JP2010229391A - シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物、成形体、および積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、カレンダー成形性に優れ、かつ、耐摩耗性、耐傷付性などに優れるとともに、匂い、色移りなどが改良された人造皮革用シートに好適なシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を開発することである。
【解決手段】本発明は、プロピレンから導かれる繰り返し単位を60モル%以上90モル%未満含むシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体、プロピレンから導かれる繰り返し単位を90〜100モル%含むシンジオタクチックプロピレン重合体、およびエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン(共)重合体、アイソタクチックポリプロピレンを含むシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物、並びに、成形体、および積層シートに関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、プロピレンから導かれる繰り返し単位を60モル%以上90モル%未満含むシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体、プロピレンから導かれる繰り返し単位を90〜100モル%含むシンジオタクチックプロピレン重合体、およびエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン(共)重合体、アイソタクチックポリプロピレンを含むシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物、並びに、成形体、および積層シートに関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、カレンダー成形性に優れ、かつ、耐摩耗性、耐傷付性などに優れるとともに、匂い、色移りなどが改良された人造皮革用シート積層体を得るに好適なシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物、成形体、および積層シートに関する。
ポリ塩化ビニル(PVC)、特に軟質PVCは、可塑剤量を調整することにより硬度を自由に変えられる、着色が容易、押出成形、カレンダー成形などで表面外観が変えられる等の特徴を有し、耐薬品性、耐候性、耐熱性、二次加工性等が優れることから、人造皮革用シートあるいはフィルム(以下、シートあるいはフィルムを、併せて、「シート」と略称する場合がある。)として最も多く使用されている材料の一つである。また、ポリウレタンエラストマーは、広い硬度範囲で優れた弾性率、耐荷重性、機械的強度、耐油性、耐摩耗性等に優れており、人造皮革用シートに好適な材料の一つである。
カレンダー成形は、ロールを用いて樹脂をシート状に成形する成形方法で、押出シート成形と比較して生産性が高いことが特徴である。カレンダー成形には、通常、4本ロールのカレンダーが多く用いられている。カレンダー成形に用いられる樹脂のほとんどがPVCであり、オレフィン系樹脂はカレンダー成形に向かないといわれていた。種々の問題から、PVC系樹脂からオレフィン系樹脂への転換が求められているが、オレフィン系樹脂はカレンダー成形性が悪く、オレフィン系樹脂への転換は進んでいなかった。
カレンダー成形で主に問題となるのは、バンクマーク、厚薄不良、ピンホール、剥離不良、食い込み不良などである。バンクマークとは、シート面に非常に薄いV字形の波状の模様が残る現象である。厚薄不良とは、シートの厚みが不均一になることである。ピンホールとは、樹脂に巻き込まれた空気がバンクでも脱泡されず、気泡がシートに入り込み穴があくことである。剥離不良とは、樹脂がロールから離れず、ロールに巻き付いてしまうことである。食い込み不良とは、樹脂がロール間に食い込んでいかず、バンクがどんどん大きくなって樹脂が溢れ出すことである。この中でも、剥離不良と食い込み不良は、PVCのカレンダー成形では見られず、オレフィン系樹脂に見られる現象であり、成形上の問題点となっている。
しかしながら、軟質PVCは可塑剤を多量に含むことから、色移りや臭気があり、また、可塑剤の移行などにより、長期間使用すると硬くなる傾向にある。また、ポリウレタンエラストマーは、耐水性、二次加工性に劣るなど、何れの材料もそれぞれ欠点を有している。
軟質PVCやポリウレタンエラストマーに替わる材料として、シンジオタクチックプロピレン重合体を主成分とし、シンジオタクチック構造プロピレン・エチレン共重合体、非晶性α−オレフィン系共重合体、エチレン・α−オレフィン系共重合体、およびアイソタクチックプロピレン重合体を含む軟質シンジオタクチックポリプロピレン系組成物(特許文献1:特開2001−172448号公報)が提案されている。
シンジオタクチックプロピレン重合体組成物のカレンダー加工性を改良する方法として、シンジオタクチックポリプロピレンに、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体およびエチレン・エチルアクリレート共重合体などのエチレン系共重合体を混合する方法(特許文献2:特
開平8−48831号公報)が提案されている。
開平8−48831号公報)が提案されている。
しかしながら、上記記載のシンジオタクチックプロピレン重合体を主成分とする組成物は、カレンダー成形性、耐熱性、強度、耐摩耗性などは未だ不十分である。
本発明は、カレンダー成形性に優れ、かつ、耐摩耗性、耐傷付性などに優れるとともに、匂い、色移りなどが改良された人造皮革用シートに好適なシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物、成形体、および積層シートを開発することを目的とする。
本発明は、(A)プロピレンから導かれる繰り返し単位を50モル%以上90モル%未満含むシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体35〜95重量部、(B)下記要件(b)を充足することを特徴とするシンジオタクチックプロピレン重合体5〜25重量部、
(b)13C・NMRにより測定されるシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、DSCより求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%(ただし、該シンジオタクチックプロピレン重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量で含有する。
(b)13C・NMRにより測定されるシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、DSCより求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%(ただし、該シンジオタクチックプロピレン重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量で含有する。
かつ(C)下記の(C‐1)〜(C−2)のうち、少なくも1種を含む重合体および樹脂組成物0〜60重量部、
(C‐1)エチレン・酢酸ビニル共重合体
(C−2)下記(C−2−1)〜(C−2−2)からなるポリオレフィン樹脂組成物
〔ただし(C−2−1)+(C−2−2)=100重量%〕
(C−2−1)エチレン(共)重合体30〜100重量%、
(C−2−2)アイソタクチックポリプロピレン0〜70重量%、
〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量部である。〕
を含むシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物、当該重合体組成物から得られるシートなどの成形体および積層シート、並びにシートの製造方法を提供するものである。
(C‐1)エチレン・酢酸ビニル共重合体
(C−2)下記(C−2−1)〜(C−2−2)からなるポリオレフィン樹脂組成物
〔ただし(C−2−1)+(C−2−2)=100重量%〕
(C−2−1)エチレン(共)重合体30〜100重量%、
(C−2−2)アイソタクチックポリプロピレン0〜70重量%、
〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量部である。〕
を含むシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物、当該重合体組成物から得られるシートなどの成形体および積層シート、並びにシートの製造方法を提供するものである。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、カレンダー加工時における溶融性(樹脂の溶融し易さ)、シートの離ロール性に優れ、搬送時のシートの垂れがなく、カレンダー成形性に優れ、得られるシートなどの成形体は、耐摩耗性、耐傷付性などに優れるとともに、匂い、色移りがみられないなどの特徴を有する。
<シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物の主成分であるシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)は、プロピレンから導かれる繰り返し単位を50モル%以上90モル%未満、好ましくは55モル%以上90モル%未満の量、より好ましくは60モル%以上90モル%未満(プロピレンから導かれる繰り返し単位とα‐オレフィンから導かれる単位の合計を100モル%とする。)の量を含む共重合体であ
る。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物の主成分であるシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)は、プロピレンから導かれる繰り返し単位を50モル%以上90モル%未満、好ましくは55モル%以上90モル%未満の量、より好ましくは60モル%以上90モル%未満(プロピレンから導かれる繰り返し単位とα‐オレフィンから導かれる単位の合計を100モル%とする。)の量を含む共重合体であ
る。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)を構成するα‐オレフィンは、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル‐1−ペンテン、3‐メチル‐1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサンなどの通常、炭素数が2〜20(但し、プロピレンを除く。)のα‐オレフィンであり、かかるα‐オレフィンは、一種あるいは二種以上含まれていてもよい。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)の好ましい例としては、シンジオタクチックプロピレン・炭素数2〜20のα‐オレフィン共重合体(A1)、具体的には、シンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体、シンジオタクチックプロピレン・1−ブテン共重合体、あるいは、シンジオタクチックプロピレン・エチレン・炭素数4〜20のα‐オレフィン共重合体(A2)、具体的には、シンジオタクチックプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体を挙げることができる。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)〔なお、シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)と記載する場合は、上記シンジオタクチックプロピレン・炭素数2〜20の(ただしプロピレンを除く)α‐オレフィン共重合体(A1)およびシンジオタクチックプロピレン・エチレン・炭素数4〜20のα‐オレフィン共重合体(A2)を含む。〕が、プロピレンから導かれる繰り返し単位を上記範囲で含むことにより、シンジオタクチックプロピレン重合体(B)との相溶性に優れ、得られるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、透明性、柔軟性、耐熱性、耐傷付性および耐摩耗性に優れる。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜10dl/gの範囲にあることが望ましい。極限粘度[η]が、前記範囲内にあると、耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、低温特性、耐動的疲労性のような特性に優れるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物が得られる。
また、本発明に係るシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)は、好ましくは、DSC(示差走査熱量計)で測定した融点が、90℃以下、または融点が観測されない、すなわち、低結晶性あるいは非晶性の共重合体である。なお、前記のDSCで測定した融点とは、DSCの吸熱曲線から求められる、昇温時の最大融解ピーク位置の温度であり、より詳細には、試料をアルミパンに詰め、(i)100℃/分で200℃まで昇温して200℃で5分間保持したのち、(ii)10℃/分で−150℃まで降温し、次いで(iii)10℃/分で昇温する際の、(iii)において得られた吸熱曲線から求められる最大融解ピーク位置の温度である。また、融点が観測されないとは、−150〜200℃の範囲において、結晶の融解熱量が1J/g以上の融解ピークが観測されないことをいう。
また、本発明に係るシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)は、DSCで測定したTgが、−10℃以下であると好ましい。シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)のガラス転移温度Tgが前記範囲内にあると、振動制御性(制振性、防振性、防音性、吸音性)、耐寒性、低温特性に優れるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物が得られる。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)は、特開2001‐172448号公報、国際公開番号WO2006/123759明細書に記載
された製造方法などにより得られる。
された製造方法などにより得られる。
<シンジオタクチックプロピレン重合体(B)>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるシンジオタクチックプロピレン重合体(B)は、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとプロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンとから得られるプロピレン系ランダム共重合体であって、下記要件(b)を充足することを特徴とする。
(b):13C・NMRにより測定されるシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、DSCより求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%〜100モル%、好ましくは92〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%(ただし、該シンジオタクチックプロピレン重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)の割合で含有する。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるシンジオタクチックプロピレン重合体(B)は、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとプロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンとから得られるプロピレン系ランダム共重合体であって、下記要件(b)を充足することを特徴とする。
(b):13C・NMRにより測定されるシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、DSCより求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%〜100モル%、好ましくは92〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%(ただし、該シンジオタクチックプロピレン重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)の割合で含有する。
ここで炭素原子数2〜20(但し、プロピレンを除く。)のα-オレフィンとしては、
エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル‐1−ペンテン、3‐メチル‐1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサンなどが挙げられ、このうち1‐ブテンが好ましい。
エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル‐1−ペンテン、3‐メチル‐1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサンなどが挙げられ、このうち1‐ブテンが好ましい。
前記シンジオタクチックプロピレン重合体(B)は、NMR法により測定したシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率、ペンタッドシンジオタクティシティー)が85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは94%以上である。rrrr分率が上記の範囲にあるシンジオタクチックプロピレン重合体(B)は、成形性、耐熱性および透明性に優れ、結晶性ポリプロピレンとしての特性が良好なものとなる。また、シンジオタクチックプロピレン重合体(B)を用いることで、結晶化が抑制され、低結晶化および微細球晶化が起こるため、得られる本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、透明性および表面光沢性の高いものとなる。
このシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率)は、以下のようにして測定される。
rrrr分率は、13C・NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクチック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求められる。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw…(1)
NMR測定は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX-500型NMR測定装置を用い、120℃で13C・NMR
測定を行う。積算回数は8,000回以上とする。
NMR測定は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX-500型NMR測定装置を用い、120℃で13C・NMR
測定を行う。積算回数は8,000回以上とする。
さらに、シンジオタクチックプロピレン重合体(B)の示差走査熱量計(DSC)測定により得られる融点(Tm)は、145℃以上、好ましくは147℃以上であり、より好ましくは150℃以上であり、特に好ましくは155℃以上である。なお、Tmの上限は特にないが、通常は、例えば170℃以下である。融点(Tm)が上記の範囲にあるシンジオタクチックプロピレン重合体(B)は、成形性、耐熱性および機械特性に優れる。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン重合体(B)は、好ましくは135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]が、0.5〜10dl/g、より好ましくは1.0〜6dl/g、さらに好ましくは1.0〜4dl/gの範囲にあることが望ましく、極限粘度がこのような範囲にあると、良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また得られるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は(機械的強度)に優れた成形品が得られる傾向がある。
カリン中で測定した極限粘度[η]が、0.5〜10dl/g、より好ましくは1.0〜6dl/g、さらに好ましくは1.0〜4dl/gの範囲にあることが望ましく、極限粘度がこのような範囲にあると、良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また得られるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は(機械的強度)に優れた成形品が得られる傾向がある。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン重合体(B)は、国際公開番号WO2006/123759明細書に記載された製造方法などにより、得られる。
<エチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるエチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)は、通常、シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)およびシンジオタクチックプロピレン重合体(B)との相溶性を考慮して酢酸ビニルから導かれる単位を1〜49重量%、好ましくは5〜49重量%含む共重合体である。酢酸ビニルから導かれる単位が上記範囲より少なすぎるとエチレン・酢酸ビニル共重合体を混入する効果が著しく減少する。逆に上記範囲より多すぎるとシートを成形する際にロールに粘着し易くなる。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるエチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)は、通常、シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)およびシンジオタクチックプロピレン重合体(B)との相溶性を考慮して酢酸ビニルから導かれる単位を1〜49重量%、好ましくは5〜49重量%含む共重合体である。酢酸ビニルから導かれる単位が上記範囲より少なすぎるとエチレン・酢酸ビニル共重合体を混入する効果が著しく減少する。逆に上記範囲より多すぎるとシートを成形する際にロールに粘着し易くなる。
本発明に係るエチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)は、通常、MFR(JIS K7210・1999、190℃、2.16kg荷重)が0.05〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲にある。MFRが上記範囲にあることにより良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また得られるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物はシートを成形する際に離ロール性に優れる。
<ポリオレフィン系樹脂組成物(C−2)>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるポリオレフィン系樹脂組成物(C−2)は、下記(C−2−1)〜(C−2−2)からなるポリオレフィン系樹脂組成物である。
(C−2−1)エチレン(共)重合体30〜100重量%
(C−2−2)アイソタクチックポリプロピレン0〜70重量%
〔ただし(C−2−1)+(C−2−2)=100重量%〕
<エチレン(共)重合体(C−2−1)>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるエチレン(共)重合体(C−2−1)は、通常、密度が860〜950kg/m3、
好ましくは860〜920kg/m3の範囲にあるエチレンの単独重合体あるいはエチレ
ンと炭素数3〜20のα‐オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル‐1−ペンテン、3‐メチル‐1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサンなどのエチレンを主成分とする共重合体である。その密度が前記範囲内にあると、柔軟なシート/フィルムを得ることができる。本発明に係るエチレン(共)重
合体(C−2−1)が共重合体である場合は、通常、α‐オレフィンから導かれる単位の含有量は5〜49モル%の範囲にある。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるポリオレフィン系樹脂組成物(C−2)は、下記(C−2−1)〜(C−2−2)からなるポリオレフィン系樹脂組成物である。
(C−2−1)エチレン(共)重合体30〜100重量%
(C−2−2)アイソタクチックポリプロピレン0〜70重量%
〔ただし(C−2−1)+(C−2−2)=100重量%〕
<エチレン(共)重合体(C−2−1)>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるエチレン(共)重合体(C−2−1)は、通常、密度が860〜950kg/m3、
好ましくは860〜920kg/m3の範囲にあるエチレンの単独重合体あるいはエチレ
ンと炭素数3〜20のα‐オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル‐1−ペンテン、3‐メチル‐1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサンなどのエチレンを主成分とする共重合体である。その密度が前記範囲内にあると、柔軟なシート/フィルムを得ることができる。本発明に係るエチレン(共)重
合体(C−2−1)が共重合体である場合は、通常、α‐オレフィンから導かれる単位の含有量は5〜49モル%の範囲にある。
本発明に係るエチレン(共)重合体(C−2−1)は、通常、MFR(JIS K7210・1999、190℃、2.16kg荷重)が0.05〜100g/10分、好ましくは0.5〜100g/10分の範囲にある。MFRが上記範囲にあることにより、エチレン(共)共重合体(C−2−1)は、ロールへの食い込みが良好で、ロールからの剥離も良好である。
<アイソタクチックポリプロピレン(C−2−2)>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるエチレン(共)重合体(C−2−1)に含まれてもよいアイソタクテチックポリプロピレン(C−2−2)は、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとプロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンとから得られるプロピレン系ランダム共重合体であって、プロピレンから導かれる繰返し単位と、必要に応じて炭素原子数2〜20のα-オ
レフィンから導かれる繰返し単位とからなる(共)重合体であって、プロピレンから導かれる繰返し単位を90〜100モル%、好ましくは90〜99モル%、さらに好ましくは92〜98モル%の割合で含有している。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるエチレン(共)重合体(C−2−1)に含まれてもよいアイソタクテチックポリプロピレン(C−2−2)は、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとプロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンとから得られるプロピレン系ランダム共重合体であって、プロピレンから導かれる繰返し単位と、必要に応じて炭素原子数2〜20のα-オ
レフィンから導かれる繰返し単位とからなる(共)重合体であって、プロピレンから導かれる繰返し単位を90〜100モル%、好ましくは90〜99モル%、さらに好ましくは92〜98モル%の割合で含有している。
ここで炭素原子数2〜20のα-オレフィンとしては、α‐オレフィンは、エチレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル‐1−ペンテン、3‐メチル‐1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサンなどが挙げられ、このうちエチレンが好ましい。
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル‐1−ペンテン、3‐メチル‐1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサンなどが挙げられ、このうちエチレンが好ましい。
本発明に係るアイソタクテチックポリプロピレンは、MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜200g/10分、好ましくは0.01〜10
0g/10分の範囲にあることが望ましく、MFRがこのような範囲にあると、良好な流
動性を示し、他の成分と配合し易く、また得られるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物はシートを成形する際に離ロール性に優れる。
0g/10分の範囲にあることが望ましく、MFRがこのような範囲にあると、良好な流
動性を示し、他の成分と配合し易く、また得られるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物はシートを成形する際に離ロール性に優れる。
<シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、前記シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)を35〜95重量部、好ましくは35〜90重量部、さらに好ましくは35〜85重量部、前記シンジオタクチックプロピレン重合体(B)を5〜25重量部、好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部、前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)およびポリオレフィン組成物(C−2)との内、少なくも1種からなる重合体および樹脂組成物(C)を0〜60重量部、好ましくは0〜55重量部、さらに好ましくは0〜50重量部〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量部である。〕含む組成物である。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、前記シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)を35〜95重量部、好ましくは35〜90重量部、さらに好ましくは35〜85重量部、前記シンジオタクチックプロピレン重合体(B)を5〜25重量部、好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部、前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)およびポリオレフィン組成物(C−2)との内、少なくも1種からなる重合体および樹脂組成物(C)を0〜60重量部、好ましくは0〜55重量部、さらに好ましくは0〜50重量部〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量部である。〕含む組成物である。
シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)の含有量が35重量部未満の組成物は、透明性、柔軟性、耐傷付性および耐磨耗性が劣り、一方、95重量部を超える組成物は、シート成形時にロールに粘着し易くなる。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、重合体(C)を含むことにより、シート成形性が改良される。重合体(C)の量が60重量部を超える組成物は透明性、柔軟性、耐熱性、耐傷付性および耐磨耗性が劣る。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物において、ポリオレフィン組成物(C−2)として、前記エチレン(共)重合体(C−2−1)を含む場合は、エチレン(共)重合体(C−2−1)を単独で用いても良いが、前記アイソタクチックポリプロピレン(C−2−2)を加えることにより、シート成形時の離ロール性、搬送時垂れが改良される。前記アイソタクチックポリプロピレン(C−2−2)を加える場合は、エチレン(共)重合体(C−2−1)とアイソタクチックポリプロピレン(C−2−2)との合計量(100重量%)に対して、アイソタクチックポリプロピレンの量が70重量%以下、さらには60重量%以下であることが好ましい。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、MFR(JIS K672
1、230℃、2.16kg荷重)が、通常、0.01〜200g/10分、好ましくは
0.05〜150g/10分、さらに好ましくは0.05〜100g/10分の範囲であることが好ましい。MFRが上記範囲にあることにより、カレンダー加工時における溶融性(樹脂の溶融し易さ)、シートの離ロール性に優れ、搬送時のシートのたれがなく、カレンダー成形性に優れたシートが得られる。
1、230℃、2.16kg荷重)が、通常、0.01〜200g/10分、好ましくは
0.05〜150g/10分、さらに好ましくは0.05〜100g/10分の範囲であることが好ましい。MFRが上記範囲にあることにより、カレンダー加工時における溶融性(樹脂の溶融し易さ)、シートの離ロール性に優れ、搬送時のシートのたれがなく、カレンダー成形性に優れたシートが得られる。
<滑剤>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に添加される滑剤としては、種々公知の滑剤、例えば、ステアリル酸ホスフェイト系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アミド、シリコーンオイル、シリカ等を挙げることができる。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に添加される滑剤としては、種々公知の滑剤、例えば、ステアリル酸ホスフェイト系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アミド、シリコーンオイル、シリカ等を挙げることができる。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、上記各成分を上記のような範囲で種々公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用して製造することができる。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物には、シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物100重量部に対して、滑剤を0.01〜5重量部、さらには0.05〜3重量部添加してもよい。滑剤を上記範囲で含むことにより、シート成形時の離ロール性、耐傷付性が改良される。
<その他の添加物>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物には、必要に応じて、更に無機充填剤、造核剤、酸化防止剤、難燃材剤、帯電防止剤、顔料、染料、発錆防止剤などの添加物を添加することができる。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物には、必要に応じて、更に無機充填剤、造核剤、酸化防止剤、難燃材剤、帯電防止剤、顔料、染料、発錆防止剤などの添加物を添加することができる。
前記無機充填剤の代表例としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、ガラス繊維、炭酸マグネシウム、マイカ、カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタンホワイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、クレー、ゼオライトなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記造核剤の代表例としては、例えば安息香酸ナトリウム、ビスベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ソジウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、タルク、酸化チタン、アルミニウムヒドロキシージーp−t−ブチルベンゾエートなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記酸化防止剤の代表例としては、例えばペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系酸化防止剤、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネートなどのイオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
難燃剤の代表例としては水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、リン系化合物をなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物に上記添加物を添加する場合は、上記添加物を混合した後、ロール、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機等の通常の混練機で混練して組成物を調製する方法を採り得るが、通常はペレット状にするのが好ましい。
<成形体>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができ、例えばシート、未延伸または延伸フィルム、フィラメントなどを含む種々の形状の成形体に成形して利用することができる。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができ、例えばシート、未延伸または延伸フィルム、フィラメントなどを含む種々の形状の成形体に成形して利用することができる。
成形体として具体的には、カレンダー成形、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、発泡成形などの公知の熱成形方法により得られる成形体が挙げられる。
以下に数例挙げて成形体を説明する。本発明に係る成形体がたとえばカレンダー成形体である場合、その形状および製品種類は特に限定されないが、たとえばシート、フィルム(未延伸)、パイプ、ホース、電線被覆、フィラメントなどが挙げられ、特にシート、フィルム、フィラメントなどが好ましい。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を押出成形する際には、従来公知の押出装置および成形条件を採用することができ、たとえば単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融した本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物をTダイなどから押出すことによりシートまたはフィルム(未延伸)などに成形することができる。
<シート成形>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、特にシート〔一般に、厚さが厚いものをシート、薄いものをフィルムと呼称するが、本発明においては、シートおよびフィルムを総称して「シート」と呼ぶ。〕成形に適する。本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を用いてシート成形する場合は、
(工程1):シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を加熱溶融する工程と、
(工程2):加熱溶融したシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物をシート成形する工程で行い得る。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、特にシート〔一般に、厚さが厚いものをシート、薄いものをフィルムと呼称するが、本発明においては、シートおよびフィルムを総称して「シート」と呼ぶ。〕成形に適する。本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を用いてシート成形する場合は、
(工程1):シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を加熱溶融する工程と、
(工程2):加熱溶融したシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物をシート成形する工程で行い得る。
また、前記(工程1)と(工程2)の間に、加熱溶融したシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を混練する工程を含んでもよい。
<カレンダー成形>
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、特にカレンダー成形に適する。本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を用いてカレンダー成形する場合は、
(工程1):シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を加熱溶融する工程と、
(工程2−1):カレンダー加工により、シート成形する工程で行い得る。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、特にカレンダー成形に適する。本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を用いてカレンダー成形する場合は、
(工程1):シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を加熱溶融する工程と、
(工程2−1):カレンダー加工により、シート成形する工程で行い得る。
また、前記(工程1)と(工程2‐1)の間に、加熱溶融したシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を混練する工程を含んでもよい。
また、前記(工程2)が、
(工程2−2):カレンダー加工により、シート成形と貼り合わせを同時に行う工程により、シート積層体を得る工程を含んでもよい。
また、前記(工程2)が、
(工程2−2):カレンダー加工により、シート成形と貼り合わせを同時に行う工程により、シート積層体を得る工程を含んでもよい。
<人造皮革の成形>
人造皮革の成形は、(工程2−1)カレンダー加工により、シート成形する工程や、(工程2−2)カレンダー加工により、シート成形と貼り合わせを同時に行う工程で積層体を得る方法などが好ましいが、前記(工程1)と(工程2)で得られたシートを引き取り、別途基材と貼り合わせてもよい。
人造皮革の成形は、(工程2−1)カレンダー加工により、シート成形する工程や、(工程2−2)カレンダー加工により、シート成形と貼り合わせを同時に行う工程で積層体を得る方法などが好ましいが、前記(工程1)と(工程2)で得られたシートを引き取り、別途基材と貼り合わせてもよい。
また、シートの表面に、熱融着やニードルパンチなどにより、型模様を付すエンボス加工の工程を本発明のシートないし積層体の製造過程の適当な段階で加えてもよい。
すなわち、エンボス加工を本発明のシートに直接行ってもよいし、積層体において、エンボス加工後のシートと基材を貼り合わせて積層体を製造してもよいし、積層体にした後にエンボス加工を行ってもよい。
<積層体>
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物から得られるシートは、用途により、種々公知の基材と積層して用い得る。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物から得られるシートは、用途により、種々公知の基材と積層して用い得る。
積層し得る基材としては、合成繊維、天然繊維、無機繊維、またはこれらの混合物のうち少なくとも1つからなる、織布、編布、不織布、銀面層がある。
合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーンなどからなる合成繊維が挙げられる。
天然繊維としては、綿、麻、絹、羊毛などが挙げられる。
無機繊維としては、グラスファイバー、炭素繊維などが挙げられる。
また、織布としては、例えば、繊維質素材から作られた織物、編物などを挙げることができる。また不織布としては、繊維質素材を化学的方法、機械的方法、またはそれらの組み合わせにより絡み合わせてウェッブとしたものが挙げられる。
<人造皮革>
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は人造皮革として用い得る。人造皮革は、自動車(二輪含む)、スポーツ、家電、文具、雑貨、家具、衣料、園芸、建材分野で使用され得る。
本発明に係るシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は人造皮革として用い得る。人造皮革は、自動車(二輪含む)、スポーツ、家電、文具、雑貨、家具、衣料、園芸、建材分野で使用され得る。
具体的には、自動車の床材、天井材、インストルメントパネル、ドアトリム、内装シート、座席レザー、シートバック、自転車サドル、デッキボード、床マット、滑り止めマット、レジャー用シート、ガスケット、防水シート、椅子表皮、鞄、ランドセル、陸上競技用シューズやマラソンシューズ、ランニング用シューズ、バスケットシューズ、テニスシューズ、ゴルフシューズ、ウォーキングシューズ、ジャンバー、コート、安全ウェア、手袋、スキーウェア、防寒用登山服、帯、たすき、リボン、携帯電話ストラップ、スイッチプレート、ジャケット、ネームタグ、ゴルフバッグ、時計ベルト、鞄グリップ、ゴルフクラブグリップ、ブーツ、手帳カバー、ブックカバー、キーホルダー、灰皿ケース、タバコケース、携帯ケース、ペンケース、ペングリップ、財布、名刺入れ、定期入れ、畳表裏、壁紙、ショルダー紐、サンダル、スリッパ、ボート、ウォータベッド、テント生地、アルバム、アドレス帳カバー、介護用品(ベッドカバー)、野球ボール、バスケットボール、ハンドボール、ドッジボール、テーブルクロス、アコーディオンカーテン、照明器具、ぬいぐるみ、下敷き、机カバー、額縁、馬具、ベルト、帽子、手袋、パラシュート、カヤック、ソファ、クッションカバー、ボール表皮、マウスパッド、ワッペン、バッジ、ブレス
レット、ネックレス、収納ボックス、温室用シート、箪笥、テーブル、ティッシュボックスが挙げられるが上記に限定されない。
レット、ネックレス、収納ボックス、温室用シート、箪笥、テーブル、ティッシュボックスが挙げられるが上記に限定されない。
耐摩耗性、耐傷付性などに優れる点や耐水性や軽量化、良リサイクル性の観点から、自動車の床材、天井材、インストルメントパネル、ドアトリム、内装シート、座席レザーなど自動車内装部材用途に特に適する。
また、耐水性、軽量性、匂いや色移りがないことからマット、畳表裏、ランニングシューズ、登山靴、ボール、カヤック、スキーウェアなどのスポーツ用品に特に適する。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)極限粘度[η](dl/g)
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
(2)分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKg
el GNH6- HTを2本およびTSKgel GNH6- HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田
薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10
mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
(2)分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKg
el GNH6- HTを2本およびTSKgel GNH6- HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田
薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10
mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
(3)重合体中のエチレン、プロピレン、α−オレフィン含量
エチレン、プロピレン、α−オレフィン含量の定量化は日本電子(株)製JNM GX-400型NMR測定装置を用いて、下記のように測定した。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C・NMR測定を行う。積算回数は、8,000回以上とする。得られた13C・NMRスペクトルにより、エチレン、プロピレン、α−オレフィンの組成を定量化
した。
エチレン、プロピレン、α−オレフィン含量の定量化は日本電子(株)製JNM GX-400型NMR測定装置を用いて、下記のように測定した。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C・NMR測定を行う。積算回数は、8,000回以上とする。得られた13C・NMRスペクトルにより、エチレン、プロピレン、α−オレフィンの組成を定量化
した。
(4)立体規則性(rrrrペンタッドおよびrrトライアッド)
上記同条件で13C・NMR測定にて定量化した。
上記同条件で13C・NMR測定にて定量化した。
ペンタッド分率(rrrr分率)は、13C・NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクチック結合した部位における第3単位目のメチル
基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求められる。
基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求められる。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw…(1)
トライアッド分率(rr分率)は、13C・NMRスペクトルにおけるPrr(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクチック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(2)により求められる。
トライアッド分率(rr分率)は、13C・NMRスペクトルにおけるPrr(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクチック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(2)により求められる。
rr分率(%)=100×Prr/Pw…(2)
(5)シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)のガラス点移転(Tg)、融点(Tm)および融解熱量(J/g)
セイコ-インスツルメンツ社製DSCを用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつ
めて、100℃/minで200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/minで-150℃まで降温し、ついで10℃/minで200℃まで昇温した吸熱曲線
より求めた。
(5)シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)のガラス点移転(Tg)、融点(Tm)および融解熱量(J/g)
セイコ-インスツルメンツ社製DSCを用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつ
めて、100℃/minで200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/minで-150℃まで降温し、ついで10℃/minで200℃まで昇温した吸熱曲線
より求めた。
(6)シンジオタクチックプロピレン重合体(B)の融点(Tm)
パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、窒素雰囲気下(20ml/min)、約5mgの試料を200℃まで昇温・10分間保持した後、10℃/分で30℃まで冷却した。30℃で5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点を測定した。
パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、窒素雰囲気下(20ml/min)、約5mgの試料を200℃まで昇温・10分間保持した後、10℃/分で30℃まで冷却した。30℃で5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点を測定した。
(7)MFR(g/10分)
シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)およびシンジオタクチックプロピレン重合体(B)のMFRは、JIS K6721に準拠して、230℃で2
.16kgfの荷重にて測定した。
シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)およびシンジオタクチックプロピレン重合体(B)のMFRは、JIS K6721に準拠して、230℃で2
.16kgfの荷重にて測定した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(C−1)およびエチレン(共)重合体(C−2−1)のMFRは、JIS K7210・1999に準拠して、190℃で2.16kgfの荷重にて測定した。
(8)耐油性測定用プレスシートの作製法
200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を用い、1mm厚のプレスシートを成形した。このとき余熱を5〜7分程度し、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により作製したサンプルを用いて耐油性試験試料に供した。
200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、シンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を用い、1mm厚のプレスシートを成形した。このとき余熱を5〜7分程度し、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により作製したサンプルを用いて耐油性試験試料に供した。
(9)耐油性
JIS3号油に、3cm角の1mmの厚さの前記記載のプレスシートを浸漬させて、70℃で72時間保持し、浸漬前後の体積変化率ΔV(%)および質量変化率ΔW(%)を測定した。
JIS3号油に、3cm角の1mmの厚さの前記記載のプレスシートを浸漬させて、70℃で72時間保持し、浸漬前後の体積変化率ΔV(%)および質量変化率ΔW(%)を測定した。
また、流動パラフィンオイル(軽質)(ナカライテスク社製 ナカライ規格特級GR商品コード26132−35 CAS No.;8012−95−1)に、3cm角の1m
mの厚さの前記記載のプレスシートを浸漬させて、80℃で24時間保持し、浸漬前後の体積変化率ΔV(%)および質量変化率ΔW(%)を測定した。
mの厚さの前記記載のプレスシートを浸漬させて、80℃で24時間保持し、浸漬前後の体積変化率ΔV(%)および質量変化率ΔW(%)を測定した。
(10)学振摩耗後のグロス変化率(%)
東洋精機製、学振摩耗試験機を用いて、厚さ300μmの試験片を用いて、45R、SUS製の摩耗圧子470gの先端を綿帆布#10に覆い、これを23℃、往復回数100回、往復速度33回/分、ストローク100mmで試料を摩耗させ、その前後のグロス変化率Δグロス(入射角度:60度)を以下のようにして求めた。
東洋精機製、学振摩耗試験機を用いて、厚さ300μmの試験片を用いて、45R、SUS製の摩耗圧子470gの先端を綿帆布#10に覆い、これを23℃、往復回数100回、往復速度33回/分、ストローク100mmで試料を摩耗させ、その前後のグロス変化率Δグロス(入射角度:60度)を以下のようにして求めた。
Δグロス=(摩耗前のグロス-摩耗後のグロス)/摩耗前のグロス×100
(11)テーバー摩耗量
テーバー摩耗試験機を用いて、厚さ300μmの試験片を用いて、荷重500g、CS#10の摩耗輪を用い、これを23℃、回転回数500回、回転速度70回/分で試料を摩耗させ、その前後の質量変化で摩耗量を測定した。
(11)テーバー摩耗量
テーバー摩耗試験機を用いて、厚さ300μmの試験片を用いて、荷重500g、CS#10の摩耗輪を用い、これを23℃、回転回数500回、回転速度70回/分で試料を摩耗させ、その前後の質量変化で摩耗量を測定した。
(12)密度(kg/m3)
密度測定は、ASTM D1505に準拠して測定した。
密度測定は、ASTM D1505に準拠して測定した。
(13)カレンダー加工性評価
シンジオタクチックポリプロピレン系組成物を用いて、カレンダー成形を実施した。ロール径6インチの逆L型カレンダー成形機を用い、ロール温度は165℃とし、厚み300μmのシートを作成した。
シンジオタクチックポリプロピレン系組成物を用いて、カレンダー成形を実施した。ロール径6インチの逆L型カレンダー成形機を用い、ロール温度は165℃とし、厚み300μmのシートを作成した。
溶融性、離ロール性、搬送時垂れ各項目を評価した。実用上問題ないものを○、実用上問題あるものを×として目視評価した。
<シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)の重合>
〔シンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体(a−1)〕
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを750ml加え、続いてTIBAの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)挿入し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内をエチレンで5.5kg/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成し
たジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0002mM/ml)を3.75ml、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.002mM/ml)を2.0ml加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドが0.001ミリモル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートが0.004ミリモル/リットルであった。
〔シンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体(a−1)〕
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを750ml加え、続いてTIBAの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)挿入し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内をエチレンで5.5kg/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成し
たジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0002mM/ml)を3.75ml、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.002mM/ml)を2.0ml加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドが0.001ミリモル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートが0.004ミリモル/リットルであった。
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を5.5kg/cm2Gに保持
した。重合を開始して30分後、メチルアルコールを添加することにより重合反応を停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、共重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
した。重合を開始して30分後、メチルアルコールを添加することにより重合反応を停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、共重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
以上のようにして得られたシンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体(a−1)の収量は50gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.4dl/
gであり、MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)は2.0g/10分であった。ガラス転移温度(Tg)は−28℃であり、−150〜200℃の範囲において、結晶の融解熱量が1J/g以上の融解ピークが観測されなかった。
gであり、MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)は2.0g/10分であった。ガラス転移温度(Tg)は−28℃であり、−150〜200℃の範囲において、結晶の融解熱量が1J/g以上の融解ピークが観測されなかった。
組成はプロピレンから導かれる繰返し単位が76.0モル%、エチレンから導かれる繰返し単位が24.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2
.9であった。
.9であった。
〔シンジオタクチックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(a−2)〕
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサン、1-ブテ
ン120gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.33MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.63MPaに調整した。次いで、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolの
メチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温60℃、系内圧力を0.63MPaにエチレンで保ちながら20分間重
合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液から重合体を析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたシンジオタクチックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(a−2)は、97gであり、135℃デカリン中で測定した[η]=2.3(dl/g)であった。MFR(JIS K6721
、230℃、2.16kg荷重)は1.3g/10分であった。DSCより得られたガラ
ス転移点は−23.8℃であり、−150〜200℃の範囲において、結晶の融解熱量が1J/g以上の融解ピークが観測されなかった。
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサン、1-ブテ
ン120gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.33MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.63MPaに調整した。次いで、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolの
メチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温60℃、系内圧力を0.63MPaにエチレンで保ちながら20分間重
合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液から重合体を析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたシンジオタクチックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(a−2)は、97gであり、135℃デカリン中で測定した[η]=2.3(dl/g)であった。MFR(JIS K6721
、230℃、2.16kg荷重)は1.3g/10分であった。DSCより得られたガラ
ス転移点は−23.8℃であり、−150〜200℃の範囲において、結晶の融解熱量が1J/g以上の融解ピークが観測されなかった。
組成はプロピレンから導かれる繰返し単位が62モル%、エチレンから導かれる繰返し単位が10モル%、ブテンから導かれる繰返し単位が28モル%であった。
<シンジオタクチックプロピレン重合体(B)の重合>
〔シンジオタクチックプロピレン単独重合体(b−1)〕
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150リットル/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-
ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmo
lを加え、20分間攪拌した。この溶液を、プロピレンを流通させておいたガラス製オートクレーブのトルエンに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150リットル/時間の量で連続的に供給し、常圧下、25℃で45分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、重合体を析出させ、80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、重合体2.38gが得られた。重合活性は0.63kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたシンジオタクチックプロピレン単独重合体(b−1)の[η]は1.9dl/g、Tm=158℃(Tm1=152℃、Tm2=158℃)であり、ペンタッド分率(rrrr分率)は93.5%であり、Mw/Mn=2.0であった。MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)は6.0g/10分であった。
〔シンジオタクチックプロピレン単独重合体(b−1)〕
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150リットル/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-
ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmo
lを加え、20分間攪拌した。この溶液を、プロピレンを流通させておいたガラス製オートクレーブのトルエンに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150リットル/時間の量で連続的に供給し、常圧下、25℃で45分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、重合体を析出させ、80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、重合体2.38gが得られた。重合活性は0.63kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたシンジオタクチックプロピレン単独重合体(b−1)の[η]は1.9dl/g、Tm=158℃(Tm1=152℃、Tm2=158℃)であり、ペンタッド分率(rrrr分率)は93.5%であり、Mw/Mn=2.0であった。MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)は6.0g/10分であった。
<エチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)>
〔エチレン・酢酸ビニル共重合体(c−11)
三井-デュポンポリケミカル株式会社製 商品名 エバフレックスEV270〔酢酸ビ
ニル28重量%、MFR(JIS K7210・1999)1.0g/10分〕。
〔エチレン・酢酸ビニル共重合体(c−11)
三井-デュポンポリケミカル株式会社製 商品名 エバフレックスEV270〔酢酸ビ
ニル28重量%、MFR(JIS K7210・1999)1.0g/10分〕。
〔エチレン・酢酸ビニル共重合体(c−12)
三井-デュポンポリケミカル株式会社製 商品名 エバフレックスEV360〔酢酸ビ
ニル25重量%、MFR(JIS K7210・1999)2.0g/10分〕。
三井-デュポンポリケミカル株式会社製 商品名 エバフレックスEV360〔酢酸ビ
ニル25重量%、MFR(JIS K7210・1999)2.0g/10分〕。
〔エチレン・酢酸ビニル共重合体(c−13)
三井-デュポンポリケミカル株式会社製 商品名 エバフレックスEV560〔酢酸ビ
ニル14重量%、MFR(JIS K7210・1999)3.5g/10分〕。
三井-デュポンポリケミカル株式会社製 商品名 エバフレックスEV560〔酢酸ビ
ニル14重量%、MFR(JIS K7210・1999)3.5g/10分〕。
<エチレン(共)重合体(C−2−1)>
〔エチレン・α-オレフィン共重合体(c−22)
三井化学株式会社製 商品名 タフマーA4085〔MFR(JIS K7210・1
999)3.6g/10分、密度885kg/m3〕。
〔エチレン・α-オレフィン共重合体(c−22)
三井化学株式会社製 商品名 タフマーA4085〔MFR(JIS K7210・1
999)3.6g/10分、密度885kg/m3〕。
〔エチレン・α-オレフィン共重合体(c−23)
三井化学株式会社製 商品名 タフマーA4050S〔MFR(JIS K7210・
1999)3.6g/10分、密度864kg/m3〕。
三井化学株式会社製 商品名 タフマーA4050S〔MFR(JIS K7210・
1999)3.6g/10分、密度864kg/m3〕。
<アイソタクチックポリプロピレン(c−2−2)>
〔アイソタクチックプロピレン・エチレンランダム共重合体(C−24)
株式会社プライムポリマー製 商品名 プライムポリプロ F219DA〔MFR(J
IS K7210、230℃、2.16kg荷重)8.0g/10分、密度910kg/m3〕。
〔アイソタクチックプロピレン・エチレンランダム共重合体(C−24)
株式会社プライムポリマー製 商品名 プライムポリプロ F219DA〔MFR(J
IS K7210、230℃、2.16kg荷重)8.0g/10分、密度910kg/m3〕。
[実施例1〜12]
前記記載のシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)、シンジオタクチックプロピレン重合体(B)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)、エチレン(共)重合体(C−2−1)、アイソタクチックポリプロピレン(C−2−2)を表1記載の比率で配合し、カレンダー成形でシート成形してシート物性および成形加工性を表1‐1および表1‐2に記載した。
前記記載のシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)、シンジオタクチックプロピレン重合体(B)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)、エチレン(共)重合体(C−2−1)、アイソタクチックポリプロピレン(C−2−2)を表1記載の比率で配合し、カレンダー成形でシート成形してシート物性および成形加工性を表1‐1および表1‐2に記載した。
[比較例1〜6]
<アイソタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A')の重合>
〔アイソタクチックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(a'−1)〕
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン120gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.56MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.7MPaに調整した。次いで、合成例1にて合成したジフェニルメチレン(3-tert-ブチル‐5‐メチル−シクロペンタジエニル)(
2,7‐ジ‐tert‐ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.001mm
olとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温60℃、系内圧力を0.75MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を
停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液から共重合体を析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたアイソタクチックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(c2)は、102.5gであり、MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)が7.1g/10分であった。組成はプロピレンから導かれる繰返し単位が62モル%、エチレンから導かれる繰返し単位が10モル%、1‐ブテンから導かれる繰返し単位が28モル%であった。
<アイソタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A')の重合>
〔アイソタクチックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(a'−1)〕
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン120gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.56MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.7MPaに調整した。次いで、合成例1にて合成したジフェニルメチレン(3-tert-ブチル‐5‐メチル−シクロペンタジエニル)(
2,7‐ジ‐tert‐ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.001mm
olとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温60℃、系内圧力を0.75MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を
停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液から共重合体を析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたアイソタクチックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(c2)は、102.5gであり、MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)が7.1g/10分であった。組成はプロピレンから導かれる繰返し単位が62モル%、エチレンから導かれる繰返し単位が10モル%、1‐ブテンから導かれる繰返し単位が28モル%であった。
<シンジオタクチックプロピレン重合体(B')の重合>
〔シンジオタクチックプロピレン単独重合体(b'−1)〕
特開平2−274763号公報に記載の方法に従い、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライドおよびメチルアルミノキサンからなる触媒を用いて、水素の存在下でプロピレンの塊状重合法によってシンジオタクチックプロピレン単独重合体(b−2)を得た。得られたシンジオタクチックプロピレン単独重合体(b−2)のMFR(JIS K6721、230℃、2.16Kg荷重)は、4.4g/10分であり、GPCに よる分子量分布は2.3であり、13C・NMRによって測定
されたシンジオタクチックプロピレン重合体(b−2)トライアッド分率(rr分率)は82%であり、示差走査熱量分析で測定したTmは127℃であり、Tcは57℃であった。
〔シンジオタクチックプロピレン単独重合体(b'−1)〕
特開平2−274763号公報に記載の方法に従い、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライドおよびメチルアルミノキサンからなる触媒を用いて、水素の存在下でプロピレンの塊状重合法によってシンジオタクチックプロピレン単独重合体(b−2)を得た。得られたシンジオタクチックプロピレン単独重合体(b−2)のMFR(JIS K6721、230℃、2.16Kg荷重)は、4.4g/10分であり、GPCに よる分子量分布は2.3であり、13C・NMRによって測定
されたシンジオタクチックプロピレン重合体(b−2)トライアッド分率(rr分率)は82%であり、示差走査熱量分析で測定したTmは127℃であり、Tcは57℃であった。
シンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A)、アイソオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体(A')、シンジオタクチックプロピレン重合体(
B')、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)、エチレン(共)重合体(C−2−1
)、アイソタクチックポリプロピレン(C−2−2)を表2記載の比率で配合し、カレンダー成形でシート成形してシート物性および成形加工性を表2に記載した。
B')、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C‐1)、エチレン(共)重合体(C−2−1
)、アイソタクチックポリプロピレン(C−2−2)を表2記載の比率で配合し、カレンダー成形でシート成形してシート物性および成形加工性を表2に記載した。
ポリ塩化ビニルおよびポリウレタンのカレンダー成形シートの物性および成形加工性を表2に記載した。
本発明のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物は、カレンダー成形性に優れ、
かつ、耐摩耗性、耐傷付性などに優れるとともに、匂い、色移りなどが改良された人造皮革用シートに好適なシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物および成形体、積層シート/フィルムとして、前記人造皮革の項に記載した種々の用途に用い得る。
かつ、耐摩耗性、耐傷付性などに優れるとともに、匂い、色移りなどが改良された人造皮革用シートに好適なシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物および成形体、積層シート/フィルムとして、前記人造皮革の項に記載した種々の用途に用い得る。
Claims (12)
- (A)プロピレンから導かれる繰り返し単位を50モル%以上90モル%未満含むシンジオタクチックプロピレン・α‐オレフィン共重合体35〜95重量部、
(B)下記要件(b)を充足することを特徴とするシンジオタクチックプロピレン重合体5〜25重量部、
(b)13C・NMRにより測定されるシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、DSCより求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%(ただし、該シンジオタクチックプロピレン重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量で含有する。
かつ(C)下記の(C‐1)〜(C−2)のうち、少なくも1種を含む重合体および樹脂組成物0〜60重量部、
(C‐1)エチレン・酢酸ビニル共重合体
(C−2)下記(C−2−1)〜(C−2−2)からなるポリオレフィン樹脂組成物
〔ただし(C−2−1)+(C−2−2)=100重量%〕
(C−2−1)エチレン(共)重合体30〜100重量%、
(C−2−2)アイソタクチックポリプロピレン0〜70重量%、
〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量部である。〕
を含むシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物。 - 請求項1に記載のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物100重量部に対して、滑剤を0.1〜5重量部添加してなるシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物。
- 請求項1または2記載のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物からなる成形体。
- 請求項1または2記載のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物からなるシート。
- 請求項1または2記載のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物からなるフィルム。
- 請求項4記載のシートまたは請求項5記載のフィルムを含む積層体。
- 請求項4記載のシートまたは請求項5記載のフィルムを含む人造皮革。
- 請求項1または2記載のシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を、
(工程1):加熱溶融する工程と、
(工程2):加熱溶融したシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物をシート成形する工程
を含むシートの製造方法。 - 前記(工程1)と(工程2)の間に、加熱溶融したシンジオタクチックプロピレン系重合体組成物を混練する工程を含む請求項8記載のシートの製造方法。
- 前記(工程2)が、
(工程2−1):カレンダー加工により、シート成形する工程
であることを特徴とする請求項8または9記載のシートの製造方法。 - 請求項8または9記載のシートの製造方法において、
前記(工程2)が、
(工程2−2):カレンダー加工により、シート成形と貼り合わせを同時に行う工程であることを特徴とする積層体の製造方法。 - 前記(工程2)が、
(工程2−2):カレンダー加工により、シート成形と貼り合わせを同時に行う工程であることを特徴とする請求項8または9記載の人造皮革の製造方法。
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