JP2010237187A - 異常検出装置およびプログラム - Google Patents

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紀一 山田
Tetsuya Hori
哲也 堀
Hiroshi Yoshihara
弘 吉原
Koichi Azuma
恒一 東
Shinichiro Taga
慎一郎 多賀
Tsutomu Hideura
勉 秀浦
Hideki Sugiura
英樹 杉浦
Masao Watabe
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Abstract

【課題】通電電流のダイナミックレンジにかかわらず、当該通電電流の異常を高精度で検出することのできる異常検出装置およびプログラムを得る。
【解決手段】商用電源72と電力負荷92とを電気的に接続する第1配線80Aおよび第2配線80Bと接続配線96Aおよび接続配線96Bとにおけるコネクタ94を境とした商用電源72側および電力負荷80側の各々に流れる電流に応じた誘起起電力を発生するコイル82を備え、コイル82によって発生された商用電源72側および電力負荷80側の各誘起起電力の差が予め定められた閾値以上である場合に異常が発生したと判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、異常検出装置およびプログラムに関する。
特許文献1には、負荷と交流電源とを接続する電路を形成する電線に流れる電流を検出し、該検出電流の大きさに対応するレベルの電圧信号を出力する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力電圧が所定以下となる時間が一定時間内にあれば、無電流区間と判断すると共に、無電流区間と判断してから所定時間内に次の無電流と判断される区間があると連続発生とし、この無電流と判断される区間の連続発生回数が所定数に達すると前記電線にスパーク放電有りと判定してスパーク検出信号を出力する判定手段とを備えていることを特徴とする断線スパーク検出回路が開示されている。
また、特許文献2には、トラッキング現象の発生の有無の判定要素に電流波形の波高率および波形率の少なくとも一方を用いることを特徴とするトラッキング電流検出装置が開示されている。
特開2004−80930号公報 特開2006−292555号公報
本発明は、通電電流のダイナミックレンジにかかわらず、当該通電電流の異常を高精度で検出することのできる異常検出装置およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の異常検出装置は、電力供給源と電力負荷とを電気的に接続する接続配線における異常検出の対象とする位置を境とした前記電力供給源側および前記電力負荷側の各々に流れる電流に応じた誘起起電力を発生する発生手段と、前記発生手段によって発生された前記電力供給源側および前記電力負荷側の各誘起起電力の差が予め定められた閾値以上である場合に異常が発生したと判定する判定手段と、を備えている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記接続配線における前記電力負荷側の配線部分が、前記電力供給源側の配線部分に並行し、かつ当該並行する配線部分の各々の極性が互いに逆極性となるように引き回され、前記発生手段を、前記並行する配線部分に設けられ、当該配線部分における誘起起電力を発生する単一のコイルとしたものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記コイルが、前記並行する配線部分に位置され、当該配線部分における誘起起電力を発生する発生部と、前記並行する配線部分の配線方向に交差する方向に位置され、前記発生部に対して巻線の巻き方向が逆となるように接続されて、前記並行する配線部分の前記交差する方向からの外乱を相殺する相殺部と、を有するものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記相殺部が、前記並行する配線部分の配線方向に交差する方向の前記発生部を挟んだ少なくとも一方に設けられているものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の発明において、前記相殺部の巻き線数を調整するための調整手段をさらに備えたものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記発生手段を、前記電力供給源側および前記電力負荷側に設けられ、かつ前記電力供給源側と前記電力負荷側とで互いに逆極性となるように接続されると共に、各々が設けられた位置における誘起起電力を発生する複数のコイルとしたものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6の何れか1項に記載の発明において、前記コイルを、可撓性部材に形成された平面コイルとしたものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の発明において、前記判定手段によって異常が発生したと判定された場合に当該異常の発生に伴う不具合の発生を防止するものとして予め定められた処理を実行する実行手段をさらに備えたものである。
さらに、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記予め定められた処理を、装置の動作を停止させる処理、異常の発生を報知する処理、および異常の発生を記憶する処理の少なくとも1つの処理としたものである。
一方、上記目的を達成するために、請求項10に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項8または請求項9に記載の異常検出装置における判定手段および実行手段として機能させるためのものである。
請求項1および請求項10に記載の発明によれば、通電電流のダイナミックレンジにかかわらず、当該通電電流の異常を高精度で検出することができる、という効果が得られる。
また、請求項2に記載の発明によれば、発生手段として複数のコイルを用いる場合に比較して、より低コストで通電電流の異常を検出することができる、という効果が得られる。
また、請求項3に記載の発明によれば、相殺部を有しない場合に比較して、より高精度で通電電流の異常を検出することができる、という効果が得られる。
また、請求項4に記載の発明によれば、相殺部を前記交差する方向の前記発生部を挟んだ何れか一方に設ける場合は、双方に設ける場合に比較して、より省スペースで通電電流の異常を検出することができる、という効果が得られ、相殺部を前記交差する方向の前記発生部を挟んだ両方に設ける場合は、何れか一方に設ける場合に比較して、より高精度で通電電流の異常を検出することができる、という効果が得られる。
また、請求項5に記載の発明によれば、調整手段を備えない場合に比較して、より高精度で通電電流の異常を検出することができる、という効果が得られる。
また、請求項6に記載の発明によれば、発生手段として単一のコイルを用いる場合に比較して、より簡易に通電電流の異常を検出することができる、という効果が得られる。
また、請求項7に記載の発明によれば、コイルとして立体形状のコイル素子を用いる場合に比較して、省スペースで通電電流の異常を検出することができる、という効果が得られる。
また、請求項8に記載の発明によれば、異常の発生に伴う不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
さらに、請求項9に記載の発明によれば、異常の発生に伴う不具合の発生を、適用した処理によって防止することができる、という効果が得られる。
実施の形態に係る画像形成装置の正面図である。 実施の形態に係る画像形成装置の内部の要部構成を示す概略破断側面図である。 第1の実施の形態に係る電力供給系の構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るコイルの構成を示す平面図である。 第1の実施の形態に係るコイルからCPUに至る部分の電気的な構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るコイルからCPUに至る部分の動作の説明に供する波形図である。 実施の形態に係る異常対応処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る電力供給系の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係るコイル群からCPUに至る部分の電気的な構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るコイルからCPUに至る部分の他の構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る電力供給系の他の構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る電力供給系の他の構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係るコイルの他の構成例を示す平面図である。 実施の形態に係るコイルの他の構成例を示す平面図である。 実施の形態に係るコイルの他の構成例を示す平面図である。 実施の形態に係るコイルの他の構成例を示す斜視図である。 実施の形態に係るコイルの他の構成例を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の正面図が示されている。
同図に示すように、この画像形成装置10は、予め定められた画像読み取り位置に載せられた原稿から画像を読み取り、当該画像を示す画像データを取得するスキャナ11と、スキャナ11により取得した画像データや外部装置から取得した画像データ等の各種画像データを用いて画像形成処理を行う装置本体12と、装置本体12に記録媒体としての用紙31(図2も参照。)を供給する給紙装置13と、操作メニューやメッセージ等の各種情報を表示すると共に表示面に透過型のタッチパネルが一体的に設けられたタッチパネル・ディスプレイ(以下、「ディスプレイ」という。)14と、画像が形成されて装置本体12から排出された用紙31を保持する排出トレイ39と、を有している。
次に、図2を参照して、装置本体12の内部構成を説明する。
同図に示すように、本実施の形態に係る装置本体12は、電子写真方式により用紙31に対して画像形成処理を行う画像形成エンジン部15を備えている。
本実施の形態に係る画像形成エンジン部15はフルカラータイプのものであり、4個の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kを備えている。これら画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは中間転写体ベルト18の長手方向に沿って予め定められた間隔で配置されている。中間転写体ベルト18は複数のローラに張架され、予め定められた速度で図2の矢印E方向に搬送される無端ベルト状とされている。
画像形成ユニット20Yはイエロー(Y)に、画像形成ユニット20Mはマゼンタ(M)に、画像形成ユニット20Cはシアン(C)に、画像形成ユニット20Kはブラック(K)に、各々対応しており、各々対応する色の画像を形成するものとされている。なお、図2では、符号の末尾に対応する色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、以下では、特に色を区別しない場合、この符号末尾のアルファベットを省略して説明する。
画像形成ユニット20には、図2の矢印F方向へ予め定められた回転速度で回転駆動する円筒状の感光体ドラム22が配設されている。また、各感光体ドラム22の周囲には感光体ドラム22の表面を一様に帯電させる帯電器24が配置されている。この帯電器24による感光体ドラム22への帯電が一連の画像形成工程の初段階となる。さらに、各感光体ドラム22の回転方向に沿って帯電器24より下流側には、帯電器24により一様に帯電された感光体ドラム22の軸線方向に、所望の画像に基づく光ビームを照射し、感光体ドラム22上に静電潜像を形成するROS(Raster Output Scanner,走査書き込み装置)26が配置されている。
また、各感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラム22の回転方向に沿ってROS26よりも下流側に、感光体ドラム22上に形成された静電潜像をそれぞれが受け持つ色(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックの何れか)のトナーによって現像してトナー像を形成させる現像器28が配設されている。この現像器28の下流側に中間転写体ベルト18との接触点が位置しており、中間転写体ベルト18を感光体ドラム22とで挟持するように第1の転写器29が配設されている。第1の転写器29は、予め定められた電圧が印加されて感光体ドラム22上のトナー像を中間転写体ベルト18に転写するものである。
各感光体ドラム22上に形成された互いに異なる色のトナー像は、中間転写体ベルト18のベルト面上で、互いに重なり合うように(同じ領域に)中間転写体ベルト18に各々転写される。これにより、中間転写体ベルト18上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、本実施の形態では、このようにして4色のトナー像が重ねて転写されたトナー像を「最終トナー像」と言う。
中間転写体ベルト18の感光体ドラム22からのトナー像転写位置よりも搬送方向(図2の矢印E方向)下流側には、一対のローラからなる第2の転写器34が配設されている。この第2の転写器34における各ローラの間には、給紙装置13の給紙トレイからピックアップロールによって取り出され、複数の搬送ローラにより搬送されてきた用紙31が挟持されるようになっており、この挟持搬送によって中間転写体ベルト18から用紙31へ最終トナー像が転写される構成となっている。
最終トナー像が転写された用紙31は、互いに対向配置された加圧ローラと加熱ローラからなる定着器36の各ローラ間のニップ部に搬送されて加熱定着が施される。これにより、最終トナー像が用紙31に定着されて、用紙31上に所望の画像(カラー画像)が形成される。画像が形成された用紙31は定着器36の用紙搬送方向下流側に配置された一対の排紙ローラ38によって排出トレイ39へ排出される。
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上述した各種構成部のうち、電力によって稼働する部分(以下、「電力負荷」という。)に対し、稼働用の電力が商用電源から得られる交流電力を用いて供給される。
図3には、本実施の形態に係る電力負荷92に対する電力供給系70の構成が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10では、電力負荷92がコネクタ94を有する負荷基板90に設けられており、本実施の形態に係る電力供給系70では、商用電源72とコネクタ94とが第1配線80Aおよび第2配線80Bによって電気的に接続される。また、本実施の形態に係る画像形成装置10では、負荷基板90においてコネクタ94の第1配線80Aが接続される端子と電力負荷92の一方の入力端子とが接続配線96Aによって接続される一方、コネクタ94の第2配線80Bが接続される端子と電力負荷92の他方の入力端子とが接続配線96Bによって接続される。
ここで、本実施の形態に係る電力供給系70では、接続配線96Bが第2配線80Bに並行し、かつ当該並行する配線部分の各々の極性が互いに逆極性となるように引き回されている。そして、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上記並行する配線部分(以下、「検出対象配線部分」という。)に対して、各配線部分の各々に流れる電流に応じて誘起起電力を発生する単一のコイル82が当該検出対象配線部分に跨るように設けられている。
本実施の形態に係る画像形成装置10では、コイル82として、一例として図4に示されるような平面コイルが適用されているが、これに限らず、立体形状のコイル素子を適用してもよい。また、本実施の形態に係る画像形成装置10では、コイル82が可撓性部材により構成されたプリント配線基板(所謂フレキシブル基板)88に形成されているが、これに限らず、硬質のプリント配線基板に形成されていてもよい。なお、図4における実線部分がプリント配線基板88の一方の面に形成されるコイル部分で、破線部分がプリント配線基板88の他方の面に形成されるコイル部分であり、各コイル部分の間はスルー・ホールで接続されている。
一方、本実施の形態に係る画像形成装置10には、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)86(図5参照。)が備えられており、CPU86により、コイル82によって発生した誘起起電力に基づいて、第1配線80Aと第2配線80Bとの間で生じるリーク電流を検出する。
次に、図5を参照して、コイル82からCPU86に至る部分の電気的な構成を説明する。
同図に示すように、コイル82の出力端子は積分器83の入力端子に接続されており、積分器83の出力端子は増幅器84の入力端子に接続されている。また、増幅器84の出力端子はA/D(アナログ/デジタル)変換器85の入力端子に接続されており、A/D変換器85の出力端子はCPU86の入力端子に接続されている。
従って、一例として図6に示されるように、第1配線80Aと第2配線80Bとの間でリーク電流が生じると、コイル82により、リーク電流が急激に変化する期間において逆起電力として単発的に誘起起電力が発生される。このとき、検出対象配線部分の各々の極性が互いに逆極性となるように接続配線96Bが引き回されているため、検出対象配線部分における第2配線80Bに流れる電流によって発生する誘起起電力と、検出対象配線部分における接続配線96Bに流れる電流によって発生する誘起起電力とが互いに打ち消しあい、この結果として、コイル82には、各誘起起電力の差に相当する誘起起電力が発生する。
そして、当該誘起起電力が積分器83で積分されて幅広の信号とされ、当該信号が増幅器84によって予め定められた信号レベルまで増幅された後、A/D変換器85によってデジタル値に変換されてCPU86に入力される。
CPU86は、A/D変換器85から入力されたデジタル値(以下、「検出デジタル値」という。)がリーク電流の大きさを示すものとして、当該検出デジタル値の大きさに応じた処理を実行する異常対応処理を実行する。
次に、図7を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用として、上記異常対応処理を実行する際の作用を説明する。なお、図7は、画像形成装置10の電源スイッチが投入されているときに予め定められた期間毎(本実施の形態では、1時間毎)にCPU86によって実行される異常対応処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはCPU86に内蔵された不図示の記憶部に予め記憶されている。
同図のステップ100では、上記検出デジタル値DをA/D変換器85から取得し、次のステップ102では、取得した検出デジタル値Dが予め定められた閾値以上であるか否かを判定し、否定判定となった場合は本異常対応処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合はステップ104に移行する。なお、本実施の形態に係る異常対応処理プログラムでは、上記閾値として、検出デジタル値Dが当該値以上となった場合に異常が発生したものと判断される値として、実機を用いた実験や、実機の設計仕様等に基づくコンピュータ・シミュレーション等によって予め求められた値を適用しているが、これに限らず、例えば、画像形成装置10の設置環境や使用状況等に応じた値としてユーザからディスプレイ14等の受付手段を介して受け付けられた値等を適用してもよい。
ステップ104では、予め定められた異常対処処理を実行し、その後に本異常対応処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上記異常対処処理として、異常の発生をディスプレイ14等の表示手段や外部装置等を介して報知する処理、および異常の発生を内蔵された記憶部や外部装置の記憶部に記憶する処理を適用しているが、これに限らず、これらの処理に加えて、画像形成動作が実行されている場合の当該動作を強制的に停止させる処理等の、異常に対処する予め定められた処理の1つ、または複数の組み合わせを適用してもよい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、電力供給源(ここでは、商用電源72)と電力負荷(ここでは、電力負荷92)とを電気的に接続する接続配線(ここでは、第1配線80Aおよび第2配線80B)における異常検出の対象とする位置(ここでは、コネクタ94)を境とした前記電力供給源側および前記電力負荷側の各々に流れる電流に応じた誘起起電力を発生する発生手段(ここでは、コイル82)を備え、前記発生手段によって発生された前記電力供給源側および前記電力負荷側の各誘起起電力の差が予め定められた閾値以上である場合に異常が発生したと判定している。
特に、本実施の形態では、前記接続配線における前記電力負荷側の配線部分を、前記電力供給源側の配線部分に並行し、かつ当該並行する配線部分の各々の極性が互いに逆極性となるように引き回し、前記発生手段を、前記並行する配線部分に設けられ、当該配線部分における誘起起電力を発生する単一のコイルとしている。
また、本実施の形態では、前記コイルを、可撓性部材に形成された平面コイルとしている。
また、本実施の形態では、異常が発生したと判定された場合に当該異常の発生に伴う不具合の発生を防止するものとして予め定められた処理を実行している。
特に、本実施の形態では、前記予め定められた処理として、異常の発生を報知する処理および異常の発生を記憶する処理を適用している。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、本発明の発生手段として単一のコイルを適用した場合の形態例について説明したが、本第2の実施の形態では、本発明の発生手段として複数のコイルを適用する場合の形態例について説明する。
本第2の実施の形態に係る画像形成装置10の構成は、電力供給系を除いて上記第1の実施の形態に係る画像形成装置10(図1,図2)と同様であるので、まず、図8を参照して、本第2の実施の形態に係る電力供給系70’の構成を説明する。
本第2の実施の形態に係る画像形成装置10では、電力負荷が機械的な動作を伴わず、主として他の部位の作動の制御を行う制御系負荷92Aと、機械的に作動する駆動系負荷92Bとの2種類に大別される。例えば、CPU86や、画像形成エンジン部15、給紙装置13の作動を制御する制御部等は制御系負荷92Aに該当し、用紙31を搬送する各種ローラを回転駆動させるモータ類は駆動系負荷92Bに該当する。そして、本実施の形態に係る画像形成装置10では、これらの種類別に異なる電圧レベルの電力が制御系負荷92Aおよび駆動系負荷92Bの各々に対して個別に供給される。
図8に示すように、制御系負荷92Aはコネクタ94Aを有する負荷基板90Aに設けられ、駆動系負荷92Bはコネクタ94Bを有する負荷基板90Bに設けられている。
本第2の実施の形態に係る電力供給系70’では、商用電源72とコネクタ94Aおよびコネクタ94Bの各コネクタとが、第1配線80Cおよび第2配線80Dによって並列、かつ電気的に接続される。また、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10では、負荷基板90Aにおいてコネクタ94Aの第1配線80Cが接続される端子と制御系負荷92Aの一方の入力端子とが接続配線96Cによって接続される一方、コネクタ94Aの第2配線80Dが接続される端子と制御系負荷92Aの他方の入力端子とが接続配線96Dによって接続される。さらに、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10では、負荷基板90Bにおいてコネクタ94Bの第1配線80Cが接続される端子と駆動系負荷92Bの一方の入力端子とが接続配線96Eによって接続される一方、コネクタ94Bの第2配線80Dが接続される端子と駆動系負荷92Bの他方の入力端子とが接続配線96Fによって接続される。
ここで、本実施の形態に係る電力供給系70’では、第2配線80Dの近傍に設けられたコイル82Aと、負荷基板90Aにおける接続配線96Dおよびコネクタ94Aの近傍に設けられたコイル82Bと、負荷基板90Bにおける接続配線96Fおよびコネクタ94Bの近傍に設けられたコイル82Cと、の3つのコイルが備えられている。そして、本実施の形態に係る電力供給系70’では、コイル82Aと、コイル82Bおよびコイル82Cとの間で、互いに逆極性となるように接続配線により各コイルが接続されている。
本第2の実施の形態に係る画像形成装置10でも、各コイルとして、一例として図4に示されるような平面コイルが適用されているが、これに限らず、立体形状のコイル素子を適用してもよい。また、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10でも、コイル82が可撓性部材により構成されたフレキシブル基板に形成されているが、これに限らず、硬質のプリント配線基板に形成されていてもよい。
一方、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10においては、CPU86により、コイル82A〜コイル82C(以下、「コイル群CG」という。)によって発生した誘起起電力に基づいて、第1配線80Cと第2配線80Dとの間で生じるリーク電流を検出する。
図9には、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10における、コイル群CGからCPU86に至る部分の電気的な構成が示されている。なお、同図における図5と同一の構成要素には図5と同一の符号を付する。同図に示されるように、本第2の実施の形態に係るコイル群CGからCPU86に至る部分の電気的な構成は、コイル82に代えてコイル群CGが適用されている点を除いて上記第1の実施の形態と同一であるので、ここでの説明は省略する。
本第2の実施の形態に係る電力供給系70’においても、一例として図6に示されるように、第1配線80Cと第2配線80Dとの間でリーク電流が生じると、コイル群CGの各コイル82A〜コイル82Cの各々により、リーク電流が急激に変化する期間において逆起電力として単発的に誘起起電力が発生され、これらの誘起起電力が重畳されてコイル群CGの出力端子から出力される。
このとき、コイル82Aと、コイル82Bおよびコイル82Cとは、互いに逆極性となるように接続されているため、コイル82Aによって発生した誘起起電力(以下、「第1誘起起電力」という。)と、コイル82Bおよびコイル82Cによって発生した誘起起電力(以下、「第2誘起起電力」という。)とは互いに打ち消しあい、この結果として、コイル群CGの出力端子には、第1誘起起電力と第2誘起起電力との差に相当する電力が出力される。
このコイル群CGの出力端子から出力された電力は積分器83で積分されて幅広の信号とされ、当該信号が増幅器84によって予め定められた信号レベルまで増幅された後、A/D変換器85によってデジタル値に変換されてCPU86に入力される。
そして、CPU86は、A/D変換器85から入力されたデジタル値(検出デジタル値)がリーク電流の大きさを示すものとして、当該検出デジタル値の大きさに応じた処理を実行する異常対応処理を実行する。
このように、本第2の実施の形態に係る電力供給系70’では、コイル群CGの出力端子には、第1誘起起電力と第2誘起起電力との差に相当する電力が出力されるため、正常時において当該電力が0(零)となるように、各コイルの巻き線数や形状等のコイル特性や配置を予め調整しておくことが好ましい。
なお、本第2の実施の形態に係る異常対応処理は、上記第1の実施の形態に係る異常対応処理(図7参照。)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
以上詳細に説明したように、本第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態に加え、前記発生手段を、前記電力供給源側および前記電力負荷側に設けられ、かつ前記電力供給源側と前記電力負荷側とで互いに逆極性となるように接続されると共に、各々が設けられた位置における誘起起電力を発生する複数のコイルとしている。
以上、本発明を上記実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明が抽出される。上記実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出される。
例えば、上記各実施の形態では、異常対応処理をCPU86によってソフトウェアにより実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ハードウェアによって異常対応処理を実行する形態としてもよい。
図10には、この場合のコイル82によって発生される誘起起電力に対する信号処理系の構成例が示されている。なお、同図における図5と同一の構成要素には図5と同一の符号が付してある。この場合、増幅器84から出力された信号のレベルと、予め定められた異常状態である場合の下限値を示す閾値レベルとの比較をコンパレータ87によって行い、当該閾値レベル以上である場合に予め定められたレベルの信号を異常信号として出力する。そして、当該異常信号が上記予め定められたレベルである場合に応動して、前述した異常対処処理と同様の処理をハードウェアによって実行する。
また、上記各実施の形態では、本発明の電力供給源として商用電源72を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電力負荷を本発明の電力供給源として適用する形態としてもよい。
図11および図12には、この場合の形態例が示されている。なお、図11は、上記第1の実施の形態に係る電力供給系70の構成を応用した構成例で、図12は、上記第2の実施の形態に係る電力供給系70’の構成を応用した構成例であり、電力供給系70および電力供給系70’と同一の構成要素には、これらと同一の符号を付している。
ここで、図11における電力負荷92Dは電力負荷92の上流側に設けられたものであり、図12における電力負荷92Eは制御系負荷92Aおよび駆動系負荷92Bの上流側に設けられたものである。また、これらの図におけるコネクタ94Cおよびコネクタ94Dは、おのおの設けられている電力負荷から電力を出力するためのものである。なお、この場合、電力負荷92Dおよび電力負荷92Eから出力される電力は、交流電力でも直流電力でもよい。
これらの形態においても、上記各実施の形態と同様に作用する。
また、上記各実施の形態では、第2配線80B,80Dにおいて発生される誘起起電力を基準として異常を検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1配線80A,80Cにおいて発生される誘起起電力を基準として異常を検出する形態としてもよい。
また、上記第1の実施の形態では、検出対象配線部分に対して、当該検出対象配線部分における誘起起電力を発生する単一のコイル82が当該検出対象配線部分に跨るように設けられている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、当該コイル82に加えて、検出対象配線部分の配線方向に交差する方向に位置され、コイル82に対して当該コイル82とは巻線の巻き方向が逆となるように接続されて、検出対象配線部分の上記交差する方向からの外乱を相殺するコイルをさらに設ける形態としてもよい。
図13〜図15には、この場合の形態例が示されている。以下、各図面を参照して、これらの形態例について説明する。なお、以下では、上記誘起起電力を発生するコイルを「発生コイル部」といい、上記外乱を相殺するコイルを「相殺コイル部」という。
図13に示される例は、検出対象配線部分の配線方向に交差する方向の一方(同図紙面上方)に相殺コイル部を設けた場合の形態例である。
同図に示されるように、この形態例では、上記第1の実施の形態と同様のプリント配線基板88に対して、発生コイル部81aおよび相殺コイル部81bを有するコイル81Aが形成されている。
ここで、相殺コイル部81bは発生コイル部81aと巻線の巻き方向が逆となるように接続されている。なお、同図における発生コイル部81aおよび相殺コイル部81bの実線部分はプリント配線基板88の一方の面に形成される部分で、破線部分はプリント配線基板88の他方の面に形成される部分であり、各部分はスルー・ホール88aを介して接続されている。
また、プリント配線基板88には、上記誘起起電力を出力するための一対の接続端子88bが設けられており、一方の接続端子88bは接続パターン88cを介して発生コイル部81aの相殺コイル部81bとの接続部とは反対側の端部に接続されており、他方の接続端子88bは接続パターン88dを介して相殺コイル部81bの発生コイル部81aとの接続部とは反対側の端部に接続されている。なお、上記一対の接続端子88bが積分器83の入力端子に接続される。
同図に示されるように、この形態では、検出対象配線部分を構成する第2配線80Bと接続配線96Bが発生コイル部81aの中心部の直下または直上に位置される(同図に示す例は直下に位置される例。)ようにプリント配線基板88が位置決めされる。
なお、この場合、第2配線80Bと接続配線96Bが発生コイル部81aの中心部の直下または直上に正確に位置させることが通電電流の異常を高精度で検出するためには好ましいが、必ずしも正確に発生コイル部81aの中心部の直下または直上に位置させる必要はなく、当該中心部から離れるほど精度は下がるものの、発生コイル部81aの領域の範囲内に位置されれば、通電電流の異常が検出され得る。
一方、図14に示される例は、検出対象配線部分の配線方向に交差する方向の他方(同図紙面下方)に相殺コイル部を設けた場合の形態例である。
同図に示されるように、この形態例では、上記第1の実施の形態と同様のプリント配線基板88に対して、発生コイル部81aおよび相殺コイル部81cを有するコイル81Bが形成されている。
ここで、相殺コイル部81cは発生コイル部81aと巻線の巻き方向が逆となるように接続されている。なお、同図における発生コイル部81aおよび相殺コイル部81cの実線部分はプリント配線基板88の一方の面に形成される部分で、破線部分はプリント配線基板88の他方の面に形成される部分であり、各部分はスルー・ホール88aを介して接続されている。
また、プリント配線基板88には、上記誘起起電力を出力するための一対の接続端子88bが設けられており、一方の接続端子88bは接続パターン88eを介して発生コイル部81aの相殺コイル部81cとの接続部とは反対側の端部に接続されており、他方の接続端子88bは接続パターン88fを介して相殺コイル部81cの発生コイル部81aとの接続部とは反対側の端部に接続されている。なお、上記一対の接続端子88bが積分器83の入力端子に接続される。
同図に示されるように、この形態でも、検出対象配線部分を構成する第2配線80Bと接続配線96Bが発生コイル部81aの中心部の直下または直上に位置される(同図に示す例は直下に位置される例。)ようにプリント配線基板88が位置決めされる。
なお、この場合も、第2配線80Bと接続配線96Bが発生コイル部81aの中心部の直下または直上に正確に位置させることが通電電流の異常を高精度で検出するためには好ましいが、必ずしも正確に発生コイル部81aの中心部の直下または直上に位置させる必要はなく、当該中心部から離れるほど精度は下がるものの、発生コイル部81aの領域の範囲内に位置されれば、通電電流の異常が検出され得る。
さらに、図15に示される例は、検出対象配線部分の配線方向に交差する方向の双方に相殺コイル部を設けた場合の形態例である。
同図に示されるように、この形態例では、上記第1の実施の形態と同様のプリント配線基板88に対して、発生コイル部81a、相殺コイル部81b、および相殺コイル部81cを有するコイル81Cが形成されている。
ここで、相殺コイル部81bおよび相殺コイル部81cは、各々発生コイル部81aと巻線の巻き方向が逆となるように接続されている。なお、同図における発生コイル部81a、相殺コイル部81b、および相殺コイル部81cの実線部分はプリント配線基板88の一方の面に形成される部分で、破線部分はプリント配線基板88の他方の面に形成される部分であり、各部分はスルー・ホール88aを介して接続されている。
また、プリント配線基板88には、上記誘起起電力を出力するための一対の接続端子88bが設けられており、一方の接続端子88bは接続パターン88gを介して相殺コイル部81bの発生コイル部81aとの接続部とは反対側の端部に接続されており、他方の接続端子88bは接続パターン88hを介して相殺コイル部81cの発生コイル部81aとの接続部とは反対側の端部に接続されている。なお、上記一対の接続端子88bが積分器83の入力端子に接続される。
同図に示されるように、この形態でも、検出対象配線部分を構成する第2配線80Bと接続配線96Bが発生コイル部81aの中心部の直下または直上に位置される(同図に示す例は直下に位置される例。)ようにプリント配線基板88が位置決めされる。
なお、この場合も、第2配線80Bと接続配線96Bが発生コイル部81aの中心部の直下または直上に正確に位置させることが通電電流の異常を高精度で検出するためには好ましいが、必ずしも正確に発生コイル部81aの中心部の直下または直上に位置させる必要はなく、当該中心部から離れるほど精度は下がるものの、発生コイル部81aの領域の範囲内に位置されれば、通電電流の異常が検出され得る。
なお、これらの図13〜図15に示した例では、検出対象配線部分とは別体構成とされたプリント配線基板88にコイルを設けた場合の形態例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、検出対象配線部分をプリント配線基板88に敷設することにより、検出対象配線部分とコイルを一体的に構成する形態としてもよい。なお、この場合で、かつ検出対象配線部分が導電性パターンとして形成される場合には、当該導電性パターンとコイルとを電気的に絶縁させる必要があるため、プリント配線基板88を中層を有するものとし、上記導電性パターンまたはコイルを当該中層に設けたり、上記導電性パターンおよびコイルの少なくとも一方の表面に絶縁膜を形成する等といった絶縁処理を施したりする必要がある。
また、図13〜図15に示した例では、相殺コイル部の中心位置が発生コイル部の中心位置の垂直方向に位置される場合の形態例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、相殺コイル部の中心位置が発生コイル部の中心位置の斜め上方向または斜め下方向に位置される形態としてもよく、さらに、上記垂直方向、斜め上方向、斜め下方向の複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
また、図13〜図15に示した例では、相殺コイル部を検出対象配線部分の直上または直下から外れた位置に配置した場合の形態例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、相殺コイル部を検出対象配線部分の直上または直下に配置する形態としてもよい。
図16には、この場合の形態例が示されている。以下、同図を参照して、この形態例について説明する。
同図に示されるように、この形態例では、プリント配線基板88(錯綜を回避するために同図では図示省略。)の一方の面(同図では下面)に発生コイル部81aが形成され、プリント配線基板88の他方の面(同図では上面)に相殺コイル部81dが形成されており、相殺コイル部81dは発生コイル部81aと巻線の巻き方向が逆となるように接続されている。なお、同図における破線部分は、プリント配線基板88の一方の面と他方の面との間の層間配線である。
また、プリント配線基板88の上記一方の面には、上記誘起起電力を出力するための一対の接続端子88bが設けられており、一方の接続端子88bは接続パターン88iを介して発生コイル部81aの相殺コイル部81dとの接続部とは反対側の端部に接続されており、他方の接続端子88bは接続パターン88jを介して相殺コイル部81dの発生コイル部81aとの接続部とは反対側の端部に接続されている。なお、上記一対の接続端子88bが積分器83の入力端子に接続される。
同図に示されるように、この形態では、検出対象配線部分を構成する第2配線80Bと接続配線96Bが発生コイル部81aの中心部の直下または直上に位置される(同図に示す例は直下に位置される例。)ようにプリント配線基板88が位置決めされる。
なお、この場合も、第2配線80Bと接続配線96Bが発生コイル部81aの中心部の直下または直上に正確に位置させることが通電電流の異常を高精度で検出するためには好ましいが、必ずしも正確に発生コイル部81aの中心部の直下または直上に位置させる必要はなく、当該中心部から離れるほど精度は下がるものの、発生コイル部81aの領域の範囲内に位置されれば、通電電流の異常が検出され得る。
以上の図13〜図16に示した各コイルの形態では、何れも、実際にプリント配線基板88が位置決めされた状態、かつ通電電流に異常がない状態で、接続端子88bから出力される誘起起電力が極力0(零)となるように、発生コイル部および相殺コイル部の巻き線数、巻き径、長さ等の誘起起電力の大きさに影響を与え得るパラメータの少なくとも1つが予め調整されたものとして製造される。なお、上記巻き線数は、「巻き数」と呼ばれる場合もあるが、本明細書では、「巻き線数」と統一して記載する。
ところで、図13〜図16に示した例では、相殺コイル部の巻き線数は固定とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、相殺コイル部の巻き線数を調整し得る形態としてもよい。
図17には、この形態を図15に示した形態に適用した場合の形態例が示されている。以下、同図を参照して、この形態例について説明する。なお、同図の図15と同一の構成部位については図15と同一の符号を付して、その説明を省略する。
同図に示されるように、この形態例では、発生コイル部81aの相殺コイル部81bと接続される端部とは反対側の端部近傍の複数の位置(同図に示す例では3つの位置)にスルー・ホールTH1が設けられると共に、相殺コイル部81cの接続パターン88hと接続される端部とは反対側の端部の位置を含み、当該端部から略一周分の長さを隔てた、上記スルー・ホールTH1と同数の複数の位置(同図に示す例では3つの位置)にスルー・ホールTH2が設けられている。
このように、この形態例では、スルー・ホールTH1とスルー・ホールTH2とが同数とされており、図17に示すように、スルー・ホールTH1とスルー・ホールTH2とは、1対1で同図左右方向の位置が略一致するように配置されている。
また、この形態例では、相殺コイル部81bの発生コイル部81aと接続される端部とは反対側の端部の位置を含み、当該端部から略一周分の長さを隔てた複数の位置(同図に示す例では3つの位置)にスルー・ホールTH3が設けられると共に、接続パターン88gの接続端子88bに接続される端部とは反対側の端部近傍の、上記スルー・ホールTH3と同数の複数の位置(同図に示す例では3つの位置)にスルー・ホールTH4が設けられている。
このように、この形態例では、スルー・ホールTH3とスルー・ホールTH4とも同数とされており、図17に示すように、スルー・ホールTH3とスルー・ホールTH4とは、1対1で同図上下方向の位置が略一致するように配置されている。
すなわち、この形態では、スルー・ホールTH1とスルー・ホールTH2とで、同図左右方向の位置が略一致する何れか一対のスルー・ホール間をジャンパー線88kで接続することにより、相殺コイル部81cの巻き線数が調整される。同様に、この形態例では、スルー・ホールTH3とスルー・ホールTH4とで、同図上下方向の位置が略一致する何れか一対のスルー・ホール間をジャンパー線88lで接続することにより、相殺コイル部81bの巻き線数が調整される。
そして、この形態例では、実際にプリント配線基板88が位置決めされた状態、かつ通電電流に異常がない状態で、接続端子88bから出力される誘起起電力が極力0(零)に近づくように、ジャンパー線88kおよびジャンパー線88lを設けることによって相殺コイル部81bおよび相殺コイル部81cの巻き線数が予め調整される。
なお、相殺コイル部の巻き線数を調整する形態は、ジャンパー線を用いる形態に限らず、例えば、当該ジャンパー線に代えてディップスイッチを用いる形態等の他の形態としてもよい。
また、この形態例で示したジャンパー線の敷設対象とするスルー・ホールの位置や数も一例であり、これらの少なくとも一方を他のものとしてもよいことは言うまでもない。
また、図13〜図17に示した各コイルの形態例は一例であり、例えば、発生コイル部および相殺コイル部は、平面視矩形状に限らず、平面視真円状、平面視楕円状、平面視3角形状、平面視5角形以上の多角形状等とする形態としてもよい。
また、図13〜図17に示した各コイルは平面コイルとされているが、これに限らず、立体形状のコイル素子を適用してもよい。
さらに、図13〜図17では、コイルを可撓性部材により構成されたプリント配線基板(フレキシブル基板)88に形成した場合について説明したが、これに限らず、硬質のプリント配線基板に形成してもよい。
また、上記第2の実施の形態では、電力負荷が制御系負荷と駆動系負荷の2つに区分されており、当該2つの電力負荷に対応して異常を検出する場合の形態例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上の電力負荷に対応して異常を検出する形態としてもよい。この場合も、上記第2の実施の形態と同様に、電力供給源側に設けられるコイルと、電力負荷側に設けられる各コイルとで、互いに逆極性となるように接続配線により各コイルを接続する。
また、上記各実施の形態では、本発明の異常検出装置を画像形成装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、コンピュータ、テレビジョン受像機、冷蔵庫、携帯電話機等の他の電子機器に本発明の異常検出装置を適用する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、異常対応処理プログラムが記憶部に予め記憶されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該プログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納した状態で提供する形態を適用してもよいし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用してもよい。
その他、上記各実施の形態で説明した画像形成装置の構成(図1,図2参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部位を削除したり、新たな部位を追加したり、各部位の配設位置を変更したりしてもよい。
また、上記各実施の形態で説明した電力供給系の構成(図3,図8,図11,図12参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部位を削除したり、新たな部位を追加したり、各部位の配設位置を変更したりしてもよい。
さらに、上記各実施の形態で説明した異常対応処理プログラムの処理の流れ(図7参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
10 画像形成装置
70,70’ 電力供給系
72 商用電源(電力供給源)
80A,80C 第1配線
80B,80D 第2配線
81A〜81D コイル(発生手段)
81a 発生コイル部(発生部)
81b〜81d 相殺コイル部(相殺部)
82 コイル(発生手段)
82A〜82C コイル(発生手段)
83 積分器
84 増幅器
85 A/D変換器
86 CPU(判定手段,実行手段)
87 コンパレータ(判定手段)
88 プリント配線基板
88a スルー・ホール
88b 接続端子
88c〜88j 接続パターン
88k,88l ジャンパー線(調整手段)
90 負荷基板
90A,90B 負荷基板
92 電力負荷
92A 制御系負荷
92B 駆動系負荷
92D,92E 電力負荷(電力供給源)
94 コネクタ
94A〜94D コネクタ
96A〜96F 接続配線
TH1〜TH4 スルー・ホール(調整手段)

Claims (10)

  1. 電力供給源と電力負荷とを電気的に接続する接続配線における異常検出の対象とする位置を境とした前記電力供給源側および前記電力負荷側の各々に流れる電流に応じた誘起起電力を発生する発生手段と、
    前記発生手段によって発生された前記電力供給源側および前記電力負荷側の各誘起起電力の差が予め定められた閾値以上である場合に異常が発生したと判定する判定手段と、
    を備えた異常検出装置。
  2. 前記接続配線における前記電力負荷側の配線部分が、前記電力供給源側の配線部分に並行し、かつ当該並行する配線部分の各々の極性が互いに逆極性となるように引き回され、
    前記発生手段は、前記並行する配線部分に設けられ、当該配線部分における誘起起電力を発生する単一のコイルである
    請求項1記載の異常検出装置。
  3. 前記コイルは、
    前記並行する配線部分に位置され、当該配線部分における誘起起電力を発生する発生部と、
    前記並行する配線部分の配線方向に交差する方向に位置され、前記発生部に対して巻線の巻き方向が逆となるように接続されて、前記並行する配線部分の前記交差する方向からの外乱を相殺する相殺部と、
    を有する
    請求項2記載の異常検出装置。
  4. 前記相殺部は、前記並行する配線部分の配線方向に交差する方向の前記発生部を挟んだ少なくとも一方に設けられている
    請求項3記載の異常検出装置。
  5. 前記相殺部の巻き線数を調整するための調整手段
    をさらに備えた請求項3または請求項4記載の異常検出装置。
  6. 前記発生手段は、前記電力供給源側および前記電力負荷側に設けられ、かつ前記電力供給源側と前記電力負荷側とで互いに逆極性となるように接続されると共に、各々が設けられた位置における誘起起電力を発生する複数のコイルである
    請求項1記載の異常検出装置。
  7. 前記コイルは、可撓性部材に形成された平面コイルである
    請求項2〜請求項6の何れか1項記載の異常検出装置。
  8. 前記判定手段によって異常が発生したと判定された場合に当該異常の発生に伴う不具合の発生を防止するものとして予め定められた処理を実行する実行手段
    をさらに備えた請求項1〜請求項7の何れか1項記載の異常検出装置。
  9. 前記予め定められた処理は、装置の動作を停止させる処理、異常の発生を報知する処理、および異常の発生を記憶する処理の少なくとも1つの処理である
    請求項8記載の異常検出装置。
  10. コンピュータを、請求項8または請求項9に記載の異常検出装置における判定手段および実行手段として機能させるためのプログラム。
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