JP5312129B2 - 車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、機関運転条件に応じて吸気バルブの開閉時期(バルブタイミング)および排気バルブの開閉時期(バルブタイミング)を可変とする車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングが共通の油圧発生源からの油圧によって駆動される2つの可変バルブタイミング機構によって可変とされる構成において、低回転運転域での良好な運転性を確保するため、始動直後、排気側の可変バルブタイミング機構の作動よりも吸気側の可変バルブタイミング機構の作動を先に開始させることが提案されている。
また、吸気バルブおよび排気バルブのうち、機関の特性値を目標特性値へより速く到達させるバルブ特性を有する一方のバルブのバルブ特性を変更する作動機構を、他方のバルブのバルブ特性を変更する作動機構よりも優先的に作動させることが提案されている。
特開2004−340018号公報 特開平09−317504号公報
ところで、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングをそれぞれ可変とする2つの可変バルブタイミング機構を備え、所定の運転条件において排気バルブの閉時期を上死点よりも遅角側に設定する車両用内燃機関がある。排気バルブの閉時期を上死点よりも遅角側に設定することにより、例えば、排気管から燃焼ガスを筒内に導入し燃料消費率を低減することができる。
このような機関においては、一般に、アクセルがオフされて減速状態となると、吸気バルブのバルブタイミングと排気バルブのバルブタイミングとの両方に対する変更要求が発生し、特に排気バルブのバルブタイミングについては、排気バルブの閉時期が上死点近傍となるように進角要求が発生する。このとき、排気バルブのバルブタイミングの変更が遅くなると、減速に伴う吸入空気量の減少により筒内における燃焼ガスの割合が増大し、燃焼が不安定となるおそれがあった。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、機関運転条件に応じて吸気バルブのバルブタイミングおよび排気バルブのバルブタイミングを可変とする車両用内燃機関において、減速状態に移行するときの燃焼性の悪化を抑制することを目的とする。
本発明によると、車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置は、吸気側可変バルブタイミング機構および排気側可変バルブタイミング機構を備え、減速状態から低回転及び低中負荷領域に移行するときに、前記吸気バルブのバルブタイミングにかかわらず、前記吸気バルブのバルブタイミングの変更よりも前記排気バルブのバルブタイミングを遅角させて該排気バルブの閉時期が上死点から離れる変更を早くさせるように、前記吸気側可変バルブタイミング機構及び前記排気側可変バルブタイミング機構を制御する。
上記車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置によれば、減速状態から低回転及び低中負荷領域への移行中または移行後において、燃焼ガスの燃焼室内への導入を早期に可能にして燃料消費率を低減することができる。
実施形態による車両用内燃機関のシステム構成図である。 吸気側および排気側のVTC機構の構造を示す図である。 排気側のVTC機構の作動領域を示す図である。 低回転・低中負荷領域におけるバルブタイミングの一例を示す図である。 低回転・低中負荷領域におけるバルブタイミングの他の例を示す図である。 減速領域におけるバルブタイミングの一例を示す図である。 減速領域におけるバルブタイミングの他の例を示す図である バルブタイミング制御のフローチャートである。 減速状態から緩加速状態への移行を判定する処理の一例を示す図である。 上記バルブタイミング制御のタイミングチャートの一例を示す図である。 低回転・低中負荷領域におけるバルブタイミングのさらに他の例を示す図である。 減速領域におけるバルブタイミングのさらに他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、実施形態による車両用内燃機関のシステム構成図である。図1において、内燃機関(エンジン)101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、この電子制御スロットル104および吸気バルブ105を介して燃焼室106内に空気が吸入される。
各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート130には、電磁式の燃料噴射弁131がそれぞれ設けられている。この燃料噴射弁131は、後述するECU114によって開弁駆動され、その開弁時間に比例する量の燃料を噴射する。なお、ここでは吸気ポート130に燃料を噴射する構成としているが、燃料噴射弁131を各気筒の燃焼室106に臨ませて配設し、燃焼室106内に燃料を直接噴射する構成としてもよい。
燃料噴射弁131から噴射された燃料は、燃焼室106内で着火して燃焼する。
燃焼排気は、燃焼室106から排気バルブ107を介して排気管108に排出され、フロント触媒109aおよびリア触媒109bで浄化された後、大気中に放出される。
吸気バルブ105は、吸気側カム軸3に設けられたカム4によって開閉駆動され、VTC(Variable valve Timing Control)機構113aによって、その作動角(開弁作用角)の中心位相が可変とされる。また、排気バルブ107は、排気側カム軸110に設けられたカム111によって開閉駆動され、吸気バルブ105に設けられたVTC機構113aと同じ構成のVTC機構113bによって、その作動角(開弁作用角)の中心位相が可変とされる。
VTC機構113aは、クランク軸120に対する吸気側カム軸3の回転位相を変化させることによって、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に変更できるものであり、これにより吸気バルブ105のバルブタイミングが進遅角される。
VTC機構113bは、クランク軸120に対する排気側カム軸110の回転位相を変化させることによって、排気バルブ107の作動角の中心位相を連続的に変更できるものであり、これにより排気バルブ107のバルブタイミングが進遅角される。
マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントロールユニット(ECU)114は、各種センサ等からの信号を入力し、電子制御スロットル104、VTC機構113a,113bおよび燃料噴射弁131等を制御する。
上記各種センサとして、エンジン101の吸入空気量Qを検出するエアフローメータ115、アクセル開度APOを検出するアクセルセンサ116、クランク軸120から基準位置信号REFおよび単位角度信号POSを取り出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、エンジン101の冷却水温度TWを検出する水温センサ119、吸気側カム軸3から基準位置信号(カム信号)CAMiを取り出すカムセンサ132、排気側カム軸110から基準位置信号(カム信号)CAMeを取り出すカムセンサ133等が設けられている。なお、エンジン101の回転速度Neは、例えばクランク角センサ117から出力される基準位置信号REFの検出間隔(時間間隔)に基づいて算出される。
図2は、VTC機構113a,113bの構造を示している。
本実施形態では、ベーン式のVTC機構を採用している。但し、これに限るものではなく、クランク軸120に対する吸気側カム軸3または排気側カム軸110の回転位相を変化させる構成の種々のVTC機構を採用することが可能である。
図2において、VTC機構113a,113bは、クランク軸120によって図示しないタイミングチェーンまたはタイミングベルトを介して回転駆動されるカムスプロケット51と、吸気側カム軸3の端部に固定されカムスプロケット51内に回転自在に収容された回転部材53と、この回転部材53をカムスプロケット51に対して相対的に回転させる油圧回路54と、カムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置を所定位置で選択的にロックするロック機構60と、を備える。
カムスプロケット51は、その外周にタイミングチェーンまたはタイミングベルトが噛合する歯部を有する回転部(図示省略)と、回転部材53を回転自在に収容するハウジング56と、カバー部材(図示省略)と、を備える。
ハウジング56は、略円筒状に形成され、その両端の開口部がカバー部材によってそれぞれ閉塞される。ハウジング56の内周面には、ハウジング56の内側に向けて突出する4つ隔壁部63が周方向に90°間隔で設けられている。
回転部材53は、吸気側カム軸3の端部に固定されており、円環状の基部77と、この基部77の外周面に90°間隔で設けられた4つのベーン(第1ベーン78a〜第4ベーン78d)と、を有する。
回転部材53の第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれハウジング56に形成された各隔壁部63の間に配置される。第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれ各隔壁部63の間に形成される空間を回転方向(周方向)に2つ分けて、進角側油圧室82と遅角側油圧室83とを形成する。
油圧回路54は、進角側油圧室82に対して油圧の供給・排出を行う第1油圧通路91と、遅角側油圧室83に対して油圧の供給・排出を行う第2油圧通路92との2系統の油圧通路を有している。第1,第2油圧通路91,92には、油圧供給通路93と油圧排出通路94a,94bとがそれぞれ電磁式の通路切換弁95を介して接続されている。
油圧供給通路93の上流側には、オイルパン96内の作動油を圧送するオイルポンプ97が設けられており、油圧排出通路94a,94bの下流端は、オイルパン96に接続されている。
第1油圧通路91は、回転部材53の基部77内に略放射状に形成されて各進角側油圧室82に連通する4つの分岐通路91a〜91dに接続され、第2油圧通路92は、各遅角側油圧室83に開口する4つの油孔92a〜92dに接続されている。
通路切換弁95は、内部のスプール弁体によって、第1,第2油圧通路91,92と、油圧供給通路93および油圧排出通路94a,94bとの間の接続を切り換える。
ロック機構60は、ロックピン84およびピン孔(図示省略)を有し、回転部材53の初期位置においてロックピン84がピン孔に挿入してカムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置をロックして、VTC機構113a,113bを機械的に固定保持する。なお、本実施形態において、吸気側のVTC機構113aの初期位置は、吸気バルブ105の作動角の中心位相が最も遅れた位置、すなわち、吸気バルブ105のバルブタイミングが最も遅れた時期となる「最遅角位置」とし、排気側のVTC機構113bの初期位置は、排気バルブ107の作動角の中心位相が最も進んだ位置、すなわち、排気バルブ107のバルブタイミングが最も進んだ時期となる「最進角位置」としている。
ECU114は、通路切換弁95を駆動する電磁アクチュエータ99に対する通電量をデューティ制御信号に基づいて制御する。
例えば、吸気側のVTC機構113aにおいては、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)が出力されると、オイルポンプ97から圧送された作動油が第2油圧通路92を通って遅角側油圧室83に供給され、進角側油圧室82内の作動油が第1油圧通路91を通って油圧排出通路94aからオイルパン96に排出される。この場合、遅角側油圧室83内の圧力が高くなり、進角側油圧室82内の圧力が低くなるため、回転部材53は、第1〜第4ベーン78a〜78dを介して遅角側へと最大に回転して吸気バルブ105のバルブタイミング(作動角の中心位相)が遅くなる。
また、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)が出力されると、オイルポンプ97から圧送された作動油が第1油圧通路91を通って進角側油圧室82に供給され、遅角側油圧室83内の作動油が第2油圧通路92を通って油圧排出通路94bからオイルパン96に排出される。この場合、進角側油圧室82内の圧力が高くなり、遅角側油圧室83内の圧力が低くなるため、回転部材53は、第1〜第4ベーン78a〜78dを介して進角側に最大に回転して吸気バルブ105のバルブタイミング(作動角の中心位相)が早くなる。
一方、排気側のVTC機構113bにおいては、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力されると、進角側油圧室82内の圧力が高く、進角側油圧室83内の圧力が低くなり、回転部材53が、第1〜第4ベーン78a〜78dを介して進角側へと最大に回転して排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)が早くなる。
また、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)が出力されると、進角側油圧室82内の圧力が低く、遅角側油圧室83内の圧力が高くなり、回転部材53が、第1〜第4ベーン78a〜78dを介して遅角側に最大に回転して排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)が遅くなる。
なお、本実施形態において、オイルポンプ97は、吸気側のVTC機構113aと排気側のVTC機構113bに共通して用いられるものである。
そして、ECU114は、エンジン運転条件に基づいて、吸気バルブ105および排気バルブ107についてそれぞれ作動角の中心位相の目標値を設定し、吸気バルブ105の作動角の中心位相(実際値)および排気バルブ107の作動角の中心位相(実際値)がそれぞれの目標値となるように電磁アクチュエータ99をフィードバック制御する。
ここで、吸気バルブ105についての中心位相の目標値は上記「最遅角位置」からの進角量として設定され、排気バルブ107についての中心位相の目標値は上記「最進角位置」からの遅角量として設定される。また、吸気バルブ105の作動角の中心位相(実際値)は、クランク角センサ117から出力される基準位置信号REFおよびカムセンサ132から出力されるカム信号CAMiに基づいて算出され、排気バルブ107の作動角の中心位相(実際値)は、クランク角センサ117から出力される基準位置信号REFおよびカムセンサ133から出力されるカム信号CAMeに基づいて算出される。
図3は、本実施形態における排気側のVTC機構113bの作動領域を示している。
本実施形態における排気バルブ107の閉時期(EVC)のデフォルト位置は上死点またはその近傍であり、図3に示すように、エンジン始動時および減速領域(減速状態)を除き、VTC機構113bを作動させて排気バルブ107の閉時期(EVC)が上死点よりも遅角側となるようにしている(遅角制御している)。これにより、排気管108から燃焼室106内に燃焼ガス(排気)を導入することを可能とし、燃料消費率の低減を図っている。ここでは、アイドル時を含む低回転・低中負荷領域における排気バルブ107のバルブタイミングの遅角量>低回転・高負荷領域および中回転領域における排気バルブ107のバルブタイミングの遅角量>高回転領域における排気バルブ107のバルブタイミングの遅角量となっている。
特に、低回転・低中負荷領域は、加速性よりも燃料消費率の低減を優先する燃費優先領域としており、この低回転・低中負荷領域においては、排気バルブ107のバルブタイミングを遅角させることに加えて、以下のようにVTC機構113aを制御して燃料消費率の低減を図っている。なお、以下の図4〜7,11,12において、吸気上死点が0°CA、吸気下死点が180°CA、排気上死点が360°CA、排気下死点が540°CAである。
図4は、上記低回転・低中負荷領域における吸気バルブ105および排気バルブ107のバルブタイミングの一例を示している。この例は、吸気バルブ105の閉時期(IVC)を早くする「早閉じミラーサイクル」を適用することによって燃料消費率の低減を図る場合である。
上述したように、低回転・低中負荷領域においては、排気バルブ107の閉時期(EVC)が上死点よりも遅角側となるようにVTC機構113bを制御する。また、吸気バルブ105の開時期(IVO)が上死点よりも進角側となり、閉時期(IVC)が下死点よりも進角側となるようにVTC機構113aを制御する、これにより、排気管108から燃焼室106内への燃焼ガスの導入を可能としつつ、吸気管102へ燃焼ガスの吹き返しを生じさせこの吹き返しガスを燃焼室106内に再導入させることによって、燃焼室106内に導入する燃焼ガス量を増加させ、併せて、有効圧縮比を低下させてポンプロスを低減して、燃料消費率の低減を図る。
但し、これに限るものではなく、図4に示すバルブタイミングに代えて、図5に示すバルブタイミングとすることもできる。
図5は、低回転・低中負荷領域における吸気バルブ105および排気バルブ107のバルブタイミングの他の例を示している。この例は、吸気バルブ105の閉時期(IVC)を遅くする「遅閉じミラーサイクル」を適用することによって燃料消費率の低減を図る場合である。
この例において、排気側のVTC機構113bの制御については図4の場合と同じである。一方、吸気側については、吸気バルブ105の開時期(IVO)が上死点よりも遅角側になり、閉時期(IVC)が下死点よりも遅角側となるようにVTC機構113aを制御する。これにより、排気管108から燃焼室106への燃焼ガスの導入を可能にすると共に有効圧縮比を低下させてポンプロスを低減し、燃料消費率の低減を図る。
なお、他の運転領域については図示省略するが、基本的には、排気側については図3に示すように、排気バルブ107の閉時期(EVC)が上死点よりも遅角側となるようにVTC113機構113bを制御し、吸気側については、例えば、吸気バルブ105の開時期(IVO)が上死点近傍となり、閉時期(IVC)が下死点近傍となるようにVTC機構113aを制御する。これにより、有効圧縮比を増加させて出力の向上を図る。また、バルブオーバーラップを適切に設けるようにすれば、吸気管102に吹き返した燃焼ガスの再導入および排気管108からの燃焼ガスの導入によって、要求出力を維持しつつ燃料消費率の低減を図ることができる。なお、高回転領域においては、吸気側に関して、吸気バルブ105の閉時期(IVC)を下死点よりも遅角させるようにVTC機構113aを制御することも可能である。この場合には、慣性過給効果によって充填効率が増大し、出力の向上を図ることができるからである。
一方、減速領域においては、図6および図7に示すように、排気バルブ107の閉時期(EVC)をデフォルト位置(すなわち、上死点またはその近傍)とする。ここで、図6は、低回転・低中負荷領域におけるバルブタイミングを図4(IVC早閉じ)としたときのものであり、図7は、低回転・低中負荷領域におけるバルブタイミングを図5(IVC遅閉じ)としたときのものである。なお、図示省略したが、本実施形態においては、エンジン始動時においても排気バルブ107の閉時期(EVC)をデフォルト位置とする。
以上のようにバルブタイミングを可変とする本実施形態においては、減速領域以外の運転領域から減速領域へと移行するとき(減速状態に移行するとき)には、ECU114がVTC機構113a,113bを制御することによって、吸気バルブ105のバルブタイミングおよび排気バルブ107のバルブタイミングが変更されることになる。特に、排気バルブ107のバルブタイミングについては、その閉時期(EVC)が上死点となるように進角制御される。
ここで、エンジン回転速度Neが高い状態で減速状態に移行した場合には、通常、燃料カットが実施される。しかし、比較的低いエンジン回転速度Ne(例えば、2000rpm)で減速状態に移行した場合には燃料カットが実施されず、燃焼しながら減速することがある。このような減速は、例えば高速ギヤが選択されて比較的低い負荷で走行しているときにアクセルがオフされた場合に生じることがある。
一方、VTC機構113a,113bは、共通のオイルポンプ(油圧供給源)97から供給される作動油によって作動するものであり、両VTC機構113a,113bを作動させる場合には油圧が分配されることになるため、作動速度が低下するなど、両VTC機構113a,113bが十分に作動できないおそれがある。オイルポンプ97は、通常、エンジン101の回転に応じて作動するため、特に低回転領域から減速領域(減速状態)へと移行する場合には、油圧が不足している場合もある。
上述したように、減速領域以外の運転領域では、排気バルブ107の閉時期(EVC)が上死点よりも遅角側に設定され、排気管108から燃焼ガスを燃焼室106内に導入するようになっている。そして、アクセルがオフされて減速状態となるとスロットルバルブ103bが閉じられるため、減速領域においては吸入空気量が減少する。この場合に、排気バルブ107のバルブタイミングの変更、すなわち、その閉時期(EVC)を上死点に向かわせる制御が遅れると、減速に伴う吸入空気量の減少によって燃焼室106内の燃焼ガスの割合が増大することとなって燃焼が不安定になるおそれがある。特に、低回転・低中負荷領域において「遅閉じミラーサイクル(図5)」を適用した場合には、排気バルブ107の閉時期(EVC)が上死点から大幅に遅角されているため、この低回転・低中付加領域から減速状態に移行する際に燃焼の不安定となり易い。
また、減速領域(減速状態)から上記低回転・低中負荷領域に移行するときにおいても、ECU114がVTC機構113a,113bを制御することによって、吸気バルブ105のバルブタイミングおよび排気バルブ107のバルブタイミングが変更される。特に、排気バルブ107のバルブタイミングについては、その閉時期(EVC)が上死点よりも遅角側となるように遅角制御される。この場合、排気バルブ107の閉時期(EVC)の上死点よりも遅角側への変更が遅れると、排気管108から燃焼ガスを燃焼室106内に導入できるようになる時期が遅れ、その分、燃料消費率の低減効果を得られないことになる。低回転・低中負荷領域への変更の場合には、加速要求が低いと考えるため、加速性よりも燃料消費率の低減を優先させるべきである。
そこで、本実施形態において、ECU114は、減速状態に移行するときおよび減速状態から低回転・低中負荷領域に移行するときに、吸気バルブ105のバルブタイミングの変更よりも排気バルブ107のバルブタイミングの変更を優先させてVTC機構113a、113bを制御する。なお、以下の説明においては、減速状態からの低回転・低中負荷領域への移行を「減速状態から緩加速状態への移行」という。
図8は、ECU114によって実行されるバルブタイミング制御のフローチャートである。図8において、ステップS1では、アクセル開度APOおよびエンジン回転速度Neを含むエンジン運転条件を読込む。
ステップS2では、吸気側のVTC機構113aおよび排気側のVTC機構113bの作動要求があるか否か、すなわち、吸気バルブ105および排気バルブ107について、その作動角の中心位相の目標値変化があるか否かを判定する。そして、両VTC機構113a,113bの作動要求があればステップS2に進む。両VTC機構113a,113bの作動要求がないとき、または、いずれか一方のみの作動要求であるときは本フローを終了し、エンジン運転条件に基づく通常のバルブタイミング制御を実行する。
ステップS3では、減速状態への移行または減速状態から緩加速状態への移行であるか否か、換言すれば、上記ステップS2で判定した作動角の中心位相の目標値変化が、減速状態への移行に基づくものであるかまたは減速状態から緩加速状態への移行に基づくものであるか否かを判定する。そして、減速状態への移行または減速状態から緩加速状態への移行であればステップS4に進む。具体的には、アクセルがオフされた場合、すなわち、アクセル開度APOが開状態から全閉状態(0)となれば減速状態への移行であると判定する。また、図9に示すように、アクセル開度APOとエンジン回転速度Neとに基づいて目標エンジントルク(TRG_TRQ)を演算し、演算された目標エンジントルク(TRG_TRQ)とエンジン回転速度Neとに基づいて、運転領域判定マップを参照して減速状態から緩加速状態への移行であるか否かを判定する。
ここで、減速状態においてアクセルがオンされた場合には、そのアクセル開度APOが所定値以下である場合に、減速状態から緩加速状態への移行であると判定することもできる。また、演算された目標エンジントルクが「正」の値から「負」の値となるときに減速状態への移行であると判定し、「負」の値から「正」の値に切り替わった場合であって、その「正」の値が所定値以下のときに減速状態から緩加速状態への移行であると判定することもできる。
なお、上述したように、排気バルブ107のバルブタイミングに関し、減速状態に移行するときには、排気側のVTC機構113bにより、排気バルブ107の閉時期(EVC)が上死点に向かう方向に排気バルブ107のバルブタイミングが進角される。また、減速状態から、加速性よりも燃費性能を優先させる低回転・低中負荷領域に移行するときには、排気側のVTC機構113bにより、排気バルブ107の閉時期(EVC)が上死点よりも遅角側となるように、排気バルブ107のバルブタイミングが遅角される。
ステップS4では、排気側のVTC機構113bの作動を吸気側のVTC機構113aの作動よりも優先させる、排気側VTC優先制御を実施する。なお、かかる排気側VTC優先制御としては、例えば以下の(1)〜(3)がある。
(1)まず排気側のVTC機構113bを駆動し、この排気側VTC機構113bによる排気バルブ107のバルブタイミングの変更が収束するまで吸気側のVTC機構113aによる吸気バルブ105のバルブタイミングの変更を待機させる。この場合においては、例えば、クランク角センサ117およびカムセンサ(排気側)133の出力信号によって検出される排気バルブ107の作動角の中心位相(実際値)がほぼ目標値(例えば、目標値±5%の範囲内)となるまで、吸気側のVTC機構113aへの制御信号を変化させずに(移行前の制御信号を維持し)、排気バルブ107の作動角の中心位相(実際値)が目標値となってから目標値に対応する制御信号に変化させるようにする。すなわち、吸気側のVTC機構113aについての目標値変化を遅延させる。これにより、排気バルブ107のバルブタイミングの変更を速やかに行うことができる。
(2)まず排気側のVTC機構113bを駆動し、この排気側のVTC機構113bによって排気バルブ107の閉時期(EVC)が所定時期となるまで吸気側のVTC機構113aによる吸気バルブ105のバルブタイミングの変更を待機させる。この場合においては、例えば排気管108からの燃焼ガスの導入量が急変する排気バルブ107の閉時期(EVC)を予め求めておき(所定時期=「α°CA ATDC」とする)、排気バルブ107の実際の閉時期(EVC)が「α°CA ATDC」となった時点で吸気側のVTC機構113aによる吸気バルブ105のバルブタイミングの変更を開始させる。ここで、所定時期(α°CA ATDC)は、エンジン回転速度Neに応じて異なる値とすることもできる。これにより、燃焼の悪化や燃料消費率の低減効果の低下を抑制しつつ、吸気バルブ105のバルブタイミングの変更の遅延を抑制することができる。
(3)吸気側のVTC機構113aに対する作動油の供給量を制限する。換言すれば、排気側のVTC機構113bに対する油圧の分配比率を高くする設定とすることで、排気側のVTC機構113bの作動を吸気側のVTC機構113aの作動よりも優先させる。
例えば、吸気側のVTC機構113aに対して、一時的に本来の制御信号(デューティ比)に所定の補正係数(<1.0)を乗算した値を出力するようにしてもよい。なお、本来の制御信号(デューティ比)とは、吸気バルブ105の作動角の中心位相の実際値をエンジン運転条件に基づいて設定された目標値へと制御するための制御信号のことである。このようにすれば、吸気側のVTC機構113aが最大駆動されずに該吸気側のVTC機構113aへの油圧供給量が抑制される一方、その抑制された油圧を排気側のVTC機構113bへと供給することができる。このようにして、排気側のVTC機構113bの作動を吸気側のVTC機構113aの作動よりも優先させることができる。
ここで、減速状態に移行するときの排気側VTC優先制御(すなわち、上記(1)〜(3)のいずれか)において、燃焼が不安定となる限界燃焼ガス量を予め設定しておき、燃焼室106内に導入される燃焼ガス量が、設定された限界燃焼ガス量を超えないように、排気バルブ107のバルブタイミングの変更速度を調整するようにしてもよい。この限界燃焼ガス量には、例えば燃焼の不安定を招くEGR量(限界EGR量)が含まれる。具体的には、次のようにして排気側のVTC機構113bを制御することが考えられる。
すなわち、燃焼室106内に実際に導入される燃焼ガス量は、例えば、特開2001−221005号公報に記載されているように、吸気バルブ105のバルブタイミング(吸気バルブ105の開時期IVO)、排気バルブ107のバルブタイミング(排気バルブ107の閉時期EVC)およびエンジン回転速度Neに基づいて推定することができる。そこで、吸気バルブ105の開時期(IVO)およびエンジン回転速度Neから上記限界燃焼ガス量となる排気バルブ107の閉時期(EVC)を進角限界とし、排気バルブ107の実際の閉時期(EVC)が上記進角限界を超えないように排気側のVTC機構113bを制御し、これにより、排気バルブ107のバルブタイミングの変更速度を調整する(制限する)。このようにすれば、排気側のVTC機構113bを最大駆動する必要がなく、排気側のVTC機構113bへの油圧供給量を抑制できるので、油圧供給源としてのオイルポンプ97の負荷を低減できる。また、抑制された油圧(換言すれば、余剰分の油圧)を吸気側のVTC機構113aに供給することが可能となり、油圧を効率的に利用することが可能となる。
図10は、上記バルブタイミング制御のタイミングチャートの一例を示している。ここでは、低回転・低中負荷領域から減速領域に移行するときに、排気側VTC優先制御として上記(1)を用いた場合を示している。
アクセル開度APOが全閉状態(減速状態)となると、吸気バルブ105および排気バルブ107についてそれぞれ作動角の中心位相の目標値が変更される。すると、まず排気側のVTC機構113bに制御信号が出力されて、該排気側のVTC機構113bの作動が開始される(t1)。そして、排気バルブ107の作動角の中心位相(実際値)がほぼ目標値(収束判定値の範囲内)となると、吸気側のVTC機構113aに制御信号が出力されて、該吸気側のVTC機構113aの作動が開始される(t2)。なお、図中の破線は、排気側VTC優先制御を実施しなかった場合(従来例)を示しており、排気側のVTC機構113bの応答性が改善されることが確認できる。
ここで、図10に示すように、アクセル開度APOが全閉状態となったときに(t1)、まず排気バルブ107についてその作動角の中心位相の目標値を設定(変更)し、排気側のVTC機構113bの制御が収束したときに(t2)、吸気バルブ105についてその作動角の中心位相の目標値を設定(変更)することができる。この点は、減速状態から緩加速状態への移行のときも同様である。
本実施形態において、VTC機構113aが本発明の「吸気側可変バルブタイミング機構」に相当し、VTC機構113bが本発明の「排気側可変バルブタイミング機構」に相当する。また、ECU114が上記図8に示すフローチャートに従った処理を実行することにより本発明の「制御手段」が実現される。
本実施形態によれば、減速状態に移行するときに、排気側のVTC機構113bを吸気側のVTC機構113aに優先して作動するので、排気バルブ107の閉時期(EVC)が速やかに上死点に向かって進角制御される。これにより、減速によって吸入空気量が減少しても、排気管108から燃焼室106内に導入される燃焼ガス量を速やかに制限することができ、燃焼室106内における燃焼ガスの割合およびこれに伴う燃焼の不安定を抑制できる。
また、減速状態から低回転・低中負荷領域に移行するときに、排気側のVTC機構113bを吸気側のVTC機構113aに優先して作動するので、排気バルブ107の閉時期(EVC)が速やかに上死点またはその近傍から遅角制御される。これにより、加速要求が小さい場合に、排気管108から燃焼室106内への燃焼ガスの導入を速やかに可能にして燃料消費率を低減することができる。好ましくは、減速状態においてアクセルがオンされた場合であってアクセル開度APOが所定値以下のときに、排気側のVTC機構113bを吸気側のVTC機構113aに優先して作動する。このようにすれば、加速要求が小さい場合をより簡易に判断しつつ、燃料消費率の低減を図ることができる。なお、アクセル開度APOが所定値以下のときに加えてエンジン回転速度Neが所定回転速度以下のときに排気側のVTC機構113bを優先して作動するようにすることもできる。
なお、上記実施形態では油圧駆動式のVTC機構113a,113bを用いているが、これに限るものではなく、電動式のものにも適用することができる。特に、吸気側のVTC機構と排気側のVTC機構とを同一の電源(バッテリ、蓄電装置等)から供給される電力によって作動する場合に効果的である。
また、上記実施形態では、減速状態に移行するときおよび減速状態から低回転・低中負荷領域に移行するときに、排気側のVTC機構113bを吸気側のVTC機構113aに優先して作動するようにしているが、低回転・低中負荷領域内において吸気バルブ105のバルブタイミングと排気バルブ107のバルブタイミングとの両方に対する変更要求が発生し、排気バルブ107のバルブタイミングを遅角させる場合に、すなわち、排気バルブ107の閉時期(EVC)を上死点後において遅角させる場合に、排気側のVTC機構113bを吸気側のVTC機構113aに優先して作動するようにしてもよい。このようにすれば、排気管108から燃焼室106内への燃焼ガスの導入量を速やかに増加して燃料消費率を低減することができる。一方、これとは逆に、排気バルブ107のバルブタイミングを進角させる場合、すなわち、排気バルブ107の閉時期(EVC)を上死点後において進角させる場合には、吸気側のVTC機構113aを排気側のVTC機構113bに優先して作動するようにすることもできる。これにより、排気管108から燃焼室106内への燃焼ガスの導入量が減少するのを遅らせることができる。
さらに、上記実施形態では、吸気バルブ105および排気バルブ107のそれぞれにVTC機構を設ける構成としているが、さらに、バルブ作動角および/またはリフト量を連続的に変更できる機構を設けるようにしてもよい。
特に、吸気バルブ105側に、該吸気バルブ105の作動角およびリフト量を連動して可変とするVEL(Variable valve Event and Lift)機構を備えた場合には、VEL機構によって吸気バルブ105の作動角およびリフト量を変更すると共にVTC機構113aによって吸気バルブ105の作動角の中心位相を変更することで、吸気バルブ105の開時期(IVO)および閉時期(IVC)が可変とされる。この場合において、低回転・低中負荷領域におけるバルブタイミングを、図4に示すバルブタイミングに代えて図11に示すようなバルブタイミングとし、減速領域におけるバルブタイミングを、図6に示すバルブタイミングに代えて図12に示すようなバルブタイミングとすることができる。
すなわち、低回転・低中負荷領域では、図11に示すように、吸気バルブ105の開時期(IVO)を上死点またはその近傍に設定すると共に、吸気バルブ105の閉時期(IVC)を下死点よりも進角側に設定する。また、排気バルブ107の閉時期(EVC)を上死点よりも遅角側に設定する。このような設定とすることにより、低回転・低中負荷領域においては、有効圧縮比を下げてポンプロスを低減させると共に、排気管108から燃焼ガスを燃焼室106内に導入することで燃料消費率の低減を図っている。ここで、吸気バルブ105の開時期(IVO)を上死点よりも進角側に設定することもできる。このようにすれば、吸気管102への吹き返しを生じさせ、この吹き返しガスを燃焼室106内に再導入させることができ、さらに燃料消費率の低減を図ることができる。
一方、減速領域では、図12に示すように、吸気バルブ105の閉時期(IVC)を下死点またはその近傍に設定し、排気バルブ107の閉時期(EVC)を上死点またはその近傍に設定する。これにより、スロットルバルブ103bが閉じられて吸入空気量が減少する減速領域(減速状態)において、例えば比較的低いエンジン回転速度で減速状態に移行して燃料カットが実施されなかった場合に、燃焼室106内の燃焼ガスの割合が増大して燃焼が不安定となることを抑制する。
このようなバルブタイミングとした場合においても、減速状態に移行したときおよび減速状態から低回転・低中負荷領域に移行したときに排気側VTC優先制御を実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
ここで、上記各実施形態およびその変形例から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)前記制御手段は、前記吸気側可変バルブタイミング機構による前記吸気バルブのバルブタイミングの変更速度よりも前記排気側可変バルブタイミング機構による前記排気バルブのバルブタイミングの変更速度が速くなるように、前記吸気側可変バルブタイミング機構および前記排気側可変バルブタイミング機構を制御する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置。
上記(イ)によれば、減速状態に移行する際の燃焼性の悪化を抑制すると共に、減速状態から低回転・低中負荷領域に移行する際に燃焼ガスの燃焼室内への導入を早期に可能にして燃料消費率の低減を図りつつ、吸気バルブおよび排気バルブのバルブタイミングを所期のバルブタイミングへと速やかに制御することが可能となる。
(ロ)前記制御手段は、前記排気側可変バルブタイミング機構による前記排気バルブのバルブタイミングの変更が終了するまで、前記吸気側可変バルブタイミング機構による前記吸気バルブのバルブタイミングの変更を待機させる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の制御装置。
上記(ロ)によれば、減速状態に移行するときおよび/または減速状態から低回転・低中負荷領域に移行するときに、排気バルブのバルブタイミングの変更の遅れを効果的に抑制することができる。
(ハ)前記制御手段は、前記排気側可変バルブタイミング機構によって前記排気バルブのバルブタイミングが変更され、該排気バルブの閉時期が所定時期となるまで、前記吸気側可変バルブタイミング機構による前記吸気バルブのバルブタイミングの変更を待機させる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置。
上記(ハ)によれば、排気バルブのバルブタイミングの変更を速やかに行って燃焼性の悪化や燃料消費率の低減効果の低下を抑制しつつ、これに伴う吸気バルブのバルブタイミングの変更遅れを小さくすることができる。
(ニ)前記所定時期がエンジン回転速度に応じて設定される、上記(ハ)に記載の車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置。
上記(ニ)によれば、排気バルブのバルブタイミングの変更を速やかに行って燃焼性の悪化や燃料消費率の低減効果の低下を抑制しつつ、これに伴う吸気バルブのバルブタイミングの変更遅れを可能な限り小さくすることができる。
(ホ)前記制御手段は、前記吸気バルブのバルブタイミング、前記排気バルブのバルブタイミングおよび機関回転速度に基づいて筒内に導入される燃焼ガス量を推定し、この推定した燃焼ガス量が予め設定された限界燃焼ガス量を超えないように、前記排気側可変バルブタイミング機構による前記排気バルブのバルブタイミングの変更速度を調整する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置。
上記(ホ)によれば、排気側可変バルブタイミング機構を最大駆動させる必要がなくなるので、該排気側可変バルブタイミング機構への油圧供給量や電力供給量等を抑制して動力源の負荷を軽減できる。また、余剰分の油圧や電力等を吸気側可変バルブタイミング機構に供給して油圧や電力を効率的に利用することができる。
(ヘ)前記制御手段は、減速状態にてアクセルがオンされた場合であってそのアクセル開度が所定値以下のときに、前記吸気側可変バルブタイミング機構による前記吸気バルブのバルブタイミングの変更よりも前記排気側可変バルブタイミング機構による前記排気バルブのバルブタイミングの変更を優先させる、請求項2に記載の車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置。
上記(ヘ)によれば、減速状態から低回転・低中負荷領域(燃費優先領域)への移行を容易に判定して、排気バルブのバルブタイミングの変更を吸気バルブのバルブタイミングの変更に優先させることができる。
(ト)吸気バルブのバルブタイミングを可変とする吸気側可変バルブタイミング機構と、
排気バルブのバルブタイミングを可変とする排気側可変バルブタイミング機構と、
機関運転状態に応じて前記吸気側可変バルブタイミング機構および前記排気側可変バルブタイミング機構を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、低回転・低中負荷領域において前記吸気バルブのバルブタイミングと前記排気バルブのバルブタイミングとの変更要求が発生し、前記排気バルブの閉時期が上死点後にて遅角させる場合に、前記吸気側可変バルブタイミング機構による前記吸気バルブのバルブタイミングの変更よりも前記排気側可変バルブタイミング機構による前記排気バルブのバルブタイミングの変更を優先させる、車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置。
上記(ト)によれば、低回転・低中負荷領域において、排気管から燃焼室内への燃焼ガスの導入量を速やかに増加して燃料消費率を低減することができる。
101…内燃機関(エンジン)、105…吸気バルブ、107…排気バルブ、113a,113b…VTC機構、114…エンジンコントロールユニット(ECU)、116…アクセルセンサ、117…クランク角センサ、132,133…カムセンサ

Claims (2)

  1. 吸気バルブのバルブタイミングを可変とする吸気側可変バルブタイミング機構と、
    排気バルブのバルブタイミングを可変とする排気側可変バルブタイミング機構と、
    機関運転状態に応じて前記吸気側可変バルブタイミング機構および前記排気側可変バルブタイミング機構を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、減速状態から低回転及び低中負荷領域に移行するときに、前記吸気バルブのバルブタイミングにかかわらず、前記吸気バルブのバルブタイミングの変更よりも前記排気バルブのバルブタイミングを遅角させて該排気バルブの閉時期が上死点から離れる変更を早くさせるように、前記吸気側可変バルブタイミング機構及び前記排気側可変バルブタイミング機構を制御する、車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記制御手段は、減速状態に移行するときには、前記吸気バルブのバルブタイミングにかかわらず、前記吸気バルブのバルブタイミングの変更よりも前記排気バルブのバルブタイミングを進角させて該排気バルブの閉時期が上死点に向かう変更を早くさせるように、前記吸気側可変バルブタイミング機構及び前記排気側可変バルブタイミング機構を制御する、請求項1に記載の車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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