JP2010219148A - ゾル−ゲル前駆体液及びそのゾル−ゲル前駆体液を用いて得られる酸化物誘電体膜 - Google Patents

ゾル−ゲル前駆体液及びそのゾル−ゲル前駆体液を用いて得られる酸化物誘電体膜 Download PDF

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直彦 阿部
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【課題】一回の塗布で形成するゾル−ゲル前駆体液膜が厚く、可能な限り少ない繰り返し塗布回数で、所望の酸化物誘電体膜厚さとできるゾル−ゲル前駆体液を提供する。
【解決手段】この目的のため、ペロブスカイト構造を備える酸化物セラミックからなる膜を形成するためのゾル−ゲル前駆体液であって、第1成分系調成剤(ペロブスカイト構造のAサイトを構成するバリウム及び/又はストロンチウムとを含有した溶液。)と第2成分系調成剤(ペロブスカイト構造のBサイトを構成するチタンの供給源として、チタンアルコキシドを部分加水分解し重合度調成したものを含有する溶液。)とを含むことを特徴とするゾル−ゲル前駆体液を採用する。
【選択図】図1

Description

本件出願に係る発明は、ゾル−ゲル前駆体液及びそのゾル−ゲル前駆体液を用いて得られる酸化物セラミック膜に関する。
近年のキャパシタ用誘電体薄膜材料、圧電体薄膜材料等の種々の技術分野においては、高い比誘電率を持つ酸化物セラミックス系誘電体薄膜の使用が一般化し、その需要が増大する傾向にある。
この酸化物セラミックス系誘電体薄膜の形成方法には、特許文献1に開示されているようなスパッタリング法等の物理蒸着法、特許文献2に開示されているようなCVDのような化学的気相反応法等が採用されてきた。ところが、これらの製造手法は、高価な真空設備、気相反応設備等を必要としながらも、生産安定性を確保するための制御が煩雑という欠点がある。そして、工業的観点から見れば、大面積の基板に酸化物セラミックス系誘電体薄膜を製膜することは困難であり、生産歩留まりも低く、製造コストの削減に限界が生じていた。
そこで、特許文献3に開示されているような、製造コストが安価で、大面積の酸化物誘電体薄膜の形成が可能な「ゾル−ゲル法」、又は、CSD(Chemical Solution Deposition)法と称される方法が検討されてきた。この「ゾル−ゲル法」による酸化物誘電体薄膜の形成は、PVD法、蒸着スパッタリング法に代表される物理蒸着法等の他の方法に比べれば、現実の工業用途では有望視されてきた。
薄膜キャパシタとして使用する誘電層の厚さは、サブミクロン以下と薄いものの、所定の誘電体膜厚さを得るためには、「ゾル−ゲル法」におけるゾル−ゲル前駆体液(一般的に「ゾル−ゲル溶液」と称される場合もある。)の一回の塗布厚さが極めて薄いため、ゾル−ゲル前駆体液を何度も繰り返して塗布することで、誘電体膜の膜厚調成を行う必要がある。従って、この繰り返して行う塗布作業が存在することで、「ゾル−ゲル法」におけるキャパシタ製造コストの削減にも一定の限界があった。
この問題を解決するため、非特許文献1に開示されているように、ゾル−ゲル前駆体液の一回の塗布厚さを厚くするためだけであれば、高分子系の増粘剤等を添加し、ゾル−ゲル前駆体液を増粘化する方法が採用できる。単に、「ゾル−ゲル法」におけるゾル−ゲル前駆体液の一回の塗布厚さを厚くするため、ゾル−ゲル前駆体液の濃度及び/又は液粘度を向上させることは、ゾル−ゲル前駆体液の繰り返し塗布の回数を顕著に削減し、その結果、キャパシタ製造コストの削減が有効に行えた。
特開2001−358303号公報 特開平06−140385号公報 特開平07−294862号号公報
Jpn.J.Appl.Phys.Vol.33(1994)pp.5196−5200
しかしながら、非特許文献1に開示されているように、ゾル−ゲル前駆体液の増粘剤として高分子系の増粘剤等を用いると、当該ゾル−ゲル前駆体液を塗布後の熱処理工程(乾燥工程、熱分解工程、焼結工程)において、高分子系増粘剤の気散除去が困難になり、最終的な焼結工程で一般的な焼結温度を採用しても焼結が不十分になり、良好な誘電特性を備える誘電体膜が得られなくなる。また、非特許文献1で用いている2−メトキシエタノールは、催奇性を持ち、人体に対する安全性の観点からみても、良好な溶媒とは言えない。
一方、高分子系の増粘剤等を含んだゾル−ゲル前駆体液を用いて形成した誘電体膜を十分に焼結させるため、高温の焼結温度を採用することも考えられる。ところが、誘電体薄膜に要求される一般的な膜厚は、1μm以下のnmオーダーの厚さであり、誘電体膜自体で存在することが困難であるため、当該誘電体膜は、基板の表面に形成するのが通常である。そして、プリント配線板のエッチング加工技術を採用してキャパシタ回路を形成する場合を想定すると、基板として、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金等の導電金属材が使用される。これらの導電金属材は、酸化物誘電体膜の焼結に使用する焼結温度に耐えることは困難であり、熱処理工程での負荷温度をできる限り低温領域とすることが好ましい。
以上のことから理解できるように、一回の塗布で形成するゾル−ゲル前駆体液膜厚さが厚く、可能な限り少ない繰り返し塗布回数で、所望の酸化物誘電体膜厚さを得ることが可能な溶液特性を備え、且つ、低温領域で焼結可能なゾル−ゲル前駆体液の提供を目的とする。
そこで、本件発明者等は、以下の2成分系のゾル−ゲル前駆体液とすることで、高濃度且つ保存安定性にも優れたものとなり、高い比誘電率を備えるセラミックス系誘電体薄膜の形成が可能になる。また、当該2成分系のゾル−ゲル前駆体液で塗膜を形成した後の乾燥、熱分解、結晶化等の各種熱処理工程の妨げとなる添加剤を、極力含有しないゾル−ゲル前駆体液の組成を採用している。
[本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液]
本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液は、ペロブスカイト構造を備える酸化物セラミックからなる膜を形成するためのゾル−ゲル前駆体液であって、以下に記載の第1成分系調成剤と第2成分系調成剤とを含むことを特徴とする。
第1成分系調成剤: ペロブスカイト構造のAサイトを構成するバリウム及び/又はストロンチウムとを含有した溶液。
第2成分系調成剤: ペロブスカイト構造のBサイトを構成するチタンの供給源として、チタンアルコキシドを部分加水分解し重合度調成したものを含有する溶液。
そして、本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液は、前記第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを混ぜ合わせた混合調成剤とし、この混合調成剤に水を添加して溶液特性の調成を行ったものである。
[本件出願に係る酸化物誘電体膜]
本件出願に係る酸化物誘電体膜は、上述の本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液を用いて得られる点に特徴を有する。
本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液は、前記第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを混ぜ合わせた混合調成剤とし、この混合調成剤に水を添加して溶液特性の調成を行ったものである。即ち、適切な加水分解触媒を用いて、チタンアルコキシドの部分加水分解を行うことにより、ゾル−ゲル前駆体液として適切な増粘化を行い、1回の塗布で厚い酸化物誘電体膜の形成を可能とした。よって、ゾル−ゲル前駆体液の繰り返し塗布回数を削減し、且つ、低温焼成が可能であるため、キャパシタを構成する酸化物誘電層の形成コストを大幅に削減できる。
本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液の調成プロセスを示すフロー図である(実施例)。 比較用のゾル−ゲル前駆体液の調成プロセスを示すフロー図である(比較例)。
[本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液の形態]
本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液は、ペロブスカイト構造を備える酸化物セラミックからなる膜を形成するためのゾル−ゲル前駆体液であって、以下に記載の第1成分系調成剤と第2成分系調成剤とを含むことを特徴とする。
第1成分系調成剤: 本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液の調成に用いる第1成分系調成剤は、ペロブスカイト構造のAサイトを構成するバリウム及び/又はストロンチウムとを含有した溶液である。この第1成分系調成剤は、バリウム源及び/又はストロンチウム源となる化合物と溶媒とからなる。
ここで、バリウム源として金属バリウム、ストロンチウム源として金属ストロンチウムを用いる。これらの化合物を用いることで、誘電特性を阻害する成分を含まず、且つ、緻密で安定した性能の酸化物誘電体膜の形成が可能となる。
そして、この第1成分系調成剤に含まれるバリウム及び/又はストロンチウムは、ペロブスカイト構造の結晶組織を備える酸化物誘電体膜の、結晶格子のAサイトを構成する元素成分である。この第1成分系調成剤において、当該Aサイトを構成する元素成分は0.5mol/l以上の濃度となるように含有していることが好ましい。第1成分系調成剤中のAサイトを構成する元素成分濃度が0.5mol/l未満の場合には、高濃度ゾル−ゲル前駆体液が製造出来なくなるからである。
また、前記第1成分系調成剤を構成する溶媒は、炭素数3〜6のアルコールを用いる事が好ましい。但し、この「炭素数3〜6のアルコール」の中で、催奇性等の人体に影響を与えるものは排除するものである。炭素数3未満のアルコールは、安全、衛生上の観点から好ましくないからである。一方、炭素数6を超えるアルコールの場合には、水に対して相溶性が失われ、且つ、揮発性能が低くなるため、焼結後の誘電体膜内に炭素成分が残留しやすくなり、誘電特性にバラツキが生じやすくなり好ましくない。
より具体的に、この炭素数3〜6のアルコールを言えば、グリセリン、イソプロパノール、ブタノール等である。中でも、イソブタノールを用いることが好ましい。これらの溶媒は、第1成分系調成剤と第2成分系調成剤とを混合し、更に水を添加して行う粘度調成が容易で、且つ、誘電体膜を製造するためのゾル−ゲル前駆体液として好適な溶解性が得られるからである。
なお、この第1成分系調成剤において、沈殿を生じる場合には、キレート剤としてβ−ジケトンであるアセチルアセトン等を使用することも好ましい。
第2成分系調成剤: 本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液の調成に用いる第2成分系調成剤は、ペロブスカイト構造の結晶のBサイトを構成するチタンの供給源として、チタンアルコキシドを部分加水分解し重合度調成したものを含有する溶液である。この第2成分系調成剤の構成を更に言えば、「部分加水分解し重合度調成したチタンアルコキシド」、「溶媒」、加水分解に必要な「水」、加水分解触媒として機能する「酢酸」を含んでいる。
この第2成分系調成剤において、 チタンアルコキシドの部分加水分解は、単に重合度を上昇させるものではない。直鎖状の構造に拘ることなく、むやみに当該重合度を上昇させると、酸化物誘電体膜の組成が変動するからである。このチタンアルコキシドの重合度は、10〜5000の範囲であることが好ましい。チタンアルコキシドの重合度が10未満の場合には、第1成分系調成剤と第2成分系調成剤とを混合して得られるゾル−ゲル前駆体液の粘度を調成することが出来ない。一方、チタンアルコキシドの重合度が5000を超えると、当該ゾル−ゲル前駆体液の粘度が過剰に増粘し、塗布する際に均一な膜厚のゾル−ゲル前駆体液膜を得ることが出来なくなるため好ましくない。
本件発明において、チタンアルコキシドを重合度10〜5000の範囲とするには、酢酸等の酸性の加水分解触媒を用いて、チタンアルコキシドをオリゴマー化し、直鎖状の重合体とすることが好ましい。
そして、前記第2成分系調成剤は、チタンを0.5mol/l〜2.0mol/l含有することが好ましい。このような濃度範囲としたのは、上述の第1成分系調成剤中のAサイトを構成する元素成分濃度とのバランスを考慮して、ペロブスカイト構造の結晶組織を備える酸化物誘電体膜の安定形成が可能で、良好な誘電特性が得られると判断できる範囲だからである。
そして、当該第2成分系調成剤に用いる溶媒は、第1成分系調成剤の場合と同様に、溶媒として炭素数3〜6のアルコールを用いることが好ましい。この溶媒に関する概念は、第1成分系調成剤の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、加水分解に必要な「水」は、チタンアルコキシドの量によって、その添加量が定められるため、ここでの明確な水分量の定義は不要と考える。この段階での水は、過剰量を加えるのではなく、チタンアルコキシドの含有量、重合度等を考慮して、その添加量が定められる。
[第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤との混合形態]
本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液は、前記第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを混ぜ合わせた混合調成剤とし、この混合調成剤に水を添加して溶液特性の調成を行ったものである。前記第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを混ぜ合わせた混合調成剤とした際にゲル化した沈殿を生じる場合があるが、水を添加して攪拌することで、ゲル化した沈殿が再溶解し、安定したゾル−ゲル前駆体液となる。
このように前記第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを混ぜ合わせた混合調成剤とした後に水を加えるとしたのは、以下の理由からである。例えば、第2成分系調成剤に対して、当初から過剰の水を添加しておけばよいと考えられるかも知れない。しかし、チタンアルコキシドの加水分解に、水は必要ではあるが、加水分解後の重合反応(オリゴマー化反応)の際に、重合反応の進行と共に生成系に水が生じる。よって、化学反応の反応平衡論から考えても、チタンアルコキシドの重合反応を進行させるためには、第2成分系調成剤の中に過剰な水を含ませることが出来ない。
[本件出願に係る酸化物誘電体膜]
本件出願に係る酸化物誘電体膜は、上述の本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液を用いて得られる点に特徴を有する。本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液は、その溶液性状から、基板上に形成する塗膜厚さが厚く、これから得られる酸化物誘電体膜も厚くなる。よって、ゾル−ゲル法によって製造する酸化物誘電層を製造する際の、塗布回数を少なくする事が可能である。
この実施例では、以下のようにして、第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを製造し、これらを混合してゾル−ゲル前駆体液を調成した。調成プロセスのフローが理解できるように、図1に示す。
第1成分系調成剤: 金属バリウム(6.18g)、金属ストロンチウム(0.43g)、溶媒としてイソブタノール(48ml)を用意して、これらを混合してスラリー状態として、125℃の温度で4時間環流した。その後、これにアセチルアセトン(10.0ml)を添加して、これを第1成分系調成剤とした。
第2成分系調成剤: チタンアルコキシド({(CHCHO}Ti:13.8g)、溶媒としてイソブタノール(48ml)を用意して、これらを混合してスラリー状態として、125℃の温度で1時間環流した。その後、そこに重合触媒としての酢酸(5.7ml)、水(3.0ml)を加えて、3時間攪拌しつつ、部分加水分解することで、チタンアルコキシドをオリゴマー化し、直鎖状の重合体とし、これを第2成分系調成剤とした。
第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤との混合: 以上のようにして調成した第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを混合した。この混合の直後に、若干薄黄色の沈殿を生じた。そして、ここに水(16ml)を添加し、攪拌した。水を添加した後、当該沈殿は、次第に再溶解を始めた。徐々に溶解は進み、2日後には完全に透明で、粘度の高い、褐色を帯びた黄色の0.5M濃度のゾル−ゲル前駆体液が得られた。
酸化物誘電体膜の形成: この実施例で得られたゾル−ゲル前駆体液を用いて、Pt/Si基板上にスピンコート法(3500rpm,30sec.)で1回の塗膜形成を行い、乾燥(150℃×10min)、熱分解工程(400℃×10min)、焼結工程(750℃×10min,大気雰囲気)の条件で酸化物誘電体膜を形成した。その結果、この実施例で得られたゾル−ゲル前駆体液を用いると1回の塗布で、75nm程度の比較的厚いペロブスカイト構造を備える酸化物誘電体膜が得られることが分かった。
比較例
この比較例は、実施例の「第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤との混合」において、水の添加を省略したものである。よって、ここでは、「第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤との混合」に関してのみ述べる。調成プロセスのフローが理解できるように、図2に示す。
第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤との混合: 以上のようにして調成した第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを混合した。この混合時には、直ぐに、若干薄黄色の沈殿を生じた。その後、時間の経過と共に、当該沈殿量が増加し、酸化物誘電体膜の製造に使用可能なゾル−ゲル前駆体液は得られなかった。
本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液は、前記第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤との2成分を分けて、市場に供給出来る。そして、ゾル−ゲル前駆体液として使用する際に、この2成分を混ぜ合わせて混合調成剤とし、この混合調成剤に水を添加して溶液特性の調成を行うことができる。従って、2成分に分離した状態では、長期間の保存が可能であり、溶液寿命が短いと言われるゾル−ゲル前駆体液の長寿命化の問題を解決できる。また、本件出願に係るゾル−ゲル前駆体液は、高濃度ゆえに、適度に増粘化した溶液特性を備えるため、1回の塗布で厚い酸化物誘電体膜の形成が可能で、ゾル−ゲル前駆体液の繰り返し塗布回数を大幅に削減できる。

Claims (8)

  1. ペロブスカイト構造を備える酸化物セラミックからなる膜を形成するためのゾル−ゲル前駆体液であって、
    以下に記載の第1成分系調成剤と第2成分系調成剤とを含むことを特徴とするゾル−ゲル前駆体液。
    第1成分系調成剤: ペロブスカイト構造のAサイトを構成するバリウム及び/又はストロンチウムとを含有した溶液。
    第2成分系調成剤: ペロブスカイト構造のBサイトを構成するチタンの供給源として、チタンアルコキシドを部分加水分解し重合度調成したものを含有する溶液。
  2. 前記第2成分系調成剤において、 チタンアルコキシドを部分加水分解したときの重合度は、10〜5000である請求項1に記載のゾル−ゲル前駆体液。
  3. 前記第1成分系調成剤は、溶媒として炭素数3〜6のアルコールを用いた請求項1又は請求項2に記載のゾル−ゲル前駆体液。
  4. 前記第2成分系調成剤は、溶媒として炭素数3〜6のアルコールを用いた請求項1〜請求項3のいずれかに記載のゾル−ゲル前駆体液。
  5. 前記第1成分系調成剤は、Aサイトを構成する元素成分を0.5mol/l以上含有している請求項1〜請求項4のいずれかに記載のゾル−ゲル前駆体液。
  6. 前記第2成分系調成剤は、チタンを0.5mol/l〜2.0mol/l含有している請求項1〜請求項5のいずれかに記載のゾル−ゲル前駆体液。
  7. 前記第1成分系調成剤と前記第2成分系調成剤とを混ぜ合わせた混合調成剤とし、この混合調成剤に水を添加した請求項1〜請求項6のいずれかに記載のゾル−ゲル前駆体液。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のゾル−ゲル前駆体液を用いて得られることを特徴とする酸化物誘電体膜。
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