JP2010225945A - 発光素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光取り出し効率が改善された発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板10上に、発光層14を有する半導体層17を結晶成長する工程と、前記半導体層の表面に、前記発光層からの放出光を透過可能な導電膜を形成するためのコート材18を塗布する工程と、凹凸を有するモールド26を前記コート材に押しつけることにより前記凹凸を転写する工程と、前記コート材を焼成して、前記導電膜18、18aを形成する工程と、を備えたことを特徴とする発光素子の製造方法及びこれを用いた発光素子が提供される。
【選択図】図2
【解決手段】基板10上に、発光層14を有する半導体層17を結晶成長する工程と、前記半導体層の表面に、前記発光層からの放出光を透過可能な導電膜を形成するためのコート材18を塗布する工程と、凹凸を有するモールド26を前記コート材に押しつけることにより前記凹凸を転写する工程と、前記コート材を焼成して、前記導電膜18、18aを形成する工程と、を備えたことを特徴とする発光素子の製造方法及びこれを用いた発光素子が提供される。
【選択図】図2
Description
本発明は、発光素子及びその製造方法に関する。
照明装置及び表示装置などに用いる発光素子には、高輝度であることが要求される。発光素子の光取り出し面に、微小凹凸を形成し粗面化すると光取り出し効率が改善可能となる。例えば、表面がAlGaAsなどの場合、フロスト処理などにより微小凹凸を形成することができる。
微小凹凸のピッチが放出光の波長よりも長い場合、放出光は幾何光学的にその進行方向が決定される。他方、微小凹凸のピッチが波長よりも短くなると、放出光は回折などを生じるやすくなり波動光学的に振る舞う。この場合、微小凹凸領域の屈折率はその形状に応じて変化する。すなわち形状で決定される実効屈折率を有する誘電体が均一に充填されたものとして扱うことができる。
表面に凹凸を有する発光素子の技術開示例がある(特許文献1)。この例では、半導体多層構造の表面は窒化アルミニウムにより構成され、その表面には平均ピッチが光の媒質内波長の半分以下の凹凸が形成されている。
しかしながら、エッチング法などを用いて窒化アルミニウムの表面に微小凹凸を形成する製造方法はその制御性及び量産性きが十分であるとは言えない。
しかしながら、エッチング法などを用いて窒化アルミニウムの表面に微小凹凸を形成する製造方法はその制御性及び量産性きが十分であるとは言えない。
光取り出し効率が改善された発光素子及びその製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、基板上に、発光層を有する半導体層を結晶成長する工程と、前記半導体層の表面に、前記発光層からの放出光を透過可能な導電膜を形成するためのコート材を塗布する工程と、凹凸を有するモールドを前記コート材に押しつけることにより前記凹凸を転写する工程と、前記コート材を焼成して、前記導電膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とする発光素子の製造方法が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、基板と、前記基板上に設けられ、発光層を有する半導体層と、前記半導体層の上に設けられ、凹凸を介して前記発光層からの放出光を放出可能とする導電膜と、前記凹凸の領域の一部に設けられた電極と、を備えたことを特徴とする発光素子が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、基板と、前記基板の上に設けられ、前記基板を透過可能な放出光を放出する発光層を有する半導体層と、前記半導体層の上に設けられ、第1の凹凸を介して前記放出光を放出可能とする第1の導電膜と、前記第1の凹凸の領域の一部に設けられた第1の電極と、前記基板の下に設けられ、第2の凹凸を介して前記放出光を放出可能とする第2の導電膜と、前記第2の凹凸の領域の一部に設けられた第2の電極と、を備えたことを特徴とする発光素子が提供される。
光取り出し効率が改善された発光素子及びその製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施形態にかかる発光素子の模式断面図である。
GaAsなどからなる基板10の上に、半導体層17が設けられている。半導体層17は、n型クラッド層12、発光層14、及びp型クラッド層16を含み、その第1の面17a側が基板10と隣接している。発光層14をInGaAlP系材料とすると、波長が可視光範囲の光を放出可能である。もし、基板10をGaPなど透光性材料とすると、下方または側方から光を取りだし、より高出力とできる。
図1は、第1の実施形態にかかる発光素子の模式断面図である。
GaAsなどからなる基板10の上に、半導体層17が設けられている。半導体層17は、n型クラッド層12、発光層14、及びp型クラッド層16を含み、その第1の面17a側が基板10と隣接している。発光層14をInGaAlP系材料とすると、波長が可視光範囲の光を放出可能である。もし、基板10をGaPなど透光性材料とすると、下方または側方から光を取りだし、より高出力とできる。
なお、本明細書において、InGaAlP系材料とは、Inx(GayAl1−y)1−xP(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)なる組成式で表される材料であり、p型不純物やn型不純物が添加されたものも含むものとする。
半導体層17は、発光層14がバンドギャップの大きなp型及びn型クラッド層16、12により挟まれたダブルヘテロ接合を有する。発光層14は、バンドギャップ及び発光波長が所定の範囲となるようにその組成が決定される。この場合、井戸層と障壁層とが交互に積層されたMQW(Multi Quantum Well)構造とすると、発光波長の制御及び動作電流の低減が容易となるので好ましい。
半導体層17の第2の面17bには、電気伝導性を有し、かつ発光層14からの放出光に対して透光性を有する導電膜18が設けられている。導電膜18は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)、IZO(Indium Zinc Oxide:酸化インジウム亜鉛)、酸化亜鉛などの金属酸化物や、窒化チタンなどの金属窒化物、その他金属化合物などとすることができる。なお、以下の本実施形態において、導電膜18は、ITOからなるものとして説明する。
導電(ITO)膜18の表面の光取り出し面としない領域にはp側電極20、基板10の裏面にはn側電極22がそれぞれ設けられる。p側電極20から注入された電流J1はITO膜18で広げられたのち縦方向へ流れ、発光領域Fにおいて発光を可能とする。発光層14から上方への放出光G1は、p側電極20の非形成領域とされる光取り出し面18cから取り出し可能となる。
また、本実施形態では、ITO膜18の表面に、高さHの凹凸18aが形成されている。この凹凸18aは周期構造に限定されず、非周期構造であってもよい。本明細書において、周期構造及び非周期構造のピッチPは、山(位置X2)から山、または谷(位置X1)から谷の長さの平均値と定義する。
なお、p側電極20からの電流J1は、ITO膜18のうち凹凸18aが形成されていない下方領域を図1の横方向へ拡散され、広がって縦方向に流れる電流JTとなる。すなわち、横方向への電流経路が確保可能なように、ITO膜18の厚さと凹凸18aの高さHとの差を適正に保つことが好ましい。
また、図1(a)のチップが実装部材にマウントされ、チップを覆うように透光性を有する封止樹脂24が塗布される。なお、発光層14からの放出光がp型クラッド層16からITO膜18へ入射する角度を、図1(c)のように入射角θiで表す。
図2は、第1の実施形態の製造方法を表す工程断面図である。
図2(a)のように、基板10の上に、InAlPまたはInGaAlPなどからなるn型クラッド層12(厚さ:0.6μm)、発光層14、及びInAlPまたはInGaAlPなどからなるp型クラッド層16(厚さ:0.6μm)が、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition))法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いて結晶成長したエピタキシャルウェーハ30が形成される。
図2(a)のように、基板10の上に、InAlPまたはInGaAlPなどからなるn型クラッド層12(厚さ:0.6μm)、発光層14、及びInAlPまたはInGaAlPなどからなるp型クラッド層16(厚さ:0.6μm)が、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition))法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いて結晶成長したエピタキシャルウェーハ30が形成される。
また、発光層14を、In0.5(GaxAl1−x)0.5PからなるMQW(Multi Quantum Well)構造とすると、発光波長の制御及び動作電流の低減が容易となる。MQWの構造は、例えば、x=0.96かつ幅5nmの井戸層と、x=0.2かつ幅8nmの障壁層と、を複数配置すると実現できる。
続いて、スピンコート法を用いて、半導体層17の第2の面17bにITO膜となるペースト18を塗布する。ペースト18は、樹脂バインダーやアルコールなどの溶剤のなかにITOの微粒子が分散されたものである。このようなペースト18を焼成することにより、ITO膜18を形成することができる。ただし、本実施形態においては、ペースト18を焼成する前に、凹凸が形成されたモールド(型)26を押しつけることにより(図2(b))、ITO膜18に凹凸を転写し(図2(c))、そののち焼成を行う。または、基板10を加熱しつつ加圧すると、パターンの転写とITO膜18の焼成を同時におこなうことができる。いずかの方法により、図2(d)のように凹凸18aが形成される。なお、モールド26の凹凸は、フォトリソグラフィー法及びドライエッチング法などを用いることにより形成可能である。
続いて、p側電極20及びn側電極22を形成すると、図2(e)に表す発光素子が完成する。p側電極20は、高さHの凹凸18aの段差を埋め込むように厚く設けることが好ましい。
一般に、ITO膜18はスパッタリング法や蒸着法などで形成することができる。この場合、250℃以上で成膜を行うか、または低温で形成した非晶質の膜を200〜500℃の範囲で熱処理を行うと多結晶化したITO膜とし低抵抗とできる。このために、発光層14の面内に電流を広げることができる。
しかしながら、このようにして得られた結晶質ITO膜は、薬品耐性が高く、溶液エッチングが困難となることが多い。例えば、非晶質ITO膜の代表的なエッチャントである蓚酸では、抵抗率の低い結晶質ITO膜をエッチングすることができない。結晶質ITO膜のエッチングは、フッ酸や塩酸など強酸を用いて行うことができ、その加工速度は、酸濃度やエッチング溶液温度が高くなるほど速くできる。しかしながら、これらの酸によるInGaAlP層のエッチングレートは、ITO膜のエッチングレートに比べて略2桁以上大きい。
図3は、比較例にかかる発光素子のITO加工プロセスを説明する模式断面図である。
比較例では、スパッタリング法や蒸着法などで形成した結晶質のITO膜を形成し凹凸を形成するものとする。フォトレジスト150を用いて、InGaAlPからなるクラッド層156上のITO膜152を塩酸によりウェットエッチングする場合、もしクラッド層156が露出するとアンダーカット量が本図のように大きくなり所望の凹凸形状を形成することが困難となる。
比較例では、スパッタリング法や蒸着法などで形成した結晶質のITO膜を形成し凹凸を形成するものとする。フォトレジスト150を用いて、InGaAlPからなるクラッド層156上のITO膜152を塩酸によりウェットエッチングする場合、もしクラッド層156が露出するとアンダーカット量が本図のように大きくなり所望の凹凸形状を形成することが困難となる。
これに対して、本実施形態では、スピンコート法を用いて塗布されたペースト(コート材)18に、モールド26を押しつけてその凹凸を転写する。すなわち、クラッド層を露出すること無くITO膜となるペースト18に凹凸18aを確実に形成可能である。さらに、モールド26を一旦用意しておけば、簡素な工程により凹凸18aが形成できるので、発光素子製造工程の量産性を高めることが容易となる。
なお、本実施形態において、ITO膜18となるペースト(コート材)18の塗布の方法は、スピンコート法には限定されず、その他、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ワイヤーオーバーコート、ブレードコート、ロールコート、ディップコートをはじめとした各種の塗布方法を用いることができる。
なお、本実施形態において、ITO膜18となるペースト(コート材)18の塗布の方法は、スピンコート法には限定されず、その他、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ワイヤーオーバーコート、ブレードコート、ロールコート、ディップコートをはじめとした各種の塗布方法を用いることができる。
次に、ITO膜の表面に設けられた凹凸の作用について説明する。
凹凸のピッチPが媒質内波長λmよりも長い場合、光の反射や屈折に関しては、光を直進する光束として扱う幾何光学に従うと考えることができる。この場合、凹凸の断面において、光束がより広い角度範囲に放射可能となるので、全反射される角度範囲を狭くすることができ、光取り出し効率が改善される。また、表面の凹凸により薄膜干渉を抑制することが容易となる。
凹凸のピッチPが媒質内波長λmよりも長い場合、光の反射や屈折に関しては、光を直進する光束として扱う幾何光学に従うと考えることができる。この場合、凹凸の断面において、光束がより広い角度範囲に放射可能となるので、全反射される角度範囲を狭くすることができ、光取り出し効率が改善される。また、表面の凹凸により薄膜干渉を抑制することが容易となる。
他方、ピッチPが媒質内波長λmよりも短い場合、放出光は回折や散乱を生じ、幾何光学よりも波動光学の法則に基づいて従うと考えることができる。すなわち、凹凸18a領域は実効屈折率neffを有する媒質が上方からみて均一に一様に分布しているとして扱うことができる。なお、媒質内波長λm近傍では、波動光学性と幾何光学性の両面が現れる。
図4は、屈折率nの分布を表すグラフ図である。すなわち、図4(a)は本実施形態、図4(b)は比較例である。
ITO膜18の屈折率は略2.0、p型クラッド層16の屈折率は略3.3、封止樹脂24の屈折率は略1.3とする。
実効屈折率neffは、含まれている媒質の構成比率により変化するので、縦方向への相対距離Xに応じて変化する(グレーデッド・インデックス:GI)。他方、凹凸領域が形成されない場合、図4(b)のように屈折率は、ITO膜18と封止樹脂24との界面で階段状に変化する。なお、媒質内波長λmは、λ0/neffから求められる(λ0:自由空間波長)。例えば、波長が640nmの赤色光の場合、屈折率が2.0のITO膜中における媒質内波長λmは、320nmに短縮される。
ITO膜18の屈折率は略2.0、p型クラッド層16の屈折率は略3.3、封止樹脂24の屈折率は略1.3とする。
実効屈折率neffは、含まれている媒質の構成比率により変化するので、縦方向への相対距離Xに応じて変化する(グレーデッド・インデックス:GI)。他方、凹凸領域が形成されない場合、図4(b)のように屈折率は、ITO膜18と封止樹脂24との界面で階段状に変化する。なお、媒質内波長λmは、λ0/neffから求められる(λ0:自由空間波長)。例えば、波長が640nmの赤色光の場合、屈折率が2.0のITO膜中における媒質内波長λmは、320nmに短縮される。
屈折率がn1である媒質から屈折率がn2である媒質への入射角θiが略ゼロと見なせる場合、フレネルの式を用いると、その界面におけるパワー反射率Rは、近似的に式(1)で表すことができる。
R=[(n1−n2)/(n1+n2)]2 式(1)
すなわち、パワー反射率Rは、屈折率差(n1−n2)に対して2次関数的に増大する項を有しており、屈折率がn1からn2に変化する構造において、屈折率を数段階に分割して変化させると、パワー反射率Rの低減が容易となることを表している。特に、凹凸により屈折率がn1からn2に変化するGI領域を形成すると、パワー反射率を低減し、光取り出し効率を高めることがより容易となる。
なお、ピッチPが大きすぎるとGI領域としての効果が低下し、ピッチPが小さすぎるとその形成プロセスが困難となる。また、凹凸18aのピッチPを媒質内波長λm以下とすると、光取り出し面側からみてITO膜18はより均一な実効屈折率となり放射パターンが凹凸断面に依存しないようにできるので好ましく、媒質内波長λmの4分の1から4分の3の範囲とするとより好ましい。短いピッチPのパターンを、リソグラフィー法を用いてウェーハ毎に形成すると量産性を高く保つことは容易ではないが、本製造方法では、モールドを精度良く形成することにより微小凹凸が高い量産性で形成可能である。
図5は、矩形断面状凹凸の平面配置の例を表す模式図である。すなわち、図5(a)はストライプ状パターン、図5(b)は矩形パターンの2次元配置、図5(c)はA−A線に沿った断面図である。
断面形状は、図1(b)のような正弦波状に限定されることなく、例えば本図のように矩形状や階段状断面であってもよい。図5(a)では、ストライプ状の凸部18bが、媒質内波長λmよりも短いピッチPで平行配置されている。また、図5(b)では、矩形平面を有する凸部18bが2次元的に、ピッチP1及びピッチP2を有して配置されている。図5(c)は、A−A線に沿った断面図である。図5の凹凸の場合、屈折率nの分布は、例えば図4(a)の破線のようになる。すなわち、凹凸断面形状及び平面パターンを変化すると実効屈折率の分布を変えることができる。
断面形状は、図1(b)のような正弦波状に限定されることなく、例えば本図のように矩形状や階段状断面であってもよい。図5(a)では、ストライプ状の凸部18bが、媒質内波長λmよりも短いピッチPで平行配置されている。また、図5(b)では、矩形平面を有する凸部18bが2次元的に、ピッチP1及びピッチP2を有して配置されている。図5(c)は、A−A線に沿った断面図である。図5の凹凸の場合、屈折率nの分布は、例えば図4(a)の破線のようになる。すなわち、凹凸断面形状及び平面パターンを変化すると実効屈折率の分布を変えることができる。
図6は、第1の実施形態の変形例の模式図である。すなわち、図6(a)は断面図、図6(b)は凹凸近傍の拡大断面図、である。
本実施形態では、半導体層17は、n型クラッド層12、発光層14、p型クラッド層16、及び電流拡散層29を有している。電流拡散層29は、例えば、p型In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P(厚さ:1.5μm、キャリア濃度:1.5×1018cm−3)からなり、p型クラッド層16と、ITO膜18と、の間に設けられる。p側電極20からの電流J2は、主として電流拡散層29を横方向に流れ、発光領域Fを広げることができる。このために、ITO膜18は横方向へ電流を必ずしも流す必要はない。このために、凹凸18aの高さHは、ITO膜18の厚さまで大きくすることが可能となる。すなわち、GI領域を形成可能な厚みを有していればよいことになる。
本実施形態では、半導体層17は、n型クラッド層12、発光層14、p型クラッド層16、及び電流拡散層29を有している。電流拡散層29は、例えば、p型In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P(厚さ:1.5μm、キャリア濃度:1.5×1018cm−3)からなり、p型クラッド層16と、ITO膜18と、の間に設けられる。p側電極20からの電流J2は、主として電流拡散層29を横方向に流れ、発光領域Fを広げることができる。このために、ITO膜18は横方向へ電流を必ずしも流す必要はない。このために、凹凸18aの高さHは、ITO膜18の厚さまで大きくすることが可能となる。すなわち、GI領域を形成可能な厚みを有していればよいことになる。
図7は、第2の実施形態にかかる発光素子の模式図である。すなわち、図7(a)は平面図、図7(b)はB−B線に沿った断面図である。
本実施形態は、発光層14を有する半導体層17と、発光層14からの放出光を透過可能であり、かつ半導体層17の第1の面17aの側に設けられた基板60と、基板60の裏面に設けられ、放出光を透過可能であり、かつ凹凸19aを有する第1の導電膜19と、半導体層17の第2の面17bの側に設けられ、放出光を透過可能であり、かつ凹凸18aを有する第2の導電膜18と、を備えている。
本実施形態は、発光層14を有する半導体層17と、発光層14からの放出光を透過可能であり、かつ半導体層17の第1の面17aの側に設けられた基板60と、基板60の裏面に設けられ、放出光を透過可能であり、かつ凹凸19aを有する第1の導電膜19と、半導体層17の第2の面17bの側に設けられ、放出光を透過可能であり、かつ凹凸18aを有する第2の導電膜18と、を備えている。
基板60は、例えばGaPなどとする。また、半導体層17は、InGaAlPなどからなるn型クラッド層12、発光層14、及びInGaAlPなどからなるp型クラッド層16を有する。さらに、ITO膜19を介して発光層14へ電流を供給可能なn側電極62が設けられている。
また、p側電極20は、ワイヤボンディングのためのパッド部20aと、細線部20b、とを有している。細線部20bはパッド部20aと接続されているので電流をITO膜18に注入可能であり、発光領域Fを広げることができる。細線部20bの幅は、例えば3〜10μmとすることができる。また、パッド部20aの直径は、例えば70〜150μmとすることができる。このようにして、光取り出し面18cは、p側電極20の非形成領域とされる。本実施形態ではチップの両面から光を放出可能であるので、光出力をより高めることが容易となる。
図8は、第2の実施形態にかかる発光素子の製造工程のフロー図である。
GaAsのような基板上に、格子整合が容易な半導体層17をMOCVD法やMBE法などを用いて結晶成長する(S100)。
GaAsのような基板上に、格子整合が容易な半導体層17をMOCVD法やMBE法などを用いて結晶成長する(S100)。
透光性を有するGaPなどの基板60と、GaAs基板上に形成された半導体層17と、を重ね合わせて加熱接着する(S102)。GaP基板とInGaAlP系半導体とは、格子が不整合であり直接結晶成長することが困難である。このように発光層14を含む半導体層17を形成したのち、GaP基板と接着することが好ましい。
続いて、GaAs基板を除去し(S104)、GaP基板を、例えば200μmに薄層化する(S106)。
続いて、スピンコート法を用いてITO膜19となるペースト(コート材)19を塗布し、モールド26の凹凸を転写し凹凸19aを形成する(S108)し、さらにn側電極62を形成する(S110)。なお、n側電極62は、下方からみて円環状のパターンとしてもよい。
続いて、n側電極62とは反対側の半導体層17の面17bに第2のITO膜18となるペースト(コート材)18を塗布し、モールド26の凹凸を転写し凹凸18aを形成し(S112)、さらに、p側電極20を形成する(S114)。このようにして、第2の実施形態の発光素子が完成する。
本製造方法によれば、スピンコート法を用いてITO膜を塗布し、かつモールド転写を行うことにより、ウェーハの両面に凹凸を有する透光性導電膜が量産性高く形成できる。
第1及び第2の実施形態及びこれに付随する変形例において、発光層14はInGaAlPからなるものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えばGaAlAs系またはInGaAlN系半導体としてもよい。また、導電型は、本実施形態に限定されず、反対の導電型であってもよい。
第1及び第2の実施形態にかかる発光素子は高出力(高輝度)を得ることが容易であり、照明装置、表示装置、及び信号機などの用途に広く用いることができる。
以上、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかしながら、本発明はこれら実施形態に限定されない。本発明を構成する発光層、半導体層、凹凸、透明電極、電極、及びモールドのサイズ、形状、材質、及び配置などに関して、当業者が各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
10 基板、14 発光層、17 半導体層、18、19 導電膜(ペースト、コート材)、18a、19a 凹凸、20、62 電極、26 モールド、60 基板、λm 媒質内波長、P ピッチ、G1、G2 放出光
Claims (9)
- 基板上に、発光層を有する半導体層を結晶成長する工程と、
前記半導体層の表面に、前記発光層からの放出光を透過可能な導電膜を形成するためのコート材を塗布する工程と、
凹凸を有するモールドを前記コート材に押しつけることにより前記凹凸を転写する工程と、
前記コート材を焼成して、前記導電膜を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする発光素子の製造方法。 - 転写による凹凸が設けられた領域のうち、前記放出光の取り出し面を除いた領域に電極を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の発光素子の製造方法。
- 前記転写による凹凸のピッチは、前記導電膜内における前記放出光の媒質内波長以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子の製造方法。
- 前記導電膜は、酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛、及び窒化チタンのいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載に発光素子の製造方法。
- 基板と、
前記基板上に設けられ、発光層を有する半導体層と、
前記半導体層の上に設けられ、凹凸を介して前記発光層からの放出光を放出可能とする導電膜と、
前記凹凸の領域の一部に設けられた電極と、
を備えたことを特徴とする発光素子。 - 前記凹凸は、前記導電膜内における前記放出光の媒質内波長以下のピッチを有することを特徴とする請求項5記載の発光素子。
- 前記導電膜は、酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛、及び窒化チタンのいずれかを含むことを特徴とする請求項5または6に記載の発光素子。
- 基板と、
前記基板の上に設けられ、前記基板を透過可能な放出光を放出する発光層を有する半導体層と、
前記半導体層の上に設けられ、第1の凹凸を介して前記放出光を放出可能とする第1の導電膜と、
前記第1の凹凸の領域の一部に設けられた第1の電極と、
前記基板の下に設けられ、第2の凹凸を介して前記放出光を放出可能とする第2の導電膜と、
前記第2の凹凸の領域の一部に設けられた第2の電極と、
を備えたことを特徴とする発光素子。 - 前記第1の凹凸は、前記第1の導電膜内における前記放出光の媒質内波長以下のピッチを有し、
前記第2の凹凸は、前記第2の導電膜内における前記放出光の媒質内波長以下のピッチを有することを特徴とする請求項8記載の発光素子。
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---|---|---|---|
JP2009072930A JP2010225945A (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | 発光素子及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017045815A (ja) * | 2015-08-26 | 2017-03-02 | 日亜化学工業株式会社 | 発光素子及び発光装置 |
JP2019204981A (ja) * | 2013-03-13 | 2019-11-28 | ルミレッズ ホールディング ベーフェー | 多孔質の反射性コンタクトを有するデバイス |
-
2009
- 2009-03-24 JP JP2009072930A patent/JP2010225945A/ja active Pending
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