以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技場管理システム及び遊技場管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
まず、本実施例に係る遊技店の店内システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係る店内システムのシステム構成図である。
同図に示すように、遊技店には、パチンコ機10と、CRユニット20と、島コントローラ30と、玉計数機40と、景品管理装置50と、景品払出機60と、会員管理T/C70と、カードT/C80と、H/C90と、カメラT/C300と、カメラ200とが設けられている。
パチンコ機10は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
CRユニット20は、カードT/C80と各パチンコ機10との間に介在し、カードT/C80に対して一般カードや会員カードの残金額(以下、「プリペイド残額」と言う)の問い合わせやプリペイド残額の減算要求を行うとともに、プリペイド残額がある場合にパチンコ機10に対して玉貸し指示を行う装置である。
また、CRユニット20は、会員管理T/C70に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能を有する。具体的には、会員がCRユニット20に会員カードを挿入して所定の再プレイ操作を行うと、会員管理T/C70が記憶管理する貯玉残高から再プレイ分の玉数を減算するように依頼するとともにその再プレイ分の玉数を投出する。
島コントローラ30は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のパチンコ機10及びCRユニット20を束ねる中継装置である。
玉計数機40は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を関連付けた計数レシートを発行するレシート発行の機能を有する。具体的には、遊技客または従業員によって投入されたパチンコ玉を計数し、その投入玉の計数値、発行日時、担当者(従業員)及び計数機号機が紐付けられた計数IDをバーコード印刷した計数レシートを発行する。なお、ここでは、計数機能とレシート発行機能を併せて有する計数機を例示したが、これらの機能は計数機とレシート発行機とを別々に設けることとしてもかまわない。
また、玉計数機40は、登録済み会員によって計数された計数値の一部または全部を貯玉加算するいわゆる計数貯玉の機能を有する。具体的には、計数終了後に遊技店の従業員が遊技客から受け取った会員カードをカード挿入口に挿入すると、会員番号及び計数値を含む計数貯玉依頼が会員管理T/C70に送信される。なお、この計数貯玉依頼を受け付けた会員管理T/C70によって会員番号に対応する貯玉残高に計数値が加算される。
景品管理装置50は、遊技店内の景品交換カウンタに配設された景品交換用の端末装置である。具体的には、景品カウンタ内の従業員が、玉計数機40により発行された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートのバーコードリーダへの読取操作を通じて計数情報を取得するとともに、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に相当する交換玉数を計数値(獲得玉)から減算する交換制御を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置50に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、計数値に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機60に指示する。
また、景品管理装置50は、会員によって保有される貯玉と引き換えに景品との交換を制御する機能を有する。具体的には、会員カードに記録された会員番号がカードリーダへの読取操作を介して読み取られると、当該会員番号に対応する貯玉残高を会員管理T/C70に問い合わせ、その問合せ応答として得られた貯玉残高の範囲内で、計数レシートと同様に一般景品もしくは特殊景品との交換制御を行い、交換分の玉数を貯玉残高から減算するように会員管理T/C70に依頼する。
会員管理T/C70は、図示しない会員管理テーブルを用いて遊技店に登録された会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブルは、会員番号に貯玉残高及び属性情報を対応付けて記憶している。そして、玉計数機40又は景品管理装置50から貯玉加算依頼を受け付けたならば該当する貯玉口座内の貯玉数を加算処理し、CRユニット20又は景品管理装置50から貯玉減算依頼を受け付けたならば該当する貯玉口座内の貯玉数を減算処理する。
カードT/C80は、図示しないプリペイド残額管理テーブルを用いて一般カード及び会員カードの残額管理を行う管理装置である。このプリペイド残額管理テーブルは、一般カードまたは会員カードに記録されるカードIDにプリペイド残額を対応付けて記憶している。そして、CRユニット20から価値付け依頼(残額加算依頼)を受け付けた場合には、該価値付け依頼に含まれるカードIDのプリペイド残額を加算処理し、また、CRユニット20から残額減算依頼を受け付けた場合には、該残額減算依頼に含まれるカードIDのプリペイド残額を減算処理する。
H/C90は、図示しない台データ管理テーブルを用いて各パチンコ機10の台データの管理を行うホールコンピュータである。この台データ管理テーブルは、パチンコ機10の号機番号にアウト数、セーフ数、特賞回数やスタート回数などの台データを対応付けて記憶している。これらの台データは、各パチンコ機10でアウト、セーフ、特賞またはスタートが発生する度に収集され、該台データ管理テーブルに登録される。なお、アウトとは、遊技台に打ち込まれたパチンコ玉を指し、セーフとは、遊技台から賞玉として投出されたパチンコ玉を指し、特賞とは、遊技台における大当りを指し、また、スタートとは、遊技台で単位ゲームを開始する事象を指す。
このように、遊技店には、会員カードを取り扱うCRユニット20、玉計数機40や景品管理装置50などの店内機器とこれらの店内機器を管理する会員管理T/C70とを含んで構成される会員システム、そして、会員カード及び一般カードを取り扱うCRユニット20やその他図示しないカード精算機などの店内機器とカードT/C80を含んで構成されるカードシステム、さらには、遊技台の台データを取り扱うパチンコ機10、CRユニット20や玉計数機40などの店内機器とH/C90とを含んで構成されるホールコンシステムが併存している。
これら3つのシステムでは、会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90等の管理装置100で各々のシステムに所属する店内機器の履歴データを収集し、該収集した履歴データを後述するシステム履歴テーブル121に登録して管理する。なお、履歴データの収集・管理については、会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90の間で同様であることから、以下ではこれらの装置を総称して管理装置100として説明を行う。
さらに、遊技店には、遊技場の監視を目的としたシステムとして、各店内機器を撮像するカメラ200と、カメラ200によって撮像された画像を格納するカメラT/C300とを含んで構成されるカメラシステムが設けられている。
この遊技場とは、遊技客が立ち入り可能な場所を指す。また、遊技店には、遊技場とは別に遊技客の立ち入りを禁止した事務所が設けられており、遊技店の機密に関わる情報を管理する会員管理T/C70、カードT/C80やH/C90などの管理装置100、カメラT/C300は遊技場ではなく事務所に配設される。
このカメラ200は、店内機器及びその周辺を撮像可能に設けられた撮像デバイスであり、図1の例では、パチンコ機10及びCRユニット20のペア、玉計数機40、景品管理装置50及び景品払出機60のペアなどの店内機器または店内機器の組合せに対応して1つ設置される。このカメラ200によって撮像された画像は、各カメラに予め付与されたカメラIDとともに送信され、カメラT/C300によって店内機器別に格納される。
カメラT/C300は、カメラ200によって撮像される動画像を格納するサーバ装置である。具体的には、後述する動画管理テーブル341で撮像日付、カメラ200のカメラID、該カメラ200が撮像する店内機器の号機番号及び動画像の格納先が対応付けて管理されており、カメラ200からカメラID及び撮像画像を受信した場合に、当該カメラIDに対応する号機番号の格納先に撮像画像を蓄積していく。なお、カメラT/C300に格納された動画は、自装置または他装置からの指示に基づきカメラT/C300の出力部や管理装置100の出力部で再生することができる。
ここで、本実施例では、動画像の再生時に再生中の店内機器の号機番号及び再生時刻を取得し、取得した号機番号及び再生時刻を含む履歴データの呼出し通知を管理装置100に行い、呼出し通知の応答として得られた履歴データを表示部に表示させるようにカメラT/C300を構成し、号機番号及び時刻情報に対応付けて該店内機器に関する履歴データを記憶しておき、呼出し通知された号機番号及び再生時刻に対応する履歴データを抽出し、抽出した履歴データをカメラT/C300に応答するように管理装置100を構成した。
すなわち、本実施例では、再生動画像に映し出されている店内機器の号機番号及び再生時刻を用いて、会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90等の管理装置100によって収集・管理される履歴データの中から再生中の店内機器に関する履歴データを呼び出す仕組みにその特徴がある。
これを図2を用いて具体的に説明すると、カメラT/C300では、動画像再生時に履歴データの呼出し操作を受け付けると(1)、再生中の店内機器の号機番号及び再生時刻を取得し、該取得した号機番号及び再生時刻を会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90などの管理装置100に通知することにより、履歴データの呼出し通知を行う(2)。
一方、会員管理T/C70では、号機番号及び時刻情報ごとに会員システムに所属する店内機器に関する履歴データを管理する会員システム履歴テーブル121aから、当該呼出し通知に含まれる号機番号及び再生時刻に対応する履歴データを抽出し(3)−1、該抽出した会員システムの履歴データをカメラT/C300に応答する(4)−1。
また、カードT/C80では、号機番号及び時刻情報ごとにカードシステムに所属する店内機器に関する履歴データを管理するカードシステム履歴テーブル121bから、当該呼出し通知に含まれる号機番号及び再生時刻に対応する履歴データを抽出し(3)−2、該抽出したカードシステムの履歴データをカメラT/C300に応答する(4)−2。
さらに、H/C90では、号機番号及び時刻情報ごとにホールコンシステムに所属する店内機器に関する履歴データを管理するホールコンシステム履歴テーブル121cから、当該呼出し通知に含まれる号機番号及び再生時刻に対応する履歴データを抽出し(3)−3、該抽出したホールコンシステムの履歴データをカメラT/C300に応答する(4)−3。
これらの管理装置100から履歴データの応答を得たカメラT/C300では、再生中の動画像とともに、会員システム、カードシステム及びホールコンシステムから得られた履歴データを表示する(5)。
このカメラT/C300では、各システムの管理装置100から得られた履歴データを表示する際に、動画像を再生する表示部と同一の表示部または他装置の表示部の画面上に全てのシステムの履歴データを併せて表示することもできるし、一部のシステムの履歴データだけを表示することもできる。また、再生中の動画像の一部と重なるように履歴データを表示させたり、動画像と完全に重複しないように履歴データを表示させたりすることもできる。
したがって、本実施例では、再生中の店内機器に関する履歴データを自動的に呼び出して表示させることができ、目的の履歴データが得られるまで検索操作を繰り返し行う必要がなくなる結果、動画像再生時に映像と履歴データを手間なく突合させることが可能になる。
また、本実施例では、カメラT/C300側での履歴データの呼出し操作に応答して管理装置100からカメラT/C300に履歴データを通知させるので、カメラT/C300側で履歴データの呼出し操作等の操作行為を集約して行わせることができ、管理装置100側での履歴データの検索操作、管理装置100とカメラT/C300の間の往復移動、ひいては個別の管理装置100での履歴データの検索操作を不要化することができる。
さらに、本実施例では、再生中の店内機器に関する履歴データを自動的に呼び出して表示させるので、管理装置100側で履歴データを検索し、その検索結果を印字出力する必要がなくなる結果、紙媒体等の資源消費の低減(ペーパーレス)を実現できる。
また、本実施例では、異なる種別の履歴データを管理する複数の管理装置100を対象に履歴データの呼出し通知を行い、複数の管理装置100によって応答された各種別の履歴データを表示部に表示させるので、再生動画像に併せて、遊技店に併存する会員システム、カードシステムやホールコンシステム等の各システムの履歴データを表示させることができ、映像に対して履歴データを多面的に突合できる結果、クレーム内容の妥当性あるいは不正行為の特定をより効果的に行うことができる。
続いて、本実施例に係る遊技場管理システムを構成する各装置の構成を説明する。なお、ここでは、各システムの会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90を管理装置100と見立て、この管理装置100とカメラシステムの中心となるカメラT/C100との構成を詳細に説明する。
(1)管理装置の構成
前述したように、ここでは、本実施例に係る管理装置100の構成について説明する。この管理装置100は、各システムの上位装置である会員管理T/C70、カードT/C80またはH/C90に相当し、各々のシステム所属の店内機器の履歴データを収集し、該収集した履歴データを管理する構成は3者の間で共通することから、各システムの共通部分についてはまとめて説明することとする。
図3は、本実施例に係る管理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、管理装置100は、通信I/F部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、実際の会員管理T/C70、カードT/C80やH/C90では、図示した機能部以外の機能部、すなわち各のシステム特有の機能を有するが、図3では、本実施例に係る管理装置の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
通信I/F部110は、CRユニット20、島コントローラ30、玉計数機40や景品管理装置50等の店内機器、自装置以外の管理装置100、カメラT/C300との間でデータ通信を行うためのインタフェースである。
記憶部120は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、たとえばシステムに所属する店内機器の履歴データを管理するシステム履歴テーブル121を記憶する。
このシステム履歴テーブル121としては、会員管理T/C70の場合には会員システム履歴テーブル121aが記憶され、カードT/C80の場合にはカードシステム履歴テーブル121bが記憶され、また、H/C90の場合にはホールコンシステム履歴テーブル121cが記憶される。
会員システム履歴テーブル121aは、図4(a)に示すように、号機番号ごとに所属システム、イベント種別、時刻、会員ID、取引高、取引後残額、取引後貯玉残高などを記憶したテーブルである。
この図4(a)の例では、会員ID「03626」の会員が12時5分に3500円のプリペイド残額が関連付けられた会員カードを号機番号「P0123」のCRユニット20に挿入し、12時8分には玉貸し操作を行って500円分のパチンコ玉を借り受けて取引後のプリペイド残額が3000円になったことを示している。
なお、ここでは、号機番号をキーとしてテーブル管理を行う場合について説明したが、会員IDをキーにテーブル管理を行ってもよく、少なくともテーブルに号機番号と時刻が含まれていればテーブル構成は如何なる構成であってもかまわない。
カードシステム履歴テーブル121bは、図4(b)に示すように、号機番号ごとに所属システム、イベント種別、時刻、カードID、取引高、取引後残額などを記憶したテーブルである。
この図4(b)の例では、号機番号「P0123」のCRユニット20で10時2分に1000円の入金が行われてカードID「14623」の一般カードに1000円のプリペイド残額が価値付けられ、10時13分には玉貸し操作を行って500円分のパチンコ玉を借り受けて取引後のプリペイド残額が500円になり、10時22分にはその一般カードを返却し、11時16分には新たに10000円の入金が行われてカードID「12389」の一般カードに10000円のプリペイド残額が価値付けられたことを示している。
また、ここでも、号機番号をキーとしてテーブル管理を行う場合について説明したが、カードIDをキーにテーブル管理を行ってもよく、少なくともテーブルに号機番号と時刻が含まれていればテーブル構成は如何なる構成であってもよい。
ホールコンシステム履歴テーブル121cは、図4(c)に示すように、号機番号ごとに所属システム、イベント種別、時刻、スタート回数、アウト、セーフなどを記憶したテーブルである。
この図4(c)の例では、号機番号「P0123」のCRユニット20で10時13分に500円の売り上げがあり、その後、10時15分にスタートが通知された時点でスタート回数が15回、アウトが200個、セーフが45個、売上が500円になり、また、10時22分にアウトが通知された時点でスタート回数が21回、アウトが250個、セーフが63個、売上が500円になったことを示している。
なお、ここでは、ホールコンシステム特有の遊技台データとして、スタート回数、アウト、セーフ、売上等の項目を例示したが、実際にはその他の項目(例えば、特賞回数、差玉数や貸し玉数など)を有している。
また、上記のシステム履歴テーブル121として例示した3つのシステムのテーブルでは、号機番号「P0123」のCRユニット20の履歴データを例示したが、他の号機番号のCRユニット20の履歴データが格納されているのは勿論のこと、CRユニット20のみならず、各システムに対応した店内機器(例えば、玉計数機40や景品管理装置50など)の履歴データが格納されている。
制御部130は、管理装置100を全体制御する制御部であり、履歴データ収集部131と、履歴データ抽出部132と、履歴データ応答部133とを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、履歴データ収集部131、履歴データ抽出部132及び履歴データ応答部133にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
履歴データ収集部131は、所属システムの店内機器から履歴データを収集する処理部である。具体的には、店内機器でイベントが発生した場合に、その店内機器の号機番号、イベント種別、時刻、取引高、その他システム履歴テーブル121に登録が必要な項目に関する情報を通知させることにより履歴データを収集し、該収集した履歴データをシステム履歴テーブル121に登録する。
履歴データ抽出部132は、後述するカメラT/C300の履歴データ呼出し部353によって呼出し通知された号機番号及び再生時刻に対応する履歴データをシステム履歴テーブル121から抽出する処理部である。
例えば、号機番号「P0123」及び再生時刻「10時15分」の履歴データが呼出し通知されたとした時、履歴データ抽出部132は、号機番号「P0123」を含み、かつ再生時刻「10時15分」を基準とした前の区間10分間及び後の区間10分間に含まれることを抽出条件としてシステム履歴テーブル121を検索する。
ここで、会員管理T/C70の場合には、図4(a)に示すように、上記の抽出条件を満たす履歴データが会員システム履歴テーブル121aに格納されていないので、会員システム履歴テーブル121aからは履歴データは抽出されない。
一方、カードT/C80の場合には、図4(b)に示すように、号機番号「P0123」の10時13分から10時22分までの履歴データ(図4(b)のハッチング部分)をカードシステム履歴テーブル121bから抽出する。
また、H/C90の場合には、図4(c)に示すように、号機番号「P0123」の10時13分から10時22分までの履歴データ(図4(c)のハッチング部分)をホールコンシステム履歴テーブル121cから抽出する。
このように、履歴データ抽出部132は、履歴データ呼出し部353によって呼出し通知された号機番号に対応する履歴データのうち、再生時刻を基準とした前後の所定区間(本例では、10分間)に含まれる履歴データを抽出する。なお、再生時刻以前に遡る区間及び再生時刻から後に進む区間の長さは、同一であっても、再生されている店内機器の種別や閑散期または繁忙期の時間帯によって任意に変更してもよい。
つまり、履歴データ抽出部132では、カメラT/C300において時間経過に伴って動画像の再生が進んだり、再生時刻を遡って再生する操作が行われるなどが原因で、表示中の履歴データが再生時刻にそぐわなくなった場合でも、改めてカメラT/C300が履歴データを呼び出さずともよくなるように、一定区間の履歴データを予め送信しておくこととした。
履歴データ応答部133は、履歴データ抽出部132によって抽出された履歴データをカメラT/C300に応答する処理部である。上述した例を踏襲すれば、会員管理T/C70の場合には、該当の履歴データが存在しない旨を応答し、カードT/C80の場合には、号機番号「P0123」の10時13分から10時22分までの履歴データ(図4(b)のハッチング部分)を応答し、また、H/C90の場合には、号機番号「P0123」の10時13分から10時22分までの履歴データ(図4(c)のハッチング部分)を応答する。
(2)カメラT/Cの構成
次に、本実施例に係るカメラT/Cについて説明する。図5は、本実施例に係るカメラT/Cの構成を示す機能ブロック図である。なお、実際のカメラT/C300では、図示した機能部以外の機能部を有するが、図5では、本実施例に係るカメラT/C300の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
同図に示すように、カメラT/C300は、入力部310と、出力部320と、通信I/F部330と、記憶部340と、制御部350とを有する。
入力部310は、キーボードやマウスの他、押下式、スライド式やダイヤル式などのハードスイッチを含むユーザインタフェースである。なお、ハードスイッチやその近辺には、その役割を示す文字列が付されており、たとえば履歴データの呼出し操作を受け付けるボタンには「履歴呼出し」といった文字列が付される。
出力部320は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイス及びスピーカ等の音声デバイスであり、また、通信I/F部330は、CRユニット20、島コントローラ30、玉計数機40、景品管理装置50及び管理装置100との間でデータ通信を行うためのインタフェースである。
記憶部340は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、たとえば記憶部340内に格納される動画ファイルを管理する動画管理テーブル341と、各カメラ200によって撮像された動画データの群である動画ファイル群342とを併せて記憶する。
動画管理テーブル341は、図6に示すように、撮像日付、カメラ200のカメラID、そのカメラ200が撮像する店内機器の号機番号及び動画像の格納先を示すパス名を記憶したテーブルである。図6に示す例では、9月2日に撮像された動画ファイルの管理情報の一例を示しており、最上部のレコードでは、カメラID「00001」のカメラ200によって号機番号「P0001」のCRユニット20及びそのペアのパチンコ機10の周辺領域が撮像されるとともにその動画ファイルがパス1のアドレスに格納されていることを示している。なお、号機番号の頭文字は、店内機器の種別を示しており、Pが付与されているものはCRユニットを示し、Bが付与されているものは計数機を示し、Jが付与されているものは景品管理装置を示すものとしている。
動画ファイル群342には、撮像日付ごとの動画像のデータであって被撮像対象の店内機器の号機番号ごとの動画ファイルの群である。例えば、図6に示した最上部のレコードを例に挙げれば、カメラID「00001」のカメラ200が号機番号「P0001」のCRユニット20及びそのペアのパチンコ機10の周辺領域を撮像範囲に収め、9月2日の開店処理から閉店処理まで継続して撮像した動画データであり、記憶部340内のパス1のアドレスにMPEG等の圧縮方式で圧縮された動画ファイルとして記憶されている。
制御部350は、カメラT/C300を全体制御する制御部であり、動画格納部351と、動画像再生処理部352と、履歴データ呼出し部353と、表示制御部354とを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、動画格納部351、動画像再生処理部352、履歴データ呼出し部353及び表示制御部354にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
動画格納部351は、動画管理テーブル341を用いて、カメラ200によって撮像される動画像を記憶部340内に格納する処理部である。具体的には、カメラ200から動画像及びカメラIDを受信した場合に、動画管理テーブル341を参照して該当撮像日付及び該当カメラIDに対応付けて記憶されたパス名を特定し、該特定したパス名に対応する記憶部340の格納先に動画像を格納することにより動画を逐次蓄積していく。
動画像再生処理部352は、記憶部340内に格納された動画ファイルを再生する処理部である。具体的には、再生対象とする動画ファイルの撮像日付および店内機器の号機番号の指定を入力部310を介して受け付け、該受け付けた撮像日付及び号機番号に対応する動画ファイルの格納先を動画管理テーブル341を用いて特定し、該特定した動画ファイルを最初から再生するか、或いは再生開始時刻の指定を受け付けてその指定時刻から動画ファイルを出力部320で再生させる。
履歴データ呼出し部353は、管理装置100に対して履歴データの呼出しを行う処理部である。具体的には、動画像の再生中に入力部310を介して履歴データの呼出し操作を受け付けると、動画像再生処理部352に要請して再生中の動画ファイルに紐付けられている号機番号と動画像の再生時刻を取得し、該取得した号機番号および再生時刻を会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90などの管理装置100に通知することにより、履歴データの呼出し通知を行う。
なお、ここでは、動画像の再生中に履歴データの呼出し操作を受け付けた場合に呼出し通知を行う場合を例示したが、動画像再生処理部352によって動画像の再生が開始されるタイミングと同期して呼出し通知を行ってもよく、また、1度再生した動画像の再生区間の履歴を保持しておき、保持した再生区間に含まれる再生時刻から動画像を再生する再生時刻の指定操作がカーソル位置で再生時刻を指定可能なGUI等を用いてなされた場合など、任意のタイミングで呼出し通知を行うことができる。
表示制御部354は、出力部320の表示制御を行う処理部である。具体的には、会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90から呼出し通知の応答として得られた履歴データの中に再生時刻に該当する履歴データが存在する場合には、当該再生時刻の履歴データを再生動画像とともに出力部320に表示させ、また、再生時刻に該当する履歴データが存在しない場合には、再生時刻以前の履歴データであって最も再生時刻に近い履歴データを表示させる。
例えば、図4で説明した履歴データを呼出し通知の応答として受け付けたとした時、カードT/C70からの応答には、再生時刻「10時15分」に該当する履歴データが存在しないので、それ以前の履歴データであり、かつ直近の履歴データである10時13分の履歴データのうち、表示対象として予め設定されている項目、たとえばプリペイド残額「500円」及び一般カードの受付状態「挿入中」を表示用データとして生成する。
一方、H/C90からの応答には、再生時刻「10時15分」に該当する履歴データが存在するので、当該再生時刻「10時15分」の履歴データのうち、表示対象として予め設定されている項目、たとえばスタート回数「15回転」、アウト「200玉」及びセーフ「45玉」を表示用データとして生成する。
また、会員管理T/C70からは、該当の履歴データが存在しない旨が応答されているので、表示対象として設定されている項目、たとえば会員カードの受付状態「なし」を表示用データとして生成する。
表示制御部354は、図7に示すように、表示用データとして生成したスタート回数「15回転」、アウト「200玉」、セーフ「45玉」、プリペイド残額「500円」、一般カードの受付状態「挿入中」、会員カードの受付状態「なし」を再生中の動画像とともに出力部320に表示させる。この図7の例では、映像と履歴データを区分けして表示する場合を例示しているが、再生中の動画像の一部と重なるように履歴データを表示させることもできる。
なお、ここでは、スタート回数、アウト、セーフ、プリペイド残額、一般カードの受付状態や会員カードの受付状態などの項目が表示対象の項目として設定されている場合について説明したが、管理装置100から応答として得た履歴データの全ての項目をそのまま表示させることとしてもよいし、履歴データ表示後に表示対象の項目を改めて選択させることもできる。
また、表示制御部354は、複数の履歴データのうち1つの履歴データを表示させた後に、時間経過により動画像の再生時刻が他の履歴データに対応する時刻に至った場合には、前記表示部に表示させる履歴データを更新する。
例えば、図4及び図7の例において10時15分であった再生時刻が10時22分になった場合には、カードT/C80及びH/C90からの応答として得られた10時22分の履歴データが最新の履歴データとなるので、カードシステム及びホールコンシステムの10時22分の履歴データから、スタート回数「21回転」、アウト「250玉」、セーフ「63玉」、プリペイド残額「―――円」、一般カードの受付状態「排出検知」及び会員カードの受付状態「なし」を含む表示データを新たに生成して再生動画像とともに出力部320で表示させる。
これによって、時間経過により表示中の履歴データが古くなったとしても動画像の再生時刻に追従して最新の履歴データを表示させることができ、複数の時点の履歴データを連結して履歴データに時間的な奥行を持たせて映像と突合させることが可能になる。
次に、本実施例に係る遊技場管理システムの処理の流れを説明する。図8は、本実施例に係るカメラT/C及び管理装置間の制御シーケンスを示す図である。なお、ここでは、動画像の再生中に履歴データの呼出し操作を受け付けた場合に処理を開始する場合を例示するが、履歴データ呼出し部353で説明したように任意のタイミングで処理を開始することができる。
図8に示すように、カメラT/C300では、動画像再生中は履歴データの呼出し操作の待機状態にあり、動画像の再生中に入力部310を介して履歴データの呼出し操作を受け付けると(ステップS101)、履歴データ呼出し部353は、動画像再生処理部352に要請して再生中の動画ファイルに紐付けられている号機番号と動画像の再生時刻を取得する(ステップS102)。
そして、履歴データ呼出し部353は、このようにして取得した号機番号および再生時刻を会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90などの管理装置100に通知することにより、履歴データの呼出し通知を行う(ステップS103)。
一方、管理装置100の履歴データ抽出部132は、カメラT/C300の履歴データ呼出し部353によって呼出し通知された号機番号及び再生時刻に対応する履歴データをシステム履歴テーブル121から抽出し(ステップS104)、履歴データ応答部133は、履歴データ抽出部132によって抽出された履歴データをカメラT/C300に応答する(ステップS105)。
その後、カメラT/C300の表示制御部354は、会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90などの管理装置100の履歴データ応答部133によってそれぞれ応答された履歴データを再生中の動画像とともに出力部320で表示させ(ステップS106)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例によれば、動画像再生時に再生中の店内機器の号機番号及び再生時刻を取得し、取得した号機番号及び再生時刻を含む履歴データの呼出し通知を管理装置100に行い、呼出し通知の応答として得られた履歴データを出力部320に表示させるようにカメラT/C300を構成し、号機番号及び時刻情報に対応付けて該店内機器に関する履歴データを記憶しておき、呼出し通知された号機番号及び再生時刻に対応する履歴データを抽出し、抽出した履歴データをカメラT/C300に応答するように管理装置100を構成したので、再生中の店内機器に関する履歴データを自動的に呼び出して表示させることができ、目的の履歴データが得られるまで検索操作を繰り返し行う必要がなくなる結果、動画像再生時に映像と履歴データを手間なく突合させることが可能である。
また、本実施例によれば、呼出し通知の応答として得た履歴データの中に同一の管理装置100が送信元である複数の履歴データが含まれる場合に、複数の履歴データのうち動画像の再生時刻の履歴データもしくは再生時刻以前の履歴データであって最も再生時刻に近い履歴データを表示させるように構成したので、再生中の動画像と履歴データの間の時間的なズレを最小限にすることができ、映像と履歴データを正確に突合させることが可能になる。
さらに、本実施例によれば、呼出し通知された号機番号に対応する履歴データのうち、再生時刻を基準とした前後の所定区間に含まれる複数の履歴データを抽出し、前後の所定区間で抽出された複数の履歴を管理装置に応答するように構成したので、表示中の履歴データが再生時刻にそぐわなくなった場合でも、カメラT/C300が改めて履歴データを呼び出す必要がなくなる結果、カメラT/C300と管理装置100の間での通信頻度を低減させることが可能である。
また、上記の実施例では、図4及び図7を用いてCRユニット20の履歴データを呼び出す場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、玉計数機40や景品管理装置50などの他の店内機器の履歴データを呼び出すことができるのは言うまでもない。この場合には、CRユニット20の場合とはイベント種別が相違することから、管理装置100のシステム履歴テーブル121に記憶管理される履歴データの項目も異なり、再生動画像とともに表示される履歴データも異なるものになる。
例えば、玉計数機40の履歴データを呼び出すこととした場合には、玉計数機40特有のイベント種別として計数が存在し、この計数時にはシャッタ異常、従業員認証なしなどのエラーイベントが発生することから、かかるエラーイベントが再生時刻またはその近傍で発生していた場合には、図9に示すような履歴データを再生動画像とともに表示させることができる。
また、上記の実施例では、再生中の動画ファイルに紐付けられている店内機器を対象に履歴データを呼び出すこととしたが、必ずしも1つの店内機器の履歴データに呼出し対象または履歴データの抽出対象を限定する必要はなく、呼出し対象または履歴データの抽出対象を任意に拡張することもできる。
例えば、CRユニット20の号機番号ごとに当該号機番号と配置関連度が高い他のCRユニット20の号機番号を対応付けて配置関連度テーブルとして記憶しておき、カメラT/C300から呼出し通知を受け付けた場合に、システム履歴テーブル121に加えて配置関連度テーブルを参照して、当該呼出し通知に含まれる号機番号とその号機番号に対応付けて記憶されている号機番号の履歴データであり、かつ再生時刻を基準とした所定区間に含まれる履歴データをシステム履歴テーブル121から抽出し、カメラT/C300に応答する。
この配置関連度が高い号機番号としては、同一の遊技島及び/又はその背面の遊技島に属するCRユニット20の号機番号を設定しておいてもよいし、左右に隣接するCRユニット20の号機番号を所定台数設定しておいてもよいし、背面に位置するCRユニット20及びそれに隣接するCRユニット20の号機番号を所定数設定しておいてもよい。また、CRユニット20に併設されるパチンコ機10の機種が同一である号機番号の全部または一部を設定しておくこともできる。
このように応答された履歴データのうち、再生中の動画ファイルに紐付けられている店内機器の履歴データであって再生時刻に対応する履歴データを出力部320に表示させるとともに配置関連度が高い号機番号の履歴データを選択可能に表示させておき、他の号機番号の履歴データが選択された場合には、当該選択された履歴データを表示させるとともにそれに対応する動画像を再生させる。
これによって、不正者が再生時刻の前後にその周辺場所でも不正ゴトを行っていた場合に、芋づる式に不正を発見することが可能になる。なお、ここでは、履歴データの抽出時に配置関連度テーブルを用いる例を説明したが、履歴データの呼出し時に配置関連度テーブルを参照させて、再生中の動画ファイルに紐付けられている店内機器の号機番号及びその号機番号と配置関連度の高い号機番号を含めて呼出し通知を行うこととしてもよい。
また、上記の実施例では、動画像の再生中に履歴データの呼出し操作を受け付けた場合に呼出し通知を行う場合を例示したが、動画像の再生中は所定の周期(例えば、10秒)ごとに呼出し通知を繰り返し行い、動画像の再生時刻に対応する履歴データを定常的に表示させるようにしてもよい。
さらに、上記の実施例では、各システムのシステム履歴テーブル121に記憶された履歴データをネットワーク通信を介して取得することとしたが、可搬記録媒体などを経由して、カメラT/C300への履歴データの通知を可能とし、各システムとカメラシステムのインタフェース接続を不要化してもよい。
また、上記の実施例では、カメラT/C300で動画像の再生及び履歴データの表示を行うこととしたが、カメラT/C300と外部装置とをネットワーク接続することにより、遊技店外からでも外部装置を介して動画像および履歴データを閲覧できるようにしてもかまわない。
また、上記の実施例では、1つの店内機器につき1台のカメラを設置する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の店内機器及びその周辺領域の撮像を1台のカメラに兼務させるようにしてもかまわない。この場合には、イベントが発生している店内機器を撮像範囲に収めるカメラ200に対して、当該店内機器を拡大して撮像したり、焦点を合わせたりなどの撮像制御を行うのが好ましい。
また、上記の実施例では、特に言及していないが、管理装置100の計時部の時刻と、カメラT/C300の計時部の時刻とがズレた場合には、カメラT/C300で再生動画像に対応する履歴データを閲覧することができなくなるので、管理装置100及びカメラT/C300の時刻合わせを定期的に行うことが好ましい。
なお、上記の実施例では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。