JP2010284399A - 光線力学的治療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
PDT療法に用いる光増感物質の励起スペクトルの複数のピーク波長に応じて異なる波長の光を照射する場合においても、色ムラを起こすことなく、治療における光照射条件を正確にコンロトールできるようにする。
【解決手段】
光源となる発光ダイオード(4)が配された投光ヘッド(5)と、その出射光を疾患組織に対して照射する光照射部(7)とを備え、投光ヘッド(5)には発光波長の異なる複数種類の発光ダイオード(D、D)が同時点灯可能に配されると共に、夫々の発光波長は疾患組織選択親和性光増感物質の可視光領域から近赤外光領域に至る励起スペクトルに現れる複数のピーク波長に応じて選定され、投光ヘッド(5)の投光用開口部(6)から光照射部(7)に至る光路中に、少なくとも二種類の光混合素子(M、M)を介装した。
【選択図】図1

Description

本発明は、疾患組織に向けて特定波長の光を照射することにより、予め光増感物質を投与した疾患組織内で光化学反応を惹起させて選択的に疾患組織を障害させる光線力学的治療装置に関する。
光線力学的療法(photodynamic therapy;以下、単に「PDT療法」という)は、細胞毒性をもたない疾患組織選択親和性光増感物質又はその前駆体を予め投与した生体に対し、その疾患組織に向けて特定波長の光を照射することにより疾患組織内で光化学反応を惹起させて選択的に疾患組織を障害させる治療方法であり、早期肺癌、表在性食道癌、表在性早期胃癌、子宮頸部初期癌、加齢黄斑変性症、皮膚癌、日光角化症、表在型基底細胞癌、Bowen病、尋常性挫瘡、脂腺増殖症、皮膚感染症、サルコイドーシス、尋常性乾癬などの治療に有効であることが報告されている。
代表的なPDT治療薬として知られるアミノレブリン酸(5-aminolevulinic
acid;以下、「ALA」という。)は、分子量131のテトラピロールを構成するデルタ型アミノ酸で、水溶性が高く、アルコールに微溶、有機溶剤には難溶、酸性条件下で安定しアルカリ条件下で分解する体内に内在する物質である。
このALAは、それ自体が光増感物質ではないが、生体のヘム合成経路におけるプロトポルフィリン(protoporphyrin)の前駆体であり、プロトポルフィリンは体内に内在する物質であり単独では細胞毒性がなく腫瘍に対する疾患組織選択親和性を有する光増感物質である。
ALAを服用又は外用すると、ヘムの存在がネガティブフィードバックとなってプロトポルフィリンの合成を阻害するが、大量に投与されると、このフィードバックがきかなくなって、プロトポルフィリンが細胞内に蓄積される。
このプロトポルフィリンは、正常組織には取り込まれにくく排泄も早いが、腫瘍細胞には取り込まれやすく長時間残留するため、この時間差を利用して、正常細胞から排泄された頃を見計って励起光を照射することにより、腫瘍組織内のみにおいて光化学反応を起こさせ、腫瘍組織を選択的にアポトーシスに至らしめることができる。
ALAの投与により腫瘍細胞に蓄積されるプロトポルフィリンは635nmに励起スペクトルのピークを有しているため、一般的には波長635nmのエキシマダイレーザを用いて、レーザ光を照射することにより励起させている。
しかしながら、レーザ装置は光源が大掛かりになるだけでなく、コストが嵩むという問題があった。
ハロゲンランプ、放電ランプなどを用いれば、レーザ装置ほど大掛かりではないものの、紫外領域から赤外領域に至るまでブロードな発光スペクトルを有するため、照射された赤外線により光照射域の温度が高くなりすぎるという問題がある。
これを防止するために、赤外線を遮断する赤外カットフィルタを用いると、赤外領域に近い635nmの光強度が著しく弱くなるという問題がある。
LED(発光ダイオード)は、発光波長が635nm近傍のものを用いることにより、非常に安価で、小型、超寿命の光源として用いることができるが、光量が必ずしも十分でないという問題がある。
発明者の実験によれば、多数の高輝度LEDを用いて発光波長635nmの光強度を強くすれば、PDT療法に用いる治療装置として使用することができるが、LEDを高密度実装することにより発熱の問題を生じる。
ところで、特許文献1には、LEDにより、異なる波長の光(約400nmの青色光及び約600nmの赤色光)を同時に照射させてより高い治療効果が得られることがあり、その波長としては、細胞内に取り込まれた光増感物質(外因性発色団)などの吸収極大(吸収スペクトルのピーク波長)に相関する複数の波長帯域を標的することが望ましい旨の記載がある。
さらに、光の組織透過深さは波長に依存し、短波長(400nm〜420nm)の光は透過深さが限られていることにより全ての脂腺または座瘡の嚢胞を有効に治療することができないが、長波長(600nm〜660nm)の光はより下の皮層又は深い部位まで透過されるため、患部の深さに応じて波長を選択することが好ましい旨の記載もある。
PDT療法において、ALAの投与により細胞内に蓄積されるプロトポルフィリン酸の励起スペクトルは、図6に示すように、410nmに最大のピークがあり、他に510nm、545nm、580nm、635nmにもピークがあり、ピーク波長の光が照射されたときにその光エネルギーが吸収されて光化学反応を生ずるため、励起スペクトルは吸収スペクトルに等しい。
そして、一般に、治療光の波長は、表層1mmまでの組織なら410nmの光を照射し、それ以上の深さに対しては635nmの光を照射していることから、これらの波長は、吸収スペクトルのピーク波長、すなわち特許文献1に記載されたとおり吸収極大に相関して決定されている。
さらに、特許文献1の記載より、例えば、表層から深層に至るまでの疾患組織を治療するには、短波長側と長波長側の光を同時に照射すればよいことがわかる。
しかしながら、例えば、波長410nmと635nmの光を同時に照射しても、それぞれの光スポットを正確に重ね合わせることは困難であることから、光照射時間を一定にして照射条件をコントロールしても、照射領域(光スポット)内で色ムラを生じてしまい全ての領域を同一条件で光照射させることができない。
また、光を混合させる光学系によっては、照射領域の中央部の光強度が最大とも限らないので、仮に光スポットの中央部に疾患組織が位置するように光照射しても、どの程度の光強度で照射しているのか特定できず、やはり、照射条件のコントロールが困難となる。
特に、PTD薬剤の開発にあたっては、投与量に応じた発光強度、照射時間などの光照射条件を決定する必要があり、実験装置において照射条件を一定に維持することができなければ、正確な条件を特定することもできない。
特表2005−503388号公報
そこで本発明は、PDT療法に用いる光増感物質の励起スペクトルの複数のピーク波長に応じて異なる波長の光を照射する場合において、治療における光照射条件を正確にコンロトールできるようにすることを技術的課題としている。
この課題を解決するために、本発明は、細胞毒性をもたない疾患組織選択親和性光増感物質又はその前駆体を予め投与した生体に対し、その疾患組織に向けて特定波長の光を照射することにより疾患組織内で光化学反応を惹起させて選択的に疾患組織を障害させる光線力学的治療装置において、
光源となる発光ダイオードが配された投光ヘッドと、前記投光ヘッドから出射された光を疾患組織に対して照射する光照射部とを備え、
前記投光ヘッドには発光波長の異なる複数種類の発光ダイオードが同時点灯可能に配されると共に、夫々の発光波長は前記光増感物質の可視光領域から近赤外光領域に至る励起スペクトルに現れる複数のピーク波長に応じて選定され、
前記投光ヘッドの投光用開口部から前記光照射部に至る光路中に、少なくとも二種類の光混合素子が介装されたことを特徴としている。
投光ヘッドには、請求項2に記載されたように、発光ダイオードの光出力をその発光波長ごとに設定する光量設定器と、各発光ダイオードの点灯時間を設定して同時にオンオフ制御を行うタイマーとを備えたコントローラを接続してもよい。
光混合素子としては、請求項3のように、光散乱板を投光用開口部に設けたり、請求項4のように、光ファイバ素線をランダムミックス配列にして束ねて成るファイバオプティクスデバイスを投光用開口部に接続したりして用いる。
また、光混合素子として、請求項5のように、光混合素子として回転楕円反射鏡を用いてもよい。この楕円反射鏡は、長軸を回転軸とする回転楕円球の第一焦点及び第二焦点近傍を切断した中膨れ形状に形成され、投光ヘッドから出力された光が前記第一焦点から入射されるようになされている。
さらに、投光ヘッドから照射された光をライトガイドで導き、その先端の光照射端部から疾患組織に照射する場合は、請求項6のように、そのライトガイドとして、光混合素子として、光ファイバ素線をランダムミックス配列にして束ねたバンドルファイバケーブルを用い、これを光混合素子としても良い。
さらにまた、請求項7のように、光混合素子となるライトガイドとして、中空コアの内部にその周囲に形成された固体クラッドよりも屈折率の高い液体が満たされた液体ライトガイドを用いてもよい。
本発明によれば、投光ヘッドに発光波長の異なる複数種類の発光ダイオードが同時点灯可能に配されており、夫々の発光波長は疾患組織選択親和性光増感物質の可視光領域から近赤外光領域に至る励起スペクトルに現れる複数のピーク波長に応じて選定されている。
例えば、PDT治療薬としてALAを用いた場合、腫瘍組織に光増感物質であるプロトポルフィリンが蓄積され、その励起スペクトルのピーク波長は、410nm、510nm、545nm、580nm、635nmにある。
投光ヘッドに、励起スペクトルのピーク波長に基づき、発光波長410nm及び635nmの2種類の発光ダイオードを複数ずつ配した投光ヘッドを用いれば、投光ヘッドから夫々の波長の光が照射されて、光照射端部から疾患組織に対して照射される。
このとき、投光ヘッドの投光用開口部から光照射部に至るまでの間に、少なくとも二種類の光混合素子が介装されている。
例えば、投光用開口部に、光混合素子として、光散乱板と、ファイバ素線をランダムミックス配列にして束ねて成るファイバオプティクスデバイスを接続した場合、投光ヘッドから出力された各波長の光がまず光散乱板を透過することによって混同され、その光がファイバオプティクスデバイスに入射される。
ファイバオプティクスデバイスは、ファイバ素線をランダムミックス配列にして束ねて固めたロッド状の素子であるので、入射端面から入射された光に強度分布や波長分布が残る場合であっても、その出射端面からは強度分布も波長分布も均一化された光が出力される。
このように、光混合素子を二重に透過させているので、発光ダイオードの配列によって生ずる投光ヘッドの出力光に強度ムラ及び波長ムラ(色ムラ)がある場合であっても、光照射端部からは、その照射スポット全域において、光強度分布がフラットで色ムラのない光を照射することができるので、照射時間により照射条件を正確にコントロールすることができる。
本発明に係る光線力学的治療装置の一構成例を示す説明図。 投光ヘッド内の発光タイオード配列状態を示す説明図。 他の実施例を示す説明図。 さらに他の実施例を示す説明図。 投光ヘッド内の発光ダイオードの配列状態を示す説明図。 プロトポルフィリンの励起スペクトルを示すグラフ。
本例は、PDT療法に用いる光増感物質の励起スペクトルの複数のピーク波長に応じて異なる波長の光を照射する場合に、色ムラのない光強度が均一な光を照射させて、治療における光照射条件を正確にコンロトールできるようにするため、光源となる発光ダイオードが配された投光ヘッドと、前記投光ヘッドから出射された光を疾患組織に対して照射する光照射部とを備え、投光ヘッドには発光波長の異なる複数種類の発光ダイオードが同時点灯可能に配されると共に、夫々の発光波長は光増感物質の可視光領域から近赤外光領域に至る励起スペクトルに現れる複数のピーク波長に応じて選定され、投光ヘッドの投光用開口部から前記光照射部に至る光路中に、少なくとも二つの光混合素子を介装した。
図1に示す光線力学的治療装置1は、細胞毒性をもたない腫瘍(疾患)組織選択親和性光増感物質プロトポルフィリンの前駆体ALAを予め投与した生体に対し、その腫瘍組織に向けて特定波長の光を照射することにより疾患組織内で光化学反応を惹起させて選択的に腫瘍組織を障害させるものであり、ベース2に取り付けられた揺動アーム3の先端に、光源となる発光ダイオード4が配された投光ヘッド5が取り付けられ、前記投光ヘッド5の投光用開口部6に、投光ヘッド5から出射された光を腫瘍組織に対して照射する光照射部7が接続されている。
投光ヘッド5には、発光波長の異なる複数種類の発光ダイオード4が同時点灯可能に配されると共に、夫々の発光波長は光増感物質の可視光領域から近赤外光領域に至る励起スペクトルに現れる複数のピーク波長に応じて選定されている。
例えば、PDT薬剤として、プロトポルフィリン(腫瘍選択親和性光増感物質)の前駆体であるALAを用いる場合、ALAの大量投与により腫瘍組織に蓄積されるプロトポルフィリンの励起波長は、410nm、510nm、545nm、580nm、635nmにピークがある。
ここで、短波長側410nmの光吸収度は高いものの組織浸透度が浅く、長波長635nmの光吸収度はそれほど高くないが組織の深さに拘らず一定であり、組織浸透度も比較的深い。
そこで、本例では、図2に示すように、発光ダイオード4として、12個の青色ダイオード(発光波長410nm)Dと、8個の赤色ダイオード(発光波長635nm)Dを混在させて二重円環状に配列している。
内環列には4個の青色ダイオードD及び4個の赤色ダイオードDが中心角45°で一つずつ交互に配列され、外環列には中心角90°で配列された4個の赤色ダイオードDの間に、中心角30度で8個の青色ダイオードDが配列されている。
一般に、青色ダイオードDは素子一個当たりの発光強度が、赤色ダイオードDに比して弱いため、合計8個の赤色ダイオードDに対して合計12個の青色ダイオードDを配している。
また、投光ヘッド5には、発光ダイオードD及びDの光出力をその発光波長ごとに設定する光量設定器P及びPと、各発光ダイオード4の点灯時間を設定してオンオフ制御を行うタイマーTとを備えたコントローラ8が接続されている。
これにより、発光ダイオードD及びDは、夫々予め設定された発光強度で同時点灯され、タイマーTに設定した所定時間が経過したところで同時に消灯される。
投光ヘッド5には、12個の青色ダイオードDと、8個の赤色ダイオードDが混在して配列されているが、このまま点灯させてその光を腫瘍組織に照射した場合に、光スポットには各発光ダイオードD1及びD2の位置に応じた色ムラのある光が照射される。
そこで、投光ヘッド5の投光用開口部6から光照射部7に至る光路中に、少なくとも二種類の光混合素子M、Mを介装している。
本例では、第一の光混合素子Mが投光ヘッド5の投光用開口部6に設けられた光散乱板9からなり、第二の光混合素子Mが投光用開口部6に接続されたファイバオプティクスデバイス10からなり、その光出射端が10outが光出射部4になっている。
る。
ファイバオプティクスデバイス10は、多数の光ファイバ素線11…をランダムミックスに配列して束ねたロッド状の素子であり、光ファイバ素線11の光入射端10inにおける位置情報が光出射端10outで維持されないので、色ムラのある光を入射しても、光出射端10outからは色ムラのない光が出射される。
なお、光散乱板9とファイバオプティクスデバイス10の光入射端10inの間には、光散乱板9により散乱された光をさらに混合させる光混合空間6aが形成されている。
また、ファイバオプティクスデバイス10の光入射端10inにおける有効入射口径が、投光ヘッド5の投光用開口部6の有効照射口径に等しくなるように選定されている。
以上が本発明の一構成例であって、次にその作用について説明する。
PDT薬剤としてALAを投与して皮膚癌などの腫瘍治療を行う場合、所定量のALAを服用または外用した後、所定時間経過すると、体内に取り込まれたALAがプロトポルフィリンに変化して細胞内に蓄積される。
プロトポルフィリンは正常細胞での滞留時間は2〜3時間であるのに対し、腫瘍組織では4〜8時間経過した時点で最大量に達し、24時間後には対外に排出される。
したがって、ALAの投与後、太陽光を避けて、4〜8時間経過したところで、腫瘍組織に対して光線力学的治療装置1により励起光を照射する。
このとき、青色ダイオードDと赤色ダイオードDの発光強度と照射時間を、製薬会社などが予め実験により求めた基準値に従って光量設定器P及びPと、タイマーTに設定し、点灯スイッチ(図示せず)をオンすると、全ての発光ダイオード4が点灯する。
青色ダイオードD及び赤色ダイオードDは混在して配列されているものの、全部で20素子しかないので、各発光ダイオードD及びDからはこれらの配列プロフィールに応じた色ムラ(波長ムラ)のある光束となって投光用開口部6へ向かう。
そして、光散乱板9に入射すると、光散乱板9内で光が散乱するため各波長の光が混合されるので色ムラがある程度改善され、次に、光散乱板9から出射されるとその光が光混合空間6aで混合されるのでさらに色ムラが改善された後、投光用開口部6に接続されたファイバオプティクスデバイス10に入射される。
ファイバオプティクスデバイス10は、多数の光ファイバ素線11…を光入射端10inから光出射端10outに至る間でランダムミックス配列にして束ねてロッド状に形成されているので、光入射端10inに入射される光束のプロフィールに色ムラがあっても、光出射端10outから照射されるときは、そのプロフィールがランダムに混合されるので、素線単位で見れば色ムラがあっても光出射端10out全体で見れば色ムラのない均一な光束となって出射される。
したがって、光照射部7となるファイバオプティクスデバイス10の光出射端10outを患部に向けて光を照射すると、プロトポルフィリンの励起スペクトルのピーク波長である410nmn及び635nmの光が均一に混合されて照射されるので、その光スポットの領域内で色ムラが生ずることがなく、どこも同一条件で光が照射され、照射時間により照射条件を正確にコントロールすることができる。
図3は他の実施例を示す。図1及び2との共通部分は同一符号を付して詳細説明を省略する。
本例の光線力学的治療装置21は、投光ヘッド5の投光用開口部6に、光混合素子Mとなる光散乱板9が取り付けられ、さらに、光スポット径を縮径するテーパファイバオプティクス22を介して、光混合素子Mとなる楕円反射鏡23が取り付けられている。
テーパファイバオプティクス22は、テーパファイバを束ねたライドガイドで、両端の有効径が異なり、大径側から入射された光ビーム径を小径に変換し、あるいは、小径側から入射された光ビーム径を大径に変換するためのものであり、本例では、投光用開口部6から照射された大径の光ビームを回転楕円反射鏡23の光入射端23inに入射できる径まで縮径するために用いている。
楕円反射鏡23は、長軸を回転軸とする回転楕円球をその第一焦点f近傍及び第二焦点f近傍で長軸と直交する方向に切断した中膨れ形状に形成されている。
そして、第一焦点fにテーパファイバオプティクス22の光出射端22outが位置するように配され、第二焦点f側開口部23outが光照射部7となる。
本例によれば、実施例1と同様に、各色ダイオードD及びDの発光強度を設定すると共に、照射時間を設定して点灯スイッチ(図示せず)をオンすると、各色ダイオードD及びDが点灯する。
その光は、発光ダイオード4の配列プロフィールに応じた色ムラのある光束となって投光用開口部6へ向かう。
そして、光混合素子Mである光散乱板9を透過することにより色ムラがある程度改善され、テーパファイバオプティクス22を介して、光混合素子Mである回転楕円反射鏡23に入射される。
テーパファイバオプティクス22の光出射端22outは、楕円反射鏡23の第一焦点f近傍に位置しているので、光散乱板9で混合された光は、第一焦点fから楕円反射鏡23に導入され、楕円反射鏡23内で反射されてさらに混合され、その第二焦点fに集光された後、その開口部23outから色ムラのない光となって出射される。
楕円反射鏡23は、第一焦点f側から入射された光のほとんどを第二焦点fに導くので光損失が極めて少ないので、楕円反射鏡23を介装することにより光量が低下することもない。
したがって、光照射部7となる楕円反射鏡23の光出射端23outを患部に向けて光を照射すると、プロトポルフィリンの励起スペクトルのピーク波長である410nmn及び635nmの光が均一に混合されて照射されるので、その光スポットの領域内で色ムラが生ずることがなく、どこも同一条件で光が照射され、照射時間により照射条件を正確にコントロールすることができる。
なお、テーパファイバオプティクス22が、ファイバ素線11をランダムに配列して束ねたものであれば、これも光混合素子として機能するので、光損失を生ずることなく、より色ムラをなくすことができる。
図4はさらに他の実施例を示す。なお、図1及び図3と共通する部分は同一符号を付して詳細説明は省略する。
本例の光線力学的治療装置31は、投光ヘッド32の投光用開口部33に照射光を患部まで案内するライトガイド34が接続され、そのライトガイド34の光出射端34outが光照射部7となっている。
本例の投光ヘッド32には、図5に示すように、プロトポルフィリンの励起波長に応じて発光波長410nm、510nm、545nm、580nm、635nmの5種類のチップ状ダイオードC〜Cを合計16個配した発光素子35が16面配されている。
個々の発光素子35は、例えば、発光波長410nmのダイオードCが5個と、発光波長510nm、545nm、580nmのダイオードC〜Cが3個ずつと、発光波長635nmのダイオードCが2個からなり、これらが投光用開口部33に向かってランダムに配されている。
また、投光ヘッド32には、発光ダイオードC〜Cの光出力をその発光波長ごとに設定する光量設定器P〜Pと、各発光ダイオード4の点灯時間を設定して同時にオンオフ制御を行うタイマーTとを備えたコントローラ36が接続されている。
これにより、発光ダイオードC〜Cは、夫々予め設定された発光強度で同時点灯され、タイマーTに設定した所定時間が経過したところで同時に消灯される。
投光用開口部33には、光混合素子Mとなる光散乱板9が取り付けられると共に、テーパファイバオプティクス22を介してライトガイド34が接続されている。
光散乱板9とテーパファイバオプティクス22の光入射端22inの間には、光散乱板9を透過した光を混合させるための光混合空間33aが形成されている。
ライトガイド34は、光混合素子Mとして機能するように、多数のファイバ素線37をランダムミックス配列したバンドルファイバケーブルが用いられ、その入射径がファイバオプティクス22の光出射端22outの有効径と等しく選定されている。
本例によれば、実施例1と同様に、コントローラ36で各色ダイオードC〜Cの発光強度を設定すると共に、タイマーTで照射時間を設定して点灯スイッチ(図示せず)をオンすると、各色ダイオードC〜Cが同時に点灯される。
本例では、多数のチップ状ダイオードをランダムに配列しているので、その光はもともと色ムラの少ない光束となって投光用開口部33に向かう。
そして、投光用開口部33に設けられた光散乱板9を透過する際にその光が混合されてさらに色ムラのない均一な光となり、テーパファイバオプティクス22を介してライトガイド34に入射され、光照射部7となる光出射端34outから照射される。
このとき、ライトガイド34は、多数のファイバ素線37をランダムミックス配列したバンドルファイバケーブルが用いられているので、光混合素子Mとして機能し、テーパファイバオプティクス22から出射された光がさらに混合されることとなり、色ムラのない光が照射される。
したがって、光照射部7となるライトガイド34の光出射端34outを患部に向けて光を照射すると、プロトポルフィリンの励起スペクトルのピーク波長である410nmn、510nm、545nm、580nm及び635nmの5種類の光が均一に混合されて照射されるので、その光スポットの領域内で色ムラが生ずることがなく、どこも同一条件で光が照射され、照射時間により照射条件を正確にコントロールすることができる。
また、励起スペクトルの五つのピーク波長の光を全て照射するので、光増感物質であるプロトポルフィリンが活性しやすくなり、低出力の光を用いて効率よくPTD療法を行うことができる。
なお、ライトガイド34として、多数のファイバ素線37をランダムミックス配列したバンドルファイバケーブルに替えて、中空コアの内部にその周囲に形成された固体クラッドよりも屈折率の高い液体が満たされた液体ライトガイドを用いても同様である。
また、光混合素子M〜Mは上述のものに限らず任意のものを任意の組合せで使用することができる。
以上述べたように、本発明は、疾患組織に向けて特定波長の光を照射することにより、予め光増感物質を投与した疾患組織内で光化学反応を惹起させて選択的に疾患組織を障害させる光線力学的治療装置の用途に適用できる。
1 光線力学的治療装置
4 発光ダイオード
5 投光ヘッド
6 投光用開口部
7 光照射部
青色ダイオード
赤色ダイオード
8 コントローラ
、P 光量設定器
T タイマー
光混合素子
9 光散乱板
光混合素子
10 ファイバオプティクスデバイス
11 光ファイバ素線

Claims (7)

  1. 細胞毒性をもたない疾患組織選択親和性光増感物質又はその前駆体を予め投与した生体に対し、その疾患組織に向けて特定波長の光を照射することにより疾患組織内で光化学反応を惹起させて選択的に疾患組織を障害させる光線力学的治療装置において、
    光源となる発光ダイオードが配された投光ヘッドと、前記投光ヘッドから出射された光を疾患組織に対して照射する光照射部とを備え、
    前記投光ヘッドには発光波長の異なる複数種類の発光ダイオードが同時点灯可能に配されると共に、夫々の発光波長は前記光増感物質の可視光領域から近赤外光領域に至る励起スペクトルに現れる複数のピーク波長に応じて選定され、
    前記投光ヘッドの投光用開口部から前記光照射部に至る光路中に、少なくとも二種類の光混合素子が介装されたことを特徴とする光線力学的治療装置。
  2. 前記投光ヘッドに、前記発光ダイオードの光出力をその発光波長ごとに設定する光量設定器と、各発光ダイオードの点灯時間を設定して同時にオンオフ制御を行うタイマーとを備えたコントローラが接続されて成る請求項1記載の光線力学的治療装置。
  3. 前記光混合素子の一が前記投光用開口部に設けられた光散乱板からなる請求項1又は2記載の光線力学的治療装置。
  4. 前記光混合素子の一が前記投光用開口部に接続されたファイバオプティクスデバイスからなり、当該ファイバオプティクスデバイスは、光ファイバ素線をランダムミックス配列にして束ねて成る請求項1乃至3いずれか記載の光線力学的治療装置。
  5. 前記光混合素子の一が回転楕円反射鏡で成り、当該楕円反射鏡は、長軸を回転軸とする回転楕円球の第一焦点及び第二焦点近傍を切断した中膨れ形状に形成され、投光用ヘッドから出力された光を前記第一焦点近傍から楕円反射鏡内に入射させるようになされた請求項1乃至3いずれか記載の光線力学的治療装置。
  6. 前記光混合素子の一が前記投光用開口部に接続されたライトガイドで成り、当該ライトガイドは、光ファイバ素線をランダムミックス配列にして束ねたバンドルファイバケーブルである請求項1乃至3いずれか記載の光線力学的治療装置。
  7. 前記光混合素子の一が前記投光用開口部に接続されたライトガイドで成り、当該ライトガイドは、中空コアの内部にその周囲に形成された固体クラッドよりも屈折率の高い液体が満たされた液体ライトガイドが用いられた請求項1乃至3いずれか記載の光線力学的治療装置。


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