JP2010223314A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、両部材を弾性的に連結する弾性体と、第1取付け部材内の液室を、一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材5と、を備え、仕切り部材に、主液室と副液室とを連通すると共にシェイク振動の入力に対して液柱共振を生じさせる第1制限通路21と、主液室と副液室とを連通すると共に第1制限通路よりも液体の流通抵抗が小さくアイドル振動の入力に対して液柱共振を生じさせる第2制限通路22と、主液室内の液圧変動に伴って第2制限通路を通した主液室と副液室との連通およびその遮断を切り替える可動部材29と、が備えられた装置であって、可動部材は、第1取付け部材の軸方向に直交する直交面に沿って移動可能に配設されている防振装置1を提供する。
【選択図】図3
Description
前記防振装置においては、第2制限通路の液体の流通抵抗が第1制限通路の液体の流通抵抗よりも小さいので、液室内の液体は、第2制限通路が連通されている場合には第2制限通路内を優先的に流通し、第2制限通路の連通が遮断されている場合には第1制限通路内を流通する。従って、可動部材が、主液室内の液圧変動に伴って第2制限通路を通した主液室と副液室との連通およびその遮断を切り替えることによって、液室内の液体を流通させる制限通路を第1制限通路と第2制限通路とで切り替えることが可能となり、シェイク振動の入力時には液体を第1制限通路内で流通させる一方、アイドル振動の入力時には液体を第2制限通路内で流通させることができる。これにより、前記防振装置にシェイク振動およびアイドル振動のいずれの振動が入力された場合であっても、その振動を減衰吸収することができる。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、前記第1取付け部材および第2取付け部材を弾性的に連結する弾性体と、前記第1取付け部材内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材に、主液室と副液室とを連通すると共にシェイク振動の入力に対して液柱共振を生じさせる第1制限通路と、主液室と副液室とを連通すると共に第1制限通路よりも液体の流通抵抗が小さくアイドル振動の入力に対して液柱共振を生じさせる第2制限通路と、主液室内の液圧変動に伴って第2制限通路を通した主液室と副液室との連通およびその遮断を切り替える可動部材と、が備えられた防振装置であって、前記可動部材は、前記第1取付け部材の軸方向に直交する直交面に沿って移動可能に配設されていることを特徴とする。
なお、可動部材において主液室内の液圧変動が伝達される受圧面が、第1取付け部材の軸回りを向いている場合、この受圧面の面積に可動部材の前記軸回りの大きさが影響を与えることがない。よって、第2制限通路を通した主液室と副液室との連通およびその遮断の切り替えを高精度なものとするために受圧面の面積を大きくする場合であっても、可動部材を前記軸回りに大きくする必要がないので、可動部材に代えて高周波用薄膜体を前記軸回りに大きく形成することが可能となり、高周波用薄膜体が主液室に面する面積を大きくすることができる。以上より、受圧面の面積を大きくすることによって第2制限通路を通した主液室と副液室との連通およびその遮断の切り替えを高精度なものとしつつ、高周波用薄膜体が主液室に面する面積を大きくすることによって高周波用薄膜体による高周波振動の減衰吸収を確実なものとすることができる。
図1及び図2に示すように、防振装置1は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材2、および他方に連結される第2取付け部材3と、第1取付け部材2および第2取付け部材3を弾性的に連結する弾性体4と、第1取付け部材2内を後述する主液室8と副液室9とに区画する仕切り部材5と、を備えている。
この防振装置1が例えば自動車に装着された場合、第2取付け部材3が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、第1取付け部材2が振動受部としての車体に連結されることにより、エンジンの振動が車体に伝達するのを抑えられるようになっている。
ダイヤフラム6は平面視円形状に形成されている。また、このダイヤフラム6の外周縁部は、その全周に亘って嵌合筒6aの内周面に加硫接着されている。そして、この嵌合筒6aが、第1取付け部材2の他端開口部内に嵌合されることにより、ダイヤフラム6が前記他端開口部を閉塞している。
また、第1取付け部材2の内周面において、弾性体4が接着された前記一端側部分を除く全域が弾性体膜4aで被覆されている。更に、弾性体4および弾性体膜4aは、例えば天然ゴム等を主成分とする同一のゴム材料で一体に形成されている。なお、弾性体4及び弾性体膜4aの材料としては、ゴム以外にも合成樹脂などを採用することが可能である。
図1及び図2に示すように、仕切り部材本体10の底壁部には、前記中心軸線O方向の一方側に向けて延在する軸部12と、前記中心軸線O方向の一方側に向けて延在すると共に軸部12を径方向の外側から囲う軸周壁部13とが、いずれも前記中心軸線Oと同軸に配設されている。図4に示すように、軸周壁部13には、前記中心軸線O方向に沿って延びる開口部13aが形成されており、軸周壁部13は、平面視C字状に形成されている。
また、押さえプレート11において仕切り部材本体10の縦溝23と対応する部分には、切欠き部24が形成されている。これにより、縦溝23は、切欠き部24を通して主液室8に連通している。
そして、本実施形態では、前記シェイクオリフィス21は、押さえプレート11の切欠き部24、縦溝23、第1周溝25及び連通路26により構成されている。また、シェイクオリフィス21の流路長および流路断面積、つまり流通抵抗は、シェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz程度)において液柱共振が生じるように予め設定(チューニング)されている。
回転軸部30は、内部に軸部12が挿入された状態で軸周壁部13内の隙間を塞ぐように形成され、軸周壁部13の内周面に摺接しながら前記中心軸線O回りに回転可能となっている。
可動部材29は、区画壁部31において前記中心軸線O回りの加圧空間28側を向く受圧面31cに主液室8内の液圧変動が伝達されることによって、回転軸部30が軸周壁部13の内周面に摺接しながら回転しつつ、区画壁部31の上端面31aが押さえプレート11に摺接し且つ区画壁部31の下端面31bが仕切り部材本体10の底壁部に摺接しながら区画壁部31が前記中心軸線O回りに移動することで、オリフィス空間27および加圧空間28それぞれを拡縮させながら前記直交面に沿って前記中心軸線O回りに回転する。
また、仕切り部材5には、前記中心軸線O回りの第2仕切り壁部15側に向けて可動部材29を付勢する付勢手段37が設けられており、可動部材29は、この付勢手段37の付勢力により受圧面31cの径方向外端部が係止壁部36に当接されている。
この防振装置1では、可動部材29が、主液室8内の液圧変動に伴ってアイドルオリフィス22の連通およびその遮断を切り替える。また、この切り替えにより、液室7内の液体Wが流通する通路をシェイクオリフィス21とアイドルオリフィス22とで切り替える。
また、アイドルオリフィス22の流通抵抗が、シェイクオリフィス21の流通抵抗より小さいので、この際、主液室8と副液室9との間での液体Wの流通は、アイドルオリフィス22を通して優先的に行われる。即ち、主液室8内から押さえプレート11の切欠き部24を通って仕切り部材本体10の縦溝23に流入した液体Wは、第2周溝33を優先的に通り、その後、短絡連通孔34、オリフィス空間27及び流通開口32を通って副液室9に到達する。また、副液室9内から主液室8に向かう液体Wは、仕切り部材本体10の流通開口32を優先的に通り、その後、オリフィス空間27、短絡連通孔34、縦溝23及び切欠き部24を通って主液室8に到達する。
そして、アイドルオリフィス22は、アイドル振動の周波数において液柱共振が生じるように予め設定されているので、アイドルオリフィス22を流通する液体Wに共振現象(液柱共振)が生じてアイドル振動が減衰される。
また、付勢手段37の付勢力は、シェイク振動の入力時における加圧空間28内の液圧に平衡する力よりも小さくなっているので、この際、可動部材29の区画壁部31は、付勢手段37の付勢力に抗して、前記中心軸線O回りに第1仕切り壁部14側に向けて移動する。これにより、オリフィス空間27の内容積が縮小されると共に、加圧空間28の内容積が拡大される。
そして、図8及び図9に示すように、可動部材29の区画壁部31は、前記移動の過程で、径方向の外側を向く面でオリフィス空間27と短絡連通孔34との連通を遮断すると共に、前記中心軸線O方向の他方側を向く面でオリフィス空間27と流通開口32との連通を遮断する。これにより、主液室8と副液室9とのアイドルオリフィス22を通した連通を遮断することができる。
その結果、主液室8と副液室9との間での液体Wの流通は、シェイクオリフィス21を通して行われる。ここで、シェイクオリフィス21は、シェイク振動の周波数において液柱共振が生じるように予め設定されているので、シェイクオリフィス21を流通する液体Wに共振現象(液柱共振)が生じてシェイク振動が減衰される。
ここで、仕切り部材5に、高周波用メンブラン20が主液室8に面して形成されているので、図10に示すように、防振装置1に高周波振動が入力されたときに、高周波用メンブラン20が弾性変形することでその高周波振動を減衰吸収することができる。
例えば、前記実施形態では、高周波用メンブラン20を備えるものとしたが、無くても良い。
2 第1取付け部材
3 第2取付け部材
4 弾性体
5 仕切り部材
7 液室
8 主液室
9 副液室
16 中間液室
20 高周波用メンブラン(高周波用薄膜体)
21 シェイクオリフィス(第1制限通路)
22 アイドルオリフィス(第2制限通路)
27 オリフィス空間(通路用空間)
28 加圧空間
29 可動部材
W 液体
Claims (3)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、
前記第1取付け部材および第2取付け部材を弾性的に連結する弾性体と、
前記第1取付け部材内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備え、
前記仕切り部材に、主液室と副液室とを連通すると共にシェイク振動の入力に対して液柱共振を生じさせる第1制限通路と、主液室と副液室とを連通すると共に第1制限通路よりも液体の流通抵抗が小さくアイドル振動の入力に対して液柱共振を生じさせる第2制限通路と、主液室内の液圧変動に伴って第2制限通路を通した主液室と副液室との連通およびその遮断を切り替える可動部材と、が備えられた防振装置であって、
前記可動部材は、前記第1取付け部材の軸方向に直交する直交面に沿って移動可能に配設されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項1記載の防振装置であって、
前記可動部材は、前記仕切り部材の内部に形成された中間液室内に前記第1取付け部材の軸回りに回転可能に配設されると共に、該中間液室内を、前記第2制限通路の一部を構成する通路用空間と、前記第2制限通路と隔離され且つ前記主液室に連通した加圧空間と、に、前記軸回りに区画することを特徴とする防振装置。 - 請求項1又は2記載の防振装置であって、
前記仕切り部材には、アイドル振動よりも周波数が高い高周波振動を減衰吸収させる高周波用薄膜体が前記主液室に面して形成されていることを特徴とする防振装置。
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