JP2010232451A - アルミニウム電解コンデンサ用の電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】単位体積あたりの容量を向上できる中高圧電圧向けのアルミニウム電解コンデンサ用の電極箔を提供する。
【解決手段】表面が粗面化され、かつ酸化皮膜が形成された金属箔からなる電解コンデンサ用電極箔において、表面から垂直方向のピットを多数形成して粗面化された箔を巻回して形成したコイルなどの側面を切削して切り離した、断面が長方形のアルミニウム繊維を、アルミニウム箔に積層して、アルミニウム電解コンデンサ用の電極に使用する。
【選択図】図1
【解決手段】表面が粗面化され、かつ酸化皮膜が形成された金属箔からなる電解コンデンサ用電極箔において、表面から垂直方向のピットを多数形成して粗面化された箔を巻回して形成したコイルなどの側面を切削して切り離した、断面が長方形のアルミニウム繊維を、アルミニウム箔に積層して、アルミニウム電解コンデンサ用の電極に使用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用の電極に関する。特に、中高圧向けのアルミニウム電解コンデンサ用の電極に関する。
アルミニウム電解コンデンサ等の電解コンデンサは、エッチング処理したアルミニウムに化成処理して酸化皮膜を形成した陽極用電極箔と、エッチング処理したアルミニウムからなる、化成処理をしないあるいは低圧化成処理をした陰極用電極箔とを電解紙等のセパレータを介して積層または巻回して形成したコンデンサ素子を有している。
ところで、従来、電解コンデンサの大容量化や小形化を図るために、誘電体の静電容量を増加するようにしている。コンデンサの静電容量は、誘電体の表面積に比例するため、陽極用電極箔のエッチング倍率を向上させている。そして従来、エッチング倍率を向上させるために、プレーンなアルミニウム箔等の弁作用金属箔を硝酸溶液や硫酸溶液等を用い、化学的にあるいは電気化学的にエッチング処理している。しかし、従来の酸溶液等を用いてエッチング処理を行う方法では、単位体積あたりの容量の向上が困難である欠点がある。
この単位体積あたりの容量を向上させるために、特許文献1には、陽極用電極箔を2枚重ねて用いる方法が記載されている。この場合、2枚の重なった部分にも電解液がしみ込む必要はあることから、少なくともその一枚が貫通した穴のある箔である必要がある。ただこの方法は、貫通した穴をエッチングで設けるために、エッチングできる箔の厚さには限界がある。そのため単位体積あたりの容量の向上には限界が生じる。
また、特許文献2には、弁作用金属箔の表面に平均径が数10μm程度の弁作用金属の繊維を加圧して積層し、その積層時の加圧によって生じた応力歪みを緩和するために、真空中や不活性ガス中で加熱処理するとともに、再結晶化(焼鈍)を行い、その後、エッチングして表面を粗面化することが提案されている。この方法は、貫通した穴の代わりに繊維間の隙間を利用して電解液がしみ込むことができることから、上記のような箔厚さに限界を生じない利点がある。
ところで、中高圧向けのアルミニウム電解コンデンサを得るために、電極箔の誘電体酸化皮膜を厚くする必要があるが、そのためには、エッチングによって生じるエッチング穴径をその分大きくする必要がある。そのため、電極用の箔としては、アルミニウムに圧延と焼鈍を行い、結晶面をそろえることにより、表面から内部に向かうほぼ垂直方向のトンネル状の穴(ピット)を設ける方法が一般に行われている。
この中高圧向けの電極であって、エッチング倍率の向上を得るために上記の弁作用金属としてアルミニウムの繊維を使用した場合、アルミニウム繊維を束ねて電極に形成する条件や、アルミニウム繊維をアルミニウム箔に積層するときの加圧や加熱条件が、アルミニウムに圧延と焼鈍を行い、結晶面をそろえる条件とは必ずしも一致しないため、アルミニウムを繊維状に加工またはアルミニウム箔に積層してから、アルミニウム表面から内部にほぼ垂直方向のトンネル状の穴を設けることは容易ではない。
本発明の目的は、単位体積あたりの容量化率の大きな中高圧向けのアルミニウム電解コンデンサ用の電極を容易に得ることである。
本発明は、上記の課題を解決するために、表面に垂直方向にピットを形成して粗面化された箔を、箔面とは直角方向に切削して切り離した、断面が長方形のアルミニウム繊維を使用したアルミニウム電解コンデンサ用の電極を提供するものである。
また、本発明は、表面に垂直方向にピットを形成して粗面化された箔を巻回して形成したコイルの側面を切削して切り離した、断面が長方形のアルミニウム繊維を使用したアルミニウム電解コンデンサ用の電極を提供するものである。
また、本発明は、上記のアルミニウム繊維をアルミニウム箔に積層して使用したアルミニウム電解コンデンサ用の電極を提供するものである。
また、本発明は、表面に垂直方向にピットを形成して粗面化された箔を巻回して形成したコイルの側面を切削して切り離した、断面が長方形のアルミニウム繊維を使用したアルミニウム電解コンデンサ用の電極を提供するものである。
また、本発明は、上記のアルミニウム繊維をアルミニウム箔に積層して使用したアルミニウム電解コンデンサ用の電極を提供するものである。
本発明によれば、表面に垂直方向にピットを形成して粗面化された箔を箔面とは直角方向に切削した、断面が長方形のアルミニウム繊維をアルミニウム電解コンデンサ用の電極に使用することにより、単位体積あたりの容量の大きな中高圧向けのアルミニウム電解コンデンサ用の電極を容易に得ることができる。
本発明に述べるアルミニウム繊維は、表面に対して垂直方向にピットを形成して粗面化されたアルミニウム箔を、箔表面から内部にほぼ垂直方向に細かく切り出して繊維状にしたもので、断面がおおよそ長方形をしている。アルミニウム箔の厚さは、20μmから150μm程度のものを使用する。切削幅はアルミニウム箔の厚さに応じて、その0.2倍から5倍程度となる。上記ピットの方向は、表面におおよそ垂直方向となる。
アルミニウム箔をほぼ垂直方向のトンネル状に粗面化する方法は、従来から中高圧用のアルミニウム電解コンデンサ用の電極として提供されているアルミニウム箔を使用し、エッチングしたものである。たとえば、アルミニウム箔としては、アルミニウムに微量な鉄などを混入したものを冷間圧延後、部分焼鈍して形成した立方体方位再結晶粒に付加圧延を施してから最終焼鈍を行って強い立方体方位を発達させたものを使用する。最終焼鈍温度は、200℃から600℃の間で、一般的に温度が高い程高圧用となるが、箔が柔らかくなり、取り扱いが難しくなるため、耐圧の仕様により条件を適宜選択する。
エッチングの方法は、たとえば以下の工程を施すことにより製作することができる。
まず塩酸、硫酸等の酸を含む酸性水溶液もしくは水酸化ナトリウム等のアルカリを含むアルカリ性水溶液に所定の時間アルミニウム箔を浸漬し、第一工程のエッチングを行う。この後、塩酸、塩化ナトリウム等の塩化物を含む水溶液に、硫酸、リン酸、硝酸、蓚酸などの皮膜を形成する酸を添加した液中で、電気化学的に表面に垂直方向にピットを多数形成する第二工程を行う。次に、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、蓚酸などの酸を含む水溶液中で、化学的もしくは電気化学的エッチングを行い、上記ピットの内壁に沿ってアルミニウムを溶解させ、上記ピットの内壁径を目的の太さに拡大する第三工程のエッチングを行う。第三工程が終わったアルミ箔を洗浄後、純水で洗浄して乾燥し、エッチング処理を終了する。
陽極箔の用途、構成に合わせて、エッチング状態は、厚さ方向の中心部分付近で互いに連通することによる貫通した上記ピットに限らず、互いに連通しない芯残り状態でもよい。また、アルミニウム箔を繊維状にする前に上記全ての工程を終わらせる必要はなく、上記ピットを多数形成する第二工程後、アルミニウム箔を繊維状にした後、繊維を電極状にシート化し再びエッチング工程の後工程を設けてもよい。
まず塩酸、硫酸等の酸を含む酸性水溶液もしくは水酸化ナトリウム等のアルカリを含むアルカリ性水溶液に所定の時間アルミニウム箔を浸漬し、第一工程のエッチングを行う。この後、塩酸、塩化ナトリウム等の塩化物を含む水溶液に、硫酸、リン酸、硝酸、蓚酸などの皮膜を形成する酸を添加した液中で、電気化学的に表面に垂直方向にピットを多数形成する第二工程を行う。次に、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、蓚酸などの酸を含む水溶液中で、化学的もしくは電気化学的エッチングを行い、上記ピットの内壁に沿ってアルミニウムを溶解させ、上記ピットの内壁径を目的の太さに拡大する第三工程のエッチングを行う。第三工程が終わったアルミ箔を洗浄後、純水で洗浄して乾燥し、エッチング処理を終了する。
陽極箔の用途、構成に合わせて、エッチング状態は、厚さ方向の中心部分付近で互いに連通することによる貫通した上記ピットに限らず、互いに連通しない芯残り状態でもよい。また、アルミニウム箔を繊維状にする前に上記全ての工程を終わらせる必要はなく、上記ピットを多数形成する第二工程後、アルミニウム箔を繊維状にした後、繊維を電極状にシート化し再びエッチング工程の後工程を設けてもよい。
この粗面化したアルミニウム箔を切削し繊維状にする方法は、たとえば、コイル状に巻いて回転させ、端面に切削工具をあてて切削していくコイル切削法が使用できる。
本発明のアルミニウム箔の場合、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化されているため、上記ピットの長さ方向が切削方向と一致し、そのため、切削が容易であってまた、アルミニウム箔に切削ストレスが生じ難くい。
この繊維状にしたアルミニウム箔は、次にまとめてエッチング液中に沈めて、エッチングを行うと切削面も粗面化されエッチング倍率がより向上する。このとき、再度焼鈍を行ってからエッチングすると粗面化されやすくなり好ましい。
本発明のアルミニウム箔の場合、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化されているため、上記ピットの長さ方向が切削方向と一致し、そのため、切削が容易であってまた、アルミニウム箔に切削ストレスが生じ難くい。
この繊維状にしたアルミニウム箔は、次にまとめてエッチング液中に沈めて、エッチングを行うと切削面も粗面化されエッチング倍率がより向上する。このとき、再度焼鈍を行ってからエッチングすると粗面化されやすくなり好ましい。
この繊維状にしたアルミニウム箔を電解コンデンサ用の電極にする方法は、フェルト状にからみ合わせ、焼結して圧延または圧延してから焼結してシート状にする。また、この繊維状にしたアルミニウム箔をアルミニウム箔に積層・焼結してシート状にする方法や、この繊維状にしたアルミニウム箔をエッチングしていないアルミニウム繊維とともに、フェルト状にからみ合わせ焼結してから圧延または圧延してから焼結してシート状にする方法でもよい。
焼結温度は、550℃から670℃ほどの温度をかける。積層するアルミニウム箔は、プレーンなまたはエッチングしたものを使用する。また、繊維の長さを短くし、有機系のバインダとともにシート状にし、そのバインダをとばしながら焼結してもよい。
焼結温度は、550℃から670℃ほどの温度をかける。積層するアルミニウム箔は、プレーンなまたはエッチングしたものを使用する。また、繊維の長さを短くし、有機系のバインダとともにシート状にし、そのバインダをとばしながら焼結してもよい。
アルミニウム繊維をアルミニウム箔に積層・焼結するまたはエッチングしていないアルミニウム繊維とともに、フェルト状にからみ合わせ焼結方法により、できたシートの強度が増加し、取り扱いが向上する。
また、この積層・焼結しシート状にしたアルミニウム箔を、再度エッチングしてもよい。そうすることにより、粗面部の穴径を拡大させ、またはそろえることができる。
また、この積層・焼結しシート状にしたアルミニウム箔を、再度エッチングしてもよい。そうすることにより、粗面部の穴径を拡大させ、またはそろえることができる。
次に、このアルミニウム箔は、化成され、表面に目的にあった耐圧の誘電体酸化皮膜が形成される。
化成処理は、一般的な従来の方法で行われる。たとえば、エッチング処理を行った上記のアルミニウム箔を沸騰した純水中に浸漬し、表面に擬似ベーマイトを形成する。次に、ホウ酸、リン酸等の無機酸イオンや、モノカルボン酸、ジカルボン酸、オキシカルボン酸等の有機酸イオンを含む水溶液中にアルミニウム箔を浸漬して、所定の電圧を印加し、陽極酸化を行う。その後、熱処理、減極処理、陽極酸化を繰り返し、最後に、洗浄、乾燥して化成工程を終了する。
化成処理は、一般的な従来の方法で行われる。たとえば、エッチング処理を行った上記のアルミニウム箔を沸騰した純水中に浸漬し、表面に擬似ベーマイトを形成する。次に、ホウ酸、リン酸等の無機酸イオンや、モノカルボン酸、ジカルボン酸、オキシカルボン酸等の有機酸イオンを含む水溶液中にアルミニウム箔を浸漬して、所定の電圧を印加し、陽極酸化を行う。その後、熱処理、減極処理、陽極酸化を繰り返し、最後に、洗浄、乾燥して化成工程を終了する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化されたアルミニウム箔1の端部を、箔面とは直角方向に箔端から一部切削し、断面が長方形のアルミニウム繊維を得る方法の概略図を示している。
図1(a)は本発明のアルミニウム繊維を得るためのアルミニウム箔1を、図1(b)は切削されたアルミニウム繊維を示している。
1は、アルミニウムからなる厚さ20μmから150μm程度の箔で、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化された部分2を有するものである。
3は、このアルミニウム箔1の端部を、箔面とは直角方向に切削用の歯5により一部切り出し、断面が長方形のアルミニウム繊維となるものである。
本発明のアルミニウム箔1は、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化されているため、トンネルの長さ方向が切削方向と一致し、そのため、切削が容易であってまた、アルミニウム箔1に切削ストレスが生じ難くい。
図1は、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化されたアルミニウム箔1の端部を、箔面とは直角方向に箔端から一部切削し、断面が長方形のアルミニウム繊維を得る方法の概略図を示している。
図1(a)は本発明のアルミニウム繊維を得るためのアルミニウム箔1を、図1(b)は切削されたアルミニウム繊維を示している。
1は、アルミニウムからなる厚さ20μmから150μm程度の箔で、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化された部分2を有するものである。
3は、このアルミニウム箔1の端部を、箔面とは直角方向に切削用の歯5により一部切り出し、断面が長方形のアルミニウム繊維となるものである。
本発明のアルミニウム箔1は、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化されているため、トンネルの長さ方向が切削方向と一致し、そのため、切削が容易であってまた、アルミニウム箔1に切削ストレスが生じ難くい。
図2は、本発明のアルミニウム繊維の製造方法の一例を示している。
図2(a)に示すように、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化された部分2を有するアルミニウム箔1をシャフト4に巻回してコイル状にしていることを示している。次に、図2(b)に示すように、シャフト4を回転させながら、コイルの端面に切削用の歯5を当て、アルミニウム箔1を切削し、アルミニウム繊維となるもの3を得ることを示している。
図2(a)に示すように、表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化された部分2を有するアルミニウム箔1をシャフト4に巻回してコイル状にしていることを示している。次に、図2(b)に示すように、シャフト4を回転させながら、コイルの端面に切削用の歯5を当て、アルミニウム箔1を切削し、アルミニウム繊維となるもの3を得ることを示している。
以下、本発明であるアルミニウム電解コンデンサ用の電極を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
アルミ箔シートは、純度99.98%、厚さ75μmのものを使用し、エッチング工程は、まず塩酸、硫酸等の酸を含む酸性水溶液に所定の時間アルミ箔を浸漬し、第一工程のエッチングを行う。この後、塩酸、を含む水溶液に、硫酸、リン酸添加した液中で、電気化学的に表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化された面を形成する第二工程を行う。次に、塩酸と硫酸とを含む水溶液中で、化学的もしくは電気化学的エッチングを行い、上記ピットの内壁に沿ってアルミニウムを溶解させ、上記ピットの内径を目的の太さに拡大する第三工程のエッチングを行う。第三工程が終わったアルミニウム箔を洗浄後、純水で洗浄して乾燥し、エッチング処理を終了する。これらの処理により、アルミニウム箔シートには、表面に垂直方向にピットを多数形成される。
次に、このエッチングしたアルミニウム箔シートの一部をコイル状に巻いて回転させ、端面に切削工具をあてて切削し、できた繊維束を50mmから100mm程度の長さに切断し、厚さ75μm、幅平均100μmのアルミニウム繊維を得た。
次に、できたアルミニウム繊維をフェルト状にからみ合せ、上記の残りのエッチングしたアルミニウム箔シートの両面に重ね、これらを圧延し、次に、焼成して厚さ300μmの積層シートにした。
次に、化成処理として、上記の積層シートを沸騰した純水中に浸漬し、表面に擬似ベーマイトを形成した。次に、ホウ酸、カルボン酸を含む水溶液中にアルミニウム箔を浸漬して、300Vの電圧を印加し、陽極酸化を行った。その後、熱処理、減極処理、陽極酸化を繰り返し、その後、洗浄、乾燥して化成工程を終了した。
(実施例2)
アルミ箔シートは、純度99.98%、厚さ75μmのものを使用し、エッチング工程は、まず塩酸、硫酸等の酸を含む酸性水溶液に所定の時間アルミ箔を浸漬し、第一工程のエッチングを行う。この後、塩酸、を含む水溶液に、硫酸、リン酸添加した液中で、電気化学的にトンネル状の粗面を形成する第二工程を行う。第二工程が終わったアルミニウム箔を洗浄後、純水で洗浄して乾燥し、エッチング前半処理を終了する。これらの処理により、アルミニウム箔シートには表面に垂直方向にピットが形成される。
次に、このエッチングしたアルミニウム箔シートの一部をコイル状に巻いて回転させ、端面に切削工具をあてて切削し、できた繊維束を50mmから100mm程度の長さに切断し、厚さ75μm、幅平均100μmのアルミニウム繊維を得た。
次に、できたアルミニウム繊維をフェルト状にからみ合せ、上記の残りのエッチングしたアルミニウム箔シートの両面に重ね、これらを圧延し、次に、焼成して厚さ300μmの積層シートにした。
次に、塩酸と硫酸、を含む水溶液中で、化学的もしくは電気化学的エッチングを行い上記ピットの内壁に沿ってアルミニウムを溶解させ、上記ピットの内径を目的の太さに拡大する第三工程のエッチングを行う。この処理により、アルミニウム繊維および箔の積層シートには、粗面化を目的とした表面に垂直方向にピットが形成される。
次に、化成処理として、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
アルミニウム繊維だけを圧延し、次に、焼成して厚さ300μmのシートにした以外実施例1同様にしてアルミニウム電解コンデンサ用の電極を製作した。
(実施例1)
アルミ箔シートは、純度99.98%、厚さ75μmのものを使用し、エッチング工程は、まず塩酸、硫酸等の酸を含む酸性水溶液に所定の時間アルミ箔を浸漬し、第一工程のエッチングを行う。この後、塩酸、を含む水溶液に、硫酸、リン酸添加した液中で、電気化学的に表面に垂直方向にピットを多数形成して粗面化された面を形成する第二工程を行う。次に、塩酸と硫酸とを含む水溶液中で、化学的もしくは電気化学的エッチングを行い、上記ピットの内壁に沿ってアルミニウムを溶解させ、上記ピットの内径を目的の太さに拡大する第三工程のエッチングを行う。第三工程が終わったアルミニウム箔を洗浄後、純水で洗浄して乾燥し、エッチング処理を終了する。これらの処理により、アルミニウム箔シートには、表面に垂直方向にピットを多数形成される。
次に、このエッチングしたアルミニウム箔シートの一部をコイル状に巻いて回転させ、端面に切削工具をあてて切削し、できた繊維束を50mmから100mm程度の長さに切断し、厚さ75μm、幅平均100μmのアルミニウム繊維を得た。
次に、できたアルミニウム繊維をフェルト状にからみ合せ、上記の残りのエッチングしたアルミニウム箔シートの両面に重ね、これらを圧延し、次に、焼成して厚さ300μmの積層シートにした。
次に、化成処理として、上記の積層シートを沸騰した純水中に浸漬し、表面に擬似ベーマイトを形成した。次に、ホウ酸、カルボン酸を含む水溶液中にアルミニウム箔を浸漬して、300Vの電圧を印加し、陽極酸化を行った。その後、熱処理、減極処理、陽極酸化を繰り返し、その後、洗浄、乾燥して化成工程を終了した。
(実施例2)
アルミ箔シートは、純度99.98%、厚さ75μmのものを使用し、エッチング工程は、まず塩酸、硫酸等の酸を含む酸性水溶液に所定の時間アルミ箔を浸漬し、第一工程のエッチングを行う。この後、塩酸、を含む水溶液に、硫酸、リン酸添加した液中で、電気化学的にトンネル状の粗面を形成する第二工程を行う。第二工程が終わったアルミニウム箔を洗浄後、純水で洗浄して乾燥し、エッチング前半処理を終了する。これらの処理により、アルミニウム箔シートには表面に垂直方向にピットが形成される。
次に、このエッチングしたアルミニウム箔シートの一部をコイル状に巻いて回転させ、端面に切削工具をあてて切削し、できた繊維束を50mmから100mm程度の長さに切断し、厚さ75μm、幅平均100μmのアルミニウム繊維を得た。
次に、できたアルミニウム繊維をフェルト状にからみ合せ、上記の残りのエッチングしたアルミニウム箔シートの両面に重ね、これらを圧延し、次に、焼成して厚さ300μmの積層シートにした。
次に、塩酸と硫酸、を含む水溶液中で、化学的もしくは電気化学的エッチングを行い上記ピットの内壁に沿ってアルミニウムを溶解させ、上記ピットの内径を目的の太さに拡大する第三工程のエッチングを行う。この処理により、アルミニウム繊維および箔の積層シートには、粗面化を目的とした表面に垂直方向にピットが形成される。
次に、化成処理として、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
アルミニウム繊維だけを圧延し、次に、焼成して厚さ300μmのシートにした以外実施例1同様にしてアルミニウム電解コンデンサ用の電極を製作した。
1…箔、 2…粗面化された部分、3…アルミニウム繊維となるもの、4…シャフト、5…切削用の歯。
Claims (3)
- 表面に垂直方向にピットを形成して粗面化された箔を、箔面とは直角方向に切削して切り離した、断面が長方形のアルミニウム繊維を使用したアルミニウム電解コンデンサ用の電極。
- 表面に垂直方向にピットを形成して粗面化された箔を巻回して形成したコイルの側面を切削して切り離した、断面が長方形のアルミニウム繊維を使用したアルミニウム電解コンデンサ用の電極。
- 請求項1または2のアルミニウム繊維をアルミニウム箔に積層して使用したアルミニウム電解コンデンサ用の電極。
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