JP2010232435A - 固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 固体撮像素子において、半導体基板10と、半導体基板10の表面及びその近傍に形成された第1のウエル13と、半導体基板10の表面及びその近傍に第1のウエル13を囲って形成された第2のウエル12と、半導体基板10の表面及びその近傍に第2のウエル12を囲って形成された第3のウエル11と、少なくとも第1〜第3のウエル13〜11のいずれかの表面から突出する細長形状部15と、細長形状部15が突出する表面及びその近傍に、細長形状部15に離間して形成されたドレイン16と、を備えている。細長形状部15は、その先端部に設けられたソース33と、細長形状部15が突出する表面とソース33との間の領域にソース33に離間して設けられたゲート31と、を有する。
【選択図】図3
Description
特許文献1及び2に開示されている固体撮像素子は、R(赤色),G(緑色),B(青色)の光をそれぞれ受光する受光領域を画素毎に有し、各色の光がこれらに対応する受光領域で光電変換されることにより発生した電荷をカウントするものであり、フォトンカウンタ型の固体撮像素子と称す。
フォトンカウンタ型の固体撮像素子は、電荷を1つずつカウントすることができるので、電荷を電流値として検知する電流検知方式の固体撮像素子よりも受光感度を向上させることができる。
特許文献2に開示されている固体撮像素子は、アバランシェ・フォトダイオードを用いて電荷を増幅させ、それを抵抗部に流して電圧の変化として検出するものである。
特許文献3に開示されている固体撮像素子は、各色の受光領域を基板の厚さ方向に形成した3重ウエル構造を有するものである。3重ウエルは各色の受光領域の深さが各色の光の波長に応じて設定されている。各色の受光領域の光電変換により発生した電荷は電流として検出される。
3重ウエル構造を有する固体撮像素子では、各色の受光領域をそれらの深さ方向に各色の光の波長に応じて重ねて形成するため、各色の受光領域の面積をそれぞれ大きくすることができる。そのため、カラーフィルタを用いた固体撮像素子よりも受光感度を向上させることができる。
従って、特許文献1に開示されている固体撮像素子では、電荷を検出するフォトン検出部が受光領域の外側に形成されているので、これに特許文献3に開示されている3重ウエル構造を単に組み合わせただけでは各ウエルで発生した電荷を取り出すことは難しい。
1)半導体基板(10)と、前記半導体基板の表面及びその近傍に形成された第1のウエル(13)と、前記半導体基板の表面及びその近傍に前記第1のウエルを囲って形成された第2のウエル(12)と、前記半導体基板の表面及びその近傍に前記第2のウエルを囲って形成された第3のウエル(11)と、少なくとも前記第1のウエル,前記第2のウエル,及び前記第3のウエルのいずれかの表面から突出する細長形状部(15)と、前記細長形状部が突出する表面及びその近傍に、前記細長形状部に離間して形成されたドレイン(16)と、を備え、前記細長形状部は、その先端部に設けられたソース(33)と、前記細長形状部が突出する表面と前記ソースとの間の領域に前記ソースに離間して設けられたゲート(31)と、を有することを特徴とする固体撮像素子(1)。
2)複数の画素が規則的に配列された画素領域(2)を有し、前記第1のウエル,前記第2のウエル,前記第3のウエル,前記細長形状部,前記ドレインは、前記画素領域に前記画素毎に設けられていることを特徴とする1)記載の固体撮像素子。
3)前記第1のウエルは外部から前記第1のウエルに入射した光の青色成分を光電変換する領域であり、前記第2のウエルは外部から前記第2のウエルに入射した光の緑色成分を光電変換する領域であり、前記第3のウエルは外部から前記第3のウエルに入射した光の赤色成分を光電変換する領域であることを特徴とする1)または2)に記載の固体撮像素子。
4)前記第2のウエルは、前記画素毎に複数の領域に分割されて設けられていることを特徴とする2)記載の固体撮像素子。
本発明に係る固体撮像素子の実施例1について図1〜図18を用いて説明する。
第2ウエル12は第3ウエル13を囲うように形成されており、第1ウエル11は第2ウエル12を囲うように形成されている。
第1ウエル11〜第3ウエル13のうち、半導体基板10の表面から最も深い位置までの領域に形成されている第1ウエル11は、赤色(R)光,緑色(G)光,及び青色(B)光のうち最も波長の長いR光を受光してこれを光電変換するR光用の光電変換領域である。
また、半導体基板10の表面から最も浅い位置に形成されている第3ウエル13は、最も波長の短いB光を受光してこれを光電変換するB光用の光電変換領域である。
また、第1ウエル11と第3ウエル13との間に形成されている第2ウエル12は、波長がR光よりも短くB光よりも長いG光を受光してこれを光電変換するG光用の光電変換領域である。
第2ウエル12の表面及びその近傍には、第2細長形状部19と、第2細長形状部19に離間して設けられたn+型の第2アキュムレーション層20とを有するG光用センサ部21が形成されている。
第3ウエル13の表面及びその近傍には、第3細長形状部23と、第2細長形状部23に離間して設けられたp+型の第3アキュムレーション層24とを有するB光用センサ部25が形成されている。
第1アキュムレーション層16は、R光用センサ部17のドレインとして機能し、R光用センサ部17は、ゲート31,ソース33,及びドレイン(第1アキュムレーション層)16により、ジャンクションFET(Field effect transistor)として機能する。
第2アキュムレーション層20は、G光用センサ部21のドレインとして機能し、G光用センサ部21は、ゲート41,ソース43,及びドレイン(第2アキュムレーション層)20により、ジャンクションFETとして機能する。
第3アキュムレーション層24は、B光用センサ部25のドレインとして機能し、B光用センサ部25は、ゲート51,ソース53,及びドレイン(第3アキュムレーション層)24により、ジャンクションFETとして機能する。
図5は、G光用センサ部21の不純物プロファイル(シミュレーション値)を示す図であり、縦軸は不純物濃度を示し、横軸は第2細長形状部19の先端を0(ゼロ)基準としてその長手方向の位置を示す。なお、図5の縦軸において、例えば“1.0e+12”の表記は“1.0×1012(cm−3)”を簡略化して表したものであり、“1.0e+16”の表記は“1.0×1016(cm−3)”を簡略化して表したものである。また、シミュレーションの条件(ソース用の不純物注入条件)として、ソース用不純物(ドーパント)を砒素(As)、加速電圧を50KeV,ドーズ量を1×1014cm−2とし、電荷集中領域(ゲート)41の不純物濃度を2×1018cm−3としている。
図6は、図5に示した不純物プロファイルにおいて、電荷集中領域(ゲート)にホール(電荷)がある場合とない場合とのソース電圧とソース電流との関係を示す図である。なお、図6の縦軸において、例えば“1.E−22”の表記は“1.0×10−22(A)”を簡略化して表したものであり、“1.E−16”の表記は“1.0×10−16(A)”を簡略化して表したものである。
図6に示すように、ソースにマイナスの電圧を印加するとソース電流が発生する。ホール(電荷)がある場合はホールがない場合に比べてソース電流の値が約5桁大きくなり、大きな増幅率が得られることがわかる。
図7は、電荷集中領域(ゲート)におけるソース電圧とホール数との関係を示す図である。ホール数は、電荷集中領域の体積と電荷集中領域における電荷濃度とから電荷集中領域における全電荷量を算出し、それをホール1個の電荷量で除算することにより算出したものである。
なお、ホール数は、通常、正の整数(自然数)で表されるが、図7ではソース電圧とホール数との関係をわかりするために小数点以下を四捨五入せずに表している。
図7に示すように、ホール数は、ソース電圧が−0.2V〜−2.18Vの範囲内では2個以下になり、ソース電圧が−1.3V〜−2.05Vの範囲内では1個以下になる。
図8は、固体撮像素子1のGセンサ回路28の回路構成とGセンサ回路28に接続される各配線とG光用センサ部21との関係を模式的に示す回路図である。図9は、Gセンサ回路28の動作方法を説明するためのタイミングチャートである。
第1のスイッチSW1は、セットスイッチであり、G光用センサ部21{図4(b)参照}のソース43の電位を所定の電圧(例えば0V)にするためのスイッチである。
第2のスイッチSW2は、リセットスイッチであり、ソース43に所定の電圧(例えば−5V)を印加してゲート41の電荷を排出するためのスイッチである。
p型MOSFET61及びn型MOSFET62は、これらでインバータの機能を有し、電荷の有無の結果を後段のデジタル信号処理回路63で処理できるようにパルス信号に変換するものである。
デジタル信号処理回路63は、パルス信号を例えばカウンタ回路等によりデジタル化してこれをメモリに記憶するものである。なお、デジタル信号処理回路63を単に1ビット以上のメモリとしてもよい。
第3のスイッチSW3は、選択スイッチであり、第3のスイッチSW3により選択された画素信号がアンプ64を介して出力線65に出力される。
また、G光用センサ部21のドレイン(第2アキュムレーション層)20は、画素外からこのドレイン20に例えば0.6Vの電圧が印加される配線に接続されている。
第1のスイッチSW1の他端側は例えば0Vの配線に接続されており、第2のスイッチSW2の他端側は例えば−5Vの電圧が印加される配線に接続されている。また、第1のスイッチSW1はセット配線に、第2のスイッチSW2はリセット配線にそれぞれ接続されており、セット配線に画素外から電圧を印加することによって第1のスイッチSW1をオン状態(またはオフ状態)にすることができ、リセット配線に外部から電圧を印加することによって第2のスイッチSW2をオン状態(またはオフ状態)にすることができる。
デジタル信号処理回路63からの出力信号は第3のスイッチSW3とアンプ118とを直列に介して出力線65より画素外に出力される。
この状態のときに光電変換領域(第2ウエル)12に光が入射すると光電変換により電荷が発生する。この電荷はドレイン(第2アキュムレーション層)20に吸収され、ホールがG光用センサ部21のゲート41に向かって移動する。このホール数に応じた電荷がコンデンサC1に蓄積される。
ソース電圧Vsが所定の電圧(例えば0.4V)に達すると、インバータを構成しているp型MOSFET61がオン状態からオフ状態に反転し、n型MOSFET62がオフ状態からオン状態に反転する。
このとき、p型MOSFET61がオフ状態からオン状態に反転し、n型MOSFET62がオン状態からオフ状態に反転する。その結果、図9(D)に示すように出力電圧Voは0Vから1.2Vに変化する。
ソース43に−5Vを印加すると、ソース43とゲート41との間のバリアが0.1V程度と小さくなるため、ゲート41に蓄積されているホールはソース43に容易に排出される。
図11〜図18は、固体撮像素子1の製造方法、特にその主要構成部である各センサ部のうちのG光用センサ部における細長形状部(第1細長形状部)の製造方法の実施例を説明するための模式的断面図であり、各図はその製造過程の状態をそれぞれ示すものである。
実施例1では、第1の絶縁膜70としてシリコン窒化膜(SiN)を用い、厚さt70を0.2μmとした。
実施例1では、第1の穴71の直径D71を0.09μmとした。
実施例1では、第2の絶縁膜72としてシリコン酸化膜(SiO2)を用い、厚さt72を0.04μmとした。
サイドスペーサ73が形成された第1の穴71の内径D73は0.01μmに小径化される。
即ち、サイドスペーサ73は、第1の穴71を小径化するためのものであり、後述するシリコン柱部74をより細く形成するためのものである。
実施例では、ゲート41を形成するためのイオン注入の条件として、注入イオンをボロン(B)、加速電圧を30KeV,ドーズ量を5×1012cm−2とした。
その後、ソース43に例えば1000℃で30秒間の熱処理を施すことにより、ソース43中の不純物イオンが活性化するため、ソース43は安定した導電性が得られる。
なお、図17における第1のシリコン部40,ゲート41,第2のシリコン部42,及びソース43は、図4(b)における第1のシリコン部40,ゲート41,第2のシリコン部42,及びソース43にそれぞれ対応するものである。
その後、第3の絶縁膜77及び第1の絶縁膜70を貫通してドレイン20を露出させる第2の穴78、及び第3の絶縁膜77を貫通してソース43を露出させる第3の穴79をそれぞれ形成する。
さらに、第3の絶縁膜77上に、第2の穴78及び第3の穴79を埋めてパターン化された金属配線層80を形成する。
これら第3の絶縁膜77,第2の穴78,第3の穴79,及び金属配線層80は周知の方法を用いて形成することができる。
これにより、ゲート/ソース間のポテンシャルの変化を小さくすることができるので、R光用センサ部17,G光用センサ部21,及びB光用センサ部25の各電荷検出感度をゲートとソースとが直接接触しているものよりも向上させることができる。
本発明に係る固体撮像素子の実施例2について図19及び図20を用いて説明する。図19は実施例2の固体撮像素子の画素領域における1画素の構成を模式的に示す平面図であり、図20は図19中のB3−B4線における模式的断面図である。また、図19は図2に対応するものであり、図20は図3(b)に対応するものである。
なお、説明をわかりやすくするために、実施例1と同じ構成部には同じ符号を付す。
一方の第2ウエル12aの表面及びその近傍には、第2細長形状部19aと、第2細長形状部19aに離間して設けられたn+型の第2アキュムレーション層20aとを有するG光用センサ部21aが形成されている。
他方の第2ウエル12bの表面及びその近傍には、第2細長形状部19bと、第2細長形状部19bに離間して設けられたn+型の第2アキュムレーション層20bとを有するG光用センサ部21bが形成されている。
実施例2の第2細長形状部19a,19bの構成及び製造方法は、実施例1の第2細長形状部19の構成及び製造方法と同じである。
また、実施例2の第2アキュムレーション層20a,20bの構成及び製造方法は、実施例1の第2アキュムレーション層20の構成及び製造方法と同じである。
また、画素領域2は、1画素毎に、上述した第1ウエル11、2つの第2ウエル12a,12b、及び第3ウエル13が形成されている領域とは異なる領域に、Rセンサ回路27、2つのGセンサ回路28a,28b、及びBセンサ回路29が形成されている。実施例2のGセンサ回路28a,28bの構成及び製造方法は、実施例1のGセンサ回路28の構成及び製造方法と同じである。
そこで、実施例2では、1画素当たり、2つのG光用センサ部21a,21bと2つのGセンサ回路28a,28bとを備えた構成にすることにより、実施例1よりもさらに解像度を向上させることができる。
本発明に係る固体撮像素子の実施例3について図21を用いて説明する。図21は実施例3の固体撮像素子の画素領域における1画素の構成を模式的に示す平面図であり、実施例1の図2及び実施例2の図19にそれぞれ対応するものである。
なお、説明をわかりやすくするために、実施例1及び実施例2と同じ構成部には同じ符号を付す。
第2ウエル12cの表面及びその近傍には、第2細長形状部19cと、第2細長形状部19cに離間して設けられたn+型の第2アキュムレーション層20cとを有するG光用センサ部21cが形成されている。
第2ウエル12dの表面及びその近傍には、第2細長形状部19dと、第2細長形状部19dに離間して設けられたn+型の第2アキュムレーション層20dとを有するG光用センサ部21dが形成されている。
第2ウエル12eの表面及びその近傍には、第2細長形状部19eと、第2細長形状部19eに離間して設けられたn+型の第2アキュムレーション層20eとを有するG光用センサ部21eが形成されている。
第2ウエル12fの表面及びその近傍には、第2細長形状部19fと、第2細長形状部19fに離間して設けられたn+型の第2アキュムレーション層20fとを有するG光用センサ部21fが形成されている。
実施例3の第2細長形状部19c,19d,19e,19eの構成及び製造方法は、実施例1の第2細長形状部19の構成及び製造方法と同じである。
また、実施例3の第2アキュムレーション層20c,20d,20e,20fの構成及び製造方法は、実施例1の第2アキュムレーション層20の構成及び製造方法と同じである。
また、画素領域2は、1画素毎に、上述した第1ウエル11、4つの第2ウエル12c,12d,12e,12f、及び第3ウエル13が形成されている領域とは異なる領域に、Rセンサ回路27、3つのGセンサ回路28c,28d,28e,28f、及びBセンサ回路29が形成されている。実施例3のGセンサ回路28c,28d,28e,28fの構成及び製造方法は、実施例1のGセンサ回路28の構成及び製造方法と同じである。
Claims (4)
- 半導体基板と、
前記半導体基板の表面及びその近傍に形成された第1のウエルと、
前記半導体基板の表面及びその近傍に前記第1のウエルを囲って形成された第2のウエルと、
前記半導体基板の表面及びその近傍に前記第2のウエルを囲って形成された第3のウエルと、
少なくとも前記第1のウエル,前記第2のウエル,及び前記第3のウエルのいずれかの表面から突出する細長形状部と、
前記細長形状部が突出する表面及びその近傍に、前記細長形状部に離間して形成されたドレインと、
を備え、
前記細長形状部は、その先端部に設けられたソースと、前記細長形状部が突出する表面と前記ソースとの間の領域に前記ソースに離間して設けられたゲートと、を有することを特徴とする固体撮像素子。 - 複数の画素が規則的に配列された画素領域を有し、
前記第1のウエル,前記第2のウエル,前記第3のウエル,前記細長形状部,前記ドレインは、前記画素領域に前記画素毎に設けられていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。 - 前記第1のウエルは外部から前記第1のウエルに入射した光の青色成分を光電変換する領域であり、前記第2のウエルは外部から前記第2のウエルに入射した光の緑色成分を光電変換する領域であり、前記第3のウエルは外部から前記第3のウエルに入射した光の赤色成分を光電変換する領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像素子。
- 前記第2のウエルは、前記画素毎に複数の領域に分割されて設けられていることを特徴とする請求項2記載の固体撮像素子。
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