JP2010222194A - 結晶配向セラミックス及び積層型圧電素子の製造方法 - Google Patents

結晶配向セラミックス及び積層型圧電素子の製造方法 Download PDF

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宏紀 藤井
Masaya Nakamura
雅也 中村
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洋介 鈴木
Toshiatsu Nagaya
年厚 長屋
Hirotaka Yamaguchi
裕隆 山口
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Abstract

【課題】優れた配向度を示すことができる結晶配向セラミックスの製造方法及び積層型圧電素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】異方形状粉末11と反応原料粉末12とを焼結させて、多結晶体を構成する結晶粒16の結晶面{100}面が配向する結晶配向セラミックス1の製造方法及び該結晶配向セラミックスを圧電セラミック層として有する積層型圧電素子である。反応原料粉末12のX線回折パターンにおいて、反応原料粉末12の主相の{110}面に由来するピーク強度をA0とし、タングステンブロンズ構造を有する異相の{110}面に由来するピーク強度をA1とすると、反応原料粉末12としては、ピーク強度比A(A=A1/A0)が0.025以下であるものを採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、等方性ペロブスカイト化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を
構成する結晶粒の特定の結晶面が配向した結晶配向セラミックスの製造方法、及び該結晶配向セラミックスを圧電セラミック層とする積層型圧電素子の製造方法に関する。
セラミックスからなる多結晶体は、例えば温度、熱、ガス、及びイオン等の各種センサ等に利用されている。また、コンデンサ、抵抗体、及び集積回路用基板等の電子回路部品や、光学的又は磁器的記録素子等に利用されている。特に、圧電効果を有するセラミックス(以下、適宜「圧電セラミックス」という)からなる多結晶体は、高性能で、形状の自由度が大きく、材料設計が比較的容易なため、広くエレクトロニクスやメカトロニクスの分野で応用されている。
圧電セラミックスは、強誘電体セラミックスに電界を印加し、強誘電体の分域の方向を一定の方向にそろえる、いわゆる分極処理を施したものである。圧電セラミックスにおいて、分極処理により自発分極を一定方向にそろえるためには、自発分極の方向が三次元的に取りうる等方性ペロブスカイト型の結晶構造が有利である。そのため、実用化されている圧電セラミックスの大部分は、等方性ペロブスカイト型強誘電体セラミックスである。
等方性ペロブスカイト型強誘電体セラミックスとしては、例えば、Pb(Zr・Ti)O3(以下、これを「PZT」という。)、PZTに対して鉛系複合ペロブスカイトを第三成分として添加したPZT3成分系、BaTiO3、Bi0.5Na0.5TiO3(以下、これを「BNT」という。)等が知られている。
これらの中で、PZTに代表される鉛系の圧電セラミックスは、他の圧電セラミックスに比較して高い圧電特性を有しており、現在実用化されている圧電セラミックスの大部分を占めている。しかしながら、蒸気圧の高い酸化鉛(PbO)を含んでいるために、環境に対する負荷が大きいという問題がある。そのため、低鉛あるいは無鉛でPZTと同等の圧電特性を有する圧電セラミックスが求められている。
一方、BaTiO3セラミックスは、鉛を含まない圧電材料の中では比較的高い圧電特性を有しており、ソナー等に利用されている。また、BaTiO3と他の非鉛系ペロブスカイト化合物(例えばBNT等)との固溶体の中にも、比較的高い圧電特性を示すものがある。しかしながら、これらの無鉛圧電セラミックスは、PZTに比して、圧電特性が低いという問題があった。
このような問題を解決するために、従来から様々な圧電セラミックスが提案されてきた。例えば、非鉛系の中でも相対的に高い圧電特性を示す等方性ペロブスカイト型ニオブ酸カリウムナトリウムや、その固溶体からなる圧電セラミックスがある(特許文献1〜6参照)。しかし、これらの無鉛圧電セラミックスは、PZT系の圧電セラミックスに比べてまだ充分な圧電特性を発揮できないという問題があった。
このような背景の中、形状異方性を有し、自発分極が1つの平面内に優先配向するセラミック結晶粒を含む圧電セラミックスを有する圧電素子が開発されている(特許文献7参照)。
一般に、等方性ペロブスカイト型化合物の圧電特性などは、結晶軸の方向によって異なることが知られている。そのために、圧電特性などの高い結晶軸を一定の方向に配向させることができれば、圧電特性の異方性を最大限に活用することができ、圧電セラミックスの高性能化が期待できる。上記特許文献7に開示されているように、所定の組成を有する板状粉末を反応性テンプレートとし、該板状粉末と原料粉末とを焼結させて特定の結晶面を配向させる方法によれば、特定の結晶面が高い配向度で配向した高性能な結晶配向セラミックスを製造することができる。
結晶配向セラミックスは、図7(a)〜(d)に示すごとく、例えば次のようにして作製することができる。
即ち、まず、図7(a)に示すごとく、所定の組成を有する異方形状の板状粉末(異方形状粉末)91を反応性テンプレートとして準備する。また、焼成時にこの板状粉末91と反応して等方性ペロブスカイト型化合物を生成する反応原料粉末92を準備する。次いで、この板状粉末91及び反応原料粉末92に、溶媒、バインダ、可塑剤、及び分散材等を加えて混合し、スラリー90を作製する。このスラリー90においては、溶媒、バインダ、可塑剤、及び分散材等からなる分散媒93中に板状粉末91及び原料粉末92が分散されている(図7(a)参照)。
次に、スラリー90を例えばシート状に成形して、図7(b)に示すごとく成形体95を作製する。このとき、同図に示すごとく、成形時に加わるせん断応力により、異方形状の板状粉末1を成形体95内で略同じ方向に整列させる。
次いで、成形体5を加熱して焼結させる。このとき、図7(c)に示すごとく、焼結中の成形体95内では、上記板状粉末91が反応性テンプレートとなって周囲の反応原料粉末92と反応して上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成しながら板状粉末91が成長する。さらに、焼結を進行させると、板状粉末91が反応原料粉末92と反応しながらさらに成長し、図7(d)に示すごとく、特定の結晶面が配向した結晶粒子(配向粒子)96からなる結晶配向セラミックス9を得ることができる。
特開2000−313664号公報 特開2003−300776号公報 特開2003−306479号公報 特開2003−327472号公報 特開2003−342069号公報 特開2003−342071号公報 特開2004−7406号公報
しかしながら、従来の製造方法によって作製した結晶配向セラミックスは、配向度が不十分であった。
その原因の一つに、異方形状粉末(板状粉末)と反応させる反応原料粉末の結晶性のばらつきが関与していることを見出した。即ち、図8(a)に示すごとく、反応原料粉末92には、タングステンブロンズ構造の異相98を生じている場合があり、該異相98は反応性が非常に高い。したがって、異相98が多く存在すると、図8(b)及び(c)に示すごとく、焼成時に反応原料粉末92と異方形状粉末91との反応だけでなく、反応原料粉末92(98)同士の反応が進行し易くなり、異相98が反応原料粉末92の主相を取り込んで結晶成長し易くなる。その結果、無配向結晶からなる異相98が成長すると共に、結晶粒子間にボイド99が発生し易くなる。そのため、結晶配向セラミックス全体の配向度や緻密性が低下し、かかる結晶配向セラミックスを例えば積層型圧電素子等に適用しても充分に優れた圧電特性を発揮することができなくなる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、優れた配向度を示すことができる結晶配向セラミックスの製造方法及び積層型圧電素子の製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を構成する結晶粒の結晶面{100}面が配向する結晶配向セラミックスの製造方法であって、
ペロブスカイト型化合物よりなり、結晶面{100}が配向して配向面を形成する異方形状の配向粒子からなる異方形状粉末を準備する異方形状粉末準備工程と、
上記異方形状粉末と共に焼結させることにより上記結晶配向セラミックスの目的組成の上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する反応原料粉末を準備する反応原料粉末準備工程と、
上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを混合することにより原料混合物を作製する混合工程と、
上記異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物を成形して成形体を作製する成形工程と、
上記成形体を加熱し、上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを焼結させることにより上記結晶配向セラミックスを得る焼成工程とを有し、
上記反応原料粉末のX線回折パターンにおいて、上記反応原料粉末の主相の{110}面に由来するピーク強度をA0とし、タングステンブロンズ構造を有する異相の{110}面に由来するピーク強度をA1とすると、上記反応原料粉末としては、ピーク強度比A(A=A1/A0)が0.025以下であるものを採用することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法にある(請求項1)。
第2の発明は、等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を構成する結晶粒の結晶面{100}面が配向する結晶配向セラミックスよりなる圧電セラミック層と、導電性金属を含有する内部電極とを複数交互に積層してなる積層型圧電素子の製造方法において、
ペロブスカイト型化合物よりなり、結晶面{100}が配向して配向面を形成する異方形状の配向粒子からなる異方形状粉末を準備する異方形状粉末準備工程と、
上記異方形状粉末と共に焼結させることにより上記結晶配向セラミックスの目的組成の上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する反応原料粉末を準備する反応原料粉末準備工程と、
上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを混合することにより原料混合物を作製する混合工程と、
上記異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物をシート状に成形して成形体を作製する成形工程と、
上記成形体上に、焼成後に上記内部電極となる上記導電性金属を含有する電極材料を印刷する印刷工程と、
該印刷工程後の上記成形体を積層して積層体を作製する積層工程と、
上記積層体を加熱することにより、上記成形体内で上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを反応させると共に上記成形体を焼結させて、上記圧電セラミック層と上記内部電極とが複数交互に積層された上記積層型圧電素子を得る焼成工程とを有し、
上記反応原料粉末のX線回折パターンにおいて、上記反応原料粉末の主相の{110}面に由来するピーク強度をA0とし、タングステンブロンズ構造を有する異相の{110}面に由来するピーク強度をA1とすると、上記反応原料粉末としては、ピーク強度比A(A=A1/A0)が0.025以下であるものを採用することを特徴とする積層型圧電素子の製造方法にある(請求項5)。
本発明において最も注目すべき点は、上記反応原料粉末として、該反応原料粉末のX線回折パターンにおいて、タングステンブロンズ構造を有する異相の{110}面に由来するピーク強度A1と、上記反応原料粉末の主相の{110}面に由来するピーク強度A0との上記強度比A(A=A1/A0)が0.025以下であるものを採用することにある。
即ち、上記反応原料粉末中に上記タングステンブロンズ構造の異相(以下、適宜「TB異相」という)が多く存在すると、上記焼成工程において、反応性の高いTB異相が上記反応原料粉末の主相を取り込んで結晶成長し易くなる。成長したTB異相は無配向結晶であるため、上記結晶配向セラミックスの配向度が劣化してしまう。また、上記反応原料粉末中にTB異相が多く存在すると、焼結性が悪くなり、焼成後の組織が不均一となり、焼成密度も低下するおそれがある。
本発明のように、上記強度比Aが0.025以下の上記反応原料粉末を採用すると、上記焼成工程において、上記反応原料粉末同士の反応を抑制することができる。そのため、上記焼成工程において、上記異方形状粉末と上記反応原料粉末との反応性を高まり、上記異方形状粉末の上記配向面を継承する結晶成長を充分に進行させることができる。その結果、配向度の高い結晶配向セラミックスを得ることができる。
即ち、上記第1の発明のように、上記異方形状粉末準備工程、上記反応原料粉末準備工程、上記混合工程、上記成形工程、及び上記焼成工程を行い、上記特定の反応原料粉末を採用することにより、優れた配向度を示すことができる結晶配向セラミックスを得ることができる。
また、上記第2の発明のように、上記異方形状粉末準備工程、上記反応原料粉末準備工程、上記混合工程、上記成形工程、上記印刷工程、上記積層工程、及び上記焼成工程を行い、上記特定の反応原料粉末を採用することにより、優れた配向度を示すことができる結晶配向セラミックスからなる上記圧電セラミック層を形成することができる。そのため、上記積層型圧電素子は、優れた圧電特性を示すことができる。
実施例1にかかる、異方形状粉末と反応原料粉末とを混合してなる原料混合物の構成を示す説明図(a)、成形体内で異方形状粉末が配向した状態を示す説明図(b)、焼成中の成形体内において異方形状粉末と反応原料粉末とが焼結する様子を示す説明図(c)、焼成後に得られる結晶配向セラミックス内の結晶粒の様子を示す説明図(d)。 実施例1にかかる、反応原料粉末のX線回折パターンを示す説明図。 実施例1にかかる、反応原料粉末のX線回折パターンの特定領域(25°≦2θ≦35°)を拡大して示す説明図。 実施例2にかかる、積層型圧電素子の全体構造を斜め上方から示した説明図(a)、積層型圧電素子の断面構造を示す説明図。 実施例2にかかる、積層時に積層体の一方の側面に電極材料が露出する様なパターンで電極材料をグリーンシート上に形成してなる第1電極印刷シートを示す説明図(a)、積層時に積層体のもう一方の側面に電極材料が露出する様なパターンで電極材料をグリーンシート上に形成してなる第2電極印刷シートを示す説明図(a)。 実施例2にかかる、第1電極印刷シート及び第2電極印刷シートを交互に積層して積層体を作製する工程を示す説明図。 背景技術にかかる、異方形状粉末と反応原料粉末とを混合してなる原料混合物の構成を示す説明図(a)、成形体内で異方形状粉末が配向した状態を示す説明図(b)、焼成中の成形体内において異方形状粉末と反応原料粉末とが焼結する様子を示す説明図(c)、焼成後に得られる結晶配向セラミックス内の結晶粒の様子を示す説明図(d)。 従来技術における問題点を示す説明図であって、反応原料粉末中に含まれる異相を示す説明図(a)、異方形状粉末と反応原料粉末との焼成時に異相が反応原料粉末の主相と反応して成長すると共に、ボイドが発生する様子を示す説明図(b)、成長した異相とボイドを有する焼成後の結晶配向セラミックスの構成を示す説明図(c)。
上記第1の発明においては、上記異方形状粉末準備工程、上記反応原料粉末準備工程、上記混合工程、上記成形工程、及び上記焼成工程を行うことにより、等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を構成する結晶粒の結晶面{100}面が配向する結晶配向セラミックスを製造する。
また、上記第2の発明においては、上記異方形状粉末準備工程、上記反応原料粉末準備工程、上記混合工程、上記成形工程、上記印刷工程、上記積層工程、及び上記焼成工程を行うことにより、上記結晶配向セラミックスからなる上記圧電セラミック層を有する上記積層型圧電素子を製造する。
ここで、「等方性」とは、擬立方基本格子でペロブスカイト型構造ABO3を表現したとき、軸長a、b、cの相対比が0.8〜1.2であり、軸角α、β、γが80〜100°の範囲にあることを示す。
「結晶面{100}面が配向する」とは、上記ペロブスカイト型化合物の{100}面が互いに平行になるように、各結晶粒が配列していること(以下、このような状態を適宜「面配向」という。)を意味する。
「擬立方{HKL}」とは、一般に等方性ペロブスカイト型化合物は、正方晶、斜方晶、三方晶等、立方晶からわずかにゆがんだ構造をとるが、その歪みはわずかであるので、立方晶とみなしてミラー指数表示することを意味する。
特定の結晶面が面配向している場合において、面配向の程度は、次の数1の式で表されるロットゲーリング(Lotgering)法による平均配向度F(HKL)で表すことができる。
Figure 2010222194
数1の式において、ΣI(hkl)は、結晶配向セラミックスについて測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、ΣI0(hkl)は、結晶配向セラミックスと同一組成を有する無配向の圧電セラミックスについて測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和である。また、Σ’I(HKL)は、結晶配向セラミックスについて測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(HKL)のX線回折強度の総和であり、Σ’I0(HKL)は、結晶配向セラミックスと同一組成を有する無配向の圧電セラミックスについて測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(HKL)のX線回折強度の総和である。
したがって、多結晶体を構成する各結晶粒が無配向である場合には、平均配向度F(HKL)は0%となる。また、多結晶体を構成するすべての結晶粒の(HKL)面が測定面に対して平行に配向している場合には、平均配向度F(HKL)は100%となる。
上記結晶配向セラミックスにおいて、配向している結晶粒の割合が多くなるほど、高い特性が得られる。
好ましくは、上記混合工程においては、上記焼成工程後に上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とから一般式(1){Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3(但し、0≦x≦0.2、0≦y≦1、0≦z≦0.4、0≦w≦0.2、x+z+w>0)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物が生成する化学量論比にて上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを混合することがよい(請求項2及び請求項6)。
この場合には、上記焼成工程後に、非鉛で、圧電特性に優れた結晶配向セラミックス及び該結晶配向セラミックスからなる上記圧電セラミック層を形成することができる。
また、焼成工程後に得られる実際の組成は、上記一般式(1)で表される組成から若干ずれる場合がある。例えば上記一般式(1)で表される組成をペロブスカイト構造の組成式ABO3にあてはめたときに、Aサイト原子とBサイト原子の構成比が1:1である組成に対して、Aサイト欠陥が生じてAサイト原子の構成比が5%程度減少した組成になる場合がある。即ち、一般式(1’){Lix(K1-yNay)1-x}a(Nb1-z-wTazSbw)O3(但し、0≦x≦0.2、0≦y≦1、0≦z≦0.4、0≦w≦0.2、x+z+w>0、0.95≦a≦1.0)で表される等方性ペロブスカイト型化合物を得ることができる。好ましくは、0.97≦a≦1.0がよい。
上記一般式(1)において、「x+z+w>0」は、置換元素として、Li、Ta及びSbの内の少なくとも1つが含まれていればよいことを示す。
また、一般式(1)において、「y」は、等方性ペロブスカイト型化合物に含まれるKとNaの比を表す。上記等方性ペロブスカイト型化合物は、Aサイト元素として、K又はNaの少なくとも一方が含まれていればよい。
上記一般式(1)におけるyの範囲は、0<y≦1であることがより好ましい。
この場合には、上記一般式(1)で表される化合物において、Naが必須成分となる。そのため、この場合には、上記結晶配向セラミックスの圧電g31定数をさらに向上させることができる。
また、上記一般式(1)におけるyの範囲は、0≦y<1とすることができる。
この場合には、上記一般式(1)で表される化合物において、Kが必須成分となる。そのため、この場合には、上記結晶配向セラミックスの圧電d31定数等の圧電特性をさらに向上させることができる。また、この場合には、K添加量の増加に伴い、より低温での焼結が可能になるため、省エネルギーかつ低コストで上記結晶配向セラミックスを作製することができる。
また、上記一般式(1)において、yは、0.05≦y≦0.75であることがより好ましく、0.20≦y≦0.70であることがさらに好ましい。これらの場合には、上記結晶配向セラミックスの圧電d31定数及び電気解決合計数Kpを一層向上させることができる。さらに一層好ましくは、0.20≦y<0.70がよく、さらには0.35≦y≦0.65がよく、さらには0.35≦y<0.65がより好ましい。また、最も好ましくは、0.42≦y≦0.60がよい。
「x」は、Aサイト元素であるK及び/又はNaを置換するLiの置換量を表す。K及び/又はNaの一部をLiで置換すると、圧電特性等の向上、キュリー温度の上昇、及び/又は緻密化の促進という効果が得られる。
上記一般式(1)におけるxの範囲は、0<x≦0.2であることが好ましい。
この場合には、上記一般式(1)で表される化合物において、Liが必須成分となるので、上記結晶配向セラミックスは、その作製時の焼成を一層容易に行うことができると共に、圧電特性がより向上し、キュリー温度(Tc)を一層高くすることができる。これは、Liを上記のxの範囲内において必須成分とすることにより、焼成温度が低下すると共に、Liが焼成助剤としての役割を果たし、空孔の少ない焼成を可能にするからである。
xの値が0.2を越えると、圧電特性(圧電d31定数、電気機械結合係数kp、圧電g31定数等)が低下するおそれがある。
また、上記一般式(1)におけるxの値は、x=0とすることができる。
この場合には、上記一般式(1)は、(K1-yNay)a(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される。そしてこの場合には、上記結晶配向セラミックスを作製する際に、その原料中に例えばLiCO3のように、最も軽量なLiを含有してなる化合物を含まないので、原料を混合し上記結晶配向セラミックスを作製するときに原料粉の偏析による特性のばらつきを小さくすることができる。また、この場合には、高い比誘電率と比較的大きな圧電g定数を実現できる。上記一般式(1)において、xの値は、0≦x≦0.15がより好ましく、0≦x≦0.10がさらに好ましい。
「z」は、Bサイト元素であるNbを置換するTaの置換量を表す。Nbの一部をTaで置換すると、圧電特性等の向上という効果が得られる。上記一般式(1)において、zの値が0.4を越えると、キュリー温度が低下し、家電や自動車用の圧電材料としての利用が困難になるおそれがある。
上記一般式(1)におけるzの範囲は、0<z≦0.4であることが好ましい。
この場合には、上記一般式(1)で表される化合物において、Taが必須成分となる。そのため、この場合には、焼結温度が低下すると共に、Taが焼結助剤の役割を果たし、上記結晶配向セラミックス中の空孔を少なくすることができる。
上記一般式(1)におけるzの値は、z=0とすることができる。
この場合には、上記一般式(1)は、{Lix(K1-yNay)1-x}a(Nb1-wSbw)O3で表される。そして、この場合には、上記一般式(1)で表される化合物はTaを含まない。そのためこの場合には、上記一般式(1)で表される化合物は、その作製時に高価なTa成分を使用することなく、優れた圧電特性を示すことができる。
上記一般式(1)において、zの値は、0≦z≦0.35がより好ましく、0≦z≦0.30がさらに好ましい。
さらに、「w」は、Bサイト元素であるNbを置換するSbの置換量を表す。Nbの一部をSbで置換すると、圧電特性等の向上という効果が得られる。wの値が0.2を越えると、圧電特性、及び/又はキュリー温度が低下するので好ましくない。
また、上記一般式(1)におけるwの値は、0<w≦0.2であることが好ましい。
この場合には、上記一般式(1)で表される化合物において、Sbが必須成分となる。そのため、この場合には、焼結温度が低下し、焼結性を向上させることができると共に、誘電損失tanδの安定性を向上させることができる。
また、上記一般式(1)におけるwの値は、w=0とすることができる。この場合には、上記一般式(1)は、{Lix(K1-yNay)1-x}a(Nb1-zTaz)O3で表される。そして、この場合には、上記一般式(1)で表される化合物は、Sbを含まず、比較的高いキュリー温度を示すことができる。上記一般式(1)において、wの値は、0≦w≦0.15であることがより好ましく、0≦w≦0.10であることがさらに好ましい。
また、上記結晶配向セラミックスは、高温から低温になるにつれて、結晶相が立方晶→正方晶(第1の結晶相転移温度=キュリー温度)、正方晶→斜方晶(第2の結晶相転移温度)、斜方結晶→菱面体晶(第3の結晶相転移温度)と変化する。第1の結晶相転移温度より高い温度領域では立方晶となるため変位特性が消滅し、また、第2の結晶相転移温度より低い温度領域では斜方結晶となり、変位ならびに見かけの動的静電容量の温度依存性が大きくなる。従って、第1の結晶相転移温度は使用温度範囲より高く、第2の結晶相転移温度は使用温度範囲より低くすることで使用温度範囲全域にわたって正方晶であることが望ましい。
ところが、上記結晶配向セラミクスの基本組成であるニオブ酸カリウムナトリウム(K1-yNayNbO3)は、「ジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサイエティ“Journal of American Ceramic Society ”」、米国、1959年、第42巻[9]p.438−442、ならびに米国特許2976246号明細書によれば、高温から低温になるにつれて、結晶相が立方晶→正方晶(第1の結晶相転移温度=キュリー温度)、正方晶→斜方晶(第2の結晶相転移温度)、斜方結晶→菱面体晶(第3の結晶相転移温度)と変化する。また、「y=0.5」における第1の結晶相転移温度は約420℃、第2の結晶相転移温度は約190℃、第3の結晶相転移温度は約−150℃である。従って、正方晶である温度領域は190〜420℃の範囲であり、一般的な工業製品の使用温度範囲である−40〜160℃と一致しない。
一方、上記結晶配向セラミックスは、基本組成であるニオブ酸カリウムナトリウム(K1-yNayNbO3)に対して、Li、Ta、Sb等の置換元素の量を変化させることにより、第1の結晶相転移温度ならびに第2の結晶相転移温度を自由に変えることができる。
圧電特性が最も大きくなるy=0.4〜0.6において、Li,Ta,Sbの置換量と
結晶相転移温度実測値の重回帰分析を行った結果を下記の式B1、式B2に示す。
式B1及び式B2から、Li置換量は第1の結晶相転移温度を上昇させ、かつ、第2の
結晶相転移温度を低下させる作用を有することがわかる。また、TaならびにSbは第1
の結晶相転移温度を低下させ、かつ、第2の結晶相転移温度を低下させる作用を有することがわかる。
第1の結晶相転移温度=(388+9x−5z−17w)±50[℃]・・・(式B1)
第2の結晶相転移温度=(190−18.9x−3.9z−5.8w)±50[℃]・・・(式B2)
第1の結晶相転移温度は圧電性が完全に消失する温度であり、かつその近傍で動的容量急激に大きくなることから、(製品の使用環境上限温度+60℃)以上が望ましい。第2の結晶相転移温度は単に結晶相転移する温度であり、圧電性は消失しないため変位、あるいは動的容量の温度依存性に悪影響が出ない範囲に設定すればよいため、(製品の使用環境下限温度+40℃)以下が望ましい。
一方、製品の使用環境上限温度は、用途により異なり、60℃、80℃、100℃、120℃、140℃、160℃などである。製品の使用環境下限温度は−30℃、−40℃などである。
従って、上記式B1に示す第1の結晶相転移温度は120℃以上が望ましいため、「x」、「z」、「w」は(388+9x−5z−17w)+50≧120を満足することが望ましい。
また、式B2に示す第2の結晶相転移温度は、10℃以下が望ましいため、「x」、「z」、「w」は(190−18.9x−3.9z−5.8w)−50≦10を満足することが望ましい。
即ち、上記一般式(1)は、9x−5z−17w≧−318、及び−18.9x−3.9z−5.8w≦−130という関係を満足することが好ましい。
なお、上記結晶配向セラミックスは、上記一般式(1)で表される等方性ペロブスカイト型化合物のみからなることが望ましいが、等方性ペロブスカイト型の結晶構造を維持でき、かつ、焼結特性、圧電特性等の諸特性に悪影響を及ぼさないものである限り、他の元素又は他の相が含まれていても良い。
次に、上記結晶配向セラミックスを作製するための各工程について説明する。
上記異方形状粉末準備工程においては、ペロブスカイト型化合物よりなり、結晶面{100}が配向して配向面を形成する異方形状の配向粒子からなる異方形状粉末を準備する。
「異方形状」とは、幅方向又は厚さ方向の寸法に比して、長手方向の寸法が大きいことをいう。具体的には、板状、柱状、鱗片状、針状等の形状が好適な例として挙げられる。また、上記配向面を構成する結晶面の種類は、種々の結晶面の中から目的に応じて選択することができる。
上記配向粒子としては、成形工程の際に一定の方向に配向させることが容易な形状を有しているものを用いることが好ましい。そのため、上記配向粒子の平均アスペクト比は3以上であることが好ましい。平均アスペクト比が3未満の場合には、後述の成形工程において、上記異方形状粉末を一方向に配向させることが困難になる。より高い配向度の上記結晶配向セラミックスを得るためには、上記配向粒子のアスペクト比は5以上であることがより好ましい。なお、平均アスペクト比は、上記配向粒子の最大寸法/最小寸法の平均値である。
また、上記配向粒子の平均アスペクト比が大きくなるほど、成形工程において上記配向粒子を配向させることがより容易になる傾向がある。しかし、平均アスペクト比が過大になると、上記混合工程において、上記配向粒子が破壊されてしまうおそれがある。その結果、成形工程において、上記配向粒子が配向した成形体が得られなくなるおそれがある。したがって、上記配向粒子の平均アスペクト比は、100以下であることが好ましい。より好ましくは50以下、さらには30以下が良い。
また、上記焼成工程においては、上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とが反応し焼結することにより結晶粒子が形成されるため、上記異方形状粉末の上記配向粒子が大きすぎると結晶粒子が大きくなり、結晶配向セラミックスからなる上記圧電セラミック層の強度が低下する恐れがある。従って、上記異方形状粒子の長手方向の最大寸法は、30μm以下であることが好ましい。より好ましくは20μm以下、さらには15μm以下が良い。また、異方形状粒子が小さすぎると結晶粒子が小さくなり、上記圧電セラミック層の圧電性能が低下する恐れがある。従って、上記異方形状粒子の長手方向の最大寸法は、0.5μm以上であることが好ましい。より好ましくは1μm以上、さらには2μm以上が良い。
また、上記配向粒子は、例えばペロブスカイト型化合物からなる。
具体的には、上記配向粒子としては、例えば上記一般式(1)で表される化合物等のように目的の上記結晶配向セラミックスの上記ペロブスカイト型化合物と同一組成を有するもの等を用いることができる。
また、上記配向粒子は、必ずしも上記一般式(1)で表される化合物等のように目的の化合物と同一組成を有するものである必要はなく、後述の反応原料粉末と焼結することにより、目的とする上記一般式(1)で表される等方性ペロブスカイト型化合物を主成分として生成するものであればよい。したがって、上記配向粒子としては、作製しようとする等方性ペロブスカイト型化合物に含まれる陽イオン元素のうちいずれか1種以上の元素を含む化合物あるいは固溶体等から選ぶことができる。
上記異方形状粉末は、一般式(3)(KcNa1-c)(Nb1-dTad)O3(但し、0≦c≦0.8、0.02≦d≦0.4)で表される等方性ペロブスカイト型の5価金属酸アルカリ化合物からなることが好ましい。
この場合には、上記焼成工程において上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを反応させると共に焼結させて上記結晶配向セラミックスを形成する際に、上記結晶配向セラミックスが緻密化し易くなる。そのため、圧延処理、静水圧処理、及び酸素焼成等を行わなくても、高配向度かつ高密度の結晶配向セラミックスを形成することができる。
上記一般式(3)において、c>0.8の場合には、上記異方形状粉末の融点が低下し、高配向度の結晶配向セラミックスを形成することが困難になるおそれがある。また、d<0.02の場合には、高密度でかつ高配向度の結晶配向セラミックスを得るために、圧延処理やCIP処理等が必要になるおそれがある。一方、d>0.4の場合には、Ta量が多くなり過ぎて、上記結晶配向セラミックスのキュリー温度が低下するおそれがある。そのため、上記結晶配向セラミックス、及び該結晶配向セラミックスを圧電セラミック層とする上記積層型圧電素子を家電製品及び自動車部品等として用いることが困難になるおそれがある。
上記異方形状粉末としては、一般式(4)(Bi22)2+{Bi0.5(KuNa1-u)m-1.5(Nb1-vTav)m3m+1}2-(但し、mは2以上の整数、0≦u≦0.8、0≦v≦0.4)で表されるビスマス層状ペロブスカイト型化合物からなる異方形状の出発原料を酸処理することに得られる酸処理体を採用することが好ましい。
この場合には、密度の低下をより抑制しつつ上記結晶配向セラミックスの配向度をより向上させることができる。また、上記酸処理体は、その板状粉末の表面が平滑なため、成形時の配向性を向上させることができる。そのため、上記結晶配向セラミックスの配向度をより向上させることができる。
上記酸処理体の組成は、例えばエネルギー分散型X線装置(EDX)及びX線回折装置(XRD)により測定することができる。
上記一般式(4)におけるuの値が0.8を越える場合には、上記異方形状粉末の融点が低下し、上記焼成工程において高配向度の結晶配向セラミックスからなる上記圧電セラミック層を形成させることが困難になるおそれがある。一方、vが0.4を越える場合には、結晶配向セラミックスのキュリー温度が低下し、上記積層型圧電素子を家電及び自動車の部品等として利用することが困難になるおそれがある。また、mが大きくなりすぎると、合成時においてビスマス層状ペロブスカイト型化合物の異方形状粉末以外にペロブスカイトの非異方形状微粒子が発生するおそれがある。したがって、異方形状粒子の歩留まりを向上させるという観点からmは15以下の整数であることが好ましい。
上記出発原料の酸処理は、上記出発原料を、塩酸等の酸に接触させることにより行うことができる。
具体的には、例えば出発原料粉末を酸中で加熱しながら混合する方法を採用することができる。
次に、上記反応原料粉末準備工程においては、上記異方形状粉末と共に焼結させることにより上記結晶配向セラミックスの目的組成の上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する反応原料粉末を準備する。
上記反応原料粉末の組成は、目的組成となる上記結晶配向セラミックスの例えば上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物、及び上記異方形状粉末の組成から決定することができる。
即ち、上記結晶配向セラミックスの目的組成、及び上記異方形状粉末の組成を決定し、該異方形状粉末と反応原料粉末とから上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物が生成するように、上記微細粒子粉末の組成を決定することができる。
上記反応原料粉末は、一般式(2){Lip(K1-qNaq)1-p}(Nb1-r-sTarSbs)O3(但し、0≦p≦1、0≦q≦1、0≦r≦1、0≦s≦1)で表される等方性ペロブスカイト型化合物が生成する配合比で、Li源、K源、Na源、Nb源、Ta源、及びSb源から選ばれる2種以上の原料源を混合して原料源混合物を得る原料源混合工程と、上記原料源混合物を仮焼する仮焼工程とを行って得ることができる(請求項3、請求項7)。
上記の各原料源としては、各金属(陽イオン)元素を含有する酸化物粉末、複合酸化物粉末、水酸化物粉末、アルコキシド、あるいは塩等を用いることができる。塩としては、炭酸塩、炭酸水素塩、又は硝酸塩等を用いることができる。
上記原料源混合工程においては、上記原料源に、水、有機溶剤等の適当な分散媒を加えて混合を行うことができる。
また、上記原料源混合工程においては、φ5〜φ15mmのボールミルを用いて湿式混合を行うことが好ましい(請求項4、請求項8)。
ボールミルの直径がφ5mm未満の場合には、上記原料源が充分に粉砕されず、上記原料源混合物の反応性が悪くなり、上記仮焼工程後に得られる上記反応原料粉末の粒径が小さくなるおそれがある。その結果、上記焼成工程において、上記反応原料粉末同士での反応が進行し易くなり、上記結晶配向セラミックスの配向度が低下するおそれがある。また、この場合には、上記仮焼工程における上記原料源混合物の反応性が不均一になり、結晶性の異なるタングステンブロンズ構造の異相(TB異相)が生成し易くなるおそれがある。一方φ15mmを越える場合には、ボールミルと上記原料混合物との接触面積が小さくなり、充分に混合粉砕を行うことが困難になるおそれがある。その結果、上記仮焼工程後の上記反応原料粉末の粒径及び結晶性が不均一になり易い。かかる反応原料粉末を用いると、上記焼成工程時に上記結晶配向セラミックスの緻密化を充分に進行させることができなくなるおそれがある。
上記のごとく、φ5〜φ15mmのボールミルを用いることにより、上記TB異相の生成を抑制し、上述の強度比0.025以下の上記反応原料粉末を容易に得ることができる。より好ましくは、ボールミルの粒径はφ5〜10mmがよい。
また、上記仮焼工程における仮焼は、例えば温度800℃以下で行うことができる。好ましくは750℃以下がよい。また、仮焼に要する時間が長くなりすぎてしまうという観点、及び仮焼が不十分になりすぎて焼成工程後に得られる上記結晶配向セラミックスの組成及び緻密性にばらつきを生じ易くなるという観点から、仮焼温度は600℃以上がよい。
また、上記原料源混合工程においては、上記一般式(2)で表される等方性ペロブスカイト型化合物が生成する配合比で上記原料源の混合を行うが、仮焼工程後に得られる実際の組成は一般式(2)の組成からずれる場合がある。例えば上記一般式(2)のAサイトとBサイト比が1:1からはずれ、一般式(2’){Lip(K1-qNaq)1-p}b(Nb1-r-sTarSbs)O3(但し、0≦p≦1、0≦q≦1、0≦r≦1、0≦s≦1、0.95≦b≦1.0)で表される組成を生成することができる。
また、上記仮焼工程後には、例えば比表面積が3.5〜4.5cm2/gの仮焼粉(反応原料粉末)を得ることができる。
上記仮焼工程後には、例えばZrO2ボール等を用いたボールミルにより仮焼粉反応原料粉末)を粉砕して、所望の粒径に調整する粉砕工程を行うことができる。
また、上記反応原料粉末は、上記異方形状粉末の1/3以下の粒径を有することが好ましい。
上記反応原料粉末の粒径が上記異方形状粉末の粒径の1/3を超える場合には、上記成形工程において、上記異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物を成形することが困難になるおそれがある。より好ましくは、上記反応原料粉末の粒径は、上記異方形状粉末の粒径の1/4以下がよく、さらには1/5以下がよい。
上記反応原料粉末と上記異方形状粉末との粒径の比較は、上記反応原料粉末の平均粒径と上記異方形状粉末の平均粒径とを比較することによって行うことができる。なお、上記異方形状粉末の粒径及び上記反応原料粉末の粒径は、いずれも最も長尺の径のことをいう。
次に、上記混合工程においては、上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを混合することにより原料混合物を作製する。
上記混合工程においては、所定の比率で配合された上記異方形状粉末、及び上記反応原料粉末に対して、さらにこれらの物質の反応によって得られる等方性ペロブスカイト型化合物と同一組成の化合物からなる不定形の微粉(以下、これを「化合物微粉」という。)を添加することができる。また、例えばCuO等の焼結助剤を添加することもできる。上記化合物微粉や上記焼結助剤を添加すると、焼結体の緻密化がさらに容易になるという利点がある。
また、上記化合物微粉を配合する場合には、該化合物微粉の配合比率が過大になると、必然的に原料全体に占める上記異方形状粉末の配合比率が小さくなり、結晶配向セラミックスの配向度が低下するおそれがある。したがって、上記化合物微粉の配合比率は、要求される焼結体密度及び配向度に応じて最適な配合比率を選択することが好ましい。
上記混合工程においては、上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを、異方形状粉末:反応原料粉末=0.02〜0.10:0.98〜0.90(ただし、異方形状粉末と反応原料粉末との合計を1モルとする)という配合割合(モル比)で混合することが好ましい。
上記配合割合(モル比)において、異方形状粉末が0.02未満の場合又は反応原料粉末が0.98を越える場合には、実用上充分なレベルまで上記結晶配向セラミックスの配向度を高くすることが困難になるおそれがある。
一方、異方形状粉末が0.10を越える場合又は第1反応原料粉末が0.90未満の場合には密度の高い結晶配向セラミックスを得ることができなくなるおそれがある。
上記一般式(1)で表される等方性ペロブスカイト型化合物を作製する場合には、上記異方形状粉末の配合比率は、上記異方形状粉末中の1つ乃至複数の成分元素により、上記一般式(1)のAサイトが占有される比率が、0.01〜70at%となるようにすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜50at%がよい。さらに好ましくは、1〜10at%がよい。ここで、「at%」とは、原子の数の割合を100分率で示したものである。
上記混合工程において、上記異方形状粉末、上記反応原料粉末、並びに必要に応じて配合される化合物微粉及び焼結助剤の混合は、乾式で行ってもよく、あるいは、水、アルコール、有機溶剤等の適当な分散媒を加えて湿式で行ってもよい。さらにこのとき、必要に応じてバインダ、可塑剤、及び分散材等から選ばれる1種以上を加えることもできる。
次に、上記第1の発明の上記成形工程においては、上記異方形状粉末の結晶面{100}面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物をシート状に成形して成形体を作製する。
また、上記第2の発明の上記成形工程においては、上記異方形状粉末の結晶面{100}面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物をシート状に成形して成形体を作製する。
成形方法については、上記異方形状粉末を配向させることが可能な方法であればよい。上記異方形状粉末を面配向させる成形方法としては、具体的にはドクターブレード法、プレス成形法、圧延法等が好適な例としてあげられる。これらの成形方法によれば、異方形状粉末に作用するせん断応力等によって、異方形状粉末を成形体内で略同一の方向に配向させることができる。
上記成形工程においては、上記原料混合物を30μm〜200μmの厚みのシート状に成形することが好ましい。
厚みが30μm未満の場合には、上記成形体の取り扱いが非常に困難になるおそれがある。一方、200μmを越える場合には、上記成形体中で上記異方形状粉末を略同一方向に配向させることが困難になるおそれがある。
また、上記異方形状粉末が面配向した成形体(以下、これを適宜「面配向成形体」という。)の厚さを増したり、配向度を上げるために、面配向成形体に対し、さらに積層圧着、プレス、圧延等の処理(以下、これを適宜「面配向処理」という。)を行うことができる。上記面配向成形体に対して、いずれか1種類の面配向処理を行うこともできるが、2種以上の面配向処理を行うこともできる。また、上記面配向成形体に対して、1種類の面配向処理を繰り返し行うこともでき、また、2種以上の面配向処理をそれぞれ複数回繰り返し行うこともできる。
次に、上記第1の発明の上記焼成工程においては、上記成形体を加熱し、上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを焼結させることにより上記結晶配向セラミックスを得る。
上記焼成工程における加熱は、例えば温度900℃以上で、かつ1300℃以下で行うことができる。さらに、加熱時間は、所望の焼結体密度が得られるように、加熱温度に応じて最適な時間を選択することができる。
また、上記第1の発明において、上記成形工程においては、成形後の上記成形体を複数積層し、上記焼成工程においては、積層された上記成形体を加熱することが好ましい。
この場合には、厚みの大きな結晶配向セラミックスを作製することが可能になる。
また、上記成形工程において得られる上記成形体は、焼成の前に、脱脂を主目的とする熱処理を行うことができる。この場合、脱脂の温度は、少なくとも上記成形助剤(バインダ)を熱分解させるのに充分な温度に設定することができる。但し、上記成形体に揮発しやすい物質(例えばNa化合物等)が含まれる場合には、脱脂は500℃以下で行うことが好ましい。
また、上記成形体の脱脂を行うと、該成形体中の上記異方形状粉末の配向度が低下したり、あるいは、上記成形体に体積膨張が発生したりする場合がある。このような場合には、脱脂を行った後、焼成を行う前に、上記成形体に対して、さらに静水圧(CIP)処理を行うことが好ましい。この場合には、脱脂に伴う配向度の低下、あるいは、上記成形体の体積膨張に起因する焼結体密度の低下を抑制することができる。
次に、上記第2の発明においては、上記成形工程後に、上記成形体上に、焼成後に上記内部電極となる上記導電性金属を含有する電極材料を印刷する上記印刷工程を行う。このとき、上記成形工程において得られる例えば厚み30μm〜200μm程度のシート状の成形体をそのまま用いて上記電極材料を印刷することもできるが、成形後の上記成形体を複数積層し、上記印刷工程においては、積層された上記成形体上に、上記電極材料を印刷することもできる。
この場合には、圧電セラミック層を構成する結晶配向セラミックスの配向度の低下を抑制しつつ、比較的厚みの大きな結晶配向セラミックスからなる上記圧電セラミック層を形成することができる。
上記導電性金属は、Ag/Pd合金、Ag、Pd、Cu、Ni等の単体、Cu/Ni等の合金を用いることができる。好ましくは、上記導電性金属は、AgPd合金であることがよい。
上記電極材料は、上記導電性金属の粉末に、上記反応原料粉末、バインダ及び溶剤等を添加して作製することができる。
また、上記電極材料は、シート状の上記成形体(グリーンシート)上において、焼成後に内部電極となる所望の領域に印刷することができる。
具体的には、焼成後の積層型圧電素子の圧電セラミック層間に内部電極として全面電極を形成させるように、電極材料を印刷することもできるし、また、圧電セラミック層間に内部電極として部分電極を形成させるように、電極材料を印刷することもできる。部分電極を形成する場合には、内部電極の一部を積層型圧電素子の側面から後退させて電極非形成部が形成されるように電極材料を上記成形体上の所望の領域に印刷する。
上記積層工程においては、上記印刷工程後の上記成形体(グリーンシート)を積層して積層体を作製する。
上記積層体の積層方向における両端には、必要に応じて電極材料が印刷されていない上記グリーンシートを配設することができる。これにより、焼成後に結晶配向セラミックスからなるダミー層が積層方向の両端に形成された積層型圧電素子を得ることができる。ダミー層形成用のグリーンシートは上記積層体の積層方向の両端にそれぞれ1層又は2層以上形成することができる。
また、上記積層工程後の上記積層体を積層方向に加圧し、グリーンシートと電極材料とを圧着させることができる。この圧着は加熱しながら行う所謂熱圧着により行うことができる。
また、焼成前に上記積層体を脱脂し、バインダ等の有機成分を除去することができる。
次に、上記焼成工程においては、上記積層体を加熱することにより、上記成形体内で上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを反応させると共に上記成形体を焼結させて、上記圧電セラミック層と上記内部電極とが複数交互に積層された上記積層型圧電素子を得る。
上記焼成工程における加熱は、例えば温度900℃以上で、かつ1300℃以下で行うことができる。さらに、加熱時間は、所望の焼結体密度が得られるように、加熱温度に応じて最適な時間を選択することができる。
また、上記積層型圧電素子の外周側面には、Ag等の導電性金属からなる一対の外部電極を形成することができる。一対の外部電極は、それぞれ、上記積層型圧電素子内に形成された複数の上記電極部に、積層方向に交互に電気的に導通させることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例につき、図1〜図3を用いて説明する。
本例は、異方形状粉末準備工程と、反応原料粉末準備工程と、混合工程と、成形工程と、焼成工程とを行って結晶配向セラミックスを作製する例である。
異方形状粉末準備工程においては、ペロブスカイト型化合物よりなり、結晶面{100}が配向して配向面を形成する異方形状の配向粒子からなる異方形状粉末11を準備する(図1(a)参照)。
反応原料粉末準備工程においては、異方形状粉末11と共に焼結させることにより上記結晶配向セラミックスの目的組成の上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する反応原料粉末12を準備する(図1(a)参照)。本例の反応原料粉末準備工程においては、原料源混合工程と仮焼工程と粉砕工程を行って反応原料粉末12を得る。
即ち、原料源混合工程においては、Li源、K源、Na源、Nb源、Ta源、及びSb源から選ばれる2種以上の原料源を混合して原料源混合物を得る。また、仮焼工程においては、原料源混合物を仮焼し、粉砕工程においては、仮焼粉を粉砕する。
次いで、混合工程においては、図1(a)に示すごとく、異方形状粉末11と反応原料粉末12とを混合することにより原料混合物10を作製する。本例においては、焼成後に、異方形状粉末と反応原料粉末とから{Li0.065(K0.45Na0.55)0.935}(Nb0.83Ta0.09Sb0.08)O3で表される等方性ペロブスカイト型化合物が生成する化学量論比にて異方形状粉末11と反応原料粉末12とを混合する。
また、成形工程においては、図1(b)に示すごとく、異方形状粉末11の配向面が略同一の方向に配向するように、原料混合物を成形して成形体15を作製する。
焼成工程においては、成形体15を加熱し、図1(c)及び(d)に示すごとく異方形状粉末11と反応原料粉末12とを焼結させる。これにより、等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を構成する結晶粒16の結晶面{100}面が配向する結晶配向セラミックス1を得る。
本例においては、反応原料粉末準備工程の原料源混合工程において、ボール径(直径)の異なるボールミルを用いて混合を行うことにより、TB異相量の異なる反応原料粉末を作製する。そして、これらの反応原料粉末を用いて結晶配向セラミックスを作製し、その配向度及びかさ密度を比較する。
以下、本例の製造方法につき、詳細に説明する。
「異方形状粉末準備工程」
まず、以下のようにしてNaNbO3からなる異方形状粉末を作製する。
即ち、まず、Bi2.5Na3.5Nb518という組成となるような化学量論比で、Bi23粉末、Na2CO3粉末、及びNb25粉末を秤量し、これらを湿式混合した。次いで、この原料に対し、フラックスとしてNaClを50wt%添加し、1時間乾式混合した。次に、得られた混合物を白金るつぼに入れ、850℃×1hの条件下で加熱し、フラックスを完全に溶解させた後、さらに1100℃×2hの条件下で加熱し、Bi2.5Na3.5Nb518の合成を行った。なお、昇温速度は、200℃/hrとし、降温は炉冷とした。冷却後、反応物から湯洗によりフラックスを取り除き、Bi2.5Na3.5Nb518粉末を得た。得られたBi2.5Na3.5Nb518粉末は、{001}面を発達面とする板状粉末であった。
次に、Bi2.5Na3.5Nb518粉末をジェットミルにより粉砕した。
粉砕後のBi2.5Na3.5Nb518粉末は、平均粒径が約12μmであり、かつアスペクト比がおよそ3〜6程度の板状粉末であった。
次いで、このBi2.5Na3.5Nb518板状粉末に対し、NaNbO3の合成に必要な量のNa2CO3粉末を混合し、NaClをフラックスとして、白金るつぼ中において、950℃×8時間の熱処理を行った。
得られた反応物には、NaNbO3粉末に加えてBi23が含まれているので、反応物からフラックスを取り除いた後、これをHNO3(1N)中に入れ、余剰成分として生成したBi23を溶解させた。さらに、この溶液を濾過してNaNbO3粉末を分離し、80℃のイオン交換水で洗浄した。このようにして、NaNbO3粉末からなる異方形状粉末を得た。
得られた異方形状粉末は、擬立方{100}面を発達面とし、平均粒径が12μmであり、かつアスペクト比がおよそ3〜6程度の板状粉末であった。
「反応原料粉末準備工程」
まず、目的の結晶配向セラミックスの組成である{Li0.065(K0.45Na0.55)0.935}(Nb0.83Ta0.09Sb0.08)O31モルから、異方形状粉末の組成であるNaNbO30.05モルを差し引いた組成となるように、市販のNaHCO3粉末、KHCO3粉末、Li2CO3粉末、Nb25粉末、Ta25粉末、及びNaSbO3粉末を秤量した。その後、有機溶剤を媒体としてZrO2ボールで20時間の湿式混合を行った(原料源混合工程)。次いで、乾燥させた混合粉末を温度750℃で5Hr仮焼を行った(仮焼工程)。次いで、仮焼工程後に得られる仮焼粉を有機溶媒を媒体としてφ5mmのZrO2ボールで20時間の湿式粉砕を行った(粉砕工程)。これにより、平均粒径が約0.5μmの反応原料粉末を得た。
本例においては、仮焼工程後であって粉砕工程前の反応原料粉末(仮焼粉)について、比表面積及びTB異相量を測定した。
比表面積は、比表面積測定装置((株)島津製作所のFlowSorb II 2300)を用いて測定した。測定温度は200℃、使用ガスとしては窒素及びヘリウムの混合ガスを用いた。
また、異相量は、反応原料粉末のX線回折を行って得られるX線回折パターンにおいて、タングステンブロンズ構造を有する異相の{110}面に由来するピーク強度と、上記反応原料粉末の主相の{110}面に由来するピーク強度との強度比を求めることにより測定した。
具体的には、まず、反応原料粉末を溶媒に分散させ、得られる分散液を基板上に滴下し、乾燥させることより、基板上で反応原料粉末を配列させた。次いで、基板上の反応原料粉末のX線回折強度を測定した。X線回折強度の測定は、X線回折装置((株)リガク製のRINT−TTR)を用いて、CuKα線、50kV/300mAという条件のX線回折(2θ法)により、任意の角度0〜180°(本例においては5°〜60°)の範囲で行った。次いで、得られたX線回折パターンにおいて、仮焼粉の主相の擬立方{110}面に由来するピーク(θ=約32°の位置のピーク)における最大強度に対するタングステンブロンズ(TB)異相の擬立方{110}面に由来するピーク(θ=約29°の位置のピーク)における最大強度の比(ピーク強度比A)を求め、これをTB異相量とした。図2及び図3に、X線回折パターンの一例を示す。
本例においては、原料混合工程における混合時に、平均粒径(φ2〜15μm)が異なるZrO2ボールをそれぞれ用いて混合を行って複数の反応原料粉末を作製し、これら複数の反応原料粉末について、比表面積及びTB異相量を測定した。その結果を後述の表1に示す。
また、本例においては、測定のバラツキを考慮して、同じ平均粒径のZrO2ボールを用いてそれぞれ2つずつ反応原料粉末を作製し、これらの反応原料粉末についても比表面積及びTB異相量を測定した(表1参照)。
「混合工程」
次に、上記のようにして作製した異方形状粉末と反応原料粉末とを、目的組成{Li0.065(K0.45Na0.55)0.935}(Nb0.83Ta0.09Sb0.08)O3になるような化学量論比で秤量した。具体的には、異方形状粉末と反応原料粉末とをモル比で0.05:0.95(異方形状粉末:反応原料粉末)となるように秤量した。
秤量後、有機溶剤を媒体にして、ZrO2ボールで湿式混合を20時間行うことにより、原料混合物のスラリーを得た。その後、スラリーに対してバインダ(ポリビニルブチラール)及び可塑剤(フタル酸ジブチル)を加え、さらに混合した。なお、バインダ及び可塑剤は、100gの原料混合物(粉末成分)に対して、それぞれ8.0g(バインダ)及び4.0g(可塑剤)添加した。このようにして、図1(a)に示すごとく、バインダ、可塑剤、及び有機溶剤等の分散媒13中に、異方形状粉末11及び反応原料粉末12が分散されたスラリー状の原料混合物10を得た。
「成形工程」
次に、ドクターブレード装置を用いて、スラリー状の原料混合物を厚み80μmのシート状に成形し、さらに得られるシートを積層及び圧着することにより、厚さ1.2mmの積層状態の成形体15を得た(図1(b)参照)。このとき、異方形状粉末11に作用するせん断応力等によって、異方形状粉末11を成形体15内で略同一の方向に配向させることができる。
次いで、成形体を大気中において温度400℃で加熱することにより脱脂を行った。
「焼成工程」
次に、脱脂後の成形体をマグネシア鉢中のPt版上に配置し、酸素雰囲気中で温度1120℃で20分加熱後、1150℃まで降温させ、1150℃で10時間加熱することにより焼成し、その後冷却することにより、結晶配向セラミックスを得た。加熱及び冷却は、昇温速度200℃/h、1120℃で20分保持、1120℃〜1050℃の間を−50℃/h、1050℃で10時間保持、1050℃〜1000の間を−50℃/h、冷却速度は1000℃以下では200℃/hの焼成パターンで行った。
このようにして、10種類の結晶配向セラミックス(試料C1〜試料C4及び試料E1〜試料E6)作製した。
後述の表1に示すごとく、試料C1及び試料C2は、原料源混合工程においてボール径2mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した結晶配向セラミックスである。
また、試料C3及び試料C4は、原料源混合工程においてボール径3mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した結晶配向セラミックスである。
また、試料E1及び試料E2は、原料源混合工程においてボール径5mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した結晶配向セラミックスである。
また、試料E3及び試料E4は、原料源混合工程においてボール径10mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した結晶配向セラミックスである。
また、試料E5及び試料E6は、原料源混合工程においてボール径15mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した結晶配向セラミックスである。
次に、アルキメデス法により、各結晶配向セラミックス(試料C1〜試料C4及び試料E1〜試料E6)の焼成密度(かさ密度)を測定した。
即ち、まず、各試料の乾燥時の重量(乾燥重量)をそれぞれ測定した。また、各試料を水に浸漬して各試料の開気孔部に水を浸透させ、水中で30分間脱泡を行った。次いで、各結晶配向セラミックスを水中から取出し、表面の水分を拭き取った後、その重量(含水重量)を測定した。次いで、含水重量と乾燥重量との差から、各結晶配向セラミックス中に存在する開気孔の体積を算出した。また、アルキメデス法により、各試料について、開気孔を除いた部分の体積を測定した。次いで、各試料の乾燥重量を、各試料の全体積(開気孔の体積と開気孔を除いた部分の体積との合計)で除することにより、各試料の嵩密度を算出した。その結果を後述の表2に示す。
次に、各結晶配向セラミックスについて、{100}面の配向度(平均配向度F(100))を測定した。
具体的には、X線回折装置((株)リガク製RINT−TTR)を用いて、Cu−Kα、50kV/300mAという条件で、試料E1のX線回折強度を測定し、上述の数1の式からロットゲーリング法による平均配向度F(100)を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2010222194
表1より知られるごとく、ピーク強度比Aが0.025以下でTB異相量の少ない反応原料粉末を用いて作製した試料E1〜試料E6の結晶配向セラミックスは、80%を越える高い配向度を示した。また、ピーク強度比Aが0.025以下の反応原料粉末は、原料源混合工程において、φ5mm〜15mmのボール(ZrO2ボール)を用いたボールミルにより得られることがわかる。φ5mm未満のボールを用いて作製した反応原料粉末は、TB異相量が多く、これを用いて得られる結晶配向セラミックス(試料C1〜試料C4)の配向度が低下していた。また、ボール径が大きくなると、結晶配向セラミックスのかさ密度が低下する傾向にあり、ボール径はφ15mm以下が好ましいことがわかる。より好ましくはφ10mm以下がよい。
このように、本例によれば、高い配向度を示す結晶配向セラミックス(試料E1〜試料E6)を製造することができる。
(実施例2)
本例は、図4(a)及び(b)に示すごとく、実施例1と同様の結晶配向セラミックスからなる圧電セラミック層2と、導電性金属を含有する内部電極3、4とを複数交互に積層してなる積層型圧電素子5を製造する例である。
本例の積層型圧電素子5において、交互に積層形成された圧電セラミック層2と内部電極と3、4は一体焼成されており、内部電極3、4は6層形成されている。また積層方向の両端にはそれぞれダミー層25が形成されており、ダミー層25は7層の圧電セラミック層2から構成されている。ダミー層25は、圧電セラミック層2と同じ材料からなる。
また、本例においては、内部電極3、4としては部分電極が形成されており、内部電極3、4の外周端部が積層型圧電素子5の外周側面55よりも内方に所定の後退距離で後退した電極非形成部32、42が形成されている。隣り合う2つの内部電極3、4は、それぞれ積層型圧電素子5の対向する一対の側面55に交互に露出するように形成されている。したがって、必要に応じて積層型圧電素子5の側面55に、これを挟む一対の側面電極(図示略)を形成することにより、内部電極3、4に積層方向に交互に電気的に接続する側面電極を形成することができる。
本例の積層型圧電素子は、異方形状粉末準備工程、反応原料粉末準備工程、混合工程、成形工程、印刷工程、積層工程、及び焼成工程を行うことにより作製することができる。
以下、その製造方法につき、説明する。
まず、実施例1と同様にして、異方形状粉末と、反応原料粉末とを作製した。
反応原料粉末としては、実施例1と同様に、平均粒径(φ2〜15μm)が異なるZrO2ボールをそれぞれ用いて混合を行って複数の反応原料粉末を作製した。実施例1と同様に、混合時に用いたZrO2ボールのボール径、反応原料粉末の比表面積及びTB異相量を後述の表2に示す。
次いで、実施例1と同様に、混合工程及び成形工程を行って成形体(グリーンシート)を得た。
「印刷工程」
次に、Pdを30mol%含有するAgPd合金粉末を準備した。このAgPd合金粉末と上述の反応原料粉末とをそれぞれ体積比9:1で混合して、さらにエチルセルロースとテルピネオールを加え、ペースト状の電極材料を作製した。次いで、図5(a)及び(b)に示すごとく、グリーンシート20上における電極部を形成する領域に電極材料を所定のパターン30、40で印刷して電極印刷シート300、400を作製した。このとき、グリーンシート20の一方の端部には、電極材料を印刷せずに、電極非形成部32、42を形成した。本例においては、電極印刷シート300、400として、後述の積層時に互いに異なる側面(積層体内で対向する側面)に電極非形成部32、42が露出する2種類の第1電極印刷シート300及び第2電極印刷シート400を作製した。同図に示すごとく、本例においては、第1電極印刷シート300及び第2電極印刷シート400は、その向きが異なるだけで、実質的には同じパターンで電極材料30、40が印刷された印刷シートである。
次いで、図6に示すごとく、第1電極印刷シート300と第2電極印刷シート400とを交互に積層し、積層体を作製した。このとき、第1電極印刷シート300の電極非形成部32と第2電極印刷シート400の電極非形成部42とが積層体の対向する一対の側面のうち互いに異なる側面に露出するように電極印刷シート300、400を積層した。本例においては、第1電極印刷シート300と第2電極印刷シート400とを合計で6枚積層し、さらに積層体の積層方向の両端には、電極材料が印刷されていないグリーンシート20を各7枚ずつ積層した。これらの両端に配置されたグリーンシート20は、焼成後にダミー層25(図1参照)を形成する。
次いで、積層したシートを温度100℃で加熱すると共に積層方向に50MPaで加圧し、積層体を作製した。次に、積層体を温度400℃で加熱することにより脱脂を行った。
「焼成工程」
次いで、脱脂後の積層体をマグネシア鉢中のPt板上に配置し、実施例1と同様の条件で焼成した。
このようにして、10種類の積層型圧電素子5(試料Ca1〜試料Ca4及び試料Ea1〜試料Ea6)を得た(図4参照)。
後述の表2に示すごとく、試料C1及び試料C2は、原料源混合工程においてボール径2mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した積層型圧電素子である。
また、試料C3及び試料C4は、原料源混合工程においてボール径3mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した積層型圧電素子である。
また、試料E1及び試料E2は、原料源混合工程においてボール径5mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した積層型圧電素子である。
また、試料E3及び試料E4は、原料源混合工程においてボール径10mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した積層型圧電素子である。
また、試料E5及び試料E6は、原料源混合工程においてボール径15mmのZrO2ボールを用いて得られる反応原料粉末を採用して作製した積層型圧電素子である。
次に、実施例1と同様にして、各試料(試料Ca1〜試料Ca4及び試料Ea1〜試料Ea6)について、そのかさ密度及び圧電セラミック層の配向度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2010222194
表2より知られるごとく、ピーク強度比Aが0.025以下でTB異相量の少ない反応原料粉末を用いて作製した試料Ea1〜試料Ea6の積層型圧電素子は、80%を越える高い配向度の結晶配向セラミックスからなる圧電セラミック層を有していた。また、実施例1と同様に、ピーク強度比Aが0.025以下の反応原料粉末は、原料源混合工程において、φ5mm〜15mmのボール(ZrO2ボール)を用いたボールミルにより得られることがわかる。φ5mm未満のボールを用いて作製した反応原料粉末は、TB異相量が多く、これを用いて得られる積層型圧電素子(試料Ca1〜試料Ca4)の圧電セラミック層は、その配向度が低下していた。
また、ボール径が大きくなると、積層型圧電素子のかさ密度が低下する傾向にあり、ボール径はφ15mm以下が好ましいことがわかる。より好ましくはφ10mm以下がよい。
このように、本例によれば、配向度の高い圧電セラミック層を有する積層型圧電素子(試料Ea1〜試料Ea6)が得られる。また、これらの積層型圧電素子は、緻密性にも優れていた。かかる積層型圧電素子は、優れた圧電特性を示すことができる。
1 結晶配向セラミックス
10 原料混合物
11 異方形状粉末
12 反応原料粉末
15 成形体
16 結晶粒

Claims (8)

  1. 等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を構成する結晶粒の結晶面{100}面が配向する結晶配向セラミックスの製造方法であって、
    ペロブスカイト型化合物よりなり、結晶面{100}が配向して配向面を形成する異方形状の配向粒子からなる異方形状粉末を準備する異方形状粉末準備工程と、
    上記異方形状粉末と共に焼結させることにより上記結晶配向セラミックスの目的組成の上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する反応原料粉末を準備する反応原料粉末準備工程と、
    上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを混合することにより原料混合物を作製する混合工程と、
    上記異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物を成形して成形体を作製する成形工程と、
    上記成形体を加熱し、上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを焼結させることにより上記結晶配向セラミックスを得る焼成工程とを有し、
    上記反応原料粉末のX線回折パターンにおいて、上記反応原料粉末の主相の{110}面に由来するピーク強度をA0とし、タングステンブロンズ構造を有する異相の{110}面に由来するピーク強度をA1とすると、上記反応原料粉末としては、ピーク強度比A(A=A1/A0)が0.025以下であるものを採用することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
  2. 請求項1において、上記混合工程においては、上記焼成工程後に上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とから一般式(1){Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3(但し、0≦x≦0.2、0≦y≦1、0≦z≦0.4、0≦w≦0.2、x+z+w>0)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物が生成する化学量論比にて上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを混合することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記反応原料粉末は、一般式(2){Lip(K1-qNaq)1-p}(Nb1-r-sTarSbs)O3(但し、0≦p≦1、0≦q≦1、0≦r≦1、0≦s≦1)で表される等方性ペロブスカイト型化合物が生成する配合比で、Li源、K源、Na源、Nb源、Ta源、及びSb源から選ばれる2種以上の原料源を混合して原料源混合物を得る原料源混合工程と、上記原料源混合物を仮焼する仮焼工程とを行って得られることを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
  4. 請求項3において、上記原料源混合工程においては、φ5〜φ15mmのボールミルを用いて湿式混合を行うことを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
  5. 等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を構成する結晶粒の結晶面{100}面が配向する結晶配向セラミックスよりなる圧電セラミック層と、導電性金属を含有する内部電極とを複数交互に積層してなる積層型圧電素子の製造方法において、
    ペロブスカイト型化合物よりなり、結晶面{100}が配向して配向面を形成する異方形状の配向粒子からなる異方形状粉末を準備する異方形状粉末準備工程と、
    上記異方形状粉末と共に焼結させることにより上記結晶配向セラミックスの目的組成の上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する反応原料粉末を準備する反応原料粉末準備工程と、
    上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを混合することにより原料混合物を作製する混合工程と、
    上記異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物をシート状に成形して成形体を作製する成形工程と、
    上記成形体上に、焼成後に上記内部電極となる上記導電性金属を含有する電極材料を印刷する印刷工程と、
    該印刷工程後の上記成形体を積層して積層体を作製する積層工程と、
    上記積層体を加熱することにより、上記成形体内で上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを反応させると共に上記成形体を焼結させて、上記圧電セラミック層と上記内部電極とが複数交互に積層された上記積層型圧電素子を得る焼成工程とを有し、
    上記反応原料粉末のX線回折パターンにおいて、上記反応原料粉末の主相の{110}面に由来するピーク強度をA0とし、タングステンブロンズ構造を有する異相の{110}面に由来するピーク強度をA1とすると、上記反応原料粉末としては、ピーク強度比A(A=A1/A0)が0.025以下であるものを採用することを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  6. 請求項5において、上記混合工程においては、上記焼成工程後に上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とから一般式(1){Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3(但し、0≦x≦0.2、0≦y≦1、0≦z≦0.4、0≦w≦0.2、x+z+w>0)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物が生成する化学量論比にて上記異方形状粉末と上記反応原料粉末とを混合することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
  7. 請求項5又は6において、上記反応原料粉末は、一般式(2){Lip(K1-qNaq)1-p}(Nb1-r-sTarSbs)O3(但し、0≦p≦1、0≦q≦1、0≦r≦1、0≦s≦1)で表される等方性ペロブスカイト型化合物が生成する配合比で、Li源、K源、Na源、Nb源、Ta源、及びSb源から選ばれる2種以上の原料源を混合して原料源混合物を得る原料源混合工程と、上記原料源混合物を仮焼する仮焼工程とを行って得られることを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
  8. 請求項7において、上記原料源混合工程においては、φ5〜φ15のボールミルを用いて湿式混合を行うことを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
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