JP2010231866A - 垂直磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010231866A
JP2010231866A JP2009080732A JP2009080732A JP2010231866A JP 2010231866 A JP2010231866 A JP 2010231866A JP 2009080732 A JP2009080732 A JP 2009080732A JP 2009080732 A JP2009080732 A JP 2009080732A JP 2010231866 A JP2010231866 A JP 2010231866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
material gas
magnetic recording
recording medium
perpendicular magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009080732A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Sedo
佑介 瀬藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Hoya Magnetics Singapore Pte Ltd
Original Assignee
Hoya Corp
Hoya Magnetics Singapore Pte Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp, Hoya Magnetics Singapore Pte Ltd filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2009080732A priority Critical patent/JP2010231866A/ja
Publication of JP2010231866A publication Critical patent/JP2010231866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】生産性低下やコストアップを生じることなく、スパッタリング成膜による基板面内分布を改善し、もって良好な磁気特性、電磁気特性が得られ垂直磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】スパッタリング装置を用いた成膜工程を含む垂直磁気記録媒体の製造方法であって、成膜時にチャンバー内のターゲット近傍、好ましくはターゲット位置から20mm以内の範囲にほぼ均一な材料ガス分布が存在するように、材料ガスの噴出口を前記ターゲットの近傍に配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気ディスク装置に搭載される垂直磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDD(ハードディスクドライブ)の面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚当り250Gバイトを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような所要に応えるためには1平方インチ当り400Gビットを超える情報記録密度を実現することが求められる。HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するためには、情報信号の記録を担う磁気記録層を構成する磁性結晶粒子を微細化すると共に、その層厚を低減していく必要があった。ところが、従来より商業化されている面内磁気記録方式(長手磁気記録方式、水平磁気記録方式とも呼称される)の磁気ディスクの場合、磁性結晶粒子の微細化が進展した結果、超常磁性現象により記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信号が消失してしまう、熱揺らぎ現象が発生するようになり、磁気ディスクの高記録密度化への阻害要因となっていた。
この阻害要因を解決するために、近年、垂直磁気記録方式用の磁気ディスクが提案されている。垂直磁気記録方式の場合では、面内磁気記録方式の場合とは異なり、磁気記録層の磁化容易軸は基板面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。例えば、特開2002−92865号公報(特許文献1)では、基板上に下地層、Co系垂直磁気記録層、保護層をこの順で形成してなる垂直磁気記録媒体に関する技術が開示されている。また、米国特許第6468670号明細書(特許文献2)には、粒子性の記録層に交換結合した人口格子膜連続層(交換結合層)を付着させた構造からなる垂直磁気記録媒体が開示されている。
特開2002−92865号公報 米国特許第6468670号明細書
従来、磁気記録媒体製造における成膜工程では、通常スパッタリング装置が用いられている。均一で密な膜を形成できるからである。図4に示すように、現在、垂直磁気記録媒体製造に用いられているスパッタリング装置1は、材料ガスの導入口8をチャンバー12の上面に設置し、真空ポンプ4をチャンバー12の底面に設置している。また、ガス流量制御器(マスフロー)3をチャンバー12の上部に設置し、チャンバー上面でのガス流量を制御するようにしている。これは、パーティクル発生時にこのパーティクルがチャンバー内で舞わないための設計となっているためである。
材料ガスの流れは、図4中の太線Bで示すような排気の流れに沿って流している。分子流から粘性流の間にある中間領域、とくにクヌーセン無次元数0.01(0.27Pa)<Kn<1(27Pa)の範囲の中間領域は、一般的に磁気記録媒体の製造に使用される領域であり、分子流領域とは完全に異なり、材料ガスは低い圧力側へ排気される。また、分子の平均自由工程は長く、壁面などに衝突しやすい。
このようなプロセスにおいては、成膜圧力が低くなればなるほど、材料ガスの排気方向にターゲットエロージョンの影響が出るものと考えられる。つまり、基板面内分布については材料ガスの流れが影響してくると考えられ、特に成膜圧力が磁性層などに比べて低い補助記録層や、多層構成の磁気記録層における磁性層間の非磁性層などは、ターゲットエロージョンが進行してくると、スパッタ粒子の入射方向が経時変化するため、成膜圧力が低いと基板面内分布に同心円状分布の形状が崩れ、換言すると非同心円状分布が形成されやすくなり、結果的に基板面内の磁気特性及び電磁気特性が劣化する。
このような問題を改善するために、たとえばシールド開口径などを最適化することで対応するにしても、ターゲットエロージョンの進行具合により、チャンバー内を一旦排気し、最適なシールドを取り付けなければならない。これでは、たとえ基板面内分布が改善できたとしても、スパッタリング装置の稼動を停止する回数が増え、生産性が著しく低下するという新たな問題を生じる。
本発明はこのような従来のスパッタリング成膜プロセスにおける課題を解決するものであって、本発明の目的は、生産性低下やコストアップを生じることなく、スパッタリング成膜による基板面内分布を改善し、もって良好な磁気特性、電磁気特性が得られる垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を有するものである。
(構成1)
スパッタリング装置を用いた成膜工程を含む垂直磁気記録媒体の製造方法であって、成膜時の材料ガスの流れがチャンバー内のターゲットの中心部に誘引されるように、材料ガスの噴出口を前記ターゲットの近傍に配置したことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成2)
スパッタリング装置を用いた成膜工程を含む垂直磁気記録媒体の製造方法であって、成膜時にチャンバー内のターゲット近傍にほぼ均一な材料ガス分布が存在するように、材料ガスの噴出口を前記ターゲットの近傍に配置したことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成3)
前記ターゲットの位置から20mm以内の範囲にほぼ均一な材料ガス分布が存在するようにすることを特徴とする構成2に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成4)
前記ターゲットと相対する位置であって、前記ターゲットの外周部に沿って、複数の材料ガス噴出孔を設けることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成5)
前記ターゲット又は前記ターゲット固定部材に隙間を設け、該隙間に材料ガス噴出孔を設けることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成6)
前記ターゲットの外側に配設されたカソードシールドに材料ガス噴出孔を設けることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成7)
前記カソードシールドに設けた材料ガス噴出孔から噴出された材料ガスを前記カソードシールド壁面に衝突させ、その反射された材料ガスを前記ターゲットに向かって導入することを特徴とする構成6に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
本発明によれば、スパッタリング成膜による基板面内分布を改善し、もって良好な磁気特性、電磁気特性が得られる垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。また、生産性低下やコストアップを生じることなく、スパッタリング成膜による基板面内分布を改善できる垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
本発明に係る垂直磁気記録媒体の製造方法に用いるスパッタリング装置の(a)要部正面図及び(b)側面図である。 本発明に係る垂直磁気記録媒体の製造方法に用いるスパッタリング装置の(a)要部正面図及び(b)側面図である。 本発明に係る垂直磁気記録媒体の製造方法に用いるスパッタリング装置の(a)要部正面図及び(b)側面図である。 従来のスパッタリング装置の(a)要部正面図及び(b)側面図である。 基板面内の磁気特性分布の評価結果を示し、(a)は本発明の実施例、(b)は比較例である。 スパッタリング成膜時のプラズマ分布の様子を説明するためのスパッタリング装置の要部側面図であり、(a)は本発明の実施例、(b)は比較例である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
まず、本発明により製造される垂直磁気記録媒体の概略を説明する。
本発明に係わる垂直磁気記録媒体の構成としては、具体的には、例えば、基板上に、密着層、軟磁性層、シード層、下地層、磁気記録層(垂直磁気記録層)、保護層、潤滑層などを積層したものである。
上記基板としてはガラス基板が好ましく、ガラスの種類としては、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダタイムガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。また、アモルファスガラス、結晶化ガラスを用いることができる。軟磁性層をアモルファスとする場合にあっては、基板をアモルファスガラスとすると好ましい。なお、化学強化したガラスを用いると、剛性が高く好ましい。本発明において、基板主表面の表面粗さはRmaxで10nm以下、Raで0.3nm以下であることが好ましい。
また、上記磁気記録層は、コバルト(Co)を主体とする結晶粒子と、酸化物またはSi,Ti,,Cr,CoまたはSi,Ti,,Cr,Co酸化物を主体とする粒界部を有するグラニュラー構造の強磁性層を含むことが好適である。
具体的に上記強磁性層を構成するCo系磁性材料としては、非磁性物質である酸化ケイ素、酸化チタン(TiO)等を含有するCoCrPt(コバルト−クロム−白金)からなる硬磁性体のターゲットを用いて、hcp結晶構造を成型する材料が望ましい。また、この強磁性層の膜厚は、例えば20nm以下であることが好ましい。
また、補助記録層は、上記垂直磁気記録層の上部に交換結合制御層を介して設けることにより、磁気記録層の高密度記録性と低ノイズ性に加えて高熱耐性を付け加えることができる。補助記録層としては、例えばCoCrPtBを好適に用いることができる。
また、前記垂直磁気記録層と前記補助記録層との間に、交換結合制御層を有することが好適である。交換結合制御層を設けることにより、前記垂直磁気記録層と前記補助記録層との間の交換結合の強さを好適に制御して記録再生特性を最適化することができる。交換結合制御層としては、例えば、Ruなどが好適に用いられる。
また、上記磁気記録層を複数層有する構成とし、各磁気記録層の間に磁気的な結合を調整するための非磁性層を設ける構成とすることができる。
上記強磁性層を含む垂直磁気記録層の形成方法としては、スパッタリング法で成膜することが好ましい。特にDCマグネトロンスパッタリング法で形成すると均一な成膜が可能となるので好ましい。本発明では、特に成膜圧力が磁気記録層などに比べて低い例えば上記補助記録層や、複数の磁気記録層を有する場合の各磁気記録層の間の非磁性層のスパッタリング成膜において、良好な基板面内の特性分布が得られる。
また、基板上に、垂直磁気記録層の磁気回路を好適に調整するための軟磁性層は、第一軟磁性層と第二軟磁性層の間に非磁性のスペーサ層を介在させることによって、AFC(Antiferro-magnetic exchangecoupling:反強磁性交換結合)を備えるように構成することが好適である。これにより第一軟磁性層と第二軟磁性層の磁化方向を高い精度で反並行に整列させることができ、軟磁性層から生じるノイズを低減することができる。具体的には、第一軟磁性層、第二軟磁性層の組成はCoTaZr(コバルト−タンタル−ジルコニウム)またはCoFeTaZr(コバルト−鉄−タンタル−ジルコニウム)またはCoFeTaZrAl(コバルト−鉄−タンタル−ジルコニウム−アルミニウム)とすることができる。スペーサ層の組成は例えばRu(ルテニウム)が好適に用いられる。
また、シード層は、下地層の配向ならびに結晶性を制御するために用いられる。全層を連続成膜する場合には特に必要のない場合もあるが、軟磁性層と下地層の相性如何によっては結晶成長性が劣化することがあるため、シード層を用いることにより、下地層の結晶成長性の劣化を防止することができる。シード層の膜厚は、下地層の結晶成長の制御を行うのに必要最小限の膜厚とすることが望ましい。厚すぎる場合には、信号の書き込み能力を低下させてしまう原因となる。
また、基板上に、垂直磁気記録層の結晶配向を基板面に対して垂直方向に配向させるための非磁性下地層を設けることが好ましい。非磁性下地層の材料としては、例えばRuまたはその合金が好ましい。Ruの場合、hcp結晶構造を備えるCoPt系垂直磁気記録層の結晶軸(c軸)を垂直方向に配向するよう制御する作用が高く好適である。
また、基板と軟磁性層との間に、密着層を形成することも好ましい。密着層を形成することにより、基板と軟磁性層との間の付着性を向上させることができるので、軟磁性層の剥離を防止することができる。密着層の材料としては、例えばTi含有材料を用いることができる。
また、前記垂直磁気記録層の上に、保護層を設けることが好適である。保護層を設けることにより、磁気記録媒体上を浮上飛行する磁気ヘッドから磁気ディスク表面を保護することができる。保護層の材料としては、たとえば炭素系保護層が好適である。また、保護層の膜厚は3〜8nm程度が好適である。
また、前記保護層上に、更に潤滑層を設けることも好ましい。潤滑層を設けることにより、磁気ヘッドと磁気ディスク間の磨耗を抑止でき、磁気ディスクの耐久性を向上させることができる。潤滑層の材料としては、たとえばPFPE(パーフロロポリエーテル)系化合物が好ましい。潤滑層は、例えばディップコート法で形成することができる。
本発明は、上記構成1の発明にあるように、スパッタリング装置を用いた成膜工程を含む垂直磁気記録媒体の製造方法であって、成膜時の材料ガスの流れがチャンバー内のターゲットの中心部に誘引されるように、材料ガスの噴出口を前記ターゲットの近傍に配置したことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、上記構成2の発明にあるように、スパッタリング装置を用いた成膜工程を含む垂直磁気記録媒体の製造方法であって、成膜時にチャンバー内のターゲット近傍にほぼ均一な材料ガス分布が存在するように、材料ガスの噴出口を前記ターゲットの近傍に配置したことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法である。
以上の本発明によれば、成膜時の材料ガスの流れがチャンバー内のターゲットの中心部に誘引されるように、または、成膜時にチャンバー内のターゲット近傍にほぼ均一な材料ガス分布が存在するように、スパッタリング成膜時の材料ガスの流れを改善し、これによってスパッタリング成膜による基板面内の特性分布を良好に改善でき、好適には同心円状の分布が得られ、もって良好な磁気特性、電磁気特性が得られる垂直磁気記録媒体を得ることができる。
成膜時の材料ガスの流れがチャンバー内のターゲットの中心部に誘引されるように、または、成膜時にチャンバー内のターゲット近傍(好ましくはターゲットの位置から例えば20mm以内の範囲)にほぼ均一な材料ガス分布が存在するように、スパッタリング成膜時の材料ガスの流れを改善する方法としては、例えば図1に示す実施の形態が挙げられる。
図1は、本発明に好適に用いられるスパッタリング装置1の(a)要部正面図と(b)側面図である。
中央のチャンバー12内には2つのターゲット2,2がターゲット固定部材7によって所定位置に取り付けられており、ターゲット2の外側にはカソードシールド5及びリングシールド6が配設されている。チャンバー12の上面には材料ガス導入口8が設置され、チャンバー12の上部にはガス流量制御器(マスフロー)3が取り付けられている。また、チャンバー12の底部には、排気用の真空ポンプ4が設置されている。
図1の実施の形態においては、上記材料ガス導入口8から導入された材料ガスを、上記ターゲット2と相対する位置であって、ターゲット2から概ね30〜50mm程度離れたターゲット近傍の位置に、ターゲット2の外周(縁)部に沿って、複数の材料ガス噴出孔9を設けている。
このガス噴出し位置はガス導入口8が取り付いているシールドに、ターゲット面から40mm程離れたターゲット近傍の位置に設けるのが望ましい。この場合、該材料ガス噴出孔9から噴出された材料ガスはターゲット2に対してほぼ垂直に当たる。図中の太線Aは、材料ガスの大まかな流れを示している。
このような成膜時の材料ガスの流れの改善により、成膜時の材料ガスの流れがチャンバー内のターゲットの中心部に誘引されるように、または、成膜時にチャンバー内のターゲット近傍(好ましくはターゲットの位置から例えば20mm以内の範囲)にほぼ均一な材料ガス分布が存在するようにすることが可能である。よって、このような成膜時の材料ガスの分布により、スパッタリング成膜されることで、同心円状の良好な基板面内特性分布が形成される。
また、図2は、他の実施の形態を示すもので、本発明に好適に用いられるスパッタリング装置1の(a)要部正面図と(b)側面図である。
図2の実施の形態においては、ターゲット2をリール状に変更し、ターゲット2外周側の周方向に沿って複数の隙間を設け、該複数の隙間に材料ガス噴出孔10を設けている。図中の太線Aは、この場合の材料ガスの大まかな流れを示している。
本実施の形態のような成膜時の材料ガスの流れの改善によっても、成膜時の材料ガスの流れがチャンバー内のターゲットの中心部に誘引されるように、または、成膜時にチャンバー内のターゲット近傍(好ましくはターゲットの位置から例えば20mm以内の範囲)にほぼ均一な材料ガス分布が存在するようにすることが可能である。なお、ターゲット固定部材7に同様の隙間を設け、該隙間に材料ガス噴出孔を設けるようにしてもよい。
また、図3は、また別の実施の形態を示すもので、本発明に好適に用いられるスパッタリング装置1の(a)要部正面図と(b)側面図である。
図3の実施の形態においては、ターゲット2の外側に配設されたカソードシールド5にターゲット外周部に沿うように複数の材料ガス噴出孔11を設けている。この場合、該カソードシールド5に設けた材料ガス噴出孔11から噴出された材料ガスをリングシールド(カソードシールド壁面)6に衝突させ、その反射させた材料ガスをターゲット2に向かって導入している。図中の太線Aは、この場合の材料ガスの大まかな流れを示している。
本実施の形態のような成膜時の材料ガスの流れの改善によっても、成膜時の材料ガスの流れがチャンバー内のターゲットの中心部に誘引されるように、または、成膜時にチャンバー内のターゲット近傍(好ましくはターゲットの位置から例えば20mm以内の範囲)にほぼ均一な材料ガス分布が存在するようにすることが可能である。
このような成膜時の良好な材料ガス分布により、スパッタリング成膜されることで、基板上には同心円状の良好な基板面内特性分布が形成されるので、最終的に製造される垂直磁気記録媒体は良好な磁気特性、電磁気特性が得られる。
特に低成膜圧力において前述の従来技術の課題が発生するので、低い圧力で成膜される必要のある例えば前記補助記録層や複数の磁気記録層間の非磁性層を備える構成の垂直磁気記録媒体の製造に本発明は特に好適である。
以下実施例、比較例を挙げて、本発明による効果をさらに具体的に説明する。
(実施例)
アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性ガラス基板を得た。ディスク直径は65mmである。このガラス基板の主表面の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で測定したところ、Rmaxが2nm、Raが0.2nmという平滑な表面形状であった。なお、Rmax及びRaは、日本工業規格(JIS)に従う。
次に、得られたガラス基板の片面のベース面上に、真空引きを行なった成膜装置(到達真空度10−5Pa以下)を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にて、垂直磁気記録媒体の密着層から垂直磁気記録層の各成膜を行った。
まず、密着層としてCrTi層を成膜した。
次に、軟磁性層として、FeCoTaZr、Ru層、FeCoTaZrを成膜した。
次にシード層としてNiWを成膜し,下地層として2層のRu層を成膜した。
さらに、その上に垂直磁気記録層として、CoCrPt-CrO酸化物を第1記録層とし、CoCrPt-SiO酸化物-TiO酸化物を第2記録層とし、磁気結合制御層として、Ruを成膜した後、補助記録層として、CoCrPtBを成膜した。この補助記録層の成膜には、前述の図3のカソードシールドにスパイラル状の材料ガス噴出孔を設け、材料ガス、ArガスやO2、N2、これらの混合ガスをリングシールドに衝突させ、螺旋型に排気できる材料ガスの導入方法で成膜を行った。なお、補助記録層以外の成膜は従来方式でガス導入を実施した。
次に、エチレンガスを使用して、プラズマCVD法により、水素化ダイヤモンドライクカーボンからなる炭素系保護層を形成した。炭素系保護層の膜厚は5nmとした。この後、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層をディップコート法により形成した。潤滑層の膜厚は1nmとした。
以上の製造工程により、実施例の垂直磁気記録媒体が得られた。
(比較例)
基板上への密着層から補助記録層までの成膜において、図4の従来の材料ガス導入方法にしたがって成膜を行い、比較例の垂直磁気記録媒体を作製した。なお、各層の材料、膜厚は実施例と同じである。
上記実施例、比較例の垂直磁気記録媒体を用いて、以下の評価を行った。
[磁気特性評価]
磁気特性の評価は、垂直磁気特性Kerr効果測定装置(米国テンコール社製、モデルModel-32kt Gauss meter)を用いて行った。基板面内角度(X軸)に対する保磁力Hc(Y軸)の分布を評価した結果を図5に示した。(a)は実施例、(b)は比較例の垂直磁気記録媒体の結果である。なお、測定角度180度が排気側に位置する。
図5の結果から、比較例においては、前述の課題として説明したように分布が同心円状ではなく、排気側に偏った特性分布が得られているのに対し、実施例では、基板中心に同心円状の特性分布が得られていることが確認できた。なお、基板半径距離28.5mmでの磁気特性差Δ(最大値−最小値)は、比較例においては、100Oeであるのに対し、実施例では50Oeであった。
本発明者は、ラングミュアプローブによりプラズマ診断した結果も考慮して検討した結果、従来の材料ガス導入方法においては、図6の(b)に示したように、ターゲットから100mm程度以上離れた位置に、しかもプラズマ分布(P)が排気方向に偏ることによって、スパッタ粒子の方向(R)が基板Sに対して不均一になり、その結果、基板面内の特性分布が排気方向に偏るものと推測される。これに対して、実施例の材料ガス導入方法においては、図6の(a)に示したように、ターゲット近傍にあって、プラズマ分布(P)がターゲット中心部に偏ることによって、スパッタ粒子の方向(R)が基板Sに対して面内で均一になり、その結果、基板面内の特性分布が良好な同心円状に得られるものと考えられる。
1 スパッタリング装置
2 ターゲット
5 カソードシールド
6 リングシールド
7 ターゲット固定部材
8 材料ガス導入口
9,10,11 材料ガス噴出孔
12 チャンバー

Claims (7)

  1. スパッタリング装置を用いた成膜工程を含む垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
    成膜時の材料ガスの流れがチャンバー内のターゲットの中心部に誘引されるように、材料ガスの噴出口を前記ターゲットの近傍に配置したことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  2. スパッタリング装置を用いた成膜工程を含む垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
    成膜時にチャンバー内のターゲット近傍にほぼ均一な材料ガス分布が存在するように、材料ガスの噴出口を前記ターゲットの近傍に配置したことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記ターゲットの位置から20mm以内の範囲にほぼ均一な材料ガス分布が存在するようにすることを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記ターゲットと相対する位置であって、前記ターゲットの外周部に沿って、複数の材料ガス噴出孔を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記ターゲット又は前記ターゲット固定部材に隙間を設け、該隙間に材料ガス噴出孔を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記ターゲットの外側に配設されたカソードシールドに材料ガス噴出孔を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記カソードシールドに設けた材料ガス噴出孔から噴出された材料ガスを前記カソードシールド壁面に衝突させ、その反射された材料ガスを前記ターゲットに向かって導入することを特徴とする請求項6に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
JP2009080732A 2009-03-29 2009-03-29 垂直磁気記録媒体の製造方法 Pending JP2010231866A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009080732A JP2010231866A (ja) 2009-03-29 2009-03-29 垂直磁気記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009080732A JP2010231866A (ja) 2009-03-29 2009-03-29 垂直磁気記録媒体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010231866A true JP2010231866A (ja) 2010-10-14

Family

ID=43047528

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009080732A Pending JP2010231866A (ja) 2009-03-29 2009-03-29 垂直磁気記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010231866A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9105279B2 (en) 2012-06-18 2015-08-11 Hitachi, Ltd. Microwave assisted magnetic recording and magnetic storage device
CN111593311A (zh) * 2020-06-23 2020-08-28 北京北方华创微电子装备有限公司 用于半导体工艺设备中的靶材和半导体工艺设备

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05230640A (ja) * 1992-02-25 1993-09-07 Fujitsu Ltd スパッタ装置
JPH07238370A (ja) * 1994-02-28 1995-09-12 Mitsubishi Electric Corp スパッタリング式成膜装置
JP2001040474A (ja) * 1999-07-28 2001-02-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ処理方法とその装置
JP2004346406A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Anelva Corp スパッタリング装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05230640A (ja) * 1992-02-25 1993-09-07 Fujitsu Ltd スパッタ装置
JPH07238370A (ja) * 1994-02-28 1995-09-12 Mitsubishi Electric Corp スパッタリング式成膜装置
JP2001040474A (ja) * 1999-07-28 2001-02-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ処理方法とその装置
JP2004346406A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Anelva Corp スパッタリング装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9105279B2 (en) 2012-06-18 2015-08-11 Hitachi, Ltd. Microwave assisted magnetic recording and magnetic storage device
CN111593311A (zh) * 2020-06-23 2020-08-28 北京北方华创微电子装备有限公司 用于半导体工艺设备中的靶材和半导体工艺设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5360892B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP5638814B2 (ja) 片面垂直磁気記録媒体
JP5807944B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
US20090311557A1 (en) Perpendicular magnetic recording disk and method of manufacturing the same
JP2012009086A (ja) 垂直磁気記録媒体及びその製造方法
JP2010257566A (ja) 垂直磁気記録媒体
US7744966B2 (en) Production process of perpendicular magnetic recording medium
JPWO2010038448A1 (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2009245484A (ja) 垂直磁気記録媒体及び垂直磁気記録媒体の製造方法
JP4857232B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US10832720B2 (en) Magnetic recording medium with nitride segregant, method for manufacturing same and magnetic recording and reproducing apparatus
US11295775B2 (en) Magnetic recording medium having magnetic layer with nitride of carbon or hydride of carbon, and magnetic storage apparatus
JP2010231866A (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
US10829848B2 (en) Magnetic recording medium, with carbide segregant, method for manufacturing same and magnetic recording and reproducing apparatus
JP6089740B2 (ja) 磁気記録媒体の記録再生方法
JP5395991B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP5519962B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及びその製造方法
JP5001768B2 (ja) 垂直磁気記録ディスクの製造方法
JP5455188B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP5401147B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP6523832B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2009093711A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
JP2006228423A (ja) 磁気ディスク及びその製造方法
JP2009087407A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2008276916A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100706

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101018

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130924

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140729