JP2010221629A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中間転写体10と、外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を含む疎水性の硬化性溶液12Aを、中間転写体10上に供給し、硬化性溶液層12Bを形成する硬化性溶液層形成装置12と、中間転写体10上に形成された硬化性溶液層12Bに浸透性向上液13Aを付与する液体付与装置13と、硬化性溶液層12Bの浸透性向上液13Aが付与された領域に水性のインク14Aを付与するインク付与装置14と、インク14Aが付与された硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに接触させ、中間転写体10から記録媒体Pに硬化性溶液層12Bを転写する転写装置16と、硬化性溶液層12Bを硬化させる刺激を硬化性溶液層12Bに供給する刺激供給装置18と、を有する画像記録装置101。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、飛翔インク滴が中間転写体に転写されるのに先だって、中間転写体の表面に液体を付着させ、その液体上にインクを付着させてから、中間転写体上のインクを液体とともに被印刷体に転写する記録方法について開示されている。
請求項1に係る発明は、
中間転写体と、
外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を少なくとも含む疎水性の硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成装置と、
前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層にインクの浸透性を向上させる液体を付与する液体付与装置と、
前記硬化性溶液層の前記液体が付与された領域に水性のインクを付与するインク付与装置と、
前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写装置と、
前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給装置と、を有する画像記録装置である。
前記液体が両親媒性である請求項1に記載の画像記録装置である。
前記液体が外部からの刺激により硬化する硬化性材料を含有する請求項1または請求項2に記載の画像記録装置である。
前記液体付与装置が、画像が形成される領域に前記液体を付与し、且つ画像が形成されない領域の少なくとも一部に前記液体を付与しない請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置である。
前記液体付与装置が液滴吐出装置である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像記録装置である。
前記液体付与装置が液体塗布装置である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置である。
図1は、第1実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
中間転写ベルト10の材料としては、一般に中間転写ベルトとして用いられている公知の材料、例えば、各種の樹脂(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等)、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)等、ステンレス等の金属材料等が挙げられる。中間転写ベルト10は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
この中間転写ベルト10を形成する材料としては、具体的には、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、ポリイミドフイルム、ポリオレフィン系フィルム等が挙げられる。
式:γP−γT>10
具体的には、接触角計CAM−200(KSV社製)を用い、Zisman法を用いた装置内臓のプログラム計算にて算出した。
表面離型層に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料等が挙げられ、具体的には、例えば、フッソ樹脂、フッソ変性ウレタンおよびシリコーン樹脂、共重合フッソゴム、フッソ樹脂−共重合ビニルエーテル、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合塗料)などの粉体塗料または樹脂チューブ、PTFE(4フッ化エチレン)塗料、PTFE分散ウレタン塗料、さらにETFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブ、PVdF(ポリビニリデンフルオライド)、PHV(ポリテトラフルオロビニリデン)樹脂材料等が挙げられる。
この中でも、上記刺激に対する透過性の高い材料を用いることが望ましい。また、上記刺激に対する透過性の低い材料を用いる場合は、表面離型層の膜厚を薄くする方が望ましい。
硬化性溶液層形成装置12は、例えば、硬化性溶液12Aを収納する筐体12C内に、当該硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ12Dと、供給された硬化性溶液12Aにより形成された硬化性溶液層12Bの層厚を規定するブレード12Eと、を含んで構成されている。
浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で、且つ中間転写ベルト10表面と記録ヘッド13のノズル面との距離が例えば0.5mm以上1.5mm以下にして配置されている。
インクジェット記録ヘッド13の浸透性向上液13Aの付与方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、浸透性向上液13Aを付与し得る方式であれば制限はない。なお、浸透性向上液13Aの詳細については後述する。
インクジェット記録ヘッド14は、例えば、中間転写ベルト10の移動方向上流側から、ブラックインクを付与するための記録ヘッド14Kと、シアンインクを付与するための記録ヘッド14Cと、マゼンタインクを付与するための記録ヘッド14Mと、イエローインクを付与するための記録ヘッド14Yと、の各色の記録ヘッドを含んで構成されている。無論、記録ヘッド14の構成は上記構成に限られず、例えば、記録ヘッド14Kのみで構成してもよいし、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、および記録ヘッド14Yのみで構成してもよい。
各記録ヘッド14のインク付与方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インク滴14Aを付与し得る方式であれば制限はない。なお、インクの詳細については後述する。
転写装置16は、以下のように構成されている。具体的には、例えば、加圧ロール16Bおよび支持ロール10Cにより中間転写ベルト10を張架し、非屈曲領域を形成している。中間転写ベルト10の非屈曲領域において、加圧ロール16Bおよび支持ロール10Cに対向する位置には、記録媒体Pを支持する支持体22が設けられている。また、加圧ロール16Aは、中間転写ベルト10の加圧ロール16Bと対向する位置に配置され、支持体22に設けられた開口部(図示せず)を通して記録媒体Pに接触する。
すなわち、中間転写ベルト10および記録媒体Pが加圧ロール16Aおよび16Bにより挟み込まれた位置(以下、「接触開始位置」と称する場合がある)から、支持ロール10Cおよび支持体22により挟み込まれた位置(以下、「剥離位置」と称する場合がある)までの転写領域においては、硬化性溶液層12Bは中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態となっている。
刺激供給装置18は、中間転写ベルト10の内側に設けられ、転写領域の中間転写ベルト10を介して、中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態の硬化性溶液層12Bに刺激を供給する。
また、電子線の照射により硬化する電子線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18として硬化性溶液12A(これにより形成された硬化性溶液層12B)に電子線を照射する電子線照射装置を適用する。
また、熱の付与により硬化する熱硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18として硬化性溶液12A(これにより形成された硬化性溶液層12B)に熱を付与する熱付与装置を適用する。
ここで、紫外線の照射条件としては、特に制限はなく、紫外線硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、メタルハライドランプを用いた場合で、積算光量20mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下等である。
ここで、電子線の照射条件としては、特に制限はなく、電子線硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、電子線量は5kGy以上100kGy以下レベル等である。
ここで、熱の付与条件としては、特に制限はなく、熱硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、空気中において、200℃環境で5min等である。
記録媒体Pとしては、浸透媒体(例えば、普通紙や、コート紙等)、非浸透媒体(例えば、アート紙、樹脂フィルムなど)、いずれも適用される。記録媒体Pは、これらに限られず、その他、半導体基板など工業製品も含まれる。
以下、第1実施形態に係る画像記録装置101の画像記録プロセスにつき、説明する。
インクジェット記録ヘッド13による浸透性向上液13Aの付与は、予め定められた画像情報に基づき、硬化性溶液層12B表面の画像が形成される領域(即ち、インク用のインクジェット記録ヘッド14によってインク滴14Aが付与される領域)に付与することが好ましい。また、画像が形成されない領域の少なくとも一部(より好ましくは画像が形成されない領域の全面)には、浸透性向上液13Aを付与しないことが好ましい。
具体的には、例えば、硬化性溶液層12Bが、接触開始位置を通過する際に刺激供給を開始してもよく、接触開始位置を通過する前に刺激供給を開始していてもよい。また、例えば、硬化性溶液層12Bが、剥離位置に到達する際に刺激供給を終了してもよく、剥離位置を通過した後に刺激供給を終了してもよい。さらに、刺激供給の開始から終了までにおいて、一時的に刺激供給を停止した後に刺激供給を再開してもよい。
図2は、第2実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
ロール塗布装置23は、浸透性向上液(インクの浸透性を向上させる液体)23Aを収納する容器23Cと、容器23Cに収納された浸透性向上液23Aに一部が浸漬するように配置され、外周面に上記浸透性向上液23Aを保持する第一ロール231と、第一ロール231の外周面に保持された上記浸透性向上液23Aがその外周面に転写され、且つ転写された該浸透性向上液23Aを更に後述の第三ロール233の外周面に転写する第二ロール232と、第二ロール232から転写された浸透性向上液23Aを中間転写ベルト10上に形成された硬化性溶液層12B表面に付与する第三ロール233と、を含んで構成される。
尚、上記の通り第2実施形態に係る画像記録装置102では、液体塗布装置をロール塗布装置23に変更した外は、第1実施形態に記載の構成がそのまま採用されるので、ここではロール塗布装置23によって硬化性溶液層12B表面に浸透性向上液23Aが付与されるプロセスについてのみ説明する。
尚、図2に示すロール塗布装置23では、硬化性溶液層12B表面の全面に浸透性向上液23Aの付与が行われる。
インクの浸透性を向上させる液体(浸透性向上液)13Aおよび23Aとは、硬化性溶液層12B表面に付与されることによって、その後に付与されるインク滴14Aの前記硬化性溶液層12B中への浸透性および拡がり性が向上する液体を表す。
尚、浸透性向上液であるか否かの判定は、サンプル液(浸透性向上液か否かを判定しようとする液)をインクジェット記録ヘッドに充填し2ピコリットル以上20ピコリットル以下を吐出して硬化性溶液上に着弾させ、着弾後から100ms後までに硬化性溶液上でのサンプル液の接触角が20度以下(測定限界)になるものを、浸透性向上液と判定する。
尚、上記サンプル液の接触角は、高速度カメラ(撮影速度:3000fps、FASTCAM APX フォトロン製)を用いて、着弾後の硬化性溶液上でのサンプル液の接触角変化と表面拡がりを観察して測定を行う。本明細書においては該方法にて測定した。
尚、両親媒性であるか否かの判定は、サンプル液(両親媒性であるか否かを判定しようとする液)を硬化性溶液と1:1(質量比)で混合した場合、および水(純水)と1:1(質量比)で混合した場合の両方で、1時間放置後に分離および白濁せず透明な状態を保つものを、両親媒性であると判定する。
中でもアクリル系、メタクリル系のモノマー、マクロマー、オリゴマー、プレポリマーが好ましい。
−粘度の測定方法−
粘度測定器としてHAAKE社製MARSを用い、せん断速度500[1/s]にて測定される。
次いで、硬化性溶液12Aの詳細について説明する。
前記第1実施形態および第2実施形態では、外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を少なくとも含む疎水性の硬化性溶液12Aが用いられる。
硬化性溶液12Aは、外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料を少なくとも含んでいる。ここで、硬化性溶液12Aに含有される「外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料」とは、外部からの刺激によって硬化し、「硬化性樹脂」となる材料を意味する。具体的には、例えば、硬化性のモノマー、硬化性のマクロマー、硬化性のオリゴマー、硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
また硬化反応がカチオン反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤等が挙げられる。
上記硬化性材料の中でも、硬化速度の速い材料(例えば、重合の反応速度が速い材料)が望ましい。この硬化性材料としては、例えば、放射線硬化型の硬化性材料(上記紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料等)が挙げられる。
上記硬化性溶液12Aは、インク中の着色剤を固定化する材料として、インクに対して吸液性を有する材料(吸液材料)を含有する。吸液材料とは、吸液材料とインクを質量比30:100で24時間混合した後、混合液中からフィルターにより吸液材料を取り出した場合に、吸液材料の質量がインク混合前に対して5%以上増加するものである。
具体的には、インクとして水性インクを用いる上記第1および第2実施形態においては、吸液材料として吸水材料を用いることが望ましい。
次に、硬化性溶液12Aに含まれる、その他の添加剤について説明する。
硬化性溶液12Aは、インクの成分を凝集または増粘させる成分を含んでもよい。
次いで、インクの詳細について説明する。
上記高分子分散剤としては、例えば重量平均分子量で2000乃至50000のものが挙げられる。これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独で使用しても混合して使用してもよい。
図1に示す前記第1実施形態に係る画像記録装置を用いて画像を記録した。
まず、硬化性溶液層形成装置12により硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10に供給して硬化性溶液層12Bを形成し、その硬化性溶液層12Bの画像形成領域にインクジェット記録ヘッド13により浸透性向上液13Aを付与した。次いで、硬化性溶液層12Bの浸透性向上液13Aが付与された領域にインクジェット記録ヘッド14(14K、14C、14M、14Y)により各色インクを付与して画像を形成した。そして、転写装置16により記録媒体Pへ硬化性溶液層12Bを接触させながら刺激供給装置18により刺激を供給し硬化性溶液層12Bを硬化させて中間転写ベルト10から剥離し、評価を行った。条件は以下の通りである。なお、下記紫外線照射強度および積算光量は、中間転写ベルト10を透過した後の紫外線照射強度および積算光量である。
・硬化性溶液層形成装置12 : グラビアロールコーター(硬化性溶液層12Bの層厚15μm)
・浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13 : 14174ノズル/解像度1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の記録ヘッド(600dpi/7087ノズルヘッドを千鳥に2列配置した12インチの試作ヘッド)
・インク用のインクジェット記録ヘッド14 : 14174ノズル/解像度1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の記録ヘッド(600dpi/7087ノズルヘッドを千鳥に2列配置した12インチの試作ヘッド、4色分(Black,Cyan,Magenta,Yellow)を並列に配置した構成)
・転写装置(加圧ロール):径30mmの鋼製パイプにフッ素系樹脂を被覆したもの(中間転写ベルトに対する押し当て力:線圧2kgf/cm)
・刺激供給装置:メタルハライドランプ(紫外線照射強度240W/cmを積算光量で100mJ/cm2照射)
・記録媒体 : A普通紙(C2富士ゼロックスインターフィールド製)
・印刷パターン : J6チャート(JEITA標準パターン)
ACMO(低粘度アクリルモノマー:アクリロイルモルホリン、興人化成製、粘度:12mPa・s、表面張力44.6mN/m)
[組成]
・シリコン変性ウレタンアクリレート:20質量部
・ポリアクリル酸ナトリウム
(吸液樹脂、ボールミル粉砕により数平均粒子径3.5μmとしたもの):25質量部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(UV硬化モノマー):52質量部
・イルガキュア369(チバ・ジャパン株式会社製、UV開始剤):3質量部
上記各組成物を混合し硬化性溶液を得た。尚、粘度は948mPa・sであった。
[組成]
・Mogul L(キャボット社製)(顔料/表面官能基無し):4質量
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合:0.6質量%
・ジエチレングリコール:15質量%
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:5質量%
・ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル:0.75質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.2、体積平均粒子径は120nm、表面張力は32mN/m、粘度は3.3mPa・sであった。
[組成]
・C.I.Pigment Blue 15:3:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.6質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.8、体積平均粒子径は92nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.1mPa・sであった。
[組成]
・C.I.Pigment Red 122:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.75質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.6、体積平均粒子径は106nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
[組成]
・C.I.Pigment Yellow 128:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.6質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.7、体積平均粒子径は115nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
上記において用いた浸透性向上液(ACMO)が、浸透性向上液に該当するか否かを以下の方法により判別した。
−判別方法−
試作のインクジェットヘッドに浸透性向上液を充填し2ピコリットル以上20ピコリットル以下を吐出し硬化性溶液上に着弾させ、高速度カメラ(撮影速度:3000fps、FASTCAM APX フォトロン製)を用いて着弾後の硬化性溶液上での浸透性向上液の接触角変化と表面拡がりを観察し、接触角が20度以下になるまでの時間を測定した。
結果を下記表1に示す。
上記において用いた浸透性向上液(ACMO)は、分子構造として親水基および疎水基を有しており、両親媒性の性質を有している。
結果を下記表1に示す。
硬化性溶液と浸透性向上液とを1:1(質量比)で混合し、1時間放置後に分離および白濁しているか否かを判断し、硬化性溶液と浸透性向上液との溶解性の指標とした。
結果を下記表1に示す。
〔耐水性評価〕
得られた印刷パターンの表面にイオン交換水(25℃)を散布し、10分放置後指で擦り、目視官能評価を行った。
○:画像に乱れが生じない
×:画像に乱れが生じた
得られた印刷パターンについて、以下の評価基準に従い目視官能評価を行った。
○:すじ(抜け)の発生が確認できない。
△:すじ(抜け)の発生が確認できるが、目立たない。
×:すじ(抜け)の発生が多数確認でき、目立つ。
得られた印刷パターンについて、以下の評価基準に従い目視官能評価を行った。
○:2色間境界部のにじみが確認できない。
△:2色間境界部のにじみが確認できるが、目立たない。
×:2色間境界部のにじみが多数確認でき、目立つ。
上記実施例1において、浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13を、図2に示すロール塗布装置23に変更した(即ち図2に示す前記第2実施形態に係る画像記録装置を用いた)以外、実施例1に記載の方法により印刷パターンを形成し評価を行った。
・第一ロール(液体供給スポンジローラ)231は、金属シャフトφ10mmに肉厚5mm(外径φ20mm)のウレタン製スポンジ(アスカーA硬度40°)のスポンジを巻いて構成した。回転速度は、後述の第二ロール(液体供給ローラ)232の回転周速度と同じで、回転方向は連れまわりである。
・第二ロール(液体供給ローラ)232と第三ロール(液体塗布ローラ)233は、金属シャフトφ20mmにウレタンゴム(硬度JIS−A30°)からなる弾性層(例えば厚さ200μm)、ポリイミドからなるコート層(例えば厚さ10μm)の3層構成とした。
・ローラ幅は310mmで、線圧は50gf/cmで接触させた。
・回転速度はプロセス速度と等速となるように調整した。
上記実施例1において、浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13を取り除き、浸透性向上液13Aを付与しなかったこと以外、実施例1に記載の方法により印刷パターンを形成し評価を行った。
12 硬化性溶液層形成装置
12A 硬化性溶液
12B 硬化性溶液層
13 インクジェット記録ヘッド(液体付与装置)
13A 浸透性向上液
14 インクジェット記録ヘッド(インク付与装置)
14A インク滴
16 転写装置
18 刺激供給装置
23 ロール塗布装置(液体付与装置)
23A 浸透性向上液
23C 容器
231 第一ロール
232 第二ロール
233 第三ロール
101、102 画像記録装置
Claims (6)
- 中間転写体と、
外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を少なくとも含む疎水性の硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成装置と、
前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層にインクの浸透性を向上させる液体を付与する液体付与装置と、
前記硬化性溶液層の前記液体が付与された領域に水性のインクを付与するインク付与装置と、
前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写装置と、
前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給装置と、を有する画像記録装置。 - 前記液体が両親媒性である請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記液体が外部からの刺激により硬化する硬化性材料を含有する請求項1または請求項2に記載の画像記録装置。
- 前記液体付与装置が、画像が形成される領域に前記液体を付与し、且つ画像が形成されない領域の少なくとも一部に前記液体を付与しない請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置。
- 前記液体付与装置が液滴吐出装置である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像記録装置。
- 前記液体付与装置が液体塗布装置である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置。
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