JP2010234729A - 紫外線照射装置 - Google Patents
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Abstract
紫外線硬化樹脂の硬化開始波長が365nmからずれていたり、その硬化に伴って硬化促進波長がシフトする場合であっても、紫外線LED光源を用いて紫外線硬化樹脂を良好に硬化できるようにする。
【解決手段】
紫外光源装置(2)から照射された光をライトガイドケーブル(3)に導き、照射対象物に対してスポット照射する際に、紫外光源装置(1)が、ライトガイドケーブル(3)の光入射端(3in)に対して先端透光部(5out)が突合せ接続される発光プローブ(5)を備え、発光プローブ(5)内にはピーク波長が異なる紫外線を照射する複数種類の紫外線発光ダイオード(11〜17)を配列し、発光ダイオード(11〜17)の発光部から光出射端(3out)までの光路中に少なくとも二種類の光混合素子(M1、M2)を介装した。
【選択図】図1
Description
一般的な紫外線照射装置は、紫外線源として高圧水銀ランプや水銀キセノンランプを内蔵し、石英ガラス等の光ファイバを介してその先端に取り付けられた照射ヘッドまで紫外線を導き、ヘッドから例えば接着剤としての紫外線硬化樹脂に紫外線を照射するようになっている。
当初、紫外線の光強度の問題であると考え、LEDを複数使用することにより光強度を高くして実験してみたが、ある程度強くしても硬化状態に変化はなく、さらに光強度を高くすると紫外線硬化樹脂が焦げるという現象がみられた。すなわち、光強度を変化させてみても、良好な硬化状態が得られる光強度が存在しないことから、光強度の問題ではないことが判った。
また、特定の開始波長で硬化開始するものの、紫外線硬化樹脂の硬化に伴い、硬化促進波長がシフトするように思われるものもあった。
ところが、紫外線発光ダイオードの発光スペクトルは、特定の波長に1個のピークを有するのみであるから、開始剤の反応を開始させる波長が紫外線発光ダイオードの発光波長が異なる場合は接着剤の硬化が開始されず、また、硬化促進波長がシフトする場合も硬化不十分となる場合がある。
On Demand)の印刷を行う場合、シートに吹き付けられた微小のインク液滴の滲みや広がりを抑えて印刷品質を一定に維持すると同時に、そのインク液滴をシートに乾燥定着させるためのピンニング処理が紫外線照射により施される。
このとき、紫外線発光ダイオードを光源として用いると、特定波長に1個のピークを有するのみであるから、前述と同様、UVインクの硬化開始波長とピーク波長が一致せず、紫外線照射しているにもかかわらずピンニング処理が十分に施されない場合が生ずる。
この場合において、発光プローブの光出射部から、前記照射ヘッドの光出射端に至るまでの間に、少なくとも二種類の光混合素子が介装されている。
例えば、発光プローブの光出射部とライトガイドケーブルの光入射端との間に光散乱板が介装されており、ライトガイドケーブルとして光ファイバ素線をランダムミックス配列にして束ねたバンドルファイバを用いていれば、発光プローブ内に配列されたLEDから照射される各波長の光は、まず、光散乱板で散乱されるので、光のムラ、強度のムラが均一化される。
そして、さらにランダムミックス配列のバンドルファイバに導入されることでさらに混合され、照射ヘッドの光出射端からは、色むらや強度ムラのないより均一化された紫外光が出力される。
したがって、発光プローブの先端のLEDの配列により、各波長の紫外線の混合状態にムラが生じる場合でも、照射ヘッドから照射された光は、そのスポットが形成される範囲内ではどこも複数のピークを有する同一プロフィールのスペクトル及び強度で照射されることとなり、したがって単一波長のピークしかない発光ダイオードを用いた場合における硬化不良の問題を生じにくくなる。
特に、スペクトルが隣接する光のピーク波長同士の差が、隣接するスペクトル半値幅Δλ11〜Δλ17の1/2の和より小さくなるように選定されていれば、全体として紫外域で連続するブロードなスペクトルが形成され、高圧水銀ランプや水銀キセノンランプなどのランプによるスペクトル特性と実質的に同等の光を照射することができる。
紫外線光源装置2は、ライトガイドケーブル3の光入射端3inに対して先端透光部5outが突合せ接続される発光プローブ5と、そのプローブ5内に配された紫外線発光ダイオード11〜17をコントロールする電源装置6を備えている。
図2はLEDアレイ18の発光ダイオード11〜17の配列状態を示し、ピーク波長365nmのLEDチップをマトリクス状に配して成る発光ダイオード11が中央の光軸上に取り付けられ、その周囲に、ピーク波長370nm、375nm、385nm、400nm、420nm、435nmのチップ状の発光ダイオード12〜17が所要数ずつ所定のエリアA12〜A17内に配列されている。
このような間隔で波長が選定されていれば、全体として紫外域で連続するブロードなスペクトルを形成することができる。
しかし、発光プローブ5の透光部5outはその直径が1〜2cm程度しかないため、LEDアレイ18もその程度の大きさに形成せざるを得ない。そして、電源装置6で各チャンネルごとに光の照射強度をコントロールしようとすると、各波長のLEDチップをランダムに配した場合に給電回路を組むことができないため、波長ごとに区分した各エリアA12〜A17ごとに配列することとしている。
したがって、このままでは発光ダイオード11〜17から照射される光は、ムラのある光となってしまう。
具体的には、図4に示すように、ライトガイドケーブル3の光入射端側には、発光プローブ5の先端透光部5inに対して接続される光コネクタ22が取り付けられており、光散乱板21はライトガイドケーブル3の光入射端3inを覆うように光コネクタ22に取り付けられている。
これにより、光コネクタ22の接続ナット23を発光プローブ5の先端透光部5outの外周面に形成された雄ネジ部24と螺合させたときに、発光プローブ5との透光部5outとライトガイドケーブル3の光入射端3inとの間に光散乱板21が介装される。
このバンドルファイバ26は、多数の光ファイバ素線25…が光入射端3in側から光出射端側に至る間でランダムミックス配列にして束ねられており、第二の光混合素子M2として機能する。
なお、ライトガイドケーブル3は、光入射端3inにおける有効入射口径が、発光プローブ5の透光部5outの有効照射口径に等しくなるように選定されている。
例えば、各波長の光強度を均一にして照射対象物となる紫外線硬化樹脂に照射しようとする場合、まず、電源装置6の各光量設定器B11〜B17により各波長の光量が一定になるように光量調整を行い、発光時間設定器17で発光時間を設定し、点灯スイッチ(図示せず)をオンすると、LEDアレイ18に配列された発光ダイオード11〜17が点灯する。
そして、光散乱板21に達すると、光散乱板21内で光が散乱するため、各波長の光が混合され、波長ムラがある程度改善されてライトガイドケーブル3に入射される。
ライトガイドケーブル3は、多数の光ファイバ素線25…を光入射端3inから光出射端3outに至る間でランダムミックス配列にして束ねたバンドルファイバ26で構成されているので、光入射端3inに入射される光束のプロフィールにムラがあっても、光出射端3outから照射されるときは、そのプロフィールがランダムに混合されてムラのない均一な光束となって出射される。
特に、図3に示すように、スペクトルが隣接する光のピーク波長との差が、隣接するスペクトル半値幅Δλ11〜Δλ17の1/2の和より小さくなるように選定されていれば、全体として紫外域で連続するブロードなスペクトルが形成されるため、高圧水銀ランプや水銀キセノンランプなどのランプによるスペクトル特性と同等の光を照射することができる。
また、前記発光プローブ5の透光部5outとライトガイドケーブル33の光入射端33inとの間に第二の光混合素子M4となる回転楕円反射鏡32が介装されている。
この楕円反射鏡32は、長軸を回転軸とする回転楕円球をその第一焦点f1近傍及び第二焦点f2近傍で長軸と直交する方向に切断した中膨れ形状に形成されている。
そして、第一焦点f1に発光プローブ5の透光部5outが位置するように配され、第二焦点f2にライトガイドケーブル33の光入射端33inが位置するように夫々が接続されている。
なお本例では、発光プローブ側に光散乱板31が設けられているため、ライトガイドケーブル33の光入射端33inには光散乱板は設けられていない。光散乱板は光を混合する性質があるものの透過率が低く光強度を低下させる傾向があるため、2枚以上使用することは好ましくないからである。
ライトガイドケーブル33は、そのコア径が発光プローブ5の透光部5outの有効照射口径に略等しくなるように選定され、中空コアに導入された光がその液体内を伝わる間にランダムミックスされるので、ライトガイドケーブル33の光入射端33inに入射される光束のプロフィールにムラがあっても、光出射端33outから照射されるときは、そのプロフィールがランダムに混合されてムラのない均一な光束となって出射される。
その光は、発光ダイオード11〜17の配列プロフィールに応じた波長ムラのある光束となって発光プローブ5内を進行し、透光部5outに配された光混合素子M3である光散乱板31に至る。
光散乱板31に達すると、光散乱板31内で光が散乱し、その反対面から各波長の光が混合された光が光混合素子M4である楕円反射鏡32の内に導入される。
光散乱板31は第一焦点f1近傍に位置しているので、光散乱板31から楕円反射鏡32内に出射された光は、楕円反射鏡32内で反射されて混合され、その第二焦点f2に集光される。
なお、楕円反射鏡32は、光散乱板32から照射されて反射鏡内面に至る光をすべて反射させて第二焦点f2に導くので光損失がほとんどなく、したがって、楕円反射鏡32を介装することにより、光量が低下することもない。
ライトガイドケーブル33は、液体ライトガイド36で形成されているので、光入射端3inに入射される光束のプロフィールにムラがあっても、光出射端33outから照射されるときは、そのプロフィールがランダムに混合されてムラのない均一な光束となって出射される。
2 紫外光源装置
3 ライトガイドケーブル
4 照射ヘッド
3out 光出射端
3in 光入射端
5out 先端透光部
5 発光プローブ
6 電源装置
10 基板
11〜17 紫外線発光ダイオード
18 LEDアレイ
21 光散乱板
M1、M2 光混合素子
Claims (7)
- 紫外光源装置から照射された光をライトガイドケーブルで照射位置まで導き、その先端に設けられた照射ヘッドから照射対象物に対してスポット照射する紫外線照射装置において、
前記紫外光源装置が、ライトガイドケーブルの光入射端に対して先端透光部が突合せ接続される発光プローブを備え、当該発光プローブ内には前記透光部を介してピーク波長が異なる紫外線を照射する複数種類の紫外線発光ダイオードが配列されて成り、
前記発光ダイオードの発光部から前記照射ヘッドの光出射端までの光路中に、少なくとも二種類の光混合素子が介装されたことを特徴とする紫外線照射装置。 - 前記光混合素子の一が、前記発光プローブとライトガイドケーブルとの間に介装された光散乱板である請求項1記載の紫外線照射装置。
- 前記発光プローブの透光部が光混合素子となる光散乱板で形成された請求項1記載の紫外線照射装置。
- 前記光混合素子の一が、前記発光プローブの透光部とライトガイドケーブルの光入射面との間に介装された回転楕円反射鏡であって、当該楕円反射鏡は長軸を回転軸とする回転楕円球の第一焦点及び第二焦点近傍を切断した中膨れ形状に形成され、前記第一焦点に発光プローブの透光部が位置するように配され、第二焦点にライトガイドケーブルの光入射面が位置するように配されてなる請求項1記載の紫外線照射装置。
- 前記光混合素子の一が前記ライトガイドケーブルであって、当該ライトガイドは、光ファイバ素線をランダムミックス配列にして束ねたバンドルファイバが用いられた請求項1記載の紫外線照射装置。
- 前記光混合素子の一が前記ライトガイドケーブルであって、当該ライトガイドは、中空コアの内部にその周囲に形成された固体クラッドよりも屈折率の高い液体が満たされた液体ライトガイドが用いられた請求項1記載の紫外線照射装置。
- 前記各紫外線発光ダイオードから発光されるピーク波長の異なる光は、スペクトルが隣接するピーク波長との差が、夫々のスペクトル半値幅の1/2の和より小さく選定されて成る請求項1記載の紫外線照射装置。
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