンク321は固定ピン341の固定位置を中心に回転し、回転リンク322は固定ピン351の固定位置を中心に回転する。回転リンク321,322の回転によって、衝撃吸収体11が、回転リンク321のスライドピン352側端部及び回転リンク322の固定ピン351側端部によって前方へ押され、展開する(図9,図12b)。
付勢されたスライドピン342は、長穴340の長手方向に沿って固定ピン341側へスライドし、固定ピン341側の端部で止まる。スライドピン352も同様に、長穴350の長手方向に沿って固定ピン351側へスライドし、固定ピン351側の端部で止まる。回転リンク321,322の回転は止められる。回転リンク321,322は、回転リンク321,322の長手方向が水平方向(鉄道車両10の長手方向)に一致して、重なる(図10,図12c)。衝撃吸収体11は、回転リンク321,322の長さ分だけ前方へ移動して、展開する。このときの衝撃吸収体11の先端は、連結器3の先端よりも前方へ突出している。
〔展開した衝撃吸収体11を戻す動作〕
第2実施形態と同様に、運転台50の下方に設置されたふた261を開き、レバー262を操作し、ワイヤー270をワイヤー巻回軸に巻き付きける。また、レバー262の操作とともに、スライドピン342を長穴340に沿って固定ピン341の反対側の端部に戻す。また、スライドピン352を長穴350に沿って固定ピン351の反対側の端部に戻す。衝撃吸収体11は、ワイヤー270によって取付金210側(ホロ座2側)へ引き寄せられ、取付金210に隣接するまで戻される。スライドピン342,352及び衝撃吸収体11が戻るにつれて、回転リンク321,322が回転する。回転リンク321は固定ピン341による固定位置を中心に回転し、回転リンク322は固定ピン351による固定位置を中心に回転する。
衝撃吸収体11が取付金210に隣接するまでワイヤー270を巻き取ると、ラッチ240の引掛部242が溝201に係合する。
以上のように、本変形例の衝撃吸収装置300及び本変形例の衝撃吸収装置300を採用した鉄道車両10においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、回転リンク321,322に衝撃吸収体11と同様のアルミニウム合金材などの塑性変形することによって衝撃を吸収する材料を用いてもよい。これによって、回転リンク321,322が衝撃吸収体(第2衝撃吸収体)となり、衝撃吸収体11及び回転リンク321,322によって衝撃を吸収することができるので、より大きな衝撃を吸収することができる。
<変形例2>
続いて、上述の第1実施形態に係る鉄道車両及び衝撃吸収装置の変形例2を、図13を用いて説明する。
本変形例における衝撃吸収装置400は、図13に示すように、第1実施形態における衝撃吸収装置100において、衝撃吸収体11の前端に、ホロ410に設けられた掛金12を受ける掛金受42と、孔41とをさらに有している。また、衝撃吸収装置400が、ホロ410と鉄道車両10とに取り付けられており、ホロ410を介して連結された鉄道車両450と鉄道車両10との間に配設されている。さらに、本変形例における衝撃吸収体11は、衝撃吸収体11の先端が連結器3の先端よりも後方に位置するような厚みに形成されている。なお、これ以外は第1実施形態とほぼ同様なものであるので説明を省略することがある。
〔孔41、掛金受42〕
衝撃吸収体11の前端(鉄道車両10側端部)には、ホロ410に設けられた掛金12の各々の位置にあうように、また、衝撃吸収体11をホロ410に取り付けたときの掛金12に対向するように、複数の孔41が形成されている。孔41内部には、孔41の開口に隣接して、掛金受42が設けられている。掛金受42は、ホロ410に設けられた掛金12を受ける。本変形例においては、孔41及び掛金受42は、衝撃吸収体11(中空直方体)の前端において、上面の中央部及び左右両側面の上下両部及び中央部に設けられている。
〔ホロ410〕
ホロ410は、ホロ布とホロ布を蛇腹状に保持するホロ骨(図示せず)とを有している。ホロ410の前後両端のそれぞれには、複数の掛金12が設けられている。ホロ410の後端の掛金12は、鉄道車両10のホロ座2に設けられた掛金受42に係合し、ホロ410を鉄道車両10に固定するときに用いられる。本変形例においては、ホロ410の後端の掛金12が、衝撃吸収体11の前端に設けられた掛金受42に係合し、これによって衝撃吸収装置400がホロ410に固定される。また、ホロ410の前端の掛金12は、鉄道車両450のホロ座2に設けられた掛金受42に係合し、ホロ410を鉄道車両450に固定するときに用いられる。
本変形例において、掛金12が、ホロ410の前後両端の上部の中央付近と左右両側部の上下両部及び中央部とに取り付けられている。ホロ410の前後端の掛金12は、掛止部23がホロの外側に位置するように、また、ハンドル22がホロ410の内側に位置するように取り付けられている。
なお、本変形例において、ホロ410に設けられた掛金12にあわせて、衝撃吸収体11の前端に孔41及び掛金受42を設けているが、ホロ410に設けられた部品にあわせて、衝撃吸収体11に設ける部品を変更してもよい。例えば、掛金受42及び孔41が設けられたホロ、又は掛金受42及び孔41と掛金12とを組み合わせて設けられたホロに、衝撃吸収装置400を取り付けるときは、衝撃吸収体11の前端に、掛金12を取り付けたり、掛金12と孔41及び掛金受42とを組み合わせて設けたりしてよい。
〔衝撃吸収装置400をホロ410と鉄道車両10との間に取り付ける方法〕
衝撃吸収装置400を鉄道車両10に固定する。第1実施形態と同様に、衝撃吸収体11の後端に取り付けられた掛金12をホロ座2の掛金受42に掛けて、衝撃吸収装置400を鉄道車両10のホロ座2に固定する。
次に、衝撃吸収装置400をホロ410に固定する。ホロ410の後端部を衝撃吸収体11の前端に押し付け、ホロ410の後端に設けられた掛金12の掛止部23を衝撃吸収体11の前端に形成された孔41に嵌める。そして、ホロ410側から掛金12のハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42に掛ける。
続いて、ホロ410を鉄道車両450に固定する。ホロ410の前端を鉄道車両450の妻面に設けられたホロ座2に押し付ける。ホロ410の前端に設けられた掛金12の掛止部23を、鉄道車両450のホロ座2に形成された孔41に嵌め、ホロ410側から掛金12(ホロ410の前端に設けられた掛金12)のハンドル22を操作し、掛止部23を掛金受42に掛ける。
なお、衝撃吸収装置400及びホロ410を鉄道車両10,450に取り付ける順番は、上述の順番に限られない。例えば、衝撃吸収装置400を鉄道車両10に固定し、ホロ410を鉄道車両450に固定した後に、衝撃吸収装置400をホロ410に固定してもよい。
〔衝撃吸収装置400をホロ410と鉄道車両10とから取り外す方法〕
衝撃吸収装置400をホロ410から取り外す。図13(a)の状態において、ホロ410側からホロ410の後端に取り付けられた掛金12(衝撃吸収装置400をホロ410に固定する掛金12)のハンドル22を操作し、掛金12を衝撃吸収装置400に設けられた掛金受42から外し、衝撃吸収装置400をホロ410から外す。
次に、衝撃吸収装置400を鉄道車両10に設けられたホロ座2から取り外す。第1実施形態と同様に、衝撃吸収装置400側から、衝撃吸収体11の後端に取り付けられた掛金12(衝撃吸収装置400を鉄道車両10のホロ座2に固定する掛金12)のハンドル22を操作し、掛金12を掛金受42から外し、衝撃吸収装置400を鉄道車両10から外す。
以上のように、本変形例の衝撃吸収装置400及び本変形例の衝撃吸収装置400を採用した鉄道車両10においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。また、掛金12、孔41及び掛金受42によって、衝撃吸収装置400をホロ410に取り付け、鉄道車両10と鉄道車両450との間に衝撃吸収装置400を配設させることができる。連結された鉄道車両10及び鉄道車両450間において衝突が起こったときは、衝撃吸収体11によって衝撃エネルギーを吸収することができる。これによって、鉄道車両10の連結器3や鉄道車両450の連結器3の損傷を軽減できるとともに、鉄道車両10及び鉄道車両450の連結面(妻面)の損傷を軽減することができる。
なお、本変形例においては、鉄道車両450と鉄道車両10との間に、第1実施形態に係る衝撃吸収装置400を配設しているが、第2実施形態に係る衝撃吸収装置200や変形例1に係る衝撃吸収装置300を配設してもよい。例えば、後述する変形例3(図14(a),(b))に示すように、変形例1に係る衝撃吸収装置200を、鉄道車両450に取り付けられたホロ410と鉄道車両10との間に取り付けてもよい。
<変形例3>
続いて、上述の変形例1に係る鉄道車両及び衝撃吸収装置の変形例3を、図14を用いて説明する。
本変形例における衝撃吸収装置500は、変形例1における衝撃吸収装置200において、衝撃吸収体11の前端に、ホロ410に設けられた掛金12を受ける掛金受42と、孔41とを有している。また、図14(a)に示すように、衝撃吸収装置500が、ホロ410を介して連結された鉄道車両450と鉄道車両10との間に配設されており、鉄道車両450に取り付けられたホロ410と鉄道車両10との間に取り付けられている。なお、これ以外は変形例1及び変形例2とほぼ同様なものであるので説明を省略することがある。
〔孔41、掛金受42〕
衝撃吸収体11(中空直方体)の前端(鉄道車両10側端部)には、変形例2と同様に、ホロ410に設けられた各々の掛金12の位置にあわせて、孔41と掛金受42が設けられている。孔41及び掛金受42は、衝撃吸収体11(中空直方体)の前端において、上面の中央部と左右両側面の上下両部及び中央部とに設けられている。
なお、本変形例においては、衝撃吸収体11の前端に孔41及び掛金受42が設けられているが、変形例2と同様に、ホロ410に設けられた部品にあわせて、孔41及び掛金受42の代わりに、掛金12を取り付けたり、掛金12と孔41及び掛金受42とを組み合わせて設けたりしてもよい。
〔衝撃吸収装置500をホロ410と鉄道車両10との間に取り付ける方法〕
変形例1と同様に、取付金210を鉄道車両10のホロ座2に取り付ける。次に、変形例2と同様に、衝撃吸収装置500をホロ410に固定し、ホロ410を鉄道車両450に固定する。
〔衝撃吸収装置500をホロ410と鉄道車両10とから取り外す方法〕
変形例2と同様に、ホロ410側からホロ410の後端に取り付けられた掛金12(ホロ410を衝撃吸収装置500に固定する掛金12)を外し、衝撃吸収装置500をホロ410から外す。また、変形例1と同様に、衝撃吸収装置500側から、取付金210に取り付けられた掛金12(衝撃吸収装置500を鉄道車両10のホロ座2に固定する掛金12)を外し、衝撃吸収装置500を鉄道車両10から外す。
以上のように、本変形例の衝撃吸収装置500及び本変形例の衝撃吸収装置500を採用した鉄道車両10においても、変形例1及び変形例2と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態及び変形例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態及び変形例における衝撃吸収装置100,200,300,400,500に設けられた取付金210や孔41及び掛金受42の種類及びこれらの部材を設ける位置は一例であり、鉄道車両(ホロ座)及びホロに設けられた部品(取付金210や孔41及び掛金受42)やその部品の位置に合わせて、適宜変更することができる。例えば、第1実施形態において、掛金12が取り付けられたホロ座2に衝撃吸収装置100を取り付けるときは、図15に示すように、衝撃吸収体11に孔41及び掛金受42を設ける。また、ホロ座2に掛金12と取付金210及び孔41とが組み合わせて設けられているときは、これらの部品と適合するように、衝撃吸収体11に取付金210及び孔41と掛金12とを組み合わせて設ける。
また、本実施の形態及び変形例においては、衝撃吸収体11に、ホロ座2全体を覆う中空直方体形状のものを用いたが、この形状に限られない。例えば、第1実施形態における衝撃吸収装置100において、中空直方体形状の衝撃吸収体11の代わりに、図16に示すような、ホロ座2に部分的に取り付けられる衝撃吸収体を用いてもよい。図16に示す衝撃吸収体11は、ホロ座2の上枠に取り付けられる衝撃吸収体11a及びホロ座2の左右両枠に取り付けられる衝撃吸収体11b,11cを有している。このような衝撃吸収体11を用いると、衝撃吸収体の取り付けや取り外しがより容易になる。また、損傷した衝撃吸収体のみを交換することができる。
また、上述の第2実施形態、変形例1,3などにおいて、ラッチ240の回転が、非常ブレーキの作動に連動して行われる構成としてもよい。例えば、衝撃吸収装置200において、ブレーキハンドル5とラッチ240とがワイヤーによって連結され、ブレーキハンドル5を操作すると、ラッチ240が回転し、衝撃吸収体11が展開する構成としてもよい。これによって、突然現れた障害物に瞬時に対応でき、障害物及び自車両の損傷をより軽減することができる。
2 ホロ座
3 連結器
5 ブレーキハンドル
11 衝撃吸収体
12 掛金
22 ハンドル
23 掛止部
41 孔
42 掛金受
210 取付金
230 ストッパー
220,321,322 回転リンク
240 ラッチ
245 ラッチ操作ハンドル
212,331,332 バネ
213 ピン
320 リンク
410 ホロ
100,200,300,400,500 衝撃吸収装置
10,450 鉄道車両

Claims (6)

  1. 鉄道車両が障害物に正面衝突した時の衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収装置において、
    前記衝撃吸収装置は、鉄道車両の妻面に設けられるホロ座に、ホロに代わって取り付けられるものであり、
    塑性変形することによって衝突時の衝撃エネルギーを吸収する第1衝撃吸収体と、
    ホロ座が有した、ホロを前記ホロ座に固定するホロ固定部材に係合する第1係合部材とを有していることを特徴とする衝撃吸収装置。
  2. 前記第1衝撃吸収体を前記ホロ座に保持するとともに前記ホロ座に固定される保持部材と、
    前記第1衝撃吸収体を前方へ移動させる駆動機構とをさらに有しており、
    前記駆動機構は、
    長手方向に関する両端のそれぞれが前記第1衝撃吸収体と前記保持部材とに連結された回転リンクと、
    水平方向に対して所定角度傾斜した前記回転リンクを、前記回転リンクの長手方向が水平方向に一致するように回転させる回転駆動部材と、
    前記回転駆動部材によって回転した前記回転リンクを停止させるストッパーとを有していることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収装置。
  3. 前記回転リンクが、塑性変形することによって衝突時の衝撃エネルギーを吸収する第2衝撃吸収体であることを特徴とする請求項2に記載の衝撃吸収装置。
  4. 前記衝撃吸収装置は、
    ホロを介して連結される鉄道車両間において、前記ホロと、一方の鉄道車両に設けられたホロ座との間に取り付けられるものであり、
    前記ホロが有した、前記ホロを前記ホロ座に固定するホロ固定部材に係合する第2係合部材をさらに有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の衝撃吸収装置。
  5. 請求項1に記載の衝撃吸収装置と、鉄道車両の前方に突出するように設けられた連結器とを備えた鉄道車両において、
    前記第1衝撃吸収体の前端が、前記連結器の先端より前方に突出していることを特徴とする鉄道車両。
  6. 請求項2又は3に記載の衝撃吸収装置と、鉄道車両の前方に突出するように設けられた連結器とを備えた鉄道車両において、
    前記駆動機構によって前方へ移動した第1衝撃吸収体の前端が、前記連結器の先端より前方に突出することを特徴とする鉄道車両。
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