JP2010236162A - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量でありながら、白紙光沢度・白紙面感・印刷品質が良好で印刷作業性に優れる印刷用塗工紙を提供する。
【解決手段】本発明の印刷用塗工紙は、原紙の少なくとも片面に、顔料及び接着剤からなる塗工層が設けられた印刷用塗工紙において、塗工紙の坪量が50g/m以下であり、塗工顔料にアスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の範囲にある扁平な無機顔料を含有し、その含有量が顔料100重量部に対して、50重量部以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽量にも関わらず、特に優れた印刷面感を備えたオフセット印刷用塗工紙に関するものである。
近年オフセット印刷用紙は、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメール等広告、宣伝を目的とした商業印刷分野での需要が年々高まっており、その生産量は着実に伸びている。中でも近年軽量塗工紙および微塗工紙の生産量の伸び率が大きいことが特徴である。印刷物に対し、写真や図案を多用し、更にカラー化するなどにより、視覚的に内容を強力に伝達できる高品質印刷用塗工紙への強い要望がある。一方で、省資源、輸送および郵送コストなどの点からコストダウンを図りたいというユーザーの軽量化への強い要望もある。この二つの要望は相反するものであり、高品質印刷塗工紙は原紙および塗工量が多く、高価であって、軽量・低価格の要望にそぐわない。そこで、低坪量、低塗工量のいわゆる低級グレードの塗工紙で、より上のグレードの品質を実現する技術が求められている。
塗工紙の品質のうち、重要なものは、白色度、不透明度、白紙光沢度、印刷光沢度、剛度、表面強度および印刷面感である。白色度はコントラストに、不透明度は裏抜けに、白紙・印刷光沢度は印刷物の高級感に、剛度は主として印刷作業性に大きく関係し、かつこれらが全て良いバランスで満足されることが重要である。特に印刷面感は印刷物の仕上がりや高級感に関係し、印刷物の最終的な見栄えを左右する非常に重要な要素である。
軽量塗工紙では特に剛度が問題になる場合がある。印刷用塗工紙の剛度が低いと、オフセット印刷時に印刷後の排紙部において用紙の角が折れ曲がる耳折れ(ドッグイヤー)といった問題が発生して印刷速度を落とす必要が生じ、作業効率が著しく低下するため好ましくない。この点からも剛度は非常に重要な品質である。
剛度の他にも印刷作業性に関係する品質項目として、印刷用塗工紙の表面強度が求められる。特にオフセット印刷では、比較的タック(粘り気)の強いインキが使用されるので、この傾向が顕著である。印刷時に用紙表面には湿し水が付加されるため、表面強度の弱い表面を持つ用紙を使用すると、紙粉がブランケットに堆積、あるいはインキに混入し、結果として印刷面にいわゆるカスレが生じるといったパイリングのトラブルが発生する。
塗工紙を軽量化する場合、原紙を低坪量化する、もしくは、低塗工量とする方法がある。原紙を低坪量とすれば、軽量化に比例して紙厚が薄くなり、剛度が低下し、更にはオフセット輪転印刷において耳折れトラブルが発生しやすい。低塗工量とすれば、塗工層の原紙被覆性が悪化するためと考えられるが、パイリングトラブルが発生しやすく、さらに白紙面感が悪化しやすい。
マシン操業性の面からも薄物塗工紙を抄速1000m/min以上の高速抄紙機で製造する場合、断紙が発生する懸念があるため、原紙坪量を低くすることは難しく、30g/m以下の原紙を製造することは困難である。このため坪量50g/m以下の薄物塗工紙では、塗工量を低くする必要が生じて、原紙片面あたり1〜8g/mの薄い塗工層を設ける場合が多い。このように、高速マシンで薄物塗工紙を製造する場合、原紙坪量を低くすることは難しいため、必然的に塗工量を低くする必要が生じ、塗工ムラが大きくなり、白紙面感や印刷面感が低下しやすいといった問題がある。
上記問題を解決するため、顔料粒子の粒子径の比(レーザー法/沈降法)が3.0〜10の範囲である無機顔料を塗工層に使用し、中空型のプラスチックピグメントと二酸化チタンを配合する方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この方法では満足できる印刷面感を得られない場合があり、また白紙光沢度は不充分となる可能性があった。
一般的に塗工紙は、原紙の片面あたり3.0g/m以上の塗工層を設ける場合が多く、その後、カレンダー処理により表面を平滑化して製造される。その際、カレンダー処理により紙が圧縮される結果、紙のこわさが低下する。さらに、カレンダー処理によってはいわゆるカレンダー焼けが発生し、白紙面感が損なわれる場合もある。
白紙光沢度を改善する方法として、塗工層を2層以上設けた塗工紙の下塗り層において下記条件 (1)沈降方式により測定した平均粒子径:0.2〜5.0μm 及び (2)アスペクト比(長径/厚み):25〜120 を満足する扁平顔料を含有させる手法が開示されている(特許文献2)。しかし、塗工紙の坪量が50g/m以下の軽量塗工紙において、塗工層を2層以上設けることは、塗工層に対する原紙の比率が著しく低下し、生産性や剛度が極端に低下するため実用的ではない。
このように、従来技術では軽量でありながら、特に白紙光沢度・白紙面感および印刷品質が良好で印刷作業性に優れるオフセット印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
特開2005−042242号公報 特開2007−262643号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、軽量でありながら、特に白紙光沢度、白紙面感・印刷品質が良好で印刷作業性に優れるオフセット印刷用塗工紙を提供することにある。
本発明者等は上記の諸目的を達成するために鋭意検討した結果、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工顔料として扁平な顔料を100重量部当たり50重量部以上とすることが極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、上記課題を達成するために、請求項1に係る発明の印刷用塗工紙は、原紙の少なくとも片面に、顔料及び接着剤からなる塗工層が設けられた印刷用塗工紙において、塗工紙の坪量が50g/m以下であり、塗工顔料としてアスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の扁平な顔料を含有し、その含有量が顔料100重量部当たり50重量部以上であることを特徴とする。
同様に、請求項2に係る発明の印刷用塗工紙は、アスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の扁平な顔料の平均粒子径が、レーザー回折法で4.0μmであることを特徴とする。
同様に、請求項3に係る発明の印刷用塗工紙は、塗工紙の塗工層重量が片面あたり1g/m以上8g/m以下であり、好ましくは2g/m以上7g/m以下であることを特徴とする。
塗工紙の坪量が50g/m以下であっても、塗工層に極めて扁平な顔料を含有させることで、白紙光沢度・白紙面感および印刷品質が良好で、印刷作業性に優れるオフセット印刷用塗工紙が得られる。
また、本発明のオフセット印刷用塗工紙は、白紙光沢度、剛度および不透明度も良好であることから、オフセット印刷に適するものであり、更に、印刷作業性に優れるものである。
本発明の印刷用塗工紙の原紙としては、原料パルプとして化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)を単独または任意の割合で混合して使用する。
本発明において、耳折れトラブルを発生させないために原紙を構成するパルプは機械パルプを10重量%以上含有させることが好ましい。機械パルプは化学パルプに比べ繊維が剛直なので、機械パルプを配合した原紙は抄紙工程でかかる各種の圧力で紙層が潰れることが少なく、全体として嵩高になることから、原紙内部の空隙量が増し、不透明度が向上し、同時に剛度も大きくなる。機械パルプの中でもグランドパルプは低密度化への寄与が高く好ましく用いることができる。機械パルプの配合量が10重量%未満では、填料やカレンダー条件を最適化しても相対的不透明度および剛度が劣る。機械パルプの樹種は特に限定するものではないが、ガムウッド、メープル、バーチ等は繊維が粗大な分、原紙が低密度になりやすい。尚、機械パルプの比率は、白色度や塗工適性等の観点から、全パルプの80重量%以下であることが好ましく、特に60重量%以下であることが好ましい。
原紙の抄造は長網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー(オントップフォーマー)など公知の抄紙機にて行うことができる。その抄造条件は特に規定されるものではなく、抄造時のpHは酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
本発明においては、原紙の製造に使用する填料として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウム、カオリン、クレー、焼成クレー、無定型シリケート、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、パイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類及び二酸化チタン等の無機填料を、単独であるいは混合して使用することができる。これらの填料は、印面品質及び印刷作業性を向上させるために、無定型シリケートあるいは軽質炭酸カルシウム表面をシリカで覆った、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を使用することが好ましい。無定型シリケートは不溶性のケイ酸塩であればよく、例えば、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウムソーダ、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。填料の配合量としては、原紙総重量あたり、5〜25重量%含有することが好ましく、より好ましくは10〜15重量%である。
本発明においては、原紙の製造に使用する内添サイズ剤として、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などのサイズ剤を使用することができる。また、硫酸バンド、カチオン化デンプン等の繊維への定着剤を適当なサイズ剤と組み合せて使用することが好ましい。
更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
本発明においては、原紙の製造に際して表面強度やサイズ性向上の目的で、水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行っても良い。水溶性高分子としては、澱粉、酸化澱粉、加工澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤の中には、水溶性高分子の他に耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は、2ロールサイズプレスコータ、ゲートロールコータ、ブレードメタリングコータ、ロッドメタリングコータ等の塗工機によって塗布することができる。表面処理剤の塗布量としては、原紙片面当たり0.3〜2.0g/m2が好ましい。
本発明に使用する塗工原紙の坪量としては、25〜50g/mであることが好ましく、より好ましくは25〜35g/mである。
本発明における塗工層に用いる顔料としては、アスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の範囲である扁平な無機顔料を顔料100重量部あたり50重量部以上配合することが必要である。アスペクト比が60より小さい場合は、原紙被覆性が劣るため満足できる印刷面感を得られない場合があり、また白紙光沢度が不充分となる可能性があった。一方で、アスペクト比が120より大きい場合は、顔料は薄く板状になるが、塗工液の粘度が極めて高くなる。この様な塗料を塗工した場合、ブレード塗工においてはブレード刃先でストリーク、ストラクマイト等が発生、またフィルム転写塗工においてはボイリング、ミスト等が発生し、操業性は相対的に劣る。このため、軽量塗工紙においてはアスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の範囲である扁平な無機顔料を用いることが重要である。本発明で用いられるアスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の範囲にある扁平な無機顔料の種類は、この条件を満たすものであれば特に制限はなく、塗工用顔料として従来から用いられているカオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、炭酸カルシウムなどを使用することができる。また、本願発明においては、被覆性の点から、アスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の扁平な顔料の平均粒子径が、レーザー回折法で4.0μm以上が好ましく、より好ましくは4.0〜30μmである。
本発明で用いられるアスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の範囲にある扁平な無機顔料以外の顔料としては塗工用顔料として従来から用いられているカオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料、プラスチックピグメント等の有機顔料を併用して使用することもできる。
本発明で用いられる接着剤は、特に制限はなく、塗工紙用に従来から用いられているスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体の通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用できる。これらの接着剤は顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部、更に好ましくは5〜25重量部程度の範囲で使用される。50重量部を超える場合は、塗料の粘度が高くなり、配管やスクリーンを通過しづらくなるといった操業性の問題が生じるため好ましくない。また5重量部未満の場合は、充分な表面強度が得られず好ましくない。
本発明においては、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤等、通常の塗工用顔料に配合される各種助剤を適宜使用することができる。
本発明においては、オフセット印刷における印刷時に必要な用紙表面強度、インキの着肉状態を示すインキ着肉性、湿し水に対する耐水性(パイリング)、及びオフセット輪転印刷におけるインキ乾燥の際に要求される耐ブリスター性を付与するために、助剤として印刷適性向上剤を塗工層に用いることもできる。印刷適性向上剤としては、ポリアミドポリ尿素系樹脂、変性ポリアミドポリ尿素系樹脂、特殊ポリアミドポリ尿素系樹脂、特殊カチオン性樹脂、変性ポリアミン系樹脂などのカチオン性印刷適性向上剤等の通常使用されるものが挙げられる。
調整された塗工液は、フラデドニップブレードコータ、ジェットファウンテンブレードコータ、ショートドウェルタイムアプリケート式コータ、バーコータ、ロールコータ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、カーテンコータ、2ロールサイズプレスコータ、ゲートロールコータ、ブレードメタリングサイズプレスコータ、ロッドメタリングサイズプレスコータ、シムサイザー等のフィルム転写型ロールコータ、ダイコータ等の公知のコータを用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面または両面に塗工する。本発明の塗工層の塗工量は片面あたり1g/m以上8g/m以下が好ましく、より好ましくは2g/m以上7g/m以下、さらに好ましくは3g/m以上6g/m以下である。
湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。
本発明においては、このようにして得られた塗工紙を、平滑度を高めるために、カレンダー処理に付すことも可能である。カレンダー処理は、塗工紙の平滑化処理に通常使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等を用いて行なえばよく、また、これらを併用してもよい。印面品質及び印刷作業性のバランスを良好にする観点から、特にソフトカレンダー処理することが好ましい。また、カレンダー処理時の金属ロールの表面処理温度を100℃以上とすることが好ましく、特に150〜250℃とすることが好ましい。このようにすることにより、特にオフセット印刷用塗工紙のクラークこわさが損なわれにくくなるので、印刷作業性が向上するだけでなく、印面品質も優れたものとなる。カレンダー処理時の線圧は10〜200kN/mであることが好ましく、50〜150kN/mであることがより好ましい。
本発明のオフセット印刷用塗工紙の白紙面感は、デュポン(株)のアピアランスアナライザーのDAV2値で評価しており、この値が70以下であることが好ましい。また、低坪量であってもオフセット印刷機における印刷作業性(通紙性や耳おれ適性)に優れるよう、MD方向のISO曲げこわさは37cm/100μNm/m以上であることが好ましい。
また、本発明の塗工紙においては、白紙光沢度は、30〜45%が好ましく、塗工紙の坪量としては35〜50g/mであることが好ましい。
以下に実施例をあげて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、重量部、重量%は、固形分重量部、固形分重量%を示すものである。また、塗料用材料の物性及び得られた塗工紙の性能については、以下に示すような評価法に基いて試験を実施した。
(1)坪量
JIS P 8124に準じて測定した。
(2)顔料の平均粒子径
顔料の平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(Malvern社、マスターサイザー2000)で測定した体積頻度50%の粒径の数値である。
(3)白紙光沢度
白紙部の75°光沢度を村上色彩(株)製の光沢度計GM26Dを用いて計測した。
(4)ブランケットパイリング評価
オフセット輪転機(東芝オフセット輪転機:0A−4B2T−600)を用い、カラー4色印刷(黒、藍、紅、黄の色順)を印刷速度700rpmで1万部行った後、黒のブランケットの紙粉の堆積度合いを目視で評価した。
◎:紙粉の発生が認められなかった
○:紙粉の発生がほとんど認められなかった
△:紙粉の発生がやや認められた
×:紙粉が多く堆積していた
(5)印刷面感
オフセット輪転機(東芝オフセット輪転機:0A−4B2T−600)を用い、カラー4色印刷(黒、藍、紅、黄の色順)を印刷速度700rpmで1万部行った後の印刷物を目視で評価した。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:劣る
(6)白紙面感
デュポン(株)製アピアランスアナライザーを用い、塗工紙表面のもやもや感をDAV2値として評価した。この値が大きいほど、表面が不均一で白色面感が劣る。
100以下:非常に良好(◎)
100〜110:良好(○)
110〜120:やや劣る(△)
120以上:劣る(×)
[実施例1]
〈原紙の調製〉
製紙用パルプとして機械パルプを30%、クラフトパルプを50%、古紙パルプを20%からなるパルプ組成で、内添の軽質炭酸カルシウムを11重量%含有させて、サイズ剤0.03重量%、および定着剤として硫酸バンド0.8重量%を添加してツインワイヤー抄紙機にて1200m/minの高速で抄造し、坪量30.0g/mの原紙を得た。
〈塗工液の調製〉
エンジニアードカオリン(イメリス社製:Barrisurf HX、アスペクト比90、平均粒子径7.0μm)75.0重量部、二級クレー(Huber社製:KCS:アスペクト比13、平均粒子径2.8μm)15.0重量部、及びルチル型二酸化チタン(デュポン社製:RPS―V)10.0重量部からなる顔料に、分散剤として対顔料でポリアクリル酸ソーダ0.2重量部を添加してセリエミキサーで分散し、固形分濃度が70%の顔料スラリーを調成した。このようにして得られた顔料スラリーに、非増粘型のスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度15℃、ゲル含量75%)13.5重量部、ヒドロキシエチルエーテル化デンプン(ペンフォード社製:PG295)7.5重量部、印刷適性向上剤(住化ケムテックス社製:SPI106N)0.5重量部、滑剤(サンノプコ社製:SN231SP)0.5重量部、さらに水を加えて濃度60%の塗工液を得た。
〈塗工紙の調製〉
前記した原紙の両面に、片面あたりの塗工量が5.5g/mになるように、1200m/分の塗工速度でブレードコータを用いて上記の塗工液を塗工し、スキャッフドライヤーを通過させた後、シリンダードライヤーにて紙中水分が5.5%になるように乾燥した。
〈カレンダー処理〉
次いで、金属ロールの表面温度160℃、弾性ロールのショアー硬度85、通紙速度1200m/分、線圧100kN/mで、且つカレンダーニップ数が4ニップの条件でソフトニップカレンダー処理を行い、本発明の塗工タイプのオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1で使用した顔料としてエンジニアードカオリン(イメリス社製:Barrisurf HX、アスペクト比90、平均粒子径7.0μm)60部、二級クレー(Huber社製:KCS:アスペクト比13、平均粒子径2.8μm)30.0重量部、及びルチル型二酸化チタン(デュポン社製:RPS―V)10.0重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1で使用した顔料としてエンジニアードカオリン(イメリス社製:Barrisurf HX、アスペクト比90、平均粒子径7.0μm)をエンジニアードカオリン(イメリス社製:Barrisurf LX、アスペクト比60、)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1で使用したエンジニアードカオリン(イメリス社製:Barrisurf HX、アスペクト比90、平均粒子径7.0μm)を使用せず、二級クレー(Huber社製:KCS:アスペクト比13)を90.0重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1で使用したエンジニアードカオリン(イメリス社製:Barrisurf HX、アスペクト比90、平均粒子径7.0μm)を40.0重量部、二級クレー(Huber社製:KCS:アスペクト比13)を50.0重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1で使用したエンジニアードカオリン(イメリス社製:Barrisurf HX、アスペクト比90、平均粒子径7.0μm)75.0重量部の代わりにエンジニアードカオリン(イメリス社製:Contour1500、アスペクト比55、平均粒子径2.2μm)75.0重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用塗工紙を得た。
各実施例及び比較例によって得られたオフセット印刷用塗工紙の試験結果を表1に示す。
Figure 2010236162
表1に示す結果から明らかなように、実施例1、2および3の塗工紙は、軽量にも関わらず、比較例1〜3と比べて、剛度、印刷面感に優れており、白紙面感やブランケットパイリング抑制効果も優れていることがわかる。また、白色光沢度も良好であることからオフセット印刷に適することが確認された。
一方、比較例1、比較例2は白紙光沢度は高いものの、印刷面感、白紙面感が劣ることが確認された。
以上のことから、本発明の印刷用塗工紙は、坪量が50g/m以下であっても、塗工顔料にアスペクト比と平均粒子径を特定した扁平な顔料を50重量部以上含有させることで、白紙光沢度、印刷面感、白紙面感に優れ、ブランケットパイリング抑制効果も優れていることがわかった。また、本発明の印刷用塗工紙は、剛度および白色光沢度も良好であることから、オフセット印刷に適するものであり、更に、印刷作業性に優れていることがわかった。

Claims (3)

  1. 原紙の少なくとも片面に、顔料及び接着剤からなる塗工層が設けられた印刷用塗工紙において、塗工紙の坪量が50g/m以下であり、塗工顔料としてアスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の扁平な顔料を含有し、その含有量が顔料100重量部当たり50重量部以上であることを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 前記アスペクト比(長径/厚さ)が60〜120の扁平な顔料の平均粒子径が、レーザー回折法で4.0μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 塗工紙の塗工層重量が原紙の片面あたり1g/m以上8g/m以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
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