JP2010223575A - 蓄熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱対象物を加熱する加熱モードにおいて、熱交換効率および応答速度を向上させることができる蓄熱装置を提供する。
【解決手段】第1反応物Aを固体状態で収容する第1容器11と、第2反応物Bを液体状態で収容する第2容器12と、反応熱によって加熱対象物Fを加熱する加熱部13と、第1反応物Aおよび第2反応物Bを混合させる混合部14と、第2容器12に収容された第2反応物Bを混合部14へ導く第1通路41と、混合部14にて混合された混合物を加熱部13へ導く第2通路42と、第2反応物Bを第1容器11から第2容器12へ導く第3通路43と、第1〜第3通路41〜43を開閉する第1〜第3開閉手段51〜53と、第1〜第3開閉手段51〜53の作動を制御する制御部7とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、可逆の化学反応を利用し、吸熱反応によりその反応系外にて発生する熱(以下、外部熱ともいう)を蓄熱するとともに、発熱反応により加熱対象物を加熱する蓄熱装置に関するものである。
従来、塩化カルシウムと水とを反応させて水和熱を発生させる蓄熱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この蓄熱装置では、固体の反応物である塩化カルシウムと、液体の反応物である水とを反応させて水和熱を発生させているので、固体の反応物と気体の反応物とを用いる一般的な蓄熱装置と比較して、放熱時、すなわち発熱反応時において液体の蒸発に必要とするエネルギが不要となり、蒸発潜熱分だけ熱効率を高くすることができる。
上記特許文献1に記載の蓄熱装置では、塩化カルシウムの固定層が収容されている反応容器と、反応容器内に供給される水を貯留する水容器と、反応容器内に設けられた熱交換器と、反応容器内で発生した反応熱(この場合、水和熱)を加熱対象物(この場合、暖房用空気)まで輸送する熱媒体とを備えている。そして、加熱対象物を加熱する加熱モードにおいて、反応容器に向けて水が供給され、反応容器において水和熱が発生し、その熱が熱交換器および熱媒体を介して加熱対象物に伝達される。
特開2001−349633号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の蓄熱装置では、加熱モードにおいて、反応物である塩化カルシウムが反応容器内から移動することができないので、水和熱を加熱対象物に供給するためには、反応容器とは別に熱交換器と、反応熱を加熱対象まで輸送する熱媒体が必要となる。このため、加熱モードにおいて熱交換効率(加熱効率)や応答速度が低くなるという問題がある。さらに、蓄熱装置の大型化や複雑化を招く虞もある。
本発明は上記点に鑑みて、加熱対象物を加熱する加熱モードにおいて、熱交換効率および応答速度を向上させることができる蓄熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1反応物(A)を固体の状態で収容する第1容器(11)と、第2反応物(B)を液体の状態で収容する第2容器(12)と、反応熱によって加熱対象物(F)を加熱する加熱部(13)と、第1反応物(A)および第2反応物(B)を混合させる混合部(14)と、第2容器(12)に収容された第2反応物(B)を混合部(14)へ導く第1通路(41)と、混合部(14)にて混合された混合物を加熱部(13)へ導く第2通路(42)と、第2反応物(B)を第1容器(11)から第2容器(12)へ導く第3通路(43)と、第1通路(41)を開閉する第1開閉手段(51)と、第2通路(42)を開閉する第2開閉手段(52)と、第3通路(43)を開閉する第3開閉手段(53)と、第1〜第3開閉手段(51〜53)の作動を制御する制御手段(7)とを備え、加熱対象物(F)を加熱する加熱モードでは、制御手段(7)が第1開閉手段(51)および第2開閉手段(52)を開くとともに第3開閉手段(53)を閉じることによって、混合部(14)にて混合された混合物が加熱部(13)にて化合物を生成するように加熱部(13)へ導かれ、上記外部熱を蓄熱する蓄熱モードでは、制御手段(7)が第1開閉手段(51)および第2開閉手段(52)を閉じるとともに第3開閉手段(53)を開くことによって、加熱部(13)から流出して第1容器(11)へ流入した化合物が上記外部熱にて加熱されることによって分離され、この分離された第2反応物(B)が凝縮されて第2容器(12)に収容されることを特徴としている。
このように、第1反応物(A)および第2反応物(B)を混合させる混合部(14)にて混合された混合物を加熱部(13)へ導く第2通路(42)を設けることで、加熱モードにおいて、第1反応物(A)および第2反応物(B)が混合および反応しながら加熱部(13)へ導かれるようにできる。このため、第1反応物(A)および第2反応物(B)の反応における反応熱によって加熱対象物(F)を直接的に加熱することができる。すなわち、第1反応物(A)および第2反応物(B)の反応における反応熱を加熱対象物(F)に伝熱させるための熱交換器や熱媒体を設ける必要がなくなる。この結果、加熱モードにおける熱交換効率や応答速度を向上させることができ、さらに蓄熱装置(1)の大型化や複雑化を抑制することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明のように、混合部(14)は、第1容器(11)の内部にあってもよい。
また、請求項3に記載の発明のように、混合部(14)は、第1容器(11)の外部にあってもよい。
また、請求項4に記載の発明では、第1反応物(A)は、金属ハロゲン化物のアンミン錯体であって、第2反応物(B)は、アンモニアであることを特徴としている。
液化アンモニアと金属ハロゲン化物のアンミン錯体との反応における反応熱量および反応速度は比較的大きいので、蓄熱モードにおける蓄熱密度、および加熱モードにおける熱出力が比較的大きくなる。また、アンモニアは、常温において比較的容易に液体状態で収容可能である。したがって、第1反応物(A)を金属ハロゲン化物のアンミン錯体とし、第2反応物(B)をアンモニアとすることで、より確実に加熱モードにおける熱交換効率を向上させることが可能となる。
また、請求項5に記載の発明では、金属ハロゲン化物のアンミン錯体は、臭化ストロンチウムのアンミン錯体、または塩化ストロンチウムのアンミン錯体であって、第2容器(12)は、第2容器(12)内のアンモニアの温度が40℃以下となるように配設されており、蓄熱モードでは、加熱部(13)から流出して第1容器(11)へ流入した化合物が、90℃以上となるように加熱されることによって分離されることを特徴としている。
臭化ストロンチウムのアンミン錯体および塩化ストロンチウムのアンミン錯体は、金属ハロゲン化物のアンミン錯体の中でも比較的アンモニアとの反応速度が大きく、また容易、すなわち安価に生成される。
また、後述する図4に示すように、臭化ストロンチウムのアンミン錯体および塩化ストロンチウムのアンミン錯体は、比較的低温(90℃程度)の領域にて、脱アンモニア反応時のアンモニア蒸気圧力が大きくなる。例えば、90℃における脱アンモニア反応時のアンモニア蒸気圧力は、臭化ストロンチウムのアンミン錯体および塩化ストロンチウムのアンミン錯体で1030kPaとなる。他方、アンモニアは常温において1000kPa下にて容易に液化し得る。このため、蓄熱モードにおいて、第2容器12内の温度を常温とした場合に、第2容器12内にてアンモニアを凝縮させ易くすることができる。
また、請求項6に記載の発明では、第1反応物(A)は、溶解・水和の際に発熱する金属ハロゲン化物、金属硝酸化物、または金属硫酸化物であって、第2反応物(B)は、水であることを特徴としている。
水と金属ハロゲン化物、金属硝酸化物、または金属硫酸化物との溶解・水和における反応熱量および反応速度は比較的大きいので、蓄熱モードにおける蓄熱密度、および加熱モードにおける熱出力が比較的大きくなる。また、水は、比較的容易に液体状態で収容可能である。したがって、第1反応物(A)を金属ハロゲン化物、金属硝酸化物、または金属硫酸化物とし、第2反応物(B)を水とすることで、より確実に加熱モードにおける熱交換効率や応答速度を向上させることが可能となる。
また、請求項7に記載の発明では、第1反応物(A)は、塩化カルシウムであって、加熱モードでは、混合部(14)に流入する水の重量に対する塩化カルシウムの重量の割合が10パーセント以上、かつ、50重量パーセント以下となっていることを特徴としている。
塩化カルシウムは、金属ハロゲン化物の中でも比較的水との反応速度が大きく、また容易、すなわち安価に生成される。また、水の重量に対する塩化カルシウムの重量の割合を10重量パーセント以上、かつ、50重量パーセント以下とすることで、残溶物、すなわち未反応の塩化カルシウムの量を少なくすることができる。なお、水の重量に対する塩化カルシウムの重量の割合を10重量パーセント以上、かつ、43重量パーセント以下とすることで、溶液中に塩化カルシウムが殆ど完全に溶解することが可能となる。
したがって、塩化カルシウムおよび水の反応の反応率が高くなるので、顕熱ロスが小さくなり、その分だけ加熱モードにおける熱出力を大きくすることができる。さらに、第2通路(42)における溶液(塩化カルシウム水溶液)中の固体の存在割合が小さくなるため、第2通路(42)において溶液を円滑に流通させることができる。
また、請求項8に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、少なくともハロゲンを含むマグネシウム塩、または少なくともハロゲンを含む亜鉛塩であって、第2反応物(B)は、少なくとも水を含む溶液であることを特徴としている。
水を含む溶液と、ハロゲンを含むマグネシウム塩またはハロゲンを含む亜鉛塩との溶解・水和における反応熱量および反応速度は比較的大きいので、蓄熱モードにおける蓄熱密度、および加熱モードにおける熱出力が比較的大きくなる。したがって、第1反応物(A)を、少なくともハロゲンを含むマグネシウム塩、または少なくともハロゲンを含む亜鉛塩とし、第2反応物(B)を少なくとも水を含む溶液とすることで、より確実に加熱モードにおける熱交換効率や応答速度を向上させることが可能となる。
また、請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、塩化マグネシウムであって、第2反応物(B)は、水であって、加熱モードでは、混合部(14)に流入する水の重量に対する塩化マグネシウムの重量の割合が10重量パーセント以上、かつ、74重量パーセント以下となっていることを特徴としている。
後述する図10に示すように、塩化マグネシウムの水和反応においては、塩化カルシウムの水和反応よりも熱出力が大きくなる。このため、第1反応物(A)を塩化マグネシウムとし、第2反応物(B)を水とすると、第1反応物(A)を塩化カルシウムとし、第2反応物(B)を水とした場合よりも大きい熱量を得ることが可能となる。また、水の重量に対する塩化マグネシウムの重量の割合を10重量パーセント以上、かつ、74重量パーセント以下とすることで、溶液(水)中に塩化マグネシウムが殆ど完全に溶解することが可能となり、加熱モードにおいて大きな熱出力を得ることができる。
また、請求項10に記載の発明では、請求項8に記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、塩化亜鉛であって、第2反応物(B)は、水であって、加熱モードでは、前記混合部(14)に流入する水の重量に対する塩化亜鉛の重量の割合が10重量パーセント以上、かつ、81重量パーセント以下となっていることを特徴としている。
後述する図10に示すように、塩化亜鉛の水和反応においては、塩化カルシウムの水和反応よりも熱出力が小さくなる。しかしながら、塩化亜鉛は、水に対する溶解度が塩化カルシウムより大きいので、第1反応物(A)として塩化亜鉛を用いると、第1反応物(A)として塩化マグネシウムを用いる場合と同等の熱出力を得ることが可能となる。また、水の重量に対する塩化亜鉛の重量の割合を10重量パーセント以上、かつ、81重量パーセント以下とすることで、溶液(水)中に塩化亜鉛が殆ど完全に溶解することが可能となり、加熱モードにおいて大きな熱出力を得ることができる。
ところで、マグネシウムのハロゲン化物である塩化マグネシウムの水和反応時には、後述する化学式4、5に示すように、塩化水素が発生する副次反応が生じる。このため、塩化マグネシウムの水和反応は不可逆となり、塩化マグネシウムの水和反応を繰り返すと、熱出力が徐々に低下する虞がある。
これに対し、請求項11に記載の発明では、請求項8に記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、マグネシウムのハロゲン化物または亜鉛のハロゲン化物に、ハロゲン化物に含まれるハロゲンと同一のハロゲンのアンモニウム塩を添加したものであることを特徴としている。
このように、マグネシウムのハロゲン化物または亜鉛のハロゲン化物に、ハロゲン化物に含まれるハロゲンと同一のハロゲンのアンモニウム塩を添加して塩を複合させることで、後述する化学式6に示すように、水和反応時における塩化水素の発生を抑制し、マグネシウムのハロゲン化物または亜鉛のハロゲン化物の水和反応の可逆性を確保できる。
また、請求項12に記載の発明のように、請求項11に記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、塩化マグネシウムに塩化アンモニウムを添加したものであってもよい。
また、請求項13に記載の発明では、請求項8のいずれか1つに記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、MgX(OH)またはZnX(OH)であって(Xはハロゲン原子を表す)、第2反応物(B)は、第1反応物(A)に含まれるハロゲンと同一のハロゲンの水素化物の水溶液であることを特徴としている。
このように、第1反応物(A)とし、てMgX(OH)またはZnX(OH)を用い、第2反応物(B)として、第1反応物(A)に含まれるハロゲンと同一のハロゲンの水素化物を用いることで、後述する化学式7に示すように、水和反応時における塩化水素の発生を抑制し、てMgX(OH)またはZnX(OH)の水和反応の可逆性を確保できる。
また、請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、塩化水酸化マグネシウム(マグネシウムクロライドハイドライド)であって、第2反応物(B)は、水中に塩化水素を含有する塩酸であって、加熱モードでは、混合部(14)に流入する塩酸に対する塩化水酸化マグネシウムの割合が、塩化水酸化マグネシウムのモル数を塩化水素のモル数で除した値で0.25以上、かつ、1.0以下の範囲と等価な範囲内の割合となっていることを特徴としている。
このように、塩酸に対する塩化水酸化マグネシウムの割合を上記範囲内とすることで、溶液(塩酸)中に塩化水酸化マグネシウムが殆ど完全に溶解することが可能となり、加熱モードにおいて大きな熱出力を得ることができる。
なお、本請求項における「等価な範囲」とは、例えば、塩化水素が所定の濃度となるように規定された塩酸の重量に対する塩化水酸化マグネシウムの重量の割合の範囲、塩化水素が所定の濃度となるように規定された塩酸の体積に対する塩化水酸化マグネシウムの重量の割合の範囲、あるいは塩化水素が所定の濃度となるように規定された塩酸の体積に対する塩化水酸化マグネシウムのモル数の割合の範囲等であってもよく、これらに限定されない。
ところで、第1反応物(A)として塩化カルシウムを用い、第2反応物(B)として水を用いた場合、水の重量に対する塩化カルシウムの重量の割合が43パーセントを超えると、塩化カルシウム六水和物の結晶の析出に伴う大きな発熱が生じる。しかしながら、塩化カルシウム六水和物の結晶の析出により、流動性や熱伝導性が低下する虞がある。すなわち、第1反応物(A)として塩化カルシウムを用いた場合、大きな発熱量を稼ぐためには結晶の析出に伴う流動性や熱伝導性の低下を許容しなければならない。
これに対し、請求項15に記載の発明では、請求項6に記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、臭化カルシウムまたはヨウ化カルシウムであることを特徴としている。
臭化カルシウムおよびヨウ化カルシウムの発熱量は、塩化カルシウムとほぼ同等に、重量パーセント濃度に対して単調増加する。また、臭化カルシウムおよびヨウ化カルシウムは、塩化カルシウムよりも溶解度が大きい。したがって、臭化カルシウムおよびヨウ化カルシウムは、塩化カルシウムよりも高い濃度範囲において、発熱量を比較的大きくとることができ、さらに、結晶の析出に伴う流動性や熱伝導性の低下を抑制することができる。このため、第1反応物(A)として臭化カルシウムまたはヨウ化カルシウムを用いれば、塩化カルシウムを用いた場合と比較して、より好適に、発熱量の向上と、結晶の析出に伴う流動性や熱伝導性の低下の抑制との両立ができる。
また、請求項16に記載の発明では、請求項15に記載の蓄熱装置において、第1反応物(A)は、臭化カルシウムであって、加熱モードでは、混合部(14)に流入する水の重量に対する臭化カルシウムの重量の割合が10重量パーセント以上、かつ、57重量パーセント以下となっていることを特徴としている。
このように、水の重量に対する臭化カルシウムの重量の割合を10重量パーセント以上、かつ、57重量パーセント以下とすることで、溶液(水)中に臭化カルシウムが殆ど完全に溶解することが可能となり、加熱モードにおいて大きな熱出力を得ることができる。
また、請求項17に記載の発明では、内熱機関(2)を備える車両に適用され、外部熱は、内燃機関(2)の排気が有する熱であることを特徴としている。
これによれば、内燃機関(2)の排気が有する熱を蓄熱し、その熱を暖機促進等に利用することができるので、車両の燃費を向上させることができる。
また、請求項18に記載の発明では、車両外部からの電力を蓄電する蓄電手段(82)と、車両外部からの電力を熱へ変換する電熱変換手段(85)とを備える車両に適用され、外部熱は、電熱変換手段(85)にて変換された熱であることを特徴としている。
これによれば、電熱変換手段(85)にて変換された熱を蓄熱し、暖機促進等に利用することができるので、車両の燃費を向上させることができる。また、電力によりフレキシブルに蓄熱温度が設定できるので、排熱温度が低い車両(例えば、プラグインハイブリッド車や電気自動車等)であっても、有効に蓄熱することができる。
また、請求項19に記載の発明では、車両は、流体により駆動力の伝達を行う変速機構(3)を備え、加熱対象物(F)は、流体であることを特徴としている。
車両の始動時において、変速機構(3)の流体(以下、駆動力伝達流体ともいう)が低温であると、特に燃費が悪化しやすい。これは、駆動力伝達流体は低温時に粘度が高くなり、変速機構(3)のフリクションロスが大きくなることに起因する。したがって、始動時に駆動力伝達流体を早期に暖機することで、燃費向上効果がより大きくなる。このため、加熱対象物(F)を駆動力伝達流体とし、蓄電した外部熱を駆動力伝達流体の暖機に利用することで、より効果的に車両の燃費を向上させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る蓄熱装置1を車両に搭載した状態を示す概略図である。 第1実施形態に係る蓄熱装置1を示す全体構成図である。 第1実施形態に係る蓄電装置1の制御を示すフローチャートである。 本第1実施形態における吸アンモニア反応の平衡線、およびアンモニアの気液平衡線を示すグラフである。 第2実施形態に係る蓄熱装置1を示す全体構成図である。 第2実施形態における吸アンモニア反応の平衡線、およびアンモニアの気液平衡線を示すグラフである。 第3実施形態に係る蓄熱装置1を示す全体構成図である。 第3実施形態における塩化カルシウムおよび水の当量比と発熱との関係を示す特性図である。 第1反応物Aが臭化カルシウムまたは塩化カルシウムである場合における、当量比と発熱量との関係を示す特性図である。 塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよび塩化亜鉛のそれぞれを水と反応させた場合における熱出力の経時変化を示す特性図である。 第5実施形態の実施例1における塩化マグネシウムおよび水の当量比と発熱量との関係を示す特性図である。 第5実施形態の実施例2における塩化亜鉛および水の当量比と発熱量との関係を示す特性図である。 塩化マグネシウムに塩化アンモニウムを添加することの効果を説明するための図である。 第7実施形態における塩化水酸化マグネシウムおよび塩酸の当量比と発熱量との関係を示す特性図である。 第8実施形態に係る蓄熱装置1を電気自動車に搭載した状態を示す概略図である。 第8実施形態に係る蓄熱装置1を示す全体構成図である。 第9実施形態に係る蓄熱装置1を電気自動車に搭載した状態を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態の蓄熱装置は、車両の内燃機関(エンジン)の排気が有する熱を蓄熱して、この熱を自動変速機(AT)の暖機促進に利用するものである。
図1は、本第1実施形態に係る蓄熱装置1を車両に搭載した状態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の蓄熱装置1が搭載される車両は、内燃機関2、およびATF(オートマチックトランスミッションフルード)により駆動力の伝達を行う変速機構としての自動変速機3を備えている。
内燃機関2は、圧縮着火式の多気筒内燃機関であり、各気筒の排気ポートと連通する排気マニホルド21が接続され、この排気マニホルド21に円筒状の排気管22が接続されている。排気管22には、蓄熱装置1、内燃機関2からの排気を浄化する触媒(三元触媒)23、および消音器24が、排気流れ上流側から順に配置されている。
次に、蓄熱装置1の構成について説明する。
本実施形態の蓄熱装置1は、第1反応物Aおよび第2反応物Bを反応させて化合物を生成する、すなわち化合の際に生じる反応熱によって加熱対象物Fを加熱する加熱モードと、化合物を第1反応物Aおよび第2反応物Bを分離させることによって外部熱を蓄熱する蓄熱モードとを切替可能に構成されている。
ここで、本実施形態では、第1反応物Aとして臭化ストロンチウムアンミン錯体、第2反応物Bとしてアンモニアを用いている。また、加熱対象物FはATFであり、外部熱は内燃機関2の排気が有する熱である。
図2は、本第1実施形態に係る蓄熱装置1を示す全体構成図である。図2に示すように、排気管22の内部には、臭化ストロンチウムアンミン錯体を固体の状態で収容する第1容器11が設けられている。このため、第1容器11は、排気が有する熱により加熱されるようになっている。本実施形態では、第1容器11は、排気管22の内壁と接触するように配設されている。また、第1容器11の外表面には、排気との伝熱面積を拡大するフィン110が接合されている。
排気管22の外部には、アンモニアを液体の状態で収容する第2容器12が設けられている。この第2容器12は、第2容器12内のアンモニアの温度が常温(本実施形態では25℃)となるように配設されている。また、第2容器12の外部には、第2容器12に冷却風(空気)を供給するファン120が設けられている。
排気管22の外部には、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアの化合の際に生じる反応熱によってATFを加熱する加熱部13が設けられている。本実施形態の加熱部13は、ATFが循環するATF循環流路31の外周に、臭化ストロンチウムアンミン錯体とアンモニアの混合物および化合物が流通する混合物流路131を螺旋状に巻装することにより構成されている。
第2容器12には、第2容器12に収容された液体状のアンモニアを第1容器11へ導く第1通路41の一端が接続されている。この第1通路41の他端は、第1容器11と接続されている。このため、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアは、第1容器11内で混合されるようになっている。したがって、第1容器11は、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアを混合させる混合部14を構成している。換言すると、第1容器11内に、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアを混合させる混合部14が設けられている。
第1容器11には、混合部14、すなわち第1容器11内で混合された混合物を加熱部13へ導く第2通路42の一端が接続されている。この第2通路42の他端は、加熱部13と接続されている。臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアは、第2通路42内で混合・化合しながら加熱部13へ導かれる。
また、第1容器11には、アンモニアを第1容器11から第2容器12へ導く第3通路43の一端が接続されている。この第3通路43の他端は、第2容器12と接続されている。
加熱部13には、加熱部13内の臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアの化合物を第1容器11へ導く第4通路44の一端が接続されている。この第4通路44の他端は、第1容器11と接続されている。
第1〜第3通路41〜43には、各通路41〜43を開閉する第1〜第3開閉弁51〜53がそれぞれ設けられている。第1〜第3開閉弁51〜53は、各通路41〜43の通路面積を調整できるようにそれぞれ構成されている。
第1通路41における第1開閉弁51の上流側には、アンモニアを混合部14、すなわち第1容器11に圧送する第1ポンプ61が設けられている。第2通路42における第2開閉弁52の上流側には、第1容器11内で混合された混合物を加熱部13に圧送する第2ポンプ62が設けられている。第4通路43には、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアの化合物を第1容器11に圧送する第3ポンプ63が設けられている。
ATF循環流路31の加熱部13の上流側近傍には、加熱部13の上流側のATF温度Taを検出するATF温度センサ32が設けられている。このATF温度センサ32の検出信号は、後述する制御部7に入力される。
制御部7は、入力信号に基づいて、蓄熱装置1を構成する各種電気式アクチュエータの作動を制御するもので、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。
具体的には、制御部7の入力側には、上述のATF温度センサ32から出力される検出信号が入力される。一方、出力側には、上述の第1〜第3開閉弁51〜52、第1〜第3ポンプ61〜63およびファン120等の各種電気式アクチュエータが接続されている。なお、制御部7が、本発明の制御手段に相当している。
本実施形態では、蓄熱装置1がATF温度Taに基づいて第1〜第3開閉弁51〜53および第1〜第3ポンプ61〜63の作動を変更して、加熱モードおよび蓄熱モードを切り替える。この切替制御の詳細について、図3のフローチャートにより説明する。
まず、ステップS1で、ATF温度センサ32により検出された加熱部13の上流側のATF温度Taが予め定めた基準温度Ts以下になっているか否かを判定する。本実施形態においては、基準温度Tsは、60℃に設定されている。
ステップS1でATF温度Taが基準温度Ts以下になっている場合は、ATFを加熱して自動変速機3の暖機を行う必要があると判定し、ステップS2へ進み、加熱モードに切り替え、その後リターンする。具体的には、ステップS2では、第1、第2開閉弁51、52を開け、第3開閉弁53を閉じるとともに、第1〜第3ポンプ61〜63を作動させる。なお、加熱モードの詳細については、後述する。
一方、ステップS1でATF温度Taが基準温度Ts以下になっていない場合は、自動変速機3の暖機を行う必要がない、すなわちATFを加熱する必要がないと判定し、ステップS3へ進み、蓄熱モードに切り替え、その後リターンする。具体的には、ステップS3では、第1、第2開閉弁51、52を閉じ、第3開閉弁53を開けるとともに、第1〜第3ポンプ61〜63を停止させる。なお、蓄熱モードの詳細については、後述する。
次に、上述の構成において本実施形態の作動について図2を参照して説明する。まず、加熱モードの作動について説明する。
加熱モードでは、第1、第2開閉弁51、52が全開状態となり、第3開閉弁53が全閉状態となり、第1〜第3ポンプ61〜63が作動状態となる。このため、アンモニアは第2容器12から流出し、第1通路41を通過して第1容器11へ流入する。そして、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアは第1容器11内で混合される。第1容器11内で混合された臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアの混合物は、第1容器11から流出し、混合および化合しながら第2通路42を通過し、加熱部13へ流入する。
加熱部13では、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアを反応させて化合物を生成する際に生じる反応熱により、ATFが加熱される。加熱モードにて生じる反応の化学反応式は、次の化学式1に示される。
(化1)
SrBr・NH(固体)+7NH(液体)→SrBr・8NH(液体または固液混相)
また、加熱部13から流出した臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアの反応後の物質、すなわち化合物は、第4通路44を通過して再び第1容器11へ流入する。
次に、蓄熱モードの作動について説明する。
蓄熱モードでは、第1、第2開閉弁51、52が全閉状態となり、第3開閉弁53が全開状態となり、第1〜第3ポンプ61〜63が停止状態となる。また、第1容器11は排気が有する熱により加熱される。このため、第1容器11において、加熱部13から流出した臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアの化合物が加熱される。これにより、化合物は固体状態の臭化ストロンチウムアンミン錯体と気体状態のアンモニアとに分離し、その際に排気が有する熱を蓄熱する。すなわち、蓄熱モードにて生じる反応の化学反応式は、上記化学式1と逆のものとなる。
そして、第1容器11内の気体状態のアンモニアは、第3通路43に流入し、凝縮されて第2容器12に収容される。本実施形態では、気体状態のアンモニアは第2容器12において凝縮されるが、気体状態のアンモニアの一部が第3通路43において凝縮されるようになっていてもよい。
ところで、図4は、本第1実施形態における臭化ストロンチウムのアンミン錯体化反応(以下、吸アンモニア反応ともいう)の平衡線、およびアンモニアの気液平衡線を示すグラフである。図4の横軸は温度の逆数を示し、縦軸は気体の圧力を示している。
図4において、実線は吸アンモニア反応における平衡線を表しており、破線はアンモニア気液平衡線を表している。したがって、実線および破線上における状態は、平衡状態、すなわちギブスの自由エネルギ変化がゼロとなる。
第1容器11内においては、温度・圧力に応じて以下のように化学反応が生じる。図4において、温度・圧力が実線よりも左下の網掛け領域内にある場合、脱アンモニア反応が進行する。一方、温度・圧力が、実線および上記網掛け領域以外の領域にある場合には、吸アンモニア反応が進行する。
また、第2容器12内においては、温度・圧力に応じて以下のように相変化が生じる。図4において、温度・圧力が破線よりも右上の斜線領域内にある場合、アンモニアの液化が進行する。一方、温度・圧力が、破線および上記斜線領域以外の領域にある場合には、アンモニアの気化が進行する。
以下、図4を参照しつつ、本第1実施形態における蓄熱モードについてより詳細に説明する。本実施形態の蓄熱装置1では、第2容器12は、その内部の温度が25℃、すなわち(1/T)×1000=3.36(Tは温度[K]、以下同じ)となるよう構成されている。したがって、蓄熱モードでは、第2容器12内の圧力は、970kPa(最大値)となる。
他方、第1容器11は、内燃機関2からの排気により加熱されて、その内部の温度が90℃((1/T)×1000=2.75)となるよう構成されている。したがって、蓄熱モードでは、脱アンモニア反応により第1容器11内の圧力は1030kPa(最大値)となる。
すなわち、蓄熱モードにおいて、第2容器12内の圧力が第1容器11内の圧力よりも大きくなる。この結果、差圧により第1容器11から第2容器12へ向かって気体状態のアンモニアが移動し、第2容器12内においては液化アンモニアが存在する。このようにして、蓄熱モードが確実に達成される。
なお、第1容器11は、その内部の温度が90℃よりも高い温度となるように構成されてもよい。これによれば、第1容器11内の温度が高いほど、差圧が大きくなり得るので、より早く、かつ、確実に第1容器11から第2容器12に向かって気体状態のアンモニアを移動させることができる。
以上説明したように、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアを混合させる混合部14にて混合された混合物を加熱部13へ導く第2通路42を設けることで、加熱モードにおいて、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアが混合および反応しながら加熱部13へ導かれるようにできる。このため、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアの反応における反応熱によってATFを直接的に加熱することができる。すなわち、臭化ストロンチウムアンミン錯体およびアンモニアの反応における反応熱をATFに伝熱させるための熱交換器や熱媒体を設ける必要がなくなる。この結果、加熱モードにおける熱交換効率や応答速度を向上させることが可能となる。さらに、蓄熱装置1の大型化や複雑化を抑制することが可能となる。
また、内燃機関2を走行用駆動源とする車両に蓄熱装置1を搭載することで、内燃機関2の排気が有する熱を蓄熱し、その熱を暖機促進に利用することができるので、車両の燃費を向上させることができる。
ところで、車両の始動時にATFを早期に暖機することで、燃費向上効果がより大きくなる。このため、本実施形態のように、内燃機関2の排気が有する熱を蓄熱し、その熱をATFの暖機に利用することで、より効果的に車両の燃費を向上させることができる。
ところで、液化アンモニアと金属ハロゲン化物のアンミン錯体である臭化ストロンチウムアンミン錯体との反応における反応熱量および反応速度は比較的大きいので、蓄熱モードにおける蓄熱密度、および加熱モードにおける熱出力が比較的大きくなる。また、アンモニアは、常温において比較的容易に液体状態で収容可能である。このため、第1反応物Aを臭化ストロンチウムアンミン錯体とし、第2反応物Bをアンモニアとすることは、この種の蓄熱装置1において相応しい系の1つとなり得る。すなわち、より確実に加熱モードにおける熱交換効率を向上させることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5および図6に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、蓄熱モード時の第2容器12内の温度が異なっている。すなわち、本実施形態では、第1、第2容器11、12は、蓄熱モード時に第1容器11内の温度が90℃、第2容器12内の温度が40℃となるようにそれぞれ構成されている。
図5は、本第2実施形態に係る蓄熱装置1を示す全体構成図である。図5に示すように、本実施形態では、第3通路43における第3開閉弁53の上流側、すなわち第1容器115と第3開閉弁53との間に、第1容器11から流出したアンモニアを第2容器12へ圧送する第4ポンプ64が設けられている。
ところで、図6は、本第2実施形態における臭化ストロンチウムの吸アンモニア反応の平衡線、およびアンモニアの気液平衡線を示すグラフである。図6の横軸は温度の逆数を示し、縦軸は気体の圧力を示している。
図6に示すように、本実施形態の蓄熱モードにおいては、第2容器12でのアンモニアの圧力は1400kPaとなる。一方、第1容器11でのアンモニアの圧力は1030kPaとなり、第2容器12におけるものよりも小さくなる。このため、第1容器11から第2容器12へ自然にアンモニアが流れることはない。
これに対し、本実施形態では、第3通路43における第3開閉弁53の上流側に第4ポンプ64を設けているので、第1容器11でのアンモニアの圧力が第2容器12のアンモニアの圧力より小さい場合でも、アンモニアを第1容器11から第2容器12へ輸送することができる。これにより、確実に蓄熱モードを達成することが可能となる。なお、この場合、第2容器12を耐高圧仕様とすることが好ましい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図7および図8に基づいて説明する。本実施形態では、第1反応物Aとして金属ハロゲン化物である塩化カルシウムを用い、第2反応物Bとして水を用いている。
図7は、本第3実施形態に係る蓄熱装置1を示す全体構成図である。図7に示すように、本実施形態では、第2通路42の第2開閉弁52の下流側に、第2通路42内の溶液中を伝搬する粗密波を発生させる振動装置420が設けられている。振動装置420としては、例えば第2通路42に超音波振動を加える超音波発信素子を用いることができる。
図8は、本第3実施形態における塩化カルシウムおよび水の当量比と発熱量との関係を示す特性図である。ここで、当量比とは、「水(液体)の重量と塩化カルシウム(固体、無水物)の重量の和」に対する「塩化カルシウム(固体、無水物)の重量」の割合を100分率にて表したものである。すなわち、この当量比は、重量パーセント濃度と等価である。また、ここで、発熱量とは「水と塩化カルシウムとからなる溶液(以下、混合溶液ともいう)の単位容積あたりの発熱量」である。
本発明者らは、鋭意研究した結果、当量比と発熱量との関係が以下の傾向を示すことを発見した。すなわち、図8に示すように、当量比が10以上43以下の範囲(以下、溶解熱発生範囲という)においては、当量比が大きいほど発熱量が大きくなる。また、上記溶解熱発生範囲では、塩化カルシウムは溶媒である水に全て溶解し得る。この際に生じる反応の化学反応式は、次の化学式2に示される。
(化2)
CaCl(固体)+aq(液体)→CaClaq(液体)
他方、当量比が43より大きく50以下の範囲(以下、析出熱発生範囲という)においても、当量比が大きいほど発熱量が大きくなる。上記析出熱発生範囲では、混合溶液中に塩化カルシウム六水和物の結晶が析出する。この際に生じる反応の化学反応式は、上記塩化カルシウムの溶解(すなわち上記化学式2)に加えて、次の化学式3に示されるものがあると考えられる。
(化3)
CaClaq(液体)+6HO(液体)→CaCl・6HO(固体)+aq(液体)
また、当量比が50よりも大きい範囲においては、当量比が大きいほど発熱量が小さくなる。
ここで、上記析出熱発生範囲における当量比に対する発熱量の増大割合は、上記溶解熱発生範囲におけるものに比して大きい。これは、以下の理由に基づくものと考えられる。当量比が43以上となると、塩化カルシウムの溶液は飽和状態となる。塩化カルシウムの飽和溶液中に塩化カルシウム六水和物が析出する場合、その析出に伴い熱が発生する。換言すれば、塩化カルシウム六水和物の溶解においては、負の溶解熱が発生する。このため、上記析出熱発生範囲においては、塩化カルシウム(無水物)の溶解熱に上記塩化カルシウム六水和物の析出に伴う発熱が加えられるので、上記析出熱発生範囲における当量比に対する発熱量の増大割合が、上記溶解熱発生範囲におけるものより大きくなる。
本実施形態においては、当量比が50となるように、塩化カルシウムと水が第1、第2容器11、12内にそれぞれ収容されている。これにより、加熱モードにおいて、50の当量比をもって塩化カルシウムと水とが反応し得る。したがって、加熱モードにおいて、大きい熱量を効率的にATFへ供給することができる。
このとき、上述したように、第2通路42には振動装置420が設けられているので、析出した塩化カルシウム六水和物の結晶を微細化することができる。これにより、第2通路42の詰まりを抑制することができる。
なお、上記溶解熱発生範囲の当量比となるように塩化カルシウムと水が第1、第2容器11、12内に収容されてもよい。これによれば、加熱モードにおいて、塩化カルシウム六水和物の結晶の析出が回避されつつも熱が発生し得るので、振動装置420を備えることなく流路の詰まりを抑制することができる。
ところで、固体状態の第1反応物Aと液体状態の第2反応物Bとを反応させる際に生じる反応熱によって加熱対象物Fを加熱する蓄熱装置1では、温度変化や流れの外乱により、固体状態の第1反応物Aが溶け残る場合や均一に分散しない場合がある。これらの場合には、目的の熱出力を得られない場合が多い。
これに対し、本実施形態のように、第2通路42内の溶液中を伝搬する粗密波を発生させる振動装置420を設けることで、第1反応物Aの溶解や分散を促進することができる。また、本実施形態のように、第2通路42に第2ポンプ62を設けることで、第2通路42内にて脈動流を形成することができるので、第1反応物Aの溶解や分散を促進することができる。なお、第2通路42を排気管22に近傍に配置した場合は、排気管22の振動が第2通路22内の溶液中を伝搬し、第1反応物Aの溶解や分散を促進することができるので、振動装置420や第2ポンプ62を設けなくてもよい。
ところで、水と金属ハロゲン化物である塩化カルシウムとの溶解・水和における反応熱および反応速度は比較的大きいので、蓄熱モードにおける蓄熱密度、および加熱モードにおける熱出力が比較的大きくなる。また、水は、常温において比較的容易に液体状態で収容可能である。したがって、第1反応物Aを塩化カルシウムとし、第2反応物Bを水とすることは、この種の蓄熱装置1において相応しい系の1つとなり得る。すなわち、より確実に加熱モードにおける熱交換効率や応答速度を向上させることが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図9に基づいて説明する。本実施形態は、上記第3実施形態と比較して、第1反応物Aとして臭化カルシウム(CaBr)を用いた点が異なっている。
図9は、第1反応物Aが臭化カルシウムまたは塩化カルシウムである場合における、当量比と発熱量との関係を示す特性図である。図9中、実線が臭化カルシウムの場合を示し、破線が塩化カルシウムの場合を示している。
図9に示すように、第1反応物Aとして塩化カルシウムを用いた場合、当量比43を超えると、塩化カルシウム六水和物の結晶の析出に伴う発熱が生じる。この発熱は比較的大きいため、グラフの傾きが大きくなる。
しかしながら、塩化カルシウム六水和物の結晶が析出するため、流動性や熱伝導性が低下し、例えば、配管の詰まり、圧送動力の増大、固体の存在による熱伝導阻害等が起こり易くなる。すなわち、第1反応物Aとして塩化カルシウムを用いた場合、大きな発熱量を稼ぐためには結晶の析出に伴う流動性や熱伝導性の低下を許容しなければならない。換言すれば、発熱量の向上と、結晶の析出に伴う流動性や熱伝導性の低下の抑制との両立が困難になる。
一方、臭化カルシウムの発熱量は、塩化カルシウムとほぼ同等に、当量比に対して単調増加する。また、臭化カルシウムは、塩化カルシウムよりも溶解度が大きく、当量比が57となるまで完全に溶解する。したがって、当量比が57以下の範囲にて、発熱量を比較的大きく(すなわち塩化カルシウムの析出熱利用の場合と同等の大きさ)とることができ、さらに、結晶の析出に伴う流動性や熱伝導性の低下を抑制することができる。
以上により、第1反応物Aとして臭化カルシウムを用いれば、塩化カルシウムを用いた場合と比較して、より好適に、発熱量の向上と、結晶の析出に伴う流動性や熱伝導性の低下の抑制との両立ができる。また、結晶の析出を抑制できるので、蓄熱装置1において、振動装置420を廃止することができる。換言すると、振動装置420を設けることなく、発熱量の向上と、流動性や熱伝導性の低下抑制との両立を図ることができる。
具体的には、本実施形態においては、当量比が57となるように、臭化カルシウムと水が第1、第2容器11、12内にそれぞれ収容されている。これにより、加熱モードにおいて、57の当量比をもって臭化カルシウムと水とが反応し得る。したがって、加熱モードにおいて、大きい熱量を効率的にATFへ供給することができる。なお、溶解熱が発生する範囲、すなわち10以上57以下の当量比となるように、臭化カルシウムと水が第1、第2容器11、12内に収容されてもよい。
また、金属ハロゲン化物であるヨウ化カルシウム(CaI)も、臭化カルシウムと同様の性能を示す。したがって、第1反応物Aをヨウ化カルシウムとした場合でも、本実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第1反応物Aをヨウ化カルシウムとし、第2反応物Bを水とすることは、この種の蓄熱装置1において相応しい系の1つとなり得る。なお、第1反応物Aとしてヨウ化カルシウムが用いられる場合には、反応系内に二酸化炭素が流入しないよう、流路が密閉されることが好適である。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図10〜図12に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1〜第4実施形態と比較して、第1反応物Aとしてハロゲンを含むマグネシウム塩である塩化マグネシウム(MgCl)、またはハロゲンを含む亜鉛塩である塩化亜鉛(ZnCl)を用い、第2反応物Bとして水を用いた点が異なっている。
本発明者らは、本発明の蓄熱装置1に相応しい系を検討するために、塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよび塩化亜鉛の3種の固体反応物の水和反応における熱出力を測定した。
図10は、上記3種の固体反応物50gを20℃の水100gと反応させた場合における熱出力の経時変化を示す特性図である。図10中、実線aは塩化カルシウムの測定結果を示し、破線bは塩化マグネシウムの測定結果を示し、一点鎖線cは塩化亜鉛の測定結果を示している。
図10に示すように、塩化マグネシウムの水和反応においては、塩化カルシウムの水和反応よりも熱出力が大きくなる。このため、本発明の蓄熱装置1において、第1反応物Aを塩化マグネシウムとし、第2反応物Bを水とすると、第1反応物Aを塩化カルシウムとし、第2反応物Bを水とした場合よりも大きい熱量を得ることができる。
一方、塩化亜鉛の水和反応においては、塩化カルシウムの水和反応よりも熱出力が小さくなる。しかしながら、塩化亜鉛は、水に対する溶解度が塩化カルシウムより大きいので、本発明の蓄熱装置1の第1反応物Aとして用いる場合には、第1反応物Aとして塩化マグネシウムを用いる場合と同等の熱出力を得ることができる。
次に、本実施形態について、限定するものではないが、以下の実施例を参照して、より具体的に述べる。
(実施例1)
本実施例1では、第1反応物Aとして塩化マグネシウムを用いている。図11は、本第5実施形態の実施例1における塩化マグネシウムおよび水の当量比と発熱量との関係を示す特性図である。
図11に示すように、当量比が10以上74以下の範囲(以下、溶解熱発生範囲という)においては、当量比が大きいほど発熱量が大きくなる。一方、当量比が74よりも大きい範囲においては、当量比が大きいほど発熱量が小さくなる。
本実施形態においては、当量比が74となるように、塩化マグネシウムと水が第1、第2容器11、12内にそれぞれ収容されている。これにより、加熱モードにおいて、74の当量比をもって塩化マグネシウムと水とが反応し得る。したがって、加熱モードにおいて、大きい熱量を効率的にATFへ供給することができる。なお、上記溶解熱発生範囲の当量比となるように塩化マグネシウムと水が第1、第2容器11、12内に収容されてもよい。
上述したように、第1反応物Aを塩化マグネシウムとすると、第1反応物Aを塩化カルシウムとした場合と比較して、より大きい熱量を得ることができる。したがって、第1反応物Aを塩化マグネシウムとし、第2反応物Bを水とすることは、この種の蓄熱装置1において相応しい系の1つとなり得る。
(実施例2)
本実施例2では、第1反応物Aとして塩化亜鉛を用いている。図12は、本第4実施形態の実施例2における塩化亜鉛および水の当量比と発熱量との関係を示す特性図である。
図12に示すように、当量比が10以上81以下の範囲(以下、溶解熱発生範囲という)においては、当量比が大きいほど発熱量が大きくなる。一方、当量比が81よりも大きい範囲においては、当量比が大きいほど発熱量が小さくなる。
本実施形態においては、当量比が81となるように、塩化亜鉛と水が第1、第2容器11、12内にそれぞれ収容されている。これにより、加熱モードにおいて、81の当量比をもって塩化亜鉛と水とが反応し得る。したがって、加熱モードにおいて、大きい熱量を効率的にATFへ供給することができる。なお、上記溶解熱発生範囲の当量比となるように塩化亜鉛と水が第1、第2容器11、12内に収容されてもよい。
ところで、第1反応物Aを塩化カルシウムとした場合、前述の図8に示すように、当量比が50を超えると、当量比が大きいほど発熱量が小さくなる。これに対し、本実施例2のように第1反応物Aを塩化亜鉛とすると、塩化亜鉛は当量比が81になるまで完全に溶解するので、当量比が81以下の範囲において、当量比に対して発熱量が単調増加する。すなわち、塩化亜鉛は、塩化カルシウムと比較して、当量比が大きい範囲においても大きい発熱量を得ることができる。
したがって、上述したように、第1反応物Aを塩化亜鉛とすると、第1反応物Aを塩化カルシウムとした場合と匹敵する大きい熱量を得ることができる。したがって、第1反応物Aを塩化亜鉛とし、第2反応物Bを水とすることは、この種の蓄熱装置1において相応しい系の1つとなり得る。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図13に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1〜第5実施形態と比較して、第1反応物Aとして、マグネシウムのハロゲン化物である塩化マグネシウムに、このハロゲン化物と同一のハロゲンのアンモニウム塩である塩化アンモニウム(NHCl)を添加したものを用い、第2反応物Bとして水を用いた点が異なっている。
上記第5実施形態の実施例1では、第1反応物Aとして塩化マグネシウムを用い、第2反応物Bとして水を用いている。ここで、反応物として、塩化マグネシウムと水とのみを用いると仮定した場合において、加熱モード、及び蓄熱モードを実行した場合の現象について説明する。
この場合、加熱モード、及び蓄熱モードそれぞれにおいて、水和、及び脱水反応とは別の副次反応が生じ得る。すなわち、加熱モードでは、塩化マグネシウムの水和反応とは別に、下記化学式4に示す副次反応が生じる場合がある。この化学式4によれば、MgCl(OH)(塩化水酸化マグネシウム)が固体として生成するのと同時に、塩化水素が気体として生成する。すなわち、加熱モードにおいて、副次反応により塩化水素が発生し得る。
(化4)
MgCl+6HO→MgCl(OH)+HCl↑+5H
他方、この場合における蓄熱モードでは、塩化マグネシウムの脱水反応とは別に、下記化学式5に示す副次反応が生じる場合がある。この化学式5によれば、MgO(酸化マグネシウム)が固体として生成するのと同時に、更に塩化水素が気体として生成する。すなわち、蓄熱モードにおいても、副次反応により塩化水素が発生し得る。
(化5)
MgCl(OH)→MgO+HCl↑
この場合における加熱/蓄熱モードの実行の際、上記化学式4、5に基づいて塩化水素が気体として発生し得る。この塩化水素は気体として発生するため、反応の系外へ放出され易く、発生した塩化水素を用いて上記化学式4、5の逆反応を起こすのは困難である。換言すれば、上記化学式4、5は、不可逆の反応となる。したがって、この加熱/蓄熱モードが繰返し実行されると、反応物のマテリアルバランスが維持されず、水和/脱水反応すべき反応物の量が減少していく。この結果、この加熱/蓄熱モードの実行を繰り返していくと、熱出力が徐々に低下していく虞がある。
これに対し、本発明者らは、鋭意研究した結果、塩化マグネシウムに塩化アンモニウムを添加して塩を複合させることで、塩化水素の発生を抑制し、塩化マグネシウムの水和反応の可逆性を確保できることを導き出した。この反応を次の化学式6に示す。
(化6)
MgCl+6HO+NHCl⇔MgCl・NHCl・6H
図13は、塩化マグネシウムに塩化アンモニウムを添加することの効果を説明するための図である。図13中、Aは塩化アンモニウムを添加した場合における塩化水素の発生量を示しており、Bは塩化アンモニウムを添加しない場合における塩化水素の発生量を示している。
なお、図13の実験条件は、A、Bともに、塩化マグネシウム:50g、水:100gに調整されており、Aのみに塩化アンモニウム:28gが添加されている。また、図13の縦軸である「塩化水素発生量」は、上記のように調整・添加がなされたA、Bそれぞれの試薬を、所定の動力にて撹拌しながら混合した際に発生した塩化水素量である。なお、この「塩化水素発生量」は、A、Bそれぞれの条件にて計測された熱量に基づき算出した推定値である。
図13に示すように、A(塩化アンモニウムを添加した場合)においては、塩化水素の発生量がほぼゼロであった。一方、B(塩化アンモニウムを添加しない場合)においては、塩化水素の発生量が8.8gであった。したがって、塩化マグネシウムに塩化アンモニウムを添加することにより、水和反応時の塩化水素の発生をほとんど無くすことができる。このため、第1反応物Aとして、塩化マグネシウムに塩化アンモニウムを添加したものを用いることで、塩化マグネシウムの水和反応の可逆性を確保できる。
なお、亜鉛のハロゲン化物である塩化亜鉛も、塩化マグネシウムと同様の性能を示す。したがって、第1反応物Aとして、塩化亜鉛に塩化アンモニウムを添加したものを用いた場合においても、本実施形態と同様に、塩化亜鉛の水和反応の可逆性を確保できる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図14に基づいて説明する。本実施形態は、上記第6実施形態と比較して、第1反応物Aとして、MgX(OH)(Xはハロゲン原子を表す)である塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))を用い、第2反応物Bとして塩酸(塩化水素(HCl)の水溶液)を用いた点が異なっている。
本発明者らは、鋭意研究した結果、第1反応物Aとして塩化水酸化マグネシウムを用い、第2反応物Bとして塩酸を用いることで、上記第6実施形態で説明した塩化マグネシウムの水和反応時に起こる副次反応(化学式4、5参照)による塩化水素の発生を抑制し、水和反応の可逆性を確保できることを導き出した。この反応を次の化学式7に示す。
(化7)
MgCl(OH)(s)+HCl(aq)⇔MgCl(aq)
図14は、本第7実施形態における塩化水酸化マグネシウムおよび塩酸の当量比と発熱量との関係を示す特性図である。ここで、本実施形態における当量比とは、「5.3mol/Lの塩酸100g」に対する「塩化水酸化マグネシウムの質量[g]」の割合を100分率にて表したものである。
図14に示すように、当量比が8.4以上34以下の範囲(以下、溶解熱発生範囲という)においては、当量比が大きいほど発熱量が大きくなる。一方、当量比が34よりも大きい範囲においては、当量比が大きいほど発熱量が小さくなる。なお、本実施形態の当量比における8.4以上34以下の範囲は、塩化水酸化マグネシウムのモル数を塩化水素のモル数で除した値における0.25以上、1.0以下の範囲と等価である。
本実施形態においては、当量比が34となるように、塩化水酸化マグネシウムと塩酸が第1、第2容器11、12内にそれぞれ収容されている。これにより、加熱モードにおいて、34の当量比をもって塩化水酸化マグネシウムと塩酸とが反応し得る。したがって、加熱モードにおいて、大きい熱量を効率的にATFへ供給することができる。なお、上記溶解熱発生範囲の当量比となるように塩化水酸化マグネシウムと塩酸が第1、第2容器11、12内に収容されてもよい。
なお、ZnX(OH)(Xはハロゲン原子を表す)である塩化水酸化亜鉛(ZnCl(OH))も、塩化水酸化マグネシウムと同様の性能を示す。したがって、第1反応物Aとして塩化水酸化亜鉛を用い、第2反応物Bとして塩酸を用いた場合においても、本実施形態と同様に、水和反応の可逆性を確保できる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図15、16に基づいて説明する。本実施形態の蓄熱装置は、車両外部の商用電源等を用いて走行用モータに電力を供給するバッテリの充電が可能(プラグイン方式)となっている電気自動車に搭載されている。
図15は、本第8実施形態に係る蓄熱装置1を電気自動車に搭載した状態を示す概略図である。図15に示すように、本実施形態の電気自動車は、走行用駆動源としての走行用モータ81を備えている。走行用モータ81には、外部電力を蓄電する蓄電手段としてのバッテリ82からインバータ83を介して電力が供給される。また、本実施形態の電気自動車は、外部電力を熱へ変換する電熱変換手段としてのヒータ85を備えている。
電気自動車は、車両停車中に外部電源100からバッテリ82およびヒータ85に電力供給が可能な構成となっている。具体的には、電気自動車は、外部電源100と接続可能なコンセント84を備えている。外部電源100としては、例えば、車庫に設けられた商用電源(家庭用電源)を用いることができる。特に、外部電力として安価な深夜電力を利用すると、コスト面でより効果的である。
図16は、本第8実施形態に係る蓄熱装置1を示す全体構成図である。図16に示すように、本実施形態の蓄熱装置1は、第1反応物Aおよび第2反応物Bの反応時の反応熱によって、バッテリ82の電解液を加熱するように構成されている。したがって、バッテリ82の電解液が本発明の加熱対象物Fに相当している。
具体的には、加熱部13は、バッテリ82の電解液が循環する電解液循環流路821の外周に、第1反応物Aと第2反応物Bの混合物および化合物が流通する混合物流路131を螺旋状に巻装することにより構成されている。
また、電解液循環流路821の加熱部13の上流側近傍には、加熱部13の上流側の電解液温度を検出する電解液温度センサ822が設けられている。この電解液温度センサ822の検出信号は、制御部7に入力される。そして、制御部7は、電解液温度センサ822で検出された電解液温度に基づいて、加熱モードと蓄熱モードとを切り替える。特に、駐車期間においては、プラグインされて蓄熱モードが達成される。
また、上述のヒータ85は、蓄熱装置1の第1容器11内に配置されている。このため、ヒータ25は、外部電力を熱へ変換し、その熱で第1容器11の内部を加熱できるようになっている。これにより、蓄電モードにおいて、ヒータ85からの熱で第1容器11内部を加熱して、化合物を固体状態の第1反応物Aと気体状態の第2反応物Bとに分離することができる。したがって、ヒータ85からの熱が本発明の外部熱に相当している。
本実施形態によれば、ヒータ85にて変換された熱を蓄熱し、バッテリ82の暖機促進に利用することができるので、電気自動車の燃費を向上させることができる。また、電力によりフレキシブルに蓄熱温度が設定できるので、排熱温度が低い電気自動車であっても、有効に蓄熱することができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について図17に基づいて説明する。本実施形態の蓄熱装置は、車両外部の商用電源等を用いて走行用モータに電力を供給するバッテリの充電が可能(プラグイン方式)となっている電気自動車に搭載されている。
図17は、本第9実施形態に係る蓄熱装置1を電気自動車に搭載した状態を示す概略図である。図17に示すように、本実施形態の電気自動車には、インバータ83で発生した熱を、熱媒体を介して蓄電装置1の第1容器11内に放熱する放熱システム9が設けられている。
放熱システム9は、熱媒体をインバータ83に循環させるための熱媒体通路91中に、熱媒体を循環させるための熱媒体ポンプ92、および熱媒体と第1容器11内の化合物との間で熱交換を行い、インバータ83で発生した熱を化合物に放熱する放熱部93が設けられている。放熱部93は、第1容器11内に配置されている。
これにより、インバータ83で発生した熱で第1容器11の内部を加熱することができる。このため、蓄電モードにおいて、インバータ83で発生した熱により第1容器11内部を加熱して、第1反応物Aおよび第2反応物Bの化合物を固体状態の第1反応物Aと気体状態の第2反応物Bとに分離することができる。したがって、インバータ83で発生した熱が本発明の外部熱に相当している。
本実施形態によれば、インバータ83で発生した熱を蓄熱し、バッテリ82の暖機促進に利用することができるので、電気自動車の燃費を向上させることができる。同時に、インバータ83で発生した熱を第1容器11内に放熱することができるので、インバータ83の冷却も行うことができる。
(他の実施形態)
なお、上記第1、第2実施形態では、第1反応物Aとして臭化ストロンチウムアンミン錯体を用いた例について説明したが、これに代えて、塩化ストロンチウムアンミン錯体を用いてもよい。これによっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1反応物Aとしては、上記2種以外の金属ハロゲン化物のアンミン錯体を用いてもよい。
また、上記第3実施形態では、第1反応物Aとして塩化カルシウムを用いた例について説明したが、これに限らず、溶解・水和の際に発熱する他の金属ハロゲン化物、金属硝酸化物または金属硫酸化物を用いてもよい。
このとき、金属ハロゲン化物としては、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト等の遷移金属のハロゲン化物を用いると好ましい。また、金属硝酸化物としては、硝酸化カリウム、硝酸化カルシウム、硝酸化ナトリウム等のアルカリ金属の硝酸化物またはアルカリ土類金属の硝酸化物を用いると好ましい。また、金属硫酸化物としては、硫酸化カリウム、硫酸化カルシウム、硫酸化ナトリウム等のアルカリ金属の硫酸化物またはアルカリ土類金属の硫酸化物を用いると好ましい。
また、上記第1〜第7実施形態では、ATFを加熱対象物Fとした例について説明したが、これに限らず、エンジン冷却水、触媒23、エンジンオイル、車載バッテリ(走行用駆動源ではないもの)等を加熱対象物Fとしてもよい。
また、上記第8、第9実施形態では、蓄電装置1を電気自動車に搭載した例について説明したが、これに限らず、プラグインハイブリッド車に搭載してもよい。この場合、加熱対象物Fとして、エンジン冷却水、触媒、エンジンオイル、走行用駆動源としてのバッテリ、ATF等を用いることができる。また、外部熱として、排気が有する熱を用いてもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、制御部7が、ATF温度Taが基準温度Ts以下になっている場合に第1、第2開閉弁51、52を開ける例について説明したが、これに限らず、ATF温度Taに基づいて第1、第2開閉弁の開度を算出するようにしてもよい。具体的には、ATF温度Taが高くなる程、第1、第2開閉弁51、52の開度を小さくしてもよい。
また、上記各実施形態では、第1容器11内に混合部14を設けた例について説明したが、これに限らず、第1容器11外に混合部14を設けてもよい。この場合、第1容器11から流出した第1反応物Aを混合部14へ導く第1反応物用通路を設けるとともに、第1通路41の下流側端部を混合部14に接続させればよい。
また、上記各実施形態では、第2容器12の外部にファン120を設けた例について説明したが、ファン120を設けなくてもよい。
また、上記各実施形態では、第1、第2、第4通路41、42、44に第1〜第3ポンプ61〜63をそれぞれ設けた例について説明したが、第1〜第3ポンプ61〜63を設けなくてもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、第1容器11の外表面にフィン110を設けた例について説明したが、フィン110を設けなくてもよい。
また、上記各実施形態では、蓄熱装置1を車両に搭載した例について説明したが、これに限らず、例えば定置型のエンジン駆動式ヒートポンプ空調装置(KHP)や、定置型の燃料電池システム等に搭載してもよい。
また、上記第5実施形態では、第1反応物Aの少なくともハロゲンを含むマグネシウム塩として塩化マグネシウムを用い、または第1反応物Aの少なくともハロゲンを含む亜鉛塩として塩化亜鉛を用い、第2反応物Bの少なくとも水を含む溶液として水を用いた例について説明したが、これに限らず、第1反応物Aとして塩素以外のハロゲンを含むマグネシウム塩または亜鉛塩を用い、第2反応物Bとして水を含む他の溶液を用いてもよい。
また、上記第6実施形態では、第1反応物Aのマグネシウムのハロゲン化物として塩化マグネシウムを用い、または第1反応物Aの亜鉛のハロゲン化物として塩化亜鉛を用いた例について説明したが、これに限らず、第1反応物Aとして、塩素以外のハロゲンを含むマグネシウムのハロゲン化物または亜鉛のハロゲン化物を用いてもよい。
また、上記第7実施形態では、第1反応物AのMgX(OH)として塩化水酸化マグネシウムを用い、または第1反応物AのZnX(OH)として塩化水酸化亜鉛を用い、第2反応物Bの、上記第1反応物Aに含まれるハロゲンと同一のハロゲンの水酸化物の水溶液として、塩酸を用いた例について説明したが、これに限らず、第1反応物AとしてMgX(OH)またはZnX(OH)を用い、第2反応物BとしてHXの水溶液を用いてもよい(ただし、上記組成式中、Xは塩素以外のハロゲン原子を表す)。
2 内燃機関
3 自動変速機(変速機構)
7 制御部(制御手段)
11 第1容器
12 第2容器
13 加熱部
14 混合部
41〜43 第1〜第3通路
51〜53 第1〜第3開閉弁(第1〜第3開閉手段)
82 バッテリ(蓄電手段)
85 ヒータ(電熱変換手段)

Claims (19)

  1. 第1反応物(A)および第2反応物(B)を反応させて化合物を生成する際に生じる反応熱によって加熱対象物(F)を加熱し、前記化合物を前記第1反応物(A)および前記第2反応物(B)に分離させることによって前記反応の系外にて発生する熱である外部熱を蓄熱する蓄熱装置であって、
    前記第1反応物(A)を固体の状態で収容する第1容器(11)と、
    前記第2反応物(B)を液体の状態で収容する第2容器(12)と、
    前記反応熱によって前記加熱対象物(F)を加熱する加熱部(13)と、
    前記第1反応物(A)および前記第2反応物(B)を混合させる混合部(14)と、
    前記第2容器(12)に収容された前記第2反応物(B)を前記混合部(14)へ導く第1通路(41)と、
    前記混合部(14)にて混合された混合物を前記加熱部(13)へ導く第2通路(42)と、
    前記第2反応物(B)を前記第1容器(11)から前記第2容器(12)へ導く第3通路(43)と、
    前記第1通路(41)を開閉する第1開閉手段(51)と、
    前記第2通路(42)を開閉する第2開閉手段(52)と、
    前記第3通路(43)を開閉する第3開閉手段(53)と、
    前記第1〜第3開閉手段(51〜53)の作動を制御する制御手段(7)とを備え、
    前記加熱対象物(F)を加熱する加熱モードでは、前記制御手段(7)が前記第1開閉手段(51)および前記第2開閉手段(52)を開くとともに前記第3開閉手段(53)を閉じることによって、前記混合部(14)にて混合された前記混合物が前記加熱部(13)にて前記化合物を生成するように前記加熱部(13)へ導かれ、
    前記外部熱を蓄熱する蓄熱モードでは、前記制御手段(7)が前記第1開閉手段(51)および前記第2開閉手段(52)を閉じるとともに前記第3開閉手段(53)を開くことによって、前記加熱部(13)から流出して前記第1容器(11)へ流入した前記化合物が前記外部熱にて加熱されることによって分離され、この分離された前記第2反応物(B)が凝縮されて前記第2容器(12)に収容されることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 前記混合部(14)は、前記第1容器(11)の内部にあることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置。
  3. 前記混合部(14)は、前記第1容器(11)の外部にあることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置。
  4. 前記第1反応物(A)は、金属ハロゲン化物のアンミン錯体であって、
    前記第2反応物(B)は、アンモニアであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蓄熱装置。
  5. 前記金属ハロゲン化物のアンミン錯体は、臭化ストロンチウムのアンミン錯体、または塩化ストロンチウムのアンミン錯体であって、
    前記第2容器(12)は、前記第2容器(12)内の前記アンモニアの温度が40℃以下となるように配設されており、
    前記蓄熱モードでは、前記加熱部(13)から流出して前記第1容器(11)へ流入した前記化合物が、90℃以上となるように加熱されることによって分離されることを特徴とする請求項4に記載の蓄熱装置。
  6. 前記第1反応物(A)は、溶解・水和の際に発熱する金属ハロゲン化物、金属硝酸化物、または金属硫酸化物であって、
    前記第2反応物(B)は、水であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蓄熱装置。
  7. 前記第1反応物(A)は、塩化カルシウムであって、
    前記加熱モードでは、前記混合部(14)に流入する前記水の重量に対する前記塩化カルシウムの重量の割合が10重量パーセント以上、かつ、50重量パーセント以下となっていることを特徴とする請求項6に記載の蓄熱装置。
  8. 前記第1反応物(A)は、少なくともハロゲンを含むマグネシウム塩、または少なくともハロゲンを含む亜鉛塩であって、
    前記第2反応物(B)は、少なくとも水を含む溶液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蓄熱装置。
  9. 前記第1反応物(A)は、塩化マグネシウムであって、
    前記第2反応物(B)は、水であって、
    前記加熱モードでは、前記混合部(14)に流入する前記水の重量に対する前記塩化マグネシウムの重量の割合が10重量パーセント以上、かつ、74重量パーセント以下となっていることを特徴とする請求項8に記載の蓄熱装置。
  10. 前記第1反応物(A)は、塩化亜鉛であって、
    前記第2反応物(B)は、水であって、
    前記加熱モードでは、前記混合部(14)に流入する前記水の重量に対する前記塩化亜鉛の重量の割合が10重量パーセント以上、かつ、81重量パーセント以下となっていることを特徴とする請求項8に記載の蓄熱装置。
  11. 前記第1反応物(A)は、マグネシウムのハロゲン化物または亜鉛のハロゲン化物に、前記ハロゲン化物に含まれるハロゲンと同一のハロゲンのアンモニウム塩を添加したものであることを特徴とする請求項8に記載の蓄熱装置。
  12. 前記第1反応物(A)は、塩化マグネシウムに塩化アンモニウムを添加したものであることを特徴とする請求項11に記載の蓄熱装置。
  13. 前記第1反応物(A)は、MgX(OH)またはZnX(OH)であって(Xはハロゲン原子を表す)、
    前記第2反応物(B)は、前記第1反応物(A)に含まれるハロゲンと同一のハロゲンの水素化物の水溶液であることを特徴とする請求項8のいずれか1つに記載の蓄熱装置。
  14. 前記第1反応物(A)は、塩化水酸化マグネシウムであって、
    前記第2反応物(B)は、水中に塩化水素を含有する塩酸であって、
    前記加熱モードでは、前記混合部(14)に流入する前記塩酸に対する前記塩化水酸化マグネシウムの割合が、前記塩化水酸化マグネシウムのモル数を前記塩化水素のモル数で除した値で0.25以上、かつ、1.0以下の範囲と等価な範囲内の割合となっていることを特徴とする請求項13に記載の蓄熱装置。
  15. 前記第1反応物(A)は、臭化カルシウムまたはヨウ化カルシウムであることを特徴とする請求項6に記載の蓄熱装置。
  16. 前記第1反応物(A)は、臭化カルシウムであって、
    前記加熱モードでは、前記混合部(14)に流入する前記水の重量に対する前記臭化カルシウムの重量の割合が10重量パーセント以上、かつ、57重量パーセント以下となっていることを特徴とする請求項15に記載の蓄熱装置。
  17. 内熱機関(2)を備える車両に適用される請求項1ないし16のいずれか1つに記載の蓄熱装置であって、
    前記外部熱は、前記内燃機関(2)の排気が有する熱であることを特徴とする蓄熱装置。
  18. 外部電力を蓄電する蓄電手段(82)と、前記外部電力を熱へ変換する電熱変換手段(85)とを備える車両に適用される請求項1ないし16のいずれか1つに記載の蓄熱装置であって、
    前記外部熱は、前記電熱変換手段(85)にて変換された熱であることを特徴とする蓄熱装置。
  19. 前記車両は、流体により駆動力の伝達を行う変速機構(3)を備え、
    前記加熱対象物(F)は、前記流体であることを特徴とする請求項17または18に記載の蓄熱装置。
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