JP2010231139A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印刷時間の短縮化を図った画像形成装置を提供する。
【解決手段】 外部装置から印刷ジョブを受信する受信部110と、上記印刷ジョブに応じた印刷データを生成し、画像形成する画像処理部140と、上記画像処理部140にて生成した印刷データに基づき、印刷画像を媒体に形成する画像形成部170と、上記媒体の種類を判別する媒体判別部142と、上記印刷データから画像の濃度およびその分布を算出する印刷濃度分布算出部144と、上記媒体判別部142の判別結果と上記印刷濃度分布算出部144の算出結果に応じて印刷速度を選択する印刷速度選択部124とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷データを受信して、媒体に印刷画像を形成する画像形成装置に関するものである。
従来公知のプリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置は、感光体ドラム、記録ヘッド、現像装置、転写ローラ、定着装置等で構成されており、このような画像形成装置では、画像形成プロセスにおいて、記録ヘッドを駆動することにより、感光体ドラム上に静電潜像が形成され、この静電潜像に現像装置にて現像剤であるトナーを供給することにより、静電潜像に応じたトナー像が形成される。トナー像は、転写ローラにより媒体に転写され、さらに定着装置において、定着ローラと加圧ローラにより加熱・押圧されて媒体に定着される。
ところで、上記定着過程において、トナー像を媒体に定着する際に、媒体の熱容量や温度等によってトナー像(トナー)に供給される熱量が変化するため、コールドオフセットやホットオフセット等が発生し、画像品質が低下してしまうという問題があった。
尚、コールドオフセットとは、定着過程において、定着ローラによる加熱が不十分な場合に、トナーが十分溶融せずに、一部が定着ローラに付着してしまう現象のことであり、定着ローラにトナーが付着した部分は、印刷画像の欠損として現れる。
また、ホットオフセットとは、逆に定着ローラの温度が高すぎた場合に、トナーの溶融は十分であるが、粘着度が下がり過ぎて、一部が媒体上から剥がれて定着ローラに付着してしまう現象のことであり、この場合も、コールドオフセットと同様に、印刷画像の欠損が生じる。
例えば、特許文献1には、媒体の厚さを検出し、検出された紙厚に応じて画像形成プロセスの各プロセスの条件(定着温度)を変化させることにより、オフセットの発生を防止する技術が提案されている。
例えば、印刷の際に、厚紙等のように、普通紙に比べて熱容量の大きい媒体を用いる場合は、印刷速度を一律で低下させ、トナー像に定着ローラの熱をより多く供給することで、定着性を確保し、上記コールドオフセットによる画像品質の低下を防止することが行われていた。
特開2003−149887号公報
しかしながら、上記のように、媒体の厚さによって印刷速度を一律で低下させると、普通紙印刷に比べて印刷時間が長くなるという問題があり、特に、多数部印刷の場合は顕著であった。
本発明は、上記問題に鑑み成されたもので、厚紙や長尺紙等、比較的熱容量の大きい媒体を用いて印刷する場合、印刷画像の濃度や濃度分布に応じて印刷速度を変えることにより、印刷時間の短縮化を図った画像形成装置を提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、上記印刷ジョブに応じた印刷データを生成し、画像形成する画像処理部と、上記画像処理部にて生成した印刷データに基づき、印刷画像を媒体に形成する画像形成部と、上記媒体の種類を判別する媒体判別部と、上記印刷データより画像の濃度およびその分布を算出する印刷濃度分布算出部と、上記媒体判別部の判別結果と上記印刷濃度分布算出部の算出結果に応じて印刷速度を選択する印刷速度選択部とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、厚紙や長尺紙等の熱容量の大きい媒体を用いて印刷をする場合、従来のように、印刷速度を一律に下げるのではなく、印刷画像の濃度や濃度分布に応じて印刷速度を選択するように構成したので、印刷画像の濃度が全般的に低い場合や、印刷画像の濃度分布に偏りがある場合は、印刷速度を従来速度より高めに設定することが可能となり、印刷時間の短縮化を図ることができる。
実施例1による画像形成装置の構成を示すブロック図である。 プリンタエンジンの構成を示す断面図である。 実施例1によるプリンタのデータ処理を示すフローチャート(その1)である。 実施例1によるプリンタのデータ処理を示すフローチャート(その2)である。 実施例1によるプリンタの印刷制御処理を示すフローチャートである。 実施例1による画像変換に用いる印刷画像の例を示す図である。 図6の印刷画像の濃度分布を示す図である。 実施例1による画像変換後の印刷画像の濃度分布を示す図である。 図8の印刷画像の濃度分布を示す図である。 実施例1による印刷画像の濃度分布の算出処理を示すフローチャートである。 印刷速度テーブルの内容を示す図である。 プリンタエンジンの動作を示すタイムチャートである。 実施例2による画像形成装置の構成を示すブロック図である。 実施例2によるプリンタのデータ処理を示すフローチャート(その1)である。 実施例2によるプリンタのデータ処理を示すフローチャート(その2)である。 実施例2による画像変換に用いる印刷画像の例を示す図である。 図16の印刷画像の濃度分布を示す図である。 実施例2による画像変換後の印刷画像の濃度分布を示す図である。 図18の印刷画像の濃度分布を示す図である。 実施例2による印刷画像の濃度分布の算出処理を示すフローチャートである。 各ページの端部の濃度比較方法を示す図である。 変形例によるプリンタエンジンの動作を示すタイムチャートである。
以下、図1〜図22を用いて、本発明による画像形成装置の実施形態を説明する。
本実施形態による画像形成装置は、感光ドラム上に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、該トナー像を媒体に転写すると共に、転写されたトナー像を熱と圧力により定着させて印刷画像を得る電子写真方式のカラープリンタを例とする。
図1は、実施例1による画像形成装置100(プリンタ100)の構成を示すブロック図である。
本実施例のプリンタ100は、図1に示すように、CPU150と、このCPU150にデータバス180を介して接続された、入出力I/F部(受信部)110、ROM120、RAM130、画像処理部140、エンジン制御部160、プリンタエンジン170等で構成されている。
入出力I/F部110は、ローカルネットワーク等のネットワークを介して外部のホストコンピュータ200との間でデータ通信を行い、受信した印刷ジョブをプリンタ100内に取り込む。
ROM120は、画像処理や画像形成動作のための制御プログラム等を格納しておく読み込み専用のメモリであり、印刷速度テーブル121、濃度判定プログラム122、濃度分布判定プログラム123、速度選択プログラム(印刷速度選択部)124、モータ制御プログラム125等が格納されている。
印刷速度デーブル121は、印刷モード(媒体の種類)と印刷速度の対応関係が記述されたデータベースであり、プリンタ100にて選択可能な印刷速度が記述されている。本実施例では、各印刷モードに対応した、第1〜第3の3段階の印刷速度(20ppm、16ppm、12ppm)が選択できるようになっている。
図11は、印刷速度テーブル121の内容を示す図であり、速度選択No1では、厚紙印刷速度として12ppmが設定され、速度選択No2では、速度アップ時の厚紙印刷速度として16ppmが設定され、速度選択No3では、普通紙印刷速度として20ppmが設定されるようになっている。ppm(Page Per Minute)は、A4サイズの媒体を1分間に印刷できる枚数を示す。
濃度判定プログラム122は、受信した印刷データの平均濃度が、所定の濃度値より高いか否かを判定するプログラムであり、判定結果は、画像処理部140に送られる。本実施例では、所定の濃度値を5%とする。
濃度分布判定プログラム123は、所定ページの印刷データに濃度の高い画像が含まれている場合、この高濃度の画像が媒体の媒体搬送方向の端部に偏っているか否かを判定するプログラムであり、判定結果は、画像処理部140に送られる。
速度選択プログラム124は、上記濃度判定プログラム122と上記濃度分布判定プログラム123の判定結果に基づいて印刷速度を選択するプログラムである。印刷速度の選択は、上記印刷速度デーブル121を参照して行われる。
RAM130は、揮発性のメモリであり、ホストコンピュータ200より受信した印刷データや、制御時の各種演算データ(例えば、濃度データや濃度分布データ)が一時的に保存される。また、ROM120に格納された制御プログラムを実行する際のワークメモリとして使用される。
また、RAM130には、印刷データ格納部131、濃度格納部132、濃度分布格納部133の各メモリ領域が確保されており、印刷データ格納部131には、ホストコンピュータ20から受信した印刷データが格納され、濃度格納部132には、印刷データの画素単位の濃度データが格納され、濃度分布格納部133には、濃度データの平均値が格納される。
ここで、印刷データの濃度とは、各画素を表現する各色(Y、M、C、K)のトナーの重ね合わせ量を百分率で示すが、各色のトナーの重ね合わせ量の累計を示しても良い。
画像処理部140は、印刷データ格納部131に格納された印刷データに色処理(例えば、スクリーン処理等の中間調処理を含む)を始めとする各種画像処理を施し、YMCKで成る印刷データを生成する機能部であり、データ回転部141、判定部142、濃度検出部143、濃度算出部(印刷濃度分布算出部)144、濃度消去部145から構成される。
これらは、CPU150がRAM130上に展開された画像処理用の制御プログラムを実行することにより実現される機能部である。
データ回転部141は、ホストコンピュータより受信した印刷データを、CPU150からの指示により、所定角度、本実施例では、180°回転させた印刷画像に変換する機能部ある。
判定部142は、CPU150からの指示により、各種判定処理(主として、媒体の種類の判定、印刷データの濃度と濃度分布等の判定)を実行する機能部である。
尚、媒体の種類については、普通紙以外の媒体として、例えば、厚紙、光沢紙、コート紙等の熱容量の大きい媒体が使用されるが、本実施例では、普通紙よりも熱容量が大きく、印刷速度を遅くする必要がある媒体として、厚紙が否かが判定される。
濃度検出部143は、CPU150からの指示により、印刷データから各画素の濃度を検出する機能部である。
検出された濃度は、濃度格納部132に一時的に格納される。この濃度データは、判定部142においては、濃度と濃度分布の判定のために使用され、また、濃度算出部144においては、濃度分布の算出のために使用される。
濃度算出部144は、CPU150からの指示により、濃度検出部143にて検出された濃度に基づいて、媒体搬送方向である副走査方向のライン毎の平均濃度を算出する機能部である。
算出された平均濃度が所定値を上回るページについては、その平均濃度値が濃度分布格納部133に格納される。本実施例では、平均濃度の所定値を10%に設定する。
エンジン制御部160は、印刷データの濃度と濃度分布に応じ、後述するプリンタエンジン170における各ユニットへの供給電圧や、各ローラの回転速度を制御する機能部であり、各種モータの回転速度を制御するためのモータ制御部161を備える。
プリンタエンジン170は、画像処理部140において生成されたCMYKの4色で成る印刷データに応じたトナー像を媒体に形成するもので、その構成を図2に示す。
図2において、符号170はプリンタエンジンである。このプリンタエンジン170の底部に、印刷用の媒体(用紙)Sが収容される用紙カセット2が配設されている。この用紙カセット2の繰り出し側には、用紙カセット2内に収容された媒体Sを1枚ずつ繰り出す給紙ローラ3が設けられ、その下流側には、給紙ローラ3により繰り出された媒体Sを給紙搬送路4に沿って画像形成部6へと送り出す搬送ローラ5が設けられている。
上記画像形成部6は、それぞれ直列に配設されたブラック(K)、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像を形成する4台の現像ユニット7と、これら現像ユニット7により形成されたトナー像をクーロン力により媒体Sに転写する転写ユニット8を備える。
上記転写ユニット8は、各現像ユニット7に対応して配設された4本の転写ローラ9と、上記搬送ローラ5から繰り出される媒体Sを矢印D方向に搬送する導電性の転写ベルト10と、この転写ベルト10を駆動する駆動ローラ11aと、その従動ローラ11bとを備える。また、各転写ローラ9にトナー像の帯電極性と逆極性の高電圧が、図示しない電圧発生部より印加されるようになっている。
また、この画像形成部6の下流部には、転写ユニット8において媒体Sに転写されたトナー像を、熱と押圧力により媒体Sに定着させる定着ユニット12が配設されている。
上記定着ユニット12は、定着熱発生体H(例えば、ハロゲンランプ)が内蔵された定着ローラ13と、図示しない押圧手段により、定着ローラ13に押圧される加圧ローラ14とを備える。
定着ユニット12の出口近傍には、定着搬送ローラ15が、また、その下流側には、排出ローラ16が設けられ、定着ユニット12から送り出されたトナー像が定着済みの媒体Sが排出搬送路17を経て外に排出されるようになっている。定着ユニット12の出口部には、媒体Sの通過を検出する排出センサ18が配設されている。
尚、図2では、上記画像形成部6を構成する静電潜像担持体(例えば、感光ドラム、感光ベルト)や静電潜像担持体への潜像形成のための露光機構(例えば、LEDヘッド、レーザヘッド)等の図示は省略されている。
上記構成のプリンタエンジン170では、画像形成部6において、画像処理部140にて生成されたC、M、Y、Kの印刷データに従って帯電された感光ドラム、或いは感光ベルトに、例えば、LEDの発光が照射され、感光体上に静電潜像が形成される。
この静電潜像は、各現像ユニット7においてC、M、Y、Kの各色のトナーにより現像されて、トナー像となる。トナー像は、転写ユニット8において、給紙ローラ3、給紙搬送路4、搬送ローラ5、転写ベルト10等を経て、用紙カセット2から搬送されてくる媒体Sに転写され、定着ユニット12において、熱と押圧力により溶融し、媒体Sに定着される。定着が終わった印刷画像は、排出ローラ16を介して外に排出される。
次に、上記構成によるプリンタ100の動作を、図3、図4を用いて説明する。図3、図4は、実施例1によるプリンタのデータ処理を示すフローチャートである。
尚、以下の動作は、CPU150が画像処理用の制御プログラムを実行することで実現される上述した各機能部において行われる。
先ず、S101では、入出力I/F部110を介して、ホストコンピュータ200からの印刷ジョブ(印刷データ)がプリンタ100内に取り込まれる。
次に、S102では、判定部142において、媒体Sの種類(普通紙/厚紙)が判定される。例えば、プリンタ100の印刷速度テーブル121で指定される媒体Sの種類、または印刷ジョブによりホストコンピュータ200にて指定された媒体Sの情報から、普通紙か厚紙かが判定される。また、別の方法として、プリンタエンジン170に収容されている媒体Sの厚さを紙厚センサで検出し、その検知出力から普通紙が厚紙かを判定することもできる。
S102で、媒体Sが普通紙であると判定された場合は、S103において、CPU150よりエンジン制御部160に対して、普通紙の印刷速度による印刷の指示が通知され、該当する印刷速度による印刷が指示される。
また、S102で、媒体Sが普通紙ではないと判定された場合は、S104において、CPU150により、受信した印刷データのページ数Pが取得される。
次に、S105では、CPU150からの濃度検出指示により、濃度検出部143において、主走査方向と副走査方向における各画素の濃度値が検出される。
次に、S106では、濃度算出部144において、濃度検出部143にて検出された各画素の濃度値に基づき、各ページの印刷データについて、副走査毎の濃度平均値が算出される。
次に、S107では、判定部142において、所定ページにおける印刷データの平均濃度値が判定される。平均濃度値が所定の濃度値である5%未満の場合は、S109に進む。
また、S107で、平均濃度値が所定の濃度値である5%以上であると判定された場合は、S108において、CPU150により、該当ページの濃度値が濃度格納部132に格納される。
次に、S109では、全ページの印刷データについて濃度算出処理が終了したか否かが判定され、未終了であれば、全ページについて濃度算出処理が実施されるまで、S105〜S109の処理が繰り返し実行される。
全ページの濃度算出処理が終了すると、S110では、判定部142において、濃度格納部132に濃度値(平均濃度値が5%以上となるページの濃度値)が格納されているか否かが判定される。
S110で、濃度格納部132に濃度値が格納されていないと判定された場合は、印刷ジョブの全ページの平均濃度値は5%未満であると判断し、S111において、CPU150よりエンジン制御部160に対し、本印刷ジョブは、濃度の低い印刷データであることが通知され、図11における速度選択No2の厚紙印刷速度(速度アップ)である印刷速度16ppmによる印刷が指示される。
また、S110で、濃度格納部132に濃度値が格納されていると判定された場合は、
印刷ジョブ中に、平均濃度値が5%以上の印刷データが含まれているページが存在するものとし、S112において、CPU150により、濃度格納部132に格納されている濃度値に基づいて、最も平均濃度値が高いページについて、濃度の累積グラフ(ヒストグラム)が作成される(図7、図9参照)。この濃度の累積グラフについては後述する。
次に、S113では、判定部142において、作成された累積グラフに基づき、濃度の高い画像が媒体搬送方向の端部(先端側、或いは後端側)に偏っているか否かが判定される。
すなわち、図21に示すように、所定ジョブの各ページ(例えば、5ページ)を媒体の搬送方向において半分ずつ先端側と後端側に分け、全てのページの先端側で最も高い平均濃度dtmax(max(d1t〜d5t))と、全てのページの後端側で最も高い平均濃度dbmax(max(d1b〜d5b))が算出され、両者が比較される。尚、d1t〜d5tは、各ページの先端側の平均濃度を示し、d1b〜d5bは、各ページの後端側の平均濃度を示す。
S113で、最も平均濃度の高い画像が先端側に存在する場合は、S118に進み、最も平均濃度の高い画像が後端側に存在する場合は、S114に進む。
S114では、dbmaxとdtmaxに15%を加えた濃度とが比較され、dbmaxがdtmaxに15%を加えた濃度を上回る場合は、極端に濃度の高い画像が媒体の後端側に偏っているものと判断して、S115において、CPU150よりエンジン制御部160に対して、印刷データの濃度が後端側に偏っていることが通知される。他方、dbmaxがdtmaxに15%を加えた濃度を下回る場合は、やや濃度が高い画像が媒体の後端側に偏っているものとして、S118に進む。
ここで、S114のdtmaxとdbmaxの比較で、比較対象を15%としたのは、以下の理由によるものである。
定着ユニット12への加熱は無いものと仮定した場合、媒体Sを坪量120gsmのA4サイズの厚紙とし、搬送方向を縦送りとすると、定着過程における先端側と後端側の通紙温度差は、約3°Cとなることが実験により確認されている。したがって、印刷媒体の後端側に存在する画像を先に印刷することにより、本来の定着過程で必要とされる最低温度となる後端側での通紙温度より3°C高い温度を与えることになる。
一方、通紙により低下する定着ローラ13の温度は、印刷画像の濃度によって異なり、印刷画像の濃度が15%増加すると、定着ローラ13の最低温度を3°C上げる必要があることが実験より確認されている。よって、本実施例では、この3°C上昇分に相当し、定着過程で許容できる先端側と後端側の印刷画像の入れ替え、つまり180°回転して3℃の余地を得て定着性を安定させられる濃度差を15%とした。
次に、S116では、CPU150の指示により、データ回転部141において、印刷データの出力方向を180°回転させる。すなわち、濃度の高い画像が先端側に位置するように、印刷データを主走査方向と副走査方向の両方向に対して並び換え、画像の向きを各方向に180°回転させる画像変換が行われる。具体的には、印刷データ格納部131に格納された印刷データが、主走査、副走査両方向において、後端から先端に読み出される。本処理の詳細は後述する。
次に、S117では、CPU150よりエンジン制御部160に対して、印刷データの出力方向を180°回転したことが通知される。
S118では、濃度算出部144において、濃度格納部132に格納されている全ページの平均濃度値が算出されると共に、判定部142において、算出された平均濃度値が5〜10%の範囲であるか否かが判定される。平均濃度値が所定の濃度である10%以上であると判定された場合は、S120に進む。
また、S118で、平均濃度が5〜10%の範囲であると判定された場合は、S119において、CPU150よりエンジン制御部160に対し、印刷速度を上げる指示が通知され、該当する印刷速度による印刷が指示される。
S120では、次の印刷ジョブのデータ処理に移行するため、CPU150の指示により、濃度消去部145において、濃度格納部132に格納されている濃度データが全てクリアされる。
次に、上述したS116の画像回転処理につき、図6〜図10を用いて説明する。
図6は、画像変換に用いる印刷画像の例を示す図、図7は図6の印刷画像の濃度分布(ヒストグラム)を示す図、図8は、画像変換後の印刷画像を示す図、図9は、図8の印刷画像の濃度分布(ヒストグラム)を示す図、図10は、印刷画像の濃度分布算出処理を示すフローチャートである。
図6〜図9において、先端とは、所定ページの印刷画像を媒体搬送方向に2分割した領域の内、当ページの媒体搬送方向に対する先端側半分の領域を示し、後端とは、所定ページを媒体搬送方向に2分割した領域の内、当ページの媒体搬送方向に対する後端側半分の領域を示す。
本実施例で用いられる印刷画像は、図6、図7に示すように、後端に濃度が高い画像Iが集中し、先端に濃度の低い画像Iが集中している画像である。
印刷画像の回転処理は、平均濃度の最も高いページの先端側の平均濃度と後端側の平均濃度を比較して、後端側の濃度が先端側の濃度を遙かに上回る場合に行われる。
図8、図9に示すように、濃度が高い画像が集中する端部が媒体搬送方向の上端側に位置するように回転させると、画像形成プロセスにおける定着動作は、以下のようになる。
先ず、定着ユニット12(定着ローラ13)の温度が高い状態で、印刷画像の高濃画像I領域の定着が行なわれる。この定着過程において、熱が媒体Sとトナー像の溶融に熱を奪われることにより、定着ユニット12の温度は低下する。
次に、高濃度画像領域での定着で、定着ユニット12の温度が低下した状態で、上端側の定着温度より低い温度で定着可能な低濃度画像I領域の定着が行われる。
印刷速度を通常の厚紙の印刷速度より高く設定(定着時間を短くして、定着に要する熱量を少なくする)しても、コールドフセット等による定着不良のない良好な定着が行える。つまり、高温が必要な高濃度画像I領域の定着動作を定着動作開始直後の比較的高温である状態の時に先に行う。
以下、ページの先端側と後端側における平均濃度の算出について、図7を用い、図10に基づいて説明する。以下の処理は、濃度算出部144において行われる。
先ず、S301では、副走査方向の全ライン数が算出される。
すなわち、媒体Sの副走査方向の長さをL(mm)、余白エリアである印刷禁止エリアの幅をh(mm)、副走査方向の解像度をα(dpi)とすると、先端側および後端側のライン数nは、下式(1)にて算出できる。
((L−2h)/2)×(α/25.4)・・・・(1)
例えば、媒体Sの副走査方向の長さLを297mmとし、両端の印刷禁止エリア幅hをそれぞれ5mmとし、副走査方向の解像度αを600dpiとすると、先端側および後端側のライン数n=3379(小数点以下切り捨てとする)となる。尚、1inch=25.4mmである。
次に、S302では、始めに、媒体Sの最も先端のラインの平均濃度が取得できるように、平均濃度の取得開始位置が設定される。すなわち、Y=1(Y:媒体Sの先端から後端方向のライン番号)が設定される。ここで、ラインの平均濃度とは、そのラインの主走査方向における各画素の累計濃度をその画素数で除算したものである。
次に、S304では、今回のライン番号Yにおける平均濃度(AD(Y))が取得される。
次に、S305では、前回のライン番号までの先端累計濃度(T(Y−1))と、今回のライン番号における平均濃度(AD(Y))を加算した先端累計濃度(T(Y):T(Y−1)+AD(Y))が算出され、さらに、この先端累計濃度(T(Y))をライン番号Yで除算した先端平均濃度(T(Y)/Y)が算出される。
次に、S306では、ライン番号Yが先端の最終ライン番号nに達したか否かが判定される。ライン番号Yが、先端の最終ライン番号nに達していないと判定された場合は、全ラインの平均濃度が取得されるまで、S304とS305の処理が繰り返し行われる。この繰り返し処理において、S303で、前回の平均濃度を取得したライン番号Yに1が加算される。尚、最終ライン番号nは、媒体Sの大きさとラインの設定によって決まる。
S306で、ライン番号Yが先端側の最終ライン番号nに達したと判定されると、S307にて、取得された先端平均濃度値と先端累計濃度値がそれぞれ濃度分布格納部133に格納される。
次に、S308では、前回の平均濃度を取得したライン番号Y(先端の最終ライン番号n)に1が加算される。
以降、濃度算出処理は、媒体Sの後端に移行し、S309では、今回のライン番号Yにおける平均濃度(AD(Y))が取得される。
次に、S310では、ライン番号Y=n+1からライン番号Yまでの平均濃度を加算した後端累計濃度(T(Y)−T(n))が算出され、さらに、この後端累計濃度(T(Y)−T(n))を後端側のライン番号(Y−n)で除算した後端平均濃度(T(Y)−T(n))/(Y−n)が算出される。ここで、T(n)は、先端側における累計濃度を示す。
次に、S311では、ライン番号Yが媒体Sの最終ライン番号2nに達したか否かが判定される。ライン番号Yが、最終ライン番号2nに達していない場合は、後端側について全ラインの平均濃度が取得されるまで、S308〜S311の処理が繰り返し行われる。
また、S311で、ライン番号Yが、媒体Sの最終ライン番号2nに達したと判定された場合は、S312にて、取得された後端平均濃度値と後端累計濃度値が濃度分布格納部133に格納される。
次に、図5に基づき、プリンタ100の印刷速度制御について説明する。図5は実施例1によるプリンタ100の印刷制御処理を示すフローチャートである。
先ず、S201では、エンジン制御部160において、画像処理部140(CPU150)から通知された印刷指示(図3のS103参照)情報より、当印刷ジョブに用いられる媒体Sの種類が判定される。
S201で、媒体Sが普通紙であると判定された場合、S202では、普通紙の推奨印刷速度(20ppm)にて印刷が行われるように、モータ制御部161において、プリンタエンジン170の各種モータの回転速度が制御される。
また、S201で、媒体Sが厚紙であると判定(S201でNoと判定)された場合、S203では、エンジン制御部160において、画像処理部140から印刷データの濃度が低いとの通知(図4のS111参照)が受信されたか否かが判定される。
S203で、印刷データの濃度が低いとの通知が受信されたと判定された場合、エンジン制御部160は、今回の印刷ジョブは、濃度の薄い画像の印刷であると判断し、S207では、従来の厚紙の印刷速度(12ppm)より速い印刷速度(16ppm)にて印刷が行われるよう、モータ制御部161において、プリンタエンジン170の各種モータの回転速度が制御される。
尚、普通紙の印刷速度(20ppm)、厚紙の印刷速度(12ppm)、厚紙の印刷速度より速い印刷速度(16ppm)の選択は、図11に示す印刷速度テーブル121の記述に基づいて行われる。
また、S203で、印刷データの濃度が低いとの通知を受信していないと判定された場合、S204では、エンジン制御部160において、画像処理部140から、濃度が高い画像が後端側に偏っているとの通知(図4のS115参照)を受信したか否かが判定される。
S204で、濃度が高い画像が後端側に偏っているとの通知を受信したと判定された場合、S205に進み、エンジン制御部160において、画像処理部140より印刷データの出力方向を回転したとの通知(図4のS117参照)を受信したか否かが判定され、印刷データの出力方向を回転したとの通知を受信したと判定された場合は、S206に進み、他方、印刷データの出力方向を回転したとの通知を受けていないと判定された場合は、この通知が受信されるまで待つ。
また、S204で、エンジン制御部160が、濃度の高い画像が後端側に偏っているとの通知を受信していないと判定された場合は、S206に進み、S206で、エンジン制御部160において、画像処理部140より印刷速度を上げるとの通知(図4のS119参照)が受信されたか否かが判定される。
S206で、印刷速度を上げるとの通知が受信されたと判定された場合は、S207にて、従来の厚紙の印刷速度よりも速い印刷速度(16ppm)が選択される。
また、S206で、印刷速度を上げるとの通知が受信されていないと判定された場合は、S208にて、従来の厚紙の印刷速度(12ppm)にて印刷するよう、モータ制御部161において、プリンタエンジン170の各種モータの回転速度が制御される。
次に、上述した、S207における印刷速度の変更について、図11の印刷速度テーブル121を用いて説明する。
S207において、エンジン制御部160が、画像処理部140より厚紙の印刷速度を上げる指示を受けると、CPU150により速度選択プログラム124が実行される。本処理において、印刷速度テーブル121の、これまで選択されていた厚紙印刷速度の速度選択No1(12ppm)がインクリメントされ、新たに速度選択No2(16ppm)が選択される。
印刷速度の選択後、CPU150によりモータ制御プログラム125が実行されると、モータ制御部182において、新たに選択された速度選択No2に対応する印刷速度(16ppm)に相当する回転速度にて、プリンタエンジン170の各種モータの回転が制御される。このモータ回転動作で各種ローラが駆動され、媒体Sを搬送する。
図12は上記画像形成プロセスにおけるプリンタエンジン170の動作を示すタイムチャートである。
本図は、ホストコンピュータ200より、プリンタエンジン170が印刷速度の異なる3つの印刷ジョブをそれぞれ1印刷ジョブ当たり5枚ずつ受信した場合の動作を示している。これらは、従来の厚紙の印刷速度より速い印刷速度(16ppm)で印刷する印刷ジョブと、普通紙の印刷速度(20ppm)で印刷する印刷ジョブと、従来の厚紙の印刷速度(12ppm)で印刷する印刷ジョブである。
図12において、受信データは、画像処理部140がホストコンピュータ200より印刷データを受信するタイミングを示し、転写の状態は、各現像ユニット7で形成されたトナー像を媒体Sに転写するタイミングを示し、時間軸に対して、低濃度画像の厚紙印刷、普通紙印刷、高濃度画像の厚紙印刷の順である。排出センサ信号は、媒体Sが定着ユニット12を通過するタイミングを示し、媒体Sの検知で信号レベルはLowとなる。信号レベルのLowの期間にトナー像の定着が行われる。
各種モータ信号は、各種モータの回転速度をアナログ信号で示したもので、信号レベルが増大するとモータの回転速度は速くなる。印刷速度は、モータの回転速度に比例するため、モータ回転信号のレベルに応じて印刷速度が変化する。本図は、媒体に応じてそれぞれ異なるモータ回転速度(すなわち、印刷速度)にて定着が行われていることを示している。
尚、α1、α2、α3、及びα1’、α2’、α3’は、それぞれの印刷速度にて印刷される媒体Sが、所定の現像ユニット7に到達してから排出センサ18に至るまでに要する時間を示しており、α1、α2、α3は、1枚目の媒体Sの先端が所定の現像ユニット7に到達してから排出センサ18に至るまでの時間を示し、α1’、α2’、α3’は、最後(5枚目)の媒体Sの後端が所定の現像ユニット7に到達してから排出センサ18に至るまでの時間を示している。α1とα1’、α2とα2’、α3とα3’は、それぞれ同じ時間である。
以上、実施例1によれば、厚紙に印刷される印刷画像の濃度が全般的に薄い印刷ジョブや、濃度の高い画像が媒体搬送方向の先端側または後端側に偏っている印刷ジョブについては、濃度の高い画像を先に印刷するように画像を変更することで、従来の厚紙印刷の印刷速度よりも印刷速度を上げられる構成としたので、印刷時間の短縮化が図れる。
尚、媒体を長手方向と短手方向の両方向に印刷可能な画像形成装置の場合、画像の先端側、後端側に加えて、画像の右端側、左端側の濃度の偏りを判定し、最も濃度の高い側から印刷を開始するように画像と媒体の搬送を変更して良い。
図13は、実施例2による画像形成装置1100(プリンタ1100)の構成を示すブロック図である。
プリンタ1100は、図13に示すように、CPU150と、このCPU150にデータバス180を介して接続された、入出力I/F部(受信部)110、ROM1120、RAM1130、画像処理部140、エンジン制御部160、プリンタエンジン170等で構成されている。
尚、入出力I/F部110、画像処理部140、エンジン制御部160、プリンタエンジン170については、実施例1(図1)と同様であり、同じ符号を付して詳細説明は省略する。
ROM1120は、画像処理や画像形成動作のための制御プログラム等を格納しておく読み込み専用のメモリであり、例えば、印刷速度テーブル121、濃度判定プログラム122、濃度分布判定プログラム1123、速度選択プログラム124、モータ制御プログラム125等が格納されている。
尚、印刷速度テーブル121、濃度判定プログラム122、速度選択プログラム(印刷速度選択部)124、モータ制御プログラム125については、実施例1(図1)と同様であり、同じ符号を付して詳細説明は省略する。
濃度分布判定プログラム1123は、濃度の高い画像が媒体の搬送方向の端部に偏っているか否かを判定するプログラムであり、図1の濃度分布判定プログラム123と相違し、定着ローラ13の周囲長単位で濃度分布判定の基準領域としている。
RAM1130は、図1のRAM130の構成に加え、定着ローラ13の周囲長を格納するための定着ローラ周囲長格納部1134を備える。
尚、印刷データ格納部131、濃度格納部132、濃度分布格納部133については、実施例1(図1)と同様であり、同じ符号を付して詳細説明は省略する。
次に、上記構成によるプリンタ1100の動作を、図14、図15に基づいて説明する。
図14、図15は、実施例2によるプリンタのデータ処理を示すフローチャートである。
尚、以下の動作は、CPU150が画像処理用の制御プログラムを実行することで実現される上述の各機能部において行われる。
ここで、印刷データの濃度比較については、実施例1では、印刷画像を媒体Sの搬送方向に2分割し、その先端と後端ついて平均濃度を算出するのに対し、実施例2では、印刷画像を媒体Sの搬送方向に、定着ローラ13の周囲長毎に分割し、これら各領域(周回)の平均濃度を算出するようにしている。
長尺紙のように媒体搬送方向に長い媒体Sの場合は、A4紙やB4紙等の普通紙に比べて、定着過程における先端領域や後端領域内での定着温度差が大きくなるため、濃度比較の基準となる領域をより細かく設定することが望ましい。
本実施例において、印刷画像を定着ローラ長にて分割するようにしたのは、実施例1に比べて濃度判定領域を細かくできるためであり、また、他の理由は、定着過程において、媒体Sが定着ローラ13から離れる際に、定着ローラ13の熱が媒体Sに放出されるため、定着ローラ13が一回転する毎に定着ローラ13の温度が低下していくことから、各周回内での定着温度差を極力小さくできることである。
図14、図15において、S1101の印刷データ受信からS1112の濃度の累積グラフ作成までの処理は、実施例1(図3、図4)のS101〜S112の処理と同様であり、詳細説明は省略する。
S1113では、判定部142において、平均濃度値が最も高いページの累積グラフに基づき、当ページの濃度の高い画像が、定着ローラ13のどの周回に偏っているかが判定される。すなわち、本判定では、実施例1(図4のS113)と同じ要領で、dtmaxとdbmaxとが比較され、濃度の高い画像が媒体の先端側の周回に存在するのか、後端側の周回に存在するかの判定が行われる。
S1113で、このページの特定の周回に濃度の高い画像が偏っていないと判定された場合は、S1118に進む。他方、特定の周回に濃度が偏っていると判定された場合、S1114に進み、濃度の偏りが最後端の周回に存在しているか否かが判定される。
S1114で、濃度が最後端の周回に偏っていると判定されると、S1115において、CPU150よりエンジン制御部160に対して、印刷データの濃度がこのページの最後端の周回に偏っていることが通知される。
次に、S1116では、CPU150の指示により、データ回転部141において、印刷データの出力方向を180°回転させる。すなわち、濃度の高い画像が先端側に位置するように、印刷データを主走査方向と副走査方向の両方向に対して並び換えることで、画像の向きを各方向に180°回転させる画像変換が行われる。
次に、S1117では、CPU150よりエンジン制御部160に対し、印刷データの出力方向を180°回転したことが通知される。
以降、S1118〜S1120の処理は、実施例1(図4)のS118〜S120の処理と同様であり、詳細説明は省略する。
また、実施例2の印刷制御処理についても、実施例1(図5)の印刷制御処理と全く同様であり、説明は省略する。
次に、上述したS1116の、画像の回転処理につき、図16〜図20を用いて説明する。
図16は、画像変換に用いる印刷画像の例を示す図、図17は図16の印刷画像の濃度分布(ヒストグラム)を示す図、図18は、画像変換後の印刷画像を示す図、図19は、図18の印刷画像の濃度分布(ヒストグラム)を示す図、図20は、印刷画像の濃度分布算出処理を示すフローチャートである。
実施例2では、上述したように、所定ページの印刷画像を媒体搬送方向に定着ローラ13の周囲長(例えば、100mm)にて複数の領域に分割し、それら各領域の平均濃度が比較される。分割された各領域は、媒体搬送方向に対し、先端側から順に周回1、周回2、周回3とする(図16〜19参照)。
本実施例で用いられる印刷画像は、図16、図17に示すように、後端側である周回2、3に濃度が高い画像Iが集中し、先端側である周回1に濃度の低い画像Iが集中している例である。
この画像の回転処理は、図16の回転前の印刷画像において、媒体搬送方向における最先端の周回(周回1)の平均濃度と、最後端の周回(周回3)の平均濃度の比較結果に基づいて行われる。各周回の平均濃度は、図17の濃度分布により算出される。
以下、周回1〜周回3における平均濃度の算出につき、図17を用い、図20に基づいて説明する。以下の処理は、濃度算出部144において行われる。
先ず、S1201、S1202では、平均濃度の取得開始位置が設定される。すなわち、
平均濃度の取得開始位置は、印刷領域の内の最も先端に位置するラインとし、周回数C=1、ライン番号Y=0と設定される。
次に、S1203では、前回の平均濃度を取得したライン番号Yに1が加算され、今回の平均濃度の取得ラインが設定される。
次に、S1204では、今回のライン番号Yにおける平均濃度AD(Y)が取得される。
次に、S1205では、濃度算出部144において、現在の位置までの平均濃度が算出される。
現在の位置までの平均濃度は、周回数Cのライン番号Y=1から現在のライン番号Yまでのラインの平均濃度である。ここで、αを副走査方向の解像度(dpi)とすると、平均濃度は、下式(2)にて算出できる。
(T(Y)−T(α(C−1)))/(Y−α(C−1))・・・・(2)
次に、S1206では、現在の濃度算出位置が、周回数Cの最後端のライン番号に達しているか否かが判定される。ここで、定着ローラの周囲長をl(mm)、副走査方向の解像度をα(dpi)とすると、周回数Cの最後端のライン番号Yは、下式(3)にて算出できる。
α×C×(l/25.4)・・・・(3)
S1206で、周回数Cの最後端のライン番号に達していると判定された場合は、周回数C全体の平均濃度値と累計濃度値が濃度分布格納部133に格納される。
次に、S1208では、次の周回の平均濃度を取得るため、周回数Cが更新され、全ての周回(周回1〜3)について、平均濃度の算出が終了するまでS1203〜S1205の処理が繰り返し行われる。
また、S1206で、周回数Cの最終ラインに達していないと判定された場合は、S1209にて、現在の位置のライン番号が、印刷可能領域の最後端に達したか否かが判定される。
ここで、媒体Sの副走査方向の媒体長をL(mm)、印刷禁止エリア幅をh(mm)とすると、印刷可能領域における最後端のライン番号Yは、下式(4)にて算出できる。
α×((L−2h)/25.4)・・・・(4)
S1209で、現在の位置のライン番号が印刷可能領域の最後端に達したと判定された場合は、S1210にて、周回数Cの平均濃度と累計濃度が濃度分布格納部133に格納される。
また、S1209で、印刷可能領域の最後端に達していないと判定された場合は、
S1203〜1206の処理が繰り返され、周回数Cの次のラインにおける平均濃度の算出処理が行われる。
以上、実施例2によれば、媒体Sを定着ローラ13の周囲長にて分割することにより、より細かい領域での平均濃度が比較できるため、特に、長尺紙のように、媒体搬送方向に長い媒体Sについては、各領域における濃度の比較をより詳細に行うことで、実施例1では、従来の厚紙印刷速度にて印刷されていた印刷ジョブについても、印刷速度を上げて印刷できる場合が生じ、更なる印刷時間の短縮化が図れる。
変形例
以上、実施例1、2では、印刷速度を切り換える判定基準として、媒体Sの厚さを用いたが、媒体Sの厚さの他、媒体Sの長さを用いることも可能である。この場合は、媒体Sが長くなる程媒体Sの熱容量が増大し、厚紙の場合と同様に、定着過程において定着ローラ12から放出される熱の量が増大するためである。
実施例1の場合では、(図3)のS102の媒体種類の判定において、媒体Sの厚さ判定に替えて、媒体Sの長さが普通紙であるか長尺紙(媒体搬送方向の長さが普通紙よりも長い媒体)であるかの判定が行なわれる。媒体長については、判定部142において、印刷ジョブにて指定された媒体Sの情報より、普通紙か長尺紙かが判断可能である。
以降、厚紙の場合と同様に、S102の判定で、普通紙であると判定された場合は、S103の処理(普通紙速度による印刷を指示)が実行され、長尺紙であると判定された場合は、S104の処理(画像データのページ数を取得)が実行される。
尚、印刷速度の切り換えに関しては、長尺紙の印刷速度として、厚紙と同じ印刷速度、すなわち、従来の長尺紙の印刷速度(12ppm)と、従来の長尺紙の印刷速度より速い印刷速度(16ppm)が適用されるが、厚紙の印刷速度とは別に、長尺紙の印刷速度を新たに設定しても良い。
実施例2(図4)の場合も、実施例1と同様であり、S1102の媒体種類の判定において、媒体Sの厚さ判定に替えて、媒体Sの長さが普通紙であるか長尺紙であるかの判定が行なわれる。
また、別の方法として、上記S102(S1102)における媒体Sの厚さの判定で、普通紙と判定された場合について、媒体Sの長さ判定を行い、普通紙であると判定された場合は、S103(S1103)の処理を実行し、長尺紙であると判定された場合は、S104(S1104)の処理を実行するように構成しても良い。
図22は、上述した変形例におけるプリンタエンジン170の動作を示すタイムチャートである。
本図は、ホストコンピュータ200より、プリンタエンジン170が印刷速度の異なる2つの印刷ジョブを受信した場合の動作を示している。これらは、長尺紙の印刷速度より速い印刷速度(16ppm)で1枚印刷する印刷ジョブと、普通紙の印刷速度(20ppm)で5枚印刷する印刷ジョブである。尚、本変形例では、長尺紙の印刷速度(12ppm)による印刷ジョブは省略している。
図22中の各信号、受信データ、転写の状態、排紙センサ信号、各種モータ回転信号については、図12と同様であり、詳細説明を省略する。
尚、α2、α3は、長尺紙の先端、および普通紙の1枚目の先端が所定の現像ユニット7に到達してから排出センサ18に至るまでの時間を示し、α2’、α3’は、長尺紙の後端、および普通紙の最後(5枚目)の後端が所定の現像ユニット7に到達してから排出センサ18に至るまでの時間を示している。
本実施形態では、現像剤に熱を加えて溶融、定着させる電子写真方式のプリンタに適用した例を示したが、本発明は、現像剤を直接媒体に付着させるインクジェット方式のプリンタ等にも適用可能であり、また、プリンタ以外に、上記方式を用いたMFP、FAX、複写装置等にも適用可能である。
13 定着ローラ
100 画像形成装置
110 入出力I/F部(受信部)
124 速度選択プログラム(印刷速度選択部)
140 画像処理部
141 データ回転部(印刷画像回転部)
142 判定部(媒体判別部)
144 濃度算出部(印刷濃度分布算出部)
170 プリンタエンジン(画像形成部)
200 ホストコンピュータ(外部装置)
S 媒体

Claims (11)

  1. 外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
    前記印刷ジョブに応じた印刷データを生成し、画像形成する画像処理部と、
    前記画像処理部にて生成した印刷データに基づき、印刷画像を媒体に形成する画像形成部と、
    前記媒体の種類を判別する媒体判別部と、
    前記印刷データより画像の濃度および前記画像の濃度の分布を算出する印刷濃度分布算出部と、
    前記媒体判別部の判別結果と前記印刷濃度分布算出部の算出結果に応じて印刷速度を選択する印刷速度選択部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印刷速度は、第1の印刷速度と、この第1の印刷速度より速度の遅い第2の印刷速度と、この第2の印刷速度より速度の遅い第3の印刷速度の何れかが選択可能であり、
    前記第2の印刷速度、または前記第3の印刷速度の選択は、前記濃度に基づいて行われ、前記濃度の平均値が所定濃度以下の場合に、前記第2の印刷速度が選択されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記媒体の種類は、当該媒体の厚さであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記媒体の種類は、当該媒体の媒体搬送方向の長さであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記媒体の厚さが所定値以上の場合に、前記第2の印刷速度または前記第3の印刷速度が選択されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記媒体の媒体搬送方向の長さが所定値以上の場合に、前記第2の印刷速度または前記第3の印刷速度が選択されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記濃度分布に応じて、前記印刷データの出力方向を回転させる印刷画像回転部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6までの何れかに記載の画像形成装置。
  8. 前記濃度分布は、前記媒体を媒体搬送方向に複数分割した各領域の濃度より算出されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記濃度分布は、前記媒体を媒体搬送方向に前記画像形成部の定着ローラの周囲長にて分割した各々領域の濃度より算出されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 媒体搬送方向における後端領域の濃度が先端領域の濃度より高い場合に、前記印刷データの出力方向を180°回転させることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記濃度分布は、ヒストグラムを用いて算出されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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