JP2010223162A - キャニスタ用蓄熱器の製造方法及びキャニスタ用蓄熱器 - Google Patents

キャニスタ用蓄熱器の製造方法及びキャニスタ用蓄熱器 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄熱材を収容した密閉容器を溶接により封止する際の蓄熱材の発火を防止する。
【解決手段】キャニスタ10のキャニスタケース12内に配置される金属製の密閉容器44と、密閉容器44内に収容された蓄熱材45とを備える。密閉容器44が、上面を開口する浅底状の容器本体47と、該容器本体47の上面の開口を塞ぐ蓋体48とにより構成される。容器本体47内に蓄熱材45を収容した状態で、容器本体47と蓋体48とを全周に亘って溶接により封止する。密閉容器44の溶接部49と蓄熱材45との間に、溶接による熱が蓄熱材45に伝わるまでにその熱の温度を蓄熱材45の発火点以下の温度に低下させる距離を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の内燃機関の燃料系に生じる蒸発燃料を処理するキャニスタに用いられるキャニスタ用蓄熱器の製造方法及びキャニスタ用蓄熱器に関する。
従来のキャニスタ用蓄熱器には、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載の蓄熱器は、金属製の密閉容器内に相変化物質からなる蓄熱材が収容されたもので、キャニスタのキャニスタケース内(詳しくは、吸着材層内)に配置される。このような蓄熱器は、吸着材が蒸発燃料を吸着するときの温度上昇を蓄熱材が溶融する際の潜熱により抑制することにより、吸着材による蒸発燃料の吸着性能を向上し、また、吸着材が蒸発燃料を離脱するときの温度低下を蓄熱材が凝固する際の潜熱による抑制することにより、吸着材による蒸発燃料の離脱性能を向上する。
特開2006−233962号(段落[0076]、図15参照)
前記特許文献1の蓄熱器では、密閉容器の側壁に開けた小孔状の開口部から蓄熱材を注入した後、開口部を栓で封止している。このため、別部材としての栓が必要であるため、コストアップを余儀なくされる。そこで、密閉容器を溶接により封止することにより、栓部材を省略することが考えられる。しかし、不用意に溶接を行うと、溶接時の熱により蓄熱材の発火を招くおそれがあった。
本発明が解決しようとする課題は、蓄熱材を収容した密閉容器を溶接により封止する際の蓄熱材の発火を防止することのできるキャニスタ用蓄熱器の製造方法及びキャニスタ用蓄熱器を提供することにある。
前記課題は、特許請求の範囲に記載された構成を要旨とするキャニスタ用蓄熱器の製造方法及びキャニスタ用蓄熱器により解決することができる。
すなわち、請求項1に記載されたキャニスタ用蓄熱器の製造方法によると、密閉容器内に蓄熱材を収容した後、密閉容器を溶接により封止する際、密閉容器の溶接部と蓄熱材との間に、溶接による熱が蓄熱材に伝わるまでにその熱の温度を蓄熱材の発火点以下の温度に低下させる距離を設定するようにしている。したがって、密閉容器の封止に係る溶接による熱の温度が蓄熱材にその発火点以上の温度で伝熱されない。このため、蓄熱材を収容した密閉容器を溶接により封止する際の蓄熱材の発火を防止することができる。なお、溶接には、レーザ溶接、ろう付け等の溶接方法を適用することができる。
また、請求項2に記載されたキャニスタ用蓄熱器の製造方法によると、密閉容器が、上面を開口する容器本体と、該容器本体の上面の開口を塞ぐ蓋体とにより構成され、容器本体内に蓄熱材を収容した状態で、容器本体と蓋体とを全周に亘って溶接により封止する。したがって、浅底状の容器本体内を水平状においた状態で、容器本体内に蓄熱材を容易に入れることができる。これとともに、蓄熱材を収容した容器本体を水平状においた状態のままで、容器本体と蓋体とを全周に亘って溶接により封止することにより、密閉容器の完成とともにキャニスタ用蓄熱器を完成することができる。
また、請求項3に記載されたキャニスタ用蓄熱器によると、請求項1又は2に記載のキャニスタ用蓄熱器の製造方法により製造されたキャニスタ用蓄熱器を提供することができる。
一実施例にかかるキャニスタを示す平断面図である。 蓄熱器を一部破断して示す平面図である。 図2のIII−III線矢視断面図である。 蓄熱器の製造工程を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。説明の都合上、車両に搭載されるキャニスタの概要を説明した後で、キャニスタ用蓄熱器、その製造方法の順で説明する。なお、図1はキャニスタを示す平断面図である。また、図1を基準としてキャニスタの左右を定め、図1における上側を前側、同じく下側を後側と定める。
図1に示すように、キャニスタ10は、樹脂製のキャニスタケース12を備えている。キャニスタケース12は、後端面(図1において下面)を開口する有底角筒状のケース本体13と、ケース本体13の後端面の開口を閉鎖するカバープレート14とにより構成されている。ケース本体13は、角筒状の周壁部15と、その周壁部15の前端面(図1における上端面)を閉鎖する端壁部16とを有している。
前記ケース本体13内は、前記端壁部16から後方(図1において下方)に延びる隔壁18により左側の吸着材室(以下、「第1の吸着材室」という)19と右側の吸着材室(以下、「第2の吸着材室」という)20とに区画されている。また、第1の吸着材室19内の前端部(図1において上端部)は、端壁部16に突出された仕切壁21により左右の分室に区画されている。また、端壁部16の前側(図1において上側)には、左側から右側へ並ぶタンクポート23、パージポート24、大気ポート25が形成されている。タンクポート23は、第1の吸着材室19の左側の分室内外を連通している。また、パージポート24は、第1の吸着材室19の右側の分室内外を連通している。また、大気ポート25は、第2の吸着材室20の内外を連通している。また、第1の吸着材室19の各分室、及び、第2の吸着材室20の前壁面には、各ポートの室内側の開口面を閉塞するシート状のフィルタ27がそれぞれ面接触状に設けられている。
前記ケース本体13の両吸着材室19,20内には、蒸発燃料を吸着・脱離可能な吸着材30がそれぞれ層状に充填されている。吸着材30には、例えば粒状の活性炭が用いられている。また、前記第2の吸着材室20内にはバッファプレート32が配置されている。バッファプレート32は、通気性を有しており、第2の吸着材室20内を前後の分室に仕切っている。バッファプレート32の後面には、シート状のフィルタ33が面接触状に設けられている。また、両吸着材室19,20の開口端部内には、通気性を有する押圧プレート34がそれぞれ前後方向(図1において上下方向)へ移動可能に嵌合されている。各押圧プレート34と前記カバープレート14との間には、コイルスプリングからなる押圧スプリング35がそれぞれ介在されている。各押圧スプリング35は、当該押圧プレート34を前方(図1において上方)へ弾性的に付勢している。各押圧プレート34の前面には、シート状のフィルタ36がそれぞれ面接触状に設けられている。なお、各フィルタ27,33,36は、例えばポリエステル繊維とレーヨン繊維との混合繊維からなる不織布によりそれぞれ形成されており、いずれも通気性を有している。
前記カバープレート14と前記各押圧プレート34(詳しくは、フィルタ36)との間は、カバープレート14と隔壁18との間の隙間38aを介して両吸着材室19,20を連通する連通路38となっている。したがって、キャニスタケース12内には、両吸着材室19,20と連通路38とにより、蒸発燃料ガスが流れるUターンフロー型の通路が形成されている。なお、第2の吸着材室20の通路断面積は、第1の吸着材室19の通路断面積の約半分程度に設定されている。また、キャニスタケース12の各吸着材室19,20内に配置されたキャニスタ用蓄熱器41,42については後で説明する。
前記キャニスタ10において、キャニスタケース12のタンクポート23は燃料タンク(図示省略)に接続され、また、パージポート24はエンジンのインテークマニホルド(図示省略)に接続され、また、大気ポート25は大気に連通される。そして、エンジンの停止時、停車時等に燃料タンクから発生する蒸発燃料ガスは、タンクポート23から第1の吸着材室19内に導入され、その吸着材室19内の吸着材30に蒸発燃料(HC)が吸着される。そして、第1の吸着材室19内の吸着材30で吸着しきれなかった蒸発燃料は、連通路38を介して第2の吸着材室20に導入され、その吸着材室20内の吸着材30に吸着される。各吸着材室19,20内の吸着材30によって蒸発燃料が吸着された後の空気は、大気ポート25から大気に放出される。なお、第2の吸着材室20内において、後側の分室に導入された蒸発燃料ガスは、バッファプレート32を通して前側の分室に導入される。また、吸着材30は、蒸発燃料を吸着する際に温度が上昇することにより、蒸発燃料の吸着効率が低下する。
また、エンジンの運転時には、エンジンの吸気通路すなわちインテークマニホルド内に発生する負圧が、パージポート24から第1の吸着材室19、連通路38、第2の吸着材室20に作用する。これにより、大気中の空気が、大気ポート25から第2の吸着材室20内に導入され、第2の吸着材室20、連通路38、第1の吸着材室19を通り抜ける。これにより、各吸着材室20,19内の吸着材30に吸着されていた蒸発燃料が空気と共に、パージポート24からインテークマニホルド内にパージされ、エンジン内において燃焼に利用される。このようなパージによって、各吸着材室19,20内の吸着材30の吸着能力が再生される。なお、第2の吸着材室20内において、前側の分室に導入された空気は、バッファプレート32を通して後側の分室に導入される。また、吸着材30は、蒸発燃料を離脱する際に温度が低下することにより、蒸発燃料の離脱効率が低下する。
前記キャニスタ10の各吸着材室19,20内に配置されたキャニスタ用蓄熱器41,42について説明する。
図1に示すように、前記第1の吸着材室19内には、扁平な四角形箱状に形成された第1のキャニスタ用蓄熱器(以下、「第1の蓄熱器」という)41が水平状態で配置されている。第1の蓄熱器41の上下両側(図1において紙面表裏両側)は、第1の吸着材室19内の吸着材30の層内に埋設されている。なお、図1では1個の第1の蓄熱器41が示されているが、複数個の第1の蓄熱器41が相互(上下方向)に所定距離を隔てた状態で多層状に配置されることもある。
また、前記第2の吸着材室20(詳しくは、後側(図1において下側)の分室)内には、扁平な矩形状に形成された第2のキャニスタ用蓄熱器(以下、「第2の蓄熱器」という)42が水平状態で配置されている。第2の蓄熱器42の上下両側(図1において紙面表裏両側)は、第2の吸着材室20の後側の分室内に充填される吸着材30の層内に埋設されている。なお、図1では1個の第2の蓄熱器42が示されているが、複数個の第2の蓄熱器42が相互(上下方向)に所定距離を隔てた状態で多層状に配置されることもある。なお、両蓄熱器41,42は、実質的に同一構成をなすものであるから、第1の蓄熱器41について説明し、第2の蓄熱器42についての説明は省略する。なお、図2は蓄熱器を一部破断して示す平面図、図3は図2のIII−III線矢視断面図である。
図2及び図3に示すように、前記第1の蓄熱器41は、金属製の密閉容器44と、その密閉容器44内に収容された蓄熱材45とを備えてなる。蓄熱材45は、凝固あるいは溶融する際の潜熱を利用して前記吸着材30(図1参照)の温度変化を抑制する相変化物質からなる。本実施例では、蓄熱材45として、例えば、融点が18℃で95%以上のノルマルヘキサデカン(C1634)が使用されている。このため、蓄熱材45が溶融する際に、蒸発燃料を吸着する際の吸着材30の熱を奪うことで、吸着材30の温度上昇を抑制する。逆に、吸着材30の温度が18℃以下になるときは、蒸発燃料を離脱する際の蓄熱材45が凝固する際に熱を放出することで、吸着材30の温度低下を抑制する。
図3に示すように、前記密閉容器44は、上面を開口する浅底状の容器本体47と、該容器本体47の上面の開口を塞ぐ平板状の蓋体48とにより構成されている。容器本体47は、例えば、ステンレス製の板材をプレス成形することにより、長四角形状の皿状に形成されている。容器本体47は、四角形状の底板部47aと、底板部47aの外周部から上方へ向かって緩やかに拡がる四角形枠状の側板部47bと、側板部47bの上端部から全周に亘って外側方へ張り出すフランジ部47cとを有している。また、底板部47aと側板部47bとは、R状の底側の円弧状部47dによってなだらかに連続されている。また、側板部47bとフランジ部47cとは、R状のフランジ側の円弧状部47eによってなだらかに連続されている。
前記蓋体48は、例えば、ステンレス製の板材をプレス成形することにより、長四角形板状に形成されている。蓋体48は、前記容器本体47のフランジ部47cを含む上面に整合する外形で形成されている。蓋体48において、容器本体47のフランジ部47cに面接触状に重なり合う外周部分をフランジ部48a、フランジ部48a以外の部分を蓋板部48bという。蓋体48は、蓄熱材45が収容された容器本体47上に載置した状態で、フランジ部47c,48aの重ね合わせ部が全周に亘ってレーザ溶接により封止されることにより、容器本体47の上面の開口を閉鎖している。なお、レーザ溶接による溶接部に符号、49を付す(図1及び図2中、二点鎖線49参照)。また、密閉容器44内には、気相部が残る状態で蓄熱材45が収容されているものとする(図3参照)。また、容器本体47の底板部47a、蓋体48の蓋板部48bに相当する部分は、前後方向(図2において上下方向)に延びる断面波形状に形成されている(図4参照)。
図1に示すように、前記第1の蓄熱器41は、前記第1の吸着材室19内に水平状態で配置されている。詳しくは、前記第1の吸着材室19の左右両側壁すなわちケース本体13の周壁部15の左側壁部と隔壁18との対向壁面に前後方向(図1において上下方向)に延びる直線状の条溝51が形成されており、その両条溝51に前記密閉容器44の両フランジ部47c,48aの左右両側部をスライドさせるように差し込むことによって、該吸着材室19内に水平状態に支持されている。
また、前記第2の蓄熱器42は、前記第2の吸着材室20内に水平状態で配置されている。詳しくは、前記バッファプレート32に第2の吸着材室20(詳しくは、後側(図1において後側)の分室)内に嵌合する筒状部53が形成されており、その筒状部53の左右両側壁の対向壁面に前後方向(図1において上下方向)に延びる直線状の条溝54が形成されており、その両条溝54に前記密閉容器44の両フランジ部47c,48aの左右両側部をスライドさせるように差し込むことによって、該吸着材室20(詳しくは、後側の分室)内に水平状態に支持されている。
前記キャニスタ10の各吸着材室19,20内に配置された蓄熱器41,42によると、吸着材30が蒸発燃料を吸着する際の温度上昇により、蓄熱材45の融点18℃を超えるときには、蓄熱材45が溶融する際に吸着材30の熱を奪うことにより、吸着材30の温度上昇を抑制することができる。このため、吸着材30による蒸発燃料の吸着効率の低下を抑制することができる。
また、吸着材30が蒸発燃料を離脱する際の温度低下により、蓄熱材45の融点18℃以下になるときには、蓄熱材45が凝固する際に熱を放出することにより、吸着材30の温度低下を抑制することができる。このため、吸着材30による蒸発燃料の離脱効率の低下を抑制することができる。
次に、前記蓄熱器41の製造方法について説明する。図4は蓄熱器の製造工程を示す説明図である。なお、図4における図(A)は工程1、図(B)は工程2、図(C)は工程3、図(4)は工程4をそれぞれ示している。
[工程1]
ステンレス製の板材をプレス成形することにより、容器本体47、蓋体48を成形する(図4(A)参照)。
[工程2]
次に、水平状態においた容器本体47内に蓄熱材45を注入して収容する(図4(B)参照)。
[工程3]
次に、水平状態においた容器本体47上に蓋体48を載置し、容器本体47の上面の開口を閉鎖する。(図4(C)参照)。
[工程4]
次に、容器本体47を水平状態においたまま、容器本体47のフランジ部47cと蓋体48のフランジ部48aとの重ね合わせ部を全周に亘ってレーザ溶接により封止する(図4(D)参照)。
このようにして、密閉容器44の完成とともに蓄熱器41が完成する。
しかしながら、前記工程4(図4(D)参照)において、蓄熱材45を収容した密閉容器44に蓋体48をレーザ溶接することにより封止する際、溶接部49と蓄熱材45との間に、レーザ溶接による熱が蓄熱材45に伝わるまでにその熱の温度を蓄熱材45の発火点以下の温度に低下させるための距離すなわち距離L(図3参照)が設定されている。なお、本実施例において、距離Lは、図3に示すように、密閉容器44の側断面において、溶接部49の中心(レーザ中心)から蓄熱材45の液面45aまでの水平方向の距離Lとしている。
具体的には、本実施例の蓄熱材45の発火点は203℃である。また、容器本体47及び蓋体48には、0.6mmの板厚で、融点が1400℃のステンレス製の板材が用いられる。また、レーザ溶接に係るレーザの出力は980(W)で、全周の溶接に係るレーザの照射時間は10(s)である。また、レーザ溶接に係るスポット径は0.19mmである。また、レーザ溶接に係る溶接部49の全長(溶接長)は530mmである。また、レーザ溶接により発生する熱が蓄熱材45の液面45aに伝わるまでにその熱の温度が蓄熱材45の発火点(203℃)以下に低下させるに十分な距離L(本実施例では4mm)が設定されている。したがって、密閉容器44の溶接部49のレーザ溶接による熱の温度が蓄熱材45にその発火点以上の温度で伝熱されない。このため、蓄熱材45を収容した密閉容器44を溶接により封止する際の蓄熱材45の発火を防止することができる。なお、溶接部49のレーザ溶接による熱(レーザ溶接により発生する熱)としては、溶接部49の温度上昇に必要な熱量、溶接部49を融解させるのに必要な熱量、溶接部49の周辺の空気の温度上昇に必要な熱量、レーザにより溶接部49に与えられる熱量を考慮するものとし、熱量計算から距離Lを算出することができる。また、実際に熱量計算、及び、各種実験を行った結果、距離Lは4mm以上とするとよいことが確認された。なお、距離Lが4mm以下では、レーザ溶接により発生する熱が蓄熱材45の液面45aに伝わるまでにその熱の温度が蓄熱材45の発火点(203℃)以下に低下されず、その熱で蓄熱材45が発火することになる。
前記した蓄熱器41の製造方法及びその製造方法により製造された蓄熱器41によると、密閉容器44内に蓄熱材45を収容した後、密閉容器44を溶接により封止する際、密閉容器44の溶接部49と蓄熱材45との間に、溶接による熱が蓄熱材45に伝わるまでにその熱の温度を蓄熱材45の発火点以下の温度に低下させる距離Lを設定するようにしている。したがって、密閉容器44の封止に係る溶接による熱の温度が蓄熱材45にその発火点以上の温度で伝熱されない。このため、蓄熱材45を収容した密閉容器44を溶接により封止する際の蓄熱材45の発火を防止することができる。
また、密閉容器44が、上面を開口する浅底状の容器本体47と、容器本体47の上面の開口を塞ぐ蓋体48とにより構成され、容器本体47内に蓄熱材45を収容した状態で、容器本体47と蓋体48とを全周に亘って溶接により封止するようにしている。したがって、浅底状の容器本体47内を水平状においた状態で、該容器本体47内に蓄熱材45を容易に入れることができるとともに、また、容器本体47を水平状に置いた状態のままで、該容器本体47と蓋体48とを全周に亘って溶接により封止することにより、密閉容器44の完成とともに蓄熱器41を完成することができる。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、密閉容器44の容器本体47及び/又は蓋体48は、ステンレス製に限らず、鉄製、銅製、アルミニウム製等の金属製でもよい。また、蓄熱材45としては、融点が18℃で95%以上のノルマルヘキサデカン(C1634)の他、例えば融点が22℃のヘプタデカン(C1736)を使用することもできる。また、前記実施例では、距離Lを、密閉容器44の側断面において溶接部49の中心(レーザ中心)から蓄熱材45の液面45aまでの水平方向の距離Lとしたが、容器本体47の側断面において溶接部49の中心(レーザ中心)から蓄熱材45の液面45aまでの実距離(実際の距離)としてもよい。また、前記実施例では、密閉容器44の完成とともに蓄熱器41を完成するものを例示したが、密閉容器44は、前記実施例に限られるものではない。例えば、蓄熱材45を注入する注入口を設けた密閉容器44とし、密閉容器44に蓄熱材45を注入した後、注入口を溶接により封止するものでもよい。また、前記実施例では、蓄熱材45を収容した容器本体47を水平状態においたまま、容器本体47のフランジ部47cと蓋体48のフランジ部48aとを全周に亘ってレーザ溶接により封止したが、蓄熱材45を収容する前に、容器本体47のフランジ部47cと蓋体48のフランジ部48aとを全周のうちの一部を未封止部分として残りの部分を溶接により封止しておき、未封止部分の両フランジ部47c,48aの間から容器本体47内に蓄熱材45を注入して収容した後で未封止部分を溶接により封止することもできる。この場合、蓄熱材45を収容した密閉容器44を水平状態においたままで未封止部分を溶接により封止することができる他、未封止部分を上向きとするように容器部分を傾けたり、縦向きにしたりした状態で未封止部分を溶接により封止することもできる。
10…キャニスタ
12…キャニスタケース
41,42…蓄熱器
44…密閉容器
45…蓄熱材
47…容器本体
48…蓋体
49…溶接部

Claims (3)

  1. キャニスタのキャニスタケース内に配置される金属製の密閉容器と、前記密閉容器内に収容された蓄熱材とを備えるキャニスタ用蓄熱器の製造方法であって、
    前記密閉容器内に前記蓄熱材を収容した後、該密閉容器を溶接により封止する際、密閉容器の溶接部と蓄熱材との間に、溶接による熱が蓄熱材に伝わるまでにその熱の温度を蓄熱材の発火点以下の温度に低下させる距離を設定するようにしたことを特徴とするキャニスタ用蓄熱器の製造方法。
  2. 請求項1に記載のキャニスタ用蓄熱器の製造方法であって、
    前記密閉容器が、上面を開口する浅底状の容器本体と、該容器本体の上面の開口を塞ぐ蓋体とにより構成され、
    前記容器本体内に前記蓄熱材を収容した状態で、前記容器本体と前記蓋体とを全周に亘って溶接により封止する
    ことを特徴とするキャニスタ用蓄熱器の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のキャニスタ用蓄熱器の製造方法により製造されたことを特徴とするキャニスタ用蓄熱器。
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JP2006233962A (ja) * 2005-01-28 2006-09-07 Aisan Ind Co Ltd キャニスタおよびキャニスタの製造方法
JP2008038688A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Toyota Motor Corp キャニスタ

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