JP2012022208A - 画像処理装置、画像形成装置、及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】主走査方向に長い検出画像のみにより濃度ムラを補正する場合に比べて、濃度ムラの補正を維持しながら、検出画像の面積を小さくする画像処理装置、画像形成装置、及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】主走査方向に長いトナーバンド60を形成し、主走査方向x1〜x13の各位置の濃度を検出し、各位置の濃度(実測値)を記憶する。画像データに基づいて画像を形成している最中等において、主走査方向の濃度ムラを補正する場合は、トナーパッチ62A、62B内の検出位置(検出位置x−1、x−1)の濃度を検出し、2点の検出値を通る近似直線を算出する。さらに、主走査方向x1〜x13の各位置の濃度と、2点の検出値により算出された近似直線により得られた濃度の近似値と、の差を算出し、算出した差と、主走査方向x1〜x13の各位置の濃度の平均値とを加算することにより補正値を算出する。
【選択図】図6

Description

本発明は画像処理装置、画像形成装置、及び画像処理プログラムに関する。
特許文献1には、トナー現像システムを備え、処理方向に移動する画像支持面上にトナー画像を印刷するマーキング・エンジンと、前記画像支持面に近接し且つ交差処理方向に延出していると共に、前記画像支持面上の前記トナー画像を走査するように構成されている、リニアアレイ・センサと、前記トナー画像における二次元的画質不均一性を検出する画像分析器と、前記画像分析器によって検出された前記トナー画像における前記二次元的画質不均一性に基づいて、前記トナー現像システムの少なくとも1つの制御パラメータを制御するコントローラと、を備える、印刷文書における二次元的画質不均一性を最小限に抑えるように構成された画像印刷システムが記載されている。
特許文献2には、移動して該感光体ドラムから各色トナー像がその画像形成領域に順次転写されてカラートナー像が形成される中間転写体と、所定の方向に交差する前記画像形成領域の両端部に配置され前記トナー像の濃度を測定する一対のトナー濃度検知センサを有し、該トナー濃度検知センサの出力に応じて色ズレ補正を行うようにした画像形成装置において、前記感光体ドラムの軸方向に沿った感度分布が感度特性分布として記憶された記憶手段と、前記トナー濃度検知センサの一つを画像濃度制御用センサとして該画像濃度制御用センサの配置位置に対応する前記中間転写体上に前記感光体ドラムによって順次各色毎のトナーパッチを形成するトナーパッチ形成手段と、前記画像濃度制御用センサによって前記トナーパッチ濃度を検出した濃度検出結果が与えられ、前記濃度検出結果から予め定められた基準トナー濃度に対応する像形成条件を求めて、該像形成条件を前記感度特性分布に応じて補正する補正手段とを有することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
特許文献3には、像担持体上に静電潜像を生成し画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置であって、所定の濃度データに従ってテスト画像を形成するテスト画像形成手段と、形成されたテスト画像を読み取らせ、前記画像形成部における前記像担持体の主走査方向の濃度特性を検出する濃度特性検出手段と、該濃度特性検出手段で検出された、前記画像形成部の主走査方向の濃度特性に基づき、当該主走査方向の画像データに対する補正データを作成する補正データ作成手段とを備え、作成された補正データを用いて、通常の形成すべき画像データを補正し画像を形成することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
特開2010−26518号公報
特開2006−17772号公報
特開平11−112809号公報
本発明は、主走査方向に長い検出画像のみにより濃度ムラを補正する場合に比べて、濃度ムラの補正を維持しながら、検出画像の面積を小さくする画像処理装置、画像形成装置、及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像処理装置は、主走査方向に長い第1検出画像を被画像形成体上に形成するよう画像形成手段を制御する第1画像形成制御手段と、前記第1検出画像内の主走査方向の位置が異なる複数の第1検出位置の濃度を検出するよう検出手段を制御する第1検出制御手段と、複数の前記第1検出位置の濃度を前記検出手段に検出させた後、主走査方向の濃度ムラを補正する場合に、被画像形成体上の主走査方向に沿って間隔を隔てた少なくとも2個所の位置の各々に第2検出画像を形成するよう前記画像形成手段を制御する第2画像形成制御手段と、前記第2検出画像毎に、前記第2検出画像内の第2検出位置の濃度を検出するよう前記検出手段を制御する第2検出制御手段と、前記第2検出位置の濃度に基づいて、主走査方向の各位置の濃度を表す近似式を算出し、複数の前記第1検出位置の検出値と複数の前記第1検出位置の各々に対応する前記近似式により得られた濃度の近似値との差を各々算出し、算出した差と複数の前記第1検出位置の検出値の平均値とに基づいて前記画像形成条件の補正値を算出する算出手段と、を備える。
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、複数の前記第1検出位置の濃度の検出値に基づいて主走査方向の各位置の濃度を表す近似式を算出し、当該近似式により得られた濃度の近似値と前記第1検出位置の検出値との差が小さい位置を前記第2検出位置として決定する決定手段を備えた。
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置において、前記画像形成手段は、画像データに基づいて、感光体を前記画像形成条件に応じた露光量で露光する露光手段を含み、前記算出手段により算出された前記補正値により補正した前記画像形成条件に応じ前記感光体を露光するように前記露光手段を制御する露光制御手段を備えた。
請求項4に記載の画像形成装置は、被画像形成体上に画像形成条件に応じて画像を形成する画像形成手段と、前記被画像形成体上に画像形成手段により形成された画像の濃度を検出する検出手段と、前記画像形成条件を補正する補正値を算出する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置と、を備えた。
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記被画像形成体は、中間転写体であって、前記画像形成手段は、複数の色に応じた画像を各色毎に前記中間転写体に予め定められた順序で形成し、前記検出手段は、前記中間転写体上に形成された画像の反射率または透過率を検出する。
請求項6に記載の画像処理プログラムは、主走査方向に長い第1検出画像を被画像形成体上に形成するよう画像形成手段を制御するステップと前記第1検出画像内の主走査方向の位置が異なる複数の第1検出位置の濃度を検出するよう検出手段を制御するステップと、複数の前記第1検出位置の濃度を前記検出手段に検出させた後、主走査方向の濃度ムラを補正する場合に、被画像形成体上の主走査方向に沿って間隔を隔てた少なくとも2個所の位置の各々に第2検出画像を形成するよう前記画像形成手段を制御するステップと、前記第2検出画像毎に、前記第2検出画像内の第2検出位置の濃度を検出するよう前記検出手段を制御するステップと、前記第2検出位置の濃度に基づいて、主走査方向の各位置の濃度を表す近似式を算出し、複数の前記第1検出位置の検出値と複数の前記第1検出位置の各々に対応する前記近似式により得られた濃度の近似値との差を各々算出し、算出した差と複数の前記第1検出位置の検出値の平均値とに基づいて前記画像形成条件の補正値を算出するステップと、を備えた処理をコンピュータに実行させるためのものである。
請求項1、請求項4、及び請求項6に記載の本発明によれば、主走査方向に長い検出画像のみにより濃度ムラを補正する場合に比べて、濃度ムラの補正を維持しながら、検出画像の面積を小さくする。
請求項2に記載の本発明によれば、第1検出位置の濃度の検出値に基づいて算出した主走査方向の各位置の濃度を表す近似式を用いずに第2検出位置を決定する場合に比べ、濃度ムラの補正精度が向上する。
請求項3に記載の本発明によれば、露光量手段を制御しない場合に比べ、リアルタイムの濃度ムラが補正される。
請求項5に記載の本発明によれば、中間転写体上に形成された画像の反射率または透過率を検出しない場合に比べて、検出手段の数が少なくなる。
画像形成装置全体の概略構成の一例を示す概略構成図である。 画像処理装置の概略構成の一例を示す概略構成図である。 画像処理装置の制御系の構成の一例を示す機能ブロック図である。 画像の濃度ムラを説明するための説明図であり、(A)は、用紙Pの画像形成領域の全面に濃度が均一な画像を形成する画像データにより画像を形成した場合(濃度ムラ補正なし)に形成される画像のイメージを示しており、(B)は、(A)が濃度ムラが経時劣化により変化した画像のイメージを示しており、(C)は、濃度ムラ補正を行って画像を形成した場合の画像のイメージを示している。 図4(A)〜(C)の各画像における、主走査方向の位置と明度との関係を示した図である。 本実施の形態に係る画像処理装置による主走査方向の濃度ムラを補正するための処理の一例を示すフローチャートである。 画像全体の濃度ムラの具体的一例を示した図である。 トナーバンド及びトナーパッチを説明するための図であり、(A)は、中間転写体上に形成されたトナーバンドの具体例を示しており、(B)は、中間転写体上に形成された2つのトナーパッチの具体例を示している。 トナーバンドの副走査方向の幅が長い(長さ=Y1)場合と、副走査方向の幅が短い(長さ=Y2)場合と、を説明するための図である。 本実施の形態の主走査方向の位置xと、濃度yとの関係の一例を示した図である。 最小二乗法により一次近似式を算出するための算出式を示した図である。 13個の濃度の実測値により算出された一次近似直線と、主走査方向x1〜x13の濃度との関係の一例を示した図である。 補正後の濃度ムラを説明するための図である。 印字濃度と制御因子との関係を説明するための図であり、(A)は関係が線形である場合を示しており、(B)は関係が非線形である場合を示している。 露光装置の制御により変化するパルス幅、露光強度、及び露光面積率を説明するための図である。 3個所にトナーパッチを形成した場合の具体例を説明するための図であり、(A)は、中間転写体上に形成されたトナーバンドの具体例を示しており、(B)は、中間転写体上に形成された3つのトナーパッチの具体例を示している。 最小二乗法により二次近似式を算出するための算出式を示した図である。 近似曲線及び3つのトナーパッチ毎の検出位置の関係の一例を説明する図である。 濃度の実測値が近似式に最も近い2点を検出位置とした場合の補正後の濃度と主走査方向との位置の関係の一例を示す図である。 主走査方向の両端部を検出位置とした場合の補正後の濃度と主走査方向との位置の関係の一例を示す図である。 トナーパッチの濃度の読取り用にセンサを設けた場合の一例を説明するための説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態は本発明を限定するものではない。
まず、本実施の形態に係る画像形成装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る画像処理装置を含む画像形成装置全体の概略構成の一例を示す概略構成図である。また、図2は、本実施の形態に係る画像処理装置の概略構成の一例を示す概略構成図であり、図3は、本実施の形態に係る画像処理装置の制御系の構成の一例を示す機能ブロック図である。
本実施の形態の画像形成装置10は、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するものである。なお、第1特別色及び第2特別色は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の特別色(透明を含む)から選択される。なお、以降の説明では、V、W、Y、M、C、Kを区別する場合は、数字の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明し、V、W、Y、M、C、Kを区別せずに総称する場合は、V、W、Y、M、C、Kの記載を省略する。
画像形成装置10は、画像処理回路20を備えており、外部のコンピュータやプリントサーバ等から受け付けた画像データに予め定められた画像処理を施し、画像形成部14に出力する。本実施の形態の画像形成装置10は、各色に対応する画像形成手段の一例として6つの画像形成部14が設けられていると共に、画像形成部14毎に露光装置12が設けられている。露光装置12は、画像処理回路20により画像処理を施された画像データ受け取り、半導体レーザまたはLED(図示省略)を色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザまたはLEDから露光光Lを出射するように構成されている。詳細には、矢印A(時計回り)方向に回転駆動される感光体13の表面に各色に対応した露光光Lを照射して感光体13上に静電潜像を形成するようになっている。
図1に示すように、画像形成部14下側には、各感光体13と接触する無端状の中間転写体16を含んで構成されている。中間転写体16は、図示を省略した駆動手段により、図1の矢印A方向(反時計回り方向)に循環移動されるようになっている。
また、図3に示すように、感光体13の周囲には、感光体13を帯電するコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器26と、露光装置12によって出射された露光光Lにより感光体13上に形成された静電潜像を各色の現像剤(トナー)で現像する現像装置25とが設けられている。また、1次転写ロール24が、中間転写体16を挟んで感光体13と対向配置されている。1次転写ロール24は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により感光体13上に形成されたトナー画像が中間転写体16に転写されるようになっている。さらに、中間転写体16上に多重転写された各色のトナー画像が、2次転写ロール(図示省略)によって矢印C方向に搬送される用紙Pに2次転写される構成となっている。
また、本実施の形態の画像形成装置10は、中間転写体16上のトナー画像の濃度を検出するイメージセンサ18が、画像形成部14の下流側に設けられている。イメージセンサ18の具体的一例としては、中間転写体16上に形成されたトナー画像の反射率または透過率を検出するセンサが挙げられる。なお、反射率を検出する場合は、中間転写体16に光を照射する光源と、反射光を受光するセンサとが中間転写体16に対して同じ側に設けられており、透過率を検出する場合は、中間転写体16に光を照射する光源と、透過光を受光するセンサとが中間転写体16を挟んで対向するように設けられている。また、センサ信号処理回路22は、イメージセンサ18の出力信号を濃度ムラ情報に変換し画像処理回路20に出力する。
本実施の形態の画像処理装置30は、画像処理回路20及びセンサ信号処理回路22を含んで構成されている。
図2に示すように、本実施の形態の画像処理装置30は、CPU32、ROM34、RAM36、記憶部37、マシン制御部38、イメージセンサ制御部40、検出部42、補正値算出部44、露光量算出部46、及び露光制御部48を備えて構成されている。なお、CPU32、ROM34、RAM36、記憶部37、マシン制御部38、補正値算出部44、露光量算出部46、及び露光制御部48が画像処理回路20の機能に該当し、イメージセンサ制御部40及び検出部42がセンサ信号処理回路22の機能に該当する。CPU32、ROM34、RAM36、記憶部37、マシン制御部38、イメージセンサ制御部40、検出部42、補正値算出部44、露光量算出部46、露光制御部48、画像形成部14、及びイメージセンサ18は、コントロールバスやデータバス等のバス49を介して互いに情報等の授受が可能に接続されている。
CPU32は、画像処理装置30全体の制御等を行うものであり、具体的には、ROM34に格納されているプログラム35を実行することにより制御を行っている。なお、本実施の形態では、プログラム35は、予め格納されている構成としているがこれに限らず、プログラム35をCD−ROMやリムーバブルディスク等の記録媒体等に記憶しておき記録媒体からROM35等にインストールするようにしてもよいし、インターネット等の通信回線を介して外部装置からROM35等にインストールするようにしてもよい。RAM36は、CPU30でプログラム35を実行する際の作業用の領域を確保するものである。
記憶部37は、トナーバンド60(詳細後述)により検出した主走査方向の濃度等を記憶するものである。具体的例としては、メモリやハードディスク等が挙げられる。
なお、本実施の形態では、中間転写体16が移動する方向を副走査方向といい、感光体13の回転軸方向(副走査方向と直交関係にあるとみなせる方向)を主走査方向という。
マシン制御部38は、図3に示すように、画像データ処理部50及び印字データ生成部52を含んで構成されている。画像データ処理部50は、画像データに対して、例えば、RGBの画像データをYMCKの画像データに変換する処理等、予め定められた画像処理を行う機能を有している。
また、マシン制御部38は、中間転写体16上にトナー画像を形成する画像領域の指示や、トナーバンド60の形成指示、トナーパッチ62A、62B(詳細後述)の形成指示、及びイメージセンサ18の駆動指示等を出力する機能を有している。印字データ生成部52は、これらの指示と、画像データ処理部50で処理された画像データに基づいて、中間転写体16上に画像を形成するための画像データである印字データ(以下、説明の簡略化のため、当該印字データについても単に画像データという)を生成する機能を有している。
イメージセンサ制御部40は、中間転写体16上に検出された画像(トナーバンド60、トナーパッチ62A、62B)のトナー濃度を検出するために、マシン制御部38からのイメージセンサ駆動指示に基づいて、イメージセンサ18を駆動する機能を有するものである。また、イメージセンサ制御部40は、センサ出力AD変換部54を含んで構成されている。センサ出力AD変換部54は、イメージセンサ18から入力されたセンサ信号をAD変換した信号を検出部42に出力する機能を有するものである。
検出部42は、イメージセンサ制御部40によりAD変換されたセンサ信号に基づいて、画像の濃度を検出する機能を有するものであり、主走査方向複数位置濃度検出部56及びトナーパッチ位置濃度検出部58を含んで構成されている。主走査方向複数位置濃度検出部56は、トナーバンド60の主走査方向の各位置の濃度を検出して、主走査方向の濃度ムラを検出する機能を有するものである。また、トナーパッチ位置濃度検出部58は、トナーパッチ62A、62Bの濃度を検出する機能を有するものである。
補正値算出部44は、トナーバンド60の主走査方向の各位置の濃度及びトナーパッチ62A、62Bの濃度に基づいて、露光装置12で感光体13を露光する露光量の補正値を算出する機能を有するものである。
露光量算出部46、補正値算出部44で算出された補正値と、マシン制御部38から取得した画像データに基づいて上記露光量を算出する機能を有するものであり、露光制御部48は、露光量算出部46で算出された露光量で感光体13を露光するように、露光装置12を制御する機能を有するものである。
次に本実施の形態の作用を説明する。
まず、主走査方向の濃度ムラ及び濃度ムラの補正の概略について説明する。
副走査方向の濃度ムラは、感光体13や、現像装置(現像ロール)25の偏心等、機械的な公差に基づいて生じる。このような副走査方向の濃度ムラは、例えば、これらの部品の精度を向上させること等により抑制される。一方、主走査方向の濃度ムラは、感光体13や、現像装置(現像ロール)25等の回転部材を回転させるモータや、電源、駆動回路基板の配置や、用紙補給位置等の画像形成装置10の機械的構造により、画像形成装置10内の温度の変動が、画像形成装置10の正面側と後ろ側とで異なるために、帯電特性、現像特性の経時変化が正面側と後ろ側とで異なる挙動となることにより発生する。このように主走査方向の濃度ムラは、経時条件や、連続して画像を形成する用紙枚数等の条件によって異なるため、画像形成中に濃度ムラの補正を行う。
画像の濃度ムラのイメージを図4に示す。図4(A)は、用紙Pの画像形成領域の全面に濃度が均一な画像を形成する画像データにより画像を形成した場合(濃度ムラ補正なし)に形成される画像のイメージを示しており、(B)は、(A)が濃度ムラが経時劣化により変化した画像のイメージを示しており、(C)は、濃度ムラ補正を行って画像を形成した場合の画像のイメージを示している。また、図5には、図4(A)〜(C)の各画像における、主走査方向の位置と明度との関係を示した。図4及び図5に示したように、経時劣化により、主走査方向の濃度ムラ(主走査方向の両端部の濃度差)は大きくなり、補正を行うことにより当該濃度ムラは小さくなる。
図6に、本実施の形態に係る画像処理装置30による主走査方向の濃度ムラを補正するための処理の一例のフローチャートを示す。なお、ここでは、具体的一例として、画像全体に図7に示した濃度ムラが発生している場合について説明する。
ステップ100では、トナーバンド60を形成するか否か判断する。トナーバンド60を形成するタイミングは濃度ムラの補正精度や、画像形成のコストパフォーマンス等により予め定められており、例えば、画像形成前や、所定の枚数分の画像を形成する毎等が挙げられる。予め定められたタイミングである場合は、肯定されてステップ102へ進む。
ステップ102では、トナーバンド60を中間転写体16上に形成する。中間転写体16上に形成されたトナーバンド60の具体例を図8(A)に示す。また、図8(B)に中間転写体16上に形成されたトナーパッチ62A、62Bの具体例を示す。図8において中間転写体16上の点線内の領域が画像形成領域を示している。トナーバンド60は、画像形成領域における主走査方向の濃度ムラを検出するのに好ましい長さ(主走査方向)に形成されている。当該主走査方向の長さは実験的に予め定めておけばよく、画像形成領域の主走査方向全体を覆わない長さであってもよい。具体的一例としては、A3(用紙サイズ297mm×420mm)の用紙に画像を形成する画像形成装置10では、主走査方向の長さが300mm、副走査方向の長さ(幅)が3mmのトナーバンド60を形成することが挙げられる。
なお、本実施の形態では、このように副走査方向の長さが短いトナーバンド60を形成しているがこれに限らず、副走査方向の長さを長くしてもよい。例えば、主走査方向と同じ長さや、画像形成領域と同じ長さとしてもよい。
また、本実施の形態のように複数の色の画像を形成する場合は、各色頃にトナーバンド60及びトナーパッチ62A、62Bを形成するようにしてもよいし、混色のトナーバンド60及びトナーパッチ62A、62Bを形成するようにしてもよい。
次のステップ104では、主走査方向の複数位置での濃度を検出する。本実施の形態では、具体的一例として、主走査方向の13個所の位置(x1〜x13)における濃度を検出し、次のステップ106では、ステップ104で検出した主走査方向x1〜x13の濃度(実測値)を記憶部37に記憶する。
なお、図9に示すように、副走査方向の幅が長い(長さ=Y1)場合は、副主走査方向の複数個所の濃度を検出し、検出した濃度の平均値を用いるようにすればよい。また、副走査方向の幅が短い(長さ=Y2)場合は、予め定められた副走査方向の位置(例えば、中央付近)の濃度を検出する。主走査方向の位置xと、濃度yとの関係の一例を図10に示す。
次の、ステップ108では、主走査方向x1〜x13の濃度を用いて、一次近似式(y=Ax+B)を算出する。一次近似式は、例えば、最小二乗法等を用いて算出すればよい、算出式の一例を図11に示す。また、算出された一次近似直線と、主走査方向x1〜x13の濃度との関係を図12に示す。
次のステップ110では、トナーパッチ62A、62Bが形成されるそれぞれの領域内で、近似直線と実測値との差が最も小さい主走査方向の位置xを抽出して、当該位置を記憶部37に記憶する。本実施の形態では、図12に示すように、トナーパッチ62Aが形成される領域X1では、主走査方向x3が最も小さいため、これを検出位置x−1として抽出する。また、トナーパッチ62Bが形成される領域X2では、主走査方向x12が最も小さいため、これを検出位置x−1として抽出する。
次のステップ112では、検出位置x−1及びx−1の濃度を取得した後、ステップ120へ進む。
上述のステップ102〜112の処理により、主走査方向x1〜x13の濃度(実測値)が記憶部37に記憶された状態となると共に、トナーパッチ62A、62Bによる濃度ムラの補正を行う際に濃度を検出する検出位置x−1、x−1が抽出された状態になる。なお、本実施の形態では、ステップ108、110の処理により検出位置x−1、x−1を抽出したがこれに限らず、実験的に予め抽出しておいてもよい。例えば、複数の画像形成装置10の機械特性から濃度の実測値が近似式により得られた濃度の近似値に最も近くなる主走査方向の位置xを統計的に実験的に求めておいてもよい。なお、トナーバンド60を形成する毎に抽出することにより、経時劣化にかかわらず、濃度の近似値に近くなる位置が検出位置とされるため好ましい。
一方、ステップ100で否定された場合は、ステップ114へ進む。ステップ114では、トナーパッチ62A、62Bを形成するか否か判断する。トナーパッチ62A、62Bを形成するタイミングは、濃度ムラの補正精度等により予め定められており、例えば、所定の枚数分の画像を形成する毎等が挙げられる。予め定められたタイミングでない場合は、否定されてステップ100に戻り本処理を繰返し、予め定められたタイミングである場合は、肯定されてステップ116へ進む。
ステップ116では、トナーパッチ62A、62Bを中間転写体16上に形成する(図8(B)参照)。トナーパッチ62A、62Bの大きさ(主双方向の長さ)は、実験的に予め定めておけばよく、その形状は特に限定されない。具体的一例としては、A3(用紙サイズ297mm×420mm)の用紙に画像を形成する画像形成装置10では、主走査方向の長さが3mm、副走査方向の長さ(幅)が3mmのトナーパッチ62A、62Bを形成することが挙げられる。
次のステップ118では、形成したトナーパッチ62A、62Bそれぞれにおいて、上述のステップ110で抽出した検出位置x−1、x−1の濃度を検出する。
次のステップ120では、検出位置x−1、x−1の濃度値(2点)を通る近似直線(y=ax+b)を算出する。
次のステップ122では、記憶されている主走査方向x1〜x13の各濃度と、ステップ120で得られた近似直線により得られる各濃度の近似値との差(実測値−近似値)をそれぞれ算出し(図13参照)、次のステップ124では、算出した主走査方向x1〜x13毎の差毎に補正値を(1)式により算出する。
補正値=差+主走査方向x1〜x13の各濃度の平均値((y1+y2+y3+y4+y5+y6+y7+y8+y9+y10+y11+y12+y13)/13) ・・・(1)
次のステップ126では、算出した補正値に基づいて単位発光面積あたりの露光量を算出し、算出した露光量になるよう露光装置12を制御する。
本実施の形態では、制御因子となる1.印字ドットパルス幅、2.印字光量、3.画像データの濃度、のいずれかを補正値により補正する。図14(A)に示すように、印字濃度と、制御因子との関係が線形な場合は、それぞれ補正値を除算することにより、図15に示すように、パルス幅、露光強度、または露光面積率を変化させるように露光装置12を制御する。なお、図14(B)に示すように、印字濃度と、制御因子との関係が非線形な場合は、予め濃度と、制御因子との非線形性の関数式を得ておくか、関係を示すLUT(Look Up Table)を作成して記憶部37に記憶しておき、濃度に応じた濃度補正値を適用すればよい。
次のステップ128では、本処理を終了するか否か判断する。画像データの全てのページの画像を形成していない場合等は、否定されてステップ100に戻り、本処理を繰り返す。一方、全ての画像を形成した場合等は、肯定されて本処理を終了する。
上述のようにして濃度ムラが補正された補正後の主走査方向の位置xと濃度との関係を図13に示す。図13に示すように、補正前の最大濃度ムラに比べて、補正後の最大濃度ムラの方が小さくなっていることがわかる。このように、本実施の形態では、補正後では、濃度の平均値に対する濃度のずれ量が主走査方向の各位置で小さくなるため、濃度ムラが補正される。
以上説明したように、本実施の形態では、主走査方向に長いトナーバンド60を形成し、主走査方向x1〜x13の各位置の濃度を検出し、各位置の濃度(実測値)を記憶する。画像データに基づいて画像を形成している最中等において、主走査方向の濃度ムラを補正する場合は、トナーパッチ62A、62B内の検出位置(検出位置x−1、x−1)の濃度を検出し、2点の検出値を通る近似直線を算出する。さらに、主走査方向x1〜x13の各位置の濃度と、2点の検出値により算出された近似直線により得られた濃度の近似値と、の差を算出し、算出した差と、主走査方向x1〜x13の各位置の濃度の平均値とを加算することにより補正値を算出する。また、算出した補正値に基づいて、単位発光面積あたりの露光量を制御する。
このように補正値を算出することにより、主走査方向の濃度ムラを補正する場合は、主走査方向に間隔を隔てた位置にトナーパッチ62A、62Bを形成すればよいため、トナーバンド60を形成する回数が少なくなるため、濃度ムラの補正を維持しながら、濃度ムラを補正する際に形成される画像の面積を小さくする。従って、濃度ムラを補正する際に消費するトナー量が抑制される。
具体的一例を示す。100枚の用紙Pに画像を形成する場合において、上述した大きさのトナーバンド60をインターバル10で形成し、濃度ムラを補正する場合は、形成される検出画像(トナーバンド60)の総面積は、3×300×10(インターバル)=9000mmとなる。一方、トナーバンド60を1回形成した後、20枚毎(4回)トナーパッチ62A、62Bを形成し、濃度ムラを補正する場合は、形成される検出画像(トナーバンド60+トナーパッチ62A、62B)の総面積は、(3×300×1)+(3×3×4)=936mmとなる。このように、検出画像の面積が約10分の1に軽減される。なお、トナーバンド60及びトナーパッチ62A、62Bを形成する頻度はこれに限定されない。例えば、従来のトナーバンド60のみを用いて濃度ムラを補正する場合において、最初のみ等限られたタイミングでトナーバンド60を形成し、その他のタイミングでは、トナーパッチ62A、62Bを形成するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、上述したように、トナーバンド60を形成した場合は、トナーバンド60内の検出位置x−1、x−1の濃度の濃度により近似式を算出し、当該近似式を用いて補正値を算出しているがこれに限らず、例えば、ステップ108で算出した近似式を用いる等してもよい。
また、上記では、トナーパッチ62A、62Bのように、2個所にトナーパッチを形成する場合について詳細に説明したが、トナーパッチの数はこれに限らない。例えば、主走査方向に間隔を隔てて3個所に形成してもよい。この場合のトナーパッチの例を図16(B)に示す。上述のトナーパッチ62A、62Bに加えて、主走査方向の中央部付近にトナーパッチ62Cを形成する。なお、このように3個所にトナーパッチを形成した場合は、上述のステップ108及びステップ120では、図17に示した式を用いて、近似曲線(本例では2次近似式だが他の近似法を適用してもよい)を算出するようにすればよい。近似曲線及びトナーパッチ62A、62B、62C毎の検出位置x−1、x−2、x−3との関係を図18に示す。
また、本実施の形態では、上述のように、トナーパッチ62A、62B内の濃度の実測値が最も近似式に最も近い主走査方向の位置xを検出位置としているがこれに限らず、検出位置を予め定めておいてもよい。実験的に最適となる位置を定めてもよいし、例えば主走査方向の両端部等としてもよい。上述のように、濃度の実測値が近似式に最も近い2点を検出位置とした場合の補正後の濃度と主走査方向との位置の関係を図19に示す。また、主走査方向の両端部を検出位置とした場合の補正後の濃度と主走査方向との位置の関係を図20に示す。図19からわかるように、補正前より主走査方向の濃度変化が平坦になっていることがみとめられる。また、図20からわかるように、両端部を用いた場合では、図19の場合に比して、補正誤差は大きくなるものの、主走査方向の濃度変化(全体の傾き)が補正するため、濃度ムラが抑制されていることがわかる。
また、本実施の形態では、1つのセンサ(イメージセンサ18)により、トナーバンド60及びトナーパッチ62A、62B両者の濃度を検出するようにしているがこれに限らず、図21に示すように、トナーパッチ62A、62Bの濃度の読取り用にセンサ19A、19Bを設けてもよい。センサ19A、19Bは、例えば画像形成部14により形成される各色の画像の位置ズレを補正するために使用されるADC(Auto Density Control)センサであってもよい。なお、いずれの場合においても、トナーバンド60及びトナーパッチ62A、62Bの濃度を検出するセンサは、全ての色の画像が形成された後の位置(図1参照)に設けることが好ましい。これにより、形成される画像の色数にかかわらず、センサの個数が1つでよい。
また、本実施の形態では、中間転写体16上に形成されたトナーバンド60、トナーパッチ62A、62Bの濃度を検出しているが、これに限らず、例えば、用紙Pに転写された後のトナーバンド60、トナーパッチ62A、62Bの画像の濃度を検出するようにしてもよい。また、中間転写体16を用いないで画像を形成する(感光体に形成されたトナー画像を、用紙に転写する)画像形成装置の場合等は、感光体上に形成されたトナーバンド60、トナーパッチ62A、62Bの画像の濃度を検出するようにすればよい。
10 画像形成装置
14 画像形成部
16 中間転写体
18 イメージセンサ
20 画像処理回路
22 センサ信号処理回路
30 画像処理装置
32 CPU
35 プログラム
38 マシン制御部
40 イメージセンサ制御部
42 検出部
44 補正値算出部
46 露光量算出部
48 露光制御部

Claims (6)

  1. 主走査方向に長い第1検出画像を被画像形成体上に形成するよう画像形成手段を制御する第1画像形成制御手段と、
    前記第1検出画像内の主走査方向の位置が異なる複数の第1検出位置の濃度を検出するよう検出手段を制御する第1検出制御手段と、
    複数の前記第1検出位置の濃度を前記検出手段に検出させた後、主走査方向の濃度ムラを補正する場合に、被画像形成体上の主走査方向に沿って間隔を隔てた少なくとも2個所の位置の各々に第2検出画像を形成するよう前記画像形成手段を制御する第2画像形成制御手段と、
    前記第2検出画像毎に、前記第2検出画像内の第2検出位置の濃度を検出するよう前記検出手段を制御する第2検出制御手段と、
    前記第2検出位置の濃度に基づいて、主走査方向の各位置の濃度を表す近似式を算出し、複数の前記第1検出位置の検出値と複数の前記第1検出位置の各々に対応する前記近似式により得られた濃度の近似値との差を各々算出し、算出した差と複数の前記第1検出位置の検出値の平均値とに基づいて前記画像形成条件の補正値を算出する算出手段と、
    を備えた画像処理装置。
  2. 複数の前記第1検出位置の濃度の検出値に基づいて主走査方向の各位置の濃度を表す近似式を算出し、当該近似式により得られた濃度の近似値と前記第1検出位置の検出値との差が小さい位置を前記第2検出位置として決定する決定手段を備えた、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像形成手段は、画像データに基づいて、感光体を前記画像形成条件に応じた露光量で露光する露光手段を含み、
    前記算出手段により算出された前記補正値により補正した前記画像形成条件に応じ前記感光体を露光するように前記露光手段を制御する露光制御手段を備えた、
    請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 被画像形成体上に画像形成条件に応じて画像を形成する画像形成手段と、
    前記被画像形成体上に画像形成手段により形成された画像の濃度を検出する検出手段と、
    前記画像形成条件を補正する補正値を算出する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    を備えた画像形成装置。
  5. 前記被画像形成体は、中間転写体であって、前記画像形成手段は、複数の色に応じた画像を各色毎に前記中間転写体に予め定められた順序で形成し、前記検出手段は、前記中間転写体上に形成された画像の反射率または透過率を検出する、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 主走査方向に長い第1検出画像を被画像形成体上に形成するよう画像形成手段を制御するステップと
    前記第1検出画像内の主走査方向の位置が異なる複数の第1検出位置の濃度を検出するよう検出手段を制御するステップと、
    複数の前記第1検出位置の濃度を前記検出手段に検出させた後、主走査方向の濃度ムラを補正する場合に、被画像形成体上の主走査方向に沿って間隔を隔てた少なくとも2個所の位置の各々に第2検出画像を形成するよう前記画像形成手段を制御するステップと、
    前記第2検出画像毎に、前記第2検出画像内の第2検出位置の濃度を検出するよう前記検出手段を制御するステップと、
    前記第2検出位置の濃度に基づいて、主走査方向の各位置の濃度を表す近似式を算出し、複数の前記第1検出位置の検出値と複数の前記第1検出位置の各々に対応する前記近似式により得られた濃度の近似値との差を各々算出し、算出した差と複数の前記第1検出位置の検出値の平均値とに基づいて前記画像形成条件の補正値を算出するステップと、
    を備えた処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020034770A (ja) * 2018-08-30 2020-03-05 株式会社リコー 画像形成装置
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