JP2010222410A - ボールペン用油性インキ組成物 - Google Patents

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JP2010222410A JP2009068760A JP2009068760A JP2010222410A JP 2010222410 A JP2010222410 A JP 2010222410A JP 2009068760 A JP2009068760 A JP 2009068760A JP 2009068760 A JP2009068760 A JP 2009068760A JP 2010222410 A JP2010222410 A JP 2010222410A
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Abstract

【課題】キャップをしないで放置しておくと、僅かでも溶剤が揮発することによって、インキの吐出開口部でインキが乾燥して樹脂の皮膜が発生してしまい、書き出し時に、カスレてしまうものであり、未だ十分とは言えるものはなかったため、キャップをしない状態で放置されていても書き出し時のカスレが少なく、書き味の滑らかな油性ボールペン用インキ組成物を提供する。
【解決手段】着色剤と、50〜80重量%の有機溶剤と、分子内に水酸基またはカルボニル基を有する造膜性樹脂と1.0〜5.0重量%のエチルヘキサン酸ブチルエチルプロパンジオールのエステルとを少なくとも含むボールペン用油性インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はボールペンに用いる油性インキ組成物に関し、更に詳しくは、書き出し時のかすれの少ないボールペン用油性インキ組成物に関するものである。
従来、油性ボールペンは、ボールチップ先端部のインキ組成物が乾燥して、インキ組成物の粘度が局部的に増粘した場合、書き出し時に、ボールが回りにくくなり、書き始めから数mm〜数十mmインキが吐出しなかったり、筆記途中でインキの吐出が一時的に中断するカスレ現象が発生したりする欠点(以下、このような書き出し時に生じる現象を初筆カスレと称する)が起こり易かった。この点は、特に、インキ組成物の粘度が高くなる冬場や寒冷地において顕著であるが、夏場や高温地域でも、インキ組成物の乾燥、増粘が激しいため、よく起きるものであった。
このような欠点を解決しようとして、従来より種々の工夫が試されている。例えば、特開昭55−54370号公報に記載の発明では、特定の非イオン系界面活性剤を添加してインキ組成物の乾燥を極力抑制して潤滑性を付与して初筆カスレを改善したものが開示されている。また、特開昭51−47824号公報に記載の発明では、高沸点芳香族炭化水素を溶剤としてインキの乾燥速度を遅くしたもの、特開平3−28279号公報に記載の発明では、ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して、インキ組成物に潤滑性を付与して書き味を改善したもの、特開平3−203972号公報に記載の発明では、リン酸エステルを添加してインキ組成物に潤滑性を付与して初筆カスレを改善したもの、特開平6−247093号公報に記載の発明では、不揮発性の溶剤を使用し、インキが完全に乾ききるのを防いで滑らかに書き出し出来るもの、特開平7−196971号公報に記載の発明では、分子量200〜400万のポリエチレングリコールを添加して潤滑効果を上げ、書き出し時のインキの出をスムーズに出るように狙ったもの、特開2002−3771号公報に記載の発明では、重量平均分子量が25万以上のポリビニルピロリドンを添加した上で粘度を1.5Pa・s以下にして軽い書き味を実現させたものがそれぞれ開示されている。
特開昭55−054370号公報 特開昭51−047824号公報 特開平03−028279号公報 特開平03−203972号公報 特開平06−247093号公報 特開平07−196971号公報 特開2002−003771号公報
上述の従来技術においても、キャップをしないで放置しておくと、僅かでも溶剤が揮発することによって、インキの吐出開口部でインキが乾燥して樹脂の皮膜が発生してしまい、書き出し時に、カスレてしまうものであり、書き出し時のカスレ(初筆カスレ)については、未だ十分とは言えるものはなかった。また、書き味においても、粘度を下げて軽い書き味を実現させても、筆記ボテを抑える為の添加剤である曵糸性付与剤が添加されていると硬い書き味となり、油性ボールペン特有の滑らかさは損なわれるという欠点があった。
本発明は、キャップをしない状態で放置されていても書き出し時のカスレが少なく、書き味の滑らかな油性ボールペン用インキ組成物を得ることを目的とする。
本発明は、着色剤と、有機溶剤と、分子内に水酸基またはカルボニル基を有する造膜用樹脂と、エチルヘキサン酸とブチルエチルプロパンジオールとのエステルを少なくとも含むボールペン用油性インキ組成物を要旨とするものである。
溶剤が揮発して、着色成分と分子内に水酸基またはカルボニル基を有する造膜性樹脂の濃度が高くなっていったとき、エチルヘキサン酸とブチルエチルプロパンジオールとのエステルと樹脂との混合状態では、ブチルエチルプロパンジオール部分の立体障害となる構造や高い溶解性の作用によって、柔軟性の高く、亀裂などが発生し難くボールの回転をも阻害しない膜を形成し、それ以上のインキ乾燥を抑制するので、軽い書き味を維持しながらインキの乾燥による初筆カスレを抑制することができるものと推察される。
本発明のインキ組成物に用いるエチルヘキサン酸とブチルエチルプロパンジオールとのエステルは、ペン先先端部分におけるインキの乾燥時、溶剤が蒸発していく過程で形成される樹脂膜を柔軟性の高いものとする。エチルヘキサン酸とブチルエチルプロパンジオールとのエステルの使用量はインキ組成物中で1.0〜5.0重量%程度が好ましい。具体的にはエステル部分が2−エチルヘキシル酸のモノエステルとジエステルの混合物であるNIKKOL ニコソルブ108(日光ケミカルズ(株)製)が挙げられる。
有機溶剤は、初筆かすれや、耐インキ洩れ性能、書き味、ボテ等を両立させるために主溶剤として用いるものであり、使用する着色剤の溶解性、分散安定性を考慮し、適宜選択する事ができる。特に好ましい有機溶剤は、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルグリコール、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノヘキシルヘーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、であり、その使用量は50〜80重量%が好ましい。
着色剤は、従来公知の染料や顔料が単独若しくは混合して使用できる。
染料としては、ニグロシンベ−スEE、同EEL、同EX、同EXBP、同EB、オイルイエロー101、同107、オイルピンク312、オイルブラウンBB、同GR、オイルグリーンBG、オイルブルー613、同BOS オイルブラックHBB、同860、同BS、バリファストイエロー1101、同1105、同3108、同4120、バリファストオレンジ2210、同3209、同3210、バリファストレッド1306、同1308、同1355、同1360、同2303、同2320、同3304、同3306、同3320、バリファストピンク2310N、バリファストブラウン2402、同3405、バリファストグリーン1501、バリファストブルー1603、同1605、同1607、同1631、同2606、同2610、同2620、バリファストバイオレット1701、同1702、バリファストブラック1802、同1807、同3804、同3806,同3808、同3810、同3820、同3830、スピリットレッド102、オスピーイエローRY、ROB−B、MVB3、SPブルー105(以上、オリエント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンイエロー3RH、同GRLHスペシャル、同C−2GH、同C−GNH、アイゼンスピロンオレンジ2RH、同GRHコンクスペシャル、アイゼンスピロンレッドGEH、同BEH、同GRLHスペシャル、同C−GH、同C−BH、アイゼンスピロンバイオレットRH、同C−RH、アイゼンスピロンブラウンBHコンク、同RH、アイゼンスピロンマホガニーRH、アイゼンスピロンブルーGNH、同2BNH、同C−RH、同BPNH、アイゼンスピロングリーンC−GH、同3GNHスペシャル、アイゼンスピロンブラックBNH、同MH、同RLH、同GMHスペシャル、同BHスペシャル、S.B.N.オレンジ703、S.B.N.バイオレット510、同521、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111、SOTピンク1、SOTブルー4、SOTブラック1、同6、同10、同12、13リキッド、アイゼンローダミンBベース、アイゼンメチルバイオレットベース、アイゼンビクトリアブルーBベース(以上、保土谷化学工業(株)製)、オイルイエローCH、オイルピンク330、オイルブルー8B、オイルブラックS、同FSスペシャルA、同2020、同109、同215、ALイエロー1106D、同3101、ALレッド2308、ネオスーパーイエローC−131、同C−132、同C−134、ネオスーパーオレンジC−233、ネオスーパーレッドC−431、ネオスーパーブルーC−555、ネオスーパーブラウンC−732、同C−733(以上、中央合成化学(株)製)、オレオゾールファストイエロー2G、同GCN、オレオゾールファストオレンジGL、オレオゾールファストレッドBL、同RL(以上、田岡化学工業(株)製)、サビニールイエロー2GLS、同RLS、同2RLS、サビニールオレンジRLS、サビニールファイアレッドGLS、サビニールレッド3BLS、サビニールピンク6BLS、サビニールブルーRN、同GLS、サビニールグリーン2GLS、サビニールブラウンGLS(以上、サンド社製、スイス国)、マゼンタSP247%、クリスタルバイオレット10B250%、マラカイトグリーンクリスタルコンク、ブリリアントグリーンクリスタルH90%、スピリットソルブルレッド64843(以上、ホリディ社製、英国)、ネプチューンレッドベース543、ネプチューンブルーベース634、ネプチューンバイオレットベース604、バソニールレッド540、バソニールバイオレット600(以上、BASF社製、独国)などの油溶性染料が挙げられる。
顔料としては、SpecialBlack6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400B、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#900、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11、#50、#52、#45、#44、#40、#33、#32、#30、CF9、#20B、#4000B、(以上、三菱化成工業(株)製)、MONARCH1300、同100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX8、同12、BLACK PEARLS2000(以上、米国、キャボットCorp.製)、Raven7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22、同16、同14、同H20、同C、Conductex975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA−10、同10P、同15、同20、同30、同35、同60、同80、同90、KR−310、同380、同460、同480(以上、チタン工業(株)製)、タイピュアR−900、同902、同960(以上、デュポン(株)製)、タイペークCR−50、同58、同60、同67、同80、同90、R−580、同670、同680、同780、同820、同930(以上、石原産業(株)製)、JR−300、同403、同600A、同800、同805(以上、テイカ(株)製)、P25(日本アエロジル(株)製)などの酸化チタン、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロムなどの無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾロンレッド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーンなどの有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウムなどの無機蛍光顔料が挙げられる。
上記した着色剤は単独或いは複数混合して使用することが出来、使用量はインキ組成物全量に対して2.0重量%以上20.0重量%以下が好ましい。2.0重量%未満では濃度が低すぎて筆跡が確認し難いこともあり、20.0重量%を超えるとインキ組成物粘度が高くなり筆記具ペン先からのインキ吐出が不十分になることがある。
筆跡の筆記面への定着性を付与するために分子内に水酸基またはカルボニル基を有する造膜性樹脂がインキ組成物中に添加される。具体例としては、例えば、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ロジン樹脂、ブチラール樹脂などのインキ組成物用樹脂が挙げられる。
インキ組成物用樹脂の具体例としては、フェノール樹脂として、タマノル100S、同510(以上、荒川化学工業(株)製)、ヒタノール1501、同2501(以上、日立化成工業(株)製)、YP−90、YP−90L、YSポリスターS145、同#2100、同#2115、同#2130、同T80、同T100、同T115、同T130、同T145、マイティエースG125、同150(以上、ヤスハラケミカル(株)製)などが、ケトン樹脂として、ケトンレジンK−90(荒川化学工業(株)製)、ハロン80、同110H(以上、本州化学(株)製)、シンセティックレジンAP、同SK、同1201(以上、ヒュルス社製、独国)などが、ロジン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂として、ハーコリンD、ペンタリン255、同261、同269、同830(以上、理化ハーキュレス(株)製)、ハリエスターNL、同L、同MT、同MSR−4、ハリマック135G、同T−80、同FX−25、同AS−5、同AS−9、ネオトールC、ガムロジンX(以上、ハリマ化成(株)製)、ガムロジンWW(中国産)、エステルガムH、マルキード#30A、同#31、同#32、同#33、同#34(荒川化学工業(株)製)などが、ブチラール樹脂として、デンカブチラール#2000−L、同#3000−1、同#3000−2、同#3000−4、同#3000−K(以上、電気化学工業(株)製)、エスレックBL−1、同4BL−3、同BL−S、同BX−10(以上、積水化学工業(株)製)などが挙げられる。
これらの樹脂は、単独あるいは複数混合して使用でき、筆記面への定着性を付与するために添加する場合、その使用量はインキ組成物全量に対し0.5〜20.0重量%以下が好ましい。0.5重量%未満では筆記面に対する筆跡の定着性が不十分となる場合があり、20.0重量%を超えるとインキの粘度が高くなりペン先からのインキ吐出が悪くなる不具合が発生する可能性がある。
以上の成分の他に更に必要に応じて、従来インキ組成物に使用されている界面活性剤、防錆剤などの各種添加剤を適宜使用できる。界面活性剤の一例を挙げると、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸などが挙げられる。防錆剤の一例を挙げると、ベンゾトリアゾール、シクロヘキシルアンモニウムクロライド、2−メルカプトベンゾトリアゾール、ベンゾイルアミノカプロン酸、硝酸カルシウムなどが挙げられる。
本願発明のインキ組成物は、上記成分を従来知られている方法により得られる。なお、濾過や遠心処理でインキ組成物中の粗大顔料を取り除いても良い。
(実施例1)
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製)
5.0重量部
スピロンイエローC−GNH(油溶性黄色染料、オリエント化学工業(株)製)
2.0重量部
バリファストレッド1308(油溶性赤色染料、オリエント化学工業(株)製)
4.0
ネオスーパーブルーC−555(油溶性青色染料、中央合成化学(株)製)
13.0重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50.0重量部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 15.0重量部
ハイラック110H(ケトン樹脂、日立化成(株)製) 5.0重量部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、分散剤、積水化学工業(株)製)
1.5重量部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、増粘剤、積水化学工業(株)製)
2.0重量部
NIKKOL ニコソルブ108(エチルヘキサン酸とブチルエチルプロパンジオールとのエステル、日光ケミカルズ(株)製) 2.5重量部
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの全量と、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからプリンテックス35の全量を加えダイノミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。
次いで、このペーストに残りの材料を加え、70℃で3時間攪拌、混合した後室温まで放冷し黒色のボールペン用油性インキ組成物を得た。このものの粘度は25℃、剪断速度1[1/sec]の条件で2600mPa・sであった。
(実施例2)
NOVOPERM RED F3RK70(C.I.Pigment Red 170、クラリアントジャパン(株)製) 5.0重量部
スピロンレッド C−GH 13.0重量部
スピロンイエロー C−GNH 5.0重量部
エチレングリコールモノイソブチルエーテル 52.0重量部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 15.0重量部
エスレックBL−1 3.0重量部
ハイラック110H 5.0重量部
NIKKOL ニコソルブ108 1.5重量部
上記成分のうち、エチレングリコールモノイソブチルエーテルの全量と、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからNOVOPERM RED F3RK70の全量を加えダイノミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い赤色のペーストを得た。
次いで、このペーストに残りの材料を加え、70℃で3時間攪拌、混合した後室温まで放冷し赤色のボールペン用油性インキ組成物を得た。このものの粘度は25℃、剪断速度1[1/sec]の条件で1080mPa・sであった。
(実施例3)
HOSTAPERM P−BFS(C.I.Pigment Blue 15:4、クラリアントジャパン(株)製) 7.0重量部
スピロンレッド C−BH(油溶性赤色染料、オリエント化学工業(株)製)
4.0重量部
ネオスーパーブルーC−555 14.0重量部
エチレングリコールモノイソブチルエーテル 45.0重量部
プロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル 20.0重量部
エスレックBL−1 2.0重量部
ハリマックT−80(ロジン変性マレイン酸樹脂、ハリマ化成(株)製)
5.0重量部
エスレックBH−3 1.5重量部
NIKKOL ニコソルブ108 1.5重量部
上記成分のうち、エチレングリコールモノイソブチルエーテルの全量と、プロピレングリコールモノノルマルブチルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからNOVOPERM RED F3RK70の全量を加えダイノミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い青色のペーストを得た。
次いで、このペーストに残りの材料を加え、70℃で3時間攪拌、混合した後室温まで放冷し青色のボールペン用油性インキ組成物を得た。このものの粘度は25℃、剪断速度1[1/sec]の条件で810mPa・sであった。
(実施例4)
スピロンバイオレットC−RH(油溶性染料、保土谷化学工業(株)製)
15.0重量部
スピロンイエローC−GNH(油溶性染料、保土谷化学工業(株)製)
10.0重量部
エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル 35.0重量部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 21.0重量部
ハイラック110H 12.0重量部
エスレックBL−3 3.0重量部
NIKKOL ニコソルブ108 2.0重量部
上記成分を70℃で攪拌し、均一に溶解して黒色のボールペン用油性インキ組成物を得た。このものの粘度は25℃、剪断速度1[1/sec]の条件で5600mPa・sであった。
(実施例5)
スピロンバイオレットC−RH(油溶性染料、保土谷化学工業(株)製)
15.0重量部
スピロンイエローC−GNH(油溶性染料、保土谷化学工業(株)製)
10.0重量部
エチレングリコールモノフェニルエーテル 40.0重量部
ベンジルアルコール 15.0重量部
ハイラック110H 15.0重量部
PVP K−90(増粘剤、アイエスピージャパン(株)製) 1.0重量部
NIKKOL ニコソルブ108 4.0重量部
上記成分を70℃で攪拌し、均一に溶解して黒色のボールペン用油性インキ組成物を得た。このものの粘度は25℃、剪断速度1[1/sec]の条件で9500mPa・sであった。
(比較例1)
実施例1において、NIKKOL ニコソルブ108に代えて、同量のジエチレングリコールモノメチルエーテルにした以外は、実施例1と同様になして黒色のボールペン用油性インキ組成物を得た。
(比較例2)
実施例2において、NIKKOL ニコソルブ108を除きその分プライサーフA208B(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、第一工業製薬(株))を同量添加した以外は、実施例2と同様になして赤色のボールペン用油性インキ組成物を得た。
(比較例3)
実施例3において、NIKKOL ニコソルブ108を除き、その分エチレングリコールモノイソブチルエーテルを増量した以外は、実施例3と同様になして青色のボールペン用油性インキ組成物を得た。
(比較例4)
実施例4において、NIKKOL ニコソルブ108に代えて、同量のNIKKOL SS−10V(ステアリン酸ソルビタン、日光ケミカルズ(株)製)を添加した以外は、実施例4と同様になして黒色のボールペン用油性インキ組成物を得た。
上記、実施例1〜5、比較例1〜4で得たボールペン用油性インキ組成物を、市販のボールペン(ドットイーボールペンBK127、ぺんてる(株)製、ペン先はステンレス製ボールホルダーにて直径0.7mmの超硬合金の筆記ボールを抱持したボールペンチップを備えるノック出没式ボールペン)と同様の筆記具に0.30g充填し、遠心機にて遠心力を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボールペンを作製した。
初筆かすれ試験1:
各試験サンプルを手書き筆記した後、キャップを外したまま横向きで温度50℃、湿度30%の条件下で24時間放置する。取り出してから、温度22℃、湿度60%の条件下で2時間放置し、室温に戻した後、手書きで直線筆記する。その書き始めから正常筆記できた筆跡の位置までの長さを定規で測定する(単位mm)。
初筆かすれ試験2:
各試験サンプルを手書き筆記した後、キャップをした後、キャップを外したまま横向きで温度40℃、湿度50%の条件下で1ヶ月間放置する。取り出してから、温度22℃、湿度60%の室内で2時間放置し、室温に戻した後、手書きで直線筆記する。その書き始めから正常筆記できた筆跡の位置までの長さを定規で測定する(単位mm)。
書き味の滑らかさ評価(書き味抵抗値の標準偏差)
書き味の滑らかさは、一定速度でペンを動かしたときのペンを持つ手にかかる抵抗値の最大値と最小値のばらつき、すなわち、抵抗値の標準偏差の大きさで表される。
測定条件:実施例1〜5および比較例1〜4のインキを充填した各ボールペンサンプルをn=3本ずつ用意し、静・動摩擦測定機(Tribo−master Type TL201Sa、(株)トリニティーラボ製)を用い、ペン作成後未筆記のボールペンサンプルを、高筆圧条件として筆記荷重を300g、筆記角度70度、筆記速度7cm/secで15cm筆記させたときの筆記抵抗値を測定した。
筆記抵抗値の測定は、測定周波数200Hzにて10秒間測定を行った。測定開始0.5秒から2.0秒までの間で得られた筆記抵抗値のデータから、各ボールペンサンプルの筆記抵抗値の標準偏差を算出し、実施例、比較例の滑らかさの代表値とした。
標準偏差の値が小さいほど、得られた各点の筆記抵抗値にバラツキが少ないこととなり、筆記抵抗値の増減が少なく一定に近い筆記抵抗値と考えられる。よって、急に筆記抵抗値が増加するような点がなく、滑らかな筆記感触と感じられるものである。
書き味の滑らかさ評価(官能試験):モニター20人で手書きによる官能試験を、実施例1〜11および比較例1〜17のインキを充填した各ボールペンサンプルの未筆記の状態のものを用い、筆記圧測定機(LABORATORY POLYGRAPH SYSTEM、日本光電工業(株)製)上にて高筆圧(250g〜350g)で筆記し、書き味を評価した。評価基準は、重いもしくは滑らかでない(1点)、軽いが滑らかでない、もしくは滑らかだが重い(2点)、軽くて滑らか(3点)、非常に軽くて滑らか(4点)で評価し、20人の平均値を算出した。

Claims (1)

  1. 着色剤と、有機溶剤と、分子内に水酸基またはカルボニル基を有する造膜性樹脂と、エチルヘキサン酸とブチルエチルプロパンジオールとのエステルを少なくとも含むボールペン用油性インキ組成物。
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