JP2010234003A - 乳房撮影定位装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳房撮影定位装置を用いてステレオ撮影を行う際、生検針とその保持部材、スポット撮影用の小サイズ圧迫板等を配置したまま被検体の乳房を撮影する場合、AECによる照射線量制御が適正に作動しない事態が生じても照射線量を好適に制御する。
【解決手段】マンモグラフィ装置20は、放射線源30から照射される照射線量を互いに独立に制御する第1及び第2の照射線量制御部を備え、第2の照射線量制御部は、放射線源30の回転角度が基準回転角度に設定され被検体27の乳房28の放射線画像を撮影する際における撮影条件を記憶する撮影条件記憶部98と、放射線源30が前記基準回転角度以外に設定される毎に撮影条件記憶部98に記憶された前記基準照射条件を参照し放射線源30の照射線量上限値を算出する上限値算出部100と、算出された上限値を超えないように照射条件を設定する撮影条件設定部102とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、検査対象物である乳房(マンモ)の生検部位に生検針を刺入して組織の一部を採取する乳房撮影定位装置に関する。
医療分野においては、病気の診断等のため、病変部位の組織を採取して精密な検査を行うことを目的とした乳房撮影定位装置が開発されている。
特許文献1では、被検体の乳房の放射線透過画像を取得するマンモグラフィ装置に対して乳房撮影定位装置を組み込むように構成され、撮影台と圧迫板との間にマンモをポジショニングし、その状態で乳房を2方向から撮影することでステレオ画像情報を得るシステムが提案されている。これにより、前記ステレオ画像情報に基づいて生検部位の位置情報を取得し、該位置情報に従って生検針を生検部位まで刺入し、生検部位の組織の一部を採取することができる。
また、かかる乳房撮影定位装置を用いて放射線透過画像を得る場合、被検体の照射線量を最小にしながらも良好な放射線画像品質を確保する必要がある。従って、被検体の関心領域において適切な放射線画像情報を取得するためには、該関心領域に所望の量の放射線が照射されるように照射制御条件を設定する必要がある。そこで、被検体を透過した照射線量の検出結果に基づき、放射線源から照射される照射線量を制御する自動露出制御(AEC、Automatic Exposure Control)システムを備える放射線画像撮影装置が提案されている。
特許文献2では、圧迫板の下面にタッチパネルを設けておき、該タッチパネルに加わる圧力をモニタすることで、乳房が配置されている位置範囲を検出し、その位置範囲内にあるAECセンサのみを選択する装置が提案されている。これにより、自動的に乳房の配置領域を検出して最適な位置に配設されたAECセンサを選択することができる。
特開平10−201749号公報 特開平8−238237号公報
ところで、生検のワークフローが進行し、乳房撮影定位装置を用いてステレオ撮影を行う際、放射線源と放射線検出器との間に、生検針とその保持部材、スポット撮影用の小サイズ圧迫板等を配置したまま被検体の乳房を撮影する場合がある。この場合、放射線が被検体の乳房を透過する位置範囲内にあるAECセンサの位置と、生検針等が備える金属部品の形状が放射線受像器に写り込む位置とが重なるときは、該AECセンサは被検体の乳房を透過するはずの本来の照射線量を適切に検出できない。
このように、何らかの理由により単一の照射線量制御システムが適正に作動しない事態が生じると、特許文献2に係る装置によっても好適な自動露出制御が実現できない可能性がある。
また、毎回のステレオ撮影が適切な照射線量となるように、撮影の都度技師が照射線量の確認を行うこともできるが、作業の煩に堪えない。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、乳房撮影定位装置を用いてステレオ撮影を行う際、放射線源と放射線検出器との間に、生検針とその保持部材、スポット撮影用の小サイズ圧迫板等を配置したまま被検体の乳房を撮影する場合、AECによる照射線量制御が適正に作動しない事態が生じても照射線量の好適な制御ができる乳房撮影定位装置を提供する。
本発明の請求項1に記載の発明に係る乳房撮影定位装置は、被検体の乳房に放射線を照射し放射線画像を撮影する撮影部を有し、撮影された前記放射線画像から前記被検体の乳房の生検部位を選択し、該生検部位に生検針を刺入して組織の一部を採取する乳房撮影定位装置であって、前記撮影部は、回転軸を中心として回転可能に支持された、前記被検体の乳房に放射線を照射する放射線源と、前記被検体の乳房を透過した前記放射線の線量を検出し、該放射線の線量に基づいて前記放射線源から照射される照射線量を制御する第1の照射線量制御部と、前記放射線源から照射される照射線量を前記第1の照射線量制御部と互いに独立に制御する第2の照射線量制御部と、を備え、第2の照射線量制御部は、前記放射線源の回転角度が基準回転角度に設定され、前記被検体の乳房の放射線画像を撮影する基準照射条件を記憶する記憶部と、前記放射線源の回転角度が前記基準回転角度以外の値に設定される毎に、前記記憶部に記憶された前記基準照射条件を参照し前記放射線源の照射線量上限値を算出する上限値算出部と、前記上限値算出部で算出された前記照射線量上限値を超えないように照射条件を設定する設定部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の乳房撮影定位装置において、前記照射条件は、前記放射線源の管電圧、ターゲット、フィルタ、管電流、照射時間及び焦点サイズであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の乳房撮影定位装置において、前記設定部は、前記照射条件のうち管電流及び照射時間を可変に設定できることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乳房撮影定位装置において、前記基準回転角度は、正面撮影の際の前記放射線源の回転角度とすることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乳房撮影定位装置において、前記乳房撮影定位装置は、生検又は検診のいずれにも使用できる乳房撮影定位装置であり、前記基準照射条件は、前記生検の前に行われた前記検診に係る照射条件であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乳房撮影定位装置において、前記乳房撮影定位装置は、生検又は検診のいずれにも使用できる乳房撮影定位装置であり、前記記憶部は、前記生検及び前記検診に係る照射条件を記憶し、前記上限値算出部は、前記生検及び前記検診に係る照射条件のうちいずれか一方の照射条件を前記基準照射条件として選択し、前記放射線源の照射線量上限値を算出することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の乳房撮影定位装置において、前記上限値算出部は、前記基準照射条件から算出される前記放射線の照射線量に任意の倍率を乗じて前記照射線量上限値を算出することを特徴とする。
本発明によれば、被検体の乳房を透過した放射線の線量を検出し、該放射線の線量に基づいて放射線源から照射される照射線量を制御する第1の照射線量制御部と、前記放射線源から照射される照射線量を前記第1の照射線量制御部と互いに独立に制御する第2の照射線量制御部とを設けたので、生検のワークフローが進行し、乳房撮影定位装置を用いてステレオ撮影を行う際、放射線源と放射線検出器との間に、生検針とその保持部材、スポット撮影用の小サイズ圧迫板等を配置したまま被検体の乳房を撮影する場合、AECによる照射線量制御が適正に作動しない事態が生じても照射線量の好適な制御ができる乳房撮影定位装置を提供することができる。
本実施形態のマンモグラフィ装置の斜視説明図である。 図1に示すマンモグラフィ装置における撮影台の内部構成を示す要部説明図である。 図2に示す撮影台の内部構成を示す一部省略斜視図である。 図1に示すマンモグラフィ装置を構成する撮影部ブロック図である。 図1に示すマンモグラフィ装置を構成するバイオプシハンド部の駆動制御回路ブロック図である。 本実施形態のマンモグラフィ装置の動作フローチャートである。 図7Aは、ターゲット及びフィルタをMoとして得られるX線スペクトルである。図7Bは、ターゲットをMo、フィルタをRhとして得られるX線スペクトルである。図7Cは、ターゲット及びフィルタをRhとして得られるX線スペクトルである。 本実施形態のマンモグラフィ装置を構成する第2の照射線量制御部に係る設定画面の一例を示す図である。 本実施形態のマンモグラフィ装置を構成する第2の照射線量制御部に係る設定画面の一例を示す図である。 本実施形態のマンモグラフィ装置に係るステレオ撮影の説明図である。 本実施形態のマンモグラフィ装置に係る警告表示の一例を示す図である。
図1は、本発明に係る乳房撮影定位装置の実施形態のマンモグラフィ装置20の斜視説明図である。
マンモグラフィ装置20は、立設状態に設置される基台22と、基台22の略中央部に配設された回転軸24に固定されるアーム部材26と、被検体27の乳房28(検査対象物、図2)に対して放射線Xrayを照射する放射線源30(図5)を収納し、アーム部材26の一端部に固定される放射線源収納部32と、乳房28を透過した放射線Xrayを検出する固体検出器60(放射線検出器、図2、図3)が収納され、アーム部材26の他端部に固定される撮影台36と、撮影台36に対して乳房28を圧迫して保持する圧迫板38と、圧迫板38に装着され乳房28の生検部位から必要な組織を採取するバイオプシハンド部40とを備える。なお、基台22には、被検体27の撮影部位、撮影方向等の撮影情報、被検体27のID情報等を表示するとともに、必要に応じてこれらの情報を設定可能な表示操作部42が配設される。
放射線源収納部32及び撮影台36を連結するアーム部材26は、回転軸24を中心として回転することで、被検体27の乳房28に対する撮影方向が調整可能に構成される。また、放射線源収納部32は、ヒンジ部35を介してアーム部材26に連結されており、矢印θ方向に撮影台36とは独立に回転可能に構成される。圧迫板38は、アーム部材26に連結された状態で放射線源収納部32及び撮影台36間に配設されており、矢印Z方向に変位可能に構成される。
圧迫板38には、バイオプシハンド部40を用いた組織採取のための開口部44が形成される。バイオプシハンド部40は、圧迫板38に固定されたポスト46と、ポスト46に一端部が軸支され、圧迫板38の面に沿って回転可能な第1アーム48と、第1アーム48の他端部に一端部が軸支され、圧迫板38の面に沿って回転可能な第2アーム50とを備える。第2アーム50の他端部には、矢印Z方向に移動可能な生検針52が装着される。生検針52は、図2に示すように、乳房28の生検部位54の組織を吸引して採取する採取部56を有する。生検針52の採取部56は、バイオプシハンド部40の第1アーム48及び第2アーム50を圧迫板38の面に沿ったX−Y平面内で移動させるとともに、生検針52を矢印Z方向に移動させることにより、生検部位54の近傍に配置することができる。
図2は、マンモグラフィ装置20における撮影台36の内部構成を示す要部説明図であり、撮影台36及び圧迫板38間に被検体27の撮影部位である乳房28を配置した状態を示す。なお、参照符号29は、被検体27の胸壁を示す。
撮影台36の内部には、放射線源収納部32に内蔵された放射線源30から照射された放射線Xrayに基づいて撮像された放射線画像情報を蓄積し、電気信号として出力する固体検出器60と、固体検出器60に蓄積記録された放射線画像情報を読み取るために、固体検出器60に読取光を照射する読取光源部62とが収納される。さらに、撮影台36の内部には、放射線Xrayの照射制御条件を決定するため、乳房28及び固体検出器60を透過した放射線Xrayの照射線量を検出する複数の照射線量情報検出器(以下、AECセンサ64という)と、固体検出器60に蓄積されている不要電荷を除去するために、固体検出器60に消去光を照射する消去光源部66とが収納される。
固体検出器60は、直接変換方式且つ光読出方式の放射線固体検出器であって、乳房28を透過した放射線Xrayに基づく放射線画像情報を静電潜像として蓄積し、読取光源部62からの読取光により走査されることで、静電潜像に応じた電流を発生する。
固体検出器60は、例えば、特開2004−154409号公報に開示された構造のものを用いることができ、具体的には、ガラス基板上に形成され、放射線Xrayを透過する第1導電層と、放射線Xrayが照射されることで電荷を発生する記録用光導電層と、第1導電層に帯電される潜像極性電荷に対して略絶縁体として作用する一方、潜像極性電荷と逆極性の輸送極性電荷に対して略導電体として作用する電荷輸送層と、読取光が照射されることで電荷を発生して導電性を呈する読取用光導電層と、放射線Xrayを透過する第2導電層とを順に積層して構成される。記録用光導電層と電荷輸送層との界面には、蓄電部が形成される。
第1導電層及び第2導電層は、それぞれ電極を構成する。第1導電層の電極は、二次元状の平坦な平板電極とされ、第2導電層の電極は、記録される放射線画像情報を画像信号として検出するための所定の画素ピッチからなる多数の線状電極として構成される。線状電極の配列方向が主走査方向、線状電極の延在する方向が副走査方向に対応する。
読取光源部62は、例えば、複数のLEDチップを一列に並べて構成されるライン光源と、ライン光源から出力された読取光を固体検出器60上に線状に照射させる光学系とを有し、固体検出器60の第2導電層である線状電極の延在方向と直交する方向にLEDチップが配列されたライン光源を前記線状電極の延在方向(図3の矢印C方向)に移動させることで固体検出器60の全面を露光走査する。
消去光源部66は、図3に示すように、短時間で発光/消光し、且つ、残光の非常に小さいLEDチップ68をパネル70上に多数配列して構成される。なお、パネル70は、固体検出器60と平行に配置された状態で撮影台36に収納される。
AECセンサ64は、図2及び図3に示すように、センサ基板72上に複数(本実施形態の場合、16個)配設されており、消去光源部66を構成するパネル70に形成された孔部73から固体検出器60方向を指向している。なお、各AECセンサ64は、該孔部73からAECセンサ64側に向けて、放射線源30からの放射線Xray方向に沿って延出される角形の筒状部材(不図示)で囲繞した状態で配置される。
このようなAECセンサ64は、撮影台36上に乳房28が位置決め固定された状態で、該乳房28に対応するようにしてセンサ基板72上に配列される(図3参照)。
図4は、マンモグラフィ装置20を構成する撮影部ブロック図である。
マンモグラフィ装置20の制御回路は、放射線源収納部32に収納され、照射スイッチ74の操作によって放射線Xrayを放出する放射線源30と、撮影に要する各種駆動を指示可能な表示操作部42と、指示された駆動に基づいて放射線源30の位置や回転角度、撮影台36の位置等を駆動制御する駆動制御部76と、複数のAECセンサ64によって検出した放射線Xrayの照射線量に重み付け係数を乗じる重み付け係数付与部78と、前記重み付け係数が付与された各AECセンサ64の検出値に基づき、乳房28の乳腺位置(関心領域)近傍と推定される少なくとも1以上のAECセンサ64を選択する測定位置選択部80と、前記少なくとも1以上のAECセンサ64によって検出した放射線Xrayの単位時間当たりに照射される照射線量に基づき、放射線源30による放射線Xrayの適切な照射時間を算出する照射時間算出部82と、供給された前記照射時間を照射制御条件として放射線源30の線量を制御する線源制御部84とを備える。このように、第1の照射線量制御部86は、AECセンサ64と、センサ基板72と、重み付け係数付与部78と、測定位置選択部80と、照射時間算出部82とを備える。
また、線源制御部84は、高電圧を発生させる高電圧発生器88と、被検体27に応じて調整した管電圧を印加する管電圧調整器90とを備える。放射線源30は、高電圧が印加されることで電子線を出力する陰極92と、前記電子線が入射することで放射線Xrayを出力するターゲット94と、ターゲット94から出力された放射線のスペクトルを調整するフィルタ96とを備える。
さらに、マンモグラフィ装置20の制御回路は、放射線源30の回転角度を指示可能な表示操作部42と、前記回転角度が基準回転角度に設定され被検体27の乳房28の放射線画像を撮影する際の基準の撮影条件を記憶する撮影条件記憶部(記憶部)98と、前記回転角度が基準回転角度以外の値に設定される毎に、供給された基準の撮影条件を参照し放射線源30の最大mAs値(照射線量上限値)を決定する上限値算出部100と、前記最大mAs値を超えないように撮影条件を設定する撮影条件設定部(設定部)102とを備える。このように、第2の照射線量制御部104は、表示操作部42と、撮影条件記憶部98と、上限値算出部100と、撮影条件設定部102とを備える。
さらに、マンモグラフィ装置20の制御回路は、固体検出器60によって検出された放射線Xrayの線量に基づいて放射線画像情報を取得し、放射線画像を形成する放射線画像形成部106と、前記放射線画像を表示する表示部108とを備える。このように、固体検出器60は、放射線源30から照射される放射線Xrayを検出し放射線画像を生成する放射線画像生成手段として機能する。なお、表示部108には、測定位置選択部80によって選択された少なくとも1以上のAECセンサ64や特定された乳腺位置を示す位置情報を表す画像が放射線画像に重畳して表示される。
以上のように、本実施形態に係るマンモグラフィ装置20は、線源制御部84に照射時間を供給することで放射線源30の自動露出制御を行う第1の照射線量制御部86と、線源制御部84に最大mAs値を超えないような撮影条件を供給することで放射線源30の照射線量リミット制御を行う第2の照射線量制御部104とが互いに独立に制御を行うシステムとして構成される。
図5は、マンモグラフィ装置20を構成するバイオプシハンド部40の駆動制御回路ブロック図である。
マンモグラフィ装置20は、管電流、管電圧、放射線源30に設定されるターゲット94やフィルタ96の種類、放射線Xrayの照射線量、照射時間等の撮影条件を設定する撮影条件設定部102と、これらの撮影条件に従って放射線源30を駆動制御する線源制御部84と、バイオプシハンド部40を介して生検針52を所定位置に移動させる生検針駆動制御部110と、圧迫板38を矢印Z方向に移動させる圧迫板駆動制御部112と、乳房28を透過した放射線Xrayを検出して画像情報に変換する固体検出器60を制御する検出器制御部114と、固体検出器60により変換された画像情報を記憶する画像情報記憶部116と、画像情報を処理することで生検部位54を自動検出するCAD(Computer Aided Diagnosis)処理部118と、自動検出された生検部位54を含む乳房28の放射線画像を表示する表示部108とを備える。
また、マンモグラフィ装置20は、表示部108に表示された放射線画像から、マウス等のポインティングデバイスを用いて生検部位54を選択する生検部位選択部120と、取得した画像情報に対する選択された生検部位54の位置情報を算出する生検部位位置情報算出部122と、生検針52の移動可能範囲に対する乳房28の必要な移動量、あるいは、生検部位54に対する生検針52の移動量を算出する移動量算出部124とを備える。
本実施形態のマンモグラフィ装置20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、そのワークフロー及び装置動作につき、図6に示すフローチャートに従って説明する。
[ステップS1]
先ず、技師は、表示操作部42又は撮影条件設定部102を用いて、被検体27の年齢、性別、体型、被検体識別番号等に係る被検体情報、放射線画像情報の撮影条件、撮影方法、バイオプシハンド部40の移動を制限した際の移動制限量、生検針52の長さ等の処理条件を設定する。また、技師は、表示操作部42又は撮影条件設定部102に表示される前記処理条件の設定値を確認することができる。
撮影条件設定部102により設定された処理条件のうち、放射線源30の管電流、管電圧、放射線Xの照射線量、照射時間等の撮影条件は、線源制御部84に設定される。また、SID、ステレオ角度等の撮影方法に係る処理条件は駆動制御部76に供給され、所定の駆動動作を行う。さらに、バイオプシハンド部40の移動制限量や生検針52の長さに係る処理条件は、生検針駆動制御部110に設定される。
ここで、放射線Xrayの線量、線質及び鮮鋭性を決定する因子である照射条件、具体的には、放射線源30の管電圧、ターゲット94、フィルタ96、管電流、照射時間、焦点サイズについて詳細に説明する。
線量の目安としては、mAs値(放射線源30の管電流[mA]と照射時間[sec]の積)が一般的に用いられる。
線質については、管電圧を調整することにより、放射線エネルギーの分布を調整することができる。管電圧が高くなると、発生する放射線Xrayの波長が短くなることにより透過力が増し、吸収係数が大きいものも透過する傾向がある。例えば、マンモグラフィ装置20においては、乳房による放射線Xrayの僅かな吸収の差異をできるだけ高い解像度及びコントラストで表示することが要求されるため、低い放射線エネルギーを被検体27に照射して放射線画像を取得する。
ターゲット94としては、固体検出器60の感度特性等に応じて、Mo、Rh、W等の材料が選択して使用される。また、フィルタ96としては、ターゲット94との組み合わせで特性X線を選択的に取り出すことのできるMo、Rh、Al等の材料が選択して使用される。
特に、Moのフィルタ96は、Kα、Kβの特性X線を選択的に取り出す一方、20keV以上の高エネルギーのX線を除去し、放射線画像のコントラストを高めることができる。
図7は、ターゲット94とフィルタ96の各組み合わせにおけるX線スペクトル分布を示す。なお、横軸はX線エネルギー(単位はKeV)、縦軸は相対光子数をそれぞれ表す。図7Aは、ターゲット94及びフィルタ96をMoとして得られるX線スペクトル、図7Bは、ターゲット94をMo、フィルタ96をRhとして得られるX線スペクトル、図7Cは、ターゲット94及びフィルタ96をRhとして得られるX線スペクトルである。このように、ターゲット94及びフィルタ96の組み合わせによって、X線スペクトル分布が変化する。
また、焦点サイズが小さいほど放射線画像の解像度が向上し、鮮鋭性も向上するため、マンモグラフィ装置20には小焦点サイズの放射線源30がよく用いられる。
このように、被検体27の撮影部位や固体検出器60の感度特性に応じて、好適な放射線画像を得るために最適な照射条件が選択される。
[ステップS2]
次いで、技師は、指定された撮影方法に従い、被検体27の乳房28のポジショニングを行う。本実施例では、技師はスカウト撮影を行うためのポジショニングを行う。なお、スカウト撮影とは、放射線源収納部32を回転させることなく、放射線Xrayの光軸が撮影台36に対して法線方向となるように設定して行う撮影である。
図1に示すように乳房28の撮影を行う場合には、アーム部材26を回転軸24を中心に所定角度回転させ(以下、当該角度を「ステレオ角度」という。)、所定の角度位置に設定する。さらに、マンモグラフィ装置20に対して被検体27の右側の乳房28を位置決めする。この場合、右側の乳房28を撮影台36の載置面上に載置した後、圧迫板38を押し下げ、撮影台36及び圧迫板38間に乳房28を保持させる(図2参照)。すなわち、右側の乳房28の外側(右腕側)を撮影台36に当てた状態で、内側(左の乳房28側)から圧迫板38を押圧して保持する。
[ステップS3]
次いで、技師は、乳房28に照射する放射線Xrayの照射線量を少なく設定することで、注目部位である乳腺領域での照射制御条件を決定する照射(以下、「プレ照射」という)を行う。技師が照射スイッチ74を押下すると乳房28に放射線Xrayが照射され、その後自動的に照射制御条件がメモリ(不図示)に記憶される。これにより、技師はマンモグラフィ装置20の内部処理を意識することなく、好適な照射線量制御(自動露出制御及び照射線量リミット制御)を行うために必要な設定を行うことができる。
以下、ステップS3に対応するマンモグラフィ装置20の動作を説明する。
先ず、第1の照射線量制御部86の動作について説明する。各AECセンサ64は、圧迫板38、乳房28及び固体検出器60を透過した放射線Xrayの照射線量を検出し、測定位置選択部80に供給する。測定位置選択部80は、各AECセンサ64によって所定のサンプリングタイム毎に検出された放射線Xrayの照射線量から単位時間当たりの照射線量を算出し、その照射線量に基づいて乳腺位置近傍のAECセンサ64を選択する。すなわち、測定位置選択部80は、センサ基板72上に配列された複数のAECセンサ64のうち、最小の照射線量を検出するものを選択して乳腺位置を推定することにより、所定の照射線量測定位置として乳線密度が最も大きい位置を乳腺位置(関心領域)として検出することができる。
ここで、各AECセンサ64の検出値をそのまま使用するのではなく、各AECセンサ64の感度特性、撮影位置条件、乳房のポジショニング態様等に応じた、重み付け係数を、各AECセンサ64の検出値に乗ずることができる。
重み付け係数付与部78は、該各AECセンサ64が有するセンサ感度ばらつき等を均一に補正する重み付け係数を、各AECセンサ64の検出値に乗じた値を測定位置選択部80に供給することができる。かかる場合は、センサ感度及び撮影位置情報の差異の影響を低減させた、少なくとも1以上の好適なAECセンサ64の選択を行うことができる。
さらに、重み付け係数付与部78は、各AECセンサ64のうち乳房28の周辺部よりも中央部側に設置され、胸壁29側よりも乳頭側に設置されたAECセンサ64を、測定位置選択部80にて優先的に選択できるように設定された重み付け係数を、各AECセンサ64の検出値に更に乗じた値を測定位置選択部80に供給することも好ましい態様である。かかる場合は、乳腺領域よりも放射線吸収係数が大きい傾向がある胸筋に重なるAECセンサ64の設置位置が乳腺位置(関心領域)として誤選択されることが有効に防止される。
以上のようにして、測定位置選択部80で乳腺位置近傍と推定される少なくとも1以上のAECセンサ64が選択されると、照射時間算出部82は、該乳腺位置において前記少なくとも1以上のAECセンサ64が検出した単位時間当たりの照射線量に基づき、乳房28の乳腺領域の適正な放射線画像情報を得るために必要な照射線量を照射する照射時間を照射制御条件として算出する。
次に、第2の照射線量制御部104の動作について説明する。撮影条件記憶部98は、プレ照射が完了した後に表示操作部42等から取得した撮影条件を基準の撮影条件として記憶する。例えば、撮影条件として、放射線源30の管電圧、ターゲット94、フィルタ96、管電流、照射時間、焦点サイズ、回転角度が用いられる。
[ステップS4]
次いで、技師は、後述のステレオ撮影(ステップS5)の際における照射線量上限値(最大mAs値)を設定する。本実施例では、技師は、自身の嗜好に応じた照射線量上限値を撮影前に予め設定することができる。これにより、技師は、撮影中にマンモグラフィ装置20の内部処理を意識することなく、好適な照射線量リミット制御を行うために必要な設定を行うことができる。
図8及び図9は、技師が最大mAs値を設定するための設定画面の一例を示す図である。図8及び図9に沿って、照射線量のリミット設定についての具体例を説明する。なお、第1のウィンドウ130及び第2のウィンドウ148の画像は表示操作部42又は撮影条件設定部102に表示させてもよいし、他の表示部(不図示)を介して表示することもできる。
先ず、技師は、第1のウィンドウ130に画面を遷移させ、照射線量のリミット設定を開始する。登録済みである/未登録である照射線量のリミット設定のうち1つをラジオボタンスイッチ132で択一的に選択する。照射線量のリミット設定は、技師が識別し易い名前を付した登録名を表示する欄134、設定された管電圧の値を表示する欄136、選択されたターゲット94とフィルタ96の組み合わせを表示する欄138、選択された焦点サイズを表示する欄140から構成される。なお、欄142に示すマスター設定は、技師によって登録された管電圧、ターゲット94、フィルタ96、焦点サイズの組み合わせのいずれにも該当しない撮影条件において使用される照射線量のリミット設定である。
技師は、照射線量のリミット設定を続行するときにタッチパネル等のGUIで[次へ]ボタン144を押下し、照射線量のリミット設定を中止するときに[戻る]ボタン146を押下する。
[次へ]ボタン144が押下された後、第1のウィンドウ130の画面から第2のウィンドウ148の画面に遷移する。技師は、第2のウィンドウ148の画面を介して最大mAs値を設定/変更することができる。
設定欄150では、技師が識別し易い名前を付した登録名がテキストボックスで設定/変更される。また、設定欄152では、照射線量のリミット設定の基準となる参照データの属性(生検データを優先的に使用するか、検診データを優先的に使用するか)がラジオボタンスイッチで設定/変更される。さらに、設定欄154では、照射量倍率の上限値が設定欄156、設定欄158により設定/変更される。なお、設定欄156では、スカウト撮影時の照射量倍率(計算上は最大値となるmAs値に対して、技師の嗜好により設定できる乗数)が80〜100%の範囲内の値を5%刻みでプルダウンスイッチで設定/変更され、設定欄158では、ステレオ撮影時の照射量倍率(前記スカウト撮影に対するステレオ撮影時の照射線量の比であって、技師の嗜好により設定できる乗数)が1.0〜2.0倍の範囲内の値を0.25倍刻みでプルダウンスイッチで設定/変更される。さらに、設定欄160、設定欄162、設定欄164、及び設定欄166では、管電圧、ターゲット94、フィルタ96、及び焦点サイズがそれぞれ設定/変更される。
技師は、照射線量のリミット設定を保存するときはタッチパネル等のGUIで[保存]ボタン168を押下し、照射線量のリミット設定を中断するときは[戻る]ボタン170を押下する。
技師が[保存]ボタン168を押すと、基準撮影条件の各種パラメータが撮影条件記憶部98に自動的に記憶される。
なお、同一の被検体27に対し、本ワークフローで示される生検の前に検診が行われていた場合、該検診での撮影条件を基準の撮影条件に設定(設定欄152における「検診を優先」に設定)しておけば、その後のステレオ撮影(ステップS5)の前の最大mAs値を決定するためのスカウト撮影を省略することができる。
さらに、被検体27毎に最大mAs値を記憶できるようにすれば、各被検体27に応じた照射線量の設定を行うことができるため好ましい。
このようにして、注目部位である乳腺領域での照射制御条件を決定するとともに(第1の照射線量制御)、生検での照射線量の上限値を算出するために用いる基準照射条件を決定することができる(第2の照射線量制御)。
[ステップS5]
次いで、技師は、放射線源30を駆動し、乳房28のステレオ撮影を行う。この場合、ヒンジ部35(図1)を中心として放射線源収納部32を移動させ、図10に示すように、放射線源30をA位置に配置して、被検体27の乳房28を撮影台36と圧迫板38とで保持した状態で撮影を行う。技師が照射スイッチ74を押下すると撮影を開始し、照射時間算出部82により算出された照射時間に基づいて放射線Xrayが照射された後、自動的に乳房28に係る放射線画像が形成される。同様に、図10に示すように、放射線源30をB位置に配置して、撮影を開始すると、自動的に乳房28に係る放射線画像が形成される。
以下、ステップS5に対応するマンモグラフィ装置20の動作を説明する。
放射線源30をA位置及びB位置に配置し、放射線Xrayを照射することにより、乳房28を透過した放射線Xrayが撮影台36の固体検出器60によって放射線の線量として検出される。検出器制御部114は、固体検出器60を制御して、A位置及びB位置における乳房28の前記放射線の線量から放射線画像情報を取得し、該放射線画像情報は放射線画像形成部106に供給される。
先ず、第1の照射線量制御部86の動作については、前述(ステップS3)のプレ照射の場合と同様であるため省略する。ここで、各AECセンサ64の検出値を放射線画像形成部106に供給し、後述(ステップS6)のCAD処理を含めた画像処理に係るパラメータとして利用できる。さらに、各AECセンサ64の検出値や照射時間等の種々の撮影情報を画像と併せて表示し、あるいはデータベース化することができる。これにより、技師又は医師は、このデータベース化された患者の被曝情報等の履歴を以後の診断・治療等に活用することができる。
次に、第2の照射線量制御部104の動作について説明する。上限値算出部100は、撮影条件記憶部98から供給される基準の撮影条件を参照しつつ最大mAs値を算出する。ここで、上限値算出部100は、表示操作部42から取得した撮影条件及び前記基準の撮影条件について放射線源30の管電圧、ターゲット94、フィルタ96、焦点サイズが完全に一致する場合における、前記基準の撮影条件の回転角度(基準回転角度)、管電流、照射時間を参照する。
続いて、基準回転角度と前記取得した撮影条件の回転角度とが一致するか否かを判別する。両者が一致する場合は、基準の撮影条件におけるmAs値に設定欄156で設定した倍率を乗じた値を最大mAs値とする。また、両者が一致しない場合は、基準の撮影条件におけるmAs値に設定欄156で設定した倍率と、設定欄158で設定した倍率とを乗じた値を最大mAs値とする。
本実施例では、上限値算出部100は、放射線源30の回転角度によらずステレオ撮影時の最大mAs値は一定値として算出するが、この変形例として、放射線源30の回転角度の大きさに応じて最大mAs値を変化させる算出方法も好ましい態様である。
最大mAs値が供給された撮影条件設定部102は、技師により設定された撮影条件が、前記最大mAs値を超えるような撮影条件であるか否かを判別する。設定された撮影条件が最大mAs値を超えないと判別された場合は、照射線量のリミット制限を受けることなく、撮影を継続する。
一方、設定された撮影条件が最大mAs値を超えると判別された場合、撮影条件設定部102は、技師に対しその旨の警告を発する。なお、該警告は、有形/無形にかかわらず、技師の五感に直接訴えることができる手段であれば態様は問わない。例えば、ブザー等による警告音、画面表示部による警告表示等が好ましい。
線源制御部84は、前記警告を発している間、放射線源30の照射停止の状態から照射ロックを掛ける。該照射ロックが掛かっているときは、照射スイッチ74を押下しても放射線源30から放射線Xrayが照射されないようにする。
図11は、本実施形態のマンモグラフィ装置20の警告表示の一例を示す図である。本実施例によると、撮影条件設定部102は画像表示機能を備えており、該画像表示機能によって技師に対して注意喚起をする警告ウィンドウ172の画像を表示している。技師は、警告ウィンドウ172に記載したメッセージを読んだ上で、警告ウィンドウ172に記載した確認事項に従って作業確認を行う。
図8及び図9の設定例(登録名:Biopsy1)では、管電圧28kV、ターゲット94とフィルタ96の組み合わせがMo/Mo、焦点サイズが100μmである。例えば、撮影条件記憶部98に記憶されている最大mAs値は50mAsであるとする。この場合、ステレオ撮影時の最大mAs値は50×1.0×1.5=75mAsであるから、その値が表示欄174に表示される。また、技師により設定された撮影条件から算出されるmAs値(図11では、80mAs)も併せて表示欄174に表示される。技師がタッチパネル等のGUIで[OK]ボタン176を押下すると、警告ウィンドウ172が消滅するとともに、線源制御部84に係る照射ロックが解除され、その後技師は撮影を続行することができる。
[ステップS6]
次いで、技師は、マウスやタッチパネル等による必要なGUI操作を行うことで、放射線画像形成部106においてCAD処理が行われる。
図10で示すように、A位置及びB位置に放射線源30を回転させて撮影を行った後、これらの2枚の放射線画像情報を一旦画像情報記憶部116に記憶させ、ステレオ画像を作成して表示部108に表示する。CAD処理部118は、画像情報記憶部116に記憶された画像情報に対して定量的な画像処理を施すことにより、異常候補部位を抽出する。
[ステップS7]
次いで、技師は、マウスやタッチパネル等による必要なGUI操作を行うことで、表示部108に画像表示が行われる。
CAD処理部118によって抽出された異常候補部位を、乳房28の放射線画像とともに表示部108に表示させる。表示部108には、乳房28の放射線画像と、CAD処理によって抽出された異常候補部位を示すマーカと、圧迫板38の開口部44の画像とを併せて表示させることが好ましい。
[ステップS8]
次いで、技師は、生検部位選択部120を用いて表示部108に表示されているステレオ画像から生検部位54を指示する。なお、生検部位選択部120は、マウスやタッチパネル等のGUIにより構成することができる。
この後、技師による生検部位搾取開始の操作に基づいて、以下のステップS9〜S11に対応するマンモグラフィ装置20の動作が自動的に行われる。
[ステップS9]
次いで、生検部位位置情報算出の動作が行われる(ステップS9)。生検部位位置情報算出部122は、技師によって指示された生検部位54と、画像情報記憶部116に記憶されている2枚の放射線画像情報とに基づき、生検部位54の位置情報を算出する。なお、この位置情報は、生検部位54の三次元位置情報である。生検部位位置情報算出部122によって算出された生検部位54の位置情報は、移動量算出部124に供給される。
その後、移動量算出部124は、生検部位54の位置情報を用いて、生検針52を生検部位54に移動させる移動量を算出する。この場合、生検針52の移動量は、例えば、開口部44の中心の座標を基準として、X方向移動量、Y方向移動量として生検針駆動制御部110に設定される。移動量算出部124によって算出された生検針52の移動量は、生検針駆動制御部110に供給される。
[ステップS10]
次いで、生検針移動の動作が行われる(ステップS10)。生検針駆動制御部110は、移動量算出部124から供給された生検針52の移動量に従い、生検針52を駆動制御して所定の位置まで移動させる。バイオプシハンド部40は、生検部位54のX方向及びY方向の位置情報に従い、第1アーム48及び第2アーム50をX−Y平面内で移動させ、生検針52を生検部位54の上部に位置決めする。次いで、生検針52をZ方向に移動させ、圧迫板38に形成した開口部44を介して生検針52を乳房28に刺入する動作を開始する。
生検針52のZ方向の位置情報は、生検部位位置情報算出部122によって逐次算出され、生検針駆動制御部110に供給される。前記生検針52のZ方向の位置情報及び既に設定されたバイオプシハンド部40の移動制限量に従い、生検針駆動制御部110により生検針52をZ方向に移動させ、生検針52の採取部56(図2)を生検部位54の近傍に到達させる。この場合、生検針52のX−Y平面内での移動が制限されているため、刺入状態において、生検針52が不用意にX方向又はY方向に大きく移動することがなく、乳房28の組織を損傷してしまう事態を回避することができる。
[ステップS11]
最後に、生検部位採取の動作が行われる(ステップS11)。生検針52の採取部56が生検部位54の近傍に到達すると、生検針52による吸引処理が開始され、生検部位54が採取される。その後、生検針52をZ方向に移動させることにより、生検針52が乳房28から抜き取られ、作業が終了する。
以上説明したように、上述した実施形態に係るマンモグラフィ装置20は、被検体27の乳房28に放射線Xrayを照射し放射線画像を撮影する撮影部を有し、撮影された前記放射線画像から被検体27の乳房28の生検部位54を選択し、生検部位54に生検針52を刺入して組織の一部を採取するマンモグラフィ装置20であって、前記撮影部は、回転軸(ヒンジ部35)を中心として回転可能に支持された、被検体27の乳房28に放射線Xrayを照射する放射線源30と、被検体27の乳房28を透過した放射線Xrayの線量を検出し、放射線Xrayの線量に基づいて放射線源30から照射される照射線量を制御する第1の照射線量制御部86と、放射線源30から照射される照射線量を第1の照射線量制御部86と互いに独立に制御する第2の照射線量制御部104と、を備え、第2の照射線量制御部104は、放射線源30の回転角度が基準回転角度に設定され被検体27の乳房28の放射線画像を撮影する際における基準照射条件を記憶する撮影条件記憶部98と、放射線源30の回転角度が前記基準回転角度以外の値に設定される毎に、撮影条件記憶部98に記憶された前記基準照射条件を参照し放射線源30の照射線量上限値を算出する上限値算出部100と、上限値算出部100で算出された前記照射線量上限値を超えないように照射条件を設定する撮影条件設定部と、が配置される構成を有する。
このように、第1の照射線量制御部(自動露出制御)と第2の照射線量制御部(照射線量リミット制御)とを独立に制御可能にしたので、乳房撮影定位装置を用いてステレオ撮影を行う際、放射線源と放射線検出器との間に、生検針とその保持部材、スポット撮影用の小サイズ圧迫板等を配置したまま被検体の乳房を撮影する場合、AECによる照射線量制御が適正に作動しない事態が生じても照射線量の好適な制御ができる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
例えば、上記実施形態で説明したAECセンサの配設数は、本発明が適用される装置や方法に応じて適宜変更であることは言うまでもなく、重み付け係数も勿論変更可能である。
また、上記実施形態では、固体検出器60を用いた場合について説明したが、固体検出器60に代替して、蓄積性蛍光体パネルを撮影台36に対して着脱自在に構成される放射線画像撮影装置を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、固体検出器60に蓄積された静電潜像が、読取光源部62からの読取光により走査されることで電流を発生させる、いわゆる光走査方式について例示して説明したが、前記のような読取光源部62を用いることなくTFT方式により静電潜像の電荷を読出可能な構成にしてもよい。さらに、前記のような読取光源部62を用いることなく直接変換して画像を生成可能な放射線固体検出器を用いることもできる。
また、上記実施形態では、画像センサである固体検出器60と、照射線量情報検出器であるAECセンサ64とが別体の場合について例示して説明したが、これに限らず、TFT方式等の場合は、画像センサの一部を照射線量情報検出器として利用することができ、この場合は照射線量情報検出器を画像センサで代用することも可能である。かかる場合は、ステレオ撮影の前に行われるプレ照射で得られた放射線画像を利用することができる。該放射線画像に対して、様々な画像処理アルゴリズムを適用することで適当な関心領域を導出し、その関心領域の数、位置及び大きさに基づいて、放射線源30の照射制御を行うことができる。
20…マンモグラフィ装置 22…基台
24…回転軸 26…アーム部材
27…被検体 28…乳房
29…胸壁 30…放射線源
32…放射線源収納部 36…撮影台
38…圧迫板 42…表示操作部
60…固体検出器 64…AECセンサ
74…照射スイッチ 76…駆動制御部
80…測定位置選択部 82…照射時間算出部
84…線源制御部 86…第1の照射線量制御部
88…高電圧発生器 90…管電圧調整器
92…陰極 94…ターゲット
96…フィルタ 98…撮影条件記憶部
100…上限値算出部 102…撮影条件設定部
104…第2の照射線量制御部 106…放射線画像形成部
108…表示部 110…生検針駆動制御部
112…圧迫板駆動制御部 114…検出器制御部
116…画像情報記憶部 120…生検部位選択部
122…生検部位位置情報算出部 124…移動量算出部
132…ラジオボタンスイッチ
134、136、138、140、142…欄
150、152、154、156、158、160、162、164、166…設定欄

Claims (7)

  1. 被検体の乳房に放射線を照射し放射線画像を撮影する撮影部を有し、撮影された前記放射線画像から前記被検体の乳房の生検部位を選択し、該生検部位に生検針を刺入して組織の一部を採取する乳房撮影定位装置であって、
    前記撮影部は、
    回転軸を中心として回転可能に支持された、前記被検体の乳房に放射線を照射する放射線源と、
    前記被検体の乳房を透過した前記放射線の線量を検出し、該放射線の線量に基づいて前記放射線源から照射される照射線量を制御する第1の照射線量制御部と、
    前記放射線源から照射される照射線量を前記第1の照射線量制御部と互いに独立に制御する第2の照射線量制御部と、を備え、
    第2の照射線量制御部は、
    前記放射線源の回転角度が基準回転角度に設定され、前記被検体の乳房の放射線画像を撮影する際における基準照射条件を記憶する記憶部と、
    前記放射線源の回転角度が前記基準回転角度以外の値に設定される毎に、前記記憶部に記憶された前記基準照射条件を参照し前記放射線源の照射線量上限値を算出する上限値算出部と、
    前記上限値算出部で算出された前記照射線量上限値を超えないように照射条件を設定する設定部と、を備える
    ことを特徴とする乳房撮影定位装置。
  2. 請求項1記載の乳房撮影定位装置において、
    前記照射条件は、前記放射線源の管電圧、ターゲット、フィルタ、管電流、照射時間及び焦点サイズである
    ことを特徴とする乳房撮影定位装置。
  3. 請求項1又は2に記載の乳房撮影定位装置において、
    前記設定部は、前記照射条件のうち管電流及び照射時間を可変に設定できる
    ことを特徴とする乳房撮影定位装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乳房撮影定位装置において、
    前記基準回転角度は、正面撮影の際の前記放射線源の回転角度とする
    ことを特徴とする乳房撮影定位装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乳房撮影定位装置において、
    前記乳房撮影定位装置は、生検又は検診のいずれにも使用できる乳房撮影定位装置であり、
    前記基準照射条件は、前記生検の前に行われた前記検診に係る照射条件である
    ことを特徴とする乳房撮影定位装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乳房撮影定位装置において、
    前記乳房撮影定位装置は、生検又は検診のいずれにも使用できる乳房撮影定位装置であり、
    前記記憶部は、前記生検及び前記検診に係る照射条件を記憶し、
    前記上限値算出部は、前記生検又は前記検診に係る照射条件のうちいずれか一方の照射条件を前記基準照射条件として選択し、前記照射線量上限値を算出する
    ことを特徴とする乳房撮影定位装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の乳房撮影定位装置において、
    前記上限値算出部は、前記基準照射条件から算出される前記放射線の照射線量に任意の倍率を乗じて前記照射線量上限値を算出する
    ことを特徴とする乳房撮影定位装置。
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