JP2010241265A - 道路勾配推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】道路勾配の推定の誤差を防止し、また道路勾配推定の機会を多くすることのできる道路勾配推定装置を提供する。
【解決手段】車両の駆動力から求まる基準加速度と車速の変化量に基づいて求まる実加速度とから前記車両が走行している道路の勾配を推定する道路勾配推定装置において、前記車両で制動操作された際の前記道路の勾配の推定値の信頼度を求める信頼度算出手段(ステップS1,S2)と、その信頼度算出手段で求められた前記信頼度が予め定めた基準値より低い場合には前記道路勾配の推定を禁止する推定禁止手段(ステップS8)とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】車両の駆動力から求まる基準加速度と車速の変化量に基づいて求まる実加速度とから前記車両が走行している道路の勾配を推定する道路勾配推定装置において、前記車両で制動操作された際の前記道路の勾配の推定値の信頼度を求める信頼度算出手段(ステップS1,S2)と、その信頼度算出手段で求められた前記信頼度が予め定めた基準値より低い場合には前記道路勾配の推定を禁止する推定禁止手段(ステップS8)とを備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、車両が走行している道路の勾配を推定する装置に関し、特に制動操作が行われている状態を含めて道路勾配を推定する装置に関するものである。
車両が走行している道路の勾配は、車両の加減速に大きく影響するから、車両の加速性能や制動性能あるいはエネルギ回生などの制御を好適に行うためには、道路勾配を正確に検出もしくは推定し、これを各種の制御に反映させることが望ましい。道路勾配は、登坂路であれば走行抵抗として車両の走行に影響し、また降坂路では加速力として車両に影響を及ぼすから、平坦路での加速度と登坂路あるいは降坂路での加速度とを比較することにより道路の勾配を求めることができる。例えば特許文献1には、車速の変化として求められる実加速度と、エンジンの出力トルクなどから求められる予測加速度とを比較し、それらの偏差に基づいて道路勾配を推定することが記載されている。また、車両の加減速度は、制動操作によっても変化するので、特許文献1に記載された発明では、ブレーキ操作の実行中とブレーキ操作が終了した後の一定時間の間は、道路勾配の推定を禁止することとしている。
登坂路でブレーキ操作を行った場合には減速度が増大し、また降坂路では加速度が減じられる。このようなブレーキ操作による加減速度の変化は、ブレーキ操作によって生じる制動力に応じたものとなる。したがって、道路勾配の推定を行う際にブレーキ操作が行われたとしても、その制動力に応じた加減速度を減算もしくは加算することにより、道路勾配を推定することができる。しかしながら、その場合、減速操作とブレーキ制動力との関係が想定したものからずれていると、道路勾配の推定に誤差が生じることになる。そこで、例えば特許文献2に記載された発明は、道路勾配が既に知られている箇所を走行している際に、減速操作とブレーキ制動力との関係を学習補正し、その学習補正した関係に基づいて、ブレーキ操作時の道路勾配の推定を行うように構成されている。
上記の特許文献1に記載された装置は、ブレーキ操作が実行された場合に一律に道路勾配の推定を禁止するので、道路勾配を推定する機会が大きく制限されてしまい、それに伴って道路勾配に基づく変速機やエンジンなどの制御が制限される可能性がある。これに対して特許文献2に記載された装置は、減速操作されている場合であっても道路勾配を推定することができる。しかしながら、その推定制御に使用する減速操作量とブレーキ制動力との関係は、勾配が既知の登坂路もしくは降坂路を走行して、減速操作量とブレーキ制動力との補正された関係を使用するから、勾配が既知の登坂路もしくは降坂路を走行するまでは、減速操作量とブレーキ制動力との関係に大きな誤差がある場合、その誤差が道路勾配の推定の誤差となって現れる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、道路勾配の推定の機会を増大でき、また推定の誤差を可及的に低減できる装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両の駆動力から求まる基準加速度と車速の変化量に基づいて求まる実加速度とから前記車両が走行している道路の勾配を推定する道路勾配推定装置において、前記車両で制動操作された際の前記道路の勾配の推定値の信頼度を求める信頼度算出手段と、その信頼度算出手段で求められた前記信頼度が予め定めた基準値より低い場合には前記道路勾配の推定を禁止する推定禁止手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記禁止手段は、前記信頼度が前記基準値以上になった後の経過時間が予め定めた基準時間を経過するまでの間、前記道路勾配の推定を禁止する手段を含むことを特徴とする道路勾配推定装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記基準時間を前記信頼度に基づいて設定する基準時間設定手段を更に備えていることを特徴とする道路勾配推定装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記信頼度は、制動指令量と制動実際値との比較量を含むことを特徴とする道路勾配推定装置である。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記信頼度は、駆動力源から路面に駆動力を伝達する駆動力伝達系統におけるいずれかの箇所での実スリップ率と推定スリップ率との比較結果を含むことを特徴とする道路勾配推定装置である。
請求項1の発明によれば、実加速度と基準加速度とに基づいて道路勾配が推定されるが、制動操作された場合には、実加速度が制動力によって影響を受け、したがって道路勾配の推定値も制動操作に伴って変化する。その場合、制動操作量と実際の制動力とが想定されている関係から外れていれば、すなわち信頼度が基準値より低ければ、道路勾配の推定値の信頼度が低下し、それに伴って道路勾配の推定が禁止される。したがって、制動操作されている場合であっても道路勾配を推定することができるので道路勾配の推定の機会を増大させることができるとともに、推定誤差の大きい値を道路勾配として採用すること、すなわち道路勾配の推定の誤りを解消もしくは抑制することができる。
請求項2および請求項3の発明によれば、推定値の信頼度が低い状態から高い状態に変化した場合、信頼度が回復していても所定の時間の間は、道路勾配の推定が禁止されるから、信頼度が低い状態での影響が残っている推定値を採用することが回避され、その結果、道路勾配の推定の誤りを解消もしくは抑制することができる。
請求項4の発明によれば、制動指令値に対して制動実際値が大きく異なっていれば、制動状態に想定されていない何らかの状態が生じていることになり、このような状態を信頼度の低い状態とするので、道路勾配の推定の誤りを解消もしくは抑制することができる。
請求項5の発明によれば、検出された実際のスリップ率が推定スリップ率に対して大きく異なっている場合、制動力もしくは実加速度に対する制動力の影響の程度を道路勾配の推定に反映させることができないので、このような状態を信頼度の低い状態とし、道路勾配の推定を禁止するので、道路勾配の推定の誤りを解消もしくは抑制することができる。
この発明に係る道路勾配推定装置は、車両で発生させている駆動力に基づく推定加速度と、車両で実際に発生している実加速度との比較結果に基づいて道路勾配を推定する装置である。その場合、実加速度には制動操作されて生じる制動力が影響するので、制動力により減じられた駆動力もしくはその駆動力に対応する推定加速度が採用される。その制動力は、例えば制動操作量もしくは制動指令値を採用する。これは、制動操作量もしくは制動指令値と実際に生じる制動力とが設計上もしくは実験的に想定された所定の関係にあることに基づいている。このような推定加速度と実加速度および制動力に基づく道路勾配の推定制御は従来行われている制御であってよい。
制動操作した場合に生じる実際の制動力は、ブレーキ装置あるいはブレーキ系統および路面の状態が所期通りであれば、制動操作量に応じて生じることが想定されているものとなるが、設計上想定されていない状態が生じていれば、制動操作量と制動力との間に齟齬が生じる。この発明に係る装置は、このようないわゆる制動指令量と制動実際値との間に乖離が生じている場合は、道路勾配の推定を禁止するように構成されている。その制御のための電子制御装置1には、図6に示すように、各種のデータが入力されている。すなわち、自車両の位置を検出するグローバルポジショニングシステム(GPS)からの信号、アクセル開度、スロットル開度、ブレーキスイッチのオン・オフの信号、ブレーキ踏力、車輪速などの信号が電子制御装置1に入力されている。この電子制御装置1は、マイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータを使用して、所定のプログラムに従った演算を行って道路勾配の推定値を求め、あるいはその推定制御を禁止するように構成されている。
その道路勾配の推定制御は、基本的には、前述したように、内燃機関や電気モータあるいはこれらを複合したハイブリッド装置などからなる駆動力源が出力する駆動力と車両が勾配のない平坦路を走行している場合に生じる推定加速度(基準加速度)と、車輪速あるいはこれから求められる車体速度もしくはGPSのデータから算出される車体速度の変化に基づく実加速度とを比較し、その比較結果に基づいて道路勾配を推定することにより行われる。より具体的には、推定加速度と実加速度との差もしくは比率に基づいて道路勾配が推定される。これは、例えば道路勾配推定マップを予め用意しておくことにより行うことができる。そして、前記ブレーキスイッチがオンになっているなど、ブレーキ操作されていることが検出された場合には、推定加速度の値をその制動力に応じて減じた値とすればよい。
このようにしてもめとられた道路勾配推定値の採用・不採用、すなわち道路勾配の推定の実行・禁止は、以下のようにして行われる。図1はその制御の一例を説明するためのフローチャートであって、ここに示すルーチンは所定の短時間ごとに繰り返し実行される。具体的に説明すると、先ず、道路勾配推定値の信頼度R(ΔS)が算出される(ステップS1)。この信頼度R(ΔS)は、操作指令値もしくは操作量と、その操作によって生じた実際値もしくは実際量との差の程度もしくは乖離の程度を示す指標であり、一例として制動時に車両に生じる実スリップ率Srと推定スリップ率Seとの差ΔSの絶対値に基づいて求めることができる。
ΔS=|Sr−Se|
ΔS=|Sr−Se|
なお、実スリップ率Srは、GPSで求められた車体速と車輪速とに基づいて下記の式で算出することができる。なお、車体速は、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)によって求めたものであってもよい。
Sr=(GPS車体速−車輪速)/GPS車体速
Sr=(GPS車体速−車輪速)/GPS車体速
また、推定スリップ率Seは、タイヤと路面との間の摩擦係数μとスリップ率との関係を定めたマップに基づいて求めることができる。そのマップの一例を図2に示してある。なお、タイヤと路面との間の摩擦係数μは下記の式で示す関係にある。
μ=制動力/(車重×重力加速度)
ここで、制動力は、(ブレーキ指令油圧)×(ブレーキパッド面積)×(ブレーキパッドとブレーキディスクとの間の摩擦係数)によって求めることができる。
μ=制動力/(車重×重力加速度)
ここで、制動力は、(ブレーキ指令油圧)×(ブレーキパッド面積)×(ブレーキパッドとブレーキディスクとの間の摩擦係数)によって求めることができる。
以上のようにして求められる実スリップ率Srと推定スリップ率Seとの差ΔSの絶対値を信頼度R(ΔS)に置き換える。この処理は、以降の制御を容易にするための処理であるから、必要に応じて適宜の手法で行えばよく、予め用意したマップを使用する方法、所定の係数を前記の差ΔSに加減乗除する方法、所定の端数を処理する方法などを採用することができる。図3には、前記の差ΔSを信頼度R(ΔS)に置き換えるマップの一例を示してある。ここに示す例は、前記の差ΔSが「0」の場合に信頼度R(ΔS)が「1」となり、前記の差ΔSが大きくなるのに従って信頼度R(ΔS)が反比例的に減少するように作成したマップである。したがって、信頼度R(ΔS)の値が小さいほど、信頼度が低いことになる。
ついで、信頼度R(ΔS)が予め定めた閾値Aより大きいか否かが判断される(ステップS2)。この閾値Aは実験あるいは経験もしくはシミュレーションなどによって人為的に定めたものである。信頼度R(ΔS)が予め定めた閾値Aより大きいことによりステップS2で肯定的に判断された場合には、信頼度R(ΔS)が前記閾値Aを超えた後の経過時間、あるいは信頼度R(ΔS)が前記閾値Aを超えている状態の継続時間Tcnt が求められる(ステップS3)。この時間Tcnt は、信頼度R(ΔS)が前記閾値Aを超えた時点にカウントが開始され、図1に示すルーチンの実行サイクルを1周期としてインクリメントされる時間である。すなわち、
Tcn t=Tcnt +計算周期
として求められる。
Tcn t=Tcnt +計算周期
として求められる。
その経過時間もしくは継続時間Tcnt が禁止時間T(R)を超えているか否かが判断される(ステップS4)。この禁止時間T(R)は、直前の勾配推定誤差が大きく、その影響が残っている可能性を考慮し、前記信頼度R(ΔS)が閾値Aより大きくなっていても勾配の推定を禁止することとした時間である。直前の勾配推定誤差が大きいほど、その影響が残る時間が長くなるものと考えられるので、禁止時間T(R)は信頼度R(ΔS)が小さいほど(信頼度が低いほど)、長くなるように設定されている。図4に禁止時間T(R)を求めるためのマップの一例を示してある。
ステップS4で肯定的に判断された場合、すなわち前記経過時間もしくは継続時間Tcnt が禁止時間T(R)を超えている場合には、道路勾配の推定が許可される(ステップS5)。すなわち、前述した実加速度と推定加速度ならびに制動力とに基づいて推定された道路勾配の値が採用され、必要に応じて他の制御に使用される。なお、禁止時間T(R)の値は、図1に示すルーチンに従う制御が開始された当初は「0」に設定されているから、ステップS3で最初に肯定的に判断された場合には、道路勾配の推定は必ず許可される。
一方、信頼度R(ΔS)が閾値A以下であることによりステップS2で否定的に判断された場合には、禁止時間T(R)がゼロリセットされる(ステップS6)。ついで、前記禁止時間T(R)が計算される(ステップS7)。その算出は、前述した図4に示すマップによって行うことができる。また、その計算は、信頼度R(ΔS)が前記閾値A以下の状態で図1に示すルーチンが繰り返される都度、実行されるので、禁止時間T(R)は逐次更新されることになる。
そして、道路勾配の推定が禁止される(ステップS8)。すなわち、前述した実加速度と推定加速度ならびに制動力とに基づいて推定された道路勾配の値を道路勾配を示す値として採用することが禁止される。実スリップ率Srと推定スリップ率Seとの差ΔSが大きいので、実加速度に影響する実際の制動力などの要因が、予め想定されているものとは異なっており、したがって得られている道路勾配の推定値には誤差が含まれており、その信頼性が低いと考えられるからである。なお、前記経過時間もしくは継続時間Tcnt が禁止時間T(R)以下であることによりステップS4で否定的に判断された場合にもステップS8に進んで道路勾配の推定が禁止される。直前の信頼度の低い状態の影響が残っていて道路勾配の推定値に誤差があると考えられるからである。
上記の制御が実行された場合の各データの変化を図5にタイムチャートで示してある。平坦路もしくは緩い降坂路を走行している状態では、ブレーキ操作されていないので、ブレーキ指令油圧は発生しておらず、またスリップ率の差ΔSも生じていない。したがって、前述した信頼度R(ΔS)は最も大きく、前記時間Tcnt がカウントされ、その値が次第に増大している。さらに、信頼度R(ΔS)が高いことにより道路勾配の推定が許可されている。すなわち、勾配推定値使用禁止フラグがOFFになっている。車両がこのような状態で走行している際に、道路勾配(下り勾配)が増大すると、車速を維持するためにブレーキ操作され(t1時点)、ブレーキ指令油圧が発生するとともに、スリップ率の差ΔSが次第に増大し始める。これは、主として、指令ブレーキ油圧と実ブレーキ油圧との乖離や、ブレーキ装置における推定摩擦係数と実際の摩擦係数との乖離などが要因である。それに伴って信頼度R(ΔS)が低下し始める。この時点およびその直後では、信頼度R(ΔS)が未だ、閾値Aより大きいので、勾配推定値使用禁止フラグはOFFのままであり、道路勾配の推定が行われている。
道路勾配が大きいことによりブレーキ操作が更に行われてブレーキ指令油圧が高くなると、それに伴ってスリップ率の差ΔSが増大し、またそれに基づく信頼度R(ΔS)が低下する。その結果、信頼度R(ΔS)が閾値A以下になると(t2時点)、勾配推定値使用禁止フラグがONになり、時間Tcnt のカウント値がゼロリセットされる。すなわち、この発明に係る装置では、ブレーキ操作されても直ちには道路勾配の推定が禁止されず、信頼度R(ΔS)が閾値A以下になるまで、道路勾配の推定の禁止が遅延される。これに対して、図5に鎖線で示すように、特許文献1に記載されている発明では、ブレーキ操作中には道路勾配の推定を行わないので、特許文献1に記載された発明と比較すると、この発明に係る装置によれば、道路勾配の推定を行う時間を、図5にT1で示す時間、長くすることができる。
ブレーキ操作が所定時間継続して車速が安定するなどのことによりブレーキ操作が解除されると(t3時点)、スリップ率の差ΔSがほぼゼロになるとともに、信頼度R(ΔS)が閾値Aより大きくなり、それに伴って信頼度R(ΔS)が回復した時点からの時間Tcnt のカウントが開始される。この時点およびその直後では、カウントした時間Tcnt が禁止時間T(R)より小さいから、勾配推定値使用禁止フラグがONのままになっており、したがって道路勾配の推定は禁止され、推定値は使用されない。そのため、ブレーキ操作されている際に生じた誤差を含んでいる道路勾配の推定値あるいは誤差の影響の残っている道路勾配の推定値が使用することを回避できる。
その後、時間Tcnt の値が禁止時間T(R)を超えると(t4時点)、勾配推定値使用禁止フラグがOFFとなり、道路勾配推定値の使用、すなわち道路勾配の推定が許可される。この時点では、ブレーキ操作されていたことに伴う誤差は解消し、もしくはその影響がほぼなくなっているので、道路勾配の真値に等しい、もしくは近い推定値を使用することができる。言い換えれば、道路勾配の推定に対する外乱の有無もしくは程度の実情に即して道路勾配の推定制御を再開することができる。これに対して特許文献1に記載された発明では、ブレーキ操作が解除された後の一定時間は道路勾配の推定を行わないので、例えば図5に鎖線で示すように、t5時点まで道路勾配の推定が禁止されてしまう。具体的には、特許文献1に記載された装置では、図5にT2で示す時間の間、推定の禁止が継続するのに対して、この発明に係る装置によれば、図5にT3で示す時間が経過すれば、道路勾配の推定を再開することができる。したがって、この発明に係る装置によれば、特許文献1に記載された装置と比較して、道路勾配の推定の禁止時間が短くなって推定の機会を多くすることができる。
以上述べたように、この発明に係る道路勾配推定装置によれば、道路勾配推定値の正確さに影響を及ぼすいわゆる外乱要因の程度、もしくはその外乱要因に起因する勾配推定値の信頼度を判断し、またその判断結果に基づいて道路勾配の推定を禁止するので、道路勾配の推定の誤差を少なくして精度の高い勾配推定を行うとができるうえに、ブレーキのオン・オフや予め定めた一定時間に基づいて勾配推定を禁止しないので、勾配推定の時間を長くでき、あるいは勾配推定の機会を多くすることができ、ひいては道路勾配を使用する各種制御の制御性を向上させることができる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS1およびステップS2の制御を実行する機能的手段が、この発明における信頼度算出手段に相当し、ステップS8の制御を実行する機能的手段が、この発明における推定禁止手段に相当する。さらに、ステップS7の制御を実行する機能的手段が、この発明における基準時間設定手段に相当する。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであり、この発明における道路勾配推定値の信頼度は、実スリップ率と推定スリップ率との差以外に、制動指令値と制動実際値との差や、駆動力に影響する他の指令値と実際値との差などに基づく値であってもよい。したがって、この発明で対象とする車両は、制動力や駆動力を電気的に発生させるように構成された電気自動車であってもよい。
1…電子制御装置(ECU)。
Claims (5)
- 車両の駆動力から求まる基準加速度と車速の変化量に基づいて求まる実加速度とから前記車両が走行している道路の勾配を推定する道路勾配推定装置において、
前記車両で制動操作された際の前記道路の勾配の推定値の信頼度を求める信頼度算出手段と、
その信頼度算出手段で求められた前記信頼度が予め定めた基準値より低い場合には前記道路勾配の推定を禁止する推定禁止手段と
を備えていることを特徴とする道路勾配推定装置。 - 前記禁止手段は、前記信頼度が前記基準値以上になった後の経過時間が予め定めた基準時間を経過するまでの間、前記道路勾配の推定を禁止する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の道路勾配推定装置。
- 前記基準時間を前記信頼度に基づいて設定する基準時間設定手段を更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の道路勾配推定装置。
- 前記信頼度は、制動指令量と制動実際値との比較量を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の道路勾配推定装置。
- 前記信頼度は、駆動力源から路面に駆動力を伝達する駆動力伝達系統におけるいずれかの箇所での実スリップ率と推定スリップ率との比較結果を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の道路勾配推定装置。
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