JP2010228015A - 旋盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏心位置が異なる2種類の偏心ワークを交互に処理する場合でも、ウエイトの調節を行う必要がなく、加工精度に優れた旋盤を提供する。
【解決手段】チャック4に、4個のクランパー3a〜3dを設けてある。第1クランパー3aと第2クランパー3bとを用いて第1偏心ワーク2aをチャック4に固定する。また、第3クランパー3cと第4クランパー3dとを用いて第2偏心ワーク2bをチャック4に固定する。4個のクランパー3a〜3dのうち、2個のクランパー3によって偏心ワーク2を固定して、チャック4を偏心ワーク2とともに軸回転する。偏心ワーク2を固定していない2個のクランパー3は、遠心力によってアーム6が回動軸5を中心として所定角度回動し、偏心ワーク2とチャック4との重量バランスをとる。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏心ワークを精密に加工できる旋盤に関する。
従来から、複雑な形状のワークを加工する際に、マシニングセンタと呼ばれる工作機械が用いられている。このマシニングセンタは、自動工具交換機能を備え、目的に合わせてフライス加工や中ぐり加工等の複数種類の加工を1台で行うことができる装置である。
例えば、全体の重心が被加工部から偏心しているワーク(以下、偏心ワークともいう)の表面仕上げ加工等をする場合、従来からマシニングセンタが用いられている(下記特許文献)。マシニングセンタを用いると、重量バランスが悪い偏心ワークでも精度よく加工することができる。
特許4193407号公報 特許3735981号公報
ところが、マシニングセンタは偏心ワーク1個あたりの加工時間が長く、また、加工コストが高いという問題がある。そのため旋盤を用いて偏心ワークを加工することが望まれている。旋盤を利用できれば、加工時間が短くてすみ、また、加工コストも安くなる。
マシニングセンタはワークを固定しておき、刃物を回転させてワークを切削加工する。それに対し、旋盤は刃物を回転させず、ワークを回転させながら切削加工する。
そのため、旋盤を使って偏心ワークを加工する場合には、重量バランスが悪い偏心ワークを回転させる必要があるため、回転運動が不安定になり、加工精度が向上しないという問題がある。それ故、旋盤を利用して偏心ワークを加工する際には、チャックに取り付けられているウエイトの位置を調節して、重量バランスを改善した後に回転運動を開始する必要がある。
また、1種類の偏心ワークのみを連続して加工する場合はウエイトの位置を調節し直す必要はないが、偏心位置が異なる別種類の偏心ワークを処理する場合は、ウエイトの調節をし直す必要があり、作業に時間がかかるという問題がある。
さらに、ウエイト調節は手作業で行うため、重量バランスを完全に調節するのは困難である。そのため加工精度が向上しないという問題がある。特に、偏心位置が異なる2種類の偏心ワークを交互に処理する場合は、ウエイトの調節を何度も行う必要があり、時間と手間がかかるだけでなく、加工精度にばらつきが生じやすい。
そのため、偏心位置が異なる2種類の偏心ワークを交互に処理する場合でも、ウエイトの調節を行う必要がなく、加工精度に優れた旋盤が望まれている。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、偏心位置が異なる2種類の偏心ワークを交互に処理する場合でも、ウエイトの調節を行う必要がなく、加工精度に優れた旋盤を提供しようとするものである。
本発明は、全体の重心が被加工部の中心軸から離れた位置に存在する偏心ワークであって、その偏心位置が互いに異なる第1偏心ワークと第2偏心ワークとを、上記中心軸まわりに回転して上記被加工部を加工するための旋盤であって、
上記第1偏心ワーク又は上記第2偏心ワークを支持して軸回転可能なチャックを備え、
該チャックには、回動軸と、該回動軸に取り付けられたアームと、該アームの先端に形成されたワーク固定部とを各々有する4個のクランパーを設けてあり、
該4個のクランパーのうち、第1クランパーと第2クランパーとを一対に用いることにより上記第1偏心ワークを上記チャックに固定でき、第3クランパーと第4クランパーとを一対に用いることにより、上記第2偏心ワークを上記チャックに対して固定できるよう構成されており、
4個の上記クランパーのうち、2個の上記クランパーによって上記偏心ワークを固定して、上記チャックを上記偏心ワークとともに軸回転した際に、上記偏心ワークを固定していない2個のクランパーは、遠心力によって上記アームが上記回動軸を中心として所定角度回動し、上記偏心ワークと上記チャックとの重量バランスをとるよう構成されていることを特徴とする旋盤にある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
本発明ではクランパーを4個設け、これらのうち第1クランパーと第2クランパーとで第1偏心ワークを固定し、第3クランパーと第4クランパーとで第2偏心ワークを固定するよう構成した。第1偏心ワークと第2偏心ワークは、偏心位置が互いに異なる。
そして、4個のクランパーのうち2個のクランパーを使って偏心ワークを固定し、残り2個のクランパーは重量バランサとして利用するようにした。すなわち、2個のクランパーによって偏心ワークを固定し、チャックを偏心ワークとともに軸回転した際に、偏心ワークを固定していない2個のクランパーは、遠心力によってアームが所定角度回動し、偏心ワークとチャックとの重量バランスをとる。
例えば、第1偏心ワークを加工する場合は、第1クランパーと第2クランパーとを用いて第1偏心ワークを固定し、第3クランパーと第4クランパーは重量バランサとして利用する。また、第2偏心ワークを加工する場合は、第3クランパーと第4クランパーとを用いて第2偏心ワークを固定し、第1クランパーと第2クランパーは重量バランサとして利用する。
これにより、第1偏心ワークと第2偏心ワークとの、どちらの偏心ワークを加工する場合でも、自動的に重量バランスをとれるため、チャックのウエイト調節をする必要がなくなる。また、従来のように手作業によってウエイト調節をする場合と比較して、バランスの調節量を一定にできるため、偏心ワークの加工ばらつきを小さくすることができる。
以上のごとく、本発明によれば、偏心位置が異なる2種類の偏心ワークを交互に処理する場合でも、ウエイトの調節を行う必要がなく、加工精度に優れた旋盤を提供することができる。
実施例1における、クランパーによって第1偏心ワークを固定していない旋盤の平面図。 図1のA−A矢視概念図であって、第3クランパーと第4クランパーを省略した図。 実施例1における、第1偏心ワークを固定しかつ回転していない旋盤の平面図。 図3のB−B矢視概念図であって、第3クランパーと第4クランパーを省略した図。 実施例1における、第1偏心ワークを固定しかつ回転している旋盤の平面図。 実施例1における、第2偏心ワークを固定しかつ回転している旋盤の平面図。 実施例1における、第1偏心ワークの平面図。 第1偏心ワークと鏡像関係にある第2偏心ワークの平面図。 実施例1における、第1偏心ワークの被加工部の拡大断面図。 実施例1における、調節機構の概略を示す図。 クランプ可能位置における、図10の要部拡大図。 回転後位置における、図10の要部拡大図。 実施例1および従来例の旋盤を用いて偏心ワークを加工した際の、表面粗さ(Ra)の測定データ。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記第1クランパーと上記第2クランパーとは、上記チャックの回転中心に関して互いに対象となる位置に設けられ、上記第3クランパーと上記第4クランパーとは、上記チャックの回転中心に関して互いに対象となる位置に設けられていることが好ましい(請求項2)。
このようにすると、クランパーを含めたチャック全体の重心が、より回転中心に近い場所に存在するようになる。これにより重量バランスが良くなり、チャックおよび偏心ワークの回転運動を安定させることができる。そのため、偏心ワークの加工精度が向上する。
また、上記第1偏心ワークと上記第2偏心ワークとは、互いに鏡像関係にある形状に形成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、第1クランパー〜第4クランパーを、チャックに対称性よく配置することが可能になり、クランパーを含めたチャック全体の重量バランスを向上させることができる。これにより、加工時の回転運動がより安定化し、偏心ワークの加工精度を一層向上させることができる。
上記クランパーの上記アームは、上記偏心ワークを固定しないアンクランプ位置と、該アンクランプ位置よりも上記チャックの中心側に回動して上記偏心ワークを固定できる状態になるクランプ可能位置との間で回動可能に構成され、
上記偏心ワークを固定する際に、全ての上記クランパーが上記クランプ可能位置まで移動し、上記第1クランパーと上記第2クランパーとで上記第1偏心ワークを固定するか、または上記第3クランパーと上記第4クランパーとで上記第2偏心ワークを固定し、上記チャックを回転した際に、上記偏心ワークを固定していない2個の上記クランパーは、上記クランプ可能位置から、遠心力によって上記回動軸を中心に所定角度回動するよう構成されていることが好ましい(請求項4)。
このようにすると、偏心ワークを取り付ける際に、全てのクランパーが回動するため、第1偏心ワークと第2偏心ワークのどちらでも自由に固定することが可能になる。
また、遠心力によって上記アームが回動する角度を調節する調節機構を備えることが好ましい(請求項5)。
このようにすると、調節機構を用いてアームが回動する角度を変更することができるため、簡単に重量バランスを調整できる。
また、上記調節機構は、上記チャックに固定された、長さ調節可能な突部を備え、上記遠心力によって上記アームが回動し、上記回動軸が上記突部の先端に当接することにより、その当接位置で上記アームが停止するよう構成され、上記突部の突出長を調節することにより、上記アームの回動角度を調節可能に構成されていることが好ましい(請求項6)。
このようにすると、突部の突出長を調節するだけで、チャックおよび偏心ワークの重量バランスを最適化することが可能になる。この突部としては、例えばボルトを用いることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる旋盤につき、図1〜図13を用いて説明する。
本例の旋盤1は、図1、図2に示すごとく、全体の重心が被加工部20の中心軸26から離れた位置に存在する偏心ワーク2であって、その偏心位置が互いに異なる第1偏心ワーク2aと第2偏心ワーク2b(図6参照)とを、中心軸26まわりに回転して被加工部20を加工するための旋盤1である。
この旋盤1は、第1偏心ワーク2a又は第2偏心ワーク2b(図6参照)を支持して軸回転可能なチャック4を備える。
チャック4には、回動軸5と、回動軸5に取り付けられたアーム6と、アーム6の先端に形成されたワーク固定部7とを各々有する4個のクランパー3a〜3dを設けてある。
図3に示すごとく、4個のクランパー3a〜3dのうち、第1クランパー3aと第2クランパー3bとを一対に用いることにより第1偏心ワーク2aをチャック4に固定できる。また、図6に示すごとく、第3クランパー3cと第4クランパー3dとを一対に用いることにより、第2偏心ワーク2bをチャック4に対して固定できるよう構成されている。
そして図5、図6に示すごとく、4個のクランパー3a〜3dのうち、2個のクランパー3によって偏心ワーク2を固定して、チャック4を偏心ワーク2とともに軸回転した際に、偏心ワーク2を固定していない2個のクランパー3は、遠心力によってアーム6が回動軸5を中心として所定角度回動し、偏心ワーク2とチャック4との重量バランスをとるよう構成されている。
以下、詳説する。
図1、図3に示すごとく、第1偏心ワーク2aをチャック4に取り付けた後、全てのクランパー3a〜3dの回動軸5を回転させて、アーム6をクランプ可能位置30まで移動させる。その後、図2、図4に示すごとく、第1クランパー3a、第2クランパー3bの回動軸5をチャック4内に引き込んで、ワーク固定部7とチャック側固定部40とで第1偏心ワーク2aを挟持する。これにより、第1偏心ワーク2aを固定する。
なお、この際、図示しないが、第3クランパー3cと第4クランパー3dの回動軸5もチャック4内に引き込まれている。
その後、チャック4の回転を開始すると、図5に示すごとく、遠心力によって第3クランパー3cと第4クランパー3dのアーム6が回動軸5を中心に回動し、点線で示したクランプ可能位置30から、実線で示した回転後位置31に移動する。これにより、チャック4と第1偏心ワーク2aの重量バランスをとるようになっている。
一方、第2偏心ワーク2bを加工する際には、図6に示すごとく、第3クランパー3cと第4クランパー3dとを用いて第2偏心ワーク2bを固定する。チャック4を回転させると、遠心力によって第1クランパー3aと第2クランパー3bのアーム6が回動軸5を中心に回動し、点線で示したクランプ可能位置30から、実線で示した回転後位置31に移動する。これにより、チャック4と第2偏心ワーク2bの重量バランスをとるようになっている。
また、図1、図3に示すごとく、第1クランパー3aと第2クランパー3bとは、チャック4の回転中心10に関して互いに対象となる位置に設けられ、第3クランパー3cと第4クランパー3dとは、チャック4の回転中心10に関して互いに対象となる位置に設けられている。
次に、第1偏心ワーク2aと第2偏心ワーク2bの詳細な構造について説明する。本例の偏心ワーク2a,2bは車両に用いる部材で、アタッチメントロアボールジョイントとも呼ばれる。図7は第1偏心ワーク2aの平面図であり、図8は第2偏心ワーク2bの平面図である。同図に示すごとく、第1偏心ワーク2aと第2偏心ワーク2bとは、互いに鏡像関係にある。
また、図7に示すごとく、第1偏心ワーク2aは、第1クランパー3aのワーク固定部7と係合する第1被固定部21と、第2クランパー3bのワーク固定部7と係合する第2被固定部22と、被加工部20と第1被固定部21を繋ぐ第1接続部23と、被加工部20と第2被固定部22を繋ぐ第2接続部24とを備え、第1接続部23と第2接続部24とのなす角度は180°よりも小さくなるよう構成されている。
また、図7に示すごとく、被加工部20には、その側面に円弧状の側板部25が設けられている。
次に、本例の旋盤1で加工する部分の説明をする。図9に示すごとく、本例では第1偏心ワーク2aの被加工部20に円筒形状の貫通孔28を予め形成しておく。そして、上述の旋盤1を使って第1偏心ワーク2aを回転させつつ、バイトBを用いて図の斜線部分を表面仕上げ加工する。すなわち、被加工部20の表面201を切削するとともに、貫通孔28の内周面を切削して、円錐形状にする。
また、図10に示すごとく、本例の旋盤1は、遠心力によってアーム6が回動する角度を調節する調節機構8が設けられている。
この調節機構8は、チャック4に固定された、長さ調節可能な突部80を備え、遠心力によってアーム6が回動し、回動軸5が突部80の先端80aに当接することにより、その当接位置でアーム6が停止するよう構成され、突部80の突出長を調節することにより、アーム6の回動角度を調節可能に構成されている。
より詳しくは、図11、図12に示すごとく、回動軸5には切欠部50が形成されている。クランプ可能位置30(図11)にある回動軸5が遠心力によって回動し、切欠部50の側面50aに突部80の先端80aが当接することにより、回動軸5が回転後位置31(図12)にて停止する。
また、突部80は全ての回動軸5に対して取り付けられている。各々の突部80は個別に突出長さが調節可能である。すなわち、全てのクランパー3は、それぞれ個別に回転角度を調節することが可能になっている。
次に、本例の旋盤1の作用効果について説明する。
図1に示すごとく、本例の旋盤1はクランパーを4個設け、これらのうち第1クランパー3aと第2クランパー3bとで第1偏心ワーク2aを固定し、第3クランパー3cと第4クランパー3dとで第2偏心ワーク2bを固定するよう構成した。
そして、4個のクランパー3のうち2個のクランパー3を使って偏心ワーク2を固定し、残り2個のクランパーは重量バランサとして利用するようにした。すなわち、2個のクランパー3によって偏心ワーク2を固定し、チャック4を偏心ワーク2とともに軸回転した際に、偏心ワーク2を固定していない2個のクランパー3は、遠心力によってアーム6が所定角度回動し、偏心ワーク2とチャック4との重量バランスをとる。
例えば、第1偏心ワーク2aを加工する場合は、図5に示すごとく、第1クランパー3aと第2クランパー3bとを用いて第1偏心ワーク2aを固定し、第3クランパー3cと第4クランパー3dは重量バランサとして利用する。また、第2偏心ワーク2bを加工する場合は、図6に示すごとく、第3クランパー3cと第4クランパー3dとを用いて第2偏心ワーク2bを固定し、第1クランパー3aと第2クランパー3bは重量バランサとして利用する。
これにより、第1偏心ワーク2aと第2偏心ワーク2bとの、どちらの偏心ワーク2を加工する場合でも、自動的に重量バランスをとれるため、ウエイトW(図2、図4参照)の調節をする必要がなくなる。また、手作業によってウエイト調節をする場合と比較して、バランスの調節量を一定にできるため、偏心ワーク2a,2bの加工ばらつきを小さくすることができる。
また、本例では図1、図3に示すごとく、第1クランパー3aと第2クランパー3bとを、チャック4の回転中心10に関して互いに対象となる位置に設けた。さらに、第3クランパー3cと第4クランパー3dとを、チャック4の回転中心10に関して互いに対象となる位置に設けた。
このようにすると、クランパー3を含めたチャック全体の重心が、より回転中心10に近い場所に存在するようになる。これにより重量バランスが良くなり、チャック4および偏心ワーク2の回転運動を安定させることができる。そのため、偏心ワーク2の加工精度が向上する。
また、図7、図8に示すごとく、第1偏心ワーク2aと第2偏心ワーク2bとは、互いに鏡像関係にある形状に形成されている。
この場合には、第1クランパー3a〜第4クランパー3dを、チャック4に対称性よく配置することが可能(図1参照)になり、クランパー3を含めたチャック全体の重量バランスを向上させることができる。これにより、加工時の回転運動がより安定化し、偏心ワーク2の加工精度を一層向上させることができる。
また、クランパー3のアーム6は、偏心ワーク2を固定しないアンクランプ位置300(図1参照)と、アンクランプ位置300よりもチャック4の中心側に回動して偏心ワーク2を固定できる状態になるクランプ可能位置30(図3参照)との間で回動可能に構成されている。
図3に示すごとく、偏心ワーク2を固定する際に、全てのクランパー3a〜3dがクランプ可能位置30まで移動し、第1クランパー3aと第2クランパー3bとで第1偏心ワーク2aを固定するか、または図6に示すごとく、第3クランパー3cと第4クランパー3dとで第2偏心ワーク2bを固定する。そして図5、図6に示すごとく、チャック4を回転した際に、偏心ワーク2を固定していない2個のクランパー3は、クランプ可能位置30から、遠心力によって回動軸5を中心に所定角度回動するよう構成されている。
このようにすると、偏心ワーク2を取り付ける際に、全てのクランパー3が回動するため、第1偏心ワーク2aと第2偏心ワーク2bのどちらでも自由に固定することが可能になる。
また、本例の旋盤1は図10に示すごとく、アーム6が遠心力によって回動する角度を調節する調節機構8を備えている。
このようにすると、調節機構8を用いてアーム6が回動する角度を変更することができるため、簡単に重量バランスを調整できる。
また、図10に示すごとく、調節機構8は長さ調節可能な突部80を備えている。遠心力によってアーム6が回動し、回動軸5が突部80の先端に当接することにより、その当接位置でアーム6が停止する。そして、突部80の突出長を調節することにより、アーム6の回動角度を調節できるようになっている。
より詳しくは、図11、図12に示すごとく、回動軸5には切欠部50が形成されている。クランプ可能位置30(図11)にある回動軸5が遠心力によって回動し、切欠部50の側面50aに突部80の先端80aが当接することにより、回動軸5が回転後位置31(図12)にて停止する。
このようにすると、突部80の突出長を調節するだけで、チャック4および偏心ワーク2の重量バランスを簡単に最適化することが可能になる。この突部80としては、例えばボルトを用いることができる。
なお、突部80は全ての回動軸5に対して取り付けられている。そして、突部80は個別に突出長を調節可能になっている。このようにすると、全てのクランパー3(3a〜3d)の回転角度を、それぞれ個別に調節することが可能となる。
以上のごとく、本発明によれば、偏心位置が異なる2種類の偏心ワーク2を交互に処理する場合でも、ウエイトの調節を行う必要がなく、加工精度に優れた旋盤1を提供することができる。
(実験例1)
本発明の旋盤1を用いて偏心ワーク2を加工し、その表面粗さ(Ra)を測定した。その測定データを図13に示す。同図において、実験例のデータは、本発明に係る旋盤1を用いて第1偏心ワーク2aを合計25個加工し、その表面粗さ(Ra)を測定した値である。
また、比較例のデータは、本例のように4個のクランパーを備えない従来の旋盤を用いて第1偏心ワーク2aを合計25個加工し、その表面粗さ(Ra)を測定したものである。この比較例の旋盤は2個のクランパーのみを備え、チャック外周部に設けたウエイトW(図2参照)の調節をして、重量バランスをとるようにしている。
同図に示すごとく、実験例の表面粗さは、比較例の表面粗さの約1/3になっており、大幅に改善できたことが分かる。
また図示しないが、表面粗さ以外にも、加工寸法を測定した結果、本発明の旋盤を用いた方が加工寸法のばらつきが小さいことが検証できた。
さらに、比較例の旋盤を用いる場合は、第1偏心ワーク2aから第2偏心ワーク2bに切り替える際に、ウエイト調節のために平均約16分かかっていたが、本発明の旋盤1は重量バランスを自動的にとれるため、ウエイト調節時間が全く必要ないことを検証できた。
1 旋盤
2a 第1偏心ワーク
2b 第2偏心ワーク
20 被加工部
3 クランパー
3a 第1クランパー
3b 第2クランパー
3c 第3クランパー
3d 第4クランパー
4 チャック
5 回動軸
6 アーム
7 ワーク固定部
8 調節機構

Claims (6)

  1. 全体の重心が被加工部の中心軸から離れた位置に存在する偏心ワークであって、その偏心位置が互いに異なる第1偏心ワークと第2偏心ワークとを、上記中心軸まわりに回転して上記被加工部を加工するための旋盤であって、
    上記第1偏心ワーク又は上記第2偏心ワークを支持して軸回転可能なチャックを備え、
    該チャックには、回動軸と、該回動軸に取り付けられたアームと、該アームの先端に形成されたワーク固定部とを各々有する4個のクランパーを設けてあり、
    該4個のクランパーのうち、第1クランパーと第2クランパーとを一対に用いることにより上記第1偏心ワークを上記チャックに固定でき、第3クランパーと第4クランパーとを一対に用いることにより、上記第2偏心ワークを上記チャックに対して固定できるよう構成されており、
    4個の上記クランパーのうち、2個の上記クランパーによって上記偏心ワークを固定して、上記チャックを上記偏心ワークとともに軸回転した際に、上記偏心ワークを固定していない2個のクランパーは、遠心力によって上記アームが上記回動軸を中心として所定角度回動し、上記偏心ワークと上記チャックとの重量バランスをとるよう構成されていることを特徴とする旋盤。
  2. 請求項1において、上記第1クランパーと上記第2クランパーとは、上記チャックの回転中心に関して互いに対象となる位置に設けられ、上記第3クランパーと上記第4クランパーとは、上記チャックの回転中心に関して互いに対象となる位置に設けられていることを特徴とする旋盤。
  3. 請求項1または請求項2において、上記第1偏心ワークと上記第2偏心ワークとは、互いに鏡像関係にある形状に形成されていることを特徴とする旋盤。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、上記クランパーの上記アームは、上記偏心ワークを固定しないアンクランプ位置と、該アンクランプ位置よりも上記チャックの中心側に回動して上記偏心ワークを固定できる状態になるクランプ可能位置との間で回動可能に構成され、
    上記偏心ワークを固定する際に、全ての上記クランパーが上記クランプ可能位置まで移動し、上記第1クランパーと上記第2クランパーとで上記第1偏心ワークを固定するか、または上記第3クランパーと上記第4クランパーとで上記第2偏心ワークを固定し、上記チャックを回転した際に、上記偏心ワークを固定していない2個の上記クランパーは、上記クランプ可能位置から、遠心力によって上記回動軸を中心に所定角度回動するよう構成されていることを特徴とする旋盤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項において、遠心力によって上記アームが回動する角度を調節する調節機構を備えることを特徴とする旋盤。
  6. 請求項5において、上記調節機構は、上記チャックに固定された、長さ調節可能な突部を備え、上記遠心力によって上記アームが回動し、上記回動軸が上記突部の先端に当接することにより、その当接位置で上記アームが停止するよう構成され、上記突部の突出長を調節することにより、上記アームの回動角度を調節可能に構成されていることを特徴とする旋盤。
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CN110666199A (zh) * 2019-11-11 2020-01-10 成都威诺精密机械有限公司 一种用于数控车床加工高精度偏心轴的夹具系统

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CN110666199A (zh) * 2019-11-11 2020-01-10 成都威诺精密机械有限公司 一种用于数控车床加工高精度偏心轴的夹具系统
CN110666199B (zh) * 2019-11-11 2024-05-03 成都威诺精密机械有限公司 一种用于数控车床加工高精度偏心轴的夹具系统

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