JP2010222976A - 排気ガス還流装置 - Google Patents
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Abstract
排気ガス還流装置に関し、エンジンの出力向上を図りながら、燃費低減を促進し、さらに、排気ガスの性能を向上させることができるようにする。
【解決手段】
車両に搭載されたエンジン1の吸気管15と排気管23とを接続し、排気管23を流れる排気ガスの一部をEGRガスとして吸気管15に還流させるEGR通路24と、吸気管15においてEGR通路24の接続部側端部24aが接続された接続部35と、接続部35の上流側に接続された上流側通路36と、接続部35の下流側に接続された下流側通路37とを備え、接続部35の断面積である接続部断面積Abが、上流側通路36の断面積である上流側断面積Aaよりも大きく、且つ、下流側通路37の断面積である下流側断面積Acよりも大きくなるように形成する。
【選択図】図1
Description
また、図4に示すように、一般的な技術として、吸気たる新気が流れる吸気管101に、EGRガスを流入させるためのEGR通路102を接続することが知られている。しかしながら、かかる構成では、主流たる新気の流速に比べてEGRガスの流速が遅い場合には、EGRガスは矢印F104に示すように押し流される。その結果、図5に示すように、吸気管101の中央部にEGRガスが偏ってしまい、新気とEGRガスは均一に混合しない。他方、主流たる新気の流速に比べてEGRガスの流速が速い場合には、EGRガスは、図4の矢印F105に示すように、吸気管101の一部の内周壁から帯状にEGRガスが偏ってしまう。その結果、図6に示すように、新気とEGRガスは均一に混合しない。なお、図5は、EGRガスの分布を示す模式図であり、領域G0〜G4においては、それぞれ吸気ガス中におけるEGRガスの割合が異なっていることを示している。より具体的に、領域G0〜G4におけるEGRガス濃度は、以下の式(1)の関係を満たすようになっている。
つまり、EGRガス通路から距離L1(図4参照)離れた地点、即ち、リニア空燃比センサ103の設置箇所においても、新気とEGRガスとは均一に混合しない。よって、リニア空燃比センサ103により、吸気ガスに含まれる酸素濃度を正確に検出することができないため、精密なエンジン制御を実施することができず、排気ガスの性能を向上させることはできない。
また、本発明の排気ガス還流装置(請求項3)は、請求項2に記載の内容において、該接続部に形成され、該還流通路の一端部が接続された開口である開口部を備え、該開口部は、還流ガスが該上流側通路または該下流側通路の径に相当する位置で接続部の接線方向に流入するように設定されたことを特徴としている。
ことを特徴としている。
また、本発明の排気ガス還流装置(請求項5)は、請求項4に記載の内容において、該接続部は、第1湾曲半径で湾曲する第1湾曲部と、該第1湾曲半径よりも大きな第2湾曲半径で湾曲する第2湾曲部とを有し、該開口部は、該第2湾曲部に設けられていることを特徴としている。
また、本発明の排気ガス還流装置(請求項2)によれば、吸気通路の径を変更することにより容易に接続部の断面積を大きく設定することができる。
また、本発明の排気ガス還流装置(請求項4)によれば、接続部は湾曲形状に形成されているので、吸気の偏向を生じさせることができる。そのため、還流ガスと吸気ガスとの混合をさらに促進することができる。
以下、図面により、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、自動車VEに搭載された4気筒のディーゼルエンジン1(以下「エンジン」という)は、シリンダヘッド2とシリンダブロック3とロッカーカバー4とを主に有して構成されている。
シリンダヘッド2には、燃焼室7に臨んで吸気ポート8及び排気ポート9が形成されている。そして、吸気ポート8には吸気マニホールド10が接続されるとともに、排気ポート9には排気マニホールド11が接続されている。また、吸気ポート8及び排気ポート9はそれぞれ、吸気バルブ12又は排気バルブ13で開閉されるようになっている。
この吸気管15には、上流側から順に、エアクリーナ16、吸気温センサ17、ターボチャージャ18、インタークーラ19及びスロットルバルブ20、リニア空燃比センサ(Linear A/F Sensor,以下「LAFS」という)21が設けられている。
吸気温センサ17は、自動車VEの外部から吸入した吸気ガスの温度を検出するものである。以下、混合ガスとは、新気及び後述するEGRガスが混合しているガスの意である。また、吸気ガスとは、新気及び/又は混合ガスの意である。
また、インタークーラ19は、ターボチャージャ18で圧縮された吸気を冷却するものである。
一方、排気マニホールド11の下流側には排気管(排気通路)23が接続されており、排気管23には、上流側から順に、ターボチャージャ18のタービン、排気浄化装置(図示略)、及び、NOxトラップ触媒(図示略)が設けられている。
また、スロットルバルブ20及びLAFS21間の吸気管15と、ターボチャージャ18よりも上流側の排気管23とが、EGR通路24により接続されている。つまり、このEGR通路24は、排気ガスの一部をEGRガスとして排気管23から吸気管15へと還流させる管路である。そして、EGR通路24により、後述する接続部35内にEGRガスを流入させ、接続部35の内部を流れる新気とEGRガスとを混合させるようになっている。なお、この混合ガス(新気+EGRガス)は、接続部35から下流方向(即ち、エンジン1側)に流れていく。
また、吸気管15には、スロットルバブル20とLAFS21との間に、EGR通路24の接続部側端部(還流通路の一端部)24aが接続された接続部35が設けられている。具体的には、この接続部35には、開口である開口部38が形成されており、この開口部38に、EGR通路24の接続部側端部24aが接続されている。そして、図2(A)及び(B)に示すように、開口部38は、この開口部38の中心軸Caと、中心軸Caに平行な接続部35の内壁の接線Ltとが、所定距離Dos離隔するように配設されている。また、所定距離Dosは、接続部35の内壁の半径よりも小さい値となるように設定している。なお、接続部35の内壁の径方向断面形状は、円形に形成されている。
Ab>Aa ・・・(2)
Ab>Ac ・・・(3)
本発明の第1実施形態にかかる排気ガス還流装置は上述のように構成されているので、以下のような作用・効果を奏する。
これにより、図2(B)中矢印F1及びF2に示すように、接続部35の内部においてEGRガスの旋回流を生じさせることができる。
これにより、開口部38から吸気管15内に流入するEGRガスが、新気の主流(吸気管15の中心軸Cb近傍の流れ)により混合することなく下流側通路37に押し流されたり、接続部35の内壁に滞留したりすることなく新気とEGRガスとの混合を促進することができる。
よって、接続部35の下流側における吸気管15、即ち下流側通路37に設けたLAFS21により、新気とEGRガスとが混合した混合ガス中に含まれる酸素濃度を正確に検出することができ、さらに、精密なエンジン制御を実施することができる。したがって、エンジン1の出力向上を図りながら、燃費低減を促進し、さらに、排気ガスの性能を向上させることができる。
また、エンジン1の各気筒へ供給される混合ガス内に含まれるEGRガスの割合(即ち、混合割合)をほぼ等しくすることができるため、各気筒の出力や各気筒から排出される排気ガスの成分を均一にでき、エンジン1の振動低減や正確なエミッションコントロールが可能となる。
また、本実施形態に係る本発明によれば、LAFS21を吸気管15に設けることで、排気ガス成分のみに基づいたエンジン1のフィードバック制御を行なうのではなく、吸気ガス成分に基づいたエンジン1のフィードバック制御を行なうことも出来るようになっている。つまり、排気ガス成分に基づくフィードバック制御のみによってエンジン1を制御する場合と比して、より正確なエンジン制御を実施することができる。
次に、図3により、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と重複する部分については説明を省略すると共に、第1実施形態と同じ装置や部材等は、第1実施形態の説明と同一の符号を付して説明する。
本実施形態では、接続部45が湾曲形状に形成されている点で、第1実施形態と異なっている。具体的には、図3に示すように、この接続部45は、第1湾曲半径(第1湾曲半径)R1で湾曲する内側湾曲部(第1湾曲部)28と、第1湾曲半径R1よりも大きな第2湾曲半径(第2湾曲半径)R2で湾曲する外側湾曲部(第2湾曲部)29とを有している。また、接続部45には、開口である開口部48が形成されている。
また、第1実施形態を説明する際に用いた図2を用いて、開口部48と上述したLAFS21との位置関係について説明する。なお、ここでは図2中符号38で示す開口部を符号48として読み替えるものとする。接続部45の内壁と、接線Ltとの交点を接点Bとする。そして、この接点Bから、吸気管15の中心軸Cb方向であり且つ下流側に所定距離L1離れた位置、即ちCの位置に、LAFS21を設けている。
つまり、本実施形態においても、上述した第1実施形態の説明で用いた式(2)及び式(3)の関係が満たされるように、これらの接続部断面積Ab,上流側断面積Aa及び下流側断面積Acが設定されている。
まず、湾曲形状に形成した接続部35において、新気の流れに偏向を生じさせることができる。
また、この湾曲形状に形成された接続部35に対し、EGR通路24から開口部38を通じてEGRガスを流入させることで、新気とEGRガスとの混合をさらに促進することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述の実施形態においてはディーゼルエンジンであるエンジン1に対して適用されているが、例えば、ガソリンエンジンに対して適用しても良い。
15 吸気管(吸気通路)
23 排気管(排気通路)
24 EGR通路(還流通路)
24a 接続部側端部(還流通路の一端部)
28 内側湾曲部(第1湾曲部)
29 外側湾曲部(第2湾曲部)
35 接続部
36 上流側通路
37 下流側通路
38 開口部
45 接続部
48 開口部
Aa 上流側断面積
Ab 接続部断面積
Ac 下流側断面積
Ca 中心軸
Lt 接線
Dos 所定距離
R1 第1湾曲半径
R2 第2湾曲半径
Claims (5)
- 車両に搭載されたエンジンの吸気が流れる吸気通路と排気ガスが流れる排気通路とを接続し、該排気ガスの一部を還流ガスとして該吸気通路に還流させる還流通路を有し、
該吸気通路は、
該還流通路の一端部が接続された接続部と、
該接続部の上流側に接続された上流側通路と、
該接続部の下流側に接続された下流側通路とを備え、
該接続部の断面積である接続部断面積が、該上流側通路の断面積である上流側断面積よりも大きく、且つ、該下流側通路の断面積である下流側断面積よりも大きく形成されている
ことを特徴とする、排気ガス還流装置。 - 該接続部は、略円形の断面形状の該上流側通路かつ該下流側通路の径より大きい径を有し、略円形の断面形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス還流装置。 - 該接続部に形成され、該還流通路の一端部が接続された開口である開口部を備え、
該開口部は、還流ガスが該上流側通路または該下流側通路の径に相当する位置で接続部の接線方向に流入するように設定された
ことを特徴とする請求項2に記載の排気ガス還流装置。 - 該接続部は、湾曲形状に形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気ガス還流装置。 - 該接続部は、第1湾曲半径で湾曲する第1湾曲部と、該第1湾曲半径よりも大きな第2湾曲半径で湾曲する第2湾曲部とを有し、
該開口部は、該第2湾曲部に設けられている
ことを特徴とする、請求項4記載の排気ガス還流装置。
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