JP2010223720A - 測定用プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】測定可動範囲を大きくでき、被測定物への測定圧力を一定に保ち、高精度な測定が可能な形状測定用プローブの提供。
【解決手段】その先端部に被測定物13と接触する測定子3を備えて検出軸方向に移動自在に保持された可動部材1と、可動部材の検出軸方向の移動量を測長する測長手段4,5と、可動部材の移動方向と直交する方向に一様な磁界を発生させる磁力発生部7と、可動部材に配置されるとともに、磁界中に配置され、可動部材の移動方向及び磁界の方向と直交する方向に電流が流れる部分を有するアクチュエータ9と、アクチュエータに配置されるとともに、アクチュエータと電気的に接続され、可動部材の移動方向に平行な長手部分を有する導電体8a,8bと、導電体に接触する接触子12a,12bと、電流源10とを備え、可動部材の検出軸方向への変位にかかわらず、接触子が、所定の力で導電体に接触する。
【選択図】図1

Description

本発明は、接触式形状測定装置の測定用ローブに関する。
被測定物の面形状を測定する際、接触式の測定用プローブが利用されている。この測定用プローブは、測定子を所定の接触圧力で被測定物に荷重した状態で面の形状を測定する(以下、測定子が被測定物に荷重する接触圧力のことを測定圧力と記す)。この測定用プローブは、板ばねで測定子を支持する構成とし、測定子の重量とそれを支持する板ばねのばね定数を考慮して、板ばねの撓みに合わせて、測定圧力の調整が行われる。そして、形状の測定の際は、測定用プローブと被測定物との相対位置を変化させ、板ばねの撓みを一定にすることにより、一定の測定圧力で面形状を高精度に測定する。しかし、板ばねのばね定数は通常一定であるため、測定圧力を常に一定に保つには、測定用プローブと被測定物との相対位置を変化させるための別の駆動系が必要になる課題がある。
特許文献1に記載の測定用プローブの一構成例を図10に示す。この測定用プローブは、その先端に測定子101を有する可動部材102が、給気孔106から給気される空気軸受け105によって非接触に支持されるとともに、測定子101とは反対側の端部に取り付けられたアクチュエータであるコイル122と、このコイル122に電流を供給するための不図示の配線と、コイル122に生じた磁力を推進力に変換させるためのハウジング105側に設置された永久磁石などで構成された磁力発生部121とで構成されている。
このように構成された特許文献1に記載の測定用プローブによれば、配線に供給する電流を調整することで、コイル122によって発生する磁力をコントロールして、測定子101に加わる測定圧力を可変させることができる。従って、機械固有の共振周波数による振動を抑制できる。また測定圧力の調整もできるため、測定用プローブと被測定物との相対位置を変化させる必要がなく、測定用プローブとは別の駆動系が不要になる。このように、特許文献1に記載の測定用プローブによれば、測定子の重量を補償して、被測定物に所定の測定圧力を荷重することができる。
特開2003−294434号公報
しかしながら、特許文献1に記載の測定用プローブでは、アクチュエータであるコイル122に電流を供給するための配線が必要である。この配線の配置関係を、図11に示した他の構成例を用いてより詳細に説明する。配線207は、一方の側をコイル222に、他方の側を支持部材208を介して図示しない電流源に固定されている。また、コイル222は、測定子201と連結された可動部材202に取り付けられている。従って、可動部材202の検出軸方向への移動に伴なうコイル222の位置の変化とともに配線のたるみ具合が変化して、図11に示す点線207aのように弾性変形し、元の状態に戻ろうとするばね効果が生じる。すなわち、配線を介して可動部材202には、このようなばね効果による力が検出軸方向に発生する。このようなばね効果による力は、可動部材202の移動量と共に複雑に変動するため、可動部材202の検出軸方向への移動に影響を与える。従って、このような可動部材202の移動に伴うばね効果の発生により、高精度な測定圧力の制御ができず、被測定物の形状測定結果に誤差が発生する。
図10において、磁力発生部102とコイル122との配置を入れ替えて、可動部材102側に磁力発生部121を配置すれば、可動部材102に配線は必要なくなるため、このような配線によるばね効果を除去することができる。しかし、このような構成にすると、可動部材102に磁力発生部121の重量が付加されるため、可動部材全体の重量が増加して、形状測定時の追従性能が低下する。
また、このようなばね効果による測定誤差を抑えるために、可動部材の移動範囲を極力小さく制限すれば、ばね効果による測定圧力の変化を低減させることができる。しかし、可動部材の移動範囲以上の大きな面形状を有する被測定物の測定ができない。また、このような可動部材の移動範囲以上の大きな面形状を有する被測定物を測定する場合には、測定用プローブ全体を移動させるための別の機構を設ける必要があり、装置全体が大型化することになる。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、測定可動範囲を大きくとることができ、かつ、被測定物への測定用プローブの測定圧力を測定可動範囲において一定に保ち、高精度な形状測定が可能な測定用プローブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本第1の発明による測定用プローブは、その先端部に被測定物と接触する測定子を備えて検出軸方向に移動自在に保持された可動部材と、前記可動部材の検出軸方向の移動量を測長する測長手段と、前記可動部材の移動方向と直交する方向に一様な磁界を発生させる磁力発生部と、前記可動部材に配置されるとともに、前記磁界中に配置され、前記可動部材の移動方向及び前記磁界の方向と直交する方向に電流が流れる部分を有するアクチュエータと、前記アクチュエータに配置されるとともに、前記アクチュエータと電気的に接続され、前記可動部材の移動方向に平行な長手部分を有する導電体と、前記導電体に接触する接触子と、前記接触子及び前記導電体を介して前記アクチュエータに電流を供給する電流源とを備え、前記可動部材の検出軸方向への変位にかかわらず、前記接触子が、所定の力で前記導電体に接触することを特徴としている。
また、本第1の発明の測定用プローブにおいては、前記接触子が、導電性を有する板ばねと、前記板ばねの端部を支持する導電性を有する支持部材よりなる一対の接触子であり、前記導電体が、互いに電気的に絶縁された一対の導電体であって、前記一対の接触子の各々が、前記一対の導電体の一方と別々に接触していることが好ましい。
また、本第1の発明の測定用プローブにおいては、前記アクチュエータの電流が流れる部分が、その長手方向が前記可動部材の移動方向及び前記磁界の方向と直交する方向に配置された棒状の導電性部材で構成されていることが好ましい。
また、本第1の発明の測定用プローブにおいては、前記導電体が、前記接触子と接触する部分に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備えることが好ましい。
また、本第1の発明の測定用プローブにおいては、前記接触子が、前記導電体と接触する部分に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備えることが好ましい。
また、本第1の発明の測定用プローブにおいては、前記導電体と前記接触子とが接触する部分に、導電性を有する潤滑油を介在させることが好ましい。
また、本第2の発明による測定用プローブは、その先端部に被測定物と接触する測定子を備えて検出軸方向に移動自在に保持された導電性を有する可動部材と、前記可動部材の検出軸方向の移動量を測長する測長手段と、前記可動部材の移動方向と直交する方向に一様な磁界を発生させる磁力発生部と、前記可動部材に接触する接触子と、前記接触子を介して前記可動部材に電流を供給する電流源とを備え、前記可動部材の検出軸方向への変位にかかわらず、前記接触子が、所定の力で前記可動部材に接触することを特徴としている。
また、本第2の発明の測定用プローブにおいては、前記可動部材が、前記接触子と接触する部分に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備えることが好ましい。
また、本第2の発明の測定用プローブにおいては、前記接触子が、前記可動部材と接触する部分に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備えることが好ましい。
また、本第2の発明の測定用プローブにおいては、前記可動部材と前記接触子とが接触する部分に、導電性を有する潤滑油を介在させることが好ましい。
本発明の測定用プローブによれば、測定可動範囲を大きくとることができ、かつ、被測定物への測定用プローブの測定圧力を測定可動範囲において一定に保ち、高精度な形状測定が可能となる。
本発明の第1実施形態に係る測定用プローブの概略構成を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は(a)の正面図の矢印A方向にみた側面図である。 第1実施形態の測定用プローブの接触子に接触する可動部材に作用する摩擦力を示した説明図である。 第1実施形態の測定用プローブにおける一対の接触子の変形例の概略構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る測定用プローブの概略構成を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は(a)の正面図の矢印B方向にみた側面図である。 第2実施形態の測定用プローブに発生するローレンツ力と磁界及び電流の方向の関係を模式的に表す説明図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る測定用プローブの概略構成を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は(a)の正面図の矢印C方向にみた側面図である。 本発明の実施例に係る形状測定装置の概略構成を示す説明図である。 図7の実施例の形状測定装置に用いる測定用プローブの概略構成を示すブロック図である。 図7の実施例の形状測定装置による測定動作の手順を示すフローチャートである。 従来の形状測定用プローブの一構成例を示す説明図である。 従来の形状測定用プローブの他の構成例を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
第1実施形態
まず、図1を用いて本発明の第1実施形態に係る測定用プローブを説明する。 図1は本発明の第1実施形態に係る測定用プローブの概略構成を示す図で、 (a)は正面図、 (b)は(a)の正面図の矢印A方向にみた側面図である。
第1実施形態の測定用プローブ14は、可動部材1と、空気軸受け2と、測定子3と、測長部4と、測長手段としての測長部ヘッド5と、ハウジング6と、磁力発生部7と、導電体8a,8bと、コイル9と、電流源10と、電線11と、接触子12a,12bと、制御装置16とから構成されている。
可動部材1は、その先端部に被測定物13と所定の測定圧力で接触するための測定子3を備えるとともに、先端部とは反対側の端部に測長部材としての測長部4を備えた棒状部材で構成され、検出軸方向(図1ではZ軸方向)に移動可能になっている。
空気軸受け2は、可動部材1を検出軸方向に移動可能に支持するようハウジング6側に固定配置されている。
測長部4は、ミラー又はリニアスケールで構成されている。
測長部ヘッド5は、レーザー測長器やリニアスケールのスケール読み取り用の検出部であり、ハウジング6側に配置され、可動部材1の測長部4を介して可動部材1の検出軸方向の移動量を検出できるように構成されている。
磁力発生部7は、その長手方向が検出軸方向に平行に配置されている。また、可動部材1の可動範囲より大きな範囲にわたり検出軸方向と直交する方向に一様な磁界を生じるように配置されている。また、磁力発生部7は、永久磁石のような一定磁力を常に発生させる要素、または、電磁石や電磁コイルなどの、電流制御により、磁力を制御できる要素で構成されている。
導電体8a,8bは、互いに電気的に絶縁され、各々がコイル9の両電極の一方と電気的に接続されている。また、導電体8a,8bの各々は、可動部材1の検出軸方向に平行な平面を有して、接触子12a,12bの一部と接触するとともに、コイル9及び可動部材1に固定されている。さらに、可動部材1の検出軸方向に平行な平面は、可動部材1の検出軸方向の移動範囲以上の大きさになるように形成されている。なお、導電体8a,8bは平面に限らず、例えば、検出軸方向に平行な母線を有する円柱面を有していてもよい。また、導電体8a,8bは、電流を流すが磁力には反応しない非磁性体のステンレスや銅が好ましい。
接触子12a,12bは、板ばねで構成され、その一部が導電体8a,8bの一部に接触するように配置されている。また、板ばねの基部は、導電性を有する不図示の支持部材により、ハウジング6側に固定されている。なお、接触子12a,12bは、導電性材料から構成されている。
電流源10は、安定化電源などで構成され、電線11とハウジング6側の支持部材を介して接触子12a,12bと電気的に接続され、導電体8及びコイル9に電流を供給する。また、電流源10は、制御装置16と接続されている。制御装置16は、導電体8a,8b及びコイル9に供給する電流を制御して、コイル9に発生する電磁力をコントロールする。
以上の構成により、可動部材1が検出軸方向に可動しても板ばねの形状は変化することなく、常に一定の接触圧力で導電体8a,8bに接触しながら、コイル9に電流を供給することができる。
次に、接触子12a,12bによる接触圧力と測定用プローブが被測定物に荷重する測定圧力との関係を図2を用いて説明する。
ここで、図2に示すように、一対の接触子12a,12bの一方が、導電体8a,8bとの接点に加える接触圧力をP、摩擦係数をμ、可動部材1に作用する摩擦力をΔNとすると、ΔNは以下の(1)式で表わすことができる。
ΔN=μP ・・・(1)
すなわち、可動部材1の移動方向と平行に導電体8a,8bを配置すれば、可動部材1の移動に関係なく、一定の摩擦力ΔNが可動部材1の移動方向に作用することになる。従って、一対の接触子12a,12bが導電体8a,8bと接触する場合には、この可動部材1に作用する摩擦力ΔNの2倍の力(2×ΔN)が、可動部材1の移動方向に作用することになる。
例えば、接点に与える接触圧力Pを10mgf、摩擦係数μを0.3とすると、可動部材1が移動したときに作用する摩擦力ΔNは、以下の(2)式で表わされる。
ΔN=0.3×10=3mgf ・・・(2)
この場合は、接触子12a,12bによって可動部材1に作用する摩擦力は3mgf×2=6mgfとなる。通常、測定用プローブが被測定物へ荷重する測定圧力は50mgf程度であることから、接触子によって作用する摩擦力は、測定圧力にほとんど影響を与えない程度に十分小さいものとなることがわかる。従って、接触圧力Pを一定の低接触圧になるようにすれば、可動部材1の移動範囲において、被測定物に対する測定圧力を常に一定に保持することができる。
以下に、アクチュエータにボイスコイルモータを用いて、測定用プローブの測定圧力を制御する原理について詳細に説明する。
コイル9が磁力発生部7から受ける力Fの方向は、可動部材1の移動方向、即ち、検出軸方向に一致する。
コイル9は、可動部材1に配置されているため、コイル9が磁力発生部7から受ける力Fは、コイル9に供給される電流の方向に応じて、可動部材1とコイル9と導電体8a,8bと測定子3を含めた自重をキャンセルする力となる。つまり、磁気発生部7は、可動部材1の自重を支えており、自重を補償するためのいわゆるカウンタバランスと同じ作用を奏している。また、コイルに供給する電流及び磁力発生部7に発生する磁界を微調整することで、力Fを微調整できる。その結果、可動部材1に一定の推進力または、退避力を与えることができる。このため、可動部材1の可動範囲が大きくても、磁力発生部7を可動部材1の可動範囲より大きく配置することで、被測定物13の被測定面に対する測定子3の接触圧力を可動部材1の可動範囲内で常に一定に保持することができる。
なお、磁力発生部7から発生する磁界は、磁石やヨークの材質や形状等を変えることにより、調整することが可能である。
また、導電体8a,8bに供給される電流は、コイル9の断面積や電流源10からの電流量を変えることにより調整することができる。
また、図1では、一対の接触子12a,12bを導電性を有する板ばねで構成した例を示したが、一対の接触子は、図3に示すように、その先端部で導電体8と接触し、その一部が電線と接続する導電性を有する棒状の第二の可動部材15と、第二の可動部材15の軸方向に支持かつ案内する案内手段とで構成することができる。案内手段を水平方向に対し任意の傾斜角に調整して傾斜させるように固定配置された傾斜角調整手段とで構成するようにしてもよい。
この案内手段により軸方向に支持された第二の可動部材15は、案内手段を傾斜させることで自重(P=mgsinθ)により導電体に接触する接触圧力を発生させることができる。このため、案内手段の傾斜を調整することで、接触子を導電体に低接触圧力で接触させることが可能となる。
このような一対の接触子は、これらに限定されるものではなく、可動部材の駆動に影響を与えない程度の低接触圧力で可動部材に接触する構成であれば、どのような構成でもよく、本発明の効果を得ることができる。
なお、本発明は、ボイスコイルにとどまらず、その他のアクチュエータを配置した構成であって、アクチュエータに電流供給のための配線を必要とする構成であれば、容易に転用可能であることは言うまでもない。
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係る測定用プローブについて説明する。
図4は本発明の第2実施形態に係る測定用プローブの概略構成を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)の正面図の矢印B方向にみた側面図である。
第2の実施形態の測定用プローブ14´は、可動部材1と、空気軸受け2と、測定子3と、測長部4と、測長手段の測長ヘッド5と、ハウジング6と、磁力発生部7と、導電体8´と、電流源10と、電線11と、接触子12a,12b及び制御装置16とから構成されている。
なお、第1実施形態と同様の構成には、同様の符号を付して、重複する説明は省略する。
第2実施形態の測定用プローブは、ボイスコイルを用いず、導電体8´のみを用いている点で、第1の実施形態に係る測定用プローブと構成が異なる。
導電体8´は、可動部材1の検出軸方向に平行な部分と直交する部分とから構成され、可動部材1に配置されている。
検出軸方向に平行な部分は、可動部材1の検出軸方向に平行な平面を有し、接触子12a,12bと接触している。さらに、可動部材1の検出軸方向に平行な平面は、可動部材1の検出軸方向の移動範囲以上の大きさになるように形成されている。一方、検出軸方向に垂直な部分は、磁力発生部7で生じる一様な磁界と直交する方向に電流が流れるように構成されている。なお、可動部材1の検出軸方向に平行な部分は、平面に限らず、例えば検出軸方向に平行な母線を有する円柱面を有していてもよい。
このように構成された第2実施形態の測定用プローブでは、磁力発生部7により生じる磁界と、可動部材1に設けられた導電体8´に流れる電流により、フレミングの左手の法則により、導電体8´には、磁界及び電流の方向とは直交する向きにローレンツ力Fが発生する。
このことを図5を用いてさらに詳細に説明する。
図5は第2実施形態の測定用プローブに発生するローレンツ力と磁界及び電流の方向の関係を模式的に表す説明図である。
磁力発生部7から発生する一様な磁界の磁束密度をB(N/A・m)とする。また、可動部材1に取り付けられた導電体8´に流れる電流をI(A)、導電体8´のうち可動部材1の検出軸方向と直交する部分の長さをL(m)とすると、この部分が磁界から受ける力F(N)は、
フレミングの左手の法則より、その向きは、導電体8´のうち可動部材1の検出軸方向と直交する部分に流れる電流の方向(紙面に垂直な方向)及び磁力発生部7から生ずる磁界の方向のいずれに対しても直交する方向であって、その大きさは、以下の(3)式で表される。
F=I×B×L ・・・(3)
ローレンツ力Fの方向は、可動部材1の移動方向、即ち、検出軸方向に一致する。
ここで、導電体8´は、可動部材1と電気的に接続されている。このため、ローレンツ力Fは、導電体8´に流す電流の方向に応じて、可動部材1と導電体8´を含めた自重をキャンセルする力になりうる。すなわち、図4において、ローレンツ力Fの方向が導電体8´を押し上げる向きとなるように導電体8´に電流を流した場合には、可動部材1と導電体8´を含めた自重をキャンセルする力になる。
また、(3)式中には、電流I、磁束密度Bが含まれているので、これらの大きさを微調整することで、ローレンツ力Fを微調整できる。その結果、可動部材1に一定の推進力または、退避力を与えることができる。
つまり、磁力発生部7は、可動部材1の自重を支えており、自重を補償するためのいわゆるカウンタバランスと同じ作用を奏している。
なお、磁力発生部7から発生する磁界は、磁石やヨークの材質や形状を変えることにより調整することが可能である。
また、導電体8´の断面積や、電流源10から流す電流量を変えることで、導電体8´に流れる電流を調整することができる。
このように、可動部材1に作用するローレンツ力Fを変化させることにより、可動部材1に一定の推進力または退避力を与えることで、被測定面に対する測定子3の測定圧力の微妙な調整が可能となる。
また、可動部材1の可動範囲を大きくしても、磁力発生部7を可動部材1の可動範囲より大きく配置することで、被測定面13に対する測定子3の測定圧力を可動部材1の可動範囲内で常に一定に保持することができる。
さらに、導電体8´は、ボイスコイルとは異なり、構成が簡単で重量を軽量化することができる。また、ボイスコイルと同じ力を発生させるにも、熱の発生量を低減できることや、加工性が良好で製造誤差を少なくすることができる利点がある。また、図1に示すように、導電体8とアクチュエータとしてのコイル9とを別々に構成する場合、複雑な接合部材やレイアウトに考慮が必要である。しかし、本発明の第2の実施形態に係る測定用プローブによれば、導電体8´のうち可動部材1の検出軸方向と直交する部分に電流が流れることにより、この部分にローレンツ力が発生してアクチュエータとして作用する。従って、アクチュエータと導電体とを一体として構成することができるため、装置構成を簡単にできる利点もある。
このように、第2実施形態の測定用プローブによれば、被測定物に対する測定圧力を一定に保持し、測定可動範囲を大きくとることができる。その結果、ボイスコイルをアクチュエータとして使用した場合に比べて、より高精度な形状測定をすることが可能となる。
また、第2実施形態の測定用プローブの変形例として、図6に示す測定用プローブが考えられる。なお、第2実施形態と同様の構成には、同様の符号を付して、重複する説明は省略する。
第2実施形態の変形例の測定用プローブ14´´は、図4の導電体8´を用いずに、可動部材1´に導電体8´の機能を併用させる点で第2の実施形態に係る測定用プローブと異なる。すなわち、可動部材1´を導電性部材で構成し、可動部材1´と接触子12a,12bとを接触させて、可動部材1´に電流を供給することで、導電体8´がなくても本発明の効果が得られるようにしている。このような構成にすれば、可動部材と導電体との接続部材が不要になり、測定用プローブ全体の重量を軽量化することができる。従って、形状測定時の追従性がより向上し、被測定物の微細な凹凸形状の測定が可能となる。なお、可動部材1´としては、電流を流すが磁力に反応しない非磁性体のステンレスや銅が好ましい。
なお、第1実施形態における導電体8a,8bと第2実施形態における導電体8´が、一対の接触子12a,12bとの接触部に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備える構成や、一対の接触子12a,12bが、導電体との接触部に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備える構成にすることが好ましい。
また、第2実施形態の変形例における可動部材1´が、一対の接触子12a,12bとの接触部に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備える構成や、一対の接触子12a,12bが、可動部材1´との接触部に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備える構成にすることが好ましい。
このような微細構造は、接触部における接触面積を減少させて、摩擦力を低減させるように凹構造となっている。従って、摩擦力による測定圧力への影響を低減させることができるため、さらに高精度な形状測定が可能となる。
この微細構造の製造方法は、レーザー加工、リソグラフィー、ダイヤモンドスタイラス等の圧子を用いて、ランダム又は周期的に配置されるものである。微細構造の大きさは、可動部材の駆動に影響が出ない程度が好ましく、10μm以下の幅の溝形状が好ましい。
さらに、導電体または可動部材と一対の接触子との接触部に導電性を有する潤滑油を介在させるのが好ましい。このようにすれば、導電体と接触子の接点の摩擦力をより低減することができる。すなわち(1)式の摩擦系数μを小さくすることで、摩擦力ΔNを小さくできるため、被測定物への測定圧力をより低減することができ、さらに高精度な形状測定が可能となる。
次に、本発明の測定用プローブを形状測定機に導入した実施例を、図7を用いて説明する。
なお、上記に説明した第1実施形態、第2実施形態、及び第2実施形態の変形例の測定用プローブは、いずれも形状測定機に導入した実施例に適用できる。ここでは、第2の実施形態の変形例の測定用プローブを導入した実施例を説明する。
図7は本発明の一実施例にかかる第2実施形態の変形例の測定用プローブを導入した接触式の形状測定装置全体の概略構成を示す説明図である。
本実施例の形状測定装置22に取り付けた測定用プローブ14´´の構成は、図6に示した第2実施形態の変形例と同様である。このため、同様の番号を付して、説明も省略する。
図7において、直交座標であるXYZ座標系のうち、鉛直方向をZ軸方向、水平方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向(Y軸方向は、紙面に対しては垂直な方向である。)とする。
形状測定装置22は、定盤17の上に、被測定物13を載置し、かつXY軸方向に移動させるためのXYステージ18を備えている。XYステージ18は、不図示のリニアモー
タを介して、XY軸方向に移動する構成になっている。XYステージ18の移動量は、不
図示のリニアスケールを介して測定され、出力信号が不図示のコンピュータに入力されるようになっている。
XYステージ18にはリニアモータ19が取り付けられている。リニアモータ19は、
図8に示した形状測定装置22の構成図で示すように、コンピュータ21に接続されて、位置制御され、図9に示すフローチャートにしたがって測定動作を行うようになっている(ステップS01〜ステップS08)。
XYステージ18上には、被測定物13の載置台6が設けられ、この載置台6に被測定
物13が載置される。また、被測定物13の載置台6には、可動部材1´の測定子3の測定圧力を測定するための不図示の力センサーを設置できる。力センサーは、コンピュータ21に接続されている。
力センサーを設置することで、可動部材1´の測定圧力が規定の値になっているかどうかを判断することができるようになっている。また、コンピュータ21にて、規定値と力センサーの値を比較して、差分を算出し、制御装置16にフィードバックすることで、容易に測定圧力を規定値に設定することが可能となっている。
次に、以上のように構成された形状測定装置22を用いて行う測定動作について図9に示すフローチャートに従って説明する。
[測定動作ステップS01]
先ず、測定前に測定用プローブの準備を行う。
最初に可動部材1´を上端に移動させる。すなわち、磁力発生部7の磁力または、可動部材1´への電流量を増やすことで可動部材1´の自重を支える力を増やす。こうすることで、可動部材1´は上端に移動する。
[測定動作ステップS02]
測定用プローブの本体部14´´の下に、力センサーをセットし、可動部材1´に流れる電流量を減らすことで可動部材1´の自重を支える力を減らし、可動部材1´に取り付けた測定子3を力センサーに接触させる。
[測定動作ステップS03]
測定子3が力センサーに接触後、電流を一定にすることで、可動部材1´は力センサーに一定の力を加えることになる。
[測定動作ステップS04]
次に、力センサーを用いて、可動部材1´の測定子3の測定圧力を測定する。
このときの測定圧力が所定の値であるかどうかを判断する。
測定圧力は、可動部材1´に流す電流により制御することができる。
そこで、力センサーで測定した可動部材1´の測定子3の測定圧力が所定の値になるように電流源10の電流を調整し、調整した電流値をコンピュータ21に記憶する。
[測定動作ステップS05]
可動部材1´の測定子3の接触圧力の測定結果が良好だった場合には、可動部材1´を装置の上端に向けて動かして退避させる。上端に向けて可動部材1´を動かすには、ステップS01と同様の操作を行えばよい。
これにより、測定用プローブの測定準備が完了し、被測定物13の形状測定の工程に入る。
[測定動作ステップS06]
先ず、最初の測定位置にXYステージ18を移動する。そして、可動部材1´を下げて、被測定物13に測定子3を接触させる。
可動部材1´を下げる方法は、ステップS01とは異なり、測定圧力が所定の値となるようにステップS04でコンピュータ21に記憶した電流値に電流を調整する。
こうすることで、可動部材1´は、自動的に下方に移動し、被測定物13に対し所定の測定圧力で接触する。
[測定動作ステップS07]
次に、被測定物13の測定領域をXYステージ18を用いて走査し、同時に測定軸の位置を図示しないリニアスケールで測定する。可動部材1´の位置は、形状測定装置22に固定された測長部ヘッド5と、可動部材1´の端部に取り付けられた不図示のミラーとの変位を介して測定する。
[測定動作ステップS08]
全測定領域を走査した後に、可動部材1´を退避させる。
上端に向けて可動部材1´を動かすには、ステップS01と同様の操作を行えばよい。
このように、本実施例の測定用プローブにおいては、磁力により可動部材1´の自重を支持していることで、自重による機械的摩擦力が発生しないため、被測定物13に対する追随性を高めることができる。さらに、測定可動範囲を大きくとることができ、かつ、被測定物への測定用プローブの測定圧力を測定可動範囲において一定に保ち、高精度な形状測定が可能となる。
以上、本発明の測定用プローブは、本実施例の構成に限定されるものではなく、測定用プローブの持つ構成と効果を失うことなく有効に利用できるのであれば、どのような形の形状測定装置にも利用可能である。
1、1´ 可動部材
2 空気軸受け
3 測定子
4 測長部(ミラー又はリニアスケール)
5 測長部ヘッド
6 ハウジング
7 磁力発生部
8a、8b、8´ 導電体
9 コイル
10 電流源
11 電線
12a、12b 一対の接触子
13 被測定物
14、14´、14´´ 測定用プローブ
15 第二の可動部材
16 制御装置
17 定盤
18 XYステージ
19 リニアモータ
20 リニアスケール
21 コンピュータ
22 形状測定装置
P 接触圧力
ΔN 摩擦力
101 測定子
102 可動部材
103 測長ユニット
104 空気軸受け
105 ハウジング
106 給気孔
121 磁力発生部
122 ボイスコイル
201 測定子
202 可動部材
205 空気軸受け
207、207a 配線
208 支持部材

Claims (10)

  1. その先端部に被測定物と接触する測定子を備えて検出軸方向に移動自在に保持された可動部材と、
    前記可動部材の検出軸方向の移動量を測長する測長手段と、
    前記可動部材の移動方向と直交する方向に一様な磁界を発生させる磁力発生部と、
    前記可動部材に配置されるとともに、前記磁界中に配置され、前記可動部材の移動方向及び前記磁界の方向と直交する方向に電流が流れる部分を有するアクチュエータと、
    前記アクチュエータに配置されるとともに、前記アクチュエータと電気的に接続され、前記可動部材の移動方向に平行な長手部分を有する導電体と、
    前記導電体に接触する接触子と、
    前記接触子及び前記導電体を介して前記アクチュエータに電流を供給する電流源とを備え、
    前記可動部材の検出軸方向への変位にかかわらず、前記接触子が、所定の力で前記導電体に接触することを特徴とする測定用プローブ。
  2. 前記接触子が、導電性を有する板ばねと、前記板ばねの端部を支持する導電性を有する支持部材よりなる一対の接触子であり、前記導電体が、互いに電気的に絶縁された一対の導電体であって、前記一対の接触子の各々が、前記一対の導電体の一方と別々に接触していることを特徴とする請求項1に記載の測定用プローブ。
  3. 前記アクチュエータの電流が流れる部分が、その長手方向が前記可動部材の移動方向及び前記磁界の方向と直交する方向に配置された棒状の導電性部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の測定用プローブ。
  4. 前記導電体が、前記接触子と接触する部分に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の測定用プローブ。
  5. 前記接触子が、前記導電体と接触する部分に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の測定用プローブ。
  6. 前記導電体と前記接触子とが接触する部分に、導電性を有する潤滑油を介在させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の測定用プローブ。
  7. その先端部に被測定物と接触する測定子を備えて検出軸方向に移動自在に保持された導電性を有する可動部材と、
    前記可動部材の検出軸方向の移動量を測長する測長手段と、
    前記可動部材の移動方向と直交する方向に一様な磁界を発生させる磁力発生部と、
    前記可動部材に接触する接触子と、
    前記接触子を介して前記可動部材に電流を供給する電流源とを備え、
    前記可動部材の検出軸方向への変位にかかわらず、前記接触子が、所定の力で前記可動部材に接触することを特徴とする測定用プローブ。
  8. 前記可動部材が、前記接触子と接触する部分に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備えることを特徴とする請求項7に記載の測定用プローブ。
  9. 前記接触子が、前記可動部材と接触する部分に、微細な幅の凹面を多数有してなる微細構造を備えることを特徴とする請求項7に記載の測定用プローブ。
  10. 前記可動部材と前記接触子とが接触する部分に、導電性を有する潤滑油を介在させることを特徴とする請求項7に記載の測定用プローブ。
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