JP2010240382A - 自走式搬送車 - Google Patents

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僚 福田
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Fukuda Sangyo Co Ltd
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Abstract

【課題】下肢の不自由な人が自分一人で乗降することができる自走式搬送車を提供する。
【解決手段】本体2の上面に、使用者がその胸部及び腰部を乗せる支持部24を設ける。本体2の前面3aに、前輪7の向きを変えるための操舵ハンドル26を設ける。操舵ハンドル26には、モータ16を停止状態と起動状態とに切り換えるためのスタートスイッチ28を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、下肢の不自由な人のための自走式搬送車に関する。
一般に、下肢の不自由な人が室内を一人で移動する場合には、這って移動している。しかし、這っての移動は、両腕だけで行わなければならず、下肢の不自由な人に多大の労力を強いるという問題がある。そこで、下記参考文献1に記載されているような車椅子を用いることが考えられる。
特開2004−49252号公報
しかしながら、車椅子は、一般の家庭の室内で使用するようには設計製作されておらず、室内で使用することができない。例えば、車椅子は幅が広すぎるため、通常の家庭の廊下は走行することができない。特に、片開きドアが設けられたような室内の開口部を通過することができない。
勿論、車椅子の幅を狭くすれば、廊下等を走行することができる。しかしながら、下肢の不自由な人が一人で車椅子を使用するためには、自己の身体を両腕だけで持ち上げて座部に腰掛けなければならない。しかも、車椅子の座部の高さは、下肢の不自由な人にとってはかなり高いものである。このため、座部に一人で腰掛けることが難しく、仮に室内を走行可能な車椅子を製造したとしても、下肢の不自由な人が車椅子を一人で使用することはほとんど無理であった。
この発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本体と、この本体の下部に設けられた三つ以上の走行車輪と、上記本体に設けられ、上記走行車輪を回転駆動するモータと、上記本体に設けられ、上記モータを起動状態と停止状態とに切り換えるスタートスイッチと、上記本体に正逆方向へ変位可能に設けられ、正逆方向への変位に伴って上記走行車輪のうちの一部の走行車輪の向きを左右方向に変化させる操舵ハンドルとを備え、上記本体の上面に人体の少なくとも上体をうつ伏せ状態で支持する支持部が設けられ、上記スタートスイッチ及び上記操舵ハンドルが上記本体の前面部に配置されていることを特徴としている。
この場合、上記操舵ハンドルが軸状に形成され、上記操舵ハンドルの基端部が上記本体の前面部に左右方向へ回動可能に設けられ、上記操舵ハンドルの先端部が前方に向かって延びていることが望ましい。
上記スタートスイッチが上記操舵ハンドルの上記本体から前方へ突出した部分に設けられていることが望ましい。
上記本体が、上部が開口した箱状をなす収容部、及びこの収容部の上端部にその開口部を閉じた閉位置と開口部を開いた開位置との間を回動可能に設けられた蓋部とを有し、上記収容部内に上記モータが設けられるとともに、このモータに電力を供給するバッテリ及びこのバッテリを充電する際に用いられる充電器がさらに設けられ、上記蓋部が上記閉位置に位置したときに上記収容部の内部に臨む上記蓋部の下面には、上記充電器を電力供給用のコンセントに接続するための接続コードが巻回される巻回部が設けられていることが望ましい。
上記本体の後端部には、長手方向を前後方向に向けた帯状体の先端部が取り付けられており、上記帯状体は、上記支持部上にうつ伏せになった人がその膝を上記帯状体に乗せることができるような長さを有し、しかも少なくとも膝が乗る部分には衝撃を吸収することができる衝撃吸収部が設けられていることが望ましい。
上記本体の後面部には、基端部が左右方向へ回動可能に設けられ、左右方向への回動に伴って上記走行車輪のうちの一部の走行車輪の向きを左右方向に変化させる軸状の副操舵ハンドルが設けられ、この副操舵ハンドルに上記モータを起動状態と停止状態とに切り換える副スタートスイッチが設けられていることが望ましい。
上記操舵ハンドルと上記副操舵ハンドルとの間には、一方の回動を他方に伝達する伝達機構が設けられていることが望ましい。
上記本体の前端部には、上記本体の後端部から取り外された上記帯状体の先端部が着脱可能に取り付けられる取付部が設けられていることが望ましい。
上記走行車輪として一対の前輪と一対の後輪とを有し、上記一対の前輪及び上記一対の後輪がその向きを変化可能とされ、上記一対の前輪が互いに同一方向へ同一角度だけ変化するように連結部材によって互いに連結され、上記一対の後輪が互いに同一方向へ同一角度だけ変化するように副連結部材によって互いに連結され、上記連結部材と上記副連結部材との間には、上記前輪と上記後輪とが互いに逆方向へ互いに同一角度だけ変化するように連結する第2伝達機構が設けられていることが望ましい。
この発明に係る自走式搬送車を用いる場合、使用者は、その上体を支持部にうつ伏せ状態で乗せる。その後、スタートスイッチでモータを起動させ、搬送車を前進又は後退させる。また、操舵ハンドルを操作して左又は右に旋回させる。
ここで、支持部は、使用者がうつ伏せ上体で乗せるものであるから、支持部の左右の幅を狭くし、ひいては本体の幅を狭くすることができる。したがって、この発明に係る自走式搬送車は、室内の廊下やドアの開口部を問題なく走行することができる。
また、支持部は、上体をうつ伏せ上体で乗せるものであるから、その高さを低くすることができる。したがって、使用者は支持部の後方から支持部上に這い上がることができる。あるいは、支持部の左右いずれかの側部から這い上がることができる。いずれにしても支持部の高さが低いので、使用者はその上体を支持部上に容易に乗せることができる。しかも、スタートスイッチ及び操舵ハンドルが本体の前面に配置されているので、使用者は、それらの操作を支持部に上体をうつ伏せに乗せた状態で容易に行うことができる。
以下、この発明を実施するのに最適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図5は、この発明に係る自走式搬送車の第1実施の形態を示す。この実施の形態の自走式搬送車1は、本体2を有している。本体2は、収容部3及び蓋部4によって構成されている。収容部3は、略四角形の箱状をなしており、その上端部が開口させられている。蓋部4は、収容部3の上端開口部を開閉するためのものであり、平板状に形成されている。蓋部4の前端部(図1において右端部)は、収容部3の前面の上端部にヒンジ5を介して上下方向へ回動可能に連結されている。蓋部4は、その後端部を収容部3の後面の上端部に回動可能に連結してもよく、左右いずれかの一側部を収容部3の一側部に回動可能に連結してもよい。蓋部4は、その下面が収容部3の上面に突き当たって収容部3の開口部を閉じた図1に示す閉位置と、この閉位置から図1において時計方向へ100°〜120°程度離れた開位置との間を回動可能である。勿論、蓋部4は、他の角度範囲、例えば180°の範囲で開閉可能にしてもよい。収容部3の後端部内面と蓋部4の下面の後端部との間には、キャッチ6が設けられている。このキャッチ6は、磁石及び磁性材(いずれも図示せず)を有しており、収容部3と蓋部4とのいずれ一方に磁石が固定され、他方に磁性材が固定されている。そして、磁石の磁力により、蓋部4を所定の大きさの力で閉位置に維持している。キャッチ6は、磁力式以外の他の周知のものを採用してもよい。また、キャッチ6に代えて係脱可能なロック機構を採用してもよい。
収容部3の下面には、一対の前輪(走行車輪)7,7及び一対の後輪(走行車輪)8,8が設けられている。すなわち、収容部3の下面には、一対の支持ブラケット9,9が設けられている。一対の支持ブラケット9,9は、下面の前端部に、前後方向へは同一位置に、左右方向へは互いに離れて配置されている。各支持ブラケット9は、収容部3に上下方向に延びる軸線を中心として回転可能に設けられている。支持ブラケット9には、前輪7が水平な軸線を中心として回転可能に設けられている。また、一対の支持ブラケット9.9は、左右に延びる連結部材10によって互いに連結されている。したがって、連結部材10を左右方向へ移動させると、支持ブラケット9,9がそれぞれの回転軸線を中心として回転し、前輪7,7の向きが左右方向へ互いに同一角度だけ変化する。
収容部3の下面には、一対の支持ブラケット11,11が固定されている。一対の支持ブラケット11,11は、下面の後端部に、前後方向へは同一位置に左右方向へは互いに離れて配置されている。しかも、一対の支持ブラケット11,11は、左右方向には一対の支持ブラケット9,9とそれぞれ同一位置に配置されている。支持ブラケット11には、後輪8が左右方向に延びる水平な軸線を中心として回転可能に支持されている。後輪8,8は、前輪7,7に対し前後方向には離れているが、左右方向には同一位置に配置されている。
本体2(搬送車1)は、前、後輪7,8が床面(図示せず)上を転動することによって前後方向へ移動可能であり、連結部材10を所定の中立位置に位置させると搬送車1が前後方向へ直線移動する。連結部材10を搬送車1の後方から見て右側へ移動させると、搬送車1が前進時には右に旋回し、左側へ移動させると左に旋回する。なお、車輪7,8は、床面を傷つけることがないよう、ゴムその他の床より柔軟な材質で構成することが望ましい。
収容部3の下面には、支持ブラケット12が固定されている。この支持ブラケット12は、左右方向においては前輪7,7間及び後輪8,8間のほぼ中央に位置し、前後方向においては後輪8より若干前側に位置するように配置されている。支持ブラケット12は、前後方向においては後輪8と同一位置に配置してもよく、前輪7と同一位置に配置してもよく、さらに前後輪7,8の中央に配置してもよい。支持ブラケット12には、駆動輪(走行車輪)13が左右方向に延びる水平な軸線を中心として回転可能に支持されている。駆動輪13は、搬送車1を走行させるためのものであり、前輪7及び後輪8より軟質な材料、例えば比較的軟質なゴムによって構成されている。しかも、駆動輪13の下端部は、前輪7及び後輪8の下端部より所定の距離だけ、例えば3〜5mm程度だけ下側に位置するように配置されている。したがって、搬送車1に下方を向く荷重が作用していないときには、二つの前輪7,7は床に接触しているが、二つの後輪8,8のいずれか一方の後輪8は床から離間し、他方の後輪8及び駆動輪13だけが床に接触している。しかし、搬送車1に所定の大きさを超える荷重が作用すると、例えば使用者がその上体を後述する支持部24に乗せると、駆動輪13の下部が弾性変形することにより、前輪7,7、後輪8,8及び駆動輪13の全てが床に接触する。駆動輪13を前後輪7,8より下方に突出させた理由は、駆動輪13を床面に必ず接触させ、空転することを防止するためである。勿論、駆動輪13の下端部は、搬送車1に荷重が作用していない状態において、前輪7及び後輪8の下端部と同一平面上に位置するように配置してもよい。また、前輪7及び後輪8の少なくとも一方を回転駆動してもよい。その場合には、駆動輪13が省略される。さらに、前輪7及び後輪8のいずれ一方については、一つだけ設けてもよい。つまり、搬送車1を四輪車とすることなく、三輪車としてもよいのである。その場合にも、前輪7又は後輪8を駆動輪として兼用してもよい。
収容部3の内部には、充電器14、バッテリ15及びモータ16が設けられている。充電器14は、バッテリ15に接続されている。したがって、充電器14の接続コード14aの先端部に設けられたプラグ14bを所定の交流電源、例えば家庭用のコンセント(図示せず)に接続すると、バッテリ15が充電される。収容部3の内部に臨む蓋部4の下面には、コード巻回用の巻回ブラケット17が複数設けられている。複数の巻回ブラケット17の外側にコード14aを巻回することにより、長尺の接続コード14aを収容部3内に整然と収容することができる。コード14aは、蓋部4を開位置に位置させた状態でブラケット17に巻回することができる。複数の巻回ブラケット17によって巻回部が構成されている。
バッテリ15は、収容部3の背面に設けられたメインスイッチ18(図4参照)を介してモータ16に接続されている。メインスイッチ18は、「切」、「前進」及び「後退」のいずれかに切換可能である。メインスイッチ18が「切」状態になると、バッテリ15とモータ16との間が切断される。したがって、モータ16が回転することがない。メインスイッチ18が「前進」に切り換えられ、かつ後述するスタートスイッチ28がオン状態に切り換えられると、モータ16が一方向へ回転する。メインスイッチ18が「後退」に切り換えられ、かつスタートスイッチ28がオン状態に切り換えられると、モータ16が他方向へ回転する。
モータ16は、駆動輪13を回転駆動するためのものであり、その出力軸(図示せず)には、駆動スプロケット19がクラッチ機構(図示せず)を介して連結されている。図4に示すように、収容部3の背面には、クラッチ機構を接続状態と切断状態とに切り換えるための切換スイッチ22が設けられている。切換スイッチ22を、「入」状態にすると、クラッチ機構が接続状態になり、モータ16の回転がクラッチ機構を介して駆動スプロケット19に伝達される。切換スイッチ22を「切」状態に切り換えると、クラッチ機構が切断状態になり、モータ16の出力軸と駆動スプロケット19との間が切断され、モータ16の回転が駆動スプロケット19に伝達されなくなる。なお、切換スイッチ22及びメインスイッチ18は、収容部3の左右いずれかの側面又は前面3aに設けてもよい。
駆動輪13には、被動スプロケット20が駆動輪13と同軸に固定されている。スプロケット19,20間には、チェーン21が巻回されている。したがって、切換スイッチ22を「入」にした状態でモータ16を回転させると、駆動輪13が回転駆動され、搬送車1が移動する。この場合、メインスイッチ18を「前進」状態にしてモータ16を一方向へ回転させると、搬送車1が前進する。逆に、メインスイッチ18を「後退」にしてモータ16を他方向へ回転させると、搬送車1が後退する。なお、収容部3の内部に配置されたモータ16、スプロケット19及びチェーン21は、安全のために筒状をなすカバー23によって覆われている。
本体2の上部には、支持部24が設けられている。支持部24は、うつ伏せになった人体の少なくとも上部を支持するためのものであり、この実施の形態では、うつ伏せになった人体の胸部及び腰部を支持することができるような寸法を有している。支持部24は、蓋部4の平面状をなす上面4a及びその左右両側部に設けられた側板25,25によって構成されている。上面4aは、単なる平面に形成されているが、上面4aに乗る人体の上部に対応した形状に形成することが望ましい。また、上面4aにクッションや座布団等の柔軟な材質からなる介装部材(図示せず)を設け、その上に人体の上部を乗せることが望ましい。この場合、介装部材を人体の大きさに対応して交換することができるよう、介装部材を着脱自在に設けることがさらに望ましい。また、支持部24の左右両側部には、そこから人体が落下することを防止するために側板部25,25が設けられているが、側板25,25と共に、あるいはそれに代えて落下防止用のバンド(図示せず)を設けることが望ましい。
本体2の後端部には、帯状体30が設けられている。この帯状体30は、その長手方向を前後方向に向けて配置されており、その前端部が本体2の背面のメインスイッチ18及び切換スイッチ22より若干下側の箇所に着脱可能に取り付けられている。したがって、帯状体3は、本体2から取り外して洗濯することが可能である。帯状体30の後端部は、床面上に載置される。したがって、搬送車1の移動時には、帯状体30の後端部が床面上を摺動する。
帯状体30は、支持部24に上体を乗せた使用者がその下肢のうちの少なくとも膝を帯状体30の後端部に乗せることができるような長さを有している。勿論、帯状体30は、爪先まで乗せることができるような長さを有していてもよい。帯状体30の左右方向の幅は、本体2の左右方向の幅とほぼ同一に設定されている。
帯状体30のうちの少なくとも膝が乗せられる部位には、例えば膝が段差や突出部等を乗り越えるときの衝撃を緩和するために、衝撃吸収部(図示せず)が設けられている。この実施の形態では、帯状体30全体が毛布で構成されているので、帯状体30全体が衝撃吸収部としの機能を有しているが、帯状体を例えばタオルケットのような比較的薄い布地で構成するようにしてもよく、そのような場合には、帯状体の上面の膝が乗せられる部位にスポンジ等の衝撃吸収性を有する材質からなる衝撃吸収部を設けるのがよい。
収容部3の前面3aの中央部には、操舵ハンドル26が設けられている。操舵ハンドル26は、棒状をなしており、その長手方向を前後方向に向けた状態で配置されている。操舵ハンドル26の基端部は、収容部3の前面部に鉛直な軸線を中心として左右方向へ回転可能に設けられている。操舵ハンドル26の基端部と上記連結部材10との間には、回転伝達ロッド27が設けられており、操舵ハンドル26を水平方向へ回転させると、連結部材10が左右方向へ移動するようになっている。この場合、操舵ハンドル26を、その長手方向が前後方向を向くように、つまり操舵ハンドル26の基端部と先端部とが左右方向において同一位置に位置するように操作すると、連結部材10が中立位置に位置し、搬送車1が真っ直ぐに前進又は後退する。操舵ハンドル26を上方から見て時計方向へ回転操作し、それによって操舵ハンドル25の先端部を右側(後方から見て右側)へ移動させると、連結部材10が中立位置から右側へ移動し、前輪7,7の向きが右側に変化する。この結果、搬送車1がその前進時には右に旋回する。逆に、操舵ハンドル26を上方から見て反時計方向へ回転操作し、それによって操舵ハンドル26の先端部を左側へ移動させると、連結部材10が中立位置から左側へ移動し、前輪7,7の向きが左側に変化する。その結果、搬送車1がその前進時には左に旋回する。
操舵ハンドル26の上面には、スタートスイッチ28がその一部を操舵ハンドルから上方へ突出させた状態で設けられている。スタートスイッチ28は、バッテリ15とモータ16との間の接続状態を切り換えるためのものであり、通常時には「オフ(停止)」状態になっている。スタートスイッチ28を操舵ハンドル26の内部に向かうように下方へ押圧操作すると、スタートスイッチ28が「オン(起動)」状態に切り換わり、バッテリ15とモータ16とがメインスイッチ18を介して接続される。したがって、上記メインスイッチ18が「前進」又は「後退」になっている状態において、スタートスイッチ28を「オン」状態にすると、モータ16が回転し、搬送車1が前進又は後退する。スタートスイッチ28に対する押圧操作を止めて自由な状態にすると、スタートスイッチ28に内蔵されたばね等の付勢手段(図示せず)によってスタートスイッチ28が元の「オフ」状態に戻り、バッテリ15とモータ16との間が切断される。その結果、モータ16が停止し、搬送車1が停止する。
上記構成の自走式搬送車1において、その不使用時には、メインスイッチ18及び切換スイッチ22を「切」状態にしておく。このようにしておけば、スタートスイッチ28を誤って押圧操作してオン状態にしたとしても、モータ16が回転することがない。また、仮に何等かの原因によってモータ16が回転したとしても、駆動輪13が回転することがない。したがって、搬送車1が不用意に移動することを確実に防止することができる。
自走式搬送車1を使用する際には、メインスイッチ18を「前進」又は「後退」に切り換えるとともに、切換スイッチ22を「入」に切り換える。その後、下肢の不自由な使用者は、その胸部及び腰部を支持部24上に乗せる。この場合、支持部24の高さが低いので、使用者は胸部及び腰部を支持部24に容易に乗せることができる。すなわち、使用者は、その上体を両手で持ち上げつつ、搬送車1の後方から這って前進することにより、上体を支持部24上に容易に乗せることができる。このとき、搬送車1が前進してしまうと、支持部24に上体を乗せ難くなるが、モータ16が搬送車1の前進を阻止する。つまり、モータ16が一種の制動手段として作用する。したがって、使用者がその胸部及び腰部を搬送車1の支持部24上に乗せるときに、搬送車1が前進してしまうような事態を未然に防止することができる。よって、使用者は、その胸部及び腰部を支持部24により一層容易に乗せることができる。使用者は、その胸部及び腰部を搬送車1の左右いずれか一方の側部から支持部24上に乗せることも可能である。胸部及び腰部を支持部24上にうつ伏せ上体で乗った使用者の下肢のうちの少なくとも膝は、帯状体30の上に乗せられる。
このようにして支持部24の上に上体を乗せ、帯状体30の上に下肢を乗せたら、使用者は、搬送車1を操縦して所望の位置まで移動する。この場合、使用者は、操舵ハンドル26を把持しつつ、スタートスイッチ28を押圧操作する。すると、モータ16によって駆動輪13が回転駆動され、搬送車1がメインスイッチ18の切換状態に応じて前進又は後退する。前進又は後退時に、操舵ハンドル26を左右いずれかの方向へ回転させると、搬送車1が旋回する。搬送車1の旋回円の曲率半径は、操舵ハンドル26の回転角度(操舵角
度)に応じて変えることができる。なお、搬送車1の前進、後退及び旋回時には、下肢が帯状対30を介して床面上を摺動する。
搬送車1が所望の位置まで移動したり、使用者が危険を察知したりしたときのように、搬送車1を停止させる場合には、スタートスイッチ28の押圧操作を止めて元の状態に戻す。すると、モータ16が停止し、搬送車1が停止する。このとき、スタートスイッチ28の操作は、操舵ハンドル26を把持したままで行うことができる。したがって、搬送車1の停止操作を容易にかつ瞬間的に行うことができる。
搬送車1から降りる場合、使用者は、後ずさりするか、左右いずれかの方向に移動する。これにより、胸部及び腰部を支持部24から外し、搬送車1から降りることができる。その後、メインスイッチ18及び切換スイッチ22を「切」状態に切り換える。これによって、搬送車1が元の状態に戻る。
なお、搬送車1の使用途中に搬送車1の向きを大きく変えたいときには、使用者が搬送車1から降りる。次に、切換スイッチ22を「切」に切り換える。すると、モータ16と駆動スプロケット19との間が切断され、駆動輪13が自由に回転することができるようになる。よって、搬送車1の向きを大きく、しかも容易に変えることができる。
上記構成の搬送車1においては、支持部24に胸部及び腰部を乗せるだけであるから、支持部24の左右の幅を狭くし、ひいては本体1の幅を狭くすることができる。したがって、搬送車1は、室内の廊下や開口部を走行することができる。
また、搬送車1を操作するための操舵ハンドル26及びスタートスイッチ28が本体2(収容部3)の前面3aに配置されているから、支持部24に乗った使用者は、うつ伏せ状態で操舵ハンドル26及びスタートスイッチ28を容易に操作することができる。換言すれば、使用者が支持部24にうつ伏せに乗った状態で操舵ハンドル26及びスタートスイッチ28を操作することができるよう、操舵ハンドル26及びスタートスイッチ28を本体2の前面3aに配置したのである。そして、うつ伏せ状態で支持部24上に上体が乗せられるので、支持部24の高さを低くすることができたのである。支持部24の高さが低いので、下肢が不自由な使用者は、自分一人で自己の上体を支持部24に乗せることができる。よって、使用者は、搬送車1を自分一人で使用することができる。しかも、この実施の形態においては、操舵ハンドル26にスタートスイッチ28が設けられているから、搬送車1の移動、停止及び旋回操作を片方の手だけで行うことができる。
さらに、駆動輪13を二つ用いた場合には、旋回時に左右の駆動輪13,13を差動回転させるために、差動装置が必要である。しかるに、この搬送車1においては、駆動輪13が一つしか用いられていない。したがって、差動装置が不要であり、その分だけ搬送車1を安価に製造することができる。
図6及び図7は、この発明の第2実施の形態を示す。第2実施の形態の自走式搬送車1Aは、操舵系及び帯状体30の取付態様が上記実施の形態と異なっており、その他の構成は上記実施の形態と同様である。そこで、この第2の実施の形態については、上記実施の形態と異なる構成についてのみ説明することとし、上記実施の形態と同様な部分には同一符号を付してその説明を省略する。なお、図6においては、本体2の内部に配置されたモータ16等の各部品及び本体2の下部に配置された車輪7,8等が省略されている。
本体2には、上下に立設された回転伝達ロッド27の下端部が回転可能に支持されている。この回転ロッド27の上端部には、操作ハンドル26の基端部が固定されている。したがって、操作ハンドル26を左右方向へ回転させると、回転伝達ロッド27がその軸線を中心として回転する。回転伝達ロッド27には、その軸線上を下端面から上方に向かって延びる固定孔27aが形成されている。この固定孔27aには、中間軸31の上部が嵌合固定されている。回転伝達ロッド27から下方に突出した中間軸31の下部には、ブラケット32が固定されており、ブラケット32には連結部材10に連結されている。したがって、操作ハンドル26を左右方向へ回転させると、連結部材10が左右方向へ移動し、前輪7,7の向きが左右方向に変化する。その結果、搬送車1Aが左右方向に旋回移動する。
本体2の後端部には、上下に立設された副回転伝達ロッド33の下端部がその軸線を中心として回転可能に設けられている。回転伝達ロッド33の上端部には、長手方向を前後方向に向けた副操舵ハンドル34の基端部(前側の端部)が固定されている。したがって、副操舵ハンドル34を左右方向へ回転させると、副回転伝達ロッド33が回転する。副回転伝達ロッド33には、その軸線上を下端面から上方へ向かって延びる固定孔33aが形成されている。この固定孔33aには、中間軸35の上部が嵌合固定されている。副回転伝達ロッド33から下方に突出した中間軸35の下端部には、スプロケット36が固定されている。一方、上記中間軸31の下端部には、スプロケット37が固定されている。この二つのスプロケット36,37には、チェーン38が巻回されている。したがって、副操舵ハンドル34を左右方向へ回転操作すると、連結部材10が左右方向へ移動する。これから明らかなように、スプロケット36,37及びチェーン38により、操舵ハンドル26と副操舵ハンドル34とのうちのいずれか一方の回動を他方に伝達する伝達機構が構成されている。なお、チェーン38は、スプロケット36,37が同一方向へ回転するように巻回されている。
副操舵ハンドル34の上部には、副スタートスイッチ39が設けられている。この副スタートスイッチ39は、スタートスイッチ28と同様の構成を有しており、メインスイッチ18を前進又は後退にした状態で副スタートスイッチ39を押すと、モータ16が回転し、副スタートスイッチ39を元に戻すとモータ16が停止する。
帯状体30は、副操舵ハンドル34より下側に配置されている。帯状体30の前端部は、本体2の後端の下端部に着脱可能に取り付けられている。本体2の後端部から取り外した帯状体30は、本体2の前端の下端部に着脱可能に取り付けることができるようになっている。つまり、この実施の形態においては、本体2の後端及び前端の各下端部に、帯状体30の前端部が着脱可能に取り付けられる取付部(図示せず)がそれぞれ設けられているのである。
上記構成を有する搬送車1Aによれば、使用者は、搬送車1Aが前方又は後方のいずれの方向へ移動する場合であっても姿勢を前進状態にして運転することができる。すなわち、前進時には上記第1実施の形態の搬送車1と同様にして運転することができる。一方、後退時には、帯状体30を本体2の後端部から取り外した後、本体2の前端部に取り付ける。その後、使用者は後方を向いた状態で支持部24上に乗る。つまり、胸部を支持部24の後部に乗せるとともに、腰部を支持部の前部に乗せる。そして、副操舵ハンドル34を握り、副スタートスイッチ39をオン状態にする。すると、搬送車1Aが後退する。このとき、使用者は、支持部24に後方を向いて乗っているので、前進時と同様に運転することができる。したがって、後退を容易に行うことができる。
図8は、この発明の第3実施の形態を示す。この実施の形態は、上記第2の実施の形態をさらに変形したものである。この実施の形態の搬送車1Bにおいては、収容部3の中央部に駆動ユニット40が設けられている。駆動ユニット40は、金属等の剛性を有する材質からなる収容ボックス41を有している。この収容ボックス41には、上記スタートスイッチ28及び副スタートスイッチ39を除き、充電器14、バッテリ15、モータ16、駆動輪13、メインスイッチ18及びクラッチ切換スイッチ22等の駆動関係の各部品が収容されている。メインスイッチ18及び切換スイッチ22も収容ボックス41に設けることなく、上記実施の形態と同様に収容部3に設けてもよい。
収容部3の底板3bの中央部には、底板3bを上下方向に貫通する貫通孔3cが形成されている。この貫通孔3cには、収容ボックス41が上下方向へ所定範囲移動可能に設けられている。収容ボックス41の移動範囲は、初期位置とこの初期位置より所定距離だけ上方に離れた上限界位置との間に設定されている。収容ボックス41は、収容部3と収容ボックス41との間に設けられたコイルばね等の付勢手段(図示せず)によって下方へ付勢されている。この付勢手段の付勢力により、搬送車1の不使用時には収容ボックス41が初期位置に位置させられている。収容ボックス41が初期位置に位置しているときには、駆動輪13が前輪7及び後輪8より所定の距離、例えば1〜2cm程度だけ下方に突出させられている。その一方、支持部24に所定の大きさ(例えば30Kg)を越える荷重が作用すると、収容ボックス41が本体2に対し付勢手段の付勢力に抗して初期位置から上方へ相対移動する。収容ボックス41が収容部3に対して上方へ移動し、それに伴って駆動輪13が上方へ移動して前輪7及び後輪8と同一高さに達すると、支持部24に作用する荷重が前輪7及び後輪8によっても支持される。したがって、収容ボックス41は、収容部3に対しそれ以上上方へ移動することがなくなる。このとき、収容ボックス41は、上限位置より所定の僅かな距離、例えば1cm程度の距離だけ下側に位置している。このように、支持部24に所定の大きさを越える荷重が作用すると、駆動輪13が上方へ移動するので、駆動輪13は上記実施の形態のように大きく弾性変形する必要がない。よって、駆動輪13を比較的硬質のゴム等で製造することができる。また、駆動輪13が付勢手段によって下方へ付勢されているので、床面に多少の凹凸があったとしても、駆動輪13は床面の凹凸に追随して上下方向へ移動し、床面に常時押圧接触させられる。したがって、駆動輪13が空転することを防止することができ、搬送車1を確実に前進又は後退させることができる。
また、この実施の形態では、駆動輪13が前輪7,7及び後輪8,8中央に配置されている。つまり、駆動輪13は、前輪7と後輪8に対し左右方向及び前後方向へ同一距離だけ離れて配置されている。
後輪8は、前輪7を支持する支持ブラケット9と同様の支持ブラケット(図示せず)を介して本体2に回転可能に支持されている。後輪8,8をそれぞれ支持する二つの支持ブラケットは、支持ブラケット9,9と同様に、左右方向に延びる副連結部材42によって互いに連結されている。副連結部材42は、ブラケット43、中間軸35及び副回転伝達ロッド33を介して副操舵ハンドル34に連結されている。したがって、副操舵ハンドル34を左右方向へ回動させると、後輪8,8の向きが互いに同一角度だけ左右方向へ変化する。
副連結部材42は、連結部材10が支持ブラケット9に対しその回転中心から後方へ離間した箇所に連結されているのに対し、後輪8を支持する支持ブラケットに対しその回転中心から前方へ離間した箇所に連結されている。しかも、副連結部材42は、後輪を支持する支持ブラケットと連結部材42との連結箇所と、当該ブラケットの回転中心との間の前後方向の距離が、支持ブラケット7と連結部材10との連結箇所と、支持ブラケット9の回転中心との間の距離と同一になるように配置されている。したがって、副連結部材42の移動距離と後輪8の回転角度との関係と、連結部材10の移動距離と前輪7の回転角度との関係とが同一になっている。つまり、連結部材10と副連結部材40とが互いに同一距離だけ移動した場合には、前輪7と後輪8とが互いに同一角度だけ回転する。
プーリ36,37間には、チェーン38が複数(この実施の形態では4個)のアイドラー44を介して巻回されている。この場合、チェーン38は、プーリ36,37が互いに逆方向へ回転するように巻回されている。したがって、前輪7と後輪8とは、操舵ハンドル26又は副操舵ハンドル34を回転操作すると、互いに逆方向へ互いに同一角度だけ回転する。これから明らかなように、連結部材10、副連結部材42、プーリ36,37、チェーン38及びアイドラ44によって第2伝達機構が構成されている。
なお、前輪7と後輪8とが互いに逆方向へ互いに同一角度だけ回転するように構成する限り、前輪7の支持ブラケット9と連結部材10との連結箇所は、支持ブラケット9の回転中心に対して前後いずれの方向に離間させてもよい。これは、後輪8の支持ブラケットと副連結部材42との連結箇所についても同様である。すなわち、この実施の形態では、連結部材10を支持ブラケット9の回転中心より後方に配置するとともに、副連結部材42を後輪8の支持ブラケットの回転中心より前方に配置しているが、これとは逆に連結部材10を支持ブラケット9の回転中心より前方に配置するとともに、副連結部材42を後輪8の支持ブラケットの回転中心より後方に配置してもよく、あるいは連結部材10を支持ブラケット9の回転中心より前方に配置するとともに、副連結部材42を後輪8の支持ブラケットの回転中心より前方に配置してもよく、さらに図9に示すように、連結部材10を支持ブラケット9の回転中心より後方に配置するとともに、副連結部材42を後輪8の支持ブラケットの回転中心より後方に配置してもよい。また、前輪7と後輪8とが互いに逆方向へ互いに同一角度だけ回転するように構成する限り、チェーン38の巻回方法も任意である。
上記構成の搬送車1Bにおいては、操舵ハンドル又26は副操舵ハンドル34を左右方向へ回転操作すると、前輪7及び後輪8の向きが互いに逆方向へ同一角度だけ変化するしたがって、前進及び後退のいずれのときにも、前輪7と後輪8とは同一軌跡上を転動する。つまり、搬送車1Bには、前進時の内輪差及び後退時の外輪差が生じることがない。したがって、搬送車1Bは、前進時と後退時とで同一の経路上を移動することができる。よって、使用者は、出発位置と目的位置との間を確実に往復することができる。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の実施の形態を採用することができる。
例えば、上記の実施の形態においては、支持部24に胸部及び腰部を乗せるようになっているが、胸部だけを乗せるようにしてもよく、胸部及び腰部に加えて下肢を乗せるようにしてもよい。また、首の疲れを軽減するために、支持部24の前端部に顎を乗せる部分を設けてもよい。
また、上記の実施の形態においては、本体2を箱状の収容部3と蓋部4とによって構成しているが、本体2を平板状に形成してもよい。その場合には、充電器14、バッテリ15及びモータ16が本体2の下面に設けられる。
また、上記の実施の形態においては、操舵ハンドル26を収容部3の前面3aの中央部に配置しているが、使用者が操作し易いのであれば、中央部から上下方向及び/又は左右方向へずらして配置してもよい。
さらに、上記の実施の形態においては、メインスイッチ18が「前進」と「後退」とに切換可能になっているが、第1実施の形態の搬送車1は、使用者が一人で使用する際には後退することがほとんどない。そこで、搬送車1のメインスイッチ18については、「前進」と「切」とにだけ切り換えられるものであってもよい。その一方、上記の第2実施の形態においては、副操舵ハンドル34を操舵ハンドル26に連結し、副操舵ハンドル34で前輪7を操作するように構成されているが、後輪8を左右方向に向きを変えることができるようにし、副操舵ハンドル34で後輪8を操作するように構成してもよい。勿論、その場合には、スプロケット35,35及びチェーン37が不要になる。
さらにまた、図8及び図9に示す各実施の形態においては、副操舵ハンドル34を必ずしも設けなくてもよい。
図1は、この発明の第1実施の形態を示す図であって、図2のX−X線に沿う一部省略断面図である。 図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。 図3は、同実施の形態の正面図である。 図4は、同実施の形態の背面図である。 図5は、同実施の形態の側面図である。 図6は、この発明の第2実施の形態の一部を省略して示す図1と同様の断面図である。 図7は、図6のX矢視図である。 図8は、この発明の第2実施の形態を示す図7と同様の図である。 図9は、この発明の第3実施の形態を示す図7と同様の図である。
この発明に係る自走式搬送車は、下肢が不自由な人が自分一人で容易に乗降し、かつ操縦して所望の位置まで移動するためのものとして利用することができる。
1 自走式搬送車
2 本体
3a 前面
7 前輪(走行車輪)
8 後輪(走行車輪)
10 連結部材
13 駆動輪(走行車輪)
14 充電器
14a 接続コード
15 バッテリ
16 モータ
17 巻回ブラケット(巻回部)
24 支持部
26 操舵ハンドル
28 スタートスイッチ
30 帯状体
34 副操舵ハンドル
39 副スタートスイッチ
42 副連結部材

Claims (9)

  1. 本体と、この本体の下部に設けられた三つ以上の走行車輪と、上記本体に設けられ、上記走行車輪を回転駆動するモータと、上記本体に設けられ、上記モータを起動状態と停止状態とに切り換えるスタートスイッチと、上記本体に正逆方向へ変位可能に設けられ、正逆方向への変位に伴って上記走行車輪のうちの一部の走行車輪の向きを左右方向に変化させる操舵ハンドルとを備え、上記本体の上面に人体の少なくとも上体をうつ伏せ状態で支持する支持部が設けられ、上記スタートスイッチ及び上記操舵ハンドルが上記本体の前面部に配置されていることを特徴とする自走式搬送車。
  2. 上記操舵ハンドルが軸状に形成され、上記操舵ハンドルの基端部が上記本体の前面部に左右方向へ回動可能に設けられ、上記操舵ハンドルの先端部が前方に向かって延びていることを特徴とする請求項1に記載の自走式搬送車。
  3. 上記スタートスイッチが上記操舵ハンドルの上記本体から前方へ突出した部分に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の自走式搬送車。
  4. 上記本体が、上部が開口した箱状をなす収容部、及びこの収容部の上端部にその開口部を閉じた閉位置と開口部を開いた開位置との間を回動可能に設けられた蓋部とを有し、上記収容部内に上記モータが設けられるとともに、このモータに電力を供給するバッテリ及びこのバッテリを充電する際に用いられる充電器がさらに設けられ、上記蓋部が上記閉位置に位置したときに上記収容部の内部に臨む上記蓋部の下面には、上記充電器を電力供給用のコンセントに接続するための接続コードが巻回される巻回部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自走式搬送車。
  5. 上記本体の後端部には、長手方向を前後方向に向けた帯状体の先端部が取り付けられており、上記帯状体は、上記支持部上にうつ伏せになった人がその膝を上記帯状体に乗せることができるような長さを有し、しかも少なくとも膝が乗る部分には衝撃を吸収することができる衝撃吸収部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自走式搬送車。
  6. 上記本体の後面部には、基端部が左右方向へ回動可能に設けられ、左右方向への回動に伴って上記走行車輪のうちの一部の走行車輪の向きを左右方向に変化させる軸状の副操舵ハンドルが設けられ、この副操舵ハンドルに上記モータを起動状態と停止状態とに切り換える副スタートスイッチが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自走式搬送車。
  7. 上記操舵ハンドルと上記副操舵ハンドルとの間には、一方の回動を他方に伝達する伝達機構が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の自走式搬送車。
  8. 上記本体の前端部には、上記本体の後端部から取り外された上記帯状体の先端部が着脱可能に取り付けられる取付部が設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の自走式搬送車。
  9. 上記走行車輪として一対の前輪と一対の後輪とを有し、上記一対の前輪及び上記一対の後輪がその向きを変化可能とされ、上記一対の前輪が互いに同一方向へ同一角度だけ変化するように連結部材によって互いに連結され、上記一対の後輪が互いに同一方向へ同一角度だけ変化するように副連結部材によって互いに連結され、上記連結部材と上記副連結部材との間には、上記前輪と上記後輪とが互いに逆方向へ互いに同一角度だけ変化するように連結する第2伝達機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自走式搬送車。
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