JP2010221629A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐水性を維持しつつ、ベタ画像部が埋まらない・混色やにじみが発生する等の画像品質の低下を抑制する。
【解決手段】中間転写体10と、外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を含む疎水性の硬化性溶液12Aを、中間転写体10上に供給し、硬化性溶液層12Bを形成する硬化性溶液層形成装置12と、中間転写体10上に形成された硬化性溶液層12Bに浸透性向上液13Aを付与する液体付与装置13と、硬化性溶液層12Bの浸透性向上液13Aが付与された領域に水性のインク14Aを付与するインク付与装置14と、インク14Aが付与された硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに接触させ、中間転写体10から記録媒体Pに硬化性溶液層12Bを転写する転写装置16と、硬化性溶液層12Bを硬化させる刺激を硬化性溶液層12Bに供給する刺激供給装置18と、を有する画像記録装置101。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像記録装置に関する。
インクを利用して画像やデータ等を記録する方法の一つとして、浸透媒体や非浸透媒体などの多様な記録媒体に対し記録を行うために、中間転写体に記録した後、記録媒体に転写する方式が提案されている。
例えば、特許文献1には、飛翔インク滴が中間転写体に転写されるのに先だって、中間転写体の表面に液体を付着させ、その液体上にインクを付着させてから、中間転写体上のインクを液体とともに被印刷体に転写する記録方法について開示されている。
また、特許文献2には、中間転写ドラム上に硬化性溶液による硬化性溶液層を形成し、該硬化性溶液層上にインク滴を吐出して画像を形成し、記録媒体を中間転写ドラムと重ね合わせ、圧力を加えることにより記録媒体上に画像が形成された硬化性溶液層を転写して、硬化性溶液層を硬化する刺激を供給して硬化性溶液層を硬化させ画像を記録する記録方法について開示されている。
更に、特許文献3には、被記録媒体上に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートに臨界ミセル濃度で溶解させた溶液の表面張力が25mN/m以下になる少なくとも1種類の界面活性剤を0.001%以上臨界ミセル濃度以下で含有する下塗り液を付与し、付与された前記下塗り液を半硬化させ、半硬化された前記下塗り液上に、活性エネルギー線の照射により硬化可能なインクを吐出して画像を記録する記録方法について開示されている。
特開2001−212956号公報 特開2008−068429号公報 特開2008−105378号公報
本発明の課題は、インクの浸透性を向上させる液体を用いない場合に比べ、ベタ画像部が埋まらない・混色やにじみが発生するという問題を抑制することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
中間転写体と、
外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を少なくとも含む疎水性の硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成装置と、
前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層にインクの浸透性を向上させる液体を付与する液体付与装置と、
前記硬化性溶液層の前記液体が付与された領域に水性のインクを付与するインク付与装置と、
前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写装置と、
前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給装置と、を有する画像記録装置である。
請求項2に係る発明は、
前記液体が両親媒性である請求項1に記載の画像記録装置である。
請求項3に係る発明は、
前記液体が外部からの刺激により硬化する硬化性材料を含有する請求項1または請求項2に記載の画像記録装置である。
請求項4に係る発明は、
前記液体付与装置が、画像が形成される領域に前記液体を付与し、且つ画像が形成されない領域の少なくとも一部に前記液体を付与しない請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置である。
請求項5に係る発明は、
前記液体付与装置が液滴吐出装置である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像記録装置である。
請求項6に係る発明は、
前記液体付与装置が液体塗布装置である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置である。
請求項1に係る発明によれば、インクの浸透性を向上させる液体を用いない場合に比べ、ベタ画像部が埋まらない・混色やにじみが発生するという問題が抑制される。
請求項2に係る発明によれば、インクの浸透性を向上させる液体が両親媒性で無い場合に比べ、ベタ画像部が埋まらないという問題が抑制される。
請求項3に係る発明によれば、インクの浸透性を向上させる液体が外部からの刺激により硬化する硬化性材料を含有しない場合に比べ、混色やにじみが発生するという問題が抑制される。
請求項4に係る発明によれば、画像が形成される領域に応じてインクの浸透性を向上させる液体を付与する領域を考慮しない場合に比べ、ベタ画像やライン画像の境界部でにじみが発生するという問題が抑制される。
請求項5に係る発明によれば、液体付与装置が液滴吐出装置でない場合に比べ、インクの浸透性を向上させる液体の定められた領域への付与が容易に行われる。
請求項6に係る発明によれば、液体付与装置が液体塗布装置でない場合に比べ、インクの浸透性を向上させる液体の硬化性溶液層表面の広い領域への付与が容易に行われる。
第1実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。 第2実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る画像記録装置は、中間転写体と、外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を少なくとも含む硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成装置と、前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層にインクの浸透性を向上させる液体(以下「浸透性向上液」と称すことがある)を付与する液体付与装置と、前記硬化性溶液層の前記液体が付与された領域にインクを付与するインク付与装置と、前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写装置と、前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給装置と、を有することを特徴とする。
最終的に得られる画像の耐水性を向上させる等の観点から、一般的に硬化性溶液層は疎水性に制御される。しかし、疎水性の硬化性溶液層に水性インクを付与する場合、水性インクが硬化性溶液層の表面で拡がりにくい、水性インクが硬化性溶液層の内部に浸透しにくい、等の問題を有していた。そのため、水性インクが拡がらずベタ画像部が埋まらない、未浸透の水性インクが表面に残ってしまうため混色やライン等でのにじみが発生するなどの画像品質の低下が生じていた。
これに対し、本実施形態に係る画像記録装置は、中間転写体上に疎水性の硬化性溶液層が形成された後、該硬化性溶液層に水性インクが付与される前に該硬化性溶液層に前記浸透性向上液が付与される。これにより、前記水性インクの前記硬化性溶液層の内部への浸透性が向上すると共に、前記硬化性溶液層の表面における前記水性インクの拡がり性も向上する。
また、本実施形態では、中間転写体上に疎水性の硬化性溶液層が形成された後に該硬化性溶液層に前記浸透性向上液が付与されるが、あらかじめ中間転写体上に付与される硬化性溶液中に前記浸透性向上液を添加しておいた場合、硬化性溶液自体の初期粘度が高くなり、硬化性溶液による薄膜層(硬化性溶液層)の形成が困難になる。また硬化性溶液自体の吸湿性が上がるため、記録媒体上に転写され形成された硬化膜(前記硬化性溶液層に刺激が供給されて硬化した膜)の耐水性や経時安定性および硬化性溶液自体の保存安定性が悪化するとの欠点が生じる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に等しい機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
第1実施形態に係る画像記録装置101は、図1に示すように、例えば、無端ベルト状の中間転写ベルト10(中間転写体)の周囲に、中間転写ベルト10の移動方向(矢印方向)における上流側から順に、中間転写ベルト10上に疎水性の硬化性溶液12A(詳細後述)を供給し硬化性溶液層12Bを形成する硬化性溶液層形成装置12、前記硬化性溶液層12Bに浸透性向上液(インクの浸透性を向上させる液体)13Aを付与する液体付与装置としての浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド(液滴吐出装置)13と、前記硬化性溶液層12Bの前記浸透性向上液13Aが付与された領域に水性のインク滴14Aを付与し画像Tを形成するインク用のインクジェット記録ヘッド14(インク付与装置)、画像Tが形成された硬化性溶液層12Bを記録媒体Pに接触させ圧力を加えることにより画像Tが形成された硬化性溶液層12Bを記録媒体P上に転写する転写装置16、および中間転写ベルト10表面に残留する硬化性溶液層12Bの残留物や付着した異物(記録媒体Pの紙粉等)等を除去するクリーニング装置20が配置されている。
また、中間転写ベルト10の内側には、硬化性溶液層12Bおよび記録媒体Pの接触中に硬化性溶液層12Bを硬化させる刺激を硬化性溶液層12Bに供給する刺激供給装置18が設けられている。すなわち、硬化性溶液層12Bが記録媒体Pと接触している領域に対向して刺激供給装置18を設置している。
中間転写ベルト10は、例えば、3つの支持ロール10A乃至10C、および加圧ロール16B(転写装置16)により内周面側から張力を掛けつつ回転するように支持されて配設されている。また中間転写ベルト10は、記録媒体Pの幅と同等またはそれ以上の幅(軸方向長さ)を有している。
(中間転写ベルト)
中間転写ベルト10の材料としては、一般に中間転写ベルトとして用いられている公知の材料、例えば、各種の樹脂(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等)、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)等、ステンレス等の金属材料等が挙げられる。中間転写ベルト10は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
上記の通り、第1実施形態においては、刺激供給装置18が中間転写ベルト10の内側に設けられているため、刺激は中間転写ベルト10を透過した後に硬化性溶液層12Bに供給される。したがって、中間転写ベルト10は、硬化性溶液層12Bに効率よく刺激を供給させるため、刺激透過性の高いものが望ましい。また、中間転写ベルト10は、耐刺激性の高いものが望ましい。
例えば、刺激供給装置18が紫外線照射装置である場合、中間転写ベルト10は、紫外線透過性が高く、紫外線に対する耐久性が高いものが望ましい。具体的には、例えば、中間転写ベルト10の紫外線透過率が70%以上であることが望ましい。
この中間転写ベルト10を形成する材料としては、具体的には、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、ポリイミドフイルム、ポリオレフィン系フィルム等が挙げられる。
また、第1実施形態においては、硬化性溶液層12Bに接する表面における中間転写ベルト10の表面自由エネルギー(γ)が低いことが望ましい。特に、表面自由エネルギー(γ)は、硬化性溶液層12Bに接する表面における記録媒体Pの表面自由エネルギー(γ)よりも低いことが望ましく、下記式が成り立つ条件であることがより望ましい。
式:γ−γ>10
表面自由エネルギーの値は、例えば、以下の方法により求められる。
具体的には、接触角計CAM−200(KSV社製)を用い、Zisman法を用いた装置内臓のプログラム計算にて算出した。
中間転写ベルト10は、上記表面自由エネルギー(γ)の値を低くするために、硬化性溶液層12Bに接する表面に表面離型層を設けてもよい。
表面離型層に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料等が挙げられ、具体的には、例えば、フッソ樹脂、フッソ変性ウレタンおよびシリコーン樹脂、共重合フッソゴム、フッソ樹脂−共重合ビニルエーテル、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合塗料)などの粉体塗料または樹脂チューブ、PTFE(4フッ化エチレン)塗料、PTFE分散ウレタン塗料、さらにETFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブ、PVdF(ポリビニリデンフルオライド)、PHV(ポリテトラフルオロビニリデン)樹脂材料等が挙げられる。
この中でも、上記刺激に対する透過性の高い材料を用いることが望ましい。また、上記刺激に対する透過性の低い材料を用いる場合は、表面離型層の膜厚を薄くする方が望ましい。
(硬化性溶液層形成装置)
硬化性溶液層形成装置12は、例えば、硬化性溶液12Aを収納する筐体12C内に、当該硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ12Dと、供給された硬化性溶液12Aにより形成された硬化性溶液層12Bの層厚を規定するブレード12Eと、を含んで構成されている。
硬化性溶液層形成装置12は、その供給ローラ12Dが中間転写ベルト10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ベルト10から離間する構成としてもよい。また、硬化性溶液層形成装置12は、独立した溶液供給システム(図示せず)より硬化性溶液12Aを筐体12Cへ供給させ、硬化性溶液12Aの供給がとぎれないようにしてもよい。硬化性溶液12Aの詳細については後述する。
硬化性溶液層形成装置12は、上記構成に限られず、公知の供給法(塗布法:例えば、ダイ塗布法、バー塗布法、スプレー方式の塗布法、インクジェット方式の塗布法、エアーナイフ方式の塗布法、ブレード方式の塗布法、ロール方式の塗布法等)などを利用した装置が適用される。
(浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド(液滴吐出装置))
浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で、且つ中間転写ベルト10表面と記録ヘッド13のノズル面との距離が例えば0.5mm以上1.5mm以下にして配置されている。
インクジェット記録ヘッド13は、例えば、記録媒体Pの幅と同等またはそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。
インクジェット記録ヘッド13の浸透性向上液13Aの付与方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、浸透性向上液13Aを付与し得る方式であれば制限はない。なお、浸透性向上液13Aの詳細については後述する。
(インク用のインクジェット記録ヘッド(インク付与装置))
インクジェット記録ヘッド14は、例えば、中間転写ベルト10の移動方向上流側から、ブラックインクを付与するための記録ヘッド14Kと、シアンインクを付与するための記録ヘッド14Cと、マゼンタインクを付与するための記録ヘッド14Mと、イエローインクを付与するための記録ヘッド14Yと、の各色の記録ヘッドを含んで構成されている。無論、記録ヘッド14の構成は上記構成に限られず、例えば、記録ヘッド14Kのみで構成してもよいし、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、および記録ヘッド14Yのみで構成してもよい。
各記録ヘッド14は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で、且つ中間転写ベルト10表面と記録ヘッド14のノズル面との距離が例えば0.7から1.5mmにして配置されている。
また、各記録ヘッド14は、例えば、記録媒体Pの幅と同等またはそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。
各記録ヘッド14のインク付与方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インク滴14Aを付与し得る方式であれば制限はない。なお、インクの詳細については後述する。
(転写装置)
転写装置16は、以下のように構成されている。具体的には、例えば、加圧ロール16Bおよび支持ロール10Cにより中間転写ベルト10を張架し、非屈曲領域を形成している。中間転写ベルト10の非屈曲領域において、加圧ロール16Bおよび支持ロール10Cに対向する位置には、記録媒体Pを支持する支持体22が設けられている。また、加圧ロール16Aは、中間転写ベルト10の加圧ロール16Bと対向する位置に配置され、支持体22に設けられた開口部(図示せず)を通して記録媒体Pに接触する。
すなわち、中間転写ベルト10および記録媒体Pが加圧ロール16Aおよび16Bにより挟み込まれた位置(以下、「接触開始位置」と称する場合がある)から、支持ロール10Cおよび支持体22により挟み込まれた位置(以下、「剥離位置」と称する場合がある)までの転写領域においては、硬化性溶液層12Bは中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態となっている。
(刺激供給装置)
刺激供給装置18は、中間転写ベルト10の内側に設けられ、転写領域の中間転写ベルト10を介して、中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態の硬化性溶液層12Bに刺激を供給する。
刺激供給装置18の種類は、適用する硬化性溶液12Aに含まれる硬化性材料の種類に応じて選択される。具体的には、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18としては硬化性溶液12A(これにより形成された硬化性溶液層12B)に紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。
また、電子線の照射により硬化する電子線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18として硬化性溶液12A(これにより形成された硬化性溶液層12B)に電子線を照射する電子線照射装置を適用する。
また、熱の付与により硬化する熱硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18として硬化性溶液12A(これにより形成された硬化性溶液層12B)に熱を付与する熱付与装置を適用する。
ここで、紫外線照射装置としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LEDなどが適用される。
ここで、紫外線の照射条件としては、特に制限はなく、紫外線硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、メタルハライドランプを用いた場合で、積算光量20mJ/cm以上1000mJ/cm以下等である。
また、電子線照射装置としては、例えば、走査型/カーテン型等があり、カーテン型はフィラメントで生じた熱電子を、真空チャンバー内のグリッドによって引き出し、さらに高電圧(例えば70乃至300kV)によって、一気に加速させ、電子流となり、窓箔を通過して、大気側に放出する装置である。電子線の波長は一般的に1nmより小さく、またエネルギーは大きいもので数MeVに及ぶが、電子線の波長数がpmのオーダーでエネルギーが数十keV以上数百keV以下が適用される。
ここで、電子線の照射条件としては、特に制限はなく、電子線硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、電子線量は5kGy以上100kGy以下レベル等である。
また、熱付与装置としては、例えば、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、ニクロム線ヒータ、マイクロ波加熱、赤外線ランプなどが適用される。また、熱付与装置としては、電磁誘導方式の加熱装置も適用される。
ここで、熱の付与条件としては、特に制限はなく、熱硬化性材料種、硬化性溶液層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、空気中において、200℃環境で5min等である。
(記録媒体)
記録媒体Pとしては、浸透媒体(例えば、普通紙や、コート紙等)、非浸透媒体(例えば、アート紙、樹脂フィルムなど)、いずれも適用される。記録媒体Pは、これらに限られず、その他、半導体基板など工業製品も含まれる。
(画像記録プロセス)
以下、第1実施形態に係る画像記録装置101の画像記録プロセスにつき、説明する。
第1実施形態に係る画像記録装置101では、中間転写ベルト10が回転駆動され、まず、硬化性溶液層形成装置12により、中間転写ベルト10表面に硬化性溶液12Aを供給して、硬化性溶液層12Bを形成する。
ここで、硬化性溶液層12Bの層厚(平均膜厚)は、特に制限はないが、1μm以上50μm以下が望ましく、3μm以上20μm以下がより望ましい。
また、例えば、硬化性溶液層12Bの厚みをインク滴14Aが硬化性溶液層12Bの最下層まで到達しない程度とすれば、記録媒体Pへの硬化性溶液層12Bの転写後において硬化性溶液層12Bのうちインク滴14Aが存在する領域が露出せず、硬化性溶液層12Bのインク滴14Aが存在しない領域が硬化後には保護層として機能する。
次に、前記中間転写ベルト10上に形成された前記硬化性溶液層12Bに浸透性向上液(インクの浸透性を向上させる液体)13Aを、浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13より付与する。
インクジェット記録ヘッド13による浸透性向上液13Aの付与は、予め定められた画像情報に基づき、硬化性溶液層12B表面の画像が形成される領域(即ち、インク用のインクジェット記録ヘッド14によってインク滴14Aが付与される領域)に付与することが好ましい。また、画像が形成されない領域の少なくとも一部(より好ましくは画像が形成されない領域の全面)には、浸透性向上液13Aを付与しないことが好ましい。
また、画像が形成される領域であっても、形成される画像が細線やベタ境界部等の「インク滴14Aの拡がりを抑制したい画像」である領域においては、浸透性向上液13Aを付与しない態様としてもよい。
この際、インクジェット記録ヘッド13による浸透性向上液13Aの付与は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で行われる。つまり、ベルト表面がたわみのない状態で硬化性溶液層12Bに浸透性向上液13Aの付与がなされる。
尚、浸透性向上液13Aの付与量は、インクジェット記録ヘッド14から付与されるインク滴の量に対し、10体積%以上100体積%以下であることが好ましく、20体積%以上50体積%以下であることがより好ましい。
次に、前記硬化性溶液層12Bの浸透性向上液13Aが付与された領域に、インク用のインクジェット記録ヘッド14により水性のインク滴14Aを付与する。インクジェット記録ヘッド14は予め定められたの画像情報に基づき、硬化性溶液層12Bの画像が形成される領域にインク滴14Aを付与する。
この際、インクジェット記録ヘッド14によるインク滴14Aの付与は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で行われる。つまり、ベルト表面がたわみのない状態で硬化性溶液層12Bにインク滴14Aの付与がなされる。
次に、転写装置16の加圧ロール16Aおよび16Bにより記録媒体Pと中間転写ベルト10とを挟み込んで圧力をかける。このとき、中間転写ベルト10上の硬化性溶液層12Bが記録媒体Pに接触する(接触開始位置)。その後、支持ロール10Cおよび支持体22によって挟まれた位置(剥離位置)までは、硬化性溶液層12Bが中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態が維持される。
ここで、加圧ロール16Aおよび16Bによって硬化性溶液層12Bに加えられる圧力は、0.001MPa以上2MPa以下が好ましく、更には0.001MPa以上0.5MPa以下の範囲とすることがより好ましい。
次に、刺激供給装置18によって、中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態の(接触中の)硬化性溶液層12Bに、中間転写ベルト10を介して刺激が供給されることで、硬化性溶液層12Bが硬化する。具体的には、中間転写ベルト10上の硬化性溶液層12Bが記録媒体Pに接触した後(接触開始位置を通過した後)に刺激供給を開始し、硬化性溶液層12Bが中間転写ベルト10から剥離される前(剥離位置に到達する前)に刺激供給を終了する。
刺激供給量としては、硬化性溶液層12Bが、中間転写ベルト10から剥離しやすくなる程度に硬化する量であることが望ましい。具体的には、例えば刺激が紫外線である場合、積算光量で10mJ/cm以上1000mJ/cm以下範囲が望ましい。
次に、剥離位置において硬化性溶液層12Bが中間転写ベルト10から剥離されることにより、インク滴14Aによる画像Tが含まれる硬化性樹脂層(画像層)が記録媒体Pに形成される。
そして、硬化性溶液層12Bが記録媒体Pへ転写された後の中間転写ベルト10表面に残った硬化性溶液層12Bの残留物や異物をクリーニング装置20により除去し、再び、中間転写ベルト10上に、硬化性溶液層形成装置12により硬化性溶液12Aを供給して硬化性溶液層12Bを形成し、画像記録プロセスが繰り返される。
以上のようにして、第1実施形態に係る画像記録装置101では、画像記録が行われる。
なお、第1実施形態においては、上記の通り、硬化性溶液層12Bが、接触開始位置を通過した後に刺激供給を開始し剥離位置に到達する前に刺激供給を終了しているが、上記形態に限られない。
具体的には、例えば、硬化性溶液層12Bが、接触開始位置を通過する際に刺激供給を開始してもよく、接触開始位置を通過する前に刺激供給を開始していてもよい。また、例えば、硬化性溶液層12Bが、剥離位置に到達する際に刺激供給を終了してもよく、剥離位置を通過した後に刺激供給を終了してもよい。さらに、刺激供給の開始から終了までにおいて、一時的に刺激供給を停止した後に刺激供給を再開してもよい。
また、第1実施形態においては、上記の通り、刺激供給装置18が中間転写ベルト10の内側に配置され、刺激が中間転写ベルト10を透過した後に硬化性溶液層12Bに供給されるが、これに限られない。具体的には、例えば、刺激供給装置18を中間転写ベルト10の外側に配置し、中間転写ベルト10を透過せずに、直接(または、支持体22および記録媒体Pを透過した後に)中間転写ベルト10上の硬化性溶液層12Bに刺激を供給する形態であってもよい。
また、例えば、刺激供給装置18の本体を中間転写ベルト10の外側に配置しつつ、中間転写ベルト10を透過した刺激を硬化性溶液層12Bに供給する形態もありうる。具体的には、例えば、刺激供給装置18が紫外線照射装置である場合、紫外線照射装置本体を中間転写ベルト10の外側に配置し、例えば光ファイバー等を用いて紫外線を紫外線照射装置本体から中間転写ベルト10の内側に誘導し、中間転写ベルト10を透過した後の紫外線を硬化性溶液層12Bに照射する形態等が挙げられる。
また、例えば、中間転写ベルト10の代わりに中間転写ドラムを配置した形態としてもよい。
第1実施形態においては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッド14から画像データに基づいて選択的にインク滴14Aが付与されてカラーの画像が記録媒体Pに記録されるようになっているが、一色のインクのみを用いて画像を記録する態様であってもよい。また、記録媒体上への文字等の記録に限定されるものではなく、すなわち工業的に用いられる液滴付与(噴射)装置全般などに適用してもよい。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態に係る画像記録装置を示す構成図である。
第2実施形態に係る画像記録装置102は、図1に示す第1実施形態に係る画像記録装置101における液体付与装置(即ち浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13)を、図2に示すように、ロール塗布方式の液体塗布装置(ロール塗布装置)23に変更した形態である。
(ロール塗布装置(液体塗布装置))
ロール塗布装置23は、浸透性向上液(インクの浸透性を向上させる液体)23Aを収納する容器23Cと、容器23Cに収納された浸透性向上液23Aに一部が浸漬するように配置され、外周面に上記浸透性向上液23Aを保持する第一ロール231と、第一ロール231の外周面に保持された上記浸透性向上液23Aがその外周面に転写され、且つ転写された該浸透性向上液23Aを更に後述の第三ロール233の外周面に転写する第二ロール232と、第二ロール232から転写された浸透性向上液23Aを中間転写ベルト10上に形成された硬化性溶液層12B表面に付与する第三ロール233と、を含んで構成される。
第一ロール231、第二ロール232および第三ロール233は、例えば、記録媒体Pの幅と同等またはそれ以上の幅を有する。また、第一ロール231、第二ロール232および第三ロール233は、それぞれ接触するか、或いは保持される浸透性向上液23Aの厚み以下の距離だけ離間して配置される。
また、第三ロール233は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上に配置され、更に中間転写ベルト10表面と第三ロール233との距離が、例えば形成される硬化性溶液層12Bの厚さ分だけ離間されて配置される。
第2実施形態に係る画像記録装置102では、液体塗布装置をロール塗布装置23に変更した外は、第1実施形態に記載の構成がそのまま採用されるので、ここでの説明は省略する。
次に、画像形成プロセスについて説明する。
尚、上記の通り第2実施形態に係る画像記録装置102では、液体塗布装置をロール塗布装置23に変更した外は、第1実施形態に記載の構成がそのまま採用されるので、ここではロール塗布装置23によって硬化性溶液層12B表面に浸透性向上液23Aが付与されるプロセスについてのみ説明する。
ロール塗布装置23による浸透性向上液23Aの付与は、まず容器23Cに収納された浸透性向上液23Aが、該浸透性向上液23Aに一部が浸漬するように配置された第一ロール231の外周面に保持される。次いで、第一ロール231の外周面に保持された上記浸透性向上液23Aが第二ロール232の外周面に転写されて保持される。更に、第二ロール232の外周面に保持された上記浸透性向上液23Aが第三ロール233の外周面に転写されて保持され、その後中間転写ベルト10表面に形成された硬化性溶液層12B表面に付与(転写)される。
尚、図2に示すロール塗布装置23では、硬化性溶液層12B表面の全面に浸透性向上液23Aの付与が行われる。
この際、ロール塗布装置23による浸透性向上液23Aの付与は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で行われる。つまり、ベルト表面がたわみのない状態で硬化性溶液層12Bに浸透性向上液23Aの付与がなされる。
尚、浸透性向上液23Aの付与量は、インクジェット記録ヘッド14から付与されるインク滴の量に対し、10体積%以上100体積%以下であることが好ましく、20体積%以上50体積%以下であることがより好ましい。
またロール塗布装置23は、上記構成に限られず、公知の塗布法(例えば、バーコーター塗布法、スプレー方式の塗布法、エアーナイフ方式の塗布法、ブレード方式の塗布法等)などを利用した装置を適用してもよい。
次いで、上記第1実施形態および第2実施形態に係る画像記録装置に用いられる、浸透性向上液13Aおよび23A、硬化性溶液12Aおよびインクについて詳述する。
<浸透性向上液>
インクの浸透性を向上させる液体(浸透性向上液)13Aおよび23Aとは、硬化性溶液層12B表面に付与されることによって、その後に付与されるインク滴14Aの前記硬化性溶液層12B中への浸透性および拡がり性が向上する液体を表す。
尚、浸透性向上液であるか否かの判定は、サンプル液(浸透性向上液か否かを判定しようとする液)をインクジェット記録ヘッドに充填し2ピコリットル以上20ピコリットル以下を吐出して硬化性溶液上に着弾させ、着弾後から100ms後までに硬化性溶液上でのサンプル液の接触角が20度以下(測定限界)になるものを、浸透性向上液と判定する。
尚、上記サンプル液の接触角は、高速度カメラ(撮影速度:3000fps、FASTCAM APX フォトロン製)を用いて、着弾後の硬化性溶液上でのサンプル液の接触角変化と表面拡がりを観察して測定を行う。本明細書においては該方法にて測定した。
浸透性向上液13Aおよび23Aは両親媒性であることが好ましい。ここで「両親媒性」とは、親水性と疎水性との両方の性質を有することを表し、分子内に親水基と疎水基を有する両親媒性の物質を含有していることを意味する。
尚、両親媒性であるか否かの判定は、サンプル液(両親媒性であるか否かを判定しようとする液)を硬化性溶液と1:1(質量比)で混合した場合、および水(純水)と1:1(質量比)で混合した場合の両方で、1時間放置後に分離および白濁せず透明な状態を保つものを、両親媒性であると判定する。
浸透性向上液13Aおよび23Aの具体例としては、外部からの刺激により硬化する硬化性材料が挙げられ、より具体的には、両親媒性の特性を有するアクリル、メタクリル、ウレタン、ポリエステル、マレイミド、エポキシ、オキセタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテルなどのエネルギー硬化性のモノマー、エネルギー硬化性のマクロマー、エネルギー硬化性のオリゴマー、およびエネルギー硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
中でもアクリル系、メタクリル系のモノマー、マクロマー、オリゴマー、プレポリマーが好ましい。
両親媒性のアクリルモノマーの具体例として、例えば、アクリロイルモルホリン(市販品としては、例えば興人化成製のACMO等)、シリコン変性アクリレート(市販品としては、例えばTEGO Chemie社製TEGO-2200N、2250等)等が好適に用いられる。
また、浸透性向上液13Aおよび23Aは、外部からの刺激により硬化する硬化性材料であると、記録媒体への転写・定着時に浸透性向上液自体も硬化が進行するため、外部からの刺激により硬化しない材料である場合に比べて、混色やにじみの発生が抑制される。
浸透性向上液13Aおよび23Aの粘度は、500mPa・s以下であることが好ましく、更には100mPa・s以下であることが好ましい。尚、上記粘度は以下の方法により測定されるものであり、本明細書に記載の数値は当該方法にて測定したものである。
−粘度の測定方法−
粘度測定器としてHAAKE社製MARSを用い、せん断速度500[1/s]にて測定される。
また、浸透性向上液13Aおよび23Aは、硬化性溶液12Aと1:1(質量比)で混合した場合に、1時間放置後に分離および白濁しない性質を有することが好ましい。
<硬化性溶液>
次いで、硬化性溶液12Aの詳細について説明する。
前記第1実施形態および第2実施形態では、外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を少なくとも含む疎水性の硬化性溶液12Aが用いられる。
ここで、硬化性溶液12Aが疎水性であるとは、水(純水)と1:1(質量比)で混合した場合に、1時間放置後に分離する性質を有することを意味する。
・硬化性材料
硬化性溶液12Aは、外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料を少なくとも含んでいる。ここで、硬化性溶液12Aに含有される「外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料」とは、外部からの刺激によって硬化し、「硬化性樹脂」となる材料を意味する。具体的には、例えば、硬化性のモノマー、硬化性のマクロマー、硬化性のオリゴマー、硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
硬化性材料としては、例えば、紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料、熱硬化性材料等が挙げられる。紫外線硬化性材料は、硬化がし易く、他のものに比べ硬化速度も速く、取り扱いやすいため、最も望ましい。電子線硬化性材料は、重合開始剤が不要であり、硬化後の層の着色制御が実施しやすい。熱硬化性材料は、大掛りな装置を必要とすることなく硬化される。なお、硬化性材料は、これらに限られず、例えば湿気、酸素等により硬化する硬化性材料を適用してもよい。
紫外線硬化性材料を硬化することにより得られる「紫外線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、および紫外線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また、硬化性溶液12Aは、紫外線硬化反応を進行させるための紫外線重合開始剤を含んでいることが望ましい。さらに硬化性溶液12Aは、必要に応じて、重合反応をより進行させるための、反応助剤、重合促進剤等を含んでいてもよい。
ここで、紫外線硬化性のモノマーとしては、例えば、アルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性材料;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性材料;などが挙げられる。上記紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマーとしては、これらモノマーを予め定められたの重合度で重合させたものの他、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル骨格に、アクリロイル基やメタクリロイル基の付加した、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のラジカル硬化性材料が挙げられる。
硬化反応がラジカル反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン系、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシケトン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、 α−アミノケトン、α−アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、チタノセン型、オキシムエステル型、オキシフェニル酢酸エステル型などが挙げられる。
また硬化反応がカチオン反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤等が挙げられる。
電子線硬化性材料を硬化することにより得られる「電子線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、および電子線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。
ここで、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、電子線硬化性のプレポリマーとしては、紫外線硬化性の材料として列挙したものが様のものがそのまま採用される。
熱硬化性材料を硬化することにより得られる「熱硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、熱硬化性のモノマー、熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、および熱硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また重合の際に硬化剤を添加してもよい。また、硬化性溶液12Aは、熱硬化反応を進行させるための熱重合開始剤を含んでもよい。
ここで、熱硬化性のモノマーとしては、例えば、フェノール、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、シアヌリル酸アミド、尿素、グリセリン等のポリアルコール、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の酸などが挙げられる。熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、熱硬化性のプレポリマーとしては、これらのモノマーを予め定められたの重合度で重合させたものや、エポキシプレポリマー、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、プロトン酸/ルイス酸等の酸、アルカリ触媒、金属触媒などが挙げられる。
以上のように、硬化性材料は、紫外線、電子線、熱等の外部エネルギーにより硬化(例えば、重合反応が進行することによる硬化)するものであれば何でもよい。
上記硬化性材料の中でも、硬化速度の速い材料(例えば、重合の反応速度が速い材料)が望ましい。この硬化性材料としては、例えば、放射線硬化型の硬化性材料(上記紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料等)が挙げられる。
硬化性材料は、中間転写体等との濡れ性を考慮して、Siやフッ素等による変性がされていてもよい。また硬化性材料は、硬化速度と硬化度を考慮すると、多官能のプレポリマーを含有するのが望ましい。
また、硬化性溶液には、上記硬化反応に寄与する主成分(モノマー、マクロマー、オリゴマー、およびプレポリマー、重合開始剤等)を溶解または分散するための水や有機溶媒を含んでいてもよい。但し、当該主成分の比率が例えば30質量%以上、望ましくは60質量%以上、より望ましくは90質量%以上の範囲が挙げられる。
・吸液材料
上記硬化性溶液12Aは、インク中の着色剤を固定化する材料として、インクに対して吸液性を有する材料(吸液材料)を含有する。吸液材料とは、吸液材料とインクを質量比30:100で24時間混合した後、混合液中からフィルターにより吸液材料を取り出した場合に、吸液材料の質量がインク混合前に対して5%以上増加するものである。
吸液材料は、例えば樹脂(以下、吸液樹脂と称する場合がある)や、表面親インク性を持たせた無機粒子(例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライトなど)等があげられ、用いるインクに応じて選択される。
具体的には、インクとして水性インクを用いる上記第1および第2実施形態においては、吸液材料として吸水材料を用いることが望ましい。
吸水材料としては、具体的には、例えば、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、ポリマレイン酸およびその塩、スチレン−マレイン酸およびその塩から構成される共重合体等、前記それぞれの樹脂のスルホン酸変性体、それぞれの樹脂のリン酸変性体等、等が挙げられ、望ましくは、ポリアクリル酸およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、が挙げられる。これら樹脂は、未架橋でも架橋されていてもよい。
この吸液材料の硬化性溶液12A全体に対する比率は、例えば質量比で10%以上が望ましく、更に20%以上がより望ましく、25%以上70%以下の範囲が特に望ましい。
・その他の添加剤
次に、硬化性溶液12Aに含まれる、その他の添加剤について説明する。
硬化性溶液12Aは、インクの成分を凝集または増粘させる成分を含んでもよい。
この機能を有する成分は、上記吸液樹脂粒子を構成する樹脂(樹脂吸水性樹脂)の官能基として含んでもよいし、化合物として含んでもよい。当該官能基としては、例えば、カルボン酸、多価金属カチオン、ポリアミン類等などが挙げられる。
また、当該化合物としては、無機電解質、有機酸、無機酸、有機アミンなどの凝集剤が好適に挙げられる。
また、硬化性溶液12Aは、硬化後の層の着色制御を行う目的で各種色材を含んでいてもよい。
また、硬化性溶液12Aの粘度は、5mPa・s以上10000mPa・s以下が望ましく、更には10mPa・s以上1000mPa・s以下がより望ましく、15mPa・s以上500mPa・s以下の範囲が特に望ましい。また、硬化性溶液の粘度は、インクの粘度よりも高いことがよい。
<インク>
次いで、インクの詳細について説明する。
前述の第1および第2実施形態におけるインクとしては、溶媒として水性溶媒を含む水性インクを用いる。水性インクとしては、例えば、記録材として水溶性染料または顔料を水性溶媒に分散または溶解したインクが挙げられる。
まず、記録材について説明する。記録材としては、主に色材が挙げられる。色材としては、染料、顔料のいずれも用いられるが、耐久性の点で顔料であることが望ましい。顔料としては有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料ではファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色または淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、新規に合成した顔料でも構わない。
また、シリカ、アルミナ、または、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料または顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等を顔料として使用する方法もある。
ここで、色材として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが望ましい。使用される顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用される。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いられる。
上記高分子分散剤としては、例えば重量平均分子量で2000乃至50000のものが挙げられる。これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。
色材として水に自己分散可能な顔料も用いられる。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、またはカルボン酸塩を有する顔料であることが望ましい。より望ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、またはカルボン酸塩を有する顔料である。
更に、樹脂により被覆された顔料等も使用される。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等も使用される。
また、高分子物質を上記顔料に物理的に吸着または化学的に結合させた樹脂分散型顔料も用いられる。
記録材としては、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトに代表される強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛に代表される半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などが挙げられる。
記録材の含有量(濃度)は、例えばインクに対して5乃至30質量%の範囲が挙げられる。
次に水性溶媒について説明する。水性溶媒としては、水が挙げられ、特にイオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することがよい。また、水性溶媒と共に、水溶性有機溶媒を用いてもよい。水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、キシリトールなどの糖アルコール類、キシロース、グルコース、ガラクトースなどの糖類等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も用いられる。
水溶性有機溶媒は、少なくとも1種類以上使用してもよい。水溶性有機溶媒の含有量としては、例えば1質量%以上70質量%以下の範囲が挙げられる。
次に、その他の添加剤について説明する。インクには、その他、必要に応じて、界面活性材が添加される。
これら界面活性剤の種類としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、望ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
これらの界面活性剤は単独で使用しても混合して使用してもよい。
また、インクには、その他、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク吐出性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、およびキレート化剤等も添加される。
インクの粘度は、1.5mPa・s以上30mPa・s以下、望ましくは1.5mPa・s以上20mPa・s以下の範囲が挙げられる。インクの粘度は20mPa・s以下が望ましい。また、インクの粘度は、上記硬化性溶液12Aの粘度に比べ低いことがよい。
ここで、粘度としては、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値を採用した。
なお、インクは、上記構成に限定されるものではない。記録材以外に、例えば、液晶材料、電子材料など機能性材料を含むものであってもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
<実施例1>
図1に示す前記第1実施形態に係る画像記録装置を用いて画像を記録した。
まず、硬化性溶液層形成装置12により硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10に供給して硬化性溶液層12Bを形成し、その硬化性溶液層12Bの画像形成領域にインクジェット記録ヘッド13により浸透性向上液13Aを付与した。次いで、硬化性溶液層12Bの浸透性向上液13Aが付与された領域にインクジェット記録ヘッド14(14K、14C、14M、14Y)により各色インクを付与して画像を形成した。そして、転写装置16により記録媒体Pへ硬化性溶液層12Bを接触させながら刺激供給装置18により刺激を供給し硬化性溶液層12Bを硬化させて中間転写ベルト10から剥離し、評価を行った。条件は以下の通りである。なお、下記紫外線照射強度および積算光量は、中間転写ベルト10を透過した後の紫外線照射強度および積算光量である。
・中間転写ベルト10 : 厚さ0.1mm、ベルト幅350mm、外径Φ168mmのETFE製無端ベルトにフッ素系樹脂を被覆したもの(プロセス速度:400mm/s)
・硬化性溶液層形成装置12 : グラビアロールコーター(硬化性溶液層12Bの層厚15μm)
・浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13 : 14174ノズル/解像度1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の記録ヘッド(600dpi/7087ノズルヘッドを千鳥に2列配置した12インチの試作ヘッド)
・インク用のインクジェット記録ヘッド14 : 14174ノズル/解像度1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の記録ヘッド(600dpi/7087ノズルヘッドを千鳥に2列配置した12インチの試作ヘッド、4色分(Black,Cyan,Magenta,Yellow)を並列に配置した構成)
・転写装置(加圧ロール):径30mmの鋼製パイプにフッ素系樹脂を被覆したもの(中間転写ベルトに対する押し当て力:線圧2kgf/cm)
・刺激供給装置:メタルハライドランプ(紫外線照射強度240W/cmを積算光量で100mJ/cm照射)
・記録媒体 : A普通紙(C2富士ゼロックスインターフィールド製)
・印刷パターン : J6チャート(JEITA標準パターン)
また、硬化性溶液、浸透性向上液および各色のインクは、以下のものを用いた。
−浸透性向上液−
ACMO(低粘度アクリルモノマー:アクリロイルモルホリン、興人化成製、粘度:12mPa・s、表面張力44.6mN/m)
−硬化性溶液(疎水性)−
[組成]
・シリコン変性ウレタンアクリレート:20質量部
・ポリアクリル酸ナトリウム
(吸液樹脂、ボールミル粉砕により数平均粒子径3.5μmとしたもの):25質量部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(UV硬化モノマー):52質量部
・イルガキュア369(チバ・ジャパン株式会社製、UV開始剤):3質量部
上記各組成物を混合し硬化性溶液を得た。尚、粘度は948mPa・sであった。
−Blackインク−
[組成]
・Mogul L(キャボット社製)(顔料/表面官能基無し):4質量
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合:0.6質量%
・ジエチレングリコール:15質量%
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:5質量%
・ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル:0.75質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.2、体積平均粒子径は120nm、表面張力は32mN/m、粘度は3.3mPa・sであった。
−Cyanインク−
[組成]
・C.I.Pigment Blue 15:3:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.6質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.8、体積平均粒子径は92nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.1mPa・sであった。
−Magentaインク−
[組成]
・C.I.Pigment Red 122:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.75質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.6、体積平均粒子径は106nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
−Yellowインク−
[組成]
・C.I.Pigment Yellow 128:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.6質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.7、体積平均粒子径は115nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
〔浸透性向上液の判別〕
上記において用いた浸透性向上液(ACMO)が、浸透性向上液に該当するか否かを以下の方法により判別した。
−判別方法−
試作のインクジェットヘッドに浸透性向上液を充填し2ピコリットル以上20ピコリットル以下を吐出し硬化性溶液上に着弾させ、高速度カメラ(撮影速度:3000fps、FASTCAM APX フォトロン製)を用いて着弾後の硬化性溶液上での浸透性向上液の接触角変化と表面拡がりを観察し、接触角が20度以下になるまでの時間を測定した。
結果を下記表1に示す。
〔両親媒性の判定〕
上記において用いた浸透性向上液(ACMO)は、分子構造として親水基および疎水基を有しており、両親媒性の性質を有している。
結果を下記表1に示す。
〔硬化性溶液と浸透性向上液との溶解性評価〕
硬化性溶液と浸透性向上液とを1:1(質量比)で混合し、1時間放置後に分離および白濁しているか否かを判断し、硬化性溶液と浸透性向上液との溶解性の指標とした。
結果を下記表1に示す。
〔画質評価〕
〔耐水性評価〕
得られた印刷パターンの表面にイオン交換水(25℃)を散布し、10分放置後指で擦り、目視官能評価を行った。
○:画像に乱れが生じない
×:画像に乱れが生じた
・ベタ部の埋まり
得られた印刷パターンについて、以下の評価基準に従い目視官能評価を行った。
○:すじ(抜け)の発生が確認できない。
△:すじ(抜け)の発生が確認できるが、目立たない。
×:すじ(抜け)の発生が多数確認でき、目立つ。
・混色(ICB)
得られた印刷パターンについて、以下の評価基準に従い目視官能評価を行った。
○:2色間境界部のにじみが確認できない。
△:2色間境界部のにじみが確認できるが、目立たない。
×:2色間境界部のにじみが多数確認でき、目立つ。
<実施例2>
上記実施例1において、浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13を、図2に示すロール塗布装置23に変更した(即ち図2に示す前記第2実施形態に係る画像記録装置を用いた)以外、実施例1に記載の方法により印刷パターンを形成し評価を行った。
尚、用いたロール塗布装置23の条件は以下の通りである。
・第一ロール(液体供給スポンジローラ)231は、金属シャフトφ10mmに肉厚5mm(外径φ20mm)のウレタン製スポンジ(アスカーA硬度40°)のスポンジを巻いて構成した。回転速度は、後述の第二ロール(液体供給ローラ)232の回転周速度と同じで、回転方向は連れまわりである。
・第二ロール(液体供給ローラ)232と第三ロール(液体塗布ローラ)233は、金属シャフトφ20mmにウレタンゴム(硬度JIS−A30°)からなる弾性層(例えば厚さ200μm)、ポリイミドからなるコート層(例えば厚さ10μm)の3層構成とした。
・ローラ幅は310mmで、線圧は50gf/cmで接触させた。
・回転速度はプロセス速度と等速となるように調整した。
<比較例1>
上記実施例1において、浸透性向上液用のインクジェット記録ヘッド13を取り除き、浸透性向上液13Aを付与しなかったこと以外、実施例1に記載の方法により印刷パターンを形成し評価を行った。
Figure 2010221629
10 中間転写ベルト(中間転写体)
12 硬化性溶液層形成装置
12A 硬化性溶液
12B 硬化性溶液層
13 インクジェット記録ヘッド(液体付与装置)
13A 浸透性向上液
14 インクジェット記録ヘッド(インク付与装置)
14A インク滴
16 転写装置
18 刺激供給装置
23 ロール塗布装置(液体付与装置)
23A 浸透性向上液
23C 容器
231 第一ロール
232 第二ロール
233 第三ロール
101、102 画像記録装置

Claims (6)

  1. 中間転写体と、
    外部からの刺激により硬化する硬化性材料および吸液粒子を少なくとも含む疎水性の硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成装置と、
    前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層にインクの浸透性を向上させる液体を付与する液体付与装置と、
    前記硬化性溶液層の前記液体が付与された領域に水性のインクを付与するインク付与装置と、
    前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写装置と、
    前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給装置と、を有する画像記録装置。
  2. 前記液体が両親媒性である請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記液体が外部からの刺激により硬化する硬化性材料を含有する請求項1または請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記液体付与装置が、画像が形成される領域に前記液体を付与し、且つ画像が形成されない領域の少なくとも一部に前記液体を付与しない請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置。
  5. 前記液体付与装置が液滴吐出装置である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像記録装置。
  6. 前記液体付与装置が液体塗布装置である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置。
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