JP2010236001A - フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、500〜800℃付近の高温域での高サイクル疲労特性に優れ、しかも加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】C:0.03質量%以下と、Si:1.0質量%以下と、Mn:1.0質量%以下と、Ni:3.0質量%以下と、Cr:10〜25質量%と、Nb:0.30〜0.70質量%と、Cu:1.0質量%超2.0質量%以下と、V:0.03〜0.20質量%と、N:0.03質量%以下と、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼であって、2.0≦WCu/WNb≦5.0、1.4≦WCu+WNb≦2.3(WCu及びWNbはそれぞれフェライト系ステンレス鋼の総質量に対するCu及びNbの含有割合(単位:質量%))を満足するフェライト系ステンレス鋼。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェライト系ステンレス鋼に関するものである。
現在、環境改善等の観点から、自動車には排出ガスや燃費に関する各種規制が設けられているが、今後は、現在よりも更に厳しい規制値が設定される可能性が高い。そこで、自動車メーカーを始めとする自動車関連メーカーは、今後の規制の厳格化に対応すべく種々の技術による対策を検討している。
ガソリンエンジンは、理論空燃比での燃焼により燃費を向上させ、CO2の低減を図っている。理論空燃比での燃焼は、燃焼温度が約1000℃まで上昇する。エキゾーストマニホールド等の自動車の排気ガス経路部材は、そのような高温での使用に耐え得る必要があるため、それに対応した種々の鋼が提案されている。
一方、ディーゼルエンジンは環境負荷低減の点から、ガソリンエンジンよりも優れており、例えば、CO2の排出量はガソリンエンジンよりも大幅に少ない。ただし、NOx発生量がガソリンエンジンよりも多く、また、PM(粒子状物質)も発生するため、これらの点でディーゼルエンジンの普及が遅れている。しかしながら、最近では、尿素SCRやEGRクーラー、DPFといった排ガス浄化システムが完成されつつあり、乗用車用にも再びディーゼルエンジンが採用され始めている。
ディーゼルエンジンの排気ガス経路の環境は、ガソリンエンジンとさほど大きな差はないが、排出ガスの温度は最高で約750℃程度であり、ガソリンエンジンに比べて低い。一方、ディーゼルエンジンは高圧縮の燃料を導入するためにその部品が重くなり、また、ターボチヤージャーが搭載されることも多いため、特に、エンジン直下に設置されるエキゾーストマニホールドには、ガソリンエンジンの場合よりも大きな振動が付与されることになる。そこで、ディーゼルエンジンの排気ガス経路部材に求められる特性としては、熟疲労特性よりも高温高サイクル疲労特性が重視される。また、ガソリン車と同様に、エンジン内に搭載される各種装置の増加に伴い、限られた空間に様々な形状に加工される傾向は継続する可能性が高いため、排気ガス経路部材は、複雑な形状であっても加工性や機械的特性を満足する必要がある。
以上の要求に対応すべく、エキゾーストマニホールド及びターボチャージャーには、耐熱鋳鋼で一体化した部品が使用されている。耐熱鋳鋼は、複雑な形状への加エが省略でき、かつ溶接箇所を減少できる利点がある反面、部品の薄肉化や低コスト化に限界があり、ディーゼル車の軽量化に寄与できるとは必ずしも言い難い。一方、EGRクーラーには、オーステナイト系ステンレス鋼が適用されており、高温高サイクル疲労の観点からは十分な性能を有するものの、昨今の原料価格の大幅な変動に対応して素材価格が変動しやすいため、長期的に安定した低コスト化が保証されるとは言い難い。
ガソリン車の軽量化及び低コスト化には、双方に寄与可能なフェライト系ステンレス鋼を大部分の排気ガス経路部材に適用することにより、顕著な効果が認められている。高温高サイクル疲労特性に優れることを目的としたフェライト系ステンレス鋼としては、例えば下記特許文献3及び4に開示されたものが挙げられる。これらの特許文献には、Ti、V、Bを添加することにより、高温高サイクル疲労特性に優れたフェライト系ステンレス鋼が記載されている。
特開平9−3606号公報 特開2000−144344号公報
上述のとおり、フェライト系ステンレス鋼を排気ガス経路部材に採用することで、ガソリン車の軽量化及び低コスト化が図れるので、ディーゼルエンジンの排気ガス経路部材にフェライト系ステンレス鋼を採用することができれば、同様に自動車の軽量化及び低コスト化が期待でき、燃費の向上にも繋がる。
ところが、これまで、ディーゼルエンジンの排気ガス経路部材の観点から、500〜800℃付近での高サイクル疲労特性に優れたフェライト系ステンレス鋼は提案されていない。上記特許文献に記載のフェライト系ステンレス鋼は、700℃付近での高サイクル疲労特性に優れたものとされているものの、ディーゼルエンジンの排気ガス経路部材に採用するには、まだ改善の余地がある。また、排気ガス経路部材用の鋼には複雑な形状に対応可能な優れた加工性を求められるところ、上記特許文献に記載のフェライト系ステンレス鋼は熱延鋼板に関するものであるため、加工性に優れたものとは言い難い。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、500〜800℃付近の高温域での高サイクル疲労特性に優れ、しかも加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼、及びその鋼からなる鋼板より作製されたフェライト系ステンレス鋼管を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、フェライト系ステンレス鋼に、互いに特定の組成条件を満足するように複数の特定の元素を添加することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、C:0.030質量%以下と、Si:1.0質量%以下と、Mn:1.0質量%以下と、Ni:3.0質量%以下と、Cr:10〜25質量%と、Nb:0.30〜0.70質量%と、Cu:1.0質量%超2.0質量%以下と、V:0.03〜0.20質量%と、N:0.030質量%以下と、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼であって、
下記式(1)及び(2)で表される条件を満足するフェライト系ステンレス鋼。
2.0≦WCu/WNb≦5.0 (1)
1.4≦WCu+WNb≦2.3 (2)
ここで、式(1)及び(2)中、WCu及びWNbはそれぞれ、前記フェライト系ステンレス鋼の総質量に対するCu及びNbの含有割合(単位:質量%)を示す。
本発明が上記目的を達成できる要因は詳細には明らかにされていないが、本発明者らはその要因の一部を下記のように考えている。ただし、要因はこれに限定されない。
すなわち、500〜800℃付近の高温域(以下、これを「特定高温域」という)での機械的特性を向上させるには、フェライト系ステンレス鋼にCu及びNbを合計で所定量以上添加することが有効であると考えられる。ただし、Cu及びNbの添加量を多くしすぎると、フェライト系ステンレス鋼の低温脆性が低下するため、それらの合計量を上記式(1)の上限までに制限する必要がある。これにより、フェライト系ステンレス鋼の加工性を優れたものとすることができる。
また、Cu及びNbをそれぞれ単独で添加したり、いずれか一方を極端に多く添加したりした場合、特定高温域での加熱を継続すると、フェライト系ステンレス鋼の機械的強度が低下してしまう。これは、加熱の継続により粗大なFe2Nb相(Laves相)又はε−Cu相が形成するためと推測される。そこで、所定量のCu及びNbが所定の比率の範囲内になるようそれらを添加することで、Fe2Nb相及びε−Cu相が互いの相の成長を阻害して、それらの粗大な相の形成が抑制される。その結果、特定高温域での加熱を継続しても、機械的強度は低下せず、高サイクル疲労特性に優れたものとなる、と考えられる。
本発明は、上記式(1)及び(2)を同時に満足することによって初めて、加工性に優れ、しかも飛躍的に特定高温域での高サイクル疲労特性が向上したフェライト系ステンレス鋼を提供するものである。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、Ti:0.05〜0.30質量%、Al:0.15質量%以下、及びB:0.0005〜0.02質量%からなる群より選択される1種以上の元素を更に含むと好ましい。これにより、フェライト系ステンレス鋼の高温域での機械的強度及び低温靱性が一層良好となる。同様の観点から、本発明のフェライト系ステンレス鋼は、合計で2.0質量%未満のMo、W、Zr及びCoからなる群より選択される1種以上の元素を更に含むと好ましい。
また、本発明のフェライト系ステンレス鋼は、合計で0.001〜0.10質量%の希土類元素及びCaからなる群より選択される1種以上の元素を更に含むと好ましい。これにより、フェライト系ステンレス鋼の耐高温酸化特性が更に向上する。
本発明は、上記フェライト系ステンレス鋼からなる鋼板より作製されたフェライト系ステンレス鋼管を提供する。このフェライト系ステンレス鋼管は、加工性及び特定高温域での高サイクル疲労特性に優れているため、特にディーゼルエンジンの排気ガス経路部材に採用すると有用である。
本発明によれば、500〜700℃付近の特定高温域での高サイクル疲労特性に優れ、しかも加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼、及びその鋼からなる鋼板より作製されたフェライト系ステンレス鋼管を提供することができる。
実施例及び比較例におけるフェライト系ステンレス鋼に添加したCu及びNbの関係を示すプロット図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、C:0.030質量%以下と、Si:1.0質量%以下と、Mn:1.0質量%以下と、Ni:3.0質量%以下と、Cr:10〜25質量%と、Nb:0.30〜0.70質量%と、Cu:1.0質量%超2.0質量%以下と、V:0.03〜0.20質量%と、N:0.030質量%以下とを含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼であって、下記式(1)及び(2)で表される条件を満足するものである。
2.0≦WCu/WNb≦5.0 (1)
1.4≦WCu+WNb≦2.3 (2)
ここで、式(1)及び(2)中、WCu及びWNbはそれぞれ、フェライト系ステンレス鋼の総質量に対するCu及びNbの含有割合(単位:質量%)を示す。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、高温強度、特にクリープ特性を改善するために、C(炭素)及びN(窒素)を含有する。ただし、鋼中のC及びNの含有割合は、鋼の総質量に対して、それぞれ0.030質量%以下であると好ましく、それらの合計の含有割合が0.030質量%以下であるとより好ましい。これにより、ステンレス鋼の酸化特性、加工性、低温靱性及び溶接性を更に優れたものとでき、また、C及びNを固定するためにこれらと反応して炭窒化物を形成するTi、Nbの添加量をより減少することが可能となる。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、高温酸化を抑制する観点、特にスケール剥離性を抑制する観点から、Si(ケイ素)を含有する。ただし、鋼中のSiの含有割合は、鋼の総質量に対して1.00質量%以下であると好ましく、0.10〜0.50質量%であるとより好ましい。これにより、鋼の加工性、特に延性の低下をより有効に防止することができ、低温靱性の低下を更に効果的に抑制することができる。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、高温酸化を抑制する観点、特にスケール剥離性を抑制する観点から、Mn(マンガン)を含有する。ただし、鋼中のMnの含有割合は、鋼の総質量に対して1.00質量%以下であると好ましく、0.60質量%以下であるとより好ましい。これにより、鋼の加工性及び溶接性の低下をより抑制することができる。また、Mnはオーステナイト相安定化元素であるため、Crの含有量が少ない場合にMnの添加によりマルテンサイト相の形成が促進され、熱疲労特性及び加工性が低下することとなる。この熱疲労特性及び加工性の低下を更に有効に防止する観点からも、鋼中のMnの含有割合を上記範囲内に調整することが好ましい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、熱疲労特性及び加工性の低下を防止する観点から、Ni(ニッケル)を含有する。ただし、鋼中のNiの含有割合は、鋼の総質量に対して3.00質量%以下であると好ましく、1.00質量%以下であるとより好ましく、0.60質量%以下であると更に好ましい。Niは、多量に含有させるとオーステナイト相の析出によって熱疲労特性が低下することとなる。この熱疲労特性の低下を更に有効に防止する観点から、鋼中のNiの含有割合を上記範囲内に調整することが好ましい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、高温強度と低温靱性とを両立させる観点から、V(バナジウム)を含有する。ただし、鋼中のVの含有割合は、鋼の総質量に対して0.03〜0.20質量%であると好ましく、0.05〜0.15質量%であるとより好ましい。これにより、特定高温域での高温強度や素材の低温靱性が向上する。その詳細なメカニズムは明らかにされていないが、Vの添加によりCuやNbの析出速度が抑制されるためであると考えられる。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、その低熱膨張化、すなわち熱膨張係数の低下を実現すると共に、フェライト相を安定化し、高温材料に重要視される耐酸化性を高める観点から、Crを含有する。ただし、鋼中のCrの含有割合は、鋼の総質量に対して10.0〜25.0質量%であると好ましく、16.0〜20.0質量%であるとより好ましい。これにより、鋼は更に優れた熱疲労特性を示すと共に、その脆化を抑制し、硬さの上昇に伴う加工性の低下をより有効に防止することができる。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、500〜800℃付近の特定高温域、特に600〜750℃付近での機械的強度を向上する観点から、Cu(銅)を含有する。ただし、鋼中のCuの含有割合は、鋼の総質量に対して、1.00質量%超2.00質量%以下であると好ましく、1.30〜1.70質量%であるとより好ましい。本発明者らの検討によると、Cuは800℃を超えた高温域での機械的強度向上への寄与は比較的小さい一方で、上記特定高温域では、鋼の機械的強度を大きく改善する。これは、Cuが、その特定高温域で鋼中にε−Cu相として析出することに起因すると考えられる。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、特定高温域での機械的強度を向上する観点、及び800℃を超えるような高温域での機械的強度をも向上する観点から、Nbを含有する。ただし、Nbの含有割合は、鋼の総質量に対して、0.30〜0.70質量%以下であると好ましく、0.40〜0.60質量%であるとより好ましい。Nbは、固溶Nbとして存在することで高温強度を上昇させる。しかしながら、Nbの過剰な添加は鋼材の加工性、低温靱性及び溶接高温割れに対する感受性の低下を招くため、鋼中のNbの含有割合を上記範囲内に調整することが好ましい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、Cu及びNbの含有割合が上記式(1)及び(2)を同時に満足するものである。これらの条件を満足して初めて、上述の各原子を含む本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、加工性に優れ、しかも飛躍的に特定高温域での高サイクル疲労特性を向上させることができる。Cu及びNbを合計で2.0質量%以上含有させることで、フェライト系ステンレス鋼の特定高温域での機械的強度を高めることができると推測される。ただし、Cu及びNbを合計で5.0質量%よりも多く含有させると、フェライト系ステンレス鋼の低温脆性が低下し、加工性が十分でなくなる。
また、Cu及びNbをそれぞれ単独で含有させたり、上記式(2)で表される条件を満足する範囲で、いずれか一方の含有割合を極端に高めたりした場合、特定高温域での加熱を継続すると、フェライト系ステンレス鋼の機械的強度が低下してしまう。これは、加熱を継続することにより、鋼中に存在するFe2Nb相及びε−Cu相のいずれか一方の相が大きく成長してしまうことに起因すると考えられる。そこで、CuとNbとの含有比を、上記式(1)で表される条件を満足するように含有させることで、Fe2Nb相及びε−Cu相が互いの相の成長を阻害して、それらの相の成長が抑制される。その結果、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼に対して特定高温域での加熱を継続しても、その機械的強度は低下せず、高サイクル疲労特性に優れたものになる、と推測される。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、Ti:0.05〜0.30質量%、Al:0.15質量%以下、及びB:0.0005〜0.02質量%からなる群より選択される1種以上の元素を更に含むと好ましい。これにより、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、500℃以上の高温域での機械的強度及び低温靱性により優れたものとなる。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、高温強度を析出強化により更に改善する観点から、Ti(チタン)を含有すると好ましい。ただし、Tiを多く含有させるとフェライト系ステンレス鋼の低温靱性が低下する。そこで、Tiの含有割合は、鋼の総質量に対して、0.05〜0.30質量%であると好ましく、0.10〜0.20質量%であるとより好ましい。また、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、その鋼の表面に緻密な保護性の酸化皮膜を形成して鋼の耐酸化性を高める観点から、Al(アルミニウム)を含有すると好ましい。ただし、Alを多く含有させると鋼の低温靱性が低下する。そこで、Alの含有割合は、鋼の総質量に対して、0.15質量%以下であると好ましく、0〜0.10質量%であるとより好ましい。さらには、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、その低温靱性をより優れたものとする観点から、B(ホウ素)を含有すると好ましい。ただし、Bを過剰に含有すると、鋼は常温での伸びが低下する。そこで、Bの含有割合は、鋼の総質量に対して、0.0005〜0.020質量%であると好ましく、0.0005〜0.0035質量%であるとより好ましい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、合計で2.0質量%未満のMo、W、Zr及びCoからなる群より選択される1種以上の元素を更に含むと好ましい。これによっても、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、500℃以上の高温域での機械的強度及び低温靱性により優れたものとなる。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、優れた熱疲労特性を高いレベルで確保する観点から、Mo(モリブデン)を含有してもよい。ただし、鋼の脆化を抑制し、硬さの上昇に伴う加工性の低下をより有効に防止する観点から、Moの含有割合は、鋼の総質量に対して2.0質量%未満であることが好ましく、1.6質量%以下であるとより好ましい。また、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼材は、高温強度を高めると共に500℃未満の中温域から常温での強度も改善する観点から、W(タングステン)を含有すると好ましい。WはCと結合して主にM23C6型炭化物を形成することで上述の効果を奏する。ただし、鋼の脆化を抑制し、硬さの上昇に伴う加工性の低下をより有効に防止する観点から、鋼中のWの含有割合は、鋼の総質量に対して、2.0質量%未満であると好ましく、0.5質量%以下であるとより好ましい。
さらに、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、その鋼からなる鋼材表面の酸化皮膜強度を向上させて、高温強度を高めるために、Zr(ジルコニウム)を含有すると好ましい。ただし、鋼の過度な硬質化を防止して低温靱性の低下を抑制するため、Zrの含有割合は、鋼の総質量に対して2.0質量%未満であることが好ましく、0.5質量%以下であるとより好ましい。また、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、一層優れた低温靱性を確保する観点から、Co(コバルト)を含有すると好ましい。ただし、常温での鋼の伸びが低下するのを防止する観点から、Coの含有割合は、鋼の総質量に対して2.0質量%未満であるとより好ましく、0.1質量%以下であるとより好ましい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、合計で0.001〜0.10質量%の希土類元素(以下、「REM」と表記する)及びCaからなる群より選択される1種以上の元素を更に含むと好ましい。これらの元素は、その鋼からなる鋼材表面の酸化物層に固溶し、その皮膜強度を向上させることで、鋼の耐高温酸化特性を改善することができる。ただし、鋼の過度な硬質化を防止すると共に、製造時におけるステンレス鋼表面の疵の生成を抑制し製造コストを低減する観点も考慮して、それらの含有割合は、鋼の全質量に対して、合計で0.001〜0.10質量%であると好ましく、0.001〜0.05質量%であるとより好ましい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、上記各元素の他、例えば一般的な不純物元素であるP、S、Oなどを含有してもよい。ただし、その含有量は可能な限り少なくすることが好ましい。鋼中のP、S、Oの含有割合は、鋼の総質量に対して、それぞれ0.040質量%以下、0.030質量%以下、0.020質量%以下であると好ましい。ただし、本実施形態の鋼の加工性や靱性を更に高めるために、これらの元素を更に少なくしてもよい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、各元素の組成を上述の範囲で調整することにより、700℃での0.2%耐力を140MPa以上にすることができる。このようなフェライト系ステンレス鋼は、特定高温域での機械強度が高いものといえる。また、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、各元素の組成を上述の範囲で調整することにより、大気雰囲気中、700℃で200時間熱処理を施した後の700℃での0.2%耐力を60MPa以上にすることができる。このようなフェライト系ステンレス鋼は、特定高温域での機械強度が長時間に亘り高いレベルで継続するものといえる。なお、フェライト系ステンレス鋼の700℃での0.2%耐力は、板厚2.0mmの鋼板をサンプルとして、JIS G 0567に準拠して700℃での引張試験により測定される。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、各元素の組成を上述の範囲で調整することにより、700℃での疲労限界応力を180MPa以上にすることができる。このようなフェライト系ステンレス鋼は、特定高温域での高サイクル疲労特性に優れたものといえる。なお、フェライト系ステンレス鋼の700℃での疲労限界応力は、下記のようにして定義される。まず、板厚2.0mmの鋼板をサンプルとして、シェンク式疲労試験機(例えば、株式会社東京衡機製造所製、「4kgf・シェンク式曲げ疲労試験機」)を用い、試験速度:3600rpm、試験雰囲気:大気中、応力比:R=−1(両振り)の条件にて、種々の応力条件でサイクル疲労試験を実施する。その結果、107サイクルでサンプルが破断しない最大の応力を疲労限界応力(MPa)と定義する。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、各元素の組成を上述の範囲で調整することにより、シャルピー衝撃試験における延性脆性遷移温度を−25℃以下にすることができる。このようなフェライト系ステンレス鋼は、低温脆性が良好であり、加工性に優れたものといえる。なお、フェライト系ステンレス鋼のシャルピー衝撃試験における遷移温度は、下記のようにして測定される。まず、板厚2.0mmの鋼板をサンプルとして、JIS Z 2242に準拠して、Vノッチシャルピー試験を実施する。その試験を−75℃、−50℃、−25℃、0℃、25℃で実施することで、延性脆性遷移温度が求められる。
以上説明した本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、上記組成を有する以外は、常法により製造することができる。また、この鋼は、常法により板状(フェライト系ステンレス鋼板)、管状(フェライト系ステンレス鋼管)などの所定の形状に成形、加工されてもよい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼は、特に500〜800℃付近で繰り返し応力を付加される環境に曝され、及び/又は、複雑な形状を有する部材に好適に用いられる。そのような用途としてはディーゼルエンジン自動車の排ガス経路部材が挙げられ、特にエキゾーストマニホ−ルド、ターボチャージャー、EGRクーラー等に採用すると望ましい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す組成を有する21種類のステンレス鋼(鋼No.1〜26)を真空溶解炉で溶製して30kgのインゴットに鋳造した。得られたインゴットを熱間圧延し、更に1050℃で焼鈍を施すことで、板厚約4.5mmのフェライト系ステンレス熱延焼鈍板を得た。さらに、この熱延焼鈍板に冷間圧延と仕上焼鈍とを施し、板厚2.0mmの冷延焼鈍板を作製した。図1に、本実施例における、フェライト系ステンレス鋼におけるCu及びNbの含有割合の関係を示したプロット図を示す。横軸がNbの含有割合WNbであり、縦軸がCuの含有割合WCuである。また、図中発明鋼を「○」、比較鋼を「●」で示し、本発明に係る上記式(1)及び(2)で表される条件を満足する範囲を網掛けで示す。
上記冷延焼鈍板を上記各種試験用に適宜加工し、それをサンプルとして、上述のようにして各種試験を実施した。なお、シェンク式疲労試験機として、株式会社東京衡機製造所製、「4kgf・mシェンク式曲げ疲労試験機」を用いた。試験結果を表2に示す。なお、表2において、シャルピー衝撃試験における延性脆性遷移温度が−25℃以下のものを「○」、−25℃を超えるものを「×」と評価した。
Figure 2010236001
Figure 2010236001
本発明に係る鋼(発明鋼)No.1〜14は、いずれも、700℃での0.2%耐力が140MPa以上であり、700℃で200時間熱処理した後の700℃での0.2%耐力が60MPa以上であり、700℃での疲労限界応力が180MPa以上であり、かつ、シャルピー衝撃試験における延性脆性遷移温度を−25℃以下であった。したがって、本発明に係る鋼は、高温域での高サイクル疲労特性に優れ、しかも加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼であると認められた。一方、比較鋼No.15〜26は、700℃での0.2%耐力、700℃で200時間熱処理した後の700℃での0.2%耐力、700℃での疲労限界応力、及びシャルピー衝撃試験における延性脆性遷移温度のうち少なくとも1つが、上記条件を満足しておらず、高温域での高サイクル疲労特性に優れ、しかも加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼であるとは認められなかった。

Claims (5)

  1. C:0.03質量%以下と、Si:1.0質量%以下と、Mn:1.0質量%以下と、Ni:3.0質量%以下と、Cr:10〜25質量%と、Nb:0.30〜0.70質量%と、Cu:1.0質量%超2.0質量%以下と、V:0.03〜0.20質量%と、N:0.03質量%以下と、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼であって、
    下記式(1)及び(2)で表される条件を満足するフェライト系ステンレス鋼。
    2.0≦WCu/WNb≦5.0 (1)
    1.4≦WCu+WNb≦2.3 (2)
    (式(1)及び(2)中、WCu及びWNbはそれぞれ、前記フェライト系ステンレス鋼の総質量に対するCu及びNbの含有割合(単位:質量%)を示す。)
  2. Ti:0.05〜0.30質量%、Al:0.15質量%以下、及びB:0.0005〜0.02質量%からなる群より選択される1種以上の元素を更に含む、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  3. 合計で2.0質量%未満のMo、W、Zr及びCoからなる群より選択される1種以上の元素を更に含む、請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  4. 合計で0.001〜0.10質量%の希土類元素及びCaからなる群より選択される1種以上の元素を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼からなる鋼板より作製されたフェライト系ステンレス鋼管。
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