JP4807393B2 - 画像記録用組成物、画像記録用インクセット、および記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像記録用組成物、画像記録用インクセット、および記録装置に関する。
インクを利用した記録方式では、浸透媒体や非浸透媒体などの多様な記録媒体に対し記録を行うために、中間転写体に記録した後、記録媒体に転写する方式が提案されている。
例えば、中間体上に保持層を形成し、保持層中にインクを供給し、被記録材にインク像のみを転写する記録方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、印刷版上のインクまたは飛翔インク滴が中間転写体に転写されるのに先だって、中間転写体の表面に液体を付着させ、その液体上にインクを付着させてから、中間転写体上のインクを液体とともに被印刷体に転写することを特徴とする記録方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、中間転写体に対して、着色インクの流動性を低下させる第1材料を付与する工程と、第1材料が付与された中間転写体に対して着色インクを記録ヘッドより付与し、インク像を形成する形成工程と、インク像を記録媒体へ転写する転写工程と、転写工程の前に、画像の耐擦過性を向上させる第2材料を中間転写体に付与するインクジェット記録方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−229112号公報 特開2001−212956号公報 特開2005−170036号公報
本発明の目的は、にじみの発生が抑制された画像が得られる画像記録用組成物、画像記録用インクセットおよび記録装置を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体から選択される少なくとも一種のアニオン性の吸液材料と、外部からの刺激により硬化する硬化性樹脂前駆体と、ノニオン性界面活性剤と、を含有する画像記録用組成物である。
請求項に係る発明は、
前記硬化性樹脂前駆体が、紫外線を照射されることによりラジカル反応によって硬化する請求項1に記載の画像記録用組成物である。
請求項3に係る発明は、
中間転写体上に画像記録用組成物を供給する供給工程と、前記中間転写体上に供給された前記画像記録用組成物により形成された被硬化層にインクを吐出する吐出工程と、前記インクが吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体に転写する転写工程と、前記被硬化層を硬化させる刺激を供給する刺激供給工程と、を有する記録方法における前記画像記録用組成物として用いられる、請求項1または請求項2に記載の画像記録用組成物である。
請求項に係る発明は、
請求項1〜請求項の何れか1項に記載の画像記録用組成物と、インクと、を有する画像記録用インクセットである。
請求項に係る発明は、
中間転写体と、
請求項1〜請求項の何れか1項に記載の画像記録用組成物を前記中間転写体上に供給する供給手段と、
前記中間転写体上に供給された前記画像記録用組成物により形成された被硬化層にインクを吐出する吐出手段と、
前記インクが吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体に転写する転写手段と、
前記被硬化層を硬化させる刺激を供給する刺激供給手段と、
を有する記録装置である。
請求項6に係る発明は、
前記刺激供給手段は、前記記録媒体に転写された後の前記被硬化層に対して該被硬化層を硬化させる刺激を供給する手段であり、
更に、前記中間転写体から前記記録媒体に転写する前の前記被硬化層に対して該被硬化層を半硬化させる刺激を供給する第2の刺激供給手段を有する請求項5に記載の記録装置である。
請求項7に係る発明は、
前記第2の刺激供給手段は、前記吐出手段により前記インクが吐出される前の前記被硬化層に対して該被硬化層を半硬化させる刺激を供給する請求項6に記載の記録装置である。
請求項1に係る発明によれば、ノニオン性の吸液材料のみを含有する場合に比べ、にじみの発生が抑制された画像が得られる画像記録用組成物を提供することができる。
また、請求項に係る発明によれば、吸液材料がアクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも一方と疎水性の単量体との共重合体でない場合に比べ、環境変動に対する画像劣化の発生が抑制される。
また、請求項に係る発明によれば、界面活性剤を含有しない場合に比べ、画像ムラが抑制された画像を得ることができる。
また、請求項に係る発明によれば、界面活性剤がノニオン性でない場合に比べ、さらに画像ムラが抑制された画像を得ることができる。
請求項に係る発明によれば、硬化性樹脂前駆体が紫外線を照射されることによりラジカル反応によって硬化するものでない場合に比べ、硬化反応が高速で進行する。
請求項に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、にじみの発生が抑制された画像が得られる画像記録用インクセットを提供することができる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、にじみの発生が抑制された画像が得られる記録装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<画像記録用組成物>
本実施形態に係る画像記録用組成物は、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体から選択される少なくとも一種のアニオン性の吸液材料と、外部からの刺激により硬化する硬化性樹脂前駆体と、ノニオン性界面活性剤と、を含有することを特徴とする。
吸液材料としてアニオン性の吸液材料を用いることにより、本実施形態に係る硬化性樹脂前駆体によって形成された被硬化層上にインクが吐出された際、アニオン部位で水和イオンが発生し、また、吸液材料内のアニオン部位同士が反発しあうことにより、分子間距離が大きくなり、インク受容のための空間が形成されることで、インク吸液性が向上すると考えられる。
次いで、本実施形態に係る画像記録用組成物を構成する各成分について説明する。
(吸液材料)
本実施形態に係る画像記録用組成物は、前述の通り、アニオン性の吸液材料を含有する。上記吸液材料としては、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも一方と疎水性の単量体との共重合体であり、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体から選択される少なくとも一種であり、アニオン性であって且つ水性溶媒を吸収するものであれば何でもよい。
ここで「水性溶媒を吸収する」とは、吸液量が100ml/100g以上であることを意味する。また「吸液量」とは、吸液材料100gにより吸収される液体の量(ml)を意味し、以下のようにして測定する。
具体的には、水層に吸液材料を静置したのち、サンプル全体に水が浸透するまで待ち、吸水サンプルを引き上げ、メッシュ上に5分間放置したのち、重量を測定し、吸液材料との差分を吸液量とした。また、JIS K5101−13−1に準じた方法でも良い。
水性溶媒に対する吸液材料の吸液量は、具体的には、例えば、200ml/100g以上のものが選択される。
アニオン性の吸液材料としては、例えば、単量体成分として、スルホン酸またはその塩、カルボン酸またはその塩、リン酸またはその塩、硫酸またはその塩、硝酸またはその塩等を用いて構成される単独重合体または共重合体が挙げられる。
スルホン酸またはその塩を単量体成分として構成される重合体の例としては、スチレンスルホン酸またはその塩の重合体、ナフタレンスルホン酸またはその塩の重合体、スルホン酸またはその塩を官能基として有する(メタ)アクリル酸エステル重合体、スルホン酸またはその塩を官能基として有する(メタ)アクリルアミド重合体等が挙げられる。
カルボン酸またはその塩を単量体成分として構成される重合体の例としては、ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、カルボン酸またはその塩を官能基として有する(メタ)アクリル酸エステル重合体、カルボン酸またはその塩を官能基として有する(メタ)アクリルアミド重合体等が挙げられる。
また、上記アニオン性の吸液材料としての重合体は、単量体成分として更に疎水性の単量体を含んだ共重合体であってもよい。
上記疎水性の単量体としては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、ブタジエン等が挙げられる。
特に、上記アニオン性の吸液材料としては、環境変動による画像劣化抑制の観点から、前記アクリル酸および前記メタクリル酸から選択される少なくとも一方と前記疎水性の単量体との共重合体が用いられる。該共重合体としては、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体が用いられる。
これらの吸液材料は懸濁重合、エマルション重合、溶液重合などにより作製され、そのままの形状での使用や、ボールミルやサンドミル、凍結粉砕などによる粉砕工程、溶剤による再沈降等の処理を施してもよい。
上記吸液材料の粒子径(体積平均粒子径)は、0.5μm以上5μm以下の範囲で本実施形態では用いられる。
吸液材料の重量平均分子量は、本実施形態では通常5000以上20万以下の範囲で用いられる。
上記重量平均分子量は、以下の条件で測定したものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
本実施形態に係る画像記録用組成物における、上記吸液材料の含有量としては10質量%以上60質量%以下の範囲で本実施形態では用いられる。
(硬化性樹脂前駆体および重合開始剤)
本実施形態に係る画像記録用組成物は、前述の通り、硬化性樹脂前駆体を含有する。
硬化性樹脂前駆体としては、例えば、紫外線硬化性樹脂前駆体、電子線硬化性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体等が挙げられる。なお、硬化性樹脂前駆体は、これらに限られず、例えば湿気、酸素等により硬化する硬化性樹脂前駆体を適用することもできる。
・紫外線硬化性樹脂前駆体
紫外線硬化性樹脂前駆体を硬化することにより得られる「紫外線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂などが挙げられる。
上記紫外線硬化性樹脂の前駆体となる紫外線硬化性樹脂前駆体としては、紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、および紫外線硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
ここで、紫外線硬化性のモノマーとしては、例えば、アルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性樹脂前駆体;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性樹脂前駆体;などが挙げられる。上記紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマーとしては、これらモノマーを所定の重合度で重合させたものの他、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル骨格に、アクリロイル基やメタクリロイル基の付加した、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリリックアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のラジカル硬化性樹脂前駆体が挙げられる。
これらの中でも、硬化速度の観点から、ラジカル硬化性の硬化性樹脂前駆体が好ましい。
また、油性のシリコーン変性樹脂が好ましく、具体的には、シリコーン系アクリルプレポリマー、ジメチルシロキサン側鎖ポリエーテルアクリル、ジメチルシロキサン側鎖アルキルアクリルエステル、直鎖アクリル変性シリコーンアクリレート等が挙げられる。
また、画像記録用組成物は、紫外線硬化反応を進行させるための紫外線重合開始剤を含んでいてもよい。さらに画像記録用組成物は、必要に応じて、重合反応をより進行させるための、反応助剤、重合促進剤等を含んでいてもよい。
硬化反応がラジカル反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン系、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシケトン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノケトン、α−アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、チタノセン型、オキシムエステル型、オキシフェニル酢酸エステル型などが挙げられる。
また硬化反応がカチオン反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤等が挙げられる。
・電子線硬化性樹脂前駆体
電子線硬化性樹脂前駆体を硬化することにより得られる「電子線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
上記電子線硬化性樹脂の前駆体となる電子線硬化性樹脂前駆体としては、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、および電子線硬化性のプレポリマーが挙げられる。
ここで、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、電子線硬化性のプレポリマーとしては、紫外線硬化性の材料として記載されたものが挙げられる。
・熱硬化性樹脂前駆体
熱硬化性樹脂前駆体を硬化することにより得られる「熱硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。
上記熱硬化性樹脂の前駆体となる熱硬化性樹脂前駆体としては、熱硬化性のモノマー、熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、および熱硬化性のプレポリマーが挙げられる。
ここで、熱硬化性のモノマーとしては、例えば、フェノール、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、シアヌリル酸アミド、尿素、グリセリン等のポリアルコール、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の酸などが挙げられる。熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、熱硬化性のプレポリマーとしては、これらのモノマーを所定の重合度で重合させたものや、エポキシプレポリマー、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。
また重合の際に硬化剤を添加してもよい。
また、画像記録用組成物は、熱硬化反応を進行させるための熱重合開始剤を含んでもよい。熱重合開始剤としては、例えば、プロトン酸/ルイス酸等の酸、アルカリ触媒、金属触媒などが挙げられる。
硬化性樹脂前駆体は、中間転写体等との濡れ性を考慮して、Siやフッ素等による変性がされていてもよい。また硬化性樹脂前駆体は、硬化速度と硬化度を考慮すると、多官能のプレポリマーを含有していてもよい。
尚、上記硬化性樹脂前駆体の量は、画像記録用組成物の内5質量%以上90質量%以下で用いられる。
また、本実施形態に係る画像記録用組成物における、前記硬化性樹脂前駆体と前記吸液材料との質量比率は100:1〜5:95で用いられる。
(界面活性剤)
本実施形態に係る画像記録用組成物は、界面活性剤を含有させてもよく、少なくともノニオン性界面活性剤が含有される
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられる。
また、アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩およびスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、望ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が挙げられる。
上記界面活性剤は、画像記録用組成物に対し0.01質量%以上10質量%以下の範囲で本実施形態では用いられる。
またその他、本実施形態に係る画像記録用組成物は、ワックスやゴム状物質類を混合しても良い。
(固定化成分)
また、本実施形態に係る画像記録用組成物には、硬化性樹脂前駆体や吸液材料の他に、インクの成分を被硬化層上や内部で固定化する成分(以下、「固定化成分」と称する場合がある)をさらに含んでいてもよい。
固定化成分としては、例えば、インクの成分(例えば色材)を吸着する成分、インクの成分(例えば色材)を凝集または増粘させる成分等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、画像記録用組成物には、上記硬化反応に寄与する主成分(硬化性樹脂前駆体、重合開始剤等)を溶解または分散するための水や有機溶媒を含んでいてもよい。
また、画像記録用組成物は、硬化後の層を着色制御する目的で、各種色材を含んでいてもよい。
また、画像記録用組成物は、粘度を調整する等の目的から、熱可塑性樹脂を含有させてもよい。該熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボーネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレンとそのアクリルモノマー共重合体およびそのブレンド物等が挙げられる。
尚、画像記録用組成物は粘度5mPa・s以上30000mPa・s以下で本実施形態では用いられ、また、画像記録用組成物の粘度は、インクの粘度よりも高いことがよい。
上記粘度は、以下の方法により測定される値であり、本明細書に記載の粘度は下記方法により測定された値である。
粘度計としてはTV−22(東機産業製)を用いて、ずり速度=2.25から750(1/s)で、15℃での粘度(mPa・s)を計測したものである。尚、本明細書における表記はずり速度10s−1のものである。
また、画像記録用組成物は、常温(25℃)において低揮発性または不揮発性であることがよい。ここで、低揮発性とは大気圧下において沸点が200℃以上であることを意味する。また、不揮発性とは大気圧下において沸点が300℃以上であることを意味する。
・インク
次いで、本実施形態において用いられるインクについて詳細に説明する。
インクは水性インク、油性インク共に使用することができるが、環境性の点で水性インクが使用される。水性インク(以下、単にインクと称する)は、記録材に加え、インク溶媒(例えば、水、水溶性有機溶媒)を含んでいる。また、必要に応じて、その他、添加剤を含んでいてもよい。
まず、記録材について説明する。記録材としては、主に色材が挙げられる。色材としては、染料、顔料のいずれも用いることができるが、顔料であることがよい。顔料としては有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料ではファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色または淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、本実施形態のために、新規に合成した顔料でも構わない。
また、シリカ、アルミナ、または、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料または顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等を顔料として使用することも可能である。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000(コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R(キャボット社製)、Color Black FW1(デグッサ社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
黄色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、色材として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることができる。使用可能な顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いることができる。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1質量%以上100質量%以下が挙げられる。
色材として水に自己分散可能な顔料を用いることもできる。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cabot260、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、またはカルボン酸塩を有する顔料を用いることができる。
更に、樹脂により被覆された顔料等を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料だけでなく、本実施形態のために試作されたマイクロカプセル顔料等を使用することもできる。
また、高分子物質を上記顔料に物理的に吸着または化学的に結合させた樹脂分散型顔料を用いることもできる。
記録材としては、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトに代表される強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛に代表される半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などが挙げられる。
これらの記録材の中でも、上記画像記録用組成物に含まれるカチオン性樹脂によるインクの拡散を抑えインク滲みを有効に抑制する点から、記録材としては、アニオン性分散剤(例えば、上記アニオン性界面活性剤)を用いた顔料、アニオン性官能基(例えば上記スルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、またはカルボン酸塩)を有する自己分散型顔料、およびアニオン性染料であることが最も望ましい。
記録材の含有量(濃度)は、例えばインクに対して5質量%以上30質量%以下の範囲が挙げられる。
記録材の体積平均粒径は、例えば10nm以上1000nm以下の範囲が挙げられる。
記録材の体積平均粒径とは、記録材そのものの粒径、または記録材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計9340(Leeds&Northrup社製)を用いた。その測定は、インク4mlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行った。なお、測定時の入力値として、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度は記録材の密度とした。
次に、水溶性有機溶媒について説明する。水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒は、少なくとも1種類以上使用してもよい。水溶性有機溶媒は、含有量としては例えば1質量%以上70質量%以下の範囲で用いられる。
次に、水について説明する。水としては、特に不純物が混入することを防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが望ましい。
次に、その他の添加剤について説明する。インクには、界面活性剤を添加することができる。
これら界面活性剤の種類としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、望ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
また、インクには、その他、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク吐出性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、およびキレート化剤等も添加することができる。
次に、インクの好適な特性について説明する。まず、インクの表面張力は、例えば20mN/m以上45mN/m以下の範囲が挙げられる。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
インクの粘度は、例えば1.5mPa・s以上30mPa・s以下の範囲が挙げられる。
ここで、粘度としては、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値を採用した。
なお、インクは、上記構成に限定されるものではない。記録材以外に、例えば、液晶材料、電子材料など機能性材料を含むものであってもよい。
また、上記いずれの実施形態でも、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッドから画像データに基づいて選択的にインク滴が吐出されてフルカラーの画像が記録媒体に記録される形態を説明したが、記録媒体上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、本実施形態は、工業的に用いられる液滴吐出(噴射)装置全般に対して適用される。
<記録装置>
本実施形態に係る記録装置は、中間転写体と、前述の画像記録用組成物を前記中間転写体上に供給する供給手段と、前記中間転写体上に供給された前記画像記録用組成物により形成された被硬化層に、前述のインクを吐出する吐出手段と、前記インクが吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体に転写する転写手段と、前記被硬化層を硬化させる刺激を供給する刺激供給手段と、を有する。
尚、前記中間転写体を加熱する手段を有していてもよい。
また、本実施形態に係る記録装置の別の態様は、前述の画像記録用組成物を記録媒体上に供給する供給手段と、前記記録媒体上に供給された前記画像記録用組成物により形成された被硬化層に、前述のインクを吐出する吐出手段と、前記被硬化層を硬化させる刺激を供給する刺激供給手段と、を有する。
次いで、本実施形態に係る記録装置について図面を参照しつつ説明する。なお、同じ機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1は、第1実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
第1実施形態に係る記録装置101は、図1に示すように、例えば、中間転写ドラム(中間転写体)10、中間転写ドラム10上に、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体から選択される少なくとも一種のアニオン性の吸液材料と外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性樹脂前駆体とノニオン性界面活性剤とを少なくとも含有する画像記録用組成物12Aを供給して画像記録用組成物12Aにより形成された被硬化層12Bを形成する溶液供給装置12と、被硬化層12B上にインク滴14Aを吐出し画像Tを形成するインクジェット記録ヘッド14と、記録媒体Pを中間転写ドラム10に重ね合わせ圧力を加えることにより画像Tが形成された被硬化層12Bを記録媒体P上に転写する転写装置16と、記録媒体P上に転写された被硬化層12Bを硬化する刺激を供給する刺激供給装置18と、を含んで構成されている。
また、中間転写ドラム10の回転方向における転写装置16の下流には、中間転写ドラム10表面に残留する被硬化層12Bの残留物の除去、当該残留物以外の異物(記録媒体Pの紙粉等)等の付着物の除去を行うためのクリーニング装置20が配置されている。
中間転写ドラム10は、例えば円筒状基体と、当該基体表面に被覆される表面層と、を有する構成が挙げられる。中間転写ドラム10は、記録媒体Pの幅と同等またはそれ以上の幅(軸方向長さ)を有している。
円筒状基体の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等が挙げられる。
表面層の材質としては、例えば、各種の樹脂[例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等]、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)等が挙げられる。表面層は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
溶液供給装置12は、例えば、画像記録用組成物12Aを収納する筐体12C内に、当該画像記録用組成物12Aを中間転写ドラム10へ供給する供給ローラ12Dと、供給された画像記録用組成物12Aにより形成された被硬化層12Bの層厚を規定するブレード12Eと、を含んで構成されている。
溶液供給装置12は、その供給ローラ12Dが中間転写ドラム10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ドラム10から離間する構成としてもよい。また、溶液供給装置12は、独立した溶液供給システム(図示せず)より画像記録用組成物12Aを筐体12Cへ供給させ、画像記録用組成物12Aの供給がとぎれないようにしてもよい。
溶液供給装置12は、上記構成に限られず、公知の供給法(塗布法:例えば、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、ブレード方式の塗布、ロール方式の塗布等)などを利用した装置が適用される。
インクジェット記録ヘッド14は、例えば、中間転写ドラム10の回転方向上流側から、ブラックインクを吐出するための記録ヘッド14Kと、シアンインクを吐出するための記録ヘッド14Cと、マゼンタインクを吐出するための記録ヘッド14Mと、イエローインクを吐出するための記録ヘッド14Yと、の各色の記録ヘッドを含んで構成されている。無論、記録ヘッド14の構成は上記構成に限られず、例えば、記録ヘッド14Kのみで構成してもよいし、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、および記録ヘッド14Yのみで構成してもよい。
各記録ヘッド14は、例えば、記録媒体Pの幅と同等またはそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが用いられるが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。各記録ヘッド14のインク吐出方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インク吐出可能な方式であれば制限はない。
各記録ヘッド14は、例えば、中間転写ドラム10の回転方向上流側から記録ヘッド14K、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、および記録ヘッド14Yの順で直列に配置されている。
各記録ヘッド14は、中間転写ドラム10表面とヘッドのノズル面との距離が例えば0.3乃至0.7mm程度にして配置されている。また、各記録ヘッド14は、例えば、その長手方向が中間転写ドラムの回転方向と交差(望ましくは直交)して配設されている。
転写装置16は、中間転写ドラム10に対し押し当てて配置される加圧ロール16Aを含んで構成されている。加圧ロール16Aは、例えば、上記中間転写ドラム10の材料構成のごとく構成される。
刺激供給装置18は、適用する画像記録用組成物12Aに含まれる硬化性樹脂前駆体の種類に応じて選択される。具体的には、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性樹脂前駆体を適用する場合、刺激供給装置18としては画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)に紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。また、電子線の照射により硬化する電子線硬化性樹脂前駆体を適用する場合、刺激供給装置18として画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)に電子線を照射する電子線照射装置を適用する。また、熱の付与により硬化する熱硬化性樹脂前駆体を適用する場合、刺激供給装置18として画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)に熱を付与する熱付与装置を適用する。
ここで、紫外線照射装置としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LEDなどが適用される。
ここで、紫外線の照射条件としては、紫外線硬化性樹脂前駆体を含む画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)が硬化される条件であれば、特に制限はなく、紫外線硬化性樹脂前駆体種、被硬化層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、高圧水銀灯120W/cm出力密度で2s照射等である。
また、電子線照射装置としては、例えば、走査型/カーテン型等があり、カーテン型はフィラメントで生じた熱電子を、真空チャンバー内のグリッドによって引き出し、さらに高電圧(例えば70乃至300kV)によって、一気に加速させ、電子流となり、窓箔を通過して、大気側に放出する装置である。電子線の波長は一般的に1nmより小さく、またエネルギーは大きいもので数MeVに及ぶが、電子線の波長数がpmのオーダーでエネルギーが数十乃至数百keVが適用される。
ここで、電子線の照射条件としては、電子線硬化性樹脂前駆体を含む画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)が硬化される条件であれば、特に制限はなく、電子線硬化性樹脂前駆体種、被硬化層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、電子線量は5乃至100kGyレベル等である。
また、熱付与装置としては、例えば、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、ニクロム線ヒータ、マイクロ波加熱、赤外線ランプなどが適用される。また、熱付与装置としては、電磁誘導方式の加熱装置も適用できる。
ここで、熱の付与条件としては、熱硬化性樹脂前駆体を含む画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)を硬化することが可能な条件であれば、特に制限はなく、熱硬化性樹脂前駆体種、被硬化層12Bの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、空気中において、200℃環境で5min等である。
なお、それぞれ硬化された状態とは、被硬化層12Bが刺激供給装置18により硬化された硬化層に浸透性の用紙(普通紙)を重ね、200g荷重をかけても転写がおこらない状態をいう。
記録媒体Pとしては、浸透媒体(例えば、普通紙や、コート紙等)、非浸透媒体(例えば、アート紙、樹脂フィルムなど)、いずれも適用される。記録媒体は、これらに限られず、その他、半導体基板など工業製品も含まれる。
以下、本実施形態に係る記録装置101の画像記録プロセスにつき、説明する。
本実施形態に係る記録装置101では、中間転写ドラム10が回転駆動され、まず、溶液供給装置12により、中間転写ドラム10表面に画像記録用組成物12Aを供給して、被硬化層12Bを形成する。
ここで、被硬化層12Bの厚みは、特に制限はないが、例えば、1μm以上50μm以下の範囲で制御される。
また、例えば、被硬化層12Bの厚みをインク滴14Aが被硬化層12Bの最下層まで到達しない程度とすれば、記録媒体Pへの転写後では被硬化層12Bのうちインク滴14Aが存在する領域が露出せず、インク滴14Aが存在しない領域が硬化後には保護層として機能する。
次に、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aを吐出し、中間転写ドラム10上に供給された被硬化層12Bに当該インク滴14Aを付与する。インクジェット記録ヘッド14は所定の画像情報に基づき、被硬化層12Bの所定の位置にインク滴14Aを付与する。
この際、インクジェット記録ヘッド14によるインク滴14Aの吐出は、中間転写ドラム10上で行われる。つまり、ドラム表面がたわみのない状態で被硬化層12Bにインク滴14Aの吐出がなされる。
次に、転写装置16により記録媒体Pを中間転写ドラム10と挟み込んで、被硬化層12Bに圧力を加えることで、記録媒体P上に、インク滴14Aにより画像が形成された被硬化層12Bが転写される。
次に、刺激供給装置18により、被硬化層12Bを硬化させることで、インク滴14Aによる画像Tが硬化性樹脂により記録媒体P上で定着される。これにより、インク滴14Aによる画像Tが含まれる硬化性樹脂層(画像層)が記録媒体Pに形成される。
そして、被硬化層12Bが記録媒体Pへ転写された後の中間転写ドラム10表面に残った被硬化層12Bの残留物や異物をクリーニング装置20により除去し、再び、中間転写ドラム10上に、溶液供給装置12により画像記録用組成物12Aを供給して被硬化層12Bを形成し、画像記録プロセスが繰り返される。
以上のようにして、本実施形態に係る記録装置101では、画像記録が行われる。
図2は、第2実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
第2実施形態に係る記録装置102は、図2に示すように、第1実施形態における中間転写ドラム10の代わりに中間転写ベルト(中間転写体)22を配置した形態である。
中間転写ベルト22は、例えば、2つの支持ロール22A、および加圧ロール16B(転写装置16)により内周面側から張力を掛けつつ回転可能に支持されて配設されている。
中間転写ベルト22は、記録媒体Pの幅と同等またはそれ以上の幅(軸方向長さ)を有している。
中間転写ベルト22は、例えば、各種の樹脂[例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等]、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)により構成される。中間転写ベルト22は、ステンレス等の金属材料により構成してもよい。中間転写ベルト22は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。また、中間転写ベルト22は、フッ素樹脂・シリコーンゴム等の離型性の材料により表面層を有していてもよい。
各記録ヘッド14は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルトにおける非屈曲領域上で、且つ中間転写ベルト22表面とヘッドのノズル面との距離が例えば0.7乃至1.5mm程度にして配置されている。
転写装置16は、中間転写ベルト22を挟んで対向配置された一対の加圧ロール16A,16Bを含んで構成されている。
本実施形態に係る記録装置102では、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aを吐出し、中間転写ベルト22上に形成された被硬化層12Bに当該インク滴14Aを付与する。
この際、インクジェット記録ヘッド14によるインク滴14Aの吐出は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト22における非屈曲領域上で行われる。つまり、ベルト表面がたわみのない状態で被硬化層12Bにインク滴14Aの吐出がなされる。
これら以外は、第1実施形態に記載の態様を適用することができるので、説明を省略する。
図3は、第3実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
第3実施形態に係る記録装置103は、図3に示すように、第1実施形態において、インク滴14Aによる画像が形成された被硬化層12Bを記録媒体Pへ転写する前に、当該被硬化層12Bを半硬化させる刺激を供給する第2の刺激供給装置24をさらに配置した形態である。
第2の刺激供給装置24は、例えば、中間転写ドラム10の回転方向におけるインクジェット記録ヘッド14よりも下流側であって、転写装置16よりも上流側に配置されている。
第2の刺激供給装置24は、刺激供給装置18のごとく、適用する画像記録用組成物12Aに含まれる硬化性樹脂前駆体の種類に応じて選択される。具体的には、例えば、紫外線硬化性樹脂前駆体を適用する場合、第2の刺激供給装置24としては画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)に紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。また、電子線硬化性樹脂前駆体を適用する場合、第2の刺激供給装置24として画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)に電子線を照射する電子線照射装置を適用する。また、熱硬化性樹脂前駆体を適用する場合、第2の刺激供給装置24として画像記録用組成物12A(これにより形成された被硬化層12B)に熱を付与する熱付与装置を適用する。
第2の刺激供給装置24における紫外線照射条件、電子線照射条件、熱付与条件は、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aを付与された中間転写ドラム10上の被硬化層12Bが、半硬化した状態で転写装置16により記録媒体Pに転写される条件であれば、特に制限はなく、硬化性樹脂前駆体種、被硬化層の厚みなどに応じて選択し得る。
本実施形態においては、第2の刺激供給装置24をインクジェット記録ヘッド14よりも下流側であって転写装置16よりも上流側に配置しているが、第2の刺激供給装置24をインクジェット記録ヘッド14よりも上流側に配置してもよい。第2の刺激供給装置24をインクジェット記録ヘッド14よりも上流側に配置すると、被硬化層12Bが半硬化され粘度が上昇した後に、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aが被硬化層12Bに吐出される。よって、被硬化層12B内におけるインク滴14Aの拡散がより抑制されるため、さらに高精細な画像が形成される。
ここで、「半硬化した状態」とは、硬化性樹脂前駆体が、前記「硬化された状態」には達していないが、中間転写体に供給した時よりも硬化され完全な液体状態ではない状態をいう。「半硬化した状態」の確認方法の1つとしては、以下の方法が挙げられる。具体的には、被硬化層12Bに浸透性の用紙(例えば普通紙)を重ねた場合、荷重をかけない時は被硬化層12Bが用紙側に全く転写されず、200g荷重をかけたときに一部転写された場合を、「半硬化した状態」と判断する。
以上説明した本実施形態に係る記録装置103では、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aを吐出し、中間転写ドラム10上に供給された被硬化層12Bに当該インク滴14Aを付与した後、第2の刺激供給装置24により、当該被硬化層12Bを半硬化させる。そして、転写装置16により当該被硬化層12Bを記録媒体Pに転写する。この転写の際、被硬化層12Bは、半硬化の状態、つまりある程度剛性を持った状態で記録媒体Pに転写される。
これら以外は、第1実施形態に記載の態様を適用することができるので、説明を省略する。
図4は、第4実施形態にかかる記録装置を示す構成図である。
第4実施形態に係る記録装置104は、図4に示すように、記録媒体Pに画像を直接形成する形態(直接記録方式)である。
記録装置104は、例えば、記録媒体P上に、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体から選択される少なくとも一種のアニオン性の吸液材料と外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性樹脂前駆体とノニオン性界面活性剤とを含有する画像記録用組成物12Aを供給して画像記録用組成物12Aにより形成された被硬化層12Bを形成する溶液供給装置12と、被硬化層12B上にインク滴14Aを吐出し画像Tを形成するインクジェット記録ヘッド14と、被硬化層12Bを硬化する刺激を供給する刺激供給装置18と、を含んで構成されている。
また記録装置104は、上記記録媒体Pを搬送する搬送ベルト13を備えている。搬送ベルト13としては、例えば、第2実施形態における中間転写ベルト22として記載の無端ベルトが用いられる。搬送ベルト13は、例えば、3つの支持ロール13Aにより内周面側から張力を掛けつつ回転可能に支持されて配設されている。搬送ベルト13は、回転移動することにより、収容容器(図示略)などから送られてきた記録媒体Pを矢印の方向に搬送する。
記録装置104では、まず溶液供給装置12により、搬送ベルト13によって搬送されている記録媒体Pの表面上に、画像記録用組成物12Aを供給して被硬化層12Bを形成する。次に、所定の画像情報に基づき、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aを吐出し、記録媒体P上に形成された被硬化層12Bにインク滴14Aを付与することにより画像Tを形成する。最後に刺激供給装置18によって被硬化層12Bを硬化させることにより、インク滴14Aによる画像Tが含まれる硬化性樹脂層(画像層)が記録媒体Pに形成される。
これら以外は、第1実施形態に記載の態様を適用することができるので、説明を省略する。
以上説明した上記いずれの実施形態に係る記録装置では、画像記録用組成物12Aを中間転写ドラム10、中間転写ベルト22、または記録媒体Pに塗布して被硬化層12Bを形成する。そして、この被硬化層12Bにインク滴14Aを付与して画像Tを形成した後(第1実施形態乃至第3実施形態においては、さらに記録媒体Pへ転写した後)、画像Tが形成された被硬化層12Bを完全に硬化させる。この際、被硬化層12Bに含有される硬化性樹脂前駆体が硬化することにより「硬化性樹脂」となる。このため、記録媒体Pが非浸透媒体であるか浸透媒体であるかを問わず、多様な記録媒体Pに対して、画像形成がなされる。
特に第1実施形態乃至第3実施形態に係る記録装置では、中間転写方式を採用しているため、画像Tが形成された中間転写体(中間転写ドラム10、中間転写ベルト22)上の被硬化層12Bが、記録媒体Pに転写される工程を経る。そのため、例えば被硬化層12Bの厚みをインク滴14Aが被硬化層12Bの最下層まで到達しない程度とした場合、記録媒体Pに転写された被硬化層12Bは、インク滴14Aが存在する領域(画像Tの領域)が露出せず、インク滴14Aが存在しない領域が硬化後に保護層として機能することにより、画像保存性が向上する。これに対し、第4実施形態に係る記録装置では、画像記録用組成物12Aを直接記録媒体Pに供給する方式(直接記録方式)を採用しているため、簡易な構成であり、より高速かつ低コストで画像形成がなされる。
以下、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例により特に制限されるものではない。尚、以下において「部」とは、特に断りのない限り質量基準である。但し、以下に示す実施例2および実施例5は何れも参考例として示すものである。
〔実施例1〕
「画像記録用組成物」
・UV硬化型・ラジカル反応性の硬化性樹脂前駆体
ポリウレタンアクリレート(新中村化学工業社製)と
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(ダイセルサイテック社製)
との混合物 61部
・光重合開始剤
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 2部
・アニオン性吸液材料(アクリル酸と疎水性モノマーとの共重合体)
スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸Na塩共重合部分架橋体 35部
(重合比(質量比)=3:2:5、平均分子量=45000)
・アニオン性高分子界面活性剤
Disperbyk−111(ビックケミー社製) 2部
上記組成について、ロールミルにて混合/分散を行い、画像記録用組成物とした。
「Bkインク」
・カーボンブラック 5部
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチルエステル共重合体 1.5部
・グリセリン 25部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 6部
・オキシエチレンオレイルエーテル 0.5部
上記組成を混合し、さらに純水およびNaOHを加えて調整したのち、2μmフィルターでろ過し、Bkインクを得た。
「Cyanインク」
・銅フタロシアニン顔料 4部
(C.I.Pigment Blue 15:3)
・2−エチルヘキシルメタクリレート−アクリル酸共重合体 1.5部
・ジエチレングリコール 10部
・グリセリン 15部
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物 1.8部
・1,3−ブタンジオール 4部
上記組成を混合し、さらに純水およびNaOHを加えて調整したのち、2μmフィルターでろ過し、Cyanインクを得た。
「Magentaインク」
・キナクリドン系マゼンタ顔料 5部
(C.I.Pigment Red 122)
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ブチルエステル共重合体 4部
・プロピレングリコール 8部
・グリセリン 17部
・ジプロピレングリコール 5部
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物 2.5部
上記組成を混合し、さらに純水およびNaOHを加えて調整したのち、2μmフィルターでろ過し、Magentaインクを得た。
「Yellowインク」
・アゾ系イエロー顔料 5部
(C.I.Pigment Yellow 74)
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチルエステル共重合体 3部
・ジエチレングリコール 15部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8部
・1,2−ヘキサンジオール 5部
・オキシエチレンラウリルエーテル 0.5部
上記組成を混合し、さらに純水およびNaOHを加えて調整し、2μmフィルターでろ過し、Yellowインクを得た。
≪評価≫
前記画像記録用組成物をバーコーターによりアート紙(OK金藤、王子製紙(株)製)上に供給し、膜厚7μmの被硬化層を形成した。次いで、上記4種のインクをそれぞれピエゾヘッド(解像度600dpi(dpi:1インチ当たりのドット数))にて前記被硬化層上に印字した。その後、出力1.5kWのメタルハライドランプでUV照射を行い、画像を形成した。
該画像について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
(1)2ドットラインのにじみ発生
前記より得られた2ドットラインの画像に対し、下記の評価基準に従ってにじみの発生についての目視評価を行った。
○:ラインの乱れ(フェザリング)が観測されない。
△:ラインの乱れはあるものの、画像として十分許容できる。
×:明らかにラインの直線性にバラツキが観測される。
(2)画像ムラ
前記より得られた画像に対し、下記の評価基準に従って画像ムラの発生についての目視評価を行った。
◎:画像濃度が異なる部分が目視では観察できないソリッド画像が得られた。
○:画像濃度の高い部分と低い部分とが見えるものの、画像として十分許容できる。
△:画像濃度の高い部分と低い部分とがあり、ムラのある画像に見える。
×:ひとつのソリッド画像内で明らかに画像濃度の違うところが目立ち、許容できない。
(3)硬化の進行
UV照射による画像記録用組成物の硬化の速度に関し、下記の評価基準に従って評価を行った。
○:画像記録用組成物にUV照射した1秒後の膜に関して、変形もべたつき感もなし。
△:画像記録用組成物にUV照射した1秒後の膜に関して、変形はしないが、べたつき感がある。
(4)耐刷性
硬化した画像を指でこすりアート紙からの剥離状態を観察して、得られた画像の耐刷性についての評価試験を行った。試験結果から、以下の基準に従って評価した。
○:画像の剥離なし。
×:指でこすった部分が剥離し、画像乱れを生じた。
(5)環境変動に対する画像劣化
得られた画像を高湿度環境(80%RH以上)に保管して1日後の画像を観察し、得られた画像の環境変動に対する画像劣化についての評価試験を行った。試験結果から、以下の基準に従って評価した。
◎:高湿度環境に保管前後で全く変動なし。
○:高湿度環境下で、曇りが生じるものの、50%RH環境にもどすと元の状態に戻る。
△:画像の曇りに加え、わずかではあるが画像のにじみが発生した。
×:明らかな画像のにじみが生じ、画像の乱れが発生した。
〔実施例2〕
「画像記録用組成物」
・UV硬化型・ラジカル反応性の硬化性樹脂前駆体
ウレタンアクリレート(4官能) 35部
(ダイセルサイテック社製)
グリセリンプロポキシトリアクリレート(3官能) 25部
(サートマー社製)
・光重合開始剤
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
1.5部
・アニオン性吸液材料
ポリアクリル酸部分ナトリウム塩 35部
・ノニオン性高分子界面活性剤
変性アクリル系ブロックコポリマー 3.5部
(ルーブリゾール社製、商品名:ソルスパース)
上記組成に1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよびPEG400ジアクリレート(ダイセルサイテック)を加え、粘度を550mPasに調整して、画像記録用組成物とした。
≪評価≫
前記画像記録用組成物をバーコーターによりアート紙(OK金藤、王子製紙(株)製)上に供給し、膜厚7μmの被硬化層を形成した。次いで、実施例1にて用いた4種のインクをそれぞれピエゾヘッド(解像度600dpi(dpi:1インチ当たりのドット数))にて前記被硬化層上に印字した。その後、出力1.5kWのメタルハライドランプでUV照射を行い、画像を形成した。
該画像について実施例1に記載の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例3〕
「画像記録用組成物」
・UV硬化型・ラジカル反応性の硬化性樹脂前駆体
ポリエステルアクリレート(4官能) 40部
(サートマー社製)
アクリロイルモルホリン(1官能) 30部
(興人社製)
・光重合開始剤
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 1.5部
・アニオン性吸液材料(アクリル酸と疎水性モノマーとの共重合体)
スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸Na塩共重合部分架橋体 25部
(重合比(質量比)=4:4:2)
上記組成に1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよびPEG400ジアクリレート(ダイセルサイテック)を加え、粘度を550mPasに調整して、画像記録用組成物とした。
≪評価≫
前記画像記録用組成物をバーコーターにより中間転写ベルト(フッ素コートされた樹脂ベルト)上に供給し、膜厚12μmの被硬化層を形成した。次いで、実施例1にて用いた4種のインクをそれぞれピエゾヘッド(解像度600dpi(dpi:1インチ当たりのドット数))にて前記被硬化層上に印字した。その後、転写装置により記録媒体(アート紙(OK金藤、王子製紙(株)製))上に、被硬化層を転写しながら、出力1.5kWのメタルハライドランプでUV照射を行い、画像を形成した。
該画像について実施例1に記載の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例4〕
「画像記録用組成物」
・UV硬化型・ラジカル反応性の硬化性樹脂前駆体
ウレタンアクリレート(6官能) 20部
(新中村化学工業社製)
ポリエステルアクリレート(4官能) 20部
(サートマー社製)
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(3官能) 20部
(新中村化学工業社製)
・光重合開始剤
1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−
(O−ベンゾイルオキシム)] 2部
・アニオン性吸液材料(アクリル酸と疎水性モノマーとの共重合体)
スチレン−アクリル酸共重合体 40部
上記組成にNaOHを加え、更に1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよびPEG300ジアクリレート(ダイセルサイテック社製)を加え、粘度を1200mPasに調整して、画像記録用組成物とした。
≪評価≫
前記画像記録用組成物をバーコーターによりアート紙(OK金藤、王子製紙(株)製)上に供給し、膜厚7μmの被硬化層を形成した。次いで、実施例1にて用いた4種のインクをそれぞれピエゾヘッド(解像度600dpi(dpi:1インチ当たりのドット数))にて前記被硬化層上に印字した。その後、出力1.5kWのメタルハライドランプでUV照射を行い、画像を形成した。
該画像について実施例1に記載の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
「画像記録用組成物」
・UV硬化型・ラジカル反応性の硬化性樹脂前駆体
ポリエステルアクリレート(サートマー社製)と
アクリロイルモルホリン(興人社製)との混合物 65部
・光重合開始剤
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 2部
・ノニオン性吸液材料
ポリビニルアルコール 25部
上記組成について、ボールミルにて混合/分散を行い、画像記録用組成物とした。
≪評価≫
前記画像記録用組成物をバーコーターにより中間転写ベルト(フッ素コートされた樹脂ベルト)上に供給し、膜厚8μmの被硬化層を形成した。次いで、実施例1にて用いた4種のインクをそれぞれピエゾヘッド(解像度600dpi(dpi:1インチ当たりのドット数))にて前記被硬化層上に印字した。その後、転写装置により記録媒体(アート紙(OK金藤、王子製紙(株)製))上に、被硬化層を転写しながら、出力1.5kWのメタルハライドランプでUV照射を行い、画像を形成した。
該画像について実施例1に記載の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例5〕
「画像記録用組成物」
・UV硬化型・カチオン硬化反応性の硬化性樹脂前駆体
(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシ
シクロへキサンカルボキシレート 40部
1,2,8,9−ジエポキシリモネン 20部
・光重合開始剤
トリアリルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト 5部
・アニオン性吸液材料
ポリアクリル酸部分ナトリウム塩 35部
・ノニオン性高分子界面活性剤
変性アクリル系ブロックコポリマー 3.5部
(ルーブリゾール社製、商品名:ソルスパース)
上記組成に4−ビニルシクロヘキセン−1,2−エポキシドを加え、粘度を750mPasに調整して、画像記録用組成物とした。
≪評価≫
前記画像記録用組成物をバーコーターにより中間転写ベルト(フッ素コートされた樹脂ベルト)上に供給し、膜厚12μmの被硬化層を形成した。次いで、実施例1にて用いた4種のインクをそれぞれピエゾヘッド(解像度600dpi(dpi:1インチ当たりのドット数))にて前記被硬化層上に印字した。その後、転写装置により記録媒体(アート紙(OK金藤、王子製紙(株)製))上に、被硬化層を転写しながら、出力1.5kWのメタルハライドランプでUV照射を行い、画像を形成した。
該画像について実施例1に記載の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例2〕
前記実施例5の「画像記録用組成物」の組成のうち、ポリアクリル酸部分ナトリウム塩(アニオン性吸液材料)および変性アクリル系ブロックコポリマー(ノニオン性高分子界面活性剤)を除き、粘度を650mPasになるように組成を調整し、カチオン硬化反応可能な画像記録用組成物とした。
≪評価≫
前記画像記録用組成物をバーコーターにより中間転写ベルト(フッ素コートされた樹脂ベルト)上に供給し、膜厚12μmの被硬化層を形成した。次いで、実施例1にて用いた4種のインクをそれぞれピエゾヘッド(解像度600dpi(dpi:1インチ当たりのドット数))にて前記被硬化層上に印字した。その後、転写装置により記録媒体(アート紙(OK金藤、王子製紙(株)製))上に、被硬化層を転写しながら、出力1.5kWのメタルハライドランプでUV照射を行い、画像を形成した。
該画像について実施例1に記載の評価を行った。その結果を表1に示す。

第1実施形態に係る記録装置を示す構成図である。 第2実施形態に係る記録装置を示す構成図である。 第3実施形態に係る記録装置を示す構成図である。 第4実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
符号の説明
10 中間転写ドラム(中間転写体)
12 溶液供給装置
12A 画像記録用組成物
12B 被硬化層
12C 筐体
12D 供給ローラ
12E ブレード
13 搬送ベルト
13A 支持ロール
14 インクジェット記録ヘッド
16 転写装置
16A 加圧ロール
16B 加圧ロール
18 刺激供給装置
20 クリーニング装置
22 中間転写ベルト(中間転写体)
22A 支持ロール
24 第2の刺激供給装置
101 記録装置
102 記録装置
103 記録装置
104 記録装置

Claims (7)

  1. スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩の共重合体から選択される少なくとも一種のアニオン性の吸液材料と、外部からの刺激により硬化する硬化性樹脂前駆体と、ノニオン性界面活性剤と、を含有する画像記録用組成物。
  2. 前記硬化性樹脂前駆体が、紫外線を照射されることによりラジカル反応によって硬化する請求項1に記載の画像記録用組成物。
  3. 中間転写体上に画像記録用組成物を供給する供給工程と、前記中間転写体上に供給された前記画像記録用組成物により形成された被硬化層にインクを吐出する吐出工程と、前記インクが吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体に転写する転写工程と、前記被硬化層を硬化させる刺激を供給する刺激供給工程と、を有する記録方法における前記画像記録用組成物として用いられる請求項1または請求項2に記載の画像記録用組成物。
  4. 請求項1〜請求項の何れか1項に記載の画像記録用組成物と、インクと、を有する画像記録用インクセット。
  5. 中間転写体と、
    請求項1〜請求項の何れか1項に記載の画像記録用組成物を前記中間転写体上に供給する供給手段と、
    前記中間転写体上に供給された前記画像記録用組成物により形成された被硬化層にインクを吐出する吐出手段と、
    前記インクが吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体に転写する転写手段と、
    前記被硬化層を硬化させる刺激を供給する刺激供給手段と、
    を有する記録装置。
  6. 前記刺激供給手段は、前記記録媒体に転写された後の前記被硬化層に対して該被硬化層を硬化させる刺激を供給する手段であり、
    更に、前記中間転写体から前記記録媒体に転写する前の前記被硬化層に対して該被硬化層を半硬化させる刺激を供給する第2の刺激供給手段を有する請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記第2の刺激供給手段は、前記吐出手段により前記インクが吐出される前の前記被硬化層に対して該被硬化層を半硬化させる刺激を供給する請求項6に記載の記録装置。
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