JP2010231996A - 放電灯点灯装置、灯具、及び車両 - Google Patents

放電灯点灯装置、灯具、及び車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2010231996A
JP2010231996A JP2009077734A JP2009077734A JP2010231996A JP 2010231996 A JP2010231996 A JP 2010231996A JP 2009077734 A JP2009077734 A JP 2009077734A JP 2009077734 A JP2009077734 A JP 2009077734A JP 2010231996 A JP2010231996 A JP 2010231996A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
discharge lamp
inductor
voltage
lighting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009077734A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Nakamura
俊朗 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Electric Works Co Ltd filed Critical Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority to JP2009077734A priority Critical patent/JP2010231996A/ja
Publication of JP2010231996A publication Critical patent/JP2010231996A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps

Landscapes

  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

【課題】インバータ回路の反転時に発生する電圧の過大な上昇を防ぎ、回路に過剰なストレスを与えることなく、必要な再点弧電圧を確保する。
【解決手段】DC−DC変換回路11の出力両端子間に接続されたインダクタLr2及びダイオードDcからなる直列回路と、DC−DC変換回路11の正側出力端子とインバータ回路13の正側入力端子間に直列に接続され、インダクタLr2と磁気結合されたインダクタL1と、インバータ回路13の入力両端子間に接続されたコンデンサCrからなるインバータ電圧増大回路12を備える。インバータ回路13の極性反転時に、始動回路14のインダクタンス成分LpとインダクタLr1から回生されるエネルギーは、コンデンサCrに流れ込んで共振し、インバータ回路13の入力電圧Vrを上昇させるが、インダクタLr1と、インダクタLr2及びダイオードDcからなる直列回路によって電圧が制限され、過剰なエネルギーはDC−DC変換回路11の平滑コンデンサC1や電源側に放出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、放電灯を点灯させるための放電灯点灯装置、放電灯点灯装置によって点灯する灯具、及び灯具を搭載した車両に関する。
従来から、直流電力を入力して交流電力に変換し、HIDランプ(High-intensity discharge lamp:高輝度放電灯)等の高輝度放電灯を点灯させる放電灯点灯装置があった。図9に示す従来の放電灯点灯装置90では、電源PSの直流電圧を直流電力変換回路であるDC−DC変換回路91により直流電力に変換し、インバータ回路93で低周波の交番電力に変換して、その出力を始動回路94を介して放電灯Laに供給する。
DC−DC変換回路91は、フライバックコンバータ方式であり、負荷である放電灯Laへ供給する直流電力は、トランスTの一次巻線に直列に接続されたスイッチング素子Q0を駆動するPWM信号(Pulse Width Modulation:パルス幅変調信号)を調整することで制御している。
インバータ回路93は、スイッチング素子Q1〜Q4から構成されるフルブリッジ構成であり、それぞれ対になるスイッチング素子Q1、Q4と、Q2、Q3を交互にオン/オフさせることで、DC−DC変換回路91から送られる直流電力を矩形波の交番電力に変換する。
始動回路94は、パルストランスPTの一次側に設けられたパルス駆動回路941から始動時パルス電流を供給することで、コイルの巻数比に応じて二次側に生じた高電圧を放電灯Laに印加し、放電を開始させる。
このように構成された放電灯点灯装置90において、インバータ回路93から放電灯Laに矩形波の低周波交番電力を供給するのは、音響共鳴現象を回避すると共に、電極磨耗やカタホレシス現象を抑制するためであるが、交番電力の極性反転時にランプ電流がゼロ点を通過するので、ランプ電流の極性が反転する一瞬、放電が止まることになる。
ランプ電流がゼロから反転して逆方向に電流が流れ始めるには、一般に再点弧電圧と呼ばれる所定の高電圧を放電灯Laに印加することが必要となる。
図11に示すように、インバータ回路93の出力電圧Voが反転すると、それに応じてランプ電流Ilaも反転を開始する。このランプ電流Ilaは、始動回路94のパルストランスPTに二次側インダクタンスLpがあるため、電圧Voほど急峻には変化することができず、所定の傾きdIla/dtを有して反転する。
再点弧電圧は、極性反転時におけるランプ電流Ilaの傾きdIla/dtが小さいほど大きくなり、必要な再点弧電圧がインバータ回路93から供給されないと、図10に示すように、ランプ電流Ilaがゼロ、或いは通常より低い電流を維持する時間Tzwが生じ、ノイズが発生したり、放電灯Laの寿命に悪影響を及ぼすことがある。また、時間Tzwがもっと長くなると、ちらつきや立ちち消えを惹起する。
再点弧電圧を低減し、ランプ電流Ilaの極性反転時におけるゼロ電流期間Tzwを抑制するには、始動回路94の直列インダクタンスLpを低減することで極性反転時における傾きdIla/dtを大きくすればよいが、始動性能の点から直列インダクタンスLpの低減には限界がある。
このため、図9に示す従来の放電灯点灯装置90では、DC−DC変換回路91とインバータ回路93の間にインバータ電圧増大回路92を設け、インバータ回路93の出力電圧Voを上昇させることで、必要とする再点弧電圧を確保している。
放電灯点灯装置90は、インバータ回路93のそれぞれ対になるスイッチング素子Q1、Q4と、Q2、Q3を交互にオン/オフする際に、スイッチング素子Q1、Q2、及びQ3、Q4がそれぞれ同時にオン状態となって回路が短絡状態にならないよう、全てのスイッチング素子Q1〜Q4をオフにするデッドタイムTdを設定しているが、このデッドタイムTdに入ると、スイッチング素子Q1〜Q4のうち、それまでオンしていたスイッチング素子に接続された不図示の逆導通ダイオード(MOSFETの場合は、寄生ダイオードを使用する)を介し、ランプ電流Ilaによって始動回路94のパルストランスPTのインダクタンスLpに蓄積されたエネルギーが、インバータ回路93の入力側に回生される。
これによって、インバータ回路93の入力電流Idは、図11に示すように、負極性で逆流した波形となる。そして、この負極性の間にスイッチング素子Q1〜Q4の反転後の出力極性に対応したスイッチング素子がオンする。
インバータ回路93の入力端において負極性で逆流した回生電流Idは、インバータ電圧増大回路92のダイオードDrで阻止され、コンデンサCrに充電される。コンデンサCrの容量が小さければ、インダクタンスLpの回生エネルギーによりコンデンサCrには共振電圧が発生し、コンデンサCrの電圧Vrは、図11に示すように、反転時ピーク電圧VrpをDC−DC変換回路91の出力電圧V2より大きく上昇させる。
コンデンサCrの電圧Vrは、そのままインバータ回路93の入力電圧となり、スイッチング素子Q1〜Q4でスイッチングされて出力され、図11に示すように、ランプ電流Ilaの反転時の傾きdIla/dtを大きくさせる。このようにして、必要な再点弧電圧を確保することができる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、始動回路94のインダクタンスLpに蓄えられるエネルギーは、ランプ電流Ilaの2乗に比例する。高輝度放電灯は、冷えている時にはランプ電圧が低く、ランプ電流Ilaが大きくなる。また、温度が低いときには光出力が小さいため、素早く光出力を上げるようにランプ電力を意図的に上昇させる場合があり、ランプ電流Ilaが定常点灯時の数倍になることがある。
ランプ電流Ilaが比較的小さい定常点灯時において、必要十分な再点弧電圧を得るためには、反転時のインバータ回路93に入力する電圧Vrのピーク電圧Vrpが所定値以上になるように、コンデンサCrの容量を小さく設定する必要があるが、定常点灯時のランプ電流を超えると、その電流に応じてピーク電圧Vrpも大きくなる。
前述したように、放電管Laの温度が低いときなどにおいて、光出力を急速に立ち上げるためにランプ電流を非常に大きくすると、図12に示すように、発生するピーク電圧Vrpも非常に大きくなり、最悪の場合は、インバータ回路93を構成する回路素子の耐圧を超えてしまい、破壊に至る可能性すらある。あるいは、これを回避しようとして耐圧の高い回路素子を使用すれば、装置の大型化を招くことになる。
また、インバータ回路93の入力端にサージアブソーバを接続することによって、入力電圧Vrが所定値以上に上昇しないようにした例がある。しかし、サージアブソーバは、電圧上昇を抑制するためにエネルギーを自身で熱的に消費させるので、サージアブソーバを構成する回路にストレスを与え、過大な温度上昇によって回路が破壊してしまう虞がある(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開平05−258879号公報 特開平05−258880号公報 特開平07−211475号公報 特開平11−3789号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、インバータ回路の極性反転時における回生エネルギーによって発生するインバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことのできる放電灯点灯装置、放電灯点灯装置によって点灯する灯具、及び灯具を搭載した車両を提供することを目的とする。
本発明の放電灯点灯装置は、直流電源と、スイッチング素子のPWM信号によるスイッチング動作で前記直流電源の電圧を変換して直流電力を出力するDC−DC変換回路と、前記直流電力を前記DC−DC変換回路のスイッチング周波数に比べ低周波の交番電力に変換するインバータ回路と、放電灯に対して直列に接続された第1のインダクタを備え、前記交番電力により前記放電灯を点灯させる放電灯点灯装置であって、前記DC−DC変換回路の出力端と前記インバータ回路の入力端との間に接続された第2のインダクタと、
前記インバータ回路の入力端間に接続された第1のコンデンサと、前記DC−DC変換回路の出力端間に接続され、前記第2のインダクタと磁気的に結合された第3のインダクタ、及び前記DC−DC変換回路から流れる電流を阻止する方向に接続された第1のダイオードからなる直列回路と、を備え、前記インバータ回路の交番電力が極性を反転した際に生じる一時的なピーク電圧を、前記極性が反転する前の電圧より高い所定の電圧に制限することを特徴とするものである。
この構成により、放電灯に対して直列に接続された第1のインダクタに定常時のランプ電流により蓄えられたエネルギーを、回路の交番電力が極性を反転した際に、インバータ回路の入力端に設けられた容量の比較的小さな第1のコンデンサに回生させ、その時発生する一時的なピーク電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができる。
また、本発明は、上記の放電灯点灯装置において、更に、前記インバータ回路の出力端間に接続された第2のコンデンサと、前記第2のインダクタと並列に、前記DC−DC変換回路の出力端から前記インバータ回路の入力端に向かう順方向に接続された第2のダイオードと、を備えることを特徴とするものである。
この構成により、インバータ回路の極性反転時における回生エネルギーによって発生するインバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができると共に、インバータ回路の極性が反転動作を終了した後、第2のダイオードにより、DC−DC変換回路の出力からインバータ回路を介して放電灯へ供給する電流を必要な所定値まで素早く上昇させることができる。これにより、供給電力の不足による放電灯の消灯を防ぐことが可能となる。
更に、本発明は、上記の放電灯点灯装置において、前記第1のコンデンサに替えて、前記第2のインダクタと並列に接続された第3のコンデンサを備えることを特徴とするものである。
この構成により、インバータ回路の極性反転時における回生エネルギーによって発生するインバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができると共に、第3のコンデンサに印加される電圧をDC−DC変換回路の出力電圧の分低くすることが可能となり、耐圧の低いコンデンサを使用して装置を小型化できる。
また、本発明の放電灯点灯装置は、直流電源と、スイッチング素子のPWM信号によるスイッチング動作で前記直流電源の電圧を変換して直流電力を出力するDC−DC変換回路と、前記直流電力を前記DC−DC変換回路のスイッチング周波数に比べ低周波の交番電力に変換するインバータ回路と、放電灯に対して直列に接続された第1のインダクタを備え、前記交番電力により前記放電灯を点灯させる放電灯点灯装置であって、前記DC−DC変換回路の出力端と前記インバータ回路の入力端との間に接続された第2のインダクタと、前記インバータ回路の入力端間に接続された第1のコンデンサと、前記直流電源に並列に接続され、前記第2のインダクタと磁気的に結合された第3のインダクタ、及び前記DC−DC変換回路から流れる電流を阻止する方向に接続された第1のダイオードからなる直列回路と、を備え、前記インバータ回路の交番電力が極性を反転した際に生じる一時的なピーク電圧を、前記極性が反転する前の電圧より高い所定の電圧に制限することを特徴とするものである。
この構成により、インバータ回路の極性反転時における回生エネルギーを直流電源側に回生させることで、インバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができる。
更に、本発明の放電灯点灯装置は、直流電源と、スイッチング素子のPWM信号によるスイッチング動作で前記直流電源の電圧を変換して直流電力を出力するDC−DC変換回路と、前記直流電力を前記DC−DC変換回路のスイッチング周波数に比べ低周波の交番電力に変換するインバータ回路と、放電灯に対して直列に接続された第1のインダクタを備え、前記交番電力により前記放電灯を点灯させる放電灯点灯装置であって、前記インバータ回路の出力端間に接続された第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力端間に接続され、第3のインダクタと前記DC−DC変換回路から流れる電流を阻止する方向に接続された第1のダイオードからなる直列回路と、前記直列回路の第3のインダクタ及び第1のダイオードの接続点と、前記インバータ回路の入力端との間に接続され、前記第3のインダクタと磁気的に結合された第4のインダクタと、を備え、前記インバータ回路の交番電力が極性を反転した際に生じる一時的なピーク電圧を、前記極性が反転する前の電圧より高い所定の電圧に制限することを特徴とするものである。
この構成により、インバータ回路の極性反転時におけるインバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができる。
また、本発明は、上記の放電灯点灯装置において、前記第1のインダクのインダクタンスをLp、前記DC−DC変換回路の出力電圧をV2、前記所定の電圧をVrc、とした場合に、前記第2のインダクタのインダクタンスは、算式、(1−V2/Vrc)×Lp
によって求められることを特徴とするものである。
この構成により、放電灯の再点弧電圧を確保するとともに、インバータ回路の極性反転時におけるインバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができる。
また、本発明は、上記の放電灯点灯装置において、磁気飽和していないときの前記第2のインダクタのインダクタンスは、算式、(1−V2/Vrc)×Lpによって求められる値以上であることを特徴とするものである。
この構成により、放電灯の再点弧電圧を確保するとともに、インバータ回路の極性反転時におけるインバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができる。
また、本発明は、上記の放電灯点灯装置において、前記DC−DC変換回路の出力端間のインピーダンスは、前記第1のコンデンサのインピーダンスの1/10以下であることを特徴とするものである。
この構成により、放電灯の再点弧電圧を確保するとともに、インバータ回路の極性反転時におけるインバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができる。
本発明の灯具は、上記の放電灯点灯装置を備えたことを特徴とするものである。
この構成により、ノイズを抑制するとともに、ちらつきや立ち消えがなく、寿命の長い灯具を提供できる。
本発明の車両は、上記の灯具を搭載したことを特徴とするものである。
この構成により、ノイズを抑制するとともに、ちらつきや立ち消えがなく、寿命の長い灯具を搭載した車両を提供できる。
本発明によれば、インバータ回路の極性反転時における回生エネルギーによって発生するインバータ回路入力電圧の過大な上昇を、回路に過剰なストレスを与えることなく防ぐことができる放電灯点灯装置、放電灯点灯装置によって点灯する灯具、及び灯具を搭載した車両を提供できる。
本発明の実施の形態1に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る放電灯点灯装置において、インバータ回路の動作を説明するための動作波形図 本発明の実施の形態2に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態3に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態4に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態5に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態6に係る灯具の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態6に係る車両を示す外観斜視図 従来の放電灯点灯装置の概略構成を示す図 従来の放電灯点灯装置の動作を説明するための動作波形図 従来の放電灯点灯装置の動作を説明するための動作波形図 従来の放電灯点灯装置の動作を説明するための動作波形図
以下、本発明の実施の形態に係る放電灯点灯装置、灯具、及び車両について、図面を用いて説明する。本発明の実施の形態に係る放電灯点灯装置は、高輝度放電灯であるHIDランプ等を点灯させるものである。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図である。
図1において、本実施の形態の放電灯点灯装置10は、DC−DC変換回路11と、インバータ電圧増大回路12と、インバータ回路13と、始動回路14を備える構成である。
DC−DC変換回路11は、フライバックコンバータ方式であり、直流電源PSの両端子間にトランスT1の一次巻線とスイッチング素子Q0からなる直列回路を接続し、不図示のPWM信号発生回路から送られるPWM信号でスイッチング素子Q0をオン/オフすることで、トランスT1の二次巻線に誘起される電圧をダイオードD1および平滑コンデンサC1によって整流および平滑化し、所望の電圧V2の直流電力を出力する。
インバータ電圧増大回路12は、DC−DC変換回路11の両出力端子間に接続されたインダクタLr2及びダイオードDcからなる直列回路と、DC−DC変換回路11の正側出力端子とインバータ回路13の正側入力端子間に直列に接続され、インダクタLr2と磁気結合されたインダクタL1と、インバータ回路13の入力両端子間に接続されたコンデンサCrを備える構成である。
インダクタL1は、インバータ回路13の入力電圧VrとDC−DC変換回路11の出力電圧V2との差電圧が印加され、インダクタLr2はインダクタLr1に印加された電圧の巻数比倍、且つ、V2<Vrの条件では、DC−DC変換回路11の出力電圧V2と同一極性の電圧が発生するように接続される。また、ダイオードDcは、DC−DC変換回路11からインダクタLr2へ流れ込む電流を阻止する極性で接続される。このような接続により、通常はインダクタLr2に電流が流れない。
インバータ回路13は、スイッチング素子Q1〜Q4からなるフルブリッジ構成のインバータ回路であり、スイッチング素子Q1、Q2およびQ3、Q4の接続点を始動回路14への出力端とし、ドライブ回路131によりそれぞれ対になるスイッチング素子Q1、Q4と、Q2、Q3を交互にオン/オフさせることで、DC−DC変換回路11から出力される電圧V2の直流電力を電圧Voの矩形波交番電力に変換して出力する。なお、インバータ回路13は上記の構成に限定されるものではなく、ハーフブリッジ構成やチョッパ機能を兼用させた構成としてもよい。
始動回路14は、インバータ回路13の出力端子間に放電灯Laを介して二次巻線が接続されたパルストランスPTと、その一次巻線に接続されたパルス駆動回路141から構成される。そして、パルス駆動回路141によってパルストランスPTの一次巻線に所定の繰り返し周期でパルス電流を供給することで、二次巻線の両端子間に高電圧パルスを発生させ、この高電圧パルスをキック電圧として放電ランプLaを始動点灯させる。なお、始動回路14は上記の構成に限定されるものではなく、LC共振電圧を利用した構成としてもよい。
次に、以上のように構成された放電灯点灯装置10において、インバータ回路13の出力電圧Voが極性反転する際の動作を説明する。図2は、極性反転時におけるインバータ回路13の動作を説明するための動作波形図である。
インバータ回路13の出力電圧Voが極性を反転する前は、その入力電圧Vrと、DC−DC変換回路11の出力電圧V2の電圧差は略ゼロである。
インバータ回路13において、出力電圧Voの極性が反転を開始すると、パルストランスPTのインダクタンス成分Lpに蓄積されたエネルギーの多くがインバータ回路13の入力側に回生され、インダクタLr1で阻止されてコンデンサCrに流れ込む。同様に、出力電圧Voの極性が反転する前に、インダクタLr1に流れていた電流によってLr1自身に蓄えられていたエネルギーも、コンデンサCrに流れ込む。そして、エネルギーがコンデンサCrに流れ込むことによる共振作用で、コンデンサCrの電圧Vrが上昇する。
コンデンサCrの電圧Vrが上昇すると、DC−DC変換回路11の出力電圧V2との間に電圧差が生じ、差分となるVr−V2がインダクタLr1に印加される。このとき、インダクタLr1とLr2の巻数比が1:1であると、インダクタLr2にも同じ電圧が生じる。なお、Vr−V2<V2である場合は、ダイオードDcにVr−2×V2なる逆電圧が印加されるため、ダイオードDcはオフ状態を維持し、インダクタLr2に電流が流れることはない。
しかし、コンデンサCrの電圧Vrが更に上昇して2×V2を超えると、ダイオードDcには順方向電圧が印加されるようになって導通する。ダイオードDcの導通によってインダクタLr2には電流が流れるが、ダイオードDcがオン状態であるためインダクタLr2の電圧はV2に保たれる。
これにより、磁気結合されたインダクタLr1の電圧もV2に保たれ、インバータ回路13の入力電圧VrはDC−DC変換回路11の出力電圧V2の2倍以上には上昇しないことになる。これを図で示すと図2のようになり、インバータ回路13の入力電圧Vrは、DC−DC変換回路11の出力電圧V2の2倍である所定値Vrcをピークとする制限された値となる(以下、所定値Vrcを「制限電圧」という)。なお、インダクタLr1、Lr2の巻数比がn:1の場合における制限電圧Vrcは、Vrc=(1+n)×V2となる。
このように、インバータ回路13の入力電圧Vrの電圧が制限されているときは、ダイオードDcが導通してインダクタLr2に電流が流れ始めた時点で、始動回路14のインダクタンス成分Lpによる回生エネルギーはインダクタLr1を介し、また、極性反転前にインダクタLr1に蓄えられていたエネルギーはインダクタLr2に流れる電流として、それぞれDC−DC変換回路11の出力側に回生される。
すなわち、インバータ回路13の入力電圧Vrを制限するエネルギーは、インバータ電圧増大回路12で消費されることはなく、DC−DC変換回路11の出力側に接続された平滑コンデンサC1に回生され、インバータ回路13の極性が反転した後で、放電灯Laを点灯するための電力として再利用される。
従って、インバータ回路の入力端にサージアブソーバ回路を接続することで電圧を制限する従来の方法に比較し、インバータ電圧増大回路12において、発熱やストレスを生ずることがない。
なお、本実施の形態では、上記のようにインバータ電圧増大回路12を構成することで、始動回路14のインダクタンス成分LpやインダクタLr1のエネルギーをDC−DC変換回路11の出力側に回生していたが、インダクタLr2とダイオードDcからなる直列回路をDC−DC変換回路11の入力端に接続することにより、回生エネルギーの一部を電源側に回生するようにしてもよい。
また、直流電源PSの他に、制御電源など放電灯Laの点灯状態で比較的安定な電圧源があれば、正負両端子間にインダクタンスLr2とダイオードDcからなる直列回路を接続する構成であってもよい。
インバータ回路13の入力電圧Vrを制限するために、始動回路14のインダクタンス成分LpやインダクタLr1のエネルギーを回生する先の電圧源のインピーダンスが高いと、回生先の電圧が上昇し、制限電圧Vrcが理想条件から乖離してしまう。そのため、インダクタLr1や始動回路14のインダクタンス成分Lpのエネルギーが回生されても、コンデンサCrほど電圧が上昇しないように、少なくとも回生先の電圧源のインピーダンスを、コンデンサCrのインピーダンスの1/10以下に制限することが望ましい。本実施の形態では、DC−DC変換回路11の平滑コンデンサC1の容量を、インバータ電圧増大回路12のコンデンサCrの容量より10倍以上に定めることで、これを実現している。
一方、インダクタLr1のインダクタンス値があまり小さいと、インバータ回路13の出力側に接続された始動回路14のインダクタンス成分Lpから回生されるエネルギーによってコンデンサCrの電圧Vrが上昇する前に、インダクタLr1に蓄積されたエネルギーがコンデンサCrに放出されてしまい、インバータ回路13の出力極性の反転時に必要な入力電圧Vrが得られなくなる可能性がある。
再点弧電圧を確保するという観点からは、ランプ電流Ilaがゼロ点に達するまで入力電圧Vrが制限電圧Vrcを維持していることが望ましい。そのため、インダクタLr1のインダクタンス値は、少なくともインバータ回路13の出力端に接続されたインダクタンス成分Lpに対し、Lr1≧(1−V2/Vrc)×Lpであることが望ましい。
また、インバータ回路13の出力が反転する前の定常状態の期間においては、インダクタLr1は飽和していてもよく、反転を開始すると、インダクタンス成分Lpからの回生電流がコンデンサCrに流れ込む。このとき、放電灯Laへの電流供給が一瞬の間停まるため、インダクタLr1からは反転直前までに流れていた電流が励磁電流としてコンデンサCrに放出され始め、飽和状態が解除される。
反転動作によってインバータ回路13の入力電圧Vrが制限電圧Vrcに達すると、インダクタLr1にはVrc−V2なる電圧が印加され、励磁電流の放出はインダクタLr1の電圧とインダクタンス値に従って低下し、やがてゼロに達する。すると電流は、コンデンサCrからDC−DC変換回路11の出力側へと流れ始める。
従って、インダクタLr1のインダクタンス値は、少なくともランプ電流Ilaが反転動作を開始してからゼロに達するまでに、インダクタLr1の励磁電流が飽和しないような所定値に設計する必要がある。飽和前のインダクタンス値は、前述したように、(1−V2/Vrc)×Lpとすることで、飽和型のインダクタで必要な再点弧電圧を確保できる。このように、飽和型のインダクタを用いることで、インダクタLr1を小型にすることができる。
以上説明したように、このような本発明の実施の形態1に係る放電灯点灯装置10によれば、DC−DC変換回路11の両出力端子間に接続されたインダクタLr2及びダイオードDcからなる直列回路と、DC−DC変換回路11の正側出力端子とインバータ回路13の正側入力端子間に直列に接続され、インダクタLr2と磁気結合されたインダクタL1と、インバータ回路13の入力両端子間に接続されたコンデンサCrからなるインバータ電圧増大回路12を備えることで、インバータ回路13の極性反転時に発生する電圧の過大な上昇を防ぎ、回路に過剰なストレスを与えることなく、必要な再点弧電圧を確保でき、放電灯Laを安定に点灯させることが可能となる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図である。なお、図1と同じ構成要素については、同一符号を付して説明を簡略に、若しくは省略する。
図3において、本実施の形態の放電灯点灯装置20は、直流電源PSに対して並列に接続され、後述するインバータ電圧増大回路22のインダクタLr1と磁気結合されたインダクタLr2及びダイオードDcからなる直列回路と、DC−DC変換回路21と、インバータ電圧増大回路22と、インバータ回路13と、始動回路14を備える構成である。
DC−DC変換回路21は、図1に示した放電灯点灯装置10のDC−DC変換回路11において、トランスT1に替えてトランスT2を、平滑コンデンサC1に替えてダイオードD2をそれぞれ備えるフォワードコンバータ方式の構成である。
インバータ電圧増大回路22は、図1のインバータ電圧増大回路12において、DC−DC変換回路11の両出力端子間に接続されたインダクタLr2及びダイオードDcからなる直列回路を直流電源PS側に移した構成である。
次に、以上のように構成された放電灯点灯装置20において、インバータ回路13の出力電圧Voが極性反転する際の動作を説明する。
インバータ回路13が極性反転を開始すると、始動回路1のインダクタンス成分Lpによる回生電流がインバータ電圧増大回路22のコンデンサCrに流れて、電圧Vrが上昇する。
インバータ回路13が極性反転を開始したとき、DC−DC変換回路21のスイッチング素子Q0をオフすると、ダイオードD2が導通してインバータ電圧増大回路22のインダクタLr1に回生電流が流れ始め、同時にインダクタLr1に蓄積されたエネルギーもコンデンサCrに放出される。
ダイオードD2が導通している間におけるDC−DC変換回路21の出力電圧V2は、インダクタLr1側から見てゼロとなるので、インダクタLr1には電圧Vrが印加され、これがDC−DC変換回路21の入力電圧Vinのn倍を超えると、インダクタLr2を介して直流電源PSへ、インダクタLr1及びインダクタンス成分Lpのエネルギーが回生される。
なお、DC−DC変換回路21のスイッチング素子Q0をオフにするのは、ダイオードD2をオンさせることによってインバータ回路13の入力電圧VrをインダクタLr1に印加し、始動回路14のインダクタンス成分Lpによる回生電流を流すことを可能にするためである。このとき、インダクタLr1にはDC−DC変換回路21の出力端からインバータ回路13へ向かう極性で流れる励磁電流と、それとは逆極性のインダクタンス成分Lpによる回生電流の合成電流が流れる。この合成電流がダイオードD2の順方向となるように、インダクタLr1のインダクタンス値をインダクタンス成分Lpの値より小さくする必要がある。
以上説明したように、このような本発明の実施の形態2に係る放電灯点灯装置20によれば、インダクタLr1及びインダクタンス成分Lpによるエネルギーが回生される際に、インバータ回路13の入力電圧VrがDC−DC変換回路21の入力電圧Vinのn倍を超えると、DC−DC変換回路21の出力端に接続されたダイオードD2が導通し、回生エネルギーがインダクタLr2を介して直流電源PSへ還流する。これにより、インバータ回路13の入力電圧Vrを、回路に過剰なストレスを与えることなく、所定の制限電圧Vrcに制限することができる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図である。なお、図1と同じ構成要素については、同一符号を付して説明を簡略にし、若しくは省略する。
図4において、本実施の形態の放電灯点灯装置30は、DC−DC変換回路11と、インバータ電圧増大回路32と、インバータ回路13と、始動回路34を備える構成である。
インバータ電圧増大回路32は、図1のインバータ電圧増大回路12におけるインダクタLr1に対して、ダイオードDpを並列に、且つインバータ回路13の入力電流Idの方向を順方向に接続した構成である。
始動回路34は、図1の始動回路14における入力端間に、コンデンサCr2を接続した構成である。
次に、以上のように構成された放電灯点灯装置30において、インバータ回路13の出力電圧Voが極性反転する際の動作を説明する。なお、出力電圧Voの極性反転時に、インバータ電圧増大回路32によって入力電圧Vrの電圧を制限する動作は、図1に示した実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
インバータ回路13の出力電圧Voが極性を反転してインダクタLr1の励磁電流が放出され、その後電流が小さくなると、DC−DC変換回路11から出力される直流電力は、ダイオードDcを介してインバータ回路13に供給される。
これにより、インバータ回路13の出力電圧Voが極性反転を終了した後、DC−DC変換回路11から負荷である放電管Laへ供給する電力を必要な所定値まで素早く上昇させることができ、放電管Laの消灯を防ぐことが可能となる。
なお、コンデンサCr2は、始動回路14の入力端に設けられた不図示のフィルタ用コンデンサで代替することも可能である。
以上説明したように、このような本発明の実施の形態3に係る放電灯点灯装置30によれば、回路に過剰なストレスを与えることなく、インバータ回路13の反転時に発生する電圧の過大な上昇を防ぐことができるとともに、インダクタLr1に並列にダイオードDpを接続することで、インバータ回路13の出力電圧Voが極性の反転を終了した後に、DC−DC変換回路11から放電管Laへ供給する電力を必要な所定値まで素早く上昇させて、放電管Laの消灯を防ぐことができる。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図である。なお、図1と同じ構成要素については、同一符号を付して説明を簡略にし、若しくは省略する。
図5において、本実施の形態の放電灯点灯装置40は、DC−DC変換回路41と、インバータ電圧増大回路42と、インバータ回路43と、始動回路14を備える構成である。
DC−DC変換回路41は、図1の放電灯点灯装置10におけるDC−DC変換回路11に対し、ダイオードD1が逆方向に接続され、これに伴って出力電圧V2がGNDレベルに対して負電位となる構成である。
インバータ電圧増大回路42は、図1のインバータ電圧増大回路12におけるインダクタLr1に並列に、コンデンサCrを接続した構成である。
インバータ回路43は、DC−DC変換回路41の出力極性に伴って、図1のDC−DC変換回路11とは接続極性が逆のスイッチング素子Q1〜Q4を備える構成である。
次に、以上のように構成された放電灯点灯装置40において、インバータ回路43の出力電圧Voが極性反転する際の動作について説明する。
インバータ回路43の出力電圧Voが極性反転した際、始動回路14のインダクタンス成分Lpのエネルギーは、コンデンサCrとDC−DC変換回路41の平滑コンデンサC1からなる直列回路で回生されるが、コンデンサCrの容量が平滑コンデンサC1の容量に対して十分に小さいと、ほとんどの回生エネルギーはコンデンサCrに充電される。
インダクタLr1にはコンデンサCrに充電された電圧が印加され、その電圧とインダクタLr2を接続した電圧源の電圧で制限電圧Vrcの値が決まるが、インバータ回路43の入力電圧Vrは、コンデンサCrに充電された電圧とDC−DC変換回路41の出力電圧V2との和であるため、制限電圧Vrcは実施の形態1の場合と同様である。
本実施の形態の場合は、実施の形態1の回路構成に対し、コンデンサCrの電圧をDC−DC変換回路41の出力電圧V2の分だけ低くすることができるので、コンデンサCrに耐圧の低いものを使用することができ、装置の小型化が可能となる。
なお、本実施の形態におけるDC−DC変換回路41は、出力電圧V2がGNDレベルに対して負電位となる構成であるが、他の実施の形態のように正電位となる構成であってもよく、逆に他の実施の形態が負電位となる構成であっても適用が可能である。
以上説明したように、このような本発明の実施の形態4に係る放電灯点灯装置40によれば、回路に過剰なストレスを与えることなく、インバータ回路43の反転時に発生する電圧の過大な上昇を防ぐことができるとともに、インダクタLr1に並列にコンデンサCrを接続することで、装置の小型化が可能となる。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る放電灯点灯装置の概略構成を示す図である。なお、図1と同じ構成要素については、同一符号を付して説明を簡略にし、若しくは省略する。
図6において、本実施の形態の放電灯点灯装置50は、DC−DC変換回路11と、インバータ電圧増大回路52と、インバータ回路13と、始動回路34を備える構成である。
インバータ電圧増大回路52は、DC−DC変換回路11の出力両端に接続されたインダクタLr2とダイオードDcからなる直列回路と、その接続点とインバータ回路13の入力一端との間に、インダクタLr2と磁気結合されたインダクタLr3を接続する構成である。
以上のように構成された放電灯点灯装置50において、負荷電流は、DC−DC変換回路11の出力端からインダクタLr2、Lr3を介してインバータ回路13の入力端に流れる。
この負荷電流が流れているとき、インダクタLr2、Lr3はそれぞれの磁束を打消しあう極性で接続されているが、インダクタLr2のインダクタンスはインダクタLr3のそれより小さく設定し、直列的に合成したインダクタンスがLr1となる。このインダクタLr1により、インバータ回路13の出力極性が反転した際における入力電圧Vrの電圧制限動作は、実施の形態1と同様になる。
以上説明したように、このような本発明の実施の形態5に係る放電灯点灯装置50によれば、DC−DC変換回路11の出力両端に接続されたインダクタLr2とダイオードDcからなる直列回路と、その接続点とインバータ回路13の入力一端との間に、インダクタLr2と磁気結合されたインダクタLr3を接続する構成のインバータ電圧増大回路52を備えることで、インバータ回路13の極性反転時に発生する電圧の過大な上昇を防ぎ、回路に過剰なストレスを与えることなく、必要な再点弧電圧を確保して放電灯Laを安定に点灯させることができる。
実施の形態1〜5における放電灯点灯装置10〜50の回路構成は、前述したものに限定するものではなく、インバータ回路13又は43の入力端電圧、あるいはその一部をインダクタLr1で受け、磁気結合されたインダクタLr2に生じた電圧が、インダクタLr2を接続した電圧源の電圧を超えると、インバータ回路13又は43の入力電圧Vrを上昇させる要因となるエネルギーを電圧源側に送ることで、インバータ回路13又は43の入力電圧Vrを制限するような概念を有するいずれの構成であってもよい。
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6に係る灯具の概略構成を示す断面図、図8は、本発明の実施の形態6に係る灯具を備える車両の外観斜視図である。
図6において、灯具100は、前面が開口した略箱状の筐体101の内部に、ソケット102に装着された放電灯Laと、放電灯Laの光を前方に反射する反射板103と、グレアを防止する遮光板104を収納する構成であり、放電灯Laの発光光は、筐体101の前面の開口部に装着された透光カバー105を介して外部に照射される。
また、筐体101の下部外側には、実施の形態1〜5の各実施の形態に係る放電灯点灯装置10〜50のいずれかがケースに収納されて取付けられ、ケーブル106を介してソケット102に接続されている。この放電灯点灯装置10〜50のいずれかには、スイッチSW及びヒューズFを介してバッテリからなる直流電源PSが接続されている。
このように構成された灯具100は、例えば、図8に示す車両200の車体における前部の左右両側にそれぞれ前照灯として配設される、
このような本発明の実施の形態6によれば、ノイズを抑制するとともに、ちらつきや立ち消えがなく、寿命の長い灯具並びに車両を提供できる。
10、20、30、40、50 放電灯点灯装置
11、21、41 DC―DC変換回路
12、22、32、42、52 インバータ電圧増大回路
13、43 インバータ回路
14、34 始動回路
100 灯具
200 車両
C1、Cr、Cr1、Cr2 コンデンサ
D1、D2、Dc、Dr ダイオード
La 放電灯
Lr1〜Lr3 インダクタ
PS 直流電源
Q0〜Q4 スイッチング素子

Claims (10)

  1. 直流電源と、スイッチング素子のPWM信号によるスイッチング動作で前記直流電源の電圧を変換して直流電力を出力するDC−DC変換回路と、前記直流電力を前記DC−DC変換回路のスイッチング周波数に比べ低周波の交番電力に変換するインバータ回路と、放電灯に対して直列に接続された第1のインダクタを備え、前記交番電力により前記放電灯を点灯させる放電灯点灯装置であって、
    前記DC−DC変換回路の出力端と前記インバータ回路の入力端との間に接続された第2のインダクタと、
    前記インバータ回路の入力端間に接続された第1のコンデンサと、
    前記DC−DC変換回路の出力端間に接続され、前記第2のインダクタと磁気的に結合された第3のインダクタ、及び前記DC−DC変換回路から流れる電流を阻止する方向に接続された第1のダイオードからなる直列回路と、を備え、
    前記インバータ回路の交番電力が極性を反転した際に生じる一時的なピーク電圧を、前記極性が反転する前の電圧より高い所定の電圧に制限するようにした放電灯点灯装置。
  2. 請求項1に記載の放電灯点灯装置であって、更に、
    前記インバータ回路の出力端間に接続された第2のコンデンサと、
    前記第2のインダクタと並列に、前記DC−DC変換回路の出力端から前記インバータ回路の入力端に向かう順方向に接続された第2のダイオードと、
    を備える放電灯点灯装置。
  3. 請求項1に記載の放電灯点灯装置であって、
    前記第1のコンデンサに替えて、
    前記第2のインダクタと並列に接続された第3のコンデンサ
    を備える放電灯点灯装置。
  4. 直流電源と、スイッチング素子のPWM信号によるスイッチング動作で前記直流電源の電圧を変換して直流電力を出力するDC−DC変換回路と、前記直流電力を前記DC−DC変換回路のスイッチング周波数に比べ低周波の交番電力に変換するインバータ回路と、放電灯に対して直列に接続された第1のインダクタを備え、前記交番電力により前記放電灯を点灯させる放電灯点灯装置であって、
    前記DC−DC変換回路の出力端と前記インバータ回路の入力端との間に接続された第2のインダクタと、
    前記インバータ回路の入力端間に接続された第1のコンデンサと、
    前記直流電源に並列に接続され、前記第2のインダクタと磁気的に結合された第3のインダクタ、及び前記DC−DC変換回路から流れる電流を阻止する方向に接続された第1のダイオードからなる直列回路と、を備え、
    前記インバータ回路の交番電力が極性を反転した際に生じる一時的なピーク電圧を、前記極性が反転する前の電圧より高い所定の電圧に制限する放電灯点灯装置。
  5. 直流電源と、スイッチング素子のPWM信号によるスイッチング動作で前記直流電源の電圧を変換して直流電力を出力するDC−DC変換回路と、前記直流電力を前記DC−DC変換回路のスイッチング周波数に比べ低周波の交番電力に変換するインバータ回路と、放電灯に対して直列に接続された第1のインダクタを備え、前記交番電力により前記放電灯を点灯させる放電灯点灯装置であって、
    前記インバータ回路の出力端間に接続された第2のコンデンサと、
    前記インバータ回路の出力端間に接続され、第3のインダクタと前記DC−DC変換回路から流れる電流を阻止する方向に接続された第1のダイオードからなる直列回路と、
    前記直列回路の第3のインダクタ及び第1のダイオードの接続点と、前記インバータ回路の入力端との間に接続され、前記第3のインダクタと磁気的に結合された第4のインダクタと、を備え、
    前記インバータ回路の交番電力が極性を反転した際に生じる一時的なピーク電圧を、前記極性が反転する前の電圧より高い所定の電圧に制限する放電灯点灯装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の放電灯点灯装置であって、
    前記第1のインダクのインダクタンスをLp、前記DC−DC変換回路の出力電圧をV2、前記所定の電圧をVrc、とした場合に、
    前記第2のインダクタのインダクタンスは、
    算式、(1−V2/Vrc)×Lp
    によって求められる放電灯点灯装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の放電灯点灯装置であって、
    磁気飽和していないときの前記第2のインダクタのインダクタンスは、
    算式、(1−V2/Vrc)×Lp
    によって求められる値以上である放電灯点灯装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の放電灯点灯装置であって、
    前記DC−DC変換回路の出力端間のインピーダンスは、
    前記第1のコンデンサのインピーダンスの1/10以下である放電灯点灯装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の放電灯点灯装置を備えた灯具。
  10. 請求項9の灯具を搭載した車両。
JP2009077734A 2009-03-26 2009-03-26 放電灯点灯装置、灯具、及び車両 Withdrawn JP2010231996A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009077734A JP2010231996A (ja) 2009-03-26 2009-03-26 放電灯点灯装置、灯具、及び車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009077734A JP2010231996A (ja) 2009-03-26 2009-03-26 放電灯点灯装置、灯具、及び車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010231996A true JP2010231996A (ja) 2010-10-14

Family

ID=43047638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009077734A Withdrawn JP2010231996A (ja) 2009-03-26 2009-03-26 放電灯点灯装置、灯具、及び車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010231996A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8941321B2 (en) 2012-04-13 2015-01-27 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Discharge lamp lighting device, and illumination apparatus and vehicle including same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8941321B2 (en) 2012-04-13 2015-01-27 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Discharge lamp lighting device, and illumination apparatus and vehicle including same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5142403B2 (ja) 放電灯点灯装置、灯具、及び車両
JP2005295793A (ja) 力率補正回路
JP2013513357A (ja) インバータ用の移行モード整流
JP2005101016A (ja) 放電灯点灯装置及び車載用照明器具
CN100592613C (zh) Dc-dc变换器及使用其的高压放电灯点灯装置
JP2010231996A (ja) 放電灯点灯装置、灯具、及び車両
JP6065194B2 (ja) 放電灯点灯装置及びそれを備えた車載用照明装置並びに車両
JP5903635B2 (ja) 放電灯点灯装置及びそれを用いた前照灯
JP4380332B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置
JP2013110002A (ja) 放電灯点灯装置および、これを用いた車両用前照灯装置
JP2004282808A (ja) 電源装置及び放電灯点灯装置
US20090251061A1 (en) Apparatus for Operating at Least One Discharge Lamp
JP4280116B2 (ja) 電流検出回路
KR101376695B1 (ko) Dc-dc 컨버터 회로
KR100861676B1 (ko) 메탈 할라이드 램프용 전자식 안정기
JP4494875B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP2005073431A (ja) 電源装置、及び放電灯点灯装置
JP2004303501A (ja) 放電灯点灯装置と同放電灯点灯装置による放電灯点灯方法
KR100977464B1 (ko) 가스 방전 램프용 전자식 안정기의 안정화 제어 회로
JP5547907B2 (ja) 放電灯点灯装置及びそれを用いた車載用前照灯点灯装置
JPWO2008123274A1 (ja) 高輝度放電ランプ点灯装置
JP2006203996A (ja) Dc/dcコンバータ
JP2004303512A (ja) 放電灯点灯装置
JP2005073305A (ja) 高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置
JP2006331684A (ja) 放電灯の点灯装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120116

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120605