JP2010236406A - ピストン - Google Patents

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Yoshiki Nagahashi
慶樹 永橋
Hirotaka Murakami
浩隆 村上
Hodaka Mukohara
穂高 向原
Kenichi Nakamori
健一 中森
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Abstract

【課題】内燃機関のピストンにおいて、その裏側の天井面に供給されたエンジンオイルをより効率よく回収する。
【解決手段】スカート部間を連結すると共に一対のピストンピンボス34a,34bを含んでなる一対の連結壁と、前記各連結壁間を連結する補強壁35bとを有するピストン30において、前記補強壁35bのピストン天井面31cと反対側(下側)の端部が、前記連結壁に向けて下傾斜する。
【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関のピストンに関する。
従来、一対のスカート部及びピストンピンボスをピストン裏側にて一対の連結壁で連結し、該各連結壁は一対の補強壁で連結することで井桁状に構成されたピストンがある(例えば、特許文献1参照。)。このようなピストンにおいて、その裏側の天井面を冷却するために供給されたエンジンオイルは、前記連結壁や補強壁を伝ってクランクケース側に滴下することとなる。
特開2001−289117号公報
ところで、上記ピストンにおいて、ピストン裏側から滴下するエンジンオイルは、コンロッド等により拡散することなくクランクケース下部のオイル溜め(オイルパン)に落下すれば、より効率よく回収することができる。
しかし、前記補強壁のクランクケース側の端部は通常、平坦かつ所定長さをもって形成されるため、補強壁を伝ったエンジンオイルは前記端部の内の適当な位置から滴下することとなり、例えばコンロッドの動きにより弾き飛ばされて周囲に拡散し、エンジンオイルの回収性が低下するという課題がある。
そこでこの発明は、内燃機関のピストンにおいて、その裏側の天井面に供給されたエンジンオイルをより効率よく回収することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、ピストン天井面(例えば実施例のピストン天井面31c)から垂下する一対のスカート部(例えば実施例のスカート部32a,32b)と、これらスカート部間を連結すると共に一対のピストンピンボス(例えば実施例のピストンピンボス34a,34b)を含んでなる一対の連結壁(例えば実施例の連結壁33a,33b)と、前記スカート部とピストンピンボスとの間で前記各連結壁間を連結する補強壁(例えば実施例の補強壁35a,35b)とを有するピストン(例えば実施例のピストン30)において、前記補強壁のピストン天井面と反対側の端部(例えば実施例の下縁部41)が、前記連結壁に向けて下傾斜することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記補強壁の傾斜部(例えば実施例の傾斜部41b)は、前記補強壁の両側に前記各連結壁に向かってそれぞれ形成されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記補強壁の両傾斜部間に、該両傾斜部の端部に連続する平坦部(例えば実施例の平坦部41a)を設けたことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、ピストン天井面(例えば実施例のピストン天井面31c)から垂下する一対のスカート部(例えば実施例のスカート部32a,32b)と、これらスカート部間を連結すると共に一対のピストンピンボス(例えば実施例のピストンピンボス34a,34b)を含んでなる一対の連結壁(例えば実施例の補強壁35a,35b)と、前記スカート部とピストンピンボスとの間で前記各連結壁間を連結する補強壁(例えば実施例の補強壁35a,35b)とを有するピストン(例えば実施例のピストン130,130’)において、前記補強壁のピストン天井面と反対側の端部(例えば実施例の下縁部41)に、下方に突出する突起(例えば実施例の突起141,141’)を設けたことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記端部が、前記連結壁に向けて下傾斜し、該傾斜部(例えば実施例の傾斜部41b)に前記突起(例えば実施例の突起141’)を形成したことを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記補強壁の傾斜部は、前記補強壁の両側に前記各連結壁に向かってそれぞれ形成され、該補強壁の両傾斜部間に、該両傾斜部の端部に連続する平坦部(例えば実施例の平坦部41a)を設け、該平坦部に前記突起(例えば実施例の突起141)を形成したことを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、当該ピストンは鍛造成形品であり、前記突起はガス抜き突起であることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記補強壁は前記連結壁よりも低く設定されていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、補強壁のピストン天井面と反対側の端部に設けた傾斜部により、ピストン天井面に付着した後に補強壁に伝ったエンジンオイルを補強壁の傾斜部に沿って指向性をもって流し、その後に補強壁の連結壁側から指向性をもって滴下させることができる。このため、例えばピストン下方の他のエンジン部品と滴下したエンジンオイルとの衝突を防ぎ、エンジンオイルをより効率よく回収することができる。
請求項2に記載した発明によれば、補強壁の端部に至ったエンジンオイルを各連結壁に向けて振り分けて流すことができ、エンジンオイルが一方の連結壁側に偏ることを抑制できる。
請求項3に記載した発明によれば、オイルジェットから噴射されたエンジンオイルが、補強壁のピストン天井面からの突出高さを抑えた平坦部を越えてピストン天井面に到達し易くなり、オイルジェットからのエンジンオイルが補強壁に遮られることを抑制してピストン冷却性を向上できる。
請求項4に記載した発明によれば、補強壁のピストン天井面と反対側の端部に設けた突起により、ピストン天井面に付着したエンジンオイルを突起から指向性をもって滴下させることができる。このため、例えばピストン下方の他のエンジン部品と滴下したエンジンオイルとの衝突を防ぎ、エンジンオイルをより効率よく回収することができる。
請求項5に記載した発明によれば、ピストン天井面に付着したエンジンオイルを補強壁の傾斜部に沿って指向性をもって流した後に、突起から指向性をもって滴下させることができる。このため、エンジンオイルをより一層効率よく回収することができる。
請求項6に記載した発明によれば、補強壁の平坦部に溜まるエンジンオイルを指向性を持って滴下させることができ、エンジンオイルを効率よく回収することができる。
請求項7に記載した発明によれば、ガス抜き孔へのだ肉の浸入により形成されたガス抜き突起をエンジンオイル案内用の突起として有効利用することで、ピストン成形後にガス抜き突起を除去するための工数を削減できると共に、エンジンオイル案内用の突起の形成を容易にできる。
請求項8に記載した発明によれば、オイルジェットから噴射されたエンジンオイルが補強壁に遮られ難くなり、ピストン天井面にエンジンオイルを確実に噴霧してピストン冷却性を向上できる。
この発明の実施例におけるエンジンの右側面図である。 上記エンジンのピストンの左側面図である。 上記ピストンの上面図である。 図3のB−B断面図である。 上記ピストンの一部断面を含む下面図である。 図2のA−A断面図である。 上記ピストンを半割りにして斜め下から見た斜視図である。 この発明の第二実施例における図6に相当する断面図である。 上記第二実施例における図5に相当する下面図である。 上記第二実施例の変形例を示す図6に相当する断面図である。 上記変形例を示す図5に相当する下面図である。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、説明都合上、図中矢印FRは前方を、矢印LHは左方を、矢印UPは上方をそれぞれ示す。
図1は、自動二輪車等の鞍乗り型車両の原動機であるエンジン(内燃機関)1の右側面図である。エンジン1は、例えばクランクシャフト2の回転中心軸線(クランク軸線)C1を車幅方向(左右方向)に沿わせた並列四気筒エンジンであり、そのクランクケース3の前部上側には、シリンダ4が前傾姿勢(上部が前側に位置するように傾斜した姿勢)で立設される。シリンダ4は、シリンダ本体5上にシリンダヘッド6を取り付け、シリンダヘッド6上にヘッドカバー7を取り付けてなる。
シリンダ本体5内には前記クランク軸線C1に沿って並ぶ複数のシリンダボア5aが形成され、該各シリンダボア5a内にそれぞれピストン30が往復動可能に嵌装される。ピストン30の往復動は、コンロッド8を介してクランクシャフト2の回転動に変換される。シリンダヘッド6の後部にはスロットルボディ9aが接続され、シリンダヘッド6の前部には排気管9bが接続される。なお、図中符号C2は前記シリンダ4の起立方向に沿う軸線(前記シリンダボア5aの中心軸線、シリンダ軸線)を示す。また、図中符号11,12はシリンダヘッド6の前後に形成される吸排気ポートを、符号13,14は吸気側及び排気側カムシャフトを、符号15,16は各カムシャフト13,14により駆動される吸排気バルブをそれぞれ示す。
クランクケース3下にはオイルパン17が取り付けられ、該オイルパン17内に貯留されたエンジンオイルが、クランクケース3下部内側に配設されたオイルポンプ18によりエンジン1内各部に圧送される。
具体的には、オイルポンプ18が吐出したエンジンオイルは、クランクケース3前部内に形成されたオイル通路19を介してオイルフィルタ21及びオイルクーラ22の順にこれらに送給され、その後にクランクシャフト2の下方に配設されたメインギャラリ23からクランクジャーナル軸受等に供給されてその潤滑等に用いられる。なお、図中符号24はオイルパン17内のエンジンオイル中に浸漬されるストレーナを示す。エンジン1内各部に供給されたエンジンオイルは、自然滴下によりオイルパン17内に回収された後、エンジン1内各部に繰り返し供給される。
ここで、シリンダ4の前部には、ピストン30を冷却するためのオイルジェット25が設けられる。オイルジェット25は、ピストン30の下方(クランクケース3側)からその裏側(後述するピストン天井面31c)に向けてエンジンオイルを噴射するもので、このオイル噴射により、燃焼室に臨むピストン30が適宜冷却される。オイルジェット25には、前記オイル通路19から分岐して延びる油路26を介して、オイルポンプ18から圧送されたエンジンオイルが供給される。
以下、ピストン30の詳細について図2〜7を参照して説明する。なお、図中符号C2’はシリンダ軸線C2と合致するピストン30の中心軸線(ピストン軸線)を示す。また、図中矢印UP’はシリンダ軸線C2に沿う方向での上方を、矢印FR’はシリンダ軸線C2との直交方向での前方をそれぞれ示す。ピストン30の後部は吸気側、ピストン30の前部は排気側となる。
ピストン30は、アルミニウム合金材料を用いた鋳造又は鍛造により形成される。
ピストン30は、その上部(シリンダヘッド6側)を構成するピストンヘッド31と、該ピストンヘッド31の前後(インテーク側及びエキゾースト側)からそれぞれ下方(クランクケース3側)に延びる前後スカート部32a,32bと、該前後スカート部32a,32bの左右側縁部間をそれぞれ連結する左右連結壁33a,33bと、該左右連結壁33a,33bの前後中間部にそれぞれ一体形成される左右ピストンピンボス34a,34bと、該左右連結壁33a,33b間を連結する前後補強壁35a,35bとを一体に有してなる。なお、ピストン30は左右対称の構成を有している。
ピストンヘッド31は、ピストン上端面を形成する円板状の冠面部31aと、該冠面部31aの外周から下方に延びる短円筒状のリングランド部31bとを一体に有してなる。
冠面部31aはその上面を燃焼室に臨ませるもので、該上面にはそれぞれ左右一対の吸排気バルブ15,16を避けるためのリセス36が凹設される。
リングランド部31bはその外周に各種ピストンリングを嵌合させるもので、該外周には各種ピストンリング(付図示)を嵌合させるための複数(三つ)のリング溝37が刻設される。
前後スカート部32a,32bは、リングランド部31bの前後の下方に連なるように断面円弧状をなして延びる板状のもので、これら前後スカート部32a,32bの左右側縁部間をそれぞれ連結するように、左右連結壁33a,33bがピストンヘッド31の内側から下方に延出する。
左右連結壁33a,33bは、下面視(ピストン軸線C2’に沿う矢視、図5参照)でピストン中心側へ凸の略円弧状をなす板状のもので、その前後縁部が前後スカート部32a,32bの左右側縁部にそれぞれ接続される。左右連結壁33a,33bの下縁部は前後スカート部32a,32bの下縁部よりもやや上方に位置し(図2,4参照)、かつ該左右連結壁33a,33bの下縁部におけるピストンピンボス34a,34bを挟んだ前後には上方に凸の円弧状をなす切り欠き38が設けられる。
左右連結壁33a,33bの前後中間部は左右方向と直交する平坦状に形成され、該前後中間部の左右外側に左右ピストンピンボス34a,34bがそれぞれ一体に設けられる。
左右ピストンピンボス34a,34bはリングランド部31bよりも下方に位置するもので、左右方向に沿う側面視円形のピン孔39を有するブロック状をなし、その上部は上方へ延びてピストンヘッド31の内側に一体に接続される。左右ピストンピンボス34a,34bのピン孔39は互いに同軸をなし、該ピン孔39が左右ピストンピンボス34a,34b及び左右連結壁33a,33bを左右に貫通する。
左右連結壁33a,33bの前後中間部間(左右ピストンピンボス34a,34b間)の間隙内には前記コンロッド8の小端部(上端部)が入り込み、これら小端部、左右連結壁33a,33b及び左右ピストンピンボス34a,34bを貫通するように円筒状のピストンピン(不図示)がピン孔39に挿通され、該ピストンピンを介してピストン30及びコンロッド8が揺動可能に連結される。なお、ピン孔39の左右外側の内周には、前記ピストンピン抜け止め用のサークリップ(止め輪)を嵌合させるための溝39aが刻設される(図6参照)。
左右連結壁33a,33b間には、これらを互いに連結する補強壁35a,35bが前後一対に設けられる。
前後補強壁35a,35bは、前後方向と略直交する平板状のもので、それぞれ前後スカート部32a,32bとピストンピンボス34a,34bの前後端との間に位置し、ピストンヘッド31の冠面部31aの下面(裏面、以下、ピストン天井面31cという)から下方に延出する。前後補強壁35a,35bの下方への延出高さは左右連結壁33a,33bのそれよりも低く、したがって前後補強壁35a,35bの下縁部41は左右連結壁33a,33bの下縁部よりも上方に位置する。
そして、前後補強壁35a,35bの下縁部41は、前後方向視で上方に凸の湾曲状に形成される(図6参照)。詳細には、前後補強壁35a,35bの下縁部41は、その左右中央部が略水平に形成され、左右両側部が左右外側ほど下方に位置するように傾斜して形成される。以下、補強壁35a,35bの下縁部41の左右中央部を平坦部41a、左右両側をそれぞれ傾斜部41bという。前後補強壁35a,35bは互いに略同一構成を有している。
これにより、補強壁35a,35bと連結壁33a,33bとの接続長さを確保して応力集中を緩和させた上で、ピストン30の斜め下前方に位置する前記オイルジェット25からピストン裏側のピストン天井面31cに向けてエンジンオイルを噴射した際に、該エンジンオイルがピストン天井面31cからの突出高さを抑えた前補強壁35aの平坦部41aの下方を潜り抜けてピストン天井面31cに到達し易くなり、ピストン冷却が良好に行われる。
また、ピストン天井面31cに至ったエンジンオイルは、補強壁35a,35bや連結壁33a,33bを伝って下方(クランクケース3側)に滴下することとなるが、このとき、補強壁35a,35bの下縁部41の左右両側が左右外側ほど下方(ピストン天井面31cと反対側)を指向するように傾斜することで、補強壁35a,35bの下縁部41に至ったエンジンオイルが連結壁33a,33b側へ指向性をもって流れると共に、これらが集約されて滴下し易くなる。
以上説明したように、上記実施例におけるピストン30は、ピストン天井面31cから垂下する一対のスカート部32a,32bと、これらスカート部32a,32b間を連結すると共に一対のピストンピンボス34a,34bを含んでなる一対の連結壁33a,33bと、前記スカート部32a,32bとピストンピンボス34a,34bとの間で前記各連結壁33a,33b間を連結する補強壁35a,35bとを有するものにおいて、前記補強壁35a,35bのピストン天井面31cと反対側(下側)の端部(下縁部41)に、前記連結壁33a,33bに近づくにつれて前記反対側を指向する傾斜部41bを設けたものである。
この構成によれば、補強壁35a,35bのピストン天井面31cと反対側の端部に設けた前記傾斜部41bにより、ピストン天井面31cに付着した後に補強壁35a,35bに伝ったエンジンオイルを補強壁35a,35bの傾斜部41bに沿って指向性をもって流し、その後に補強壁35a,35bの連結壁33a,33b側から指向性をもって滴下させることができる。このため、例えばピストン下方の他のエンジン部品と滴下したエンジンオイルとの衝突を防ぎ、エンジンオイルをより効率よく回収することができる。
また、上記ピストン30は、前記傾斜部41bが、前記補強壁35a,35bの両側に前記各連結壁33a,33bに向かってそれぞれ形成されることで、補強壁35a,35bの端部に至ったエンジンオイルを各連結壁33a,33bに向けて振り分けて流すことができ、エンジンオイルが各連結壁33a,33bの一方に偏って流れることを抑制できる。
また、上記ピストン30は、前記補強壁35a,35bの両傾斜部41b間に、該両傾斜部41bの端部に連続する平坦部41aを設けたことで、オイルジェット25から噴射されたエンジンオイルが、補強壁35a,35bのピストン天井面31cからの突出高さを抑えた平坦部41aを越えてピストン天井面31cに到達し易くなり、オイルジェット25からのエンジンオイルが補強壁35a,35bに遮られることを抑制してピストン冷却性を向上できる。
また、上記ピストン30は、前記補強壁35a,35bの下方への突出高さが、前記連結壁33a,33bの下方への突出高さよりも低く設定されるものである。
この構成によれば、オイルジェット25から噴射されたエンジンオイルが補強壁35a,35bに遮られ難くなり、ピストン天井面31cにエンジンオイルを確実に噴霧してピストン冷却性を向上できる。
次に、この発明の第二実施例について図8〜11を参照して説明する。
この実施例のピストン130,130’は、それぞれ前記第一実施例のものに対して、前後補強壁35a,35bの下縁部41の左右中央(平坦部41aの中間部)に下方に突出する突起141を設けた点(図8,9参照)、あるいは下縁部41の左右両側(傾斜部41bの中間部)にそれぞれ下方に突出する突起141’を設けた点(図10,11参照)を主に異なり、前記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
前記突起141,141’を設けることにより、前記第一実施例と同様にピストン冷却が良好に行われると共に、ピストン天井面31cに至ったエンジンオイルが補強壁35a,35bや連結壁33a,33bを伝って下方(クランクケース3側)に滴下する際、補強壁35a,35bの下縁部41の左右傾斜部41bに沿って左右連結壁33a,33b側へ指向性をもって流れると共に、補強壁35a,35bを伝うエンジンオイルが突起141,141’より指向性を持って滴下することとなる。
ところで、ピストン130,130’は鍛造により形成されるもので、その成形型には、ピストン成形時に型内に発生するガスを型外に逃がすためのガス抜き孔が設けられる。このガス抜き孔にピストン130,130’の材料の一部が浸入することで、ガス抜き突起としての前記突起141,141’が形成されるのである。
以上説明したように、上記第二実施例におけるピストン130,130’は、第一実施例と同様の基本構成を有するものにおいて、前記補強壁35a,35bのピストン天井面31cと反対側(下側)の端部に、前記反対側を指向する突起141,141’を設けたものである。
この構成によれば、補強壁35a,35bのピストン天井面31cと反対側の端部に設けた前記突起141,141’により、ピストン天井面31cに付着したエンジンオイルを突起141,141’から指向性をもって滴下させることができる。このため、例えばピストン下方の他のエンジン部品と滴下したエンジンオイルとの衝突を防ぎ、エンジンオイルをより効率よく回収することができる。
また、上記ピストン130は、前記補強壁35a,35bのピストン天井面31cと反対側の端部に、前記連結壁33a,33bに近づくにつれて前記反対側を指向する傾斜部41bを設け、前記傾斜部41bが、前記補強壁35a,35bの両側に前記各連結壁33a,33bに向かってそれぞれ形成され、前記補強壁35a,35bの両傾斜部41b間に、該両傾斜部41bの端部に連続する平坦部41aを設け、該平坦部41aに前記突起141を形成したものである。
補強壁35a,35bの平坦部41aに溜まるエンジンオイルを指向性を持って滴下させることができ、エンジンオイルを効率よく回収することができる。
また、上記ピストン130’は、前記両傾斜部41bにそれぞれ前記突起141’を形成したものである。
この構成によれば、ピストン天井面31cに付着したエンジンオイルを補強壁35a,35bの傾斜部41bに沿って指向性をもって流した後に、突起141’から指向性をもって滴下させることができる。このため、エンジンオイルをより一層効率よく回収することができる。
また、上記ピストン130,130’は、当該ピストン130,130’が鍛造成形品であり、その成形の際に発生するガスを逃がすためのガス抜き孔にピストン130,130’のだ肉の一部が浸入することにより、前記突起141,141’が形成されるものである。
この構成によれば、ガス抜き孔へのだ肉の浸入により形成された突起141,141’をエンジンオイル案内用の突起141,141’として有効利用することで、ピストン成形後に前記突起141,141’を除去するための工数を削減できると共に、エンジンオイル案内用の突起141,141’の形成を容易にできる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、上記第一実施例において、補強壁35a,35bの下縁部41全体を傾斜させて各連結壁33a,33bの一方にのみエンジンオイルを流すようにしたり、平坦部41aを無くして下縁部41を山形に形成したり、傾斜部41bを直線状ではなく湾曲状に形成してもよい。
また、第二実施例において、補強壁35a,35bの下縁部41を平坦状にして突起141,141’のみを設けるようにしたり、三つ以上の突起を設けるようにしてもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
30,130,130’ ピストン
31c ピストン天井面
32a,32b スカート部
33a,33b 連結壁
34a,34b ピストンピンボス
35a,35b 補強壁
41 下縁部(端部)
41a 平坦部
41b 傾斜部
141,141’ 突起

Claims (8)

  1. ピストン天井面から垂下する一対のスカート部と、これらスカート部間を連結すると共に一対のピストンピンボスを含んでなる一対の連結壁と、前記スカート部とピストンピンボスとの間で前記各連結壁間を連結する補強壁とを有するピストンにおいて、
    前記補強壁のピストン天井面と反対側の端部が、前記連結壁に向けて下傾斜することを特徴とするピストン。
  2. 前記補強壁の傾斜部は、前記補強壁の両側に前記各連結壁に向かってそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載のピストン。
  3. 前記補強壁の両傾斜部間に、該両傾斜部の端部に連続する平坦部を設けたことを特徴とする請求項2に記載のピストン。
  4. ピストン天井面から垂下する一対のスカート部と、これらスカート部間を連結すると共に一対のピストンピンボスを含んでなる一対の連結壁と、前記スカート部とピストンピンボスとの間で前記各連結壁間を連結する補強壁とを有するピストンにおいて、
    前記補強壁のピストン天井面と反対側の端部に、下方に突出する突起を設けたことを特徴とするピストン。
  5. 前記端部が、前記連結壁に向けて下傾斜し、該傾斜部に前記突起を形成したことを特徴とする請求項4に記載のピストン。
  6. 前記補強壁の傾斜部は、前記補強壁の両側に前記各連結壁に向かってそれぞれ形成され、該補強壁の両傾斜部間に、該両傾斜部の端部に連続する平坦部を設け、該平坦部に前記突起を形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載のピストン。
  7. 当該ピストンは鍛造成形品であり、前記突起はガス抜き突起であることを特徴とする請求項4又は5に記載のピストン。
  8. 前記補強壁は前記連結壁よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のピストン。
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