JP2010222975A - 排気ガス還流装置 - Google Patents
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Abstract
排気ガス還流装置に関し、エンジンの出力向上を図りながら、燃費低減を促進し、さらに、排気ガスの性能を向上させることができるようにする。
【解決手段】
車両に搭載されたエンジン1の吸気ガスが流れる吸気管15と排気ガスが流れる排気管23とを接続し、排気ガスの一部を第1EGRガスとして吸気管15に還流させる第1EGR通路24と、吸気管15に湾曲形状に形成された湾曲部22と、湾曲部22に形成された開口であり、且つ、第1EGR通路24の一端部24aが接続されている第1開口部26aとを備えて構成する。
【選択図】図1
Description
また、図13に示すように、一般的な技術として、吸気たる新気が流れる吸気管101に、EGRガスを流入させるためのEGR通路102を接続することが知られている。しかしながら、かかる構成では、主流に比べて流量が少ないEGRガスは、矢印F100に示すように、主流たる新気に押し流されることになる。その結果、図14に示すように、吸気管101の一部の内周壁内にEGRガスが偏ってしまい、新気とEGRガスは均一に混合しない。なお、図14は、EGRガスの分布を示す模式図であり、領域G0〜G4においては、それぞれ吸気中におけるEGRガスの割合が異なっていることを示している。より具体的に、領域G0〜G4におけるEGRガス濃度は、以下の式(1)の関係を満たすようになっている。
つまり、EGRガス通路から距離L5(図13(A)参照)離れた地点、即ち、リニア空燃比センサ103の設置箇所においても、新気とEGRガスとは均一に混合しない。よって、リニア空燃比センサ103により、吸気ガスに含まれる酸素濃度を正確に検出することができないため、精密なエンジン制御を実施することができず、排気ガスの性能を向上させることはできない。
また、請求項3記載の本発明の排気ガス還流装置(請求項3)は、請求項1又は2に記載の内容において、該第1還流ガスは、該湾曲部の湾曲外側に流入されることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の排気ガス還流装置(請求項5)は、請求項4に記載の内容において、該第1開口部と該第2開口部とは、それぞれ対向して形成されていることを特徴としている。
また、本発明の排気ガス還流装置(請求項2)によれば、第1還流ガスが、湾曲部の内周面を沿うように流入されるため、湾曲部及び湾曲部下流の吸気通路内に旋回流を生じさせることができる。したがって、湾曲部及び湾曲部下流において、吸気と第1還流ガスとの混合をさらに促進することができる。
また、本発明の排気ガス還流装置(請求項4)によれば、湾曲部に、第1還流ガスと共に、第2還流ガスを流入させることで、両還流ガスの相互作用を得ることができる。そのため、乱流或いは旋回流等を引き起こすことができ、吸気ガス,第1還流ガス及び第2還流ガスが互いに混合することを促進させることができる。
以下、図面により、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、自動車VEに搭載された4気筒のディーゼルエンジン1(以下「エンジン」という)は、シリンダヘッド2とシリンダブロック3とロッカーカバー4とを主に有して構成されている。
シリンダヘッド2には、燃焼室7に臨んで吸気ポート8及び排気ポート9が形成されている。そして、吸気ポート8には吸気マニホールド10が接続されるとともに、排気ポート9には排気マニホールド11が接続されている。また、吸気ポート8及び排気ポート9はそれぞれ、吸気バルブ12又は排気バルブ13で開閉されるようになっている。
この吸気管15には、上流側から順に、エアクリーナ16、吸気温センサ17、ターボチャージャ18、インタークーラ19及びスロットルバルブ20、リニア空燃比センサ(Linear A/F Sensor,以下「LAFS」という)21が設けられている。
吸気温センサ17は、自動車VEの外部から吸入した吸気ガスの温度を検出するものである。以下、混合ガスとは、新気、及び、後述する第1EGRガス及び/又は第2EGRガスが混合しているガスの意である。また、吸気ガスとは、新気及び/又は混合ガスの意である。
また、インタークーラ19は、ターボチャージャ18で圧縮された吸気を冷却するものである。
一方、排気マニホールド11の下流側には排気管(排気通路)23が接続されており、排気管23には、上流側から順に、ターボチャージャ18のタービン、排気浄化装置(図示略)、及び、NOxトラップ触媒(図示略)が設けられている。
また、スロットルバルブ20及びLAFS21間の吸気管15と、ターボチャージャ18よりも上流側の排気管23とが、第1EGR通路24により接続されている。つまり、この第1EGR通路24は、排気ガスの一部を第1EGRガスとして排気管23から吸気管15へと還流させる管路である。
そして、吸気管15には、スロットルバブル20とLAFS21との間に湾曲形状に形成された湾曲部22が設けられている。この湾曲部22の径方向断面形状は円形に形成されている。図2に示すように、この湾曲部22は、第1湾曲半径R1で湾曲する内側湾曲部28と、第1湾曲半径R1よりも大きな第2湾曲半径R2で湾曲する外側湾曲部29とを有している。また、湾曲部22には、開口である第1開口部26aが形成されている。
まず、湾曲形状に形成された湾曲部22により、主流たる新気の流れに偏向が生じる。そして、この偏向が発生している湾曲部22に第1EGR通路24と吸気管15との合流区間となる第1開口部26aを設けることで、第1EGRガスと新気との混合を促進することができる。したがって、第1EGRガスと新気とをむらなく均一に混合することができ、第1開口部26aの下流に設けたLAFS21により、混合ガスの酸素濃度を正確に測定でき、精密なエンジン制御を実現することもできる。よって、エンジン1の出力向上を図りながら、燃費低減を促進し、さらに、排気ガスの性能を向上させることができる。
また、エンジン1の各気筒へ供給される混合ガス内に含まれる第1EGRガスの割合(即ち、混合割合)をほぼ等しくすることができるため、各気筒の出力や各気筒から排出される排気ガスの成分を均一にでき、エンジンの振動低減や正確なエミッションコントロールが可能となる。
また、本実施形態に係る本発明によれば、先行技術文献として例示した特許文献1で用いられている吸気ガスの流路を阻害する構造を必要としないため、吸気ガスの流れの抵抗を小さくできる。
次に、主に図4を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第1実施形態における図3(B)に相当する模式的な断面図である。なお、その他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と重複する部分については説明を省略すると共に、第1実施形態と同じ装置や部材等は、第1実施形態の説明と同一の符号を付して説明する。
また、湾曲部22には、開口である第1開口部26bが形成されており、この第1開口部26bに第1EGR通路24の一端部24bが接続されている。
また、第1開口部26bの開口面積は、第1実施形態の第1開口部26aの開口面積よりも小さくなっている。具体的には、第1実施形態の第1開口部26aの周方向の長さ(図3(B)の点線距離)と比べて、本実施形態の第1開口部26bの周方向の長さ(図4の点線距離)を短くしている。
具体的には、第1開口部26bの周方向長さを適宜設定することで、第1実施形態の第1EGRガスの流速VegrAに対し、湾曲部22に流入する第1EGRガスの流速VegrBが、新気との関係で相対的に速い場合でも、新気と第1EGRガスの混合を促進することができる。つまり、新気及び第1EGRガスの各々の流量、流速等に応じて、第1開口部26bの開口面積、即ち、新気と第1EGRガスとが合流する領域の面積を決定できるようになっている。したがって、新気と第1EGRガスとの混合を促進することができる。
次に、図5を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図5は、本発明の第1実施形態における図3(B)に相当する模式的な断面図である。なお、その他の構成は前述した第1実施形態及びと同様であるため、第1実施形態と重複する部分については説明を省略すると共に、第1実施形態と同じ装置や部材等は、第1実施形態の説明と同一の符号を付して説明する。
また、第2開口部30aには、第2EGR通路31(第2還流通路)の一端部31aが接続されている。この第2EGR通路31により、湾曲部22内に第2EGRガスを流入させ、湾曲部22の内部を流れる新気と第2EGRガスとを混合させるようになっている。
このような本実施形態にかかる排気ガス還流装置によれば、第1実施形態により得られる効果の他、以下の効果を得ることができる。
第1EGRガスと共に、第2EGRガスとを、同一側面たる一方周面33から湾曲部22に混入させることで、この湾曲部22内に旋回流を生じさせることができ、両ガスの相互作用を得ることができる。これにより、第1EGRガス、第2EGRガス及び新気が互いに混合することを促進させることができる。
また、共通断面積A3と、第1断面積A1と第2断面積A2との和を等しくしているため、第1EGR通路24及び第2EGR通路31においても、分流前EGR通路32の流速を担保することができる。
次に、図6を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。図6は、本発明の第1実施形態における図3に相当する模式図である。なお、その他の構成は前述した第1実施形態及びと同様であるため、第1実施形態と重複する部分については説明を省略すると共に、第1実施形態と同じ装置や部材等は、第1実施形態の説明と同一の符号を付して説明する。
本実施形態の湾曲部22は、湾曲部22の中心線C2を境に、一方周面33及び他方周面34を有する。そして、一方周面33には、開口である第1開口部26eが形成されており、他方周面34には、第2開口部30bが形成されている。さらに、両開口部26e,30bは、中心線C2に直交する中心線C6上に設けられている。
また、第1開口部26eには、第1EGR通路24の一端部24eが接続されている。そして、第1EGR通路24により、湾曲部22内に第1EGRガスを流入させ、湾曲部22の内部を流れる新気と第1EGRガスとを混合させるようになっている。
つまり、図6の矢印F7及び矢印F8に示すように、第1EGR通路24から湾曲部22に流入する第1EGRガスと、第2EGR通路31から湾曲部22に流入する第2EGRガスとは、湾曲部22の内部で衝突し、乱流を生じさせるようになっている。
湾曲部22に、第1EGRガスと共に、第2EGRガスとを、反対側面たる一方周面33及び他方周面34から混入させることで、両ガスを衝突させることで、乱流を生じさせることができる。そのため、第1EGRガス、第2EGRガス及び新気が互いに混合することを促進させることができる。具体的には、混合EGRガス(第1EGRガス+第2EGRガス)と新気とは、図10に示すように、吸気管15内にどちらかのガスが偏って分布してしまうことがない状態を保ちながら混ざり合い、LAFS21に達するまでに両ガスは均一に混合する。故に、第1EGRガス及び第2EGRガスと新気とを混合させた位置、即ち、第1開口部26e及び第2開口部30bからLAFS21までの距離(図6(A)中符号L5)を短くすることもできる。なお、湾曲部22よりも下流側における吸気管15にLAFS21を設けることで、吸気ガスに含まれる酸素濃度を正確に検出することができるため、精密なエンジン制御を実施することができる。
また、共通断面積A3と、第1断面積A1と第2断面積A2との和を等しくしているため、第1EGR通路24及び第2EGR通路31においても、分流前EGR通路32の流速を担保することができる。
次に、図7を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。図7は、本発明の第4実施形態における図6(B)に相当する模式的な断面図である。なお、その他の構成は前述した第4実施形態と同様である。また、第1実施形態と重複する部分については説明を省略すると共に、第1実施形態と同じ装置や部材等は、第1実施形態の説明と同一の符号を付して説明する。
また、第1開口部26fには、第1EGR通路24の一端部24fが接続されている。そして、第1EGR通路24により、湾曲部22内に第1EGRガスを流入させ、湾曲部22の内部を流れる新気と第1EGRガスとを混合させるようになっている。
そして、第1開口部26fの中心点O1と、第2開口部30cの中心点O2とは、所定距離L4オフセットしている。これにより、図7の矢印F9及び矢印F10に示すように、第1EGR通路24から湾曲部22に流入する第1EGRガスと、第2EGR通路31から湾曲部22に流入する第2EGRガスとは、湾曲部22の内部でオフセット衝突し、乱流・旋回流を生じさせるようになっている。
このような本実施形態にかかる排気ガス還流装置によれば、以下の効果を得ることができる。
また、共通断面積A3と、第1断面積A1と第2断面積A2との和を等しくしているため、第1EGR通路24及び第2EGR通路31においても、分流前EGR通路32の流速を担保することができる。
次に、図8を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。図8は、本発明の第4実施形態における図6(B)に相当する模式図である。なお、その他の構成は前述した第4実施形態と同様である。また、第1実施形態と重複する部分については説明を省略すると共に、第1実施形態と同じ装置や部材等は、第1実施形態の説明と同一の符号を付して説明する。
また、第1開口部26gには、第1EGR通路24の一端部24gが接続されている。そして、第1EGR通路24により、湾曲部22内に第1EGRガスを流入させ、湾曲部22の内部を流れる新気と第1EGRガスとを混合させるようになっている。
また、第1開口部26g及び第2開口部30dは、外側湾曲部29に設けられている。そのため、図5の矢印F11及び矢印F12に示すように、第1EGR通路24から湾曲部22に流入する第1EGRガスと、第2EGR通路31から湾曲部22に流入する第2EGRガスとは、湾曲部22の内部で衝突しながら互いに巻き上がり、乱流・旋回流を生じさせるようになっている。
このような本実施形態にかかる排気ガス還流装置によれば、以下の効果を得ることができる。
また、共通断面積A3と、第1断面積A1と第2断面積A2との和を等しくしているため、第1EGR通路24及び第2EGR通路31においても、分流前EGR通路32の流速を担保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述の実施形態においてはディーゼルエンジンであるエンジン1に対して適用されているが、例えば、ガソリンエンジンに対して適用しても良い。
また、上述の実施形態においてはエンジン1が4気筒である場合を説明したが、このような場合に限定するものではない。例えば、エンジン1が単気筒,2気筒或いは3気筒であっても良いし、5気筒以上であっても良い。
FNinC−FegrC≧FNinB−FegrB ・・・(5)
第1実施形態における新気の流量: FNinA
第2実施形態における新気の流量: FNinB
第3実施形態における新気の流量: FNinC
第1実施形態における第1EGRガスの流量: FegrA
第2実施形態における第1EGRガスの流量: FegrB
第3実施形態における第1EGRガスの流量: FegrC
15 吸気管(吸気通路)
22 湾曲部
23 排気管(排気通路)
24 第1EGR通路(第1還流通路)
24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g 第1EGR通路の一端部(第1還流通路の一端部)
26a,26b,26c,26d,26e,26f,26g 第1開口部
30a,30b,30c,30d 第2開口部
31 第2EGR通路(第2還流通路)
31a,31b,31c,31d 第2EGR通路の一端部(第2還流通路の一端部)
32 分流前EGR通路(共通排ガス還流通路)
R1 第1湾曲半径
R2 第2湾曲半径
A1 第1断面積
A2 第2断面積
A3 共通断面積
Claims (6)
- 車両に搭載されたエンジンの吸気が流れる吸気通路と排気ガスが流れる排気通路とを接続し、該排気ガスの一部を第1還流ガスとして該吸気通路に還流させる第1還流通路と、
該吸気通路に湾曲形状に形成された湾曲部と、
該湾曲部に形成された開口である第1開口部とを備え、
該第1開口部には、該第1還流通路の一端部が接続されている
ことを特徴とする、排気ガス還流装置。 - 該第1還流通路の一端部は、該第1還流通路から該湾曲部に流入する該第1還流ガスが該湾曲部の内壁面周方向に沿うように該第1開口部に接続されている
ことを特徴とする、請求項1記載の排気ガス還流装置。 - 該第1還流ガスは、該湾曲部の湾曲外側に流入される
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の排気ガス還流装置。 - 該排気ガスの一部を第2還流ガスとして該吸気通路に還流させる第2還流通路と、
該湾曲部に形成された開口である第2開口部とをさらに備え、
該第2開口部には、該第2還流通路の一端部が接続されている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気ガス還流装置。 - 該第1開口部と該第2開口部とは、それぞれ対向して形成されている
ことを特徴とする、請求項4記載の排気ガス還流装置。 - 該第1還流通路及び該第2還流通路と該排気通路とを接続する共通排ガス還流通路をさらに備え、
該第1還流通路,該第2還流通路及び該共通排ガス通路は、
該第1還流通路の断面積である第1断面積と該第2還流通路の断面積である第2断面積との和と、該共通排ガス還流通路の断面積である共通断面積とが等しくなるように形成されている
ことを特徴とする、請求項4または5に記載の排気ガス還流装置。
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