JP2005073305A - 高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置 - Google Patents
高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や負荷の動作異常が発生するのを防止した高周波インバータを提供する。
【解決手段】高周波インバータHFIは、デッドタイムを挟んで交互にスイッチングする一対のスイッチング素子Q1、Q2を含んで構成されたインバータ主回路INVと、その一対のスイッチング素子Q1、Q2の両方またはいずれか一方、インダクタL1および帰還回路FBCを含むチョッパ回路BUCと、一対のスイッチング素子Q1、Q2のスイッチングにおけるオンデューティまたはデッドタイムを制御する制御手段CCと、一対のスイッチング素子Q1、Q2のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないか、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するリミッタLMとを具備している。
【選択図】図1
【解決手段】高周波インバータHFIは、デッドタイムを挟んで交互にスイッチングする一対のスイッチング素子Q1、Q2を含んで構成されたインバータ主回路INVと、その一対のスイッチング素子Q1、Q2の両方またはいずれか一方、インダクタL1および帰還回路FBCを含むチョッパ回路BUCと、一対のスイッチング素子Q1、Q2のスイッチングにおけるオンデューティまたはデッドタイムを制御する制御手段CCと、一対のスイッチング素子Q1、Q2のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないか、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するリミッタLMとを具備している。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交互にスイッチングする一対のスイッチング素子を備えた高周波インバータおよびこれを備えた放電ランプ点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
交互にスイッチングする一対のスイッチング素子を備えた高周波インバータにおいて、一対のスイッチング素子をチョッパのスイッチング素子として兼用して昇圧チョッパを複合化した放電ランプ点灯装置は、既に知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このものは高周波インバータのスイッチング素子とチョッパ回路のスイッチング素子を兼用するので、配線基板の実装面積を小さくして装置の小形、軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0003】
また、昇圧チョッパを複合化した放電ランプ点灯装置において、スイッチング素子をPWM制御することにより、高周波出力の調整機能を付与することができる。この高周波出力の調整機能を利用することにより、電源電圧変動や負荷変動に対して負荷への出力を調整して一定化したり、調光など高周波出力調節を行ったりすることが可能になる。
【0004】
【非特許文献1】
日本照明学会2000年5月発行「照明学会誌 第84巻第5号」第273〜280頁
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種のPWM制御において、オンデューティをある値以下にする、あるいは一対のスイッチング素子によるオン期間の間のデッドタイムをある値以上にすると、出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下、明るさのちらつきや負荷の放電ランプの立ち消えなどが発生するという問題があった。
【0005】
本発明は、オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や負荷の動作異常が発生するのを防止した高周波インバータを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や放電ランプの明るさのちらつきや立ち消えなどの動作異常が発生するのを防止して安定な点灯を維持する放電ランプ点灯装置を提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の高周波インバータは、デッドタイムを挟んで交互にスイッチングする一対のスイッチング素子を含んで構成されたインバータ主回路と;
インバータ主回路における一対のスイッチング素子の両方またはいずれか一方、インダクタおよび帰還回路を含むチョッパ回路と;一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティまたはデッドタイムを制御する制御手段と;一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するリミッタと;を具備していることを特徴としている。
【0008】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0009】
<高周波インバータについて> 本発明において、「高周波」とは、周波数1kHz以上、好ましくは可聴周波数の限界を超える20kHz以上、より好ましくはリモコンの搬送周波数より高い40kHz以上をいう。「インバータ」とは、交流−交流間変換装置をいい、本発明において「高周波インバータ」とは、低周波交流を高周波交流に変換する回路手段を意味する。
【0010】
<インバータ主回路について> 本発明におけるインバータ主回路は、少なくともデッドタイムを挟んで高周波で交互にスイッチングする一対のスイッチング素子およびスイッチング素子を駆動するための駆動信号発生回路を備えていて、高周波出力を発生するインバータ主回路であればどのような構成であってもよい。例えば、ハーフブリッジ形インバータ、フルブリッジ形インバータ、中性点降圧形インバータなどを用いることができる。なお、ハーフブリッジ形インバータは、順方向に揃えて直列接続した一対のスイッチング素子を直流電源(平滑コンデンサを含む。)に接続してなり、一対のスイッチング素子の交互スイッチングによって高周波出力を得る構成である。また、フルブリッジ形インバータは、ブリッジ回路の4辺にスイッチング素子が接続していて、互いに対向する2辺のスイッチング素子を交互にスイッチングさせ、入力端に直流電圧を接続して、出力端から交流出力を得る構成である。さらに、中性点降圧形インバータは、低周波交流を整流して直流に変換するとともに、直流をスイッチングによって高周波に変換する手段であり、一対のスイッチング素子の直列回路と一対の整流素子の直列回路とを並列接続してブリッジ回路を形成して、そのブリッジ回路の交流入力端に低周波交流電源を接続した構成において、一対のスイッチング素子の交互スイッチングによって高周波出力を得る構成である。そして、低周波交流を直流に変換するには、主として一対の整流素子が作用する。また、直流を高周波に変換するには、一対のスイッチング素子が作用する。
【0011】
本発明において、インバータ主回路における一対のスイッチング素子は、直接直列接続している態様および他の回路素子、例えば抵抗器などを介して間接的に直列接続した態様のいずれであってもよい。また、一対のスイッチング素子および一対の整流素子は、機能上一対として作用することができればよく、一対の両方またはいずれか一方がそれぞれ複数の素子により構成されていることを許容する。さらに、スイッチング素子は、高周波でスイッチング可能な可制御なスイッチング素子であれば、どのような構成であってもよく、例えばバイポーラトランジスタ、FETなどを用いることができる。
【0012】
また、駆動信号発生回路は、スイッチング素子のスイッチングを制御するための駆動信号を発生してスイッチング素子に供給する手段である。したがって、駆動信号発生回路には、スイッチング素子の構成に応じて既知の回路を適宜選択して用いればよい。
【0013】
<チョッパ回路について> 本発明において、「チョッパ回路」とは、直流電流のスイッチングによりインダクタの両端間に生じる逆起電力を帰還して、ある電圧の直流電圧を電圧の異なる他の直流電圧に変換する手段をいう。そして、降圧形、昇圧形、逆極性形などいずれの形式のチョッパ回路であってもよい。インダクタは、チョッパ専用であってもよいし、出力用トランスを兼ねていてもよい。逆起電力を帰還するための帰還回路は、どのような構成であってもよい。なお、直流電流のスイッチングは、インバータ主回路における一対のスイッチング素子の両方またはいずれか一方が兼用される。
【0014】
<制御手段について> 制御手段は、一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティまたはデッドタイム比を制御する手段であり、所望に応じて電源電圧や出力電圧に応動したり、外部信号に応動して上記オンデューティまたはデッドタイム比を制御するように構成することができる。オンデューティを制御する場合、スイッチングの周期が一定であるがオン時間とオフ時間との比率すなわちオンデューティ比を変化させる。デッドタイム比を制御する場合、例えばオン時間が一定であるがデッドタイムを変化させる。したがって、後者の例の場合には周期が変化する。
【0015】
また、制御手段は、例えばスイッチング素子の駆動信号を発生する駆動信号発生回路を制御して、その発生する駆動信号の発生位相や周期したがって周波数を制御することにより、一対のスイッチング素子のスイッチングを制御する。
【0016】
<リミッタについて> リミッタは、一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限する手段であり、所定値は予め適切な値に定めることができる。なお、オンデューティは、スイッチングの1周期に対するオン期間の比をいう。また、デッドタイム比は、デッドタイムの1周期に対するオン期間の比をいう。しかし、所定値として好適な値は、本発明者の検討によると、オンデューティでは20%、デッドタイム比では30%であった。
【0017】
オンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するために用いるリミッタとしては、具体的な構成が特段限定されないが、例えば以下のように構成することができる。すなわち、制御手段とスイッチング素子の駆動回路との間にリミッタを介在させて、PWM制御やデッドタイム比制御のための制御信号が所定値範囲から逸脱するような値でスイッチング素子の駆動信号発生回路に制御入力しようとしても、これを阻止して安定な動作状態を維持するように構成する。さらに具体的に説明すれば、このためのリミッタは、例えばコンパレータ、鋸歯状ないし三角波などの掃引波形発生回路およびリミッタ値決定回路により構成することができる。コンパレータの出力により駆動回路を作動させ、コンパレータの一方の入力端子に掃引波形発生回路の出力を供給し、他方の入力端子にリミッタ値決定回路を経由してオンデューティやデッドタイム比を制御するための制御信号源としての制御手段を接続する。なお、「リミッタ値決定回路を経由」するとは、制御信号がリミッタ値を超えている場合にのみ当該制御信号を通過させるが、超えていない場合にはリミッタ値が入力される意味である。したがって、制御信号がリミッタ値決定回路から供給されるリミッタ値以下のときであっても、コンパレータはリミッタ値による出力を生じる。
【0018】
<本発明の作用について> 本発明においては、以上の構成を具備していることにより、インバータ主回路およびチョッパ回路の両者を兼ねるスイッチング素子の制御信号が所定値範囲から逸脱するような値であっても、制御手段とスイッチング素子の駆動回路との間に介在させたリミッタが、当該制御信号がスイッチング素子の駆動信号発生回路に制御入力するのを阻止するので、高周波インバータの出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や動作異常が発生するのを防止して安定な高周波電圧発生動作を維持することができる。
【0019】
請求項2の発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1記載の高周波インバータと;高周波インバータにより発生した高周波出力電圧に共振する共振回路を備えた負荷回路と;負荷回路に接続した放電ランプと;を具備していることを特徴としている。
【0020】
<負荷回路について> 負荷回路は、インバータ主回路の高周波交流電圧の出力に共振する共振回路を備えている。また、負荷回路は、インバータ主回路の高周波交流電圧が得られる回路上の適当な位置に接続することができる。例えば、インバータ主回路がハーフブリッジ形インバータや中性点降圧形インバータを構成する場合には、一対のスイッチング素子における一方の両端間に接続された負荷回路中に放電ランプを接続することができる。また、中性点降圧形インバータの場合には、低周波交流電源と直列接続するチョッパ回路のインダクタを共振インダクタとするとともに共振コンデンサを附加して共振回路を形成することにより負荷回路を構成して、上記インダクタと直列または並列に負荷を接続することもできる。なお、上記の接続態様において、高周波成分のみを選択して抽出するために、インダクタに2次巻線を巻装して出力トランスを構成し、当該出力トランスを経由して放電ランプを付勢することができる。
【0021】
共振回路は、一対のスイッチング素子の交互スイッチングにより発生した高周波電圧に共振する。そして、共振インダクタおよび共振コンデンサにより形成されている。なお、「インダクタ」とは、インダクタンスを有する回路手段を意味し、チョークコイルのようなものに限定されない。したがって、1次側から見て適当なインダクタンスを有すればトランスなどであってもよい。そうして、共振回路は、放電ランプの始動時には共振により高電圧を形成して、これを放電ランプに印加することにより始動を促進するとともに、共振によって高周波電圧の波形を正弦波に整形する。
【0022】
また、放電ランプの始動のために、負荷回路の共振回路による共振電圧だけでは不足の場合には、別設のイグナイタをそこから発生する高電圧パルスが放電ランプに印加されるように負荷回路に接続することができる。
【0023】
<放電ランプについて> 放電ランプは、どのようなものでもよく、例えば蛍光ランプなどの低圧放電ランプやメタルハライドランプなどの高圧放電ランプを用いることができる。なお、低圧放電ランプは、熱陰極形電極および冷陰極形電極のいずれを封装しているものであってもよい。
【0024】
また、放電ランプは、高周波電圧の共振出力が印加されるような負荷回路上の適当な位置に接続される。なお、負荷回路に接続される放電ランプの数は複数であってもよい。
【0025】
<本発明の作用について> 本発明は、以上の構成を具備していることにより、放電ランプの明るさのちらつきや立ち消えなどの動作異常が発生するのを防止して安定な点灯を維持させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1ないし図4は、本発明の高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置における第1の実施の形態を示し、図1は装置全体を示す回路図、図2は要部を示す回路図、図3はスイッチング素子の駆動信号を説明する波形図、図4は高周波インバータの出力特性を示すグラフである。本実施の形態において、放電ランプ点灯装置は、高周波インバータHFI、負荷回路LCおよび放電ランプDLからなる。
【0028】
<高周波インバータINV> 高周波インバータHFIは、インバータ主回路INV、チョッパ回路BUC、制御手段CC、リミッタLM、平滑コンデンサC1からなり、その入力端子t1およびt2が低周波交流電源ACに接続し、負荷回路LCを介して放電ランプDLを高周波点灯する。
【0029】
(インバータ主回路INV) は、中性点形降圧インバータ回路を構成しており、一対のスイッチング素子Q1、Q2の直列回路と、一対の整流素子D1、D2の直列回路とを順方向の閉回路を形成するように並列接続して形成され、一対のスイッチング素子Q1、Q2の接続点j1と、一対の整流素子D1、D2の接続点j2との間が交流入力端となる。そして、交流入力端j1、j2には、後述するチョッパ回路BUCのインダクタL1を直列に介して低周波交流電源ACが接続している。
【0030】
また、インバータ主回路INVは、駆動信号発生回路DCを備えている。そして、一対のスイッチィング素子Q1、Q2が駆動信号発生回路DCから発生する駆動信号を供給されて高周波でスイッチングを行う。
【0031】
(チョッパ回路BUC) チョッパ回路BUCは、インダクタL1、帰還回路FBCおよび一対のスイッチング素子Q1、Q2からなり、後述する平滑コンデンサC1を充電する。インダクタL1は、ブリッジ形整流・変換回路BRCの交流入力端j1、j2において高周波交流電源ACと直列接続している。帰還回路FBCは、2つの整流素子D3、D4からなり、一対のスイッチング素子Q1、Q2に逆並列接続している。したがって、帰還回路の2つの整流素子D3、D4は、一対のスイッチング素子Q1、Q2がMOSFETからなる場合、MOSFETのドレイン・ソース間に等価的に逆並列接続する寄生ダイオードを利用することができる。帰還回路FBCからの帰還出力は、整流素子D3のアノード側の接続点j3と、整流素子D4のカソード側の接続点j4との間に現れる。
【0032】
(制御手段CC) 制御手段CCは、一対のスイッチング素子Q1、Q2の交互スイッチングに対してPWM制御を加えるためにPWM制御信号を発生する回路手段である。PWM制御信号は、電源電圧の変動に応じて駆動信号のオンデューティを所要に制御することにより、高周波インバータの電源変動率を改善することができる。
【0033】
(リミッタLM) リミッタLMは、図1に示すように、制御手段CCとインバータ主回路INVの駆動信号発生回路DCとの間に介在しており、また図2に示すように、コンパレータCP、掃引波形発生回路SSGおよびリミッタ値決定回路LDCからなる。コンパレータCPは、演算増幅器からなり、一対の制御入力端子および単一の出力端子を有している。出力端子は、駆動回路の制御入力端に接続している。そして、コンパレータCPの出力信号は、駆動信号のオンデューティを制御する。掃引波形発生回路SSGは、繰り返し周波数がスイッチング素子Q1、Q2のスイッチング周波数に等しい鋸歯状波を発生し、コンパレータCPの一方の制御入力端子に入力する。リミッタ値決定回路LVDは、オンデューティの下限値を決定するもので、リミッタ値と制御信号が比較されて制御信号がリミッタ値より大きいときには制御信号がコンパレータCPの他方の制御入力端子に供給されるが、反対にリミッタ値の方が制御信号より大きいときには、当該リミッタ値がコンパレータCPの他方の制御入力端子に供給されるように構成されている。
【0034】
(平滑コンデンサC1) 平滑コンデンサC1は、電解コンデンサからなり、帰還回路FBCの帰還出力が現れる接続点j3、j4間に接続していて、帰還出力により充電される。
【0035】
<負荷回路LC> 負荷回路LCは、直流カットコンデンサC2および共振回路RCの直列回路を備えているとともに、その直列回路の両端がスイッチング素子Q2に並列接続して形成された閉回路により構成されている。直流カットコンデンサC2は、その一端がスイッチング素子Q1およびQ2の接続点に接続し、他端が共振回路RCに接続している。共振回路RCは、共振インダクタL2および共振コンデンサC3の直列回路からなる。
【0036】
<放電ランプDL> 放電ランプDLは、例えば蛍光ランプからなり、負荷回路LCの共振コンデンサC3に並列接続している。
【0037】
<回路動作> 次に、本実施の形態における回路動作について説明する。
【0038】
まず、最初に通常の回路動作について説明する。すなわち、低周波交流電源ACを投入したときに、低周波交流電源ACの極性が高周波インバータHFIの入力端子t2が正の電圧になる場合であると、高周波インバータHFIは、インバータ主回路INVの整流素子D1に対して順方向になる極性において、一対のスイッチング素子Q1、Q2が高周波で交互にスイッチングを行うと、スイッチング素子Q1がオン時に低周波交流電源AC→インバータ主回路INVの整流素子D1→スイッチング素子Q1→チョッパ回路BUCのインダクタL1→低周波交流電源ACの閉回路を電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積される。
【0039】
上記に続いてスイッチング素子Q1がオフすると、チョッパ回路BUCのインダクタL1に蓄積された電磁エネルギーが放出されて逆起電力がインダクタL1の両端に現れる。この逆起電力によってインダクタL1→低周波交流電源AC→整流素子D1→平滑コンデンサC1→帰還回路FBCの整流素子D4→インダクタL1の閉回路を電流が流れ、平滑コンデンサC1が充電される。
【0040】
以上の回路動作において、チョッパ回路BUCが昇圧チョッパとして動作するので、平滑コンデンサC1の充電電圧は、スイッチング素子Q1のオンデューティに比例的に依存するものの昇圧されてインダクタL1の降下電圧より高くなる。
【0041】
一方、平滑コンデンサC1の充電電荷は、以下に説明するように放電する。そして、一対のスイッチング素子Q1、Q2および負荷回路LCは、ハーフブリッジ形インバータとして動作して放電ランプDLを高周波点灯する。すなわち、スイッチング素子Q1がオンすると、平滑コンデンサC1→スイッチング素子Q1→負荷回路LCの直流カットコンデンサC2→共振インダクタL2→共振コンデンサC3→平滑コンデンサC1の閉回路を平滑コンデンサC1の放電電流が流れ、共振インダクタL2に電磁エネルギーが蓄積されるとともに、共振コンデンサC3が充電される。
【0042】
次に、スイッチング素子Q1がオフすると、インダクタL2に逆起電力が生じて、共振インダクタL2→共振コンデンサC3→帰還回路FBCの整流素子D4→直流カットコンデンサC2→共振インダクタL2の閉回路を電流が流れてインダクタL2蓄積された電磁エネルギーが放出され、共振コンデンサC3は、さらに充電される。
【0043】
続いてスイッチング素子Q2がオンすると、共振コンデンサC3に蓄積されていた電荷が放出されて共振コンデンサC3→共振インダクタL2→直流カットコンデンサC2→スイッチング素子Q2→共振コンデンサC3の閉回路を電流が流れる。
【0044】
低周波交流電源の極性が同じ半波の間、以上の回路動作が繰り返えされることによって、負荷回路LCの共振コンデンサC3に並列接続する放電ランプDLは、共振コンデンサC3の両端に現れる高周波交流電圧の共振電圧が印加されるので、始動し、その後引き続いて高周波点灯する。
【0045】
次に、低周波交流電源ACの極性が反転して高周波インバータHFIの入力端子t1が正の電圧になると、高周波インバータHFIは、インバータ主回路INVの整流素子D2に対して順方向になり、一対のスイッチング素子Q1、Q2が高周波で交互にスイッチングを行うと、スイッチング素子Q2がオン時に低周波交流電源AC→チョッパ回路BUCのインダクタL1→スイッチング素子Q2→整流素子D2→低周波交流電源ACの閉回路を電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積される。
【0046】
上記に続いてスイッチング素子Q2がオフすると、チョッパ回路BUCのインダクタL1に蓄積された電磁エネルギーが放出されて逆起電力がインダクタL1の両端に現れる。この逆起電力によってインダクタL1→帰還回路FBCの整流素子D3→平滑コンデンサC1→整流素子D2→インダクタL1の閉回路を電流が流れ、平滑コンデンサC1が充電される。
【0047】
以上の回路動作において、チョッパ回路BUCが昇圧チョッパとして動作するので、平滑コンデンサC1の充電電圧は、オンデューティに比例的に依存するものの昇圧されてインダクタL1の電圧降下より高くなる。
【0048】
一方、平滑コンデンサC1の充電電荷は、前述と同様に放電する。
【0049】
次に、高周波インバータHFIのPWM制御における保護動作について説明する。以上説明した回路動作において、高周波インバータHFIの一対のスイッチング素子Q1、Q2は、そのスイッチングが駆動信号により制御され、図3に示すようにスイッチング素子Q1に供給する駆動信号S1と、スイッチング素子Q2に供給する駆動信号S2との間にはデッドタイムtDがある。駆動信号S1、S2は、駆動信号発生回路DCから発生し、時間tONの間スイッチング素子Q1、Q2をそれぞれオンさせ、時間tOFFの間オフする。駆動信号発生回路DCが発生する駆動信号は、制御手段から送出される制御信号によりスイッチング素子Q1、Q2のオン時間tONおよびオフ時間tOFFの時間幅を変化させてPWM制御を行う。PWM制御において、オンデューティはtON/(tON+tOFF)(%)であり、デッドタイム比はtD/(tON+tOFF)(%)である。
【0050】
本実施の形態においては、オンデューティの値がリミッタLMを経由して予め定められた一定の範囲内において制御手段CCにより制御される。リミッタLMのリミッタ値決定回路LDCは、本実施の形態において、リミッタ値をオンデューティが30%になるような値に設定されている。すなわち、図3において、制御信号S1、S2の値がリミッタLMのリミッタ値決定回路LDCにより設定されるリミッタ値より大きいときには当該制御信号が駆動信号発生回路DCに制御入力する。しかし、制御信号S1、S2がリミッタ値以下のときには当該制御信号は駆動信号発生回路DCに制御入力されないで、その代わりリミッタ値が制御入力する。したがって、放電ランプDLに現れるランプ電圧は、制御信号S1、S2の如何にかかわらず高周波インバータHFIの出力波形が乱れるようなことがなくなり、常に図4において直線B以上の領域が示す安定動作域において動作することになる。したがって、図4において直線B未満の領域が示す不安定動作域に陥るようなことがなくなる。なお、図4において、横軸は電源電圧を、縦軸はオンデューティを、それぞれ示す。また、曲線Aは、高周波インバータHFIの出力特性を示している。
【0051】
以下、図5ないし図8を参照して本発明におけるその他の実施の形態について説明する。なお、各図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0052】
図5は、本発明の放電ランプ点灯装置における第2の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態は、高周波インバータHFIのインバータ主回路INVがハーフブリッジ形インバータである点で図1と異なる。すなわち、高周波インバータHFIのインバータ主回路INVは、直列接続した一対のスイッチング素子Q1、Q2を主体として構成され、直流電源DCの正極がチョッパ回路BUCのインダクタL1を介して一対のスイッチング素子Q1、Q2の接続点j1に接続し、負極がスイッチング素子Q2のソースに接続している。
【0053】
チョッパ回路BUCは、インダクタL1、帰還回路FBCおよびスイッチング素子Q2により昇圧チョッパとして構成されている。帰還回路FBCは、図示の回路上の位置に接続した整流素子D3により構成されている。
【0054】
次に、回路動作について説明する。直流電源DCを投入すると、スイッチング素子Q2がオンしたときに、直流電源DCの正極→インダクタL1→直流電源DCの負極の閉回路内を電流が流れ、インダクタL1はその内部に電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q2がオフすると、インダクタL1に蓄積された電磁エネルギーがインダクタL1→整流素子D3→平滑コンデンサC1→直流電源DCの負極→インダクタL1の閉回路内を電流が流れ、平滑コンデンサC1は充電される。
【0055】
次に、スイッチング素子Q1がオンすると、平滑コンデンサC1→スイッチング素子Q1→直流カットコンデンサC2→共振回路RC→平滑コンデンサC1の閉回路内を平滑コンデンサC1の充電電荷の放電電流が流れ、共振回路RCの共振コンデンサC3が充電される。続いてスイッチング素子Q2がオンすると、コンデンサC3→インダクタL2→直流カットコンデンサC2→スイッチング素子Q2→コンデンサC3の閉回路内をコンデンサC3の蓄積電荷が放電する。
【0056】
負荷回路LCにおいて共振コンデンサC3に並列接続している放電ランプDLは、コンデンサC3の両端間に現れる高周波交流電圧の共振電圧が印加されて始動し、点灯する。
【0057】
図6は、本発明の放電ランプ点灯装置における第3の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態は、直流電源DCの極性が反対である点で図5と異なる。すなわち、直流電源DCは、その正極が整流素子D5を順方向に介してスイッチング素子Q1のドレインおよび平滑コンデンサC1の正極に接続し、負極がチョッパ回路BUCのインダクタL1を介して一対のスイッチング素子Q1、Q2の接続点j1に接続している。
【0058】
チョッパ回路BUCは、帰還回路FBCが図示の回路上の位置に接続した整流素子D4およびD5により構成されている。
【0059】
次に、回路動作について説明する。直流電源DCを投入すると、スイッチング素子Q1がオンしたときに、直流電源DCの正極→整流素子D5→スイッチング素子Q1→インダクタL1→直流電源DCの負極の閉回路内を電流が流れ、インダクタL1はその内部に電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1がオフすると、インダクタL1に蓄積された電磁エネルギーがインダクタL1→直流電源DC→整流素子D5→平滑コンデンサC1→整流素子D2→インダクタL1の閉回路内を電流が流れ、平滑コンデンサC1は充電される。
【0060】
平滑コンデンサC1の充電電荷の放電による一対のスイッチング素子Q1、Q2の交互スイッチングによるハーフブリッジ形インバータとしての動作およびその結果としての放電ランプDLの始動、点灯については図5の実施の形態におけるのと同様である。
【0061】
図7は、本発明の放電ランプ点灯装置における第4の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態は、直流電源DCに代えて低周波交流電源AC、ブリッジ形整流回路BRCおよび高周波バイパスコンデンサC4を用いている点で図5と異なる。
【0062】
すなわち、低周波交流電源ACは、ブリッジ形整流回路BRCの交流入力端間に接続している。ブリッジ形整流回路BRCの直流出力端は、図5の直流電源DCと同様に接続している。高周波バイパスコンデンサC4は、ブリッジ形整流回路BRCの直流出力端間に並列接続している。したがって、回路動作は、図5と基本的には同様である。しかし、チョッパ回路BUCの帰還回路FBCは、整流素子D3およびブリッジ形整流回路BRCにより構成されている。
【0063】
図8は、本発明の放電ランプ点灯装置における第5の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態は、直流電源DCおよび整流素子D5に代えて低周波交流電源AC、ブリッジ形整流回路BRCおよび高周波バイパスコンデンサC4を用いている点で図6と異なる。したがって、回路動作は、図6と概ね同様である。しかし、チョッパ回路BUCの帰還回路FBCは、整流素子D4およびブリッジ形整流回路BRCにより構成されている。
【0064】
以上の各実施の形態において、リミッタLMの構成および作用は図1および図3に示し、かつ、説明したのと同様である。
【0065】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するリミッタを具備していることにより、オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や負荷の動作異常が発生するのを防止した高周波インバータを提供することができる。
【0066】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の高周波インバータと、高周波インバータにより発生した高周波出力電圧に共振する共振回路を備えた負荷回路と、負荷回路に接続した放電ランプとを具備していることにより、オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって放電ランプの明るさのちらつきや立ち消えなどの動作異常が発生するのを防止して安全な点灯を維持する放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置における第1の実施の形態の装置全体を示す回路図
【図2】同じく要部を示す回路図
【図3】同じくスイッチング素子の駆動信号を説明する波形図
【図4】同じく高周波インバータの出力特性を示すグラフ
【図5】本発明の放電ランプ点灯装置における第2の実施の形態を示す回路図
【図6】本発明の放電ランプ点灯装置における第3の実施の形態を示す回路図
【図7】本発明の放電ランプ点灯装置における第4の実施の形態を示す回路図
【図8】本発明の放電ランプ点灯装置における第5の実施の形態を示す回路図
【符号の説明】
BUC…チョッパ回路、C1…平滑コンデンサ、C2…直流カットコンデンサ、C3…共振コンデンサ、CC…制御手段、D1〜D4……整流素子、DC……駆動信号発生回路、DL…放電ランプ、FBC…帰還回路、HFI…高周波インバータ、INV…インバータ主回路、L1…インダクタ、L2…共振インダクタ、LC…負荷回路、LM…リミッタ、Q1、Q2…スイッチング素子、RC…共振回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、交互にスイッチングする一対のスイッチング素子を備えた高周波インバータおよびこれを備えた放電ランプ点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
交互にスイッチングする一対のスイッチング素子を備えた高周波インバータにおいて、一対のスイッチング素子をチョッパのスイッチング素子として兼用して昇圧チョッパを複合化した放電ランプ点灯装置は、既に知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このものは高周波インバータのスイッチング素子とチョッパ回路のスイッチング素子を兼用するので、配線基板の実装面積を小さくして装置の小形、軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0003】
また、昇圧チョッパを複合化した放電ランプ点灯装置において、スイッチング素子をPWM制御することにより、高周波出力の調整機能を付与することができる。この高周波出力の調整機能を利用することにより、電源電圧変動や負荷変動に対して負荷への出力を調整して一定化したり、調光など高周波出力調節を行ったりすることが可能になる。
【0004】
【非特許文献1】
日本照明学会2000年5月発行「照明学会誌 第84巻第5号」第273〜280頁
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種のPWM制御において、オンデューティをある値以下にする、あるいは一対のスイッチング素子によるオン期間の間のデッドタイムをある値以上にすると、出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下、明るさのちらつきや負荷の放電ランプの立ち消えなどが発生するという問題があった。
【0005】
本発明は、オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や負荷の動作異常が発生するのを防止した高周波インバータを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や放電ランプの明るさのちらつきや立ち消えなどの動作異常が発生するのを防止して安定な点灯を維持する放電ランプ点灯装置を提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の高周波インバータは、デッドタイムを挟んで交互にスイッチングする一対のスイッチング素子を含んで構成されたインバータ主回路と;
インバータ主回路における一対のスイッチング素子の両方またはいずれか一方、インダクタおよび帰還回路を含むチョッパ回路と;一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティまたはデッドタイムを制御する制御手段と;一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するリミッタと;を具備していることを特徴としている。
【0008】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0009】
<高周波インバータについて> 本発明において、「高周波」とは、周波数1kHz以上、好ましくは可聴周波数の限界を超える20kHz以上、より好ましくはリモコンの搬送周波数より高い40kHz以上をいう。「インバータ」とは、交流−交流間変換装置をいい、本発明において「高周波インバータ」とは、低周波交流を高周波交流に変換する回路手段を意味する。
【0010】
<インバータ主回路について> 本発明におけるインバータ主回路は、少なくともデッドタイムを挟んで高周波で交互にスイッチングする一対のスイッチング素子およびスイッチング素子を駆動するための駆動信号発生回路を備えていて、高周波出力を発生するインバータ主回路であればどのような構成であってもよい。例えば、ハーフブリッジ形インバータ、フルブリッジ形インバータ、中性点降圧形インバータなどを用いることができる。なお、ハーフブリッジ形インバータは、順方向に揃えて直列接続した一対のスイッチング素子を直流電源(平滑コンデンサを含む。)に接続してなり、一対のスイッチング素子の交互スイッチングによって高周波出力を得る構成である。また、フルブリッジ形インバータは、ブリッジ回路の4辺にスイッチング素子が接続していて、互いに対向する2辺のスイッチング素子を交互にスイッチングさせ、入力端に直流電圧を接続して、出力端から交流出力を得る構成である。さらに、中性点降圧形インバータは、低周波交流を整流して直流に変換するとともに、直流をスイッチングによって高周波に変換する手段であり、一対のスイッチング素子の直列回路と一対の整流素子の直列回路とを並列接続してブリッジ回路を形成して、そのブリッジ回路の交流入力端に低周波交流電源を接続した構成において、一対のスイッチング素子の交互スイッチングによって高周波出力を得る構成である。そして、低周波交流を直流に変換するには、主として一対の整流素子が作用する。また、直流を高周波に変換するには、一対のスイッチング素子が作用する。
【0011】
本発明において、インバータ主回路における一対のスイッチング素子は、直接直列接続している態様および他の回路素子、例えば抵抗器などを介して間接的に直列接続した態様のいずれであってもよい。また、一対のスイッチング素子および一対の整流素子は、機能上一対として作用することができればよく、一対の両方またはいずれか一方がそれぞれ複数の素子により構成されていることを許容する。さらに、スイッチング素子は、高周波でスイッチング可能な可制御なスイッチング素子であれば、どのような構成であってもよく、例えばバイポーラトランジスタ、FETなどを用いることができる。
【0012】
また、駆動信号発生回路は、スイッチング素子のスイッチングを制御するための駆動信号を発生してスイッチング素子に供給する手段である。したがって、駆動信号発生回路には、スイッチング素子の構成に応じて既知の回路を適宜選択して用いればよい。
【0013】
<チョッパ回路について> 本発明において、「チョッパ回路」とは、直流電流のスイッチングによりインダクタの両端間に生じる逆起電力を帰還して、ある電圧の直流電圧を電圧の異なる他の直流電圧に変換する手段をいう。そして、降圧形、昇圧形、逆極性形などいずれの形式のチョッパ回路であってもよい。インダクタは、チョッパ専用であってもよいし、出力用トランスを兼ねていてもよい。逆起電力を帰還するための帰還回路は、どのような構成であってもよい。なお、直流電流のスイッチングは、インバータ主回路における一対のスイッチング素子の両方またはいずれか一方が兼用される。
【0014】
<制御手段について> 制御手段は、一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティまたはデッドタイム比を制御する手段であり、所望に応じて電源電圧や出力電圧に応動したり、外部信号に応動して上記オンデューティまたはデッドタイム比を制御するように構成することができる。オンデューティを制御する場合、スイッチングの周期が一定であるがオン時間とオフ時間との比率すなわちオンデューティ比を変化させる。デッドタイム比を制御する場合、例えばオン時間が一定であるがデッドタイムを変化させる。したがって、後者の例の場合には周期が変化する。
【0015】
また、制御手段は、例えばスイッチング素子の駆動信号を発生する駆動信号発生回路を制御して、その発生する駆動信号の発生位相や周期したがって周波数を制御することにより、一対のスイッチング素子のスイッチングを制御する。
【0016】
<リミッタについて> リミッタは、一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限する手段であり、所定値は予め適切な値に定めることができる。なお、オンデューティは、スイッチングの1周期に対するオン期間の比をいう。また、デッドタイム比は、デッドタイムの1周期に対するオン期間の比をいう。しかし、所定値として好適な値は、本発明者の検討によると、オンデューティでは20%、デッドタイム比では30%であった。
【0017】
オンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するために用いるリミッタとしては、具体的な構成が特段限定されないが、例えば以下のように構成することができる。すなわち、制御手段とスイッチング素子の駆動回路との間にリミッタを介在させて、PWM制御やデッドタイム比制御のための制御信号が所定値範囲から逸脱するような値でスイッチング素子の駆動信号発生回路に制御入力しようとしても、これを阻止して安定な動作状態を維持するように構成する。さらに具体的に説明すれば、このためのリミッタは、例えばコンパレータ、鋸歯状ないし三角波などの掃引波形発生回路およびリミッタ値決定回路により構成することができる。コンパレータの出力により駆動回路を作動させ、コンパレータの一方の入力端子に掃引波形発生回路の出力を供給し、他方の入力端子にリミッタ値決定回路を経由してオンデューティやデッドタイム比を制御するための制御信号源としての制御手段を接続する。なお、「リミッタ値決定回路を経由」するとは、制御信号がリミッタ値を超えている場合にのみ当該制御信号を通過させるが、超えていない場合にはリミッタ値が入力される意味である。したがって、制御信号がリミッタ値決定回路から供給されるリミッタ値以下のときであっても、コンパレータはリミッタ値による出力を生じる。
【0018】
<本発明の作用について> 本発明においては、以上の構成を具備していることにより、インバータ主回路およびチョッパ回路の両者を兼ねるスイッチング素子の制御信号が所定値範囲から逸脱するような値であっても、制御手段とスイッチング素子の駆動回路との間に介在させたリミッタが、当該制御信号がスイッチング素子の駆動信号発生回路に制御入力するのを阻止するので、高周波インバータの出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や動作異常が発生するのを防止して安定な高周波電圧発生動作を維持することができる。
【0019】
請求項2の発明の放電ランプ点灯装置は、請求項1記載の高周波インバータと;高周波インバータにより発生した高周波出力電圧に共振する共振回路を備えた負荷回路と;負荷回路に接続した放電ランプと;を具備していることを特徴としている。
【0020】
<負荷回路について> 負荷回路は、インバータ主回路の高周波交流電圧の出力に共振する共振回路を備えている。また、負荷回路は、インバータ主回路の高周波交流電圧が得られる回路上の適当な位置に接続することができる。例えば、インバータ主回路がハーフブリッジ形インバータや中性点降圧形インバータを構成する場合には、一対のスイッチング素子における一方の両端間に接続された負荷回路中に放電ランプを接続することができる。また、中性点降圧形インバータの場合には、低周波交流電源と直列接続するチョッパ回路のインダクタを共振インダクタとするとともに共振コンデンサを附加して共振回路を形成することにより負荷回路を構成して、上記インダクタと直列または並列に負荷を接続することもできる。なお、上記の接続態様において、高周波成分のみを選択して抽出するために、インダクタに2次巻線を巻装して出力トランスを構成し、当該出力トランスを経由して放電ランプを付勢することができる。
【0021】
共振回路は、一対のスイッチング素子の交互スイッチングにより発生した高周波電圧に共振する。そして、共振インダクタおよび共振コンデンサにより形成されている。なお、「インダクタ」とは、インダクタンスを有する回路手段を意味し、チョークコイルのようなものに限定されない。したがって、1次側から見て適当なインダクタンスを有すればトランスなどであってもよい。そうして、共振回路は、放電ランプの始動時には共振により高電圧を形成して、これを放電ランプに印加することにより始動を促進するとともに、共振によって高周波電圧の波形を正弦波に整形する。
【0022】
また、放電ランプの始動のために、負荷回路の共振回路による共振電圧だけでは不足の場合には、別設のイグナイタをそこから発生する高電圧パルスが放電ランプに印加されるように負荷回路に接続することができる。
【0023】
<放電ランプについて> 放電ランプは、どのようなものでもよく、例えば蛍光ランプなどの低圧放電ランプやメタルハライドランプなどの高圧放電ランプを用いることができる。なお、低圧放電ランプは、熱陰極形電極および冷陰極形電極のいずれを封装しているものであってもよい。
【0024】
また、放電ランプは、高周波電圧の共振出力が印加されるような負荷回路上の適当な位置に接続される。なお、負荷回路に接続される放電ランプの数は複数であってもよい。
【0025】
<本発明の作用について> 本発明は、以上の構成を具備していることにより、放電ランプの明るさのちらつきや立ち消えなどの動作異常が発生するのを防止して安定な点灯を維持させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1ないし図4は、本発明の高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置における第1の実施の形態を示し、図1は装置全体を示す回路図、図2は要部を示す回路図、図3はスイッチング素子の駆動信号を説明する波形図、図4は高周波インバータの出力特性を示すグラフである。本実施の形態において、放電ランプ点灯装置は、高周波インバータHFI、負荷回路LCおよび放電ランプDLからなる。
【0028】
<高周波インバータINV> 高周波インバータHFIは、インバータ主回路INV、チョッパ回路BUC、制御手段CC、リミッタLM、平滑コンデンサC1からなり、その入力端子t1およびt2が低周波交流電源ACに接続し、負荷回路LCを介して放電ランプDLを高周波点灯する。
【0029】
(インバータ主回路INV) は、中性点形降圧インバータ回路を構成しており、一対のスイッチング素子Q1、Q2の直列回路と、一対の整流素子D1、D2の直列回路とを順方向の閉回路を形成するように並列接続して形成され、一対のスイッチング素子Q1、Q2の接続点j1と、一対の整流素子D1、D2の接続点j2との間が交流入力端となる。そして、交流入力端j1、j2には、後述するチョッパ回路BUCのインダクタL1を直列に介して低周波交流電源ACが接続している。
【0030】
また、インバータ主回路INVは、駆動信号発生回路DCを備えている。そして、一対のスイッチィング素子Q1、Q2が駆動信号発生回路DCから発生する駆動信号を供給されて高周波でスイッチングを行う。
【0031】
(チョッパ回路BUC) チョッパ回路BUCは、インダクタL1、帰還回路FBCおよび一対のスイッチング素子Q1、Q2からなり、後述する平滑コンデンサC1を充電する。インダクタL1は、ブリッジ形整流・変換回路BRCの交流入力端j1、j2において高周波交流電源ACと直列接続している。帰還回路FBCは、2つの整流素子D3、D4からなり、一対のスイッチング素子Q1、Q2に逆並列接続している。したがって、帰還回路の2つの整流素子D3、D4は、一対のスイッチング素子Q1、Q2がMOSFETからなる場合、MOSFETのドレイン・ソース間に等価的に逆並列接続する寄生ダイオードを利用することができる。帰還回路FBCからの帰還出力は、整流素子D3のアノード側の接続点j3と、整流素子D4のカソード側の接続点j4との間に現れる。
【0032】
(制御手段CC) 制御手段CCは、一対のスイッチング素子Q1、Q2の交互スイッチングに対してPWM制御を加えるためにPWM制御信号を発生する回路手段である。PWM制御信号は、電源電圧の変動に応じて駆動信号のオンデューティを所要に制御することにより、高周波インバータの電源変動率を改善することができる。
【0033】
(リミッタLM) リミッタLMは、図1に示すように、制御手段CCとインバータ主回路INVの駆動信号発生回路DCとの間に介在しており、また図2に示すように、コンパレータCP、掃引波形発生回路SSGおよびリミッタ値決定回路LDCからなる。コンパレータCPは、演算増幅器からなり、一対の制御入力端子および単一の出力端子を有している。出力端子は、駆動回路の制御入力端に接続している。そして、コンパレータCPの出力信号は、駆動信号のオンデューティを制御する。掃引波形発生回路SSGは、繰り返し周波数がスイッチング素子Q1、Q2のスイッチング周波数に等しい鋸歯状波を発生し、コンパレータCPの一方の制御入力端子に入力する。リミッタ値決定回路LVDは、オンデューティの下限値を決定するもので、リミッタ値と制御信号が比較されて制御信号がリミッタ値より大きいときには制御信号がコンパレータCPの他方の制御入力端子に供給されるが、反対にリミッタ値の方が制御信号より大きいときには、当該リミッタ値がコンパレータCPの他方の制御入力端子に供給されるように構成されている。
【0034】
(平滑コンデンサC1) 平滑コンデンサC1は、電解コンデンサからなり、帰還回路FBCの帰還出力が現れる接続点j3、j4間に接続していて、帰還出力により充電される。
【0035】
<負荷回路LC> 負荷回路LCは、直流カットコンデンサC2および共振回路RCの直列回路を備えているとともに、その直列回路の両端がスイッチング素子Q2に並列接続して形成された閉回路により構成されている。直流カットコンデンサC2は、その一端がスイッチング素子Q1およびQ2の接続点に接続し、他端が共振回路RCに接続している。共振回路RCは、共振インダクタL2および共振コンデンサC3の直列回路からなる。
【0036】
<放電ランプDL> 放電ランプDLは、例えば蛍光ランプからなり、負荷回路LCの共振コンデンサC3に並列接続している。
【0037】
<回路動作> 次に、本実施の形態における回路動作について説明する。
【0038】
まず、最初に通常の回路動作について説明する。すなわち、低周波交流電源ACを投入したときに、低周波交流電源ACの極性が高周波インバータHFIの入力端子t2が正の電圧になる場合であると、高周波インバータHFIは、インバータ主回路INVの整流素子D1に対して順方向になる極性において、一対のスイッチング素子Q1、Q2が高周波で交互にスイッチングを行うと、スイッチング素子Q1がオン時に低周波交流電源AC→インバータ主回路INVの整流素子D1→スイッチング素子Q1→チョッパ回路BUCのインダクタL1→低周波交流電源ACの閉回路を電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積される。
【0039】
上記に続いてスイッチング素子Q1がオフすると、チョッパ回路BUCのインダクタL1に蓄積された電磁エネルギーが放出されて逆起電力がインダクタL1の両端に現れる。この逆起電力によってインダクタL1→低周波交流電源AC→整流素子D1→平滑コンデンサC1→帰還回路FBCの整流素子D4→インダクタL1の閉回路を電流が流れ、平滑コンデンサC1が充電される。
【0040】
以上の回路動作において、チョッパ回路BUCが昇圧チョッパとして動作するので、平滑コンデンサC1の充電電圧は、スイッチング素子Q1のオンデューティに比例的に依存するものの昇圧されてインダクタL1の降下電圧より高くなる。
【0041】
一方、平滑コンデンサC1の充電電荷は、以下に説明するように放電する。そして、一対のスイッチング素子Q1、Q2および負荷回路LCは、ハーフブリッジ形インバータとして動作して放電ランプDLを高周波点灯する。すなわち、スイッチング素子Q1がオンすると、平滑コンデンサC1→スイッチング素子Q1→負荷回路LCの直流カットコンデンサC2→共振インダクタL2→共振コンデンサC3→平滑コンデンサC1の閉回路を平滑コンデンサC1の放電電流が流れ、共振インダクタL2に電磁エネルギーが蓄積されるとともに、共振コンデンサC3が充電される。
【0042】
次に、スイッチング素子Q1がオフすると、インダクタL2に逆起電力が生じて、共振インダクタL2→共振コンデンサC3→帰還回路FBCの整流素子D4→直流カットコンデンサC2→共振インダクタL2の閉回路を電流が流れてインダクタL2蓄積された電磁エネルギーが放出され、共振コンデンサC3は、さらに充電される。
【0043】
続いてスイッチング素子Q2がオンすると、共振コンデンサC3に蓄積されていた電荷が放出されて共振コンデンサC3→共振インダクタL2→直流カットコンデンサC2→スイッチング素子Q2→共振コンデンサC3の閉回路を電流が流れる。
【0044】
低周波交流電源の極性が同じ半波の間、以上の回路動作が繰り返えされることによって、負荷回路LCの共振コンデンサC3に並列接続する放電ランプDLは、共振コンデンサC3の両端に現れる高周波交流電圧の共振電圧が印加されるので、始動し、その後引き続いて高周波点灯する。
【0045】
次に、低周波交流電源ACの極性が反転して高周波インバータHFIの入力端子t1が正の電圧になると、高周波インバータHFIは、インバータ主回路INVの整流素子D2に対して順方向になり、一対のスイッチング素子Q1、Q2が高周波で交互にスイッチングを行うと、スイッチング素子Q2がオン時に低周波交流電源AC→チョッパ回路BUCのインダクタL1→スイッチング素子Q2→整流素子D2→低周波交流電源ACの閉回路を電流が流れ、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積される。
【0046】
上記に続いてスイッチング素子Q2がオフすると、チョッパ回路BUCのインダクタL1に蓄積された電磁エネルギーが放出されて逆起電力がインダクタL1の両端に現れる。この逆起電力によってインダクタL1→帰還回路FBCの整流素子D3→平滑コンデンサC1→整流素子D2→インダクタL1の閉回路を電流が流れ、平滑コンデンサC1が充電される。
【0047】
以上の回路動作において、チョッパ回路BUCが昇圧チョッパとして動作するので、平滑コンデンサC1の充電電圧は、オンデューティに比例的に依存するものの昇圧されてインダクタL1の電圧降下より高くなる。
【0048】
一方、平滑コンデンサC1の充電電荷は、前述と同様に放電する。
【0049】
次に、高周波インバータHFIのPWM制御における保護動作について説明する。以上説明した回路動作において、高周波インバータHFIの一対のスイッチング素子Q1、Q2は、そのスイッチングが駆動信号により制御され、図3に示すようにスイッチング素子Q1に供給する駆動信号S1と、スイッチング素子Q2に供給する駆動信号S2との間にはデッドタイムtDがある。駆動信号S1、S2は、駆動信号発生回路DCから発生し、時間tONの間スイッチング素子Q1、Q2をそれぞれオンさせ、時間tOFFの間オフする。駆動信号発生回路DCが発生する駆動信号は、制御手段から送出される制御信号によりスイッチング素子Q1、Q2のオン時間tONおよびオフ時間tOFFの時間幅を変化させてPWM制御を行う。PWM制御において、オンデューティはtON/(tON+tOFF)(%)であり、デッドタイム比はtD/(tON+tOFF)(%)である。
【0050】
本実施の形態においては、オンデューティの値がリミッタLMを経由して予め定められた一定の範囲内において制御手段CCにより制御される。リミッタLMのリミッタ値決定回路LDCは、本実施の形態において、リミッタ値をオンデューティが30%になるような値に設定されている。すなわち、図3において、制御信号S1、S2の値がリミッタLMのリミッタ値決定回路LDCにより設定されるリミッタ値より大きいときには当該制御信号が駆動信号発生回路DCに制御入力する。しかし、制御信号S1、S2がリミッタ値以下のときには当該制御信号は駆動信号発生回路DCに制御入力されないで、その代わりリミッタ値が制御入力する。したがって、放電ランプDLに現れるランプ電圧は、制御信号S1、S2の如何にかかわらず高周波インバータHFIの出力波形が乱れるようなことがなくなり、常に図4において直線B以上の領域が示す安定動作域において動作することになる。したがって、図4において直線B未満の領域が示す不安定動作域に陥るようなことがなくなる。なお、図4において、横軸は電源電圧を、縦軸はオンデューティを、それぞれ示す。また、曲線Aは、高周波インバータHFIの出力特性を示している。
【0051】
以下、図5ないし図8を参照して本発明におけるその他の実施の形態について説明する。なお、各図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0052】
図5は、本発明の放電ランプ点灯装置における第2の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態は、高周波インバータHFIのインバータ主回路INVがハーフブリッジ形インバータである点で図1と異なる。すなわち、高周波インバータHFIのインバータ主回路INVは、直列接続した一対のスイッチング素子Q1、Q2を主体として構成され、直流電源DCの正極がチョッパ回路BUCのインダクタL1を介して一対のスイッチング素子Q1、Q2の接続点j1に接続し、負極がスイッチング素子Q2のソースに接続している。
【0053】
チョッパ回路BUCは、インダクタL1、帰還回路FBCおよびスイッチング素子Q2により昇圧チョッパとして構成されている。帰還回路FBCは、図示の回路上の位置に接続した整流素子D3により構成されている。
【0054】
次に、回路動作について説明する。直流電源DCを投入すると、スイッチング素子Q2がオンしたときに、直流電源DCの正極→インダクタL1→直流電源DCの負極の閉回路内を電流が流れ、インダクタL1はその内部に電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q2がオフすると、インダクタL1に蓄積された電磁エネルギーがインダクタL1→整流素子D3→平滑コンデンサC1→直流電源DCの負極→インダクタL1の閉回路内を電流が流れ、平滑コンデンサC1は充電される。
【0055】
次に、スイッチング素子Q1がオンすると、平滑コンデンサC1→スイッチング素子Q1→直流カットコンデンサC2→共振回路RC→平滑コンデンサC1の閉回路内を平滑コンデンサC1の充電電荷の放電電流が流れ、共振回路RCの共振コンデンサC3が充電される。続いてスイッチング素子Q2がオンすると、コンデンサC3→インダクタL2→直流カットコンデンサC2→スイッチング素子Q2→コンデンサC3の閉回路内をコンデンサC3の蓄積電荷が放電する。
【0056】
負荷回路LCにおいて共振コンデンサC3に並列接続している放電ランプDLは、コンデンサC3の両端間に現れる高周波交流電圧の共振電圧が印加されて始動し、点灯する。
【0057】
図6は、本発明の放電ランプ点灯装置における第3の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態は、直流電源DCの極性が反対である点で図5と異なる。すなわち、直流電源DCは、その正極が整流素子D5を順方向に介してスイッチング素子Q1のドレインおよび平滑コンデンサC1の正極に接続し、負極がチョッパ回路BUCのインダクタL1を介して一対のスイッチング素子Q1、Q2の接続点j1に接続している。
【0058】
チョッパ回路BUCは、帰還回路FBCが図示の回路上の位置に接続した整流素子D4およびD5により構成されている。
【0059】
次に、回路動作について説明する。直流電源DCを投入すると、スイッチング素子Q1がオンしたときに、直流電源DCの正極→整流素子D5→スイッチング素子Q1→インダクタL1→直流電源DCの負極の閉回路内を電流が流れ、インダクタL1はその内部に電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1がオフすると、インダクタL1に蓄積された電磁エネルギーがインダクタL1→直流電源DC→整流素子D5→平滑コンデンサC1→整流素子D2→インダクタL1の閉回路内を電流が流れ、平滑コンデンサC1は充電される。
【0060】
平滑コンデンサC1の充電電荷の放電による一対のスイッチング素子Q1、Q2の交互スイッチングによるハーフブリッジ形インバータとしての動作およびその結果としての放電ランプDLの始動、点灯については図5の実施の形態におけるのと同様である。
【0061】
図7は、本発明の放電ランプ点灯装置における第4の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態は、直流電源DCに代えて低周波交流電源AC、ブリッジ形整流回路BRCおよび高周波バイパスコンデンサC4を用いている点で図5と異なる。
【0062】
すなわち、低周波交流電源ACは、ブリッジ形整流回路BRCの交流入力端間に接続している。ブリッジ形整流回路BRCの直流出力端は、図5の直流電源DCと同様に接続している。高周波バイパスコンデンサC4は、ブリッジ形整流回路BRCの直流出力端間に並列接続している。したがって、回路動作は、図5と基本的には同様である。しかし、チョッパ回路BUCの帰還回路FBCは、整流素子D3およびブリッジ形整流回路BRCにより構成されている。
【0063】
図8は、本発明の放電ランプ点灯装置における第5の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態は、直流電源DCおよび整流素子D5に代えて低周波交流電源AC、ブリッジ形整流回路BRCおよび高周波バイパスコンデンサC4を用いている点で図6と異なる。したがって、回路動作は、図6と概ね同様である。しかし、チョッパ回路BUCの帰還回路FBCは、整流素子D4およびブリッジ形整流回路BRCにより構成されている。
【0064】
以上の各実施の形態において、リミッタLMの構成および作用は図1および図3に示し、かつ、説明したのと同様である。
【0065】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するリミッタを具備していることにより、オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって出力電圧波形に大きな歪が生じて出力低下や負荷の動作異常が発生するのを防止した高周波インバータを提供することができる。
【0066】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の高周波インバータと、高周波インバータにより発生した高周波出力電圧に共振する共振回路を備えた負荷回路と、負荷回路に接続した放電ランプとを具備していることにより、オンデューティが所定値以下になるか、デッドタイム比が所定値以上になって放電ランプの明るさのちらつきや立ち消えなどの動作異常が発生するのを防止して安全な点灯を維持する放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置における第1の実施の形態の装置全体を示す回路図
【図2】同じく要部を示す回路図
【図3】同じくスイッチング素子の駆動信号を説明する波形図
【図4】同じく高周波インバータの出力特性を示すグラフ
【図5】本発明の放電ランプ点灯装置における第2の実施の形態を示す回路図
【図6】本発明の放電ランプ点灯装置における第3の実施の形態を示す回路図
【図7】本発明の放電ランプ点灯装置における第4の実施の形態を示す回路図
【図8】本発明の放電ランプ点灯装置における第5の実施の形態を示す回路図
【符号の説明】
BUC…チョッパ回路、C1…平滑コンデンサ、C2…直流カットコンデンサ、C3…共振コンデンサ、CC…制御手段、D1〜D4……整流素子、DC……駆動信号発生回路、DL…放電ランプ、FBC…帰還回路、HFI…高周波インバータ、INV…インバータ主回路、L1…インダクタ、L2…共振インダクタ、LC…負荷回路、LM…リミッタ、Q1、Q2…スイッチング素子、RC…共振回路
Claims (2)
- デッドタイムを挟んで交互にスイッチングする一対のスイッチング素子を含んで構成されたインバータ主回路と;
インバータ主回路における一対のスイッチング素子の両方またはいずれか一方、インダクタおよび帰還回路を含むチョッパ回路と;
一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティまたはデッドタイムを制御する制御手段と;
一対のスイッチング素子のスイッチングにおけるオンデューティが所定値以下にならないように、またはデッドタイム比が所定値以上にならないように制限するリミッタと;を具備していることを特徴とする高周波インバータ。 - 請求項1記載の高周波インバータと;
高周波インバータにより発生した高周波出力電圧に共振する共振回路を備えた負荷回路と;
負荷回路に接続した放電ランプと;を具備していることを特徴とする放電ランプ点灯装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003208266A JP2005073305A (ja) | 2003-08-21 | 2003-08-21 | 高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003208266A JP2005073305A (ja) | 2003-08-21 | 2003-08-21 | 高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置 |
Publications (1)
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JP2005073305A true JP2005073305A (ja) | 2005-03-17 |
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ID=34401619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003208266A Pending JP2005073305A (ja) | 2003-08-21 | 2003-08-21 | 高周波インバータおよび放電ランプ点灯装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005073305A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008059764A1 (fr) * | 2006-11-13 | 2008-05-22 | Harison Toshiba Lighting Corporation | Appareil d'éclairage à lampe à décharge |
-
2003
- 2003-08-21 JP JP2003208266A patent/JP2005073305A/ja active Pending
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