JP2002293239A - 鉄道車両 - Google Patents

鉄道車両

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JP2002293239A
JP2002293239A JP2001099609A JP2001099609A JP2002293239A JP 2002293239 A JP2002293239 A JP 2002293239A JP 2001099609 A JP2001099609 A JP 2001099609A JP 2001099609 A JP2001099609 A JP 2001099609A JP 2002293239 A JP2002293239 A JP 2002293239A
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shock absorbing
collision
cab
driver
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JP2001099609A
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English (en)
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Eiichi Maehashi
栄一 前橋
Yasufumi Suzuki
康文 鈴木
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Railway Technical Research Institute
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Railway Technical Research Institute
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T30/00Transportation of goods or passengers via railways, e.g. energy recovery or reducing air resistance

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝突時の乗務員や乗客への被害を緩和でき
る、あるいは、衝突後の鉄道車両の復旧作業を容易に行
うことができる等の利点を有する鉄道車両を提供する。 【解決手段】 鉄道車両1の先頭部の上部には運転台2
が設けられており、この運転台2の下には衝撃吸収ブロ
ック30(31、41)が設けられている。運転台2の
フロントガラスと衝撃吸収ブロック30の先端部は、実
質的に面一になっている。衝撃吸収ブロック30は、車
体10に対して交換着脱可能なユニットとして取り付け
られている。衝撃吸収ブロック30は、車体の前後方向
に潰れ得る構造である。大型自動車111の荷台110
等との衝突が起こった場合には、衝撃吸収ブロック30
が車体10の前後方向に潰れて衝突エネルギを吸収し、
後方の車両の乗客への衝撃力の伝達を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時に衝撃
力を吸収する衝撃吸収構造体を備える鉄道車両に関す
る。特には、衝突時の乗務員や乗客への被害を緩和でき
る、あるいは、衝突後の列車の復旧作業を容易に行うこ
とができる、列車の修復コストを低減できる等の利点を
有する鉄道車両に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】まず最
初に、図9〜図11を参照して、鉄道車両と大型自動車
(トラック、ダンプ等)の衝突事故の背景について説明
する。図9は、踏切に停車した大型自動車に鉄道車両が
近づいている状態を示す斜視図である。図10は、図9
の状態から大型自動車と鉄道車両が衝突した後の状態を
示す斜視図である。図11は、大型自動車と鉄道車両の
衝突後の車両運転席の変形状態を示す側面図である。
【0003】図9には、線路Rを走行している列車10
0の前方の踏切Cに、荷台110を有する大型自動車1
11が停止している状態、又は、直前横断中の状態が示
されている。この大型自動車111は、踏切Cの遮断機
Gを突き破り、荷台110が踏切Cを跨いだ位置で停止
している。このような大型自動車111に列車100が
衝突すると、図10に示すように、大型自動車111は
列車100に跳ね飛ばされて転覆する場合が多い。一
方、列車100は、先頭部の運転室101が潰れたり、
車両間の連結部102で中間衝突が起こって座屈変形し
たり、線路Rからの脱線や転覆が生じる等、甚大な被害
が引き起こされる。なお、図9及び図10では2両の列
車が描かれているが、列車は1両の場合もあるし、3両
以上の編成の場合もある。
【0004】このような事故は、自動車の踏切警報無視
や直前横断等の増加に伴って、近年多発している。そし
て、この種の事故が生じた場合に、列車運転士が圧死や
重症に至るケースがあり、鉄道車両側の深刻な問題とな
っている。これをさらに詳しく説明すると、図11に示
すような形で列車100が大型自動車111と衝突した
際には、大型自動車111の荷台110に、列車100
先頭部の運転室101が当たって潰れる。このとき、大
型自動車111の荷台110を支える車体台枠112の
剛性が高いため、列車100の運転室101の下部(大
型自動車111の荷台110の高さに対応する箇所)が
激しく押し潰される。そのため、運転室101内の運転
士Hが、押し潰された運転室101内で挟まれて圧死す
る場合がある。あるいは、運転室101が列車の中高位
置に設置されている場合には、押し潰された運転室の下
部に運転士Hの下肢が挟み込まれて、救出に多大な時間
を必要としたり、切断等の重症事故に至る場合がある。
【0005】このような衝突事故の被害を低減するた
め、従来は、以下(1)〜(4)に述べるような対策が
採られている。 (1)列車先頭部の運転台の前面部分の厚さを厚くした
り、剛性を高くして強化する。この場合は、列車先頭部
が強固になるため、衝突時の列車の衝撃加速度が大きく
なり、車体全体に衝撃エネルギが伝わり易くなる。こう
なると、衝突エネルギが列車内の乗客にも伝わり易くな
るという問題が起こる。さらに、列車が複数連結された
編成車両の場合は、隣り合う車両間の連結部同士が衝突
して変形したり(車両間の中間衝突に伴う座屈変形)、
脱線や転覆が誘引されたりする可能性がある。
【0006】(2)列車先頭部の運転台を大型自動車の
荷台よりも高く設置する。このような例としては、2階
建て車両の2階に運転台を設置して、1階にパノラマ客
室を設置するタイプ(小田急電鉄ロマンスカー等)や、
1階に機器室を設置するタイプ(JR特急車両等)があ
る。ところが、このような場合は、パノラマ客室内の乗
客を保護するために、車体自体を強固に形成せざるを得
ない。したがって、(1)の場合と同様の問題が起こ
る。
【0007】(3)車体の長手方向途中に衝撃吸収構造
やサバイバルゾーンを設ける。図12は、車体の長手方
向途中に衝撃吸収部を設けた車両の衝突時の状態を模式
的に示す側面図である。図12に示す列車では、先頭の
車両100−1の途中に衝撃吸収部100Aが設けられ
ている。そして、この衝撃吸収部100Aより前部10
0Bに運転室が設置され、衝撃吸収部100A内にAT
C等の比較的嵩張らない機器が配置される。このような
列車は、衝突時には先方の車両100−1の衝撃吸収部
100Aがアコーディオン状に潰れて、衝突エネルギが
吸収される。そのため、後方の車両100−2以下の車
両(客車)には衝突エネルギが伝わりにくく、乗客の安
全が確保される。
【0008】ところが、このような列車では、車両10
0−1の運転室100B内の運転士が直接衝撃に晒され
るため、運転士が重症・圧死に至る可能性がある。ある
いは、車体の一部がアコーディオン状に潰れると修復が
困難であるため、衝突後の事故車両は廃棄せざるを得
ず、コストが嵩むという問題もある。
【0009】(4)車体の運転室よりも前部に突出した
衝撃吸収構造を設ける。図13は、車体の運転室よりも
前部に突出した衝撃吸収部を設けた車両を模式的に示す
側面図である。図13に示す列車では、車両100の運
転室100Bの下部において、前方に1〜2m程度(図
13の符号L)突出した衝撃吸収部100Aが設けられ
ている。そして、衝撃吸収部100Aの下面に、車両用
の連結器105が取り付けられている。この種の車両1
00においては、衝突時には衝撃吸収部100Aが潰れ
て衝撃力が吸収され、運転士及び後方車両の乗客の安全
が確保される。
【0010】ところが、このような車両100では、衝
撃吸収部100Aがボンネット状に張り出しており、運
転室100Bが後ろ寄りに位置するため、運転士H1に
は車両前方の連結器105部分が視界の死角となる。そ
のため、車両の編成連結時等には、常に誘導係員H3が
必要となり、人件コストが嵩み、連結作業に時間を要す
る。あるいは、先頭部に連結器105を写すアイカメラ
106を取り付け、対向車両の運転士H2が運転室10
0B内のモニタ装置107で監視しつつ編成連結作業を
行うことも考えられるが、この場合は機器コストが嵩
む。さらに、連結作業時以外にも、車両前方が死角とな
ると、運転士が列車の停止位置を確認しにくいという問
題もある。
【0011】上記(4)の方法は、さらに以下に述べる
問題もある。法令等では、地下線区に列車を入線させる
場合には、連結編成車両間を行き来できる貫通路(車体
端部の扉)の設置を義務付けている。これは、地下線区
では、車両の左右側面とトンネル内壁間の狭い小断面区
間が多いため、緊急時に乗務員や乗客が避難するスペー
スを、列車の前後方向に確保しなければならないからで
ある。ところが、図13に示すような車両100では、
衝撃吸収部100Aで端部が密閉される構造であるため
に、貫通路を形成するのが困難である。さらに、地下線
区に入線しない列車であっても、貫通路が設けられてい
ないと、連結編成車両の各車両に接客乗務員や係員を個
別に搭乗させなければならず、人件費が嵩むという問題
もある。
【0012】現状の鉄道車両においては、衝突時に衝撃
力を吸収する機能と、編成間の貫通路機能を併せもつ車
両の提供が望まれている。本発明は、上記の課題に鑑み
てなされたものであって、衝突時の乗務員や乗客への被
害を緩和できる、あるいは、衝突後の鉄道車両の復旧作
業を容易に行うことができる、列車の修復コストを低減
できる等の利点を有する鉄道車両を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の鉄道車両は、運転台を車体先頭部の上部に
設け、車両衝突時の衝撃を吸収する衝撃吸収構造体を前
記運転台の下に設けたことを特徴とする。
【0014】本発明の鉄道車両によれば、踏切等で大型
自動車との衝突事故が起こり、大型自動車の荷台の台枠
付近に車両の先頭部が当たった場合にも、衝撃吸収構造
体が潰れて衝突エネルギを吸収する。このとき、運転台
は車体の上部にあるため、大型トラックの荷台よりも高
い位置にあって、衝突で潰れた車体に運転士が挟まれる
ことがないので、圧死や下肢の挟み込み等の重症に至る
事態を回避できる。さらに、衝突時の衝撃力は衝撃吸収
構造体で吸収されるため、後方の車両に衝撃加速度が伝
わりにくく、乗客への衝突エネルギの伝達も緩和され
る。なお、運転席のフロアの高さは、例えば軌道面から
1.5〜2.2mとすることができる。
【0015】さらに、本発明の鉄道車両は、衝撃吸収構
造体の上に運転台があるので、運転室からの見通しがよ
い。あるいは、衝撃吸収構造体の長さを長くすると、衝
突衝撃力の吸収エネルギの増加を図ることもできる。
【0016】本発明の鉄道車両においては、前記衝撃吸
収構造体が、前記車体の前後方向に潰れ得る(クラッシ
ャブル)ものとすることができる。この場合、衝撃吸収
構造体が潰れて衝突エネルギが吸収され、後方の車両の
乗客にかかる衝撃力が緩和される。また、車体後部への
衝撃力の伝達も緩和されるので、車両被害が小さくて済
む。
【0017】また、本発明の鉄道車両においては、前記
衝撃吸収構造体が、前記車体に対して交換着脱可能なユ
ニットとして取り付けられているものとすることができ
る。この場合、衝突時の衝撃で潰れた衝撃吸収構造体の
みを新たなユニットと交換して、車両を素早く元の状態
に復帰できる。衝撃吸収構造体の部分的な交換で済むた
め、コストも低減される。又は、事故直後には、現場で
潰れた衝撃吸収構造体を取り外して早急に回送すること
ができるので、事故の復旧作業を簡単で素早く行うこと
ができる。
【0018】さらに、本発明の鉄道車両においては、前
記衝撃吸収構造体に、人が通り抜けることのできる貫通
路が設けられているものとすることができる。この場
合、車両に非常時の待避貫通路機能をもたせることがで
きるので、列車の狭い小断面区間の地下線区への入線に
対応できる。あるいは、一般連結運用区間用の列車にお
いては、貫通路を通って連結編成車両間を行き来できる
ようになるため、各車両に接客乗務員や係員を個別に搭
乗させる必要がなく、人件費を低減できる。
【0019】また、本発明の鉄道車両においては、前記
衝撃吸収構造体の先端部が、前記運転台のフロントガラ
スと実質的に面一に設けられているものとすることがで
きる。この場合、運転台からの車両前方への見通しがよ
くなり、車両前端下部の連結器付近の視界の死角をなく
すことができる。したがって、車両の編成連結時等には
運転士自身が目視で連結作業を確認できるので、誘導係
員やアイカメラ・モニタ装置等が不要となり、コストが
低減される。さらに、間接誘導ではないので、作業を短
時間で確実に行うことができる。さらに、運転士の列車
停止位置の確認も容易になる。
【0020】さらにまた、本発明の鉄道車両において
は、前記車体の台車上に設置される部分に強度部材(枕
梁)が設けられており、 該強度部材に剛体壁状構造体
が固定されており、 該壁状構造体の前方に前記衝撃吸
収構造体が取り付けられているものとすることができ
る。この場合、衝突エネルギを吸収して潰れた衝撃吸収
構造体を、枕梁と剛体壁状構造で受け止めることができ
るので、衝突時の車体後部の損傷を低減できる。
【0021】本発明の鉄道車両においては、車両の連結
器が、車両衝突時に衝突衝撃力をリリース可能なように
取り付けられていることが好ましい。この場合、衝突時
の連結器の突っ張りがなくなり、車体の損傷をより低く
することができる。なお、このような連結器としては、
本発明と同一出願人が開示した特開2000−2554
28号公報や、特願2000−77484等を用いるこ
とができる。
【0022】なお、上記の衝撃吸収構造体は、車両の後
端部(運転台と反対側の端部)にも設けることができ
る。こうすると、列車同士の衝突事故の際にも有効であ
る。あるいは、衝撃吸収構造体は、運転台の後面側の階
段部等に配置することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明の1実施例に係
る鉄道車両を示す斜視図である。図2は、図1の鉄道車
両において衝撃吸収構造体を外した状態を示す斜視図で
ある。図3は、図1の鉄道車両において衝撃吸収構造体
を外した状態を示す側面図である。図4(A)は本発明
の1実施例に係る鉄道車両の衝撃吸収構造体(貫通型)
を示す斜視図であり、図4(B)は同鉄道車両の衝撃吸
収構造体(一体型)を示す斜視図である。なお、以下の
説明においては、上下・左右・前後は図1における矢印
方向を指すものとする。
【0024】図1に示す鉄道車両1は、2階建て(一
例)の車体10を備えている。この車体10の下部に
は、図2や図3に示すように、台枠11が設けられてい
る。台枠11は、前後に延びる側梁12や左右に延びる
端梁13、枕梁15等が組み合わされて形成されてい
る。台枠11の上部には、剛体壁状構造体16が立ち上
がっている。台枠11の枕梁15は、台車20上に取り
付けられている。台車20の下部には、車輪21と車軸
22からなる輪軸が組み込まれている。車輪21は、車
軸22の両端部に圧入されて固定されている。
【0025】図2及び図3に分かり易く示すように、台
枠11の前端には連結器7の基端が取り付けられてい
る。連結器7は、前後の鉄道車両を連結するものであ
る。連結器7の前端側は、後述する衝撃吸収ブロック3
0の下面側に支持されている。この連結器7としては、
自動連結器、密着連結器、中間連結器等の種類があり、
それぞれの特性に応じて用いられる。この例の連結器7
は、車両衝突時に衝突衝撃力をリリースすることができ
るように取り付けられている。このような衝突衝撃力を
リリースする構造としては、本発明と同一出願人が開示
した特開2000−255428号公報や、特願200
0−77484等を用いることができる。
【0026】図1〜図3に示すように、鉄道車両1の先
頭部の上部には、運転台2が設けられており、この運転
台2の下には、図4に示すような衝撃吸収ブロック30
が設けられている。運転台2のフロントガラスと衝撃吸
収ブロック30の先端部は、実質的に面一になってい
る。この例の鉄道車両1の総車高(図1及び図3の符号
h)は約4mであり、運転台2の天井高さ(図1及び図
3の符号h1)は約2mであり、衝撃吸収ブロック30
の高さ(図1及び図3の符号h2)は約1mである。軌
道面から衝撃吸収ブロック30上面(運転台2床面)ま
での高さは、大型自動車の荷台台枠の高さ(約1.5〜
2.2m)に対応しており、荷台台枠の位置が衝撃吸収
ブロック30の位置に対応している。この鉄道車両1
は、運転台2の下に衝撃吸収ブロック30があるので、
車両の有効床面積の減少度合いが小さい。
【0027】衝撃吸収ブロック30は、車体10に対し
て交換着脱可能なユニットとして取り付けられている。
この衝撃吸収ブロック30は、図4(A)に示す貫通型
(符号31)と、図4(B)に示す一体型(符号41)
がある。衝撃吸収ブロック30はアルミハニカム製(一
例)であり、車体の前後方向に潰れ得る(クラッシャブ
ル)構造である。なお、衝撃吸収ブロックは、アルミハ
ニカム製以外にも、例えばアルミ中空押し出し型材やF
RP製のパイプを前後方向(車両長手方向)に複数配列
し、これらの隙間に緩衝材を詰めたもの等、衝撃吸収に
有効であれば多種多様な構造を採用できる。
【0028】図4(A)に示す貫通型の衝撃吸収ブロッ
ク31は、左右方向中央部に、前後方向に延びる貫通路
32が形成されている。貫通路32の幅は、人が通り抜
けることのできる寸法(一例1m)である。貫通路32
の下端には、底面35が存在する。この底面35の下側
には、胴受け36が形成されている。この胴受け36
は、上述した連結器7の前端側を支持するためのもので
ある。貫通路32の前面には、開閉可能な扉3(図1参
照)が取り付けられる。この貫通路32を挟んで両側の
ブロック部33、34の前面には、照明器具33A、3
4Aが組み込まれている。このような貫通型の衝撃吸収
ブロック31では、左右のブロック部33、34が衝撃
吸収部となる。
【0029】貫通型の衝撃吸収ブロック31を備える車
両1は、貫通路32を非常時の待避貫通路とすることが
できるため、車両1の地下線区への入線に対応できる。
あるいは、一般連結運用区間用の車両においては、貫通
路32を通って連結編成車両間を行き来できるようにな
るため、各車両に接客乗務員や係員を個別に搭乗させる
必要がない。そのため、人件費を低減できる。
【0030】図4(B)に示す一体型の衝撃吸収ブロッ
ク41は、貫通路を有しない左右一体型のものである。
この衝撃吸収ブロック41は、図4(A)の衝撃吸収ブ
ロック31と同様に、下側に胴受け46が形成されてお
り、前面に照明器具47、48が組み込まれている。
【0031】このような衝撃吸収ブロック30(31、
41)は、図2に示す車体先頭部に対して、台枠11の
枕梁15から立ち上がった剛体壁状構造体16に、ブロ
ック後端部がボルト・ナット等で固定されている。衝撃
吸収ブロック30を固定する手段は、ボルト・ナット以
外であってもよい。
【0032】なお、枕梁15及び剛体壁状構造体16の
位置を車体10の後側に位置させ、衝撃吸収ブロック3
0の長さを長くすることによって、衝突衝撃力の吸収エ
ネルギの増加を図ることもできる。あるいは、衝撃吸収
ブロックは、運転台2の後面側の階段部等にも配置する
ことができる。
【0033】次に、上述した鉄道車両1の衝突時の作用
について述べる。図5は、大型自動車と本発明に係る鉄
道車両の衝突後の車両運転席の変形状態を示す側面図で
ある。図9を参照して説明した状況と同様に、線路R上
を走行している列車の前方の踏切Cに、荷台110を有
する大型自動車111が進入しているとする。踏切Cの
見通しが悪いと、直前横断も多い。この大型自動車11
1は、踏切Cの遮断機を突き破り、荷台110が線路を
跨いだ位置で停止しているとする。この大型自動車11
1に対して、本発明に係る鉄道車両1が近付いて衝突す
ると、図5に示すように、大型自動車111の荷台11
0に車体10先頭部の衝撃吸収ブロック30が当たる。
このとき、衝撃吸収ブロック30が車体10の前後方向
に潰れて衝突エネルギを吸収し、後方の車両の乗客への
衝撃力の伝達を緩和する。そして、衝突エネルギを吸収
する間の衝撃力は、後端側の剛体壁状構造16で受け止
められる。
【0034】このような衝突の際、車両1の運転台2は
大型自動車111の荷台110よりも高い位置にあるた
め、運転台2が直接荷台110に衝突するわけではな
い。そして、衝突時には衝撃吸収ブロック30は前後方
向に潰れるが、運転室2は前後方向に潰れないので、運
転士Hが挟み込まれない。したがって、運転士Hの圧死
や下肢の挟み込み等の重症に至る事態が回避される。さ
らに、衝突エネルギは衝撃吸収ブロック30で吸収され
るので、車体10後部にも衝撃力が伝わりにくく、車体
10後部の損傷も低減される。
【0035】さらに、車両1の衝突時には、連結器7に
かかる衝突衝撃力が適切にリリースされる。図5では、
連結器7が車体10の下側に脱落した状態が示されてい
る。連結器7が衝突衝撃力のリリース機能を有するの
で、連結器7の突っ張りが発生せず、車両1の大型自動
車11への乗り上げや、車体10の大変形等が防止され
る。
【0036】衝突事故の発生後は、衝撃吸収ブロック3
0が車体10に対して交換着脱可能なユニットとして取
り付けられているので、潰れた衝撃吸収ブロック30を
事故現場で取り外して、事故車両を早急に回送すること
ができる。そのため、事故の復旧作業を素早く行うこと
ができる。事故車両を回送した後は、潰れた衝撃吸収ブ
ロック30のみを新たなユニットと交換すると、車両を
元の状態に復帰できる。このように、事故車両の修復に
際しては、衝撃吸収ブロック30の部分的な交換を行う
だけでよいので、修復コストが低減される。
【0037】次に、上述した鉄道車両1の連結時の作用
について述べる。図6は、本発明に係る鉄道車両の連結
時の状態を示す側面図である。上述したように、本発明
に係る鉄道車両1は、運転台2のフロントガラスと衝撃
吸収ブロック30の先端部が実質的に面一になってお
り、運転士Hは車両1の最前部に搭乗できる。そのた
め、運転台2からの車両前方の見通しがよくなり、車両
前端下部の連結器7付近が視界の死角にならない。した
がって、運転士H自身が目視で連結作業を確認できるの
で、作業時の誘導係員やアイカメラ・モニタ装置等の補
助機器は不要であり、コストが低減される。あるいは、
編成連結作業以外にも、例えば運転士Hの列車停止位置
の確認等も容易になる。
【0038】なお、上述の実施例では、踏切Cに停車し
た大型自動車111に衝突する場合について説明した
が、例えば、図7に示すように、走行中の鉄道車両1の
前方に落石等の障害物Wが存在する場合等にも、同様の
作用効果が得られる。
【0039】なお、本発明に係る鉄道車両は、例えば図
8のように構成することもできる。この図8の鉄道車両
は、本発明を2階建てではない通常の平屋型の車両に適
用した場合の一例である。
【0040】図8は、本発明に係る鉄道車両の他の例を
示す斜視図である。図8に示す鉄道車両は、平屋型の車
体50の先頭部に運転台52及び衝撃吸収ブロック30
が設けられている。台枠や台車等の構成は、上述した鉄
道車両1とほとんど同様である。運転台52の下の衝撃
吸収ブロック30(31、41)は、図4に示したもの
を用いることができる。衝撃吸収ブロック30は、台枠
の枕梁及び剛体壁状構造体とともに、衝撃吸収構造体を
構成する。このような車両では、運転台52が車体50
の上面よりも上方に突き出ているが、運転台52のフロ
ントガラスと衝撃吸収ブロック30の先端部は実質的に
面一である。
【0041】この鉄道車両は、先頭部の総車高(図8の
符号h)が約4mであり、運転台52の天井高さ(図8
の符号h1)が約2mであり、衝撃吸収ブロック30の
高さ(図8の符号h2)が約1mである。この鉄道車両
においても、上述した鉄道車両1と同様に、軌道面から
衝撃吸収ブロック30上面(運転台52床面)までの高
さが大型自動車の荷台台枠の高さ(約1.5〜2.2
m)に対応しており、荷台台枠の位置が衝撃吸収ブロッ
ク30の位置に対応している。このような鉄道車両も、
上述した鉄道車両1と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鉄道車両
によれば、踏切等で大型自動車との衝突事故が起こった
際に、運転士の圧死や下肢の挟み込み等の重症に至る事
態を回避でき、後方車両の乗客への衝突エネルギの伝達
も緩和できる。さらに、運転室からの見通しがよい。
【0043】衝撃吸収構造体を車体の前後方向に潰れ得
る(クラッシャブル)ものとした場合は、後方の車両の
乗客への衝撃力の伝達や車体後部への衝撃力の伝達が緩
和でき、被害が小さくて済む。衝撃吸収構造体が車体に
対して交換着脱可能なユニットとして取り付けられてい
る場合は、衝撃吸収構造体の部分的な交換を行うことで
事故車両を早急に元の状態に復帰でき、コストが低減で
きる。又は、事故の復旧作業も簡単で素早く行うことが
できる。
【0044】衝撃吸収構造体に人が通り抜けることので
きる貫通路を設けた場合は、車両に非常時の待避貫通路
機能をもたせることができ、列車の狭い小断面区間の地
下線区への入線に対応できる。あるいは、一般連結運用
区間用の列車においては、各車両に接客乗務員や係員を
個別に搭乗させる必要がなく、人件費を低減できる。
【0045】衝撃吸収構造体の先端部が、運転台のフロ
ントガラスと実質的に面一に設けられている場合は、運
転台からの車両前方の見通しがよくなり、車両前端下部
の連結器付近の視界の死角をなくすことができので、車
両の編成連結のための誘導係員やアイカメラ・モニタ装
置等が不要となり、コストが低減される。さらに、運転
士の列車停止位置の確認も容易になる。
【0046】車体の台車上に設置される部分に強度部材
(枕梁)が設けられており、強度部材に剛体壁状構造体
が固定されており、壁状構造体の前方に衝撃吸収構造体
が取り付けられており、衝突時の車体後部の損傷を低減
できる。車両の連結器が、車両衝突時に衝突衝撃力をリ
リース可能なように取り付けられている場合は、衝突時
の連結器の突っ張りがなくなり、車体の損傷をより低く
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る鉄道車両を示す斜視図
である。
【図2】図1の鉄道車両において衝撃吸収構造体を外し
た状態を示す斜視図である。
【図3】図1の鉄道車両において衝撃吸収構造体を外し
た状態を示す側面図である。
【図4】図4(A)は本発明の1実施例に係る鉄道車両
の衝撃吸収構造体(貫通型)を示す斜視図であり、図4
(B)は同鉄道車両の衝撃吸収構造体(一体型)を示す
斜視図である。
【図5】大型自動車と本発明に係る鉄道車両の衝突後の
車両運転席の変形状態を示す側面図である。
【図6】本発明に係る鉄道車両の連結時の状態を示す側
面図である。
【図7】本発明に係る鉄道車両の前方に障害物が存在す
る状態を模式的に示す側面図である。
【図8】本発明に係る鉄道車両の他の例を示す斜視図で
ある。
【図9】踏切に停車した大型自動車に鉄道車両が近づい
ている状態を示す斜視図である。
【図10】図9の状態から大型自動車と鉄道車両が衝突
した後の状態を示す斜視図である。
【図11】大型自動車と鉄道車両の衝突後の車両運転席
の変形状態を示す側面図である。
【図12】車体の長手方向途中に衝撃吸収部を設けた車
両の衝突時の状態を模式的に示す側面図である。
【図13】車体の運転室よりも前部に突出した衝撃吸収
部を設けた車両を模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
1 鉄道車両 2、52
運転台 3 扉 7 連結
器 10、50 車体 11 台
枠 12 側梁 13 端
梁 15 枕梁 16 剛
体壁状構造体 20 台車 21 車
輪 22 車軸 30(31、41) 衝撃吸収ブロック 32 貫通路 33、3
4 ブロック部 33A、34A、47、48 照明器具 35 底面 36、4
6 胴受け 100 列車 101
運転室 102 車両間の連結部 105
連結器 106 アイカメラ 107
モニタ装置 110 荷台 111
大型自動車 112 車体台枠 C 踏切 G 遮
断機 H(H1、H2) 運転士 H3
誘導係員 R 線路 W 障
害物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転台を車体先頭部の上部に設け、車両
    衝突時の衝撃を吸収する衝撃吸収構造体を前記運転台の
    下に設けたことを特徴とする鉄道車両。
  2. 【請求項2】 前記衝撃吸収構造体が、前記車体の前後
    方向に潰れ得る(クラッシャブル)ものであることを特
    徴とする請求項1記載の鉄道車両。
  3. 【請求項3】 前記衝撃吸収構造体が、前記車体に対し
    て交換着脱可能なユニットとして取り付けられているこ
    とを特徴とする請求項2記載の鉄道車両。
  4. 【請求項4】 前記衝撃吸収構造体に、人が通り抜ける
    ことのできる貫通路が設けられていることを特徴とする
    請求項1、2又は3いずれか1項記載の鉄道車両。
  5. 【請求項5】 前記衝撃吸収構造体の先端部が、前記運
    転台のフロントガラスと実質的に面一に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の鉄道
    車両。
  6. 【請求項6】 前記車体の台車上に設置される部分に強
    度部材(枕梁)が設けられており、 該強度部材に剛体壁状構造体が固定されており、 該壁状構造体の前方に前記衝撃吸収構造体が取り付けら
    れていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記
    載の鉄道車両。
  7. 【請求項7】 車両の連結器が、車両衝突時に衝突衝撃
    力をリリース可能なように取り付けられていることを特
    徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の鉄道車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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