JP2010223097A - 車両用内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

車両用内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変動弁機構を備えた車両用内燃機関において、加速後の定常状態におけるバルブタイミングの目標値への収束時期の遅れを低減しつつ、加速運転時におけるトルク応答の低下を抑制する。
【解決手段】車両用エンジン101は、吸気バルブ105のバルブタイミングを可変とするVTC機構113aを備える。エンジンコントロールユニット(ECU)114は、加速運転時においては、VTC機構113aの動作状態に応じて吸気バルブ105のバルブタイミングの加速時目標値を設定し、この設定した加速時目標値に基づいてVTC機構113aを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変動弁機構を備えた車両用内燃機関の可変動弁装置に関する。
特許文献1には、加速状態から定常状態に移行する場合に、加速状態においては吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングを変更させずに、加速状態が収束してから吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングを変更させることが記載されている。
特開2007−32515号公報
しかし、加速状態においてバルブタイミングを変更させないと、バルブタイミングが移行後の定常状態における目標値に収束するまでに多くの時間を要することになる。
一方、加速状態におけるシリンダ吸入空気量は吸気バルブの閉時期および吸気管圧の影響を受ける。このため、加速状態において吸気バルブのバルブタイミングを変更すると、例えば加速初期の吸気管圧の立ち上がりの遅れ期間に吸気バルブの閉時期が体積効率を低下させる方向に変化して、加速時のトルク応答が低下してしまうおそれがある。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変動弁機構を備えた車両用内燃機関において、加速後の定常状態における目標値への収束遅れを低減しつつ、加速運転時におけるトルク応答の低下を抑制することを目的とする。
本発明の一側面によると、吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変動弁機構を備えた車両用内燃機関の可変動弁装置は、加速運転時において、前記可変動弁機構の動作状態に応じて前記吸気バルブのバルブタイミングの加速時目標値を設定し、この設定した加速時目標値に基づいて前記可変動弁機構を制御する。
上記車両用内燃機関の可変動弁装置によれば、加速運転時には可変動弁機構の動作状態に応じて加速時目標値を設定して該可変動弁機構を制御するので、例えばトルク応答が低下する方向へのバルブタイミングの変化量を制限しながら吸気バルブのバルブタイミングを変化させることができる。これにより、加速後の定常状態における目標値への収束遅れを低減しつつ、加速運転時のトルク応答の低下を抑制できる。
実施形態による車両用内燃機関のシステム構成図である。 VEL機構およびVTC機構を示す図である。 VEL機構の部分断面図である。 VTC機構の構造を示す図である。 低回転・低中負荷領域におけるバルブタイミングの例を示す図である。 減速領域におけるバルブタイミングの例を示す図である。 緩加速状態を判定する処理の一例を示す図である。 緩加速状態における吸気側のVTC機構の制御フローチャートである。 吸気バルブの進角量制限値を設定する処理の一例を示す図である。 吸気バルブの現在のバルブタイミングが進角許容範囲内にあるか否かを判定する処理の一例を示す図である。 図8のステップS2における判定結果に基づくステップS3およびS4における処理を示す図である。 緩加速状態におけるアクセル開度、エンジントルクおよび吸気バルブのバルブタイミングのそれぞれの変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、実施形態による車両用内燃機関のシステム構成図である。図1において、内燃機関(エンジン)101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、この電子制御スロットル104および吸気バルブ105を介して燃焼室106内に空気が吸入される。
各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート130には、電磁式の燃料噴射弁131がそれぞれ設けられている。この燃料噴射弁131は、後述するECU114によって開弁駆動され、その開弁時間に比例する量の燃料を噴射する。なお、ここでは吸気ポート130に燃料を噴射する構成としているが、燃料噴射弁131を各気筒の燃焼室106に臨ませて配設し、燃焼室106内に燃料を直接噴射する構成としてもよい。
燃料噴射弁131から噴射された燃料は、空気と共に燃焼室106内に吸引され、図示省略した点火プラグ等による火花点火によって着火し燃焼する。
燃焼排気は、燃焼室106から排気バルブ107を介して排気管108に排出され、フロント触媒109aおよびリア触媒109bで浄化された後、大気中に放出される。
排気バルブ107は、排気側カム軸110に設けられたカム111によって開閉駆動される。排気バルブ107には、VTC(Variable valve Timing Control)機構113bが設けられており、このVTC機構113bによって、その作動角(開弁作用角)およびリフト量(開弁期間中の最大リフト量)を一定に保ったまま、作動角の中心位相が可変とされる。VTC機構113bは、クランク軸120に対する排気側カム軸110の回転位相を変化させることにより、排気バルブ107の作動角の中心位相を連続的に変更できる機構である。
吸気バルブ105は、吸気側カム軸3(図2参照)の回転によって開閉駆動される。吸気バルブ105には、VEL(Variable valve Event and Lift)機構112およびVTC(Variable valve Timing Control)機構113aが設けられおり、その開特性、すなわち、作動角(開弁作用角)、リフト量(開弁期間中の最大リフト量)および作動角の中心位相が可変とされる。VEL機構112は、吸気バルブ105の作動角の中心位相を保持したまま作動角およびリフト量を連続的に変更できる機構であり、VTC機構113aは、クランク軸120に対する吸気側カム軸3の回転位相を変化させることにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に変更できる機構である。
なお、吸気側のVTC機構113aと排気側のVTC機構113bとは同一の構成を有するものである。
マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントロールユニット(ECU)114は、各種センサ等からの信号を入力し、これら入力した信号に基づいて電子制御スロットル104、VEL機構112、VTC機構113a,113bおよび燃料噴射弁131などを制御する。
上記各種センサとして、エンジン101の吸入空気量Qを検出するエアフローメータ115、アクセル開度APOを検出するアクセルセンサ116、クランク軸120から基準位置信号REFおよび単位角度信号POSを取り出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度(スロットル開度)TVOを検出するスロットルセンサ118、エンジン101の冷却水温度TWを検出する水温センサ119、吸気側カム軸3から基準位置信号(カム信号)CAMiを取り出すカムセンサ132、排気側カム軸110から基準位置信号(カム信号)CAMeを取り出すカムセンサ133、VEL機構112の制御軸13(図2,3参照)の回転角度θを検出する角度センサ134、吸気管圧力(ブースト)PBを検出する吸気管圧センサ135などが設けられている。なお、エンジン101の回転速度Neは、例えばクランク角センサ117から出力される基準位置信号REFの検出間隔(時間間隔)に基づいて算出される。
ここでは、ECU114がVEL機構112およびVTC機構113a,113bを制御しているが、ECU114とは別に設けたコントロールユニットによってVEL機構112および/またはVTC機構113a、113bを制御するようにしてもよい。
図2は、吸気バルブ105側に設けられたVEL機構112およびVTC機構113を示している。本実施形態において、エンジン101は、各気筒に一対の吸気バルブ105を有しており、これら吸気バルブ105の上方に、クランク軸120によって回転駆動される吸気側カム軸3が気筒列方向に沿って回転可能に支持されている。吸気側カム軸3には、吸気バルブ105のバルブリフタ105aに当接して吸気バルブ105を開閉駆動する揺動カム4が相対回転可能に外嵌されている。
VEL機構112は、揺動カム4の姿勢を変化させることで吸気バルブ105の作動角およびリフト量を変更する。なお、図2においては、一対の吸気バルブ105の一方についてVEL機構112を図示することにし、他方についてはこれを省略する。また、VTC機構113aは吸気側カム軸3の一端部に配設される。
図3は、VEL機構112の部分断面図である。図2,3に示すように、VEL機構112は、吸気側カム軸3に対して偏心して固定された円形の駆動カム11と、この駆動カム11に相対回転可能に外嵌するリング状リンク12と、吸気側カム軸3と略平行に気筒列方向へ延びる制御軸13と、この制御軸13に対して偏心して固定された円形の制御カム14と、この制御カム14に相対回転可能に外嵌すると共に一端がリング状リンク12の先端に連結されたロッカアーム15と、このロッカアーム15の他端と揺動カム4とに連結されたロッド状リンク16と、を有している。
制御軸13は、モータ等のアクチュエータ17によってギヤ列18を介して回転駆動される。制御軸13の外周には可動側ストッパ13aが突出形成されている。制御軸13が回転して可動側ストッパ13aが例えばシリンダヘッドに設けられた固定側ストッパ(図示省略)に当接すると、制御軸13のそれ以上の回転が制限される。ここで、可動側ストッパ13aが固定側ストッパに当接する制御軸13の回転位置(角度)は、吸気バルブ105のリフト量が最も小さくなる回転位置(角度)となっている。なお、吸気バルブ105のリフト量が最も大きくなる回転位置(角度)で当接する可動側ストッパおよび固定側ストッパをさらに設けるようにしてもよい。
このような構成により、クランク軸120に連動して吸気側カム軸3が回転すると、駆動カム11を介してリング状リンク12がほぼ並進移動すると共に、ロッカアーム15が制御カム14の軸心回りに揺動し、ロッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して吸気バルブ105が開閉駆動される。
また、モータ17を制御して制御軸13の回転角度を変化させることにより、ロッカアーム15の揺動中心となる制御カム14の軸心位置が変化して、揺動カム4の姿勢が変化する。これにより、吸気バルブ105は、その作動角の中心位相を略一定としたままで、リフト量(および作動角)が連続的に変化する。
そして、ECU114は、エンジン運転条件に基づいて制御軸13の目標角度(吸気バルブ105の目標リフト量・目標作動角に相当する)を設定し、角度センサ133により検出された制御軸13の回転角度(吸気バルブ105の実際のリフト量および作動角に相当する)θが上記目標角度となるように、アクチュエータ17に出力する制御信号をしてVEL機構112を制御する。
なお、角度センサ133としては、例えば、制御軸13の端部に装着されるマグネットと、このマグネットの外周面に対向配置される磁電変換手段とを有し、制御軸13の回転に伴う磁束の変化に基づいて制御軸13の回転角度θを検出する非接触型の回転角センサを用いることができる。但し、これに限るものではなく、例えばポテンショメータを用いた接触型の回転角センサであってもよい。
図4は、VTC機構113a,113bの構造を示している。
本実施形態では、ベーン式のVTC機構を採用している。但し、これに限るものではなく、クランク軸120に対する吸気側カム軸3または排気側カム軸110の回転位相を変化させる構成の種々のVTC機構を採用することが可能である。
図4において、VTC機構113a,113bは、クランク軸120によって図示しないタイミングチェーンまたはタイミングベルトを介して回転駆動されるカムスプロケット51と、吸気側カム軸3の端部に固定されカムスプロケット51内に回転自在に収容された回転部材53と、この回転部材53をカムスプロケット51に対して相対的に回転させる油圧回路54と、カムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置を所定位置で選択的にロックするロック機構60と、を備える。
カムスプロケット51は、その外周にタイミングチェーンまたはタイミングベルトが噛合する歯部を有する回転部(図示省略)と、回転部材53を回転自在に収容するハウジング56と、カバー部材(図示省略)と、を備える。
ハウジング56は、略円筒状に形成され、その両端の開口部がカバー部材によってそれぞれ閉塞される。ハウジング56の内周面には、ハウジング56の内側に向けて突出する4つ隔壁部63が周方向に90°間隔で設けられている。
回転部材53は、吸気側カム軸3の端部に固定されており、円環状の基部77と、この基部77の外周面に90°間隔で設けられた4つのベーン(第1ベーン78a〜第4ベーン78d)と、を有する。
回転部材53の第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれハウジング56に形成された各隔壁部63の間に配置される。第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれ各隔壁部63の間に形成される空間を回転方向(周方向)に2つ分けて、進角側油圧室82と遅角側油圧室83とを形成する。
油圧回路54は、進角側油圧室82に対して油圧の供給・排出を行う第1油圧通路91と、遅角側油圧室83に対して油圧の供給・排出を行う第2油圧通路92との2系統の油圧通路を有している。第1,第2油圧通路91,92には、油圧供給通路93と油圧排出通路94a,94bとがそれぞれ電磁式の通路切換弁95を介して接続されている。
油圧供給通路93の上流側には、オイルパン96内の作動油を圧送するオイルポンプ97が設けられており、油圧排出通路94a,94bの下流端は、オイルパン96に接続されている。
第1油圧通路91は、回転部材53の基部77内に略放射状に形成されて各進角側油圧室82に連通する4つの分岐通路91a〜91dに接続され、第2油圧通路92は、各遅角側油圧室83に開口する4つの油孔92a〜92dに接続されている。
通路切換弁95は、内部のスプール弁体によって、第1,第2油圧通路91,92と、油圧供給通路93および油圧排出通路94a,94bとの間の接続を切り換える。
ロック機構60は、ロックピン84およびピン孔(図示省略)を有し、回転部材53の初期位置においてロックピン84がピン孔に挿入してカムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置をロックして、VTC機構113a,113bを機械的に固定保持する。なお、本実施形態において、吸気側のVTC機構113aの初期位置は、吸気バルブ105の作動角の中心位相が最も遅れた位置、すなわち、吸気バルブ105のバルブタイミングが最も遅れた時期となる「最遅角位置」とし、排気側のVTC機構113bの初期位置は、排気バルブ107の作動角の中心位相が最も進んだ位置、すなわち、排気バルブ107のバルブタイミングが最も進んだ時期となる「最進角位置」としている。
ECU114は、通路切換弁95を駆動する電磁アクチュエータ99に対する通電量をデューティ制御信号に基づいて制御する。
例えば、吸気側のVTC機構113aにおいては、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)が出力されると、オイルポンプ97から圧送された作動油が第2油圧通路92を通って遅角側油圧室83に供給され、進角側油圧室82内の作動油が第1油圧通路91を通って油圧排出通路94aからオイルパン96に排出される。この場合、遅角側油圧室83内の圧力が高くなり、進角側油圧室82内の圧力が低くなるため、回転部材53は、第1〜第4ベーン78a〜78dを介して遅角側へと最大に回転して吸気バルブ105のバルブタイミング(作動角の中心位相)が遅くなる。
また、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)が出力されると、オイルポンプ97から圧送された作動油が第1油圧通路91を通って進角側油圧室82に供給され、遅角側油圧室83内の作動油が第2油圧通路92を通って油圧排出通路94bからオイルパン96に排出される。この場合、進角側油圧室82内の圧力が高くなり、遅角側油圧室83内の圧力が低くなるため、回転部材53は、第1〜第4ベーン78a〜78dを介して進角側に最大に回転して吸気バルブ105のバルブタイミング(作動角の中心位相)が早くなる。
一方、排気側のVTC機構113bにおいては、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力されると、進角側油圧室82内の圧力が高く、進角側油圧室83内の圧力が低くなり、回転部材53が、第1〜第4ベーン78a〜78dを介して進角側へと最大に回転して排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)が早くなる。
また、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)が出力されると、進角側油圧室82内の圧力が低く、遅角側油圧室83内の圧力が高くなり、回転部材53が、第1〜第4ベーン78a〜78dを介して遅角側に最大に回転して排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)が遅くなる。
そして、ECU114は、エンジン運転条件に基づいて吸気バルブ105および排気バルブ107についてそれぞれ作動角の中心位相の目標値を設定し、吸気バルブ105の作動角の中心位相(実際値)および排気バルブ107の作動角の中心位相(実際値)がそれぞれの目標値となるように電磁アクチュエータ99をフィードバック制御する。
ここで、吸気バルブ105の作動角の中心位相の目標値は上記「最遅角位置」からの進角値(以下「吸気バルブ105の目標進角値」という)として設定され、排気バルブ107の作動角の中心位相の目標値は上記「最進角位置」からの遅角値(以下「排気バルブ107の目標遅角値」という)として設定される。また、吸気バルブ105の作動角の中心位相(実際値)、すなわち、吸気バルブ105の実際(現在)のバルブタイミングは、クランク角センサ117から出力される基準位置信号REFおよびカムセンサ132から出力されるカム信号CAMiに基づいて算出される。同様に、排気バルブ107の作動角の中心位相(実際値)、すなわち、排気バルブ107の実際(現在)のバルブタイミングは、クランク角センサ117から出力される基準位置信号REFおよびカムセンサ133から出力されるカム信号CAMeに基づいて算出される。
ECU114による制御をより具体的に説明すれば、本実施形態において、ECU114は、エンジン回転速度Neおよびエンジン負荷に応じて制御軸13の目標角度を記憶したマップ、エンジン回転速度Neおよびエンジン負荷に応じた吸気バルブ105の目標進角値を記憶したマップ、および、エンジン回転速度Neおよびエンジン負荷に応じた排気バルブ107の目標遅角値を記憶したマップを有している。そして、ECU114は、エンジン回転速度Neおよびエンジン負荷を入力し、入力したエンジン回転速度Neおよびエンジン負荷に基づいて各マップを参照してVEL機構112の制御軸13の目標角度(TRG_θ)、吸気バルブ105の目標進角値(TRG_VTCi)および排気バルブ107の目標遅角値(TRG_VTCe)を設定し、これら設定した各目標値に基づいてVEL機構112、VTC機構113aおよびVTC機構113bを制御する。
ここで、以下の説明においては上記各マップを参照して設定した各目標値を「基本目標値」という場合がある。また、上記エンジン負荷としては、アクセル開度APO、エンジントルク、吸気管圧PB、吸入空気量Qなどを用いることができる。
但し、本実施形態においては、エンジン回転速度Neおよびアクセル開度APOに基づいて目標エンジントルク(TRG_TRQ)を演算し、この目標エンジントルク(TRG_TRQ)およびエンジン回転速度Neに基づいて上記各目標値(基本目標値)を設定するものとする。
図5、6は、本実施形態において設定される吸気バルブ105および排気バルブ107のバルブタイミングの例を示している。
図5は、低回転・低中負荷領域におけるバルブタイミングの例を示し、図6は、減速領域(減速状態)におけるバルブタイミングの例を示している。なお、図5、6において、吸気上死点が0°CA、吸気下死点が180°CA、排気上死点が360°CA、排気下死点が540°CAである。
本実施形態において、低回転・低中負荷領域では、図5に示すように、吸気バルブ105の開時期(IVO)を上死点またはその近傍に設定すると共に、吸気バルブ105の閉時期(IVC)を下死点よりも進角側に設定する。また、排気バルブ107の閉時期(EVC)を上死点よりも遅角側に設定する。このような設定とすることにより、低回転・低中負荷領域においては、有効圧縮比を下げてポンプロスを低減させると共に、排気管108から燃焼ガスを燃焼室106内に導入することで燃料消費率の低減を図っている。吸気バルブ105の開時期(IVO)を上死点よりも進角側に設定することもできる。このようにすれば、吸気管102への吹き返しを生じさせ、この吹き返しガスを燃焼室106内に再導入させることができ、さらに燃料消費率の低減を図ることができる。
一方、減速領域(アクセルオフ領域)では、図6に示すように、吸気バルブ105の閉時期(IVC)を下死点またはその近傍に設定し、排気バルブ107の閉時期(EVC)を上死点またはその近傍に設定する。これにより、スロットルバルブ103bが閉じられて吸入空気量が減少する減速領域(減速状態)において、例えば比較的低いエンジン回転速度で減速状態に移行して燃料カットが実施されなかった場合に、吸入空気(新気)量を増加させる(体積効率を高める)方向に制御すると共に排気管108からの燃焼ガスの導入を抑制するようにして、燃焼室106内の燃焼ガスの割合が増大して燃焼が不安定となることを抑制する。
なお、他の運転領域については図示省略するが、基本的には、排気バルブ107の閉時期(EVC)を上死点よりも遅角側に設定し、吸気バルブ105については、その開時期(IVO)を上死点またはその近傍に設定すると共に、その閉時期(IVC)を下死点またはその近傍に設定する。これにより、有効圧縮比を増加させて出力の向上を図る。このとき、適切なバルブオーバーラップを設けることにより、吸気管102に吹き返した燃焼ガスの再導入および排気管108からの燃焼ガスの導入によって、要求出力を維持しつつ燃料消費率の低減を図ることができる。ここで、高回転領域においては、吸気バルブ105の閉時期(IVC)を下死点よりも遅角側に設定することも可能である。この場合には、慣性過給効果によってシリンダ充填効率が増大し、出力の向上を図ることができるからである。
ところで、以上のようにバルブタイミングを可変とする本実施形態においては、減速状態にてアクセルがオンされて加速運転となると、吸気バルブ105のバルブタイミングの進角要求が発生することになる。これにより、吸気バルブ105の閉時期(IVC)は下死点またはその近傍の位置から更に進角側の位置へと変化する。
加速によってスロットルバルブ103bを開いていくが、吸気管圧PBの立ち上がり等には遅れがあり、上記進角要求に応じて吸気バルブ105のバルブタイミングを進角してしまうと、体積効率が低下し、空気(新気)が燃焼室106内に吸入されにくくなって所望のトルク応答を得られないおそれがある。
そこで、ECU114は、減速運転からの加速運転時、特にエンジン運転条件が減速領域から低回転・低中負荷領域へと変化する緩加速状態においては、吸気バルブ105の閉時期(IVC)の進角方向の変化量を制限することにより、エンジン運転条件の変化に対する吸気バルブ105のバルブタイミングの変化を遅延させて、トルク応答の低下を抑制する。
図7は、上記緩加速状態を判定する処理の一例を示している。この処理は、減速状態にてアクセルが踏み込まれたとき、すなわち、アクセルオフの状態からアクセルオンの状態となったときに実施される。
図7において、目標エンジントルク演算部B1は、アクセル開度APOおよびエンジン回転速度Neを入力し、これら入力したアクセル開度APOおよびエンジン回転速度Neに基づいて目標エンジントルク(TRG_TRQ)を演算する。そして、その演算結果を運転領域判定部B2に出力する。
運転領域判定部B2は、目標エンジントルク(TRG_TRQ)およびエンジン回転速度Neを入力し、これら目標エンジントルク(TRG_TRQ)およびエンジン回転速度Neに基づいて目標とする運転領域を演算する。そして、この目標とする運転領域が低回転・低中負荷領域(図中のハッチング部)である場合に緩加速状態であると判定する。但し、これに限るものではなく、簡易には、減速状態にてアクセルが踏み込まれ、そのアクセル開度APOが予め設定された所定値(しきい値)以下の場合に緩加速状態であると判定することもできる。
図8は、緩加速状態における吸気側のVTC機構113aの制御フローチャートであり、図7に示した処理によって緩加速状態であると判定したときに実行される。
図8において、ステップS1では、吸気バルブ105のバルブタイミングの進角量制限値(VTCi_LIM)を設定する。進角量制限値(VTCi_LIM)の設定は、例えば図9に示すような処理によって行う。
図9は、進角量制限値(VTCi_LIM)を設定する処理の一例を示している。図9において、目標エンジントルク演算部B11は、図6の目標エンジントルク演算部B1と同様、アクセル開度APOおよびエンジン回転速度Neに基づいて目標エンジントルク(TRG_TRQ)を演算し、その演算結果を目標体積効率演算部B12に出力する。
目標体積効率演算部B12は、目標エンジントルク(TRG_TRQ)およびエンジン回転速度Neを入力し、エンジン回転速度Neに応じて目標エンジントルク(TRG_TRQ)を体積効率(ITAV)に変換する。そして、その変換結果を目標体積効率(TRG_ITAV)として出力する。
一方、BDC体積効率演算部B13は、アクセル開度APOおよびエンジン回転速度Neを入力し、これらアクセル開度APOおよびエンジン回転速度Neに基づいて吸気バルブ105の閉時期(IVC)が下死点(BDC)であるときの体積効率を演算する。そして、その演算結果をBDC時体積効率(ITAV_BDC)として出力する。
除算部B14は、上記目標体積効率(TRG_ITAV)を上記BDC時体積効率(ITAV_BDC)で除算し、その結果を目標体積効率比(TRG_ITAVR=TRG_ITAV/ITAV_BDC)として出力する。
IVC制限値演算部B15は、例えば図中に示すような変換テーブルを用いて、入力した目標体積効率比(TRG_ITAVR)からIVC制限値(IVCi_LIM)を演算し、その演算結果を出力する。なお、上記変換テーブルは、吸気バルブ105の閉時期(IVC)の変化と有効圧縮比の変化との関係から設定することができる。また、演算されたIVC制限値(IVCi_LIM)は、上記目標体積効率(TRG_ITAV)を実現できる吸気バルブ105の閉時期(IVC)に相当する。更に言えば、吸気バルブ105の閉時期(IVC)をIVC制限値(IVCi_LIM)よりも進角させると、体積効率が上記目標体積効率(TRG_ITAV)を下回り、トルク低下を招くおそれがある。
中心角制限値演算部B16は、吸気バルブ105の実際の閉時期(IVCi_R)が上記IVC制限値(IVCi_LIM)となるような吸気バルブ105の作動角の中央位置(中心角)を演算し、その演算結果を中心角制限値(CENTi_LIM)として出力する。
本実施形態では、吸気バルブ105についてはVEL機構112によって作動角の中心位相を保持したまま作動角(およびリフト量)が変更されるようになっており、吸気バルブ105の作動角は制御軸13の回転角度θによって決まる。そして、吸気バルブ105の作動角は吸気バルブ105の開期間のクランク角度であるから、吸気バルブ105の開期間の中央位置から作動角の半分の角度だけ前のクランク角が吸気バルブ105の開時期(IVO)となり、吸気バルブ105の開期間の中央位置から作動角の半分の角度だけ後のクランク角が吸気バルブ105の閉時期(IVC)となる。そこで、中心角制限値演算部B16は、制御軸13の回転角度θ(または目標角度TRG_θ)から吸気バルブ105の作動角(開期間のクランク角度)を求め、その半分の角度(図中、VEL/2と記す)を上記IVC制限値(IVCi_LIM)から減算することで中心角制限値(CENTi_LIM)を算出する。
進角量制限値演算部B17は、中心角制限値(CENTi_LIM)から最遅角時の中心角を減算し、その結果を進角量制限値(VTCi_LIM)とする。なお、最遅角時の中心角は、VTC機構113aを初期位置(最遅角位置)としたときの吸気バルブ105の作動角の中心位置であり、制御軸13の回転角度θ(または目標角度TRG_θ)から吸気バルブ105の作動角(開期間のクランク角度)を求め、この求めた作動角の半分の角度を最遅角値の閉時期(IVC)から減算することで算出できる。
図8に戻って、ステップS2では、吸気バルブ105の現在のバルブタイミング(VTCi_NOW)が進角許容範囲内にあるか否か、すなわち、VTC機構113aによるバルブタイミングの進角方向への変更が許容されるか否かを判定する。そして、現在のバルブタイミング(VTCi_NOW)が進角許容範囲内にあればステップS3に進み、進角許容範囲内になければステップS4に進む。
図10は、現在のバルブタイミング(VTCi_NOW)が進角許容範囲内にあるか否かを判定する処理の一例を示している。
図10において、差分演算部B21は、進角量制限値(VTCi_LIM)と現在のバルブタイミング、すなわち、進角量(VTCi_NOW)との差分ΔVTCi(=VTCi_LIM−VTCi_NOW)を演算し、その演算結果を比較部B22に出力する。
比較部B22は、ΔVTCiと所定値(許容値)Aとを比較し、ΔVTCi>Aであれば、現在のバルブタイミングから更に進角側に制御しても進角量制限値(VTCi_LIM)を超えないと判断し現在のバルブタイミングが進角許容範囲内にあると判定する。一方、ΔVTCi≦Aであれば、現在のバルブタイミングから更に進角側に制御すると進角量制限値(VTCi_LIM)を超えるおそれがあると判断し現在のバルブタイミングが進角許容範囲外にあると判定する。
ここで、比較部B22は、現在のバルブタイミングが進角許容範囲外にあると判定したときに出力(判定フラグfVTCi_OUT_LIM)を1(ハイレベル)とし、現在のバルブタイミングが許容範囲内にあると判定したときに出力(判定フラグfVTCi_OUT_LIM)を0(ローレベル)とする。
また、上記判定値(許容値)Aとしては、例えば一回の操作によってVTC機構113aが変更可能な進角量(最大進角量)を設定することができる。
ステップS3では、既述したように目標エンジントルク(TRG_TRQ)およびエンジン回転速度Neに基づいて演算される基本目標値(TRG_VTCi)を、緩加速状態における吸気バルブ105のバルブタイミングの目標進角値(TRG_VTCi_A)として設定する。すなわち、目標進角値(TRG_VTCi_A)が新たに設定される(更新される)。
一方、ステップS4では、前回設定された緩加速状態における目標進角値、すなわち、ステップS3において現在のバルブタイミングが進角許容範囲外にあると判定される前に設定された目標進角値(TRG_VTCi_A(前回値))をそのまま保持する。
図11は、ステップS2における判定結果に基づくステップS3およびS4における処理を示している。図11において、基本目標値演算部B31は、目標エンジントルク(TRG_TRQ)およびエンジン回転速度Neを入力し、吸気バルブ105のバルブタイミングの基本目標値(TRG_VTCi)を演算する。
目標進角値設定部B32、図10の比較部B22からの出力(fVTCi_OUT_LIM)に応じて次のように動作する。すなわち、fVTCi_OUT_LIM=0であれば、基本目標値演算部B31で演算された基本目標値(TRG_VTCi)をそのまま緩加速状態における目標進角値(TRG_VTCi_A)とする。一方、fVTCi_OUT_LIM=1であれば、緩加速状態における目標進角値を前回設定された緩加速状態における目標進角値のままとし、目標進角値を変化させない。
ステップS5では、緩加速状態が終了したか否かを判定する。そして、緩加速状態が終了していなければステップS1〜S4の処理を継続し、緩加速状態が終了していれば本フローを終了する。例えば、吸気管圧センサ135によって検出された吸気管圧PBが予め設定された所定値(しきい値)以上となったときに緩加速状態が終了したと判定する。この場合において、スロットル開度TVOやエンジン回転速度Neに応じて上記所定値(しきい値)を可変とすることができる。
本実施形態において、吸気側のVTC機構113aが本発明の「可変動弁機構」に相当し、ECU114が上記図8に示すフローチャートに従った処理を実行することにより本発明の「制御手段」が実現される。
図12は、緩加速状態におけるアクセル開度APO、エンジントルクTRQおよび吸気バルブ105のバルブタイミングのそれぞれの変化を示すタイムチャートである。
本実施形態において、緩加速状態には、エンジン運転条件と、吸気バルブ105のバルブタイミング(換言すれば、吸気側のVTC機構113aの動作状態)とに応じて、吸気バルブ105のバルブタイミングの緩加速状態における目標進角値(TRG_VTCi_A)が決定される。そして、この緩加速状態における目標進角値(TRG_VTCi_A)に基づいてVTC機構113aを制御することにより、吸気バルブ105の閉時期(IVC)がIVC制限値(IVC_LIM)を超えて進角されることが抑制される。
この結果、図12に示すように、本実施形態(実線)では、単に基本目標値(TRG_VTCi)に基づいてVTC機構113aを制御していた従来(破線)に比べて、吸気バルブ105のバルブタイミングの進角方向の変化量が制限され、エンジン運転条件の変化に対する吸気バルブ105のバルブタイミングの変化が遅延される。そして、この遅れによって、吸気管圧PBが増大傾向を示すようになってから(シリンダ充填効率が高くなってから)吸気バルブ105の閉時期(IVC)を進角変化させることとなり、シリンダ吸入空気量の落ち込みが抑制され、加速のもたつき感を軽減できる。
これにより、本実施形態によれば、シリンダ吸入空気量が落ち込んでエンジントルクの立ち上がり応答が十分に得ることができなかった従来(破線)に比べて、加速運転時におけるエンジントルクの立ち上がり応答が改善され、ほぼリニアなトルク上昇が得ることができる。
なお、上記実施形態では緩加速状態(すなわち、減速状態からの加速運転時)を対象としているが、これに限るものではなく、加速運転時であって前記吸気バルブの閉時期を下死点前で進角方向に変化させる場合に適用することができる。
例えばアイドル運転などの低回転・低負荷領域からの加速時に吸気バルブの閉時期を下死点前の領域で進角方向に変化させる場合には、加速によって吸気管圧PBが低い状態から高い状態へと制御されることになる。ここで、例えば加速初期時の吸気管圧PBの増大変化が鈍い状態で(すなわち、吸気管圧PBの立ち上がりの遅れ期間中に)吸気バルブの閉時期を進角させてしまうと、シリンダ吸入空気量(シリンダ充填効率)が落ち込んで、トルクの立ち上がり応答が遅れて加速のもたつき感を運転者に与えるおそれがある。このような場合においても、上述の制御を適用してエンジン運転条件の変化に対する吸気バルブのバルブタイミングの変化を遅延させることにより、加速のもたつき感を軽減することができる。
また、上記実施形態では吸気バルブ105のバルブタイミングが進角許可領域内にあるときには基本目標値(TRG_VTCi)をそのまま緩加速状態における目標進角値(TRG_VTCi_A)とし、進角許可領域内にないときは前回設定した目標進角値をそのまま今回の目標進角値として用いるようにしている。
しかし、これに限るものではなく、進角量制限値(VTCi_LIM)に基づいて緩加速状態における目標進角値(TRG_VTCi_A)を設定してもよい。また、基本目標値(TRG_VTCi)と進角量制限値(VTCi_LIM)とを比較して小さい方を選択し、選択した値に基づいて緩加速状態における目標進角値(TRG_VTCi_A)を設定してもよい。これらの場合において、進角量制限値(VTCi_LIM)に代えて該進角量制限値(VTCi_LIM)に1未満の係数k(例えば、k=0.7〜0.9)を乗算した値とすることもできる。このようにすれば、緩加速状態において、吸気バルブ105の閉時期(IVC)がIVC制限値(IVC_LIM)を超えて進角されることがさらに抑制される。
さらに、本実施形態においては、減速状態にてアクセルがオンされて加速運転となると、排気バルブ107のバルブタイミングについては遅角要求が発生し、これにより、排気バルブ107の閉時期(EVC)が上死点またはその近傍の位置から更に遅角側の位置へと変化することになる(図5,6参照)。排気バルブ107の閉時期(EVC)が遅角制御されると、排気管108から燃焼室106に燃焼ガスが導入されて燃焼室106内における燃焼ガスの割合が増加して(すなわち、新気の割合が減少して)トルク応答が低下するおそれがある。そこで、排気バルブ107のバルブタイミングについても、上記実施形態における吸気バルブ105のバルブタイミングについての処理と同様の処理を施し、加速運転時に燃焼室106内に導入される燃焼ガス量を調整するようにしてもよい。
この場合、例えばトルク応答が低下する限界燃焼ガス量を予め設定しておき、燃焼室106内に導入される燃料ガス量が設定された限界燃焼ガス量を超えないように、排気バルブ107のバルブタイミングの遅角方向への変化量を制限する。これにより、エンジン運転条件の変化に対する排気バルブ107のバルブタイミングの変化を遅延させる。
燃焼室106内に導入される燃焼ガス量は、例えば特開2001−221005号公報に記載されているように、吸気バルブ105のバルブタイミング(吸気バルブ105の開時期IVO)、排気バルブ107のバルブタイミング(排気バルブ107の閉時期EVC)およびエンジン回転速度Neに基づいて推定できる。よって、上記限界燃焼ガス量となる排気バルブ107の閉時期(EVC)をEVC制限値として設定し、上記実施形態と同様の処理を行えばよい。
ここで、上記実施形態およびその変形例から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)前記加速運転時は減速状態からの加速運転時である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の可変動弁装置。
(ロ)前記加速運転時は減速状態にてアクセルがオンされた場合であってそのアクセル開度が所定値(しきい値)以下のときである、請求項1〜3および(イ)のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の可変動弁装置。
(イ)および(ロ)によれば、例えば加速後の燃費要求などによって減速状態から加速した場合に吸気バルブの閉時期を進角制御する構成において、加速途中に吸気バルブの閉時期が進角されることで空気(新気)が吸入されにくい状態となり、加速がもたつく減少が発生することを抑制できる。
(ハ)吸気管圧を検出する吸気管圧検出手段を備え、
前記制御手段は、前記吸気管圧検出手段によって検出される吸気管圧が所定値(しきい値)に達するまで前記加速時目標値を設定する、請求項1〜3、(イ)および(ロ)のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の可変動弁装置。
(ハ)によれば、緩加速状態にあるときや吸気管圧が十分に立ち上がっていないとき等の加速運転時にトルク応答が低下するおそれのある場合にのみ加速時目標値を設定するので、制御負荷を抑制できる。
(ニ)前記制御手段は、加速運転時の前記可変動弁機構の動作状態に応じて、機関回転速度および機関負荷に基づいて加速時目標値を新たな設定するか、または、前回設定された加速時目標値をそのまま保持するかを決定する、車両用内燃機関の可変動弁装置。
(ニ)によれば、例えば吸気バルブのバルブタイミングを変化させることによってトルク応答性が低下するおそれがあるか否かを可変動弁機構の動作状態によって判定し、そのおそれがある場合に前回設定された加速時目標値をそのまま保持する。これにより、機関運転状態の変化に対する吸気バルブのバルブタイミングの変化を遅延させて、トルク応答性の低下を抑制できる。
(ホ)前記制御手段は、加速運転時に、機関回転速度および機関負荷に基づいて目標体積効率を演算し、この演算した目標体積効率に基づいて前記吸気バルブのバルブタイミングの進角量制限値を演算し、この演算した進角量制限値によって前記吸気バルブのバルブタイミングの進角方向への変化量を制限する、請求項3に記載の車両用内燃機関の可変動弁装置。
(ホ)によれば、吸気バルブのバルブタイミングを変化させることによるトルク低下が抑制され、加速時のトルク応答を改善できる。
3…吸気カム軸、13…制御軸、17…モータ、101…内燃機関(エンジン)、105…吸気バルブ、112…VEL機構、113a,113b…VTC機構、114…エンジンコントロールユニット(ECU)、116…アクセルセンサ、117…クランク角センサ、132,133…カムセンサ、134…角度センサ、135…吸気管圧センサ

Claims (3)

  1. 吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変動弁機構と、
    機関の運転条件に基づいて前記可変動弁機構を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、加速運転時において、前記可変動弁機構の動作状態に応じて前記吸気バルブのバルブタイミングの加速時目標値を設定し、この加速時目標値に基づいて前記可変動弁機構を制御する、車両用内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記制御手段は、前記吸気バルブの閉時期を下死点前で進角方向に変化させる場合に前記加速時目標値を設定する、請求項1に記載の車両用内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記加速時目標値は、機関回転速度および機関負荷に基づいて設定される前記吸気バルブのバルブタイミングの目標値に対して進角方向の変化量を制限するものである、請求項1または2に記載の車両用内燃機関の可変動弁装置。
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