JP2010224282A - カラーフィルタ用重合性組成物、カラーフィルタ、及び固体撮像素子 - Google Patents
カラーフィルタ用重合性組成物、カラーフィルタ、及び固体撮像素子 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(A)重合性化合物、(B)重合開始剤、(C)着色剤、および(D)重合抑制能を有する基と、表面局在化能を有する基とを持つ化合物 を含むカラーフィルタ用重合性組成物。
【選択図】なし
Description
特に、解像性などには、紫外領域から赤外領域までの波長に対し、遮光性が求められる。このような遮光性を実現するには、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローなどの着色剤を組み合わせて実現、或いは、黒色染料又は顔料を使用し、遮光性を実現している。
また、露光工程において、マスクを介し、露光により画像形成する場合、マスクでの回折や、重合の増幅により、マスク寸法に対し、画像が太ってしまうという問題もある。
特に露光波長での吸光度が高い感材では、十分な密着性を確保する為に、十分な露光を行う場合には、特に顕著である。
即ち本発明は、着色パターンを形成するに際して、照度の異なる露光機を用いても照度依存性を抑制することができ、薄層であっても、微細なパターンであっても、形成された着色パターンの硬化性に優れ、解像度の優れた矩形のパターンを得ることができるカラーフィルタ用の重合性組成物を得ることである。さらに該重合性組成物を用いることにより、色分離性が良好なカラーフィルタ、および高解像度の固体撮像素子を得ることを課題とする。
<1> (A)重合性化合物、(B)重合開始剤、(C)着色剤、および(D)重合抑制能を有する基と、表面局在化能を有する基とを持つ化合物 を含むカラーフィルタ用重合性組成物。
<2> 前記重合抑制能を有する基が、2級アミノ基、3級アミノ基、フェノール基、N−オキシド基、及び、ニトロ基の群から選択される官能基である<1>に記載のカラーフィルタ用重合性組成物。
<4> (D)重合抑制能を有する基と、表面局在化能を有する基とを有する化合物が、さらに親水基を含有し、該親水基が、カルボン酸基、スルフォン酸基、又は、アンモニウム基である<1>から<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用重合性組成物。
<6> カラーフィルタ用重合性組成物中に含まれる固形分が、25質量%以上40質量%以下の範囲である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用重合性組成物。
<8> <7>に記載のカラーフィルタを具備してなる固体撮像素子。
この作用によって、照度の異なる露光機を用いた場合でも、照度依存性を小さく抑制することができたものと考えられる。
以下に本発明の重合性組成物について詳細に説明する。
本発明の重合性組成物は、(D)重合抑制能を有する基と、表面局在化能を有する基とを有する化合物(以下、「特定化合物」と称することがある。)を含む。
本発明に使用することができる特定化合物は、重合抑制能を有する基と、表面局在化能を有する基とをそれぞれ1個以上含む化合物である。
これらの基は同一分子内に1個以上あればよく、2個以上を含んでもよい。また2個以上含む場合には2種以上の基であってもよい。
なおこれらの基には分岐鎖が置換していてもよい。
また、シロキサン構造を有する化合物も表面局在能を有する化合物である。シロキサン構造を有する化合物とは、ケイ素−酸素−ケイ素のシロキサン基を有する化合物のことであり、分子中にケイ素原子を2〜10の範囲で含むことが好ましい。
これらの基は同一分子内に1個以上あればよく、2個以上を含んでもよい。また2個以上含む場合には2種以上の基であってもよい。
これらのうち1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基は前記重合抑制能を有する基と重複し、重合抑制能を有する親水性基である。
親水性基を有する特定化合物を用いることにより、特定化合物の着色層表面への局在化は促進され、本発明の効果はさらに向上する。
上記した親水基のうち、好ましい基としては、カルボン酸基又はその塩、スルフォン酸基又はその塩、4級アンモニウム基、3級アミノ基、などが挙げられ、これらのうちでもカルボン酸基又はその塩、スルフォン酸基又はその塩、4級アンモニウム基がより好ましい。
以下に特定化合物の具体的な構造を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明において、(C)着色剤としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.005μm〜0.1μmが好ましく、0.005μm〜0.05μmがより好ましい。
C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2〜6、9、10、12〜14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40〜43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73〜75、81、83、87、93〜95、97、100、101、104、105、108〜111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153〜155、157〜170、172〜176、180〜185、188〜191、191:1、192〜200、202〜208;
C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19〜24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67〜75、77〜79;
C.I.ピグメントレッド1〜9、12、14〜17、21〜23、31、32、37、38、41、47、48、48:1〜48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1〜53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1〜81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112〜114、122、123、144、146、147、149、151、166、168〜170、172〜179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206〜210、214、216、220、221、224、230〜233、235〜239、242〜245、247、249〜251、253〜260、262〜276;
C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14〜16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50;
C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1〜15:4、15:6、16、17、19、25、27〜29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66〜68、71〜76、78、79;
C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13〜15、17〜19、26、36、45、48、50、51、54、55、58;
C.I.ピグメントブラウン23、25、26;
C.I.ピグメントブラック1
C.I.ピグメントイエロー11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185、
C.I.ピグメントオレンジ36、71、
C.I.ピグメントレッド122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、264、
C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、
C.I.ピグメントブルー15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.ピグメントグリーン7、36、37、58、
C.I.ピグメントブラック1
これら有機顔料は色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せは例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料との混合などがあり、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料とジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合などがあり、青の顔料としては、フタロシアニン系顔料とジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。
本発明に関わる着色剤である顔料は、予め顔料分散組成物としておくことが好ましい。顔料分散組成物は、顔料と分散剤と溶剤とを含有し、必要に応じて更に他の成分を用いることができる。以下、各成分を詳述する。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA-46、EFKA-47、EFKA-47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P-123(旭電化(株)製)及びイソネットS-20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101、103、106、108、109、111、112、116、130、140、142、162、163、164、166、167、170、171、174、176、180、182、2000、2001、2050、2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーが挙げられる。
グラフト鎖として、(メタ)アクリル酸誘導体の重合物、ポリエステル鎖、スチレン誘導体の重合物などが挙げられる。
具体的には、特願2008−258907号公報に記載される樹脂などが挙げられる。
また本発明に関わる顔料分散組成物には顔料被覆用高分子化合物を添加してもよい。
合成樹脂としては、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物が挙げられる。
これらの樹脂を加えるタイミングは、ソルトミリング初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。
顔料分散組成物における溶剤の含有量としては、50〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。
上記有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられ、酸性基としては、スルフォン酸、カルボン酸及びその4級アンモニウム塩が好ましく、塩基性基としては、アミノ基が好ましい。顔料誘導体の使用量は顔料に対し1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がさらに好ましい。
顔料分散組成物には前記成分に加え、分散安定性の向上、現像性制御などの観点から、他の高分子材料〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕をさらに添加することができる。このような高分子材料は、顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用するため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましく、例えば、複素環を含有するモノマーとエチレン性不飽和結合を有する重合性オリゴマーを共重合体単位として含むグラフト共重合体があげられる。他の高分子材料としては、ポリアミドアミン燐酸塩、高分子量不飽和ポリカルボン酸、ポリエーテルエステル、芳香族スルフォン酸ホルマリン重縮合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートポリオキシエチレンモノステアレート等が挙げられる。
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64-90403号公報、特開昭64-91102号公報、特開平1-94301号公報、特開平6-11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5-333207号公報、特開平6-35183号公報、特開平6-51115号公報、特開平6-194828号公報、特開平8-211599号公報、特開平4-249549号公報、特開平10-123316号公報、特開平11-302283号公報、特開平7-286107号公報、特開2001-4823号公報、特開平8-15522号公報、特開平8-29771号公報、特開平8-146215号公報、特開平11-343437号公報、特開平8-62416号公報、特開2002-14220号公報、特開2002-14221号公報、特開2002-14222号公報、特開2002-14223号公報、特開平8-302224号公報、特開平8-73758号公報、特開平8-179120号公報、特開平8-151531号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
また、着色層の表層と深部(下層部)との重合性の観点で、黒色顔料、特にチタンブラックを用いる場合に、効果が顕著に見られる。
重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、中でも4官能以上の(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
本明細書では、(メタ)アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸を合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特公昭48-41708号、特開昭51-37193号、特公平2-32293号、特公平2-16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58-49860号、特公昭56-17654号、特公昭62-39417号、特公昭62-39418号各公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63-277653号、特開昭63-260909号、特開平1-105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS-10、UAB-140(山陽国策パルプ社製)、UA-7200(新中村化学社製、DPHA-40H(日本化薬社製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO-756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO-1382などが挙げられる。
重合性化合物の重合性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分100部に対して、3〜55部が好ましく、より好ましくは10〜50部である。重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、硬化反応が充分に行なえる。
本発明の重合性組成物は、感度及びパターン形成性向上のため(B)重合開始剤を含有する。本発明における重合開始剤は、光により分解し、本発明における重合可能な成分の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、活性ハロゲン化合物(トリアジン系、オキサジアゾール系、クマリン系)、アクリジン系、ビイミダゾール系、オキシムエステル系等が好ましく用いられ、例えば、特開平57-6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59-1281号公報、特開昭53-133428号公報等に記載のハロメチル-s-トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号、欧州特許出願公開第88050号の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許発明第2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン類又はアクリジン類化合物、特開平10-62986号公報に記載のクマリン系又はビイミダゾール系の化合物、特開平8-015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
オキシム化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979)1653-1660)、J.C.S.Perkin II (1979)156-162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202-232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。
さらに1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、O-ベンゾイル-4’-(ベンズメルカプト)ベンゾイル-ヘキシル-ケトキシム、2,4,6-トリメチルフェニルカルボニル-ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロートリアルキルフェニルホスホニウム塩等が好適に挙げられる。
重合開始剤の重合性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
本発明に用いられる重合開始剤としては、オキシム系化合物、ビイミダゾール系化合物が最も好ましい。
本発明の重合性組成物には、必要に応じて、N,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステルや2-メルカプトベンゾチアゾールなどの連鎖移動剤、塗布の均一性を向上させるためのフッソ系界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテルのようなノニオン系界面活性剤、アゾ系化合物や過酸化物系化合物などの熱重合開始剤、熱重合成分、膜の強度、感度を高める目的で多官能チオールやエポキシ化合物、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ジオクチルフタレートなどの可塑剤、低分子量有機カルボン酸などの現像性向上剤、その他充填剤、上記のアルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、酸化防止剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
また、現像後に後加熱で膜の硬化度を上げるために熱硬化剤を添加することができる。熱硬化剤としては、アゾ化合物、過酸化物等の熱重合開始剤、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、エポキシ化合物、スチレン化合物等があげられる。
本発明の重合性組成物には、さらに界面活性剤を使用することが可能である。使用しうる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、重合性組成物の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、本発明の重合性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
着色層形成工程では、支持体上に、本発明の重合性組成物を塗布して該重合性組成物からなる着色層を形成する。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
重合性組成物の塗布直後の膜厚としては、塗布膜の膜厚均一性、塗布溶剤の乾燥のしやすさの観点から、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.2〜3μmがさらに好ましい。
露光工程では、前記着色層形成工程において形成された着色層(重合性組成物層)を、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光する。
本工程における露光においては、塗布膜のパターン露光は、所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させることによりことにより行うことができる。露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は30〜1500mJ/cm2が好ましく、50〜1000mJ/cm2がより好ましく、80〜600mJ/cm2が最も好ましい。
次いでアルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、上記露光により光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させ、光硬化した部分だけが残る。現像液で現像して、各色(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成することにより行うことができる。現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式、パドル方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせても良い。またパドル現像も用いられる。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。
現像温度としては通常15℃〜40℃であり、現像時間は20〜90秒である。
特に、上記の現像液のうち、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。
次いで、余剰の現像液を純水で洗浄(リンス)し、乾燥を施す。
また、本発明の固体撮像素子は、前記本発明のカラーフィルタを備えることを特徴とする。
従って、具体的には、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置やCCD等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCD素子を構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
500mL三口フラスコに、ε-カプロラクトン 600.0g、2-エチル-1-ヘキサノール 22.8gを導入し、窒素を吹き込みながら、攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド 0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したのを確認後、80℃まで冷却した。2,6-ジt-ブチル−4−メチルフェノール 0.1gを添加した後、2-メタクリロイロキシエチルイソシアネート 27.2gを添加した。5時間後、1H-NMRにて原料が消失したのを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体M1(下記構造)を200g得た。M1であることは、1H-NMR、IR、質量分析により確認した。
下記の組成Aにて分散剤1〜3を用いて、以下の条件で、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合溶液を、以下の条件にて寿工業製ウルトラアペックスミルUAM015を使用して分散処理を開始し、下記条件のときに分散剤を固形分換算で5部追加することでチタンブラックの分散組成物1〜3を得た。
(組成A)
・チタンブラック(三菱マテリアルズ社製 商品名13M-T) 25部
・上述の分散剤を固形分換算で5部
・溶媒(PGMEA) 分散組成物の固形分が、30.0%となる量
(分散条件)
・ビーズ径 0.05mm
・ビーズ充填率 75%
・ミル周速 12m/s
・投入液量 800g
・循環流量 13kg/h
・処理液温度 25℃〜30℃
上記条件により分散処理を行いながら分散組成物の粒度分布を測定し、1パスあたりの粒径の変化率が−10nm以上になったときに、それぞれの分散剤1〜3のPGMEA溶液(固形分30%)を固形分換算で5部追加し、固形分 35.0%(チタンブラック 25質量%、分散剤の固形分10質量%)の分散組成物とした。分散剤の追加後はさらに分散処理を10パス行った。
下記の組成Bにて分散剤4、またはディスパービック111(ビックケミー社製)を用いて、以下の条件で、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合溶液を、以下の条件にて寿工業製ウルトラアペックスミルUAM015を使用して分散処理を行実施した。
・チタンブラック(三菱マテリアルズ社製 商品名13M-T) 25部
・分散剤(分散剤4、またはディスパービック111)を固形分換算で7.5部
・溶媒(PGMEA) 分散組成物の固形分が、35.0%となる量
(分散条件)
・ビーズ径 0.05mm
・ビーズ充填率 75%
・ミル周速 12m/s
・投入液量 800g
・循環流量 13kg/h
・処理液温度 25℃〜30℃
上記条件により分散処理を行いながら分散液の粒度分布を測定し,1パスあたりの粒径の変化率が−10nm以上になったときに、分散剤4、またはディスパービック111のPGMEA 35%溶液を固形分換算で5部追加した。分散剤の追加後はさらに分散処理を10パス行った。
下記組成Cを二本ロールにて高粘度分散処理を施し、分散組成物を得た。この際の分散組成物の粘度は70000mPa・sであった。
その後、この分散組成物に下記組成Dの混合物を添加し、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いた分散機(商品名:ディスパーマット GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施して、カーボンブラックの分散組成物7を調製した。この際の混合溶液の粘度は37mPa・sであった。
・カーボンブラック(平均一次粒径15nm) 23部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(モル比=67/33)共重合体(Mw:28000)のPGMEA 45%溶液 22部
・分散剤(ゼネカ社製 ソルスパース5000) 1.2部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(モル比=67/33)共重合体(Mw:28000)のPGMEA 45%溶液 22部
・溶剤 PGMEA 200部
<黒色の重合性組成物>
下記組成Eの成分を攪拌機で混合して、実施例1〜4、比較例1および比較例2の黒色重合性組成物を表1に記載のように調製した。
・重合性化合物(モノマー) 4部
・樹脂 (表1に記載の樹脂) 4部
・分散組成物 (表1に記載の分散組成物) 28部
・溶剤 (PGMEA) 4部
・溶剤 (シクロヘキサノン) 6部
・溶剤 (酢酸ブチル) 8部
・重合開始剤 (表1に記載の化合物) 0.7部
・特定化合物 0.5部
表1、表2で用いた重合開始剤I−1、I−2、I−3の構造、H−1、H−2、およびH−3の構造、およびSH−2の構造を下記に示す。
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとの混合物(混合質量比5/2)である。
重合性化合物は下記の通りである。
MM−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
MM−2:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製 NKエステル A−TMMT)
MM−4:カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート(ダイセルユービーシー社製 Ebecryl2047)
MM−5:2,2,−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン (新中村化学社製 NKエステル A−BPE−4)
MM−8:ペンタエリスリトールトリアクリレートのコハク酸変性体
B−1:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(質量比=70/30)共重合体、Mw=10,000
B−2:スチレン/メタクリル酸(質量比=50/50)共重合体のメタクリル酸ユニットの20%をグリシジルメタクリレートで変性した側鎖重合性の樹脂、Mw=30,000
B−3:メタクリル酸メチル/ヒドロキシエチルメタクリレート/β-メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート(質量比=50/20/30)共重合体、Mw=20,000
下記組成Fの成分を混合して溶解し、下塗り層用にレジスト液を調製した。
(組成F)
・溶剤:PGMEA 19.20部
・溶剤:乳酸エチル 36.67部
・バインダーポリマー:メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体(モル比=60/22/18)の40%PGMEA溶液 30.51部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.0061部
・フッ素系界面活性剤(DIC(株)製、F−475) 0.83部
・重合開始剤:TAZ−107(トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤)、みどり化学社製) 0.586部
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1、2の黒色重合性組成物を上記で得られたシリコンウエハにスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で120℃で2分加熱して、膜厚2.5μmの着色層を得た。
次いで、得られた着色層を、i線ステッパーを用い、3mm角のパターンを有するフォトマスクを介して露光量300mJ/cm2で露光を行った。
前記露光後の着色層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3質量%水溶液を用い、25℃40秒間パドル現像を行った。その後スピンシャワーにてリンスを行いさらに純水にて水洗し、遮光膜パターンを得た。該パターンの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影し、着色層の最表面と基板近傍(着色層の深部に相当)との画像幅の差を測定した。画像幅の差が3μm以下であれば良好である。表2に結果を示す。
なお、実施例1〜4、および比較例1は、100mJ/cm2で露光し、現像後に基板上に画像形成し、感度は同等であることを確認した。しかし、比較例2は100mJ/cm2で露光しても適正な画像が得られず、150mJ/cm2で露光して現像し、表2の結果を得た。比較例2は、感度低下を起こしていた。
<黒色重合性組成物>
下記組成Gの成分を攪拌機で混合して実施例5〜8、および比較例3の黒色重合性組成物を調製した。
・重合性化合物(モノマー) 4部
・バインダーポリマー 3部
・分散組成物 (表3に記載の分散組成物) 28部
・溶剤:シクロヘキサノン 10部
・溶剤:酢酸ブチル 8部
・重合開始剤 (表3に記載の化合物) 0.75部
・特定化合物 0.55部
・密着剤(S) (下記構造) 0.1部
上記で得られた実施例5〜8、及び比較例3の黒色重合性組成物を下塗り層を有していないシリコンウエハにスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で120℃で2分加熱して着色層を得た。
次いで、得られた着色層を、i線ステッパーを用い、2.5μmラインパターンを有するフォトマスクを介して400mJ/cm2で露光しトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3%水溶液を用い、25℃40秒間パドル現像を行った。その後スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗し、遮光膜パターンを得た。該パターンの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影し、着色層の最表面と基板近傍(着色層の深部に相当)との画像幅の差を測定した。画像幅の差が0.2μm以下であれば良好である。結果を表2に示した。
実施例5〜8、比較例3は、いずれも100mJ/cm2で露光、現像後に基板上に画像形成し、感度は同等であることを確認した。
Claims (8)
- (A)重合性化合物、(B)重合開始剤、(C)着色剤、および(D)重合抑制能を有する基と、表面局在化能を有する基とを持つ化合物 を含むカラーフィルタ用重合性組成物。
- 前記重合抑制能を有する基が、2級アミノ基、3級アミノ基、フェノール基、N−オキシド基、及び、ニトロ基の群から選択される官能基である請求項1に記載のカラーフィルタ用重合性組成物。
- 前記表面局在化能を有する基が、炭素数6以上30以下のアルキル基、炭素数3以上25以下のフッ素化アルキル基、及び、シロキサン基の群から選択される官能基の群から選択される官能基である請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ用重合性組成物。
- (D)重合抑制能を有する基と、表面局在化能を有する基とを有する化合物が、さらに親水基を含有し、該親水基が、カルボン酸基、スルフォン酸基、又は、アンモニウム基である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用重合性組成物。
- (C)着色剤が、チタンブラックである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用重合性組成物。
- カラーフィルタ用重合性組成物中に含まれる固形分が、25質量%以上40質量%以下の範囲である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用重合性組成物。
- 支持体上に、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の重合性組成物により形成された着色パターンを有するカラーフィルタ。
- 請求項7に記載のカラーフィルタを具備してなる固体撮像素子。
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