JP2010236832A - エンジン駆動式冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エバポレータファン39によって庫内に空調空気を供給するエバポレータ37および冷媒を圧縮するとともに循環させる圧縮機11を有する冷凍サイクル43と、圧縮機11およびオルタネータ31を駆動するサブエンジン23と、オルタネータ31によって発生された電力を蓄電するとともに冷凍サイクル43およびサブエンジン23に電力を供給するバッテリ49と、庫内の温度を所定範囲に維持するために圧縮機11を発動あるいは停止させる定温維持運転モード47を有する制御部45と、を備え、定温維持運転モード47は、圧縮機11の停止中にエバポレータファン39を間欠的に運転するとともにエバポレータファン39の一定時間あたりの運転時間が段階を追って小さくされる。
【選択図】図2
Description
陸上輸送用冷凍装置は、コンプレッサ、コンデンサユニット、エバポレータユニット等の機器類を冷媒配管で接続した冷凍サイクルを形成し、さらに、各種運転操作を行う制御部等を具備して構成されている。
なお、サブエンジン方式においては、コンプレッサ駆動用のサブエンジンがオルタネータを駆動し、エンジン始動、冷凍サイクルのファン駆動等に使用される電力を供給するバッテリの充電を行うようになっている。
この運転パターンでは、コンプレッサが停止されるときにサブエンジンは停止できるので、停止されている分エンジンの燃料消費量が低減でき、連続運転パターンに比べて燃費が改善される。
すなわち、エンジン停止に伴いバッテリは充電されなくなるので、たとえば、大電流を要するエンジンの起動時等を考慮してバッテリの充電量を確保するためにエバポレータファンも停止されている。
エバポレータファンが停止されると、庫内における強制的な空気循環がなくなるので、たとえば、冷気は下へ暖気は上へと移動し、庫内の温度分布が不均一となる。
このように、正確な庫内温度を検知できないことにより適正な温度制御ができなくなり、著しい場合には荷物の品質悪化を招く恐れがある。
しかしながら、エンジンの駆動によって充電されるバッテリを電源として用いているエンジン駆動式冷凍装置では、エンジン停止時におけるバッテリの容量を考慮して一層消費電力を低減させる工夫が求められている。
すなわち、本発明にかかるエンジン駆動式冷凍装置は、エバポレータファンによって庫内に空調された空気を供給するエバポレータおよび冷媒を圧縮するとともに循環させる圧縮機を有する冷凍サイクルと、少なくともエンジンを有し、前記圧縮機および発電を行う発電部材を駆動する駆動装置と、該発電部材によって発生された電力を蓄電するとともに前記冷凍サイクルおよび前記駆動部材に電力を供給する蓄電池と、庫内の温度を所定範囲に維持するために前記圧縮機を発動あるいは停止させる定温維持運転モードを有する制御部と、を備え、前記定温維持運転モードは、前記圧縮機の停止中に前記エバポレータファンを間欠的に運転するとともに前記エバポレータファンの一定時間あたりの運転時間が段階を追って小さくされることを特徴とする。
このとき、定温維持運転モードは、圧縮機の停止中にエバポレータファンを間欠的に運転するので、庫内における空気循環が間欠的に行われるとともに、たとえば、エバポレータからの冷気が庫内に供給されることになる。
間欠的といえども空気循環が行われると、庫内の空気が混合されるので、温度分布を改善、すなわち、略均一に近づけることができる。これにより、正確な庫内温度が検知できるので、適正な温度制御を行うことができる。
また、エバポレータからの冷気が庫内に供給されることもあいまって、庫内温度の上昇を抑制することができるので、圧縮機の再発動のタイミングを遅らせることができる。このため、エンジンの燃費が一層良くなる。
定温維持運転モードは、エバポレータファンの一定時間あたりの運転時間が段階を追って小さくされるので、一定時間あたりエバポレータファンが消費する電力は圧縮機停止時間が長くなるに連れて小さくなる。このため、蓄電池から消費される電力を抑制することができる。
定温維持運転モードは、圧縮機の停止中におけるエバポレータファンの積算運転時間が所定時間に至ると圧縮機の停止中におけるエバポレータファンの積算運転時間が所定時間に至ると駆動装置が圧縮機を駆動しない状態で発電部材を駆動するので、蓄電池を充電することができる。蓄電池が充電されると、エバポレータファンの運転を継続することができる。所定時間は、たとえば、蓄電池の設定蓄電量からエンジンの起動に必要な電力を差し引いた電力でエバポレータファンが運転できる時間以内に設定される。このようにすると、エンジンは確実に再起動できるので、エバポレータファンの間欠運転を必要な時間継続して行うことができる。
これにより、蓄電池は、圧縮機の停止中におけるエバポレータファンの間欠運転を行うに十分な蓄電量を確保することができるので、安定した定温維持運転を行うことができる。
なお、この場合庫内の温度分布を改善できるだけの風量を確保することが望ましい。
なお、この場合庫内の温度分布を改善できるだけの風量を確保することが望ましい。
また、定温維持運転モードは、圧縮機の停止中にエバポレータファンを間欠的に運転するので、適正な温度制御を行うことができ、圧縮機の再発動のタイミングを遅らせることができる。このため、エンジンの燃費が一層良くなる。
定温維持運転モードは、エバポレータファンの一定時間あたりの運転時間が段階を追って小さくされるので、蓄電池から消費される電力を抑制することができる。
図1は、エンジン駆動式冷凍装置1の装着状態を示す斜視図である。図2は、エンジン駆動式冷凍装置の全体概略構成を示すブロック図である。
トラック3の荷台には、冷却空間を形成する保冷庫5が搭載されている。
陸上輸送用冷凍装置は、たとえばトラック3の荷台下部等に設置されたコンデサユニット7と、荷室5内に設置されたエバポレータユニット9と、を具備して構成される。
一方向遠心クラッチ27は、サブエンジン23の回転数が所定回転数以上になると電動モータ25側へと動力を伝達し、電動モータ25側からの動力はサブエンジン23側に伝達されないように構成されたものであり、電動モータ25のモータ軸に連結される被駆動側には図示省略のクラッチプーリが設けられた構成とされている。
サブエンジン23および電動モータ25はベルト21を介して圧縮機11およびオルタネータ31を駆動するものであり、本発明の駆動装置を構成している。
サブエンジン23、電動モータ25、圧縮機11およびオルタネータ31は、一体にモジュール化され、フレーム上に前後方向の複数箇所で防振ゴムを介して防振支持された構成とされている。
エバポレータユニット9には、レシーバ19からの液冷媒を減圧する膨張弁35と、減圧された液冷媒と保冷庫3内空気とを熱交換させるエバポレータ37と、エバポレータ37へ庫内空気を供給し保冷庫5内を循環させるエバポレータファン39と、エバポレータファン39を回転駆動させるエバポレータファンモータ41と、が備えられている。
なお、エバポレータファン39は、ターボファンに限定されるものではなく、プロペラファン等適宜形式のものが用いられてよい。
圧縮機11の吐出側と、コンデンサ13と、レシーバ19と、膨張弁35と、エバポレータ37と、圧縮機9の吸入側とは、冷媒配管によって接続され、冷凍サイクル43が形成されている。
バッテリ49に蓄電された電力は、コンデンサファンモータ17、エバポレータファンモータ41、およびサブエンジン23のスタータ29等に直流電力(12ボルト)として供給されるように構成されている。
エンジン駆動式冷凍装置1は、制御部45によって駆動制御される。
エンジン駆動式冷凍装置1は、トラック3の走行時、サブエンジン23により駆動される。サブエンジン23が駆動されてその回転数が所定回転数以上になると、一方向遠心クラッチ27が接続され、サブエンジン23の動力はベルト21を介して圧縮機11およびオルタネータ31に伝達される。
コンデンサ13に流入した冷媒ガスは、コンデンサファン15の回転により通風される外気と熱交換されて凝縮液化される。この液冷媒はレシーバに貯留された後、膨張弁を経てエバポレータ37に供給され、エバポレータファン39によって循環される保冷庫5内の空気を冷却して蒸発ガス化する。
この冷却空気により保冷庫5内が所定温度に冷却される。蒸発ガス化された冷媒は、再び冷媒圧縮機5に吸入され、以下同様のサイクルを繰り返すことによって冷却運転が行われる。
一方、積荷する場合や夜間に休憩等のためにトラック3を停車する場合、サブエンジン23は停止される。この間、電動モータ25を外部の商用電源に接続することによって、エンジン駆動式冷凍装置1は電動モータ25を駆動源とするモータ駆動運転に切り換えられる。すなわち、電動モータ25とサブエンジン23とは、一方向遠心クラッチ27により切り離され、電動モータ25側からサブエンジン23側への動力伝達は遮断される。
定温維持運転モード47では、たとえば、保冷庫5内が低い側の所望の温度まで冷却されるとサブエンジン23を停止して圧縮機11の運転を止める。定温維持運転モード47において圧縮機11を停止すること、および停止が維持されている状態はサーモオフと呼ばれている。
このように、サブエンジン23はサーモオフされている期間停止されるので、その分連続運転されている形式の運転モードに比べてサブエンジン23の燃料消費量を低減することができる。
定温維持運転モード47は、保冷庫5内が低い側の所望の温度まで冷却されるとサブエンジン23を停止して圧縮機11の運転を止め、サーモオフ(ステップS1)する。
定温維持運転モード47は、バッテリ49に蓄電された直流電力によってエバポレータファンモータ41を作動し、エバポレータファン39を駆動する(ステップS2)。定温維持運転モード47においてエバポレータファンモータ41が駆動されること、および駆動されている状態が維持されている状態をエバファンオンと呼ぶ。
ステップS3で、エバファンオンが15秒継続していない場合(no)、エバファンオンを継続する。
ステップS3で、エバファンオンが15秒継続した場合(yes)、定温維持運転モード47は、エバポレータファンモータ41の駆動を停止し、エバポレータファン39を停止する(ステップS4)。定温維持運転モード47においてエバポレータファンモータ41が停止され、エバポレータファン39が停止されること、および停止されている状態が維持されている状態をエバファンオフと呼ぶ。
ステップS5で、エバファンオフが45秒継続していない場合(no)、エバファンオフを継続する。
ステップS5で、エバファンオフが45秒継続した場合(yes)、定温維持運転モード47は、図示しないカウンタのサイクル数カウントが5サイクル(5回)経過したか判定する(ステップS6)。図示しないカウンタは、たとえば、サーモオフにより初期値0に戻るようにされている。
ここで、サイクルは、エバファンオンとエバファンオフとを1回ずつ行うことである。
ステップS6で、カウンタのサイクル数カウントが5あるいはそれ以上、すなわち、5サイクル経過した場合(yes)、ステップS8に移行し、エバファンオンとする。
ステップS9で、エバファンオンが12秒継続していない場合(no)、エバファンオンを継続する。
ステップS9で、エバファンオンが12秒継続した場合(yes)、定温維持運転モード47は、エバファンオフする(ステップS10)。
ステップS11で、エバファンオフが48秒継続していない場合(no)、エバファンオフを継続する。
ステップS11で、エバファンオフが48秒継続した場合(yes)、定温維持運転モード47は、図示しないカウンタのサイクル数カウントが10サイクル(10回)経過したか判定する(ステップS12)。
ステップS12で、カウンタのサイクル数カウントが11以上、すなわち、10サイクル経過した場合(yes)、ステップS14に移行し、エバファンオンとする。
ステップS15で、エバファンオンが10秒継続していない場合(no)、エバファンオンを継続する。
ステップS15で、エバファンオンが10秒継続した場合(yes)、定温維持運転モード47は、エバファンオフする(ステップS16)。
ステップS17で、エバファンオフが50秒継続していない場合(no)、エバファンオフを継続する。
ステップS17で、エバファンオフが50秒継続した場合(yes)、定温維持運転モード47は、図示しないカウンタのサイクル数カウントが15サイクル(15回)経過したか判定する(ステップS18)。
ステップS18で、カウンタのサイクル数カウントが16以上、すなわち、15サイクル経過した場合(yes)、定温維持運転モード47は、電磁クラッチ33を切断した状態で、サブエンジン23あるいは電動モータ25を作動し、オルタネータ31を駆動する、すなわち、発電運転を開始する(ステップS20)。
間欠的といえども空気循環が行われると、保冷庫5内の空気が混合されるので、温度分布を改善、すなわち、略均一に近づけることができる。これにより、正確な庫内温度が検知できるので、適正な温度制御を行うことができる。
また、エバポレータで冷却された冷気が保冷庫5内に供給されることもあいまって、保冷庫5内温度の上昇を抑制することができるので、サーモオン、すなわち、圧縮機11の再発動のタイミングを遅らせることができる。したがって、エンジンの燃費が一層良くなる。
グラフに示す温度変化は、温度が高くなる扉側の天井隅51と、サーモオン時に温度が低くなる天井の前後方向および幅方向の略中心位置である天井面53と、比較的冷凍状態が維持される床の前後方向および幅方向の略中心位置である床面55と、を示している。
図5は、サーモオフ時にエバポレータファン39の運転をしていないものの計測結果を示し、図6はサーモオフ時にエバポレータファン39の間欠運転59を行っているものの計測結果を示している。
したがって、この測定結果は、エバポレータファン39の間欠運転59の上述の作用・効果を裏づけている。
このため、蓄電池から消費される電力を抑制することができる。
なお、本実施形態では、間欠運転時間は3段階とされているが、それ以上の段階数としてもよいし、2段階としてもよい。また、各段階におけるエバポレータファン39の運転時間も例示したものであるので、これに限定されない。
積算運転時間が185秒となると、定温維持運転モード47は電磁クラッチ33を切断した状態で、サブエンジン23あるいは電動モータ25を作動し、オルタネータ31を駆動して発電運転を開始する。これにより、電力が発生するので、この電力によってバッテリ49が充電されるとともにエバポレータファン39の運転を継続することができる。
なお、185秒は例示したものであり、これは、たとえば、バッテリ49の設定充電量からサブエンジン23の起動に必要な電力を差し引いた電力で、エバポレータファン39が運転できる時間以内に設定されるのが望ましい。このようにすると、サブエンジン23は確実に再起動できる。
このようにすると、バッテリ49にサブエンジン23を起動するのに必要な電力量を残すことができるので、サブエンジン23は確実に再起動できる。
なお、たとえば、バッテリ49の容量が大きい場合、ステップS20あるいは間欠運転の停止でなく、サイクルを連続的に継続するようにしてもよい。
さらに、エバポレータファン39は複数備えられている場合、その一部のエバポレータファン39を間欠運転するようにしてもよい。
このようにすると、エバポレータファン39の消費電力を一層抑制することができる。
なお、この場合保管庫5内の温度分布を改善できるだけの風量を確保することが望ましい。
このとき、本実施形態では、図4に示されるように定温維持運転モード47は、圧縮機11の停止中におけるエバポレータファン39の積算運転時間に応じてサブエンジン23あるいは伝道モータ25の最低運転時間を増加させるようにしている。
ステップS22で、サブエンジン23が駆動される場合(yes)、定温維持運転モード47はサブエンジン23の最低運転時間Tmeとして、Tme=4分+(エバポレータファン39の積算運転時間(分)×0.1)分をセットする(ステップS23)。
なお、4分はサブエンジン23を起動するのに必要とする電力を蓄電する時間に相当する最低運転時間であり、数値はあくまで例示である。
(エバポレータファン39の積算運転時間(分)×0.1)分の0.1は例示である。この時間は、圧縮機11の停止中におけるエバポレータファン39の運転に必要とされる電力を蓄電する時間に相当する。
これは、電動モータ25が起動に要する電力をほぼ必要としないからである。
たとえば、本発明のエンジン駆動式冷凍装置は、冷凍車に適用されるサブエンジン式の輸送用冷凍装置に限らず、冷凍装置を駆動する専用の水冷エンジンを備えた冷凍、空調装置に広く適用できることはもちろんである。
5 保冷庫
11 圧縮機
23 サブエンジン
25 電動モータ
31 オルタネータ
39 エバポレータファン
43 冷凍サイクル
45 制御部
47 定温維持運転モード
49 バッテリ
Claims (6)
- エバポレータファンによって庫内に空調された空気を供給するエバポレータおよび冷媒を圧縮するとともに循環させる圧縮機を有する冷凍サイクルと、
少なくともエンジンを有し、前記圧縮機および発電を行う発電部材を駆動する駆動装置と、
該発電部材によって発生された電力を蓄電するとともに前記冷凍サイクルおよび前記駆動部材に電力を供給する蓄電池と、
庫内の温度を所定範囲に維持するために前記圧縮機を発動あるいは停止させる定温維持運転モードを有する制御部と、を備え、
前記定温維持運転モードは、前記圧縮機の停止中に前記エバポレータファンを間欠的に運転するとともに前記エバポレータファンの一定時間あたりの運転時間が段階を追って小さくされることを特徴とするエンジン駆動式冷凍装置。 - 前記定温維持運転モードは、前記圧縮機の停止中における前記エバポレータファンの積算運転時間が所定時間に至ると前記エバポレータファンの間欠運転を停止することを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動式冷凍装置。
- 前記圧縮機は前記駆動装置によって選択的に駆動されるようにされ、
前記定温維持運転モードは、前記圧縮機の停止中における前記エバポレータファンの積算運転時間が所定時間に至ると前記駆動装置が前記圧縮機を駆動しない状態で前記発電部材を駆動することを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動式冷凍装置。 - 前記定温維持運転モードは、前記圧縮機の停止中における前記エバポレータファンの積算運転時間に応じて前記圧縮機が再発動された際の前記駆動装置の最低運転時間を増加させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンジン駆動式冷凍装置。
- 前記定温維持運転モードは、前記圧縮機の停止中における前記エバポレータファンの運転速度が通常運転時に比べて低速とされることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のエンジン駆動式冷凍装置。
- 前記エバポレータファンは複数備えられ、
前記定温維持運転モードは、前記圧縮機の停止中に前記複数のエバポレータファンの一部を間欠運転することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンジン駆動式冷凍装置。
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