JP2010069796A - 記録装置 - Google Patents

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Kunichi Yamashita
勲一 山下
Hiroshi Ikeda
宏 池田
Satoru Mori
哲 毛利
Masatoshi Araki
雅俊 荒木
Manabu Numata
学 沼田
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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Abstract

【課題】形成される画像の乱れが抑制される記録装置を提供することである。
【解決手段】中間転写ベルト10と、外部からの刺激により硬化する硬化性材料を少なくとも含む硬化性溶液12Aを、中間転写ベルト10上に供給し、中間転写ベルト10に接しないインク受容部12Gに凹凸を有する被硬化層12Bを形成する溶液供給装置12と、中間転写ベルト10上に形成された被硬化層12Bのインク受容部12Gにインク滴14Aを付与するインクジェット記録ヘッド14と、インク滴14Aが付与された被硬化層12Bを記録媒体Pに接触させ、中間転写ベルト10から記録媒体Pに被硬化層12Bを転写する転写装置16と、被硬化層12Bを硬化させる刺激を被硬化層12Bに供給する刺激供給装置28と、を有する記録装置101である。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録装置に関する。
インクを利用した記録方式では、浸透媒体や非浸透媒体などの多様な記録媒体に対し高画質で記録を行うために、中間転写体に記録した後、記録媒体に転写する方式が提案されている。
例えば、特許文献1には、飛翔インク滴が中間転写体に転写されるのに先だって、中間転写体の表面に液体を付着させ、その液体上にインクを付着させてから、中間転写体上のインクを液体とともに被印刷体に転写することを特徴とする記録方法について開示されている。
一方、特許文献2には、転写媒体上に形成されたインク像を記録媒体に転写する形態のインクジェット記録装置において、ハジキ現象を防止するため、転写媒体の表面粗度を最大高さRmax1μmから25μm以下とする技術が開示されている。
特開2001−212956号公報 特開平7−17030号公報
本発明は、形成される画像の乱れが抑制される記録装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
中間転写体と、
外部からの刺激により硬化する硬化性材料を少なくとも含む硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、前記中間転写体に接しないインク受容部に凹凸を有する硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成手段と、
前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層の前記インク受容部にインク滴を付与するインク付与手段と、
前記インク滴が付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、
前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給手段と、を有する記録装置である。
請求項2に係る発明は、
前記硬化性溶液層が島状である、請求項1に記載の記録装置である。
請求項3に係る発明は、
前記硬化性溶液層が層状である、請求項1に記載の記録装置である。
請求項4に係る発明は、
前記凹凸の周期は、前記インク滴の径よりも小さい、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の記録装置である。
請求項5に係る発明は、
前記中間転写体の前記硬化性溶液層が形成される硬化性溶液層形成面が平坦である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の記録装置である。
請求項6に係る発明は、
前記硬化性溶液層は、吸液成分を含む、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の記録装置である。
請求項1に係る発明によれば、硬化性溶液層がインク受容部に凹凸を有しない場合に比較して、形成される画像の乱れが抑制される。
請求項2に係る発明によれば、硬化性溶液層が島状ではない場合に比較して、さらに形成される画像の乱れが抑制される。
請求項3に係る発明によれば、硬化性溶液層が層状ではない場合に比較して、中間転写体へのインク付着が抑制される。
請求項4に係る発明によれば、凹凸の周期とインク滴の径との関係を考慮しない場合に比較して、より形成される画像の乱れが抑制される。
請求項5に係る発明によれば、中間転写体の硬化性溶液層形成面が平坦ではない場合に比較して、中間転写体のクリーニング性が向上する。
請求項6に係る発明によれば、硬化性溶液層が吸液成分を含まない場合に比較して、硬化性溶液層のインク受容部におけるインク接触面積増加による吸液性向上の効果が得られる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同じ機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る記録装置を示す構成図である。また図2は、図1の記録装置における溶液供給手段の周辺を示す概略図である。
第1実施形態に係る記録装置101は、図1に示すように、例えば、無端ベルト状の中間転写ベルト10(中間転写体)の周囲に、中間転写ベルト10の移動方向(矢印方向)における上流側から順に、中間転写ベルト10上に硬化性溶液12A(詳細後述)を供給し被硬化層12B(硬化性溶液層)を形成する溶液供給装置12(硬化性溶液層形成手段)、中間転写ベルト10上に形成された被硬化層12Bのインク受容部12Gにインク滴14Aを付与し画像Tを形成するインクジェット記録ヘッド14(インク付与手段)、画像Tが形成された被硬化層12Bを記録媒体Pに接触させ圧力を加えることにより画像Tが形成された被硬化層12Bを記録媒体P上に転写する転写装置16(転写手段)、及び中間転写ベルト10表面に残留する被硬化層12Bの残留物や付着した異物(記録媒体Pの紙粉等)等を除去するクリーニング装置20が配置されている。
中間転写ベルト10の内側には、被硬化層12B及び記録媒体Pの接触中に被硬化層12Bを硬化させる紫外線を被硬化層12Bに供給する紫外線照射装置18が設けられている。すなわち、被硬化層12Bが記録媒体Pと接触している領域に対向して紫外線照射装置18を設置している。
また、紫外線照射装置18よりもさらに記録媒体Pの進行方向下流側には、記録媒体Pに転写された被硬化層12Bをさらに硬化させることにより被硬化層12Bを記録媒体Pに定着させる紫外線照射装置28(刺激供給手段)が配置されている。
中間転写ベルト10は、例えば、3つの支持ロール10Aから10C、及び加圧ロール16B(転写装置16)により内周面側から張力を掛けつつ回転するように支持されて配設されている。また中間転写ベルト10は、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅(軸方向長さ)を有している。
中間転写ベルト10の材料としては、一般に中間転写ベルトとして用いられている公知の材料、例えば、各種の樹脂(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等)、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)等、ステンレス等の金属材料等が挙げられる。
本実施形態においては、紫外線照射装置18が中間転写ベルト10の内側に設けられているため、中間転写ベルト10は、紫外線透過性が高く、耐紫外線が高いことが望ましい。そのような中間転写ベルト10の材料としては、具体的には、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、ポリイミドフイルム、ポリオレフィン系フィルム等が挙げられる。
また中間転写ベルト10は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
溶液供給装置12は、図2に示すように、例えば、硬化性溶液12Aを収納する筐体12C内に、当該硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ12Dを含んで構成されている。
供給ローラ12Dは、表面に凹凸を有している。表面に凹凸を有する供給ローラ12Dとしては、例えば、表面にくぼみ(セル)が規則的に並んだアニロックスロール等が挙げられる。アニロックスロールとしては、例えば、セラミックス素材のロール表面にレーザ加工を行ってセルを形成したもの、ゴムローラを表面加工したもの等が挙げられる。またアニロックスロールの線数、セル容量、及びセル間ピッチは、硬化性溶液12Aの粘度や被硬化層12Bにおけるインク受容部12Gの凹凸形状に応じて選択される。
溶液供給装置12は、その供給ローラ12Dが中間転写ベルト10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ベルト10から離間する構成としてもよい。また、溶液供給装置12は、独立した溶液供給システム(図示せず)より硬化性溶液12Aを筐体12Cへ供給させ、硬化性溶液12Aの供給がとぎれないようにしてもよい。硬化性溶液12Aの詳細については後述する。
インクジェット記録ヘッド14は、例えば、中間転写ベルト10の移動方向上流側から、ブラックインクを付与するための記録ヘッド14Kと、シアンインクを付与するための記録ヘッド14Cと、マゼンタインクを付与するための記録ヘッド14Mと、イエローインクを付与するための記録ヘッド14Yと、の各色の記録ヘッドを含んで構成されている。無論、記録ヘッド14の構成は上記構成に限られず、例えば、記録ヘッド14Kのみで構成してもよいし、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、及び記録ヘッド14Yのみで構成してもよい。
各記録ヘッド14は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で、且つ中間転写ベルト10表面と記録ヘッド14のノズル面との距離が例えば0.7から1.5mmにして配置されている。
また、各記録ヘッド14は、例えば、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。
各記録ヘッド14のインク付与方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インク付与可能な方式であれば制限はない。なお、インクの詳細については後述する。
転写装置16は、以下のように構成されている。具体的には、例えば、加圧ロール16B及び支持ロール10Cにより中間転写ベルト10を張架し、非屈曲領域を形成している。中間転写ベルト10の非屈曲領域において、加圧ロール16B及び支持ロール10Cに対向する位置には、記録媒体Pを支持する支持体22が設けられている。また、加圧ロール16Aは、中間転写ベルト10の加圧ロール16Bと対向する位置に配置され、支持体22に設けられた開口部(図示せず)を通して記録媒体Pに接触する。
すなわち、中間転写ベルト10及び記録媒体Pが加圧ロール16A及び16Bにより挟み込まれた位置(以下、「接触開始位置」と称する場合がある)から、支持ロール10C及び支持体22により挟み込まれた位置(以下、「剥離位置」と称する場合がある)までの転写領域においては、被硬化層12Bは中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態となっている。
紫外線照射装置18は、中間転写ベルト10の内側に設けられ、転写領域の中間転写ベルト10を介して、中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態の被硬化層12Bに紫外線を照射する。
また紫外線照射装置28は、中間転写ベルト10の外側で、記録媒体Pの被硬化層12Bが形成された面と対向する位置に設けられ、中間転写ベルト10から剥離された被硬化層12Bに直接紫外線等を照射する。
紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LEDなどが適用される。
記録媒体Pとしては、浸透媒体(例えば、普通紙や、コート紙等)、非浸透媒体(例えば、アート紙、樹脂フィルムなど)、いずれも適用される。記録媒体Pは、これらに限られず、その他、半導体基板など工業製品も含まれる。
以下、本実施形態に係る記録装置101の画像記録プロセスにつき、説明する。
本実施形態に係る記録装置101では、中間転写ベルト10が回転駆動され、まず、溶液供給装置12により、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに硬化性溶液12Aを供給して、被硬化層12Bを形成する。
本実施形態では、溶液供給装置12の供給ローラ12Dが表面に凹凸を有していることにより、中間転写ベルト10に接しないインク受容部12Gに凹凸を有した層状の被硬化層12Bが形成される。また、被硬化層12Bのインク受容部12Gにおける凹凸の形状は、供給ローラ12Dの表面形状及び硬化性溶液12Aの粘度等によって決まる。凹凸の形状としては、具体的には、例えば、山型、山型の頂点が平坦又は丸い形状、山が線状に連なる形状等が挙げられる。
次に、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aを吐出し、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに形成された被硬化層12Bのインク受容部12Gに当該インク滴14Aを付与する。インクジェット記録ヘッド14は所定の画像情報に基づき、被硬化層12Bの所定の位置にインク滴14Aを付与する。
この際、インクジェット記録ヘッド14によるインク滴14Aの付与は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で行われる。つまり、ベルト表面がたわみのない状態で被硬化層12Bにインク滴14Aの付与がなされる。そして、インクジェット記録ヘッド14により吐出されたインク滴14Aは、被硬化層12Bのインク受容部12Gの凹部12Kに保持される。
次に、転写装置16の加圧ロール16A及び16Bにより記録媒体Pと中間転写ベルト10とを挟み込んで圧力をかける。このとき、中間転写ベルト10上の被硬化層12Bのインク受容部12Gが、接触開始位置において記録媒体Pに接触し、圧力によって凹凸がつぶれて平坦になる。その後、支持ロール10C及び支持体22によって挟まれた剥離位置までは、被硬化層12Bが中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態が維持される。
ここで、加圧ロール16A及び16Bによって被硬化層12Bに加えられる圧力は、転写効率の向上及び画像乱れの抑制といった観点から、0.001MPa以上2MPa以下、好ましくは0.001MPa以上0.5MPa以下の範囲とすることが望ましい。また、被硬化層12Bのインク受容部12Gが転写後に平坦にするといった観点からは、上記圧力は、0.005MPa以上2MPa以下が好ましい。
次に、紫外線照射装置18によって、中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態(接触中)の被硬化層12Bに、中間転写ベルト10を介して紫外線が照射されることで、被硬化層12Bが硬化する。具体的には、中間転写ベルト10上の被硬化層12Bが記録媒体Pに接触した後(接触開始位置を通過した後)に紫外線照射を開始し、被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離される前(剥離位置に到達する前)に紫外線照射を終了する。
紫外線照射装置18における紫外線の照射条件としては、特に制限はなく、紫外線硬化性材料種、被硬化層12Bの厚みなどに応じて選択し得る。ただし紫外線照射装置18による紫外線照射量は、被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離しやすくなる程度に硬化する量であることが望ましい。具体的には、例えば、紫外線照射装置18として高圧水銀ランプを用いた場合、紫外線照射装置18による紫外線照射の積算光量は、10mJ/cm以上5000J/cm未満が好ましく、10mJ/cm以上1000mJ/cm未満がより好ましい。
次に、剥離位置において被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離されることにより、インク滴14Aによる画像Tが含まれる硬化性樹脂層(画像層)が記録媒体Pに形成される。
次に、中間転写ベルト10から剥離された記録媒体P上の被硬化層12Bは、紫外線照射装置28により、記録媒体Pとは接していない面に直接紫外線等が照射され、さらに硬化することにより記録媒体Pに定着する。
紫外線照射装置28における紫外線の照射条件としては、特に制限はなく、紫外線硬化性材料種、被硬化層12Bの厚みなどに応じて選択し得る。紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28による紫外線照射の合計積算光量は、例えば、紫外線照射装置18として高圧水銀ランプを用い、紫外線照射装置28としてメタルハライドランプを用いた場合、20mJ/cm以上10000J/cm未満が好ましく、50mJ/cm以上4000mJ/cm未満がより好ましい。
そして、被硬化層12Bが記録媒体Pへ転写された後の中間転写ベルト10表面に残った被硬化層12Bの残留物や異物をクリーニング装置20により除去し、再び、中間転写ベルト10上に、溶液供給装置12により硬化性溶液12Aを供給して被硬化層12Bを形成し、画像記録プロセスが繰り返される。
以上のようにして、本実施形態に係る記録装置101では、画像記録が行われる。
次に、中間転写ベルト10上の被硬化層12Bにインク滴14Aを付与する工程について詳細に説明する。図3(A)は、記録ヘッド14から吐出されたインク滴14Aが、被硬化層12Bのインク受容部12Gに着弾する前の状態を示した模式図である。また図3(B)は、インク滴14Aが被硬化層12Bのインク受容部12Gに着弾した後の状態を示した模式図である。なお、本実施形態の被硬化層12Bには、吸液成分を含む粒子12Jが含まれており、吸液成分の詳細については後述する。
本実施形態においては、図3(A)に示すように、被硬化層12Bのインク受容部12Gに、凹凸を有している。そのため、図3(B)に示すように、インク滴14Aが被硬化層12Bに着弾するときに、インク滴14Aが被硬化層12Bの凹部12Kに入り込むため、インク保持性が向上していると推察される。すなわち、被硬化層12Bに保持された後のインク滴14Aが、画像面内方向へ移動することが抑制されるため、形成された画像の乱れが抑制されると考えられる。
ここで、被硬化層12Bのインク受容部12Gに凹凸を有するとは、本実施形態においては、以下の(1)から(3)の条件を満たすものとして定義される。
(1)算術平均粗さRaが0.05μm以上6μm以下
(2)凹凸の平均周期Smが1μm以上200μm以下
(3)層厚の平均値が4μm以上30μm以下
また、例えば硬化性溶液12Aの粘度が低い場合などにおいては、時間とともに、被硬化層12Bの算術平均粗さRa、凹凸の平均周期Sm、及び層厚の平均値が変化することが考えられる。このような場合は、インク滴14Aが着弾するときにおける被硬化層12Bの算術平均粗さRa、凹凸の平均周期Sm、及び層厚の平均値を測定し、得られた値により、被硬化層12Bのインク受容部12Gが凹凸を有するかどうかが判断される。
なお、本実施形態の記録装置においては、被硬化層12Bが形成されてからインク滴14Aが着弾するまでの時間は、0.01秒以上10秒以下の範囲である。
インク滴14Aが着弾するときにおける被硬化層12Bの算術平均粗さRa、凹凸の平均周期Sm、及び層厚の平均値は以下のようにして求められる。具体的には、形成された被硬化層12Bを、インク滴付与までの時間に相当する時間をおいた後に紫外線照射を行い硬化させる。この硬化された被硬化層12Bの形状を、レーザー3D顕微鏡VK−8700(キーエンス株式会社製)により計測し、内蔵ソフトウエアによりRa、Sm、膜厚平均値を計算した。
上記算術平均粗さRaは、0.1μm以上3.4μm以下がより好ましく、上記凹凸の平均周期Smは、5μm以上20μm以下がより好ましく、上記層厚の平均値は、5μm以上20μm以下がより好ましい。
また本実施形態では、被硬化層12Bのインク受容部12Gにおける凹凸の平均周期Smが、インク滴14Aの径よりも小さい。そのため、インク滴14Aが1つ以上の凹部12Kに入り込むため、Smがインク滴14Aの径よりも大きい場合に比べ、よりインク保持性が向上すると考えられる。
また、記録装置101が複数の記録ヘッド14を有し、吐出されるインク滴14Aの径が記録ヘッド14によって異なる場合は、最も小さいインク滴14Aの径よりも上記凹凸の平均周期Smが小さいことが好ましい。
上記平均周期Smは、インク滴14Aの径の1/5倍以上1/3倍以下の範囲であることが望ましい。
インク滴14Aの径としては、具体的には、例えば、15μm以上100μm以下の範囲が挙げられる。
ここで、インク滴14Aの径は、以下のようにして求められる。具体的には、ポリエチレンテレフタラートフィルムにインク滴14Aを滴下し、高速度カメラにより着弾後0.02秒後のインク滴径を計測した。
また本実施形態においては、被硬化層12Bが凹凸を有するため、凹凸を有しない場合に比べてインク受容部12Gの表面積が大きく、被硬化層12Bとインク滴14Aとの接触面積が大きい。そのため、本実施形態のように被硬化層12Bに吸液成分を含む粒子12Jが含まれる場合は、粒子12Jとインク滴14Aとの接触確率が高くなるため、被硬化層12Bによるインク滴14Aの吸液速度が速くなり、さらに画像乱れが抑制されると推測される。また、粒子12Jとインク滴14Aとの接触確率が高いため、粒子12Jの含有量を増やすことなく、被硬化層12Bのインク吸液性が向上される。
また本実施形態においては、被硬化層12Bが層状である。すなわち、被硬化層12Bのインク受容部12Gにおける凹凸の凹部12Kの底が中間転写ベルト10に達しておらず、少なくとも画像部における被硬化層12Bの中間転写ベルト10に接触する側が一面につながっている。よって、インク滴14Aが中間転写ベルト10の表面に直接接触することが無く、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dにおけるインク汚染が抑制される。
さらに、被硬化層12Bの最小厚み(すなわち、凹部12Kの底における厚み)をインク滴14Aが被硬化層12Bの最下層まで到達しない程度とすれば、記録媒体Pへの転写後では被硬化層12Bのうちインク滴14Aが存在する領域が露出せず、インク滴14Aが存在しない領域が硬化後には保護層として機能する。
本実施形態においては、中間転写ベルト10の被硬化層12Bが形成される被硬化層形成面10Dが平坦であることが望ましい。中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dが平坦であると、転写装置16の剥離位置において、被硬化層12Bが中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dから剥離しやすく、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10D上に残留物や異物が存在していてもクリーニング装置20により除去され易い。また中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dが平坦である場合は、光沢度の高い画像が形成される。
ここで、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dが平坦であるとは、本実施形態においては、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dにおける算術平均粗さが0.04μm以下であることを意味する。また、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dにおける算術平均粗さは、被硬化層12Bのインク受容部12Gの算術平均粗さRaと同様の方法で測定される。
本実施形態においては、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dにおける表面自由エネルギー(γ)が低いことが望ましい。特に、表面自由エネルギー(γ)は、被硬化層12Bに接する表面における記録媒体Pの表面自由エネルギー(γ)よりも低いことが望ましく、下記式が成り立つ条件であることがより望ましい。
式:γ−γ>10
表面自由エネルギーの値は、例えば、接触角計CAM−200(KSV社製)を用い、Zisman法を用いた装置内臓のプログラム計算を用いて算出される。
本実施形態においては、上記表面自由エネルギー(γ)の値を低くするために、中間転写ベルト10として、被硬化層12Bに接する表面に表面離型層を設けたものを用いてもよい。
表面離型層に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料等が挙げられ、具体的には、例えば、フッソ樹脂、フッソ変性ウレタン及びシリコーン樹脂、共重合フッソゴム、フッソ樹脂−共重合ビニルエーテル、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合塗料)などの粉体塗料または樹脂チューブ、PTFE(4フッ化エチレン)塗料、PTFE分散ウレタン塗料、さらにETFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブ、PVdF(ポリビニリデンフルオライド)、PHV(ポリテトラフルオロビニリデン)樹脂材料等が挙げられる。
この中でも、上記刺激に対する透過性の高い材料を用いることが望ましい。また、上記刺激に対する透過性の低い材料を用いる場合は、表面離型層の膜厚を薄くする方が望ましい。
また本実施形態において、被硬化層12Bを形成する前の中間転写ベルト10に離型剤を供給し離型剤層を形成する離型剤塗布装置をさらに備えた形態としてもよい。
離型剤塗布装置をさらに備えることにより、被硬化層12Bが接する表面における中間転写ベルト10の表面自由エネルギー(γ)の値を低く設定することが容易となり、より中間転写ベルト10から記録媒体Pへの被硬化層12Bの転写効率が向上する。
また、上記構成であることにより、中間転写ベルト10の表面状態の経時的な変化による影響を受けにくく経時安定性が向上すると共に、中間転写ベルト10表面のクリーニング性も向上する。
ここで、上記構成のように離型剤塗布装置を備えた形態において「表面自由エネルギー(γ)」とは、離型剤層が形成された中間転写ベルト10における、被硬化層12Bが接する表面の表面自由エネルギーを意味する。
離型剤塗布装置としては、公知の塗布法(例えば、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、ブレード方式の塗布、ロール方式の塗布等)などを利用した装置が適用される。具体的には、例えば、離型剤を収納する筐体内に、離型剤を中間転写ベルト10へ供給する供給ローラと、供給された離型剤により形成された離型剤層の層厚を規定するブレードと、離型剤を加熱溶融させる加熱手段を含むものが挙げられる。
離型剤としては、具体的には、シリコーン系オイル、フッ素系オイル、炭化水素系・ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、フェニルエーテル、リン酸エステル等が挙げられ、これらの中でもシリコーン系オイル、フッ素系オイル、ポリアルキレングリコールが望ましい。
本実施形態においては、被硬化層12Bには、吸液成分を含む粒子12Jが含まれているが、粒子形状ではない吸液成分(例えば半溶解性の樹脂、エマルジョン等)を含む形態でもよく、粒子12Jが含まれていない形態でもよい。
本実施形態においては、アニロックスロール(グラビアロール)を用いたロール転写方式の溶液供給装置12により硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10に供給しているが、これに限られず、例えば、ブラシやワイヤーバーコーター等を用いて塗布する方法、リソグラフ等のスクリーン印刷法を用いて塗布する方法、フィルターやセラミック多孔質体から押し出して転写する方法を適用したものであってもよい。
また溶液供給装置12は、上記凹凸を有する被硬化層12Bが形成されるものであれば、必要に応じて、被硬化層12Bの層厚を規定するブレードを備えたものでもよい。
本実施形態においては、転写工程において被硬化層12Bと中間転写ベルト10との接触中に紫外線照射装置18により紫外線を照射し、剥離位置を通過した後の被硬化層12Bに紫外線照射装置28により紫外線を照射しているが、この形態に限られない。具体的には、例えば、紫外線照射装置18又は紫外線照射装置28の一方のみを用いる形態、紫外線照射措置を記録媒体を通して照射する形態、被硬化層12Bと中間転写ベルト10との接触開始位置を通過する前又は通過時にする形態、前記接触開始位置を通過する前に紫外線照射を開始し通過前又は通過時に終了する形態等が挙げられる。
本実施形態においては、刺激供給装置として紫外線照射装置(紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28)を用いているが、これに限られない。刺激供給装置の種類は適用する硬化性溶液12Aに含まれる硬化性材料の種類に応じて選択される。具体的には、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置としては硬化性溶液12A(これにより形成された被硬化層12B)に紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。また、電子線の照射により硬化する電子線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置として硬化性溶液12A(これにより形成された被硬化層12B)に電子線を照射する電子線照射装置を適用する。また、熱の付与により硬化する熱硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置として硬化性溶液12A(これにより形成された被硬化層12B)に熱を付与する熱付与装置を適用する。
電子線照射装置としては、例えば、走査型/カーテン型等があり、カーテン型はフィラメントで生じた熱電子を、真空チャンバー内のグリッドによって引き出し、さらに高電圧(例えば70乃至300kV)によって、一気に加速させ、電子流となり、窓箔を通過して、大気側に放出する装置である。電子線の波長は一般的に1nmより小さく、またエネルギーは大きいもので数MeVに及ぶが、電子線の波長数がpmのオーダーでエネルギーが数十乃至数百keVが適用される。
電子線の照射条件としては、特に制限はなく、電子線硬化性材料種、被硬化層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、電子線量は5乃至100kGyレベル等である。
熱付与装置としては、例えば、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、ニクロム線ヒータ、マイクロ波加熱、赤外線ランプなどが適用される。また、熱付与装置としては、電磁誘導方式の加熱装置も適用できる。
ここで、熱の付与条件としては、特に制限はなく、熱硬化性材料種、被硬化層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、空気中において、200℃環境で5min等である。
本実施形態においては、中間転写体として中間転写ベルト10を用いているがこれに限られず、例えば、中間転写体として中間転写ドラム等を用いてもよい。
本実施形態においては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッド14から画像データに基づいて選択的にインク滴14Aが付与されてフルカラーの画像が記録媒体Pに記録されるようになっているが、記録媒体上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、工業的に用いられる液滴付与(噴射)装置全般、また版を用いた転写による画像を形成する方法、スクリーン印刷による画像形成方法などにも本発明に係る装置を適用することができる。
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態における溶液供給手段の周辺を示す概略図である。
第2実施形態に係る記録装置は、第1実施形態の溶液供給装置12の代わりに、図4に示すような溶液供給装置34を硬化性溶液層形成手段として用いた形態である。具体的には、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに硬化性溶液34Aを供給し、島状の被硬化層34Bを形成する溶液供給装置34を用いた形態である。すなわち、第2実施形態における被硬化層34Bは、凹部34Kが中間転写ベルト10まで達し、被硬化層34Bの中間転写ベルト10に接触する側が途切れ、凸部が独立して形成されたドット状の形態である。
溶液供給装置34は、硬化性溶液34Aを収納する収納容器(図示せず)から硬化性溶液34Aを孔版ドラム34Fに供給する供給ローラ34Dと、供給ローラ34Dを内部に有し孔部34Iを通して硬化性溶液34Aを中間転写ベルト10に転写する孔版ドラム34Fと、を含んで構成されている。
孔版ドラム34Fにおける孔部34Iの形状、大きさ、及び間隔は、硬化性溶液34Aの粘度及び被硬化層34Bにおけるインク受容部34Gの凹凸形状に応じて選択される。
本実施形態に係る記録装置では、溶液供給装置34により、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに硬化性溶液34Aを供給して被硬化層34Bを形成する。具体的には、硬化性溶液34Aが孔版ドラム34Fの孔部34Iを通って中間転写ベルト10に供給されることにより、島状の被硬化層34Bが形成される。被硬化層34Bにおける島の形状及び配置は、孔部34Iの形状及び配置によって決まるが、特に限定されない。島の形状としては、具体的には、例えば、円柱形、円錐形、直方体、六角柱等が挙げられ、島の配置としては、規則的な配置及び不規則な配置のいずれでもよい。また、被硬化層34Bは、島が連続的につながって線状となったものでもよい。
次に、中間転写ベルト10上の被硬化層34Bにインク滴14Aを付与する工程について詳細に説明する。図5(A)は、記録ヘッド14から吐出されたインク滴14Aが、被硬化層34Bの中間転写ベルト10に接しないインク受容部34Gに着弾する前の状態を示した模式図である。また図5(B)は、インク滴14Aが被硬化層34Bのインク受容部34Gに着弾した後の状態を示した模式図である。なお、本実施形態の被硬化層34Bには、吸液成分を含む粒子34Jが含まれている。
本実施形態においては、図5(A)に示すように、被硬化層34Bが島状に形成されている。すなわち被硬化層34Bは、インク受容部34Gに凹凸を有しており、かつ、凹部34Kが中間転写ベルト10まで達し、凸部が独立したドット状となっている。よって、硬化性溶液34Aの粘度が低くても、経時による凹凸の平坦化が起こりにくいため、よりインク保持性が向上すると考えられる。
また、凹部34Kが中間転写ベルト10まで達しない形状に比べてインク受容部34Gの表面積が大きいため、被硬化層34Bによるインク滴14Aの吸液速度がより速くなると考えられる。
本実施形態においては、孔版ドラム34Fを用いた方式の溶液供給装置34により硬化性溶液34Aを中間転写ベルト10に供給しているが、これに限られず、例えば、アニロックスロール、ブラシ、ワイヤーバーコーター等を用いて塗布する方法、リソグラフ等のスクリーン印刷法を用いて塗布する方法、フィルターやセラミック多孔質体から押し出して転写する方法を適用したものであってもよい。またオフセットロールを用い、溶液供給装置34からオフセットロールに転写した後に中間転写ベルト10に被硬化層34Bを形成する方式でもよい。
また溶液供給装置12は、上記凹凸を有する被硬化層12Bが形成されるものであれば、必要に応じて、被硬化層12Bの層厚を規定するブレードを備えたものでもよい。
これら以外は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
<第3実施形態>
図6は、第3実施形態における溶液供給手段の周辺を示す概略図である。
第3実施形態に係る記録装置は、第2実施形態の溶液供給装置34の代わりに、図6に示すような溶液供給装置36を用いた形態である。具体的には、溶液供給装置36の塗布ドラム36D上において細毛ブラシ36Hにより島状の被硬化層36Bを形成した後、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに被硬化層36Bを転写する形態である。
溶液供給装置36は、硬化性溶液36Aを収納する筐体36C内に、硬化性溶液36Aを中間転写ベルト10へ供給する塗布ドラム36Dと、塗布ドラム36Dの表面に付着した硬化性溶液36Aにより形成された被硬化層36Bの層厚を規定するブレード36Eと、ブレード36Eにより層厚が規定された被硬化層36Bを島状に整形する細毛ブラシ36Hと、を含んで構成されている。
塗布ドラム36Dとしては、材料及び形状ともに限定されず、表面が平坦なものであってもよいし、表面に凹凸を有するものであってもよい。
細毛ブラシ36Hのブラシ形状は、硬化性溶液36Aの粘度及び被硬化層36Bにおけるインク受容部34Gの凹凸形状に応じて選択される。
本実施形態に係る記録装置では、溶液供給装置36により、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに硬化性溶液36Aを供給して被硬化層36Bを形成する。具体的には、塗布ドラム36Dが矢印方向に回転し、塗布ドラム36Dの表面に付着した硬化性溶液36Aが、ブレード36Eにより層厚が調整され、細毛ブラシ36Hにより島状に整形され、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに転写されて被硬化層36Bとなる。塗布ドラム36Dの表面において、硬化性溶液36Aの層が島状に整形されるため、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに転写された被硬化層36Bは島状であり、インク受容部36Gに凹部36Kを有するものとなる。
本実施形態においては、細毛ブラシ36Hにより整形された硬化性溶液36Aの層を中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに転写している。よって、公知の塗布ドラムを用いてもよいため、被硬化層36Bの凹凸形状等を設計しやすい。また細毛ブラシ36H(凹凸形成手段)が溶液供給装置36内にあるため、省スペース性が高くなる。
また、本実施形態では細毛ブラシ36Hにより被硬化層36Bの凹凸を形成しているが、これに限れず、形成する凹凸の形状に応じて他の凹凸形成手段により被硬化層36Bの凹凸を形成してもよい。凹凸形成手段として具体的には、例えば、表面に凹凸を有するロール、ワイヤー、表面に粒子サイズの凹凸を有するセラミック焼結体等が挙げられる。
これら以外は、第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。
<第4実施形態>
図7は、第4実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
第4実施形態に係る記録装置は、第1実施形態の溶液供給装置12の代わりに、図7に示すような溶液供給装置38及び凹凸形成手段40を用いた形態である。具体的には、溶液供給装置38により、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに硬化性溶液38Aを供給して被硬化層38Bを形成した後、凹凸形成手段40により被硬化層38Bのインク受容部38Gに凹凸を形成する形態である。
溶液供給装置38は、硬化性溶液38Aを収納する筐体38C内に、硬化性溶液38Aを中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ38Dと、供給された硬化性溶液38Aにより形成された被硬化層38Bの層厚を規定するブレード38Eと、を含んで構成されている。
塗布ドラム36Dとしては、材料及び形状ともに限定されず、表面が平坦なものであってもよいし、表面に凹凸を有するものであってもよい。
また溶液供給装置38は、上記構成に限られず、公知の供給法(塗布法:例えば、ダイコータ、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、ブレード方式の塗布、ロール方式の塗布等)などを利用した装置を適用してもよい。
また、中間転写ベルト10の移動方向において溶液供給装置38の下流側には、溶液供給装置38により形成された被硬化層38Bのインク受容部38Gに凹凸を形成する凹凸形成手段40が配置されている。
凹凸形成手段40は、形成する凹凸の形状に応じて適宜選択されるが、例えば、表面に凹凸を有するロール、ブラシ、ワイヤー、表面に粒子サイズの凹凸を有するセラミック焼結体等が挙げられる。
本実施形態に係る記録装置では、溶液供給装置38により、中間転写ベルト10の被硬化層形成面10Dに硬化性溶液38Aを供給して被硬化層38Bを形成する。溶液供給装置38により被硬化層形成面10Dに形成された被硬化層38Bは、インク受容部38Gに凹凸を有してもよいし、平坦であってもよい。
次に、凹凸形成手段40により被硬化層38Bのインク受容部38Gに凹凸(凹部38K)を形成する。凹凸が形成された被硬化層38Bの形状は、上記第1実施形態のようにインク受容部に凹凸を有する層状であってもよいし、上記第2実施形態のように凹部が中間転写ベルト10まで達した島状であってもよい。
本実施形態においては、溶液供給手段36により被硬化層38Bを形成した後に、凹凸形成手段40により凹凸を形成しているため、公知の溶液供給手段を用いてもよく、被硬化層36Bの凹凸形状等を設計しやすい。また、被硬化層36Bのインク受容層36Gに直接凹凸を形成することにより、島状の被硬化層36Bだけでなく、層状の被硬化層36Bにおいても凹凸形状等の設計が容易となる。
これら以外は、第1実施形態及び第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以下、硬化性溶液12Aの詳細について説明する。なお、硬化性溶液34A、硬化性溶液36A、及び硬化性溶液38Aは、硬化性溶液12Aと同様である。
硬化性溶液12Aは、外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料を少なくとも含んでいる。ここで、硬化性溶液12Aに含有される「外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料」とは、外部からの刺激によって硬化し、「硬化性樹脂」となる材料を意味する。具体的には、例えば、硬化性のモノマー、硬化性のマクロマー、硬化性のオリゴマー、硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
硬化性材料としては、例えば、紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料、熱硬化性材料等が挙げられる。紫外線硬化性材料は、硬化がし易く、他のものに比べ硬化速度も速く、取り扱いやすいため、最も望ましい。電子線硬化性材料は、重合開始剤が不要であり、硬化後の層の着色制御が実施しやすい。熱硬化性材料は、大掛りな装置を必要とすることなく硬化される。なお、硬化性材料は、これらに限られず、例えば湿気、酸素等により硬化する硬化性材料を適用することもできる。
紫外線硬化性材料を硬化することにより得られる「紫外線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、及び紫外線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また、硬化性溶液12Aは、紫外線硬化反応を進行させるための紫外線重合開始剤を含んでいることが望ましい。さらに硬化性溶液12Aは、必要に応じて、重合反応をより進行させるための、反応助剤、重合促進剤等を含んでいてもよい。
ここで、紫外線硬化性のモノマーとしては、例えば、アルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性材料;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性材料;などが挙げられる。上記紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマーとしては、これらモノマーを所定の重合度で重合させたものの他、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル骨格に、アクリロイル基やメタクリロイル基の付加した、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のラジカル硬化性材料が挙げられる。
硬化反応がラジカル反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン系、ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシケトン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、 α-アミノケトン、α-アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、チタノセン型、オキシムエステル型、オキシフェニル酢酸エステル型などが挙げられる。
また硬化反応がカチオン反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン-イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤等が挙げられる。
電子線硬化性材料を硬化することにより得られる「電子線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、及び電子線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。
ここで、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、電子線硬化性のプレポリマーとしては、紫外線硬化性の材料と同様のものが挙げられる。
熱硬化性材料を硬化することにより得られる「熱硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、熱硬化性のモノマー、熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、及び熱硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また重合の際に硬化剤を添加してもよい。また、硬化性溶液12Aは、熱硬化反応を進行させるための熱重合開始剤を含んでもよい。
ここで、熱硬化性のモノマーとしては、例えば、フェノール、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、シアヌリル酸アミド、尿素、グリセリン等のポリアルコール、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の酸などが挙げられる。熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、熱硬化性のプレポリマーとしては、これらのモノマーを所定の重合度で重合させたものや、エポキシプレポリマー、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、プロトン酸/ルイス酸等の酸、アルカリ触媒、金属触媒などが挙げられる。
以上のように、硬化性材料は、紫外線、電子線、熱等の外部エネルギーにより硬化(例えば、重合反応が進行することによる硬化)するものであれば何でもよい。
上記硬化性材料の中でも、画像記録の高速化という観点を考慮すると、硬化速度の速い材料(例えば、重合の反応速度が速い材料)が望ましい。このような硬化性材料としては、例えば、放射線硬化型の硬化性材料(上記紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料等)が挙げられる。
硬化性材料は、中間転写体等との濡れ性を考慮して、Siやフッ素等による変性がされていてもよい。また硬化性材料は、硬化速度と硬化度を考慮すると、多官能のプレポリマーを含有するのが望ましい。
また、硬化性溶液には、上記硬化反応に寄与する主成分(モノマー、マクロマー、オリゴマー、及びプレポリマー、重合開始剤等)を溶解又は分散するための水や有機溶媒を含んでいてもよい。但し、当該主成分の比率が例えば30質量%以上、望ましくは60質量%以上、より望ましくは90質量%以上の範囲が挙げられる。
また、硬化性溶液は、硬化後の層の着色制御を行う目的で各種色材を含んでいてもよい。
また、硬化性溶液の粘度は、せん断速度500s−1の条件下で50mPa・s以上5000mPa・s以下が望ましく、100mPa・s以上2000mPa・s以下がより望ましく、200mPa・s以上500mPa・s以下がさらに望ましい。また、硬化性溶液の粘度は、インクの粘度よりも高いことがよい。
上記硬化性溶液12Aは、インク中の着色剤を固定化する材料を含むことが望ましい。
また、これらの材料としては、インクに対して吸液性を有する材料(以下、「吸液成分」又は「吸液性材料」と称する場合がある)が好ましい。吸液性材料とは、吸液性材料とインクを重量比30:100で24時間混合した後、混合液中からフィルターにより吸液性材料を取り出した時、吸液性材料の重量がインク混合前に対して5%以上増加するものである。
このように、硬化性溶液12Aがインク吸液性材料を含有することによって、速やかにインク液体成分(例えば、水、水性溶媒)が、樹脂層に取り込まれ画像が固定化するため、インク間の境界部での混色や、画像均一性、さらには転写時の圧力によるインクの不均一な転写を軽減することが出来る。
吸液性材料は、例えば樹脂(以下、吸液樹脂と称する場合がある)や、表面親インク性を持たせた無機粒子(例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライトなど)等があげられ、用いるインクに応じて適宜選択される。
具体的には、インクとして水性インクを用いる場合は、吸液性材料として吸水材料を用いることが望ましい。また、インクとして油性インクを用いる場合は、吸液性材料として吸油材料を用いることが望ましい。
吸水材料としては、具体的には、例えば、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、ポリマレイン酸およびその塩、スチレン−マレイン酸及びその塩から構成される共重合体等、前記それぞれの樹脂のスルホン酸変性体、それぞれの樹脂のリン酸変性体等、等が挙げられ、望ましくは、ポリアクリル酸およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、が挙げられる。これら樹脂は、未架橋でも架橋されていてもよい。
また吸油材料としては、具体的には、例えば、ヒドロキシステアリン酸、コレステロール誘導体、ベンジリデンソルビトールといった低分子ゲル化剤や、ポリノルボルネン、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種ロジン類等が挙げられ、望ましくは、ポリノルボルネン、ポリプロピレン、ロジン類が挙げられる。
吸液性材料が粒子状である場合には、硬化性溶液12Aの安定性と画質との両立といった観点から、体積平均粒径が0.05μm以上25μmの範囲であることが望ましく、0.05μm以上5μm以下がより望ましい。
この吸液性材料の硬化性溶液12A全体に対する比率は、例えば質量比で10%以上望ましくは20%以上であり、より望ましくは25%以上70%以下の範囲が挙げられる。
次に、硬化性溶液12Aに含まれる、その他の添加剤について説明する。
硬化性溶液12Aは、インクの成分を凝集又は増粘させる成分を含んでもよい。
この機能を有する成分は、上記吸液樹脂の官能基として含んでもよいし、化合物として含んでもよい。当該官能基としては、例えば、カルボン酸、多価金属カチオン、ポリアミン類等などが挙げられる。
また、当該化合物としては、無機電解質、有機酸、無機酸、有機アミンなどの凝集剤が好適に挙げられる。
凝集剤は単独で使用しても、あるいは2種類以上を混合して使用しても構わない。また、凝集剤の含有量としては、0.01質量%以上30質量%以下であることが望ましい。より望ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に望ましくは、1質量%以上15質量%以下である。
以下、インクの詳細について説明する。
インクとしては、溶媒として水性溶媒を含む水性インク、溶媒として油性溶媒を含む油性インク、紫外線硬化型インク、相変化型のワックスインクなどが挙げられる。本実施形態においては、水性インク又は油性インクを用い、記録媒体として非浸透媒体を用いた場合でも、ヒーター等により溶媒を揮発させることなく良い画像定着性が得られる。
水性インクとしては、例えば、記録材として水溶性染料又は顔料を水性溶媒に分散又は溶解したインクが挙げられる。また、油性インクとしては、例えば、記録材として油溶性染料を油性溶媒に溶解したインク、記録材として染料又は顔料を逆ミセル化して分散したインクが挙げられる。
油性インクを用いる場合は、低揮発性又は不揮発性の溶媒を用いた油性インクを用いることが望ましい。油性インクの溶媒が低揮発性又は不揮発性であることにより、ヘッドノズル端部において、溶媒揮発によるインク状態変化が起きにくいため、ヘッドノズル耐目詰まり性が良い。また油性インクの溶媒が低揮発性又は不揮発性であることにより、インク滴を受容した被硬化層が記録媒体に転写された後に、油性インクの溶媒が記録媒体に浸透しても、カール・カックルが生じにくい。さらに油性インクの溶媒は、カチオン硬化性のものであってもよい。
本実施形態においては、インクとして水性インクを用いることが望ましい。水性インクを用いることで、紫外線硬化型インクや相変化型インクなどに比べ、インクジェットヘッドやメンテナンス時、長期保管時の信頼性を向上することができる。この場合、上記硬化性溶液12Aに含まれる吸液性材料としては、吸水材料を用いることが望ましい。
まず、記録材について説明する。記録材としては、主に色材が挙げられる。色材としては、染料、顔料のいずれも用いられるが、耐久性の点で顔料であること望ましい。顔料としては有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料ではファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等を顔料として使用する方法もある。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000(コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R(キャボット社製)、Color Black FW1(デグッサ社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
黄色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、色材として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが望ましい。使用される顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用される。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いられる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、望ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
上記高分子分散剤としては、例えば重量平均分子量で2000乃至50000のものが挙げられる。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1乃至100質量%が挙げられる。
色材として水に自己分散可能な顔料も用いられる。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cab−o−jet−260M、Cab−o−jet−250C、Cab−o−jet−270Y、Cab−o−jet−1027R、Cab−o−jet−554B、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用される。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが望ましい。より望ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
更に、樹脂により被覆された顔料等も使用される。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等も使用される。
また、高分子物質を上記顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も用いられる。
記録材としては、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトに代表される強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛に代表される半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などが挙げられる。
記録材の含有量(濃度)は、例えばインクに対して5乃至30質量%の範囲が挙げられる。
記録材の体積平均粒径は、例えば10nm以上1000nm以下の範囲が挙げられる。
記録材の体積平均粒径とは、記録材そのものの粒径、又は記録材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 (Leeds&Northrup社製)を用いた。その測定は、インク4mlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行った。なお、測定時の入力値として、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度は記録材の密度とした。
次に水性溶媒について説明する。水性溶媒としては、水が挙げられ、特にイオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することがよい。また、水性溶媒と共に、水溶性有機溶媒を用いてもよい。水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、キシリトールなどの糖アルコール類、キシロース、グルコース、ガラクトースなどの糖類等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も用いられる。
水溶性有機溶媒は、少なくとも1種類以上使用してもよい。水溶性有機溶媒の含有量としては、例えば1質量%以上70質量%以下の範囲が挙げられる。
次に、油性溶媒について説明する。油性溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、グリコール類、含窒素溶媒、植物油等の有機溶媒が使用される。脂肪族炭化水素の例として、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルヘキサン、n−オクタン、メチルヘプタン、ジメチルヘキサン、ノナン、デカン等が挙げられ、アイソパーなどのn−パラフィン系溶剤、iso−パラフィン系溶剤、シクロパラフィン系溶剤などのパラフィン系溶剤でも構わない。また、芳香族炭化水素としては、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等が挙げられる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル等が挙げられる。エーテル類としては、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエータル等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。その他、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル等のグリコール誘導体を溶媒として用いても良い。植物油としては、乾性油、半乾性油、不乾性油などが挙げられる。乾性油としては、荏の油、アマニ油、桐油、ケシ油、くるみ油、紅花油、ひまわり油などが挙げられ、半乾性油としては菜種油、不乾性油としては、ヤシ油が挙げられる。上記溶媒は単独もしくは二種以上併用しても良い。
次に、その他の添加剤について説明する。インクには、その他、必要に応じて、界面活性材が添加される。
これら界面活性剤の種類としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、望ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
界面活性剤は単独で使用しても混合して使用してもよい。また界面活性剤の親水性/疎水性バランス(HLB)は、溶解性等を考慮すると例えば3乃至20の範囲が挙げられる。
界面活性剤の添加量は、例えば0.001乃至5質量%、望ましくは0.01乃至3質量%の範囲が挙げられる。
また、インクには、その他、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク吐出性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も添加される。
次に、インクの好適な特性について説明する。まず、インクの表面張力は、例えば20乃至45mN/mの範囲が挙げられる。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
インクの粘度は、1.5mPa・s以上30mPa・s以下、望ましくは1.5mPa・s以上20mPa・s以下の範囲が挙げられる。ヘッド吐出性の観点からは、インクの粘度は20mPa・s以下が望ましい。また、インクの粘度は、上記硬化性溶液の粘度に比べ低いことがよい。
ここで、粘度としては、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は500s−1の条件で測定した値を採用した。
なお、インクは、上記構成に限定されるものではない。記録材以外に、例えば、液晶材料、電子材料など機能性材料を含むものであってもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
上記第1実施形態と同様な構成の記録装置(図1参照)を用いて、溶液供給装置により硬化性溶液を中間転写ベルトに供給して被硬化層を形成し、その被硬化層に記録ヘッドにより各色インクを付与して画像を形成した。そして、転写装置により記録媒体へ被硬化層を接触させながら転写用刺激供給手段により刺激を供給し被硬化層を硬化させて中間転写ベルトから剥離し、定着用刺激供給手段によりさらに刺激を供給して被硬化層を完全に降下させて、評価を行った。条件は以下の通りである。なお、下記転写用紫外線照射積算光量は、中間転写ベルトを透過した後の積算光量である。
・中間転写ベルト:厚さ0.1mm、ベルト幅350mm、外径Φ168mmのETFE製無端ベルトにフッ素系樹脂を被覆したもの(プロセス速度:400mm/s)
・溶液供給装置:アニロックスローラ(線数400Line/inch、セル容量6.2cm/m、セル間ピッチ64.0μm)による塗布、被硬化層の形状は凹凸を有する層状、Ra1.2μm、Sm61μm、層厚の平均値4.1μm

・各記録ヘッド:ピエゾ方式の記録ヘッド(解像度解像度1200×1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数、以下同様である)、ドロップサイズ2pL、インク滴の径27μm)
・転写装置(加圧ロール):径30mmの鋼製パイプにフッ素系樹脂を被覆したもの(中間転写ベルトに対する押し当て力:線圧0.3kgf/cm)
・転写用刺激供給装置:UV−LED紫外発光ダイオードNCCU033(日亜化学工業(株)製、ピーク波長365nm、紫外線照射積算光量110mJ/cm照射)
・定着用刺激供給装置:メタルハライドランプ(紫外線照射積算光量で510mJ/cm照射)
・記録媒体:アート紙(OK金藤)
また、硬化性溶液、及び各色のインクは、以下のように作製したものを用いた。
−硬化性溶液(ラジカル硬化性材料)−
・ポリウレタンアクリレート:40重量部
・アクリロイルモルホリン(UV硬化モノマー):20.0重量部
・ポリアクリル酸ナトリウム(吸液樹脂、ボールミル粉砕により数平均粒子径2.5μmとしたもの):20重量部
・メチルベンゾイルベンゾエート(光重合開始剤):5重量部
−ブラックインク−
Cab−o−jet−300(キャボット社製)を超音波ホモジナイザーで30分間処理した後、遠心分離処理(7000r.p.m.,20分間)して顔料分散液(カーボン濃度12.8%)を得た。
次に、下記の各成分を十分混合し、1μmフィルターで加圧ろ過し、インクを調製した
・上記顔料分散液:40重量部
・グリセリン:20重量部
・サーフィノール465:1.5重量部
・純水:35重量部
−インク作製方法1−
顔料30重量部に、スチレン−マレイン酸共重合体のナトリウム中和塩を3重量部加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を300重量部とした。この液を超音波ホモジナイ
ザーを用いて分散した。この液を遠心分離装置で、遠心分離をし、残部分100重量部を除去した。この上澄み液を1μmのフィルターに通過させて、分散液を得た。適量の前記分散液に、グリセリン10重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル5重量部、界面活性剤0.03重量部、イソプロピルアルコール3重量部、イオン交換水及び水酸化ナトリウムを適量加え、総量が100重量部、顔料濃度が5重量%となるように調整した。これを、混合し、1μmのフィルターを通過させることにより、目的とするインクを得た。
−シアンインク−
上記インク作製方法1に従い以下に示す組成のインクを得た
・C.I.アシッドブルー199:5重量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.3重量部
・グリセリン:15重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:5重量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):1.0重量部
・イソプロピルアルコール:3重量部
・イオン交換水:残部
計100重量部
−マゼンタインク−
上記インク作製方法1に従い以下に示す組成のインクを得た
・C.I.アシッドレッド52:3.5重量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.3重量部
・グリセリン:20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:5重量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):1.0重量部
・イオン交換水:残部
計100重量部
−イエローインク−
上記インク作製方法1に従い以下に示す組成のインクを得た
・C.I.ダイレクトイエロ86:4.0重量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.4重量部
・グリセリン:15重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:10重量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):1.0重量部
・イオン交換水:残部
計100重量部
(実施例2)
上記第2実施形態と同様な構成の記録装置(図4参照)を用いて、実施例1と同様に行った。
なお、溶液供給装置は以下の通りである。
・溶液供給装置:孔版ドラム(蜂の巣状に穴のあいた版銅の外周面にスクリーン(布)が巻かれ、スクリーンのさらに外周面にオーバーコート層(多孔質樹脂)が形成されたもの)による転写、被硬化層の形状は島状、Ra5.2μm、Sm60μm、層厚の平均値8.0μm
(実施例3)
上記第3実施形態と同様な構成の記録装置(図6参照)を用いて、実施例1と同様に行った。
なお、溶液供給装置は以下の通りである。
・溶液供給装置:硬化性溶液供給ロール(材質は多孔質ウレタンスポンジ)による塗布後に、試作したPFA製細毛ブラシ(細毛径100μm、本数10本/mm)により凹凸形成、被硬化層の形状は島状、Ra5.5μm、Sm100μm、層厚の平均値12.5μm
(実施例4)
上記第4実施形態と同様な構成の記録装置(図7参照)を用いて、溶液供給装置により硬化性溶液を中間転写ベルトに供給して被硬化層を形成し他の値に凹凸形成手段により被硬化層に凹凸を形成した以外は、実施例1と同様に行った。
なお、溶液供給装置及び凹凸形成手段は以下の通りである。
・溶液供給装置:グラビアロールコーターによる塗布
・凹凸形成手段:表面に平均粒子径15μmのセラミック粒子を焼結させた金属ローラ、被硬化層の形状は凹凸を有する層状、Ra2.5μm、Sm45.5μm、層厚の平均値7.3μm
(比較例1)
上記第4実施形態と同様な構成の記録装置(図7参照)において、凹凸形成手段を用いない以外は、実施例4と同様に行った。
<画像乱れの評価>
得られた印刷物の画像乱れについて、目視により評価を行った。実施例1から実施例4では、比較例1に比べ、得られた印刷物の画像乱れが抑制されたことが確認された。
第1実施形態に係る記録装置を示す構成図である。 第1実施形態における溶液供給手段の周辺を示す概略図である。 第1実施形態において、(A)インク滴が被硬化層に着弾する前、及び、(B)インク滴が被硬化層に着弾した後の状態を示した模式図である。 第2実施形態における溶液供給手段の周辺を示す概略図である。 第2実施形態において、(A)インク滴が被硬化層に着弾する前、及び、(B)インク滴が被硬化層に着弾した後の状態を示した模式図である。 第3実施形態における溶液供給手段の周辺を示す概略図である。 第4実施形態における溶液供給手段の周辺を示す概略図である。
符号の説明
10 中間転写ベルト(中間転写体)
10D 被硬化層形成面(硬化性溶液層形成面)
12、34、36、38 溶液供給装置(硬化性溶液層形成手段)
12A、34A、36A、38A 硬化性溶液
12B、34B、36B、38B 被硬化層(硬化性溶液層)
12G、34G、36G、38G インク受容面
12K、34K、36K、38K 凹部
14 インクジェット記録ヘッド(付与手段)
14A インク滴
16 転写装置(転写手段)
18 刺激供給装置(刺激供給手段)
28 刺激供給装置
101 記録装置
P 記録媒体

Claims (6)

  1. 中間転写体と、
    外部からの刺激により硬化する硬化性材料を少なくとも含む硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、前記中間転写体に接しないインク受容部に凹凸を有する硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成手段と、
    前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層の前記インク受容部にインク滴を付与するインク付与手段と、
    前記インク滴が付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、
    前記硬化性溶液層を硬化させる前記刺激を前記硬化性溶液層に供給する刺激供給手段と、を有する記録装置。
  2. 前記硬化性溶液層が島状である、請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記硬化性溶液層が層状である、請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記凹凸の周期は、前記インク滴の径よりも小さい、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記中間転写体の前記硬化性溶液層が形成される硬化性溶液層形成面が平坦である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記硬化性溶液層は、吸液成分を含む、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の記録装置。
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