JP2010217699A - 反射防止層用組成物、反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置 - Google Patents

反射防止層用組成物、反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、十分に低い屈折率を有しながらも、耐擦傷性、密着性および防汚性にすぐれた低屈折率層を達成するための反射防止用組成物、その組成物を硬化させた層を有する反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の目的は、下記によって達成された。
1.(A)中空シリカ粒子、(B)下記一般式(1)で表されるカチオン重合性化合物(C)光カチオン重合開始剤および(D)含フッ素化合物を含有することを特徴とする反射防止層用組成物。
【化1】
Figure 2010217699

ここでRは、炭素数1〜10のカチオン重合可能な基を表す。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基から選択される基を表す。nは、0、1、2のいずれかを表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止用組成物、反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置に関するものである。
一般に、反射防止フィルムは、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、多層薄膜の光干渉によって、反射率を低減する機能を有しており、ディスプレイの最表面に配置される。
反射率を下げる技術として、最表面の低屈折率層の屈折率を低下させる方法があり、低屈折率素材や、空隙を多くして屈折率を下げる方式が提案されている。しかし、いずれの技術についても、膜強度、耐擦傷性が弱点となっている。
内部が多孔質または空洞となっている複数の中空シリカ粒子を用い、空隙による低屈折率を維持したまま低屈折率層のバインダーを所謂ゾルゲル法によって形成する方法が知られている(特許文献1)。
この方法では、屈折率を下げるために中空シリカ粒子を20質量%以上含有させた低屈折率層では、実用的な膜強度を確保できないという問題がある。
そこで、ゾルゲル法によるバインダーの形成の代わりに、活性エネルギー線による硬化物をバインダーとする技術が提案されている(特許文献2)。
この方法では、耐擦傷性は改良されるものの、バインダーとして選択可能な硬化物の屈折率がそれほど低くなく低屈折率層としては性能が不十分であり、また下層のハードコート層との密着性、低屈折率層には汚れが付着しやすいという問題があった。
特開2007−182511号公報 特開2008−26493号公報
本発明は、十分に低い屈折率を有しながらも、耐擦傷性、密着性および防汚性にすぐれた低屈折率層を達成するための反射防止用組成物、その組成物を硬化させた層を有する反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記によって達成された。
1.(A)中空シリカ粒子、(B)下記一般式(1)で表されるカチオン重合性化合物(C)光カチオン重合開始剤および(D)含フッ素化合物を含有することを特徴とする反射防止層用組成物。
Figure 2010217699
ここでRは、炭素数1〜10のカチオン重合可能な基を表す。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基から選択される基を表す。nは、0、1、2のいずれかを表す。
2.前記一般式(1)で表される化合物のRが、エポキシ構造またはオキセタン構造を有する基であることを特徴とする前記1に記載の反射防止層用組成物。
3.前記(D)含フッ素化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の反射防止層用組成物。
Figure 2010217699
ここでXはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基;Rは(n1+n4)価の連結基;Rfはパーフルオロポリエーテル基;Rはアルキル基、フルオロアルキル基、またはCH=CXCOO−(XはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基);n1は1〜3の整数;n2は0または1;n3は0〜50;n4は1〜3の整数を表す。
4.前記1〜3のいずれかに記載の組成物を硬化した層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
5.前記4に記載の反射防止フィルムを使用することを特徴とする偏光板。
6.前記5に記載の反射防止フィルムを使用することを特徴とする画像表示装置。
前記の本発明により、十分に低い屈折率を有しながらも、耐擦傷性、密着性および防汚性にすぐれた低屈折率層を達成するための反射防止用組成物、その組成物を硬化させた層を有する反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<反射防止用組成物>
本発明の反射防止用組成物は、その組成物を、例えば基材となるフィルムに塗布、ついで硬化させることにより反射防止層、特に低屈折率層を作製することができる組成物である。
そしてその基本構成は、(A)中空シリカ粒子、(B)下記一般式(1)で表されるカチオン重合性化合物、(C)光カチオン重合開始剤および(D)含フッ素化合物を含有することを特徴とする。
<(A)中空シリカ粒子>
本発明の中空シリカ粒子は、外殻層を有しかつ内部が多孔質または空洞である中空シリカ粒子であることが好ましい。
外殻層を有しかつ内部が多孔質または空洞である中空シリカ粒子の具体例としては、
(1)多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層からなる複合粒子、
(2)内部に空洞を有し、かつ内容物が溶媒、気体または多孔質物質で充填された空洞粒子、
である。
なお、空洞粒子は、内部に空洞を有する粒子であり、空洞は粒子壁で囲まれている。空洞内には、調製時に使用した溶媒、気体または多孔質物質等の内容物で充填されている。このような中空シリカ粒子の平均粒子径は5〜200nm、好ましくは10〜70nmが望ましい。中空シリカ粒子の粒径は変動係数が1〜40%の単分散であることが好ましい。
本発明において、用いられる中空シリカ粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。
本発明で使用する中空シリカ粒子の平均粒子径は、形成される低屈折率層の透明被膜の厚さに応じて適宜選択され、低屈折率層の膜厚の100%未満であることが好ましい。
これらの中空シリカ粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。
分散媒としては、水、アルコール(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)、およびケトン(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、ケトンアルコール(例えばジアセトンアルコール)、プロピレンモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好ましい。
複合粒子の被覆層の厚さまたは空洞粒子の粒子壁の厚さは、1〜40nm、好ましくは1〜20nm、更に好ましくは2〜15nmが望ましい。複合粒子の場合、被覆層の厚さが1nm未満の場合は、粒子を完全に被覆することができないことがあり、塗布液成分が容易に複合粒子の内部に進入して内部の多孔性が減少し、低屈折率化の効果が十分得られないことがある。
また、被覆層の厚さが20nmを越えると、塗布液成分が内部に進入することはないが、複合粒子の多孔性(細孔容積)が低下し低屈折率化の効果が十分得られなくなることがある。また空洞粒子の場合、粒子壁の厚さが1nm未満の場合は、粒子形状を維持できないことがあり、また厚さが20nmを越えても、低屈折率化の効果が十分に現れないことがある。
複合粒子の被覆層または空洞粒子の粒子壁は、シリカを主成分とすることが好ましい。また、シリカ以外の成分が含まれていてもよく、具体的にはAl、B、TiO、ZrO、SnO、CeO、P、Sb、Sb、SbO、MoO、ZnO、WO等が挙げられる。
複合粒子を構成する多孔質粒子としては、シリカからなるもの、シリカとシリカ以外の無機化合物とからなるもの、CaF、NaF、NaAlF、MgF等からなるものが挙げられる。このうち特にシリカとシリカ以外の無機化合物との複合酸化物からなる多孔質粒子が好適である。
シリカ以外の無機化合物としては、Al、B、TiO、ZrO、SnO、CeO、P、Sb、Sb、SbO、MoO、ZnO、WOとの1種または2種以上を挙げることができる。このような多孔質粒子では、シリカをSiOで表し、シリカ以外の無機化合物を酸化物換算(MO)で表したときのモル比:MO/SiOが、0.0001〜1.0、好ましくは0.001〜0.3の範囲にあることが望ましい。
多孔質粒子のモル比:MO/SiOが、0.0001未満のものは、得ることが困難であり、得られたとしても細孔容積が小さく、屈折率の低い粒子が得られない。また多孔質粒子のモル比:MO/SiOが1.0を越えると、シリカの比率が少なくなるので、細孔容積が大きくなり、更に屈折率が低いものを得ることが難しいことがある。
このような多孔質粒子の細孔容積は、0.1〜1.5ml/g、好ましくは0.2〜1.5ml/gの範囲であることが望ましい。細孔容積が0.1ml/g未満では、十分に屈折率の低下した粒子が得られず、1.5ml/gを越えると粒子の強度が低下し、得られる被膜の強度が低下することがある。
なお、このような多孔質粒子の細孔容積は水銀圧入法によって求めることができる。また、空洞粒子の内容物としては、粒子調製時に使用した溶媒、気体、多孔質物質等が挙げられる。溶媒中には空洞粒子調製する際に使用される粒子前駆体の未反応物、使用した触媒等が含まれていてもよい。
また多孔質物質としては、多孔質粒子で例示した化合物からなるものが挙げられる。これらの内容物は、単一の成分からなるものであってもよいが、複数成分の混合物であってもよい。
(中空シリカ粒子の製造方法)
このような中空シリカ粒子の製造方法としては、例えば特開平7−133105号公報の段落番号[0010]〜[0033]に開示された複合酸化物コロイド粒子の調製方法が好適に採用される。
炭化水素主鎖を有するポリマーが共有結合している中空シリカ粒子は、(1)中空シリカ粒子表面を未処理、もしくはカップリング剤などで処理した状態で、中空シリカ粒子表面と共有結合を形成可能な官能基を有するポリマーを反応させ、中空シリカ粒子表面にポリマーをグラフトさせる方法、或いは(2)中空シリカ粒子表面を未処理、もしくはカップリング剤などで処理した状態で、中空シリカ粒子表面から単量体を重合することでポリマー鎖を生長させ、表面グラフトさせる方法等により製造することができる。具体的な製造方法としては、特開2006−257308号公報に記載の方法を用いることができる。
中空シリカ粒子は平均粒子径の異なる2種以上の中空シリカ粒子を含有していてもよい。
(その他の中空シリカ粒子)
本発明において、低屈折率層には、導電性金属酸化物被覆層を有する中空シリカ粒子を用いることも、導電性を高めることができ好ましい。
導電性金属酸化物被覆層を形成する金属酸化物としては特に制限はないが、例えば、酸化スズ、アンチモンスズ酸化物、インジウムスズ酸化物、酸化アンチモン、アルミニウム亜鉛酸化物、ガリウム亜鉛酸化物およびこれらの混合物から選ばれるものが挙げられる。この中でも、酸化アンチモンにより被覆されている中空シリカ粒子が特に好ましい。
導電性金属酸化物被覆層の平均厚さとしては、1〜40nm、より好ましくは1〜20nmの範囲であり、中空シリカ粒子を十分に被覆でき、得られる導電性金属酸化物被覆中空シリカ粒子の導電性が十分となる点で、被覆層の厚さは1nm以上が好ましい。
導電性の向上効果が十分で、導電性金属酸化物被覆中空シリカ粒子の平均粒子径が小さい場合にも屈折率が十分である点で、被覆層の厚さは40nm以下が好ましい。本発明において、特に酸化アンチモン被覆層を有する中空シリカ粒子が好ましい。
中空シリカ粒子の低屈折率層への添加量は、低屈折率層の固形分全体に対して、10質量%〜60質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がさらに好ましい。
中空シリカ粒子の添加量が多いほど低屈折率層の屈折率を低くすることができるため、反射防止フィルムの反射率を低くすることが出来るが、60質量%を超えると低屈折率層の強度が低下し耐擦傷性が著しく劣化する。また、5質量%未満の場合は中空シリカ粒子の添加による低屈折率化の効果が少なくなる。
<(B)一般式(1)で表されるカチオン重合性化合物>
また、本発明の低屈折率層は、一般式(1)のカチオン重合性化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2010217699
ここでRは、炭素数1〜10のカチオン重合可能な基を表す。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基から選択される基を表す。nは、0、1、2のいずれかを表す。
のカチオン重合可能な基としては、ビニルエーテル構造を有する基、エポキシ構造を有する基、オキセタン構造を有する基が好ましく、下記Ra、Rb、Rcのいずれかであることがさらに好ましい。下記Ra、Rcのいずれかであることがさらに特に好ましい。
Figure 2010217699
密着性向上のためには、一般式(1)で示されるように、Si原子にアルコキシ基およびカチオン重合可能な基の両方が結合していることが有効であり、nは、好ましくは0または1である。
一般式(1)で表されるカチオン重合性化合物の好ましい具体例を示す。
Figure 2010217699
一般式(1)で表される化合物としては、例えば信越化学工業(株)社からKBM−403、KBE−402、KBE−403として市販されている。
〈一般式(1)のカチオン重合性化合物以外のカチオン重合性化合物〉
本発明では、一般式(1)のカチオン重合性化合物以外のカチオン重合性化合物を併用してもよい。一般式(1)以外のカチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール化合物、アルデヒド化合物、ビニルエーテル化合物、スチレン化合物、環状エーテル化合物、ラクトン化合物、エピスルフィド化合物、シリコーン類等周知の化合物が挙げられる。
上記したカチオン重合性化合物は、低屈折率層組成物では固形分中の15質量%以上70質量%未満であることが、低屈折率層組成物の安定性の点から、好ましい。
<(C)光カチオン重合開始剤>
本発明の光カチオン重合開始として機能する化合物として、公知の酸や光酸発生剤を挙げることができる。光酸発生剤としては、カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いは、マイクロレジスト等に使用されている公知の化合物およびそれらの混合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、オニウム化合物、有機ハロゲン化合物、ジスルホン化合物が挙げられ、好ましくは、オニウム化合物である。
〈オニウム化合物〉
オニウム化合物としては、以下の各式に示されるジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などが好適に使用され、特にスルホニウム塩が好ましい。
ArN
(R)
(R)
式中、Arはアリール基を表し、Rはアリール基又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、一分子内にRが複数回現れる場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Zは非塩基性でかつ非求核性の陰イオンを表す。
上記各式において、Ar又はRで表されるアリール基も、典型的にはフェニルやナフチルであり、これらは適当な基で置換されていてもよい。
また、Zで表される陰イオンとして具体的には、テトラフルオロボレートイオン(BF )、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン(B(C )、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF )、ヘキサフルオロアーセネートイオン(AsF )、ヘキサフルオロアンチモネートイオン(SbF )、ヘキサクロロアンチモネートイオン(SbCl )、硫酸水素イオン(HSO )、過塩素酸イオン(ClO )などが挙げられる。
その他のオニウム化合物としては、アンモニウム塩、イミニウム塩、ホスホニウム塩アルソニウム塩、セレノニウム塩、ホウ素塩等が挙げられ、例えば特開2002−29162号公報の段落番号[0058]〜[0059]に記載の化合物等が挙げられる。
中でも、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、イミニウム塩が、化合物の素材安定性等の点から好ましい。
好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、例えば、特開平9−268205号公報の段落番号[0035]に記載のアミル化されたスルホニウム塩、特開2000−71366号公報の段落番号[0010]〜[0011]に記載のジアリールヨードニウム塩又はトリアリールスルホニウム塩、特開2001−288205号公報の段落番号[0017]に記載のチオ安息香酸S−フェニルエステルのスルホニウム塩、特開2001−133696号公報の段落番号[0030]〜[0033]に記載のオニウム塩等が挙げられる。
酸発生剤の他の例としては、特開2002−29162号公報の段落番号[0059]〜[0062]に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、光分解してスルホン酸を発生する化合物(イミノスルフォネート等)等の化合物が挙げられる。
これら化合物の多くは市販されているので、そのような市販品を用いることができる。市販の開始剤としては、例えば、ダウケミカル日本(株)から販売されている“サイラキュアUVI−6990”(商品名)、各々(株)ADEKAから販売されている“アデカオプトマーSP−150”(商品名)、アデカオプトマーSP−300”(商品名)、ローディアジャパン(株)から販売されている“RHODORSIL PHOTOINITIAOR2074”(商品名)などが挙げられる。
本発明においては、硬化性の面でスルホニウム塩を含有することが特に好ましく、好ましいスルホニウム塩の例としては、一般式(3)、(4)、(5)または(6)のスルホニウム塩が特に好ましい。
Figure 2010217699
〔式中、R〜R17はそれぞれ水素原子、または置換基を表し、R〜Rが同時に水素原子を表すことがなく、R〜Rが同時に水素原子を表すことがなく、R〜R11が同時に水素原子を表すことがなく、R12〜R17が同時に水素原子を表すことはない。Xは、非求核性のアニオン残基を表す。〕
一般式(3)〜(6)の具体例を以下に示す。
Figure 2010217699
いずれも、X=PF である。
上記化合物は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Vol.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)に記載の光開始剤と同様、公知の方法にて容易に合成することができる。
〈酸〉
本発明において光カチオン重合開始剤として機能する公知の酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、又は酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等のブレンステッド酸、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタネート等のルイス酸が挙げられる。
ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタル酸、無水フタル酸などの芳香族多価カルボン酸又はその無水物やマレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸などの脂肪族多価カルボン酸又はその無水物なども挙げられる。
酸としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの酸や光酸発生剤は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、0.1〜20質量部の割合が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量部の割合で添加することである。添加量が上記範囲において、硬化性組成物の安定性、重合反応性等から好ましい。
<(D)含フッ素化合物>
本発明の含フッ素化合物は、低屈折率層の表面に防汚性を付与することを主な目的として添加される成分である。含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基を含有する化合物やパーフルオロポリエーテル基を含有する化合物が挙げられる。なかでも下記一般式(2)で示される含フッ素化合物が特に好ましい。
Figure 2010217699
ここでXはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基;Rは(n1+n4)価の連結基;Rfはパーフルオロポリエーテル基;Rはアルキル基、フルオロアルキル基、またはCH=CXCOO−(XはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基);n1は1〜3の整数;n2は0または1;n3は0〜50;n4は1〜3の整数を表す。
本発明で使用する含フッ素化合物は低屈折率層の自由表面に偏析しやすい性質を有しており、少ない添加量でも低屈折率層の表面に優れた防汚性を付与することができる。また、反応性官能基を有していることから、ポリマーに化学的に結合して固定されるためブリードアウトしにくく、長期間防汚性能を発揮することができる。
一般式(2)において、XはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基であり、合成が容易である点および低屈折率化が良好な点から、特にH、CH、F、CFが好ましい。
Rfはパーフルオロポリエーテル基であり、好ましくは炭素数1〜10のパーフルオロエーテル単位の1種または2種以上が組み合わされた基である。パーフルオロエーテル単位の具体例としては、例えば−OCF−、−CFO−、−OCFCF−、−CFCFO−、−OCFCFCF−、−CFCFCFO−、−OCF(CF)−、−CF(CF)O−、−OCFCF(CF)−、−CF(CF)CFO−、−OCF(CF)CF−、−CFCF(CF)O−などが挙げられる。
パーフルオロエーテル単位の繰り返し数n3は0〜50であり、好ましくは1〜40、さらに好ましくは5〜30である。n3が0の場合、R4はフルオロアルキル基、特にパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
はアルキル基、フルオロアルキル基、またはCH=CXCOO−(XはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基)である。
アルキル基としては炭素数1〜20、さらには1〜8の直鎖状または分子鎖状のアルキル基が例示できる。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などである。
フルオロアルキル基としては炭素数1〜20、さらには1〜8の直鎖状または分子鎖状のフルオロアルキル基が例示できる。特に低屈折率化が良好な点からパーフルオロアルキル基が好ましい。具体的にはCF、C、C、C、C13、C17などが挙げられる。
はCH=CXCOO−でもよい。RにおけるXはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基であり、特に合成が容易である点および低屈折率化が良好な点から、H、CH、F、CFが好ましい。
n1は1〜3であり、好ましくは1または2である。
は、ケイ素原子を有しないが、ヘテロ原子を有する環構造を有していてもよい連結基であることが好ましい。ヘテロ原子を有する環構造としては、トリアジン構造が特に好ましい。
一般式(2)で表される含フッ素化合物としては、より具体的には国際公開公報第03/002628号パンフレットおよび特開2006−37024号公報に記載されている反応性表面改質剤であって、反応性基としてCH=CXCOO−を有する化合物であることが好ましい。
具体例としては、国際公開公報第03/002628号パンフレットに記載されているものが例示でき、それらのうちでも、パーフルオロポリエーテル部分の数平均分子量が1000以上、特に1500以上で、10000以下、特に5000以下、さらには3000以下のものが好ましい。分子量が小さくなると防汚性や潤滑性が低下する傾向にあり、大きくなりすぎると溶剤に溶けにくくなる傾向にある。また、末端部分も適正な架橋密度が得られる点から片末端アルコール変性体が好ましい。
市販品としては、オプツールDAC(ダイキン工業(株))等を挙げることができる。
<(A)、(B)、(C)、(D)以外の反射防止層用組成物>
本発明の反射防止層用組成物には、(A)、(B)、(C)、(D)以外に下記の化合物を添加することが好ましい。
〈その他のシリカ粒子〉
本発明では、平均粒子径が異なった2種類以上の中空シリカ粒子を含有していてもよいが、中空シリカ粒子以外のシリカ粒子を含有することもできる。
中空シリカ粒子以外のシリカ粒子としては、コロイダルシリカやナノポーラスシリカが好ましく用いられる。
(コロイダルシリカ)
本発明に好ましく用いられるコロイダルシリカは、二酸化珪素をコロイド状に水または有機溶媒に分散させたものであり、特に限定はされないが球状、針状または数珠状である。コロイダルシリカの粒子径は変動係数が1〜40%の単分散であることが好ましく、平均粒子径は低屈折率層の膜厚の100%未満である。平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。
コロイダルシリカは、市販されており、例えば日産化学工業社のスノーテックスシリーズ、触媒化成工業社のカタロイド−Sシリーズ、バイエル社のレバシルシリーズ等が挙げられる。また、アルミナゾルや水酸化アルミニウムでカチオン変性したコロイダルシリカやシリカの一次粒子を2価以上の金属イオンで粒子間を結合し、数珠状に連結した数珠状コロイダルシリカも好ましく用いられる。
数珠状コロイダルシリカは日産化学工業社のスノーテックス−AKシリーズ、スノーテックス−PSシリーズ、スノーテックス−UPシリーズ等があり、具体的にはIPS−ST−L(イソプロパノール分散、粒子径40〜50nm、固形分30%)、MEK−ST−MS(メチルエチルケトン分散、粒子径17〜23nm、固形分35)等が挙げられる。
(触媒)
本発明において、反射防止層用組成物には、触媒を含有することが好ましい。触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類、後述する金属キレート化合物等が挙げられるが、中でも金属キレート化合物が好ましく用いられる。
金属キレート化合物としては、Zr、Ti、Alから選ばれる金属を中心金属とするキレート化合物が、特に制限なく好適に用いることができる。
金属キレート化合物のうち、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムが特に好ましく用いられる。また、これらの金属キレート化合物は、単独でも併用でも使用することができる。
(バインダー)
また、本発明において、反射防止用組成物には、下記一般式(7)で表される有機珪素化合物もしくはその加水分解物或いはその重縮合物を含有することができる。
一般式(7)
SiX4−m
式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基、Xは水酸基または加水分解可能な置換基であり、mは0〜3の整数である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
Xの加水分解可能な置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン基、カルボキシル基等が挙げられる。
他にも、バインダーとして活性線硬化樹脂を含有することができる。活性線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化して活性線硬化樹脂層が形成される。
活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、特に、紫外線硬化樹脂が好ましい。
(溶媒)
本発明の反射防止層用組成物には、有機溶媒を含有することが好ましい。
具体的な有機溶媒の例としては、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。中でも、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エタノール、イソプロパノールおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
反射防止層用組成物の固形分濃度は、1〜4質量%であることが好ましく、固形分濃度を4質量%以下とすることによって、塗布ムラが生じにくくなり、1質量%以上とすることによって、乾燥負荷が軽減される。
(界面活性剤)
低屈折率層を形成する塗布組成物には、フッ素系またはシリコーン系の界面活性剤を含有することが好ましい。上記界面活性剤を含有させることで、塗布ムラを低減したり膜表面の防汚性を向上させるのに有効である。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を含有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを母核としたもので、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン等の誘導体等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は市販品を用いることもでき、例えばサーフロンS−381、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104(旭硝子(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431、同FC−173(フロロケミカル−住友スリーエム製)、エフトップEF352、同EF301、同EF303(新秋田化成(株)製)、シュベゴーフルアー8035、同8036(シュベグマン社製)、BM1000、BM1100(ビーエム・ヒミー社製)、メガファックF−171、同F−470(いずれもDIC(株)製)等を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤のフッ素含有割合は、0.05〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。上記のフッ素系界面活性剤は、1種または2種以上を併用することができる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましく添加される。ポリエーテル変性シリコーンオイルの数平均分子量は、例えば1000〜100000、好ましくは2000〜50000が適当であり、数平均分子量が1000未満では、塗膜の乾燥性が低下し、逆に、数平均分子量が100000を越えると、塗膜表面にブリードアウトしにくくなる。
具体的な商品としては、東レダウコーニング社のL−45、L−9300、FZ−3704、FZ−3703、FZ−3720、FZ−3786、FZ−3501、FZ−3504、FZ−3508、FZ−3705、FZ−3707、FZ−3710、FZ−3750、FZ−3760、FZ−3785、FZ−3785、Y−7499、信越化学社のKF96L、KF96、KF96H、KF99、KF54、KF965、KF968、KF56、KF995、KF351、KF351A、KF352、KF353、KF354、KF355、KF615、KF618、KF945、KF6004、FL100、ビックケミージャパン社製の界面活性剤BYKシリーズ、BYK−300/302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−340、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−352、BYK−354、BYK−355/356、BYK−358N/361N、BYK−357、BYK−390、BYK−392、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570、BYK−Silclean3700、GE東芝シリコーン社製のジメチルシリコーンシリーズ、XC96−723、YF3800、XF3905、YF3057、YF3807、YF3802、YF3897等が挙げられる。
また、シリコーン界面活性剤は、シリコーンオイルのメチル基の一部を親水性基に置換した界面活性剤である。置換の位置は、シリコーンオイルの側鎖、両末端、片末端、両末端側鎖等がある。親水性基としては、ポリエーテル、ポリグリセリン、ピロリドン、ベタイン、硫酸塩、リン酸塩、4級塩等がある。
シリコーン界面活性剤としては、疎水基がジメチルポリシロキサン、親水基がポリオキシアルキレンから構成される非イオン界面活性剤が好ましい。
非イオン界面活性剤の具体例としては、例えば東レダウコーニング社のシリコーン界面活性剤SILWET L−77、L−720、L−7001、L−7002、L−7604、Y−7006、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2105、FZ−2110、FZ−2118、FZ−2120、FZ−2122、FZ−2123、FZ−2130、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164、FZ−2166、FZ−2191、SUPERSILWET SS−2801、SS−2802、SS−2803、SS−2804、SS−2805等が挙げられる。
その他として、例えば東レダウコーニング社のシリコーン界面活性剤ABN SILWET FZ−2203、FZ−2207、FZ−2208、FZ−2222等が挙げられる。
低屈折率層を形成する塗布組成物には、より過酷な条件下での耐久試験後に好ましい性能を発揮しやすい点から、以下に説明する反応性変性シリコーン樹脂(反応性変性シリコーンオイルともいう)を含有することが好ましい。
反応性変性シリコーン樹脂としては、ポリシロキサンの側鎖、片末端または両末端にアミノ、エポキシ、カルボキシル、水酸基、メタクリル、メルカプト、フェノール等で置換された反応性タイプの変性シリコーン樹脂が挙げられる。アミノ変性シリコーン樹脂として、具体的にはKF−860、KF−861、X−22−161A、X−22−161B(以上、信越化学工業株式会社製)、FM−3311、FM−3325(以上、チッソ株式会社製)、エポキシ変性シリコーン樹脂としては、KF−105、X−22−163A、X−22−163B、KF−101、KF−1001(以上、信越化学工業株式会社製)、ポリエーテル変性シリコーン樹脂としてはX−22−4272、X−22−4952、カルボキシル変性シリコーン樹脂としてはX−22−3701E、X−22−3710(以上、信越化学工業株式会社製)、カルビノール変性シリコーン樹脂としてはKF−6001、KF−6003(以上、信越化学工業株式会社製)、メタクリル変性シリコーン樹脂としてはX−22−164C(以上、信越化学工業株式会社製)、メルカプト変性シリコーン樹脂としてはKF−2001(以上、信越化学工業株式会社製)、フェノール変性シリコーン樹脂としてはX−22−1821(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。水酸基変性シリコーン樹脂としては、FM−4411、FM−4421、FM−DA21,FM−DA26(以上、チッソ株式会社製)等が挙げられる。その他、片末端反応性シリコーン樹脂のX−22−170DX、X−22−2426、X−22−176F(信越化学工業株式会社製)等も含まれる。
上記した界面活性剤は、他の界面活性剤と併用して用いてもよく、また適宜、例えばスルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、リン酸エステル塩系等のアニオン界面活性剤、また、ポリオキシエチレン鎖親水基として有するエーテル型、エーテルエステル型等の非イオン界面活性剤等と併用しても良い。上記した界面活性剤の添加量は、低屈折率層塗布組成物中、0.05〜3.0質量%であることが、塗膜の撥水、撥油性、防汚性を高めるばかりでなく、表面の耐擦り傷性にも効果を発揮する点から好ましい。
また、上記した界面活性剤は、塗布ムラを低減させる目的で、低屈折率層以外の層にも含有させることができる。
<反射防止フィルム>
本発明の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、直接または他の層を介して該基材フィルムよりも屈折率が低い低屈折率層を積層してなる反射防止フィルムであって、該低屈折率層が、(A)中空シリカ粒子と、(B)一般式(1)のカチオン重合性化合物、(C)光カチオン重合開始剤および(D)含フッ素化合物を含有する反射防止層用組成物を硬化することにより作製した層であることを特徴とする。
低屈折率層に一般式(1)のカチオン重合性化合物を含むことによって、密着性が非常に優れており、長期間の過酷な条件下での使用を想定した耐光性試験にも耐え得る反射防止フィルムを提供することが可能となる。
そして、低屈折率層に特定構造の含フッ素化合物を含むことによって、防汚性が非常に優れており、カチオン重合性化合物と組み合わせることで過酷な条件下での使用においても優れた防汚性能が継続的に発揮できる反射防止フィルムを提供することが可能となる。
さらに、前記基材フィルムは、セルロースエステル樹脂、またはセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂、更にセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂とアクリル粒子を含有することで優れた密着性を有する基材を提供することが可能となる。
〈反射防止フィルムの層構成〉
本発明の反射防止フィルムの好ましい層構成の例を下記に示す。なお、ここでは「/」は積層配置されていることを示している。但し、本発明は下記の層構成に限定されるものではない。
フィルム基材/低屈折率層
フィルム基材/ハードコート層/低屈折率層
バックコート層/フィルム基材/ハードコート層/低屈折率層
バックコート層/フィルム基材/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層
バックコート層/フィルム基材/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層
バックコート層/フィルム基材/防眩層/帯電防止層/低屈折率層
<基材フィルム>
基材フィルムは製造が容易であること、電離放射線硬化型樹脂層等と接着し易いこと、光学的に等方性であることが好ましい。
これらの性質を有していれば何れでもよく、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートプロピオネートオネートフィルム、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリルフィルム等を挙げることができる。
これらの内、セルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタックKC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC4UE、およびKC12UR(以上、コニカミノルタオプト(株)製))、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエステルフィルムが好ましく、本発明においては、特にセルロースエステルフィルムが、製造上、コスト面、等方性、接着性、および本発明の目的効果が好適に得られることから好ましい。
本発明の基材フィルムの屈折率は、1.30〜1.70であり、1.40〜1.65であることが好ましい。
屈折率は、屈折率は、アタゴ社製 アッペ屈折率計2Tを用いてJISK7142の方法で測定する。
〈セルロースエステルフィルム〉
次に基材フィルムとして好ましいセルロースエステルフィルムについて説明する。
セルロースエステル樹脂(以下、セルロースエステルともいう)は、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号、同08−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。
上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独或いは混合して用いることができる。
セルローストリアセテートの場合には、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。
平均酢化度が小さいと寸法変化が大きく、また偏光板の偏光度が低下する。平均酢化度が大きいと溶剤に対する溶解度が低下し生産性が下がる。
セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)および(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロースエステルである。
式(I) 2.6≦X+Y≦3.0
式(II) 0≦X≦2.5
この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で60000〜300000のものが好ましく、70000〜200000のものが更に好ましく、100000〜200000のものが特に好ましい。本発明で用いられるセルロースエステルは重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比が4.0以下であることが好ましく、更に好ましくは1.4〜2.3である。
セルロースエステルの平均分子量および分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)
Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
また、セルロースエステルフィルムは、本発明の目的効果がより良く発揮される点から、アクリル樹脂、アクリル粒子を含有することが好ましい。
(アクリル樹脂、アクリル粒子)
アクリル樹脂としては、メタクリル樹脂も含まれる。樹脂としては特に制限されるものではないが、メチルメタクリレート単位50〜99質量%、およびこれと共重合可能な他の単量体単位1〜50質量%からなるものが好ましい。
共重合可能な他の単量体としては、アルキル数の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレート、アルキル数の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、グルタル酸無水物等が挙げられ、これらは単独で、或いは2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、共重合体の耐熱分解性や流動性の観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、メチルアクリレートやn−ブチルアクリレートが特に好ましく用いられる。
アクリル樹脂は、フィルムとしての機械的強度、フィルムを生産する際の流動性の点から重量平均分子量(Mw)が80000〜1000000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)は上記の高速液体クロマトグラフィーを用い測定できる。
アクリル樹脂(A)の製造方法としては、特に制限は無く、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、或いは溶液重合等の公知の方法のいずれを用いても良い。ここで、重合開始剤としては、通常のパーオキサイド系およびアゾ系のものを用いることができ、また、レドックス系とすることもできる。
重合温度については、懸濁または乳化重合では30〜100℃、塊状または溶液重合では80〜160℃で実施しうる。更に、生成共重合体の還元粘度を制御するために、アルキルメルカプタン等を連鎖移動剤として用いて重合を実施することもできる。
この分子量とすることで、耐熱性と脆性の両立を図ることができる。アクリル樹脂としては、市販のものも使用することができる。例えば、デルペット60N、80N(旭化成ケミカルズ(株)製)、ダイヤナールBR52、BR80、BR83、BR85、BR88(三菱レイヨン(株)製)、KT75(電気化学工業(株)製)等が挙げられる。
次に、セルロースエステルフィルムは、本発明の目的効果が良好に発揮されるほか、鉛筆硬度にも優れることから、アクリル樹脂と更にアクリル粒子を含有することが好ましい。
アクリル粒子について、説明する。アクリル粒子は、例えば、作製したアクリル樹脂含有フィルムを所定量採取し、溶媒に溶解させて攪拌し、充分に溶解・分散させたところで、アクリル粒子の平均粒子径未満の孔径を有するPTFE製のメンブレンフィルターを用いて濾過し、濾過捕集された不溶物の重さが、アクリル樹脂含有フィルムに添加したアクリル粒子の90質量%以上あることが好ましい。
アクリル粒子の市販品の例としては、例えば、三菱レイヨン社製“メタブレン”、鐘淵化学工業社製“カネエース”、呉羽化学工業社製“パラロイド”、ロームアンドハース社製“アクリロイド”、ガンツ化成工業社製“スタフィロイド”およびクラレ社製“パラペットSA”などが挙げられ、これらは、単独ないし2種以上を用いることができる。
アクリル粒子として好適に使用されるグラフト共重合体であるアクリル粒子(c−1)の具体例としては、ゴム質重合体の存在下に、不飽和カルボン酸エステル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、芳香族ビニル系単量体、および必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体混合物を共重合せしめたグラフト共重合体が挙げられる。
グラフト共重合体であるアクリル粒子に用いられるゴム質重合体には特に制限はないが、ジエン系ゴム、アクリル系ゴムおよびエチレン系ゴムなどが使用できる。
また、アクリル樹脂およびアクリル粒子のそれぞれの屈折率が近似している場合、基材フィルムの透明性を得ることができるため、好ましい。具体的には、アクリル粒子とアクリル樹脂の屈折率差が0.05以下であることが好ましく、より好ましくは0.02以下、とりわけ0.01以下であることが好ましい。
このような屈折率条件を満たすためには、アクリル樹脂の各単量体単位組成比を調整する方法、またはアクリル粒子に使用されるゴム質重合体或いは単量体の組成比を調製する方法などにより、屈折率差を小さくすることができ、透明性に優れたアクリル樹脂含有フィルムを得ることができる。
アクリル粒子はセルロースエステル総質量に対して、0.5〜45質量%を含有することができる。
セルロースエステルフィルムやセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなるフィルムは、溶液流延法で製造されたものでも、溶融流延法で製造されたものでもよいが、少なくとも幅手方向に延伸されたものが好ましく、特に溶液流延工程で剥離残溶量が3〜40質量%である時に幅手方向に1.01〜1.5倍に延伸されたものであることが好ましい。
より好ましくは幅手方向と長手方向に2軸延伸することであり、剥離残溶量が3〜40質量%である時に幅手方向および長手方向に、各々1.01〜1.5倍に延伸されることが望ましい。このときの延伸倍率としては特に好ましくは、1.03〜1.45倍である。
また、基材フィルムの長さは100m〜5000m、幅は1.2m以上が好ましく、更に好ましくは1.4〜4mである。基材フィルムの長さおよび幅を前記範囲とすることで、取り扱い性や生産性に優れる。
セルロースエステルフィルムは、光透過率が90%以上、より好ましくは93%以上の透明支持体であることが好ましい。
(可塑剤)
セルロースエステル系フィルムやセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルムには、下記のような可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3〜13質量%である。
(紫外線吸収剤)
基材フィルムには紫外線吸収剤を含有させても良い。次に紫外線吸収剤について説明する。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、且つ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、特願平11−295209号に記載されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤を用いることができ、特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤が基材フィルムの面品質を良好に維持できる点から好ましい。
また、特開平6−148430号の一般式(1)または一般式(2)、特願2000−156039号の一般式(3)、(6)、(7)記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)も好ましく用いられる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等が市販されている。
また、基材フィルムには、内部ヘーズを付与させても良い。
(粒子)
内部ヘーズは、例えば基材フィルムに基材フィルムと屈折率の異なる粒子を添加し、添加量や粒子の粒径等をコントロールすることで、内部散乱によるヘーズを発生させ、これを調整することで達成できる。
特に好ましい無機粒子は、二酸化珪素である。二酸化珪素の具体例としては、アエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)、シーホスターKE−P10、シーホスターKE−P30、シーホスターKE−P50(以上、(株)日本触媒製)、サイロホービック100(富士シリシア製)、ニップシールE220A(日本シリカ工業製)、アドマファインSO(アドマテックス製)等の商品名を有する市販品などが好ましく使用できる。
粒子の形状としては、不定形、針状、扁平、球状等特に制限なく使用できるが、特に球状の粒子を用いるとヘーズを調整するのが容易であり好ましい。
有機粒子としては、フッ素含有アクリル樹脂粒子が特に好適である。
フッ素含有アクリル樹脂粒子としては、例えばフッ素含有のアクリル酸エステル或いはメタクリル酸エステルのモノマーまたはポリマーから形成された粒子である。
フッ素含有アクリル樹脂粒子の中でも、2−(パーフルオロブチル)エチル−α−フルオロアクリレートからなる粒子、フッ素含有ポリメチルメタクリレート粒子、フッ素含有メタアクリル酸を架橋剤の存在下にビニル単量体と共重合させた粒子が好ましく、更に好ましくはフッ素含有ポリメチルメタクリレート粒子である。
また、特開2004−83707号公報の段落0028〜0055に記載のフッ素含有架橋粒子を用いても良い。
ポリスチレン粒子としては、例えば綜研化学製;SX−130H、SX−200H、SX−350H、積水化成品工業製、SBXシリーズ(SBX−6、SBX−8)等の市販品を挙げられる。
メラミン系粒子としては、例えば、日本触媒製:ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物(商品名:エポスター、グレード;M30、商品名:エポスターGP、グレード;H40〜H110)、日本触媒製:メラミン・ホルムアルデヒド縮合物(商品名:エポスター、グレード;S12、S6、S、SC4)等の市販品を挙げられる。また、コアがメラミン系樹脂からなり、シェルがシリカで充填されたコア−シェル型の球状複合硬化メラミン樹脂粒子等も挙げられる。具体的には特開2006−171033号公報に記載の方法で作製することができ、日産化学工業製:メラミン樹脂・シリカ複合粒子(商品名;オプトビーズ)等の市販品を挙げられる。
ポリ((メタ)アクリレート)粒子、架橋ポリ((メタ)アクリレート)粒子としては、例えば、綜研化学製;MX150、MX300、日本触媒製;エポスターMA、グレード;MA1002、MA1004、MA1006、MA1010、エポスターMX(エマルジョン)、グレード;MX020W、MX030W、MX050W、MX100W、積水化成品工業製:MBXシリーズ(MBX−8、MBX12)等の市販品を挙げられる。
架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子の具体例としては、例えば日本ペイント製:FS−201、MG−351等の市販品が挙げられる。ベンゾグアナミン系粒子としては、例えば日本触媒製:ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物(商品名:エポスター、グレード;L15、M05、MS、SC25)等が挙げられる。
基材フィルムに添加する粒子の平均粒子径は0.3〜1μmが好ましく、0.4〜0.7μmが更に好ましい。
上記平均粒子径は、500個の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)等により得られる二次電子放出のイメージ写真からの目視やイメージ写真を画像処理することにより、または動的光散乱法、静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により計測することができる。
ここでいう平均粒子径は、個数平均粒子径をさす。なお、平均粒子径は、粒子が1次粒子の凝集体の場合は凝集体の平均粒子径を意味する。また、粒子が球状でない場合は、その投影面積に相当する円の直径を意味する。
また、粒子の屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましく、より好ましくは1.45〜1.65である。
なお、粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定できる。
また、基材フィルムに用いる樹脂と該粒子の屈折率差は、0.02以上0.20以下であることが光散乱効果を利用して内部ヘーズを高める上で好ましい。屈折率差のより好ましい範囲は、0.05以上0.15以下である。
上記無機または有機粒子の含有量は、基材フィルムの作製用の樹脂100質量部に対して、1質量部〜30質量部が好ましく、内部ヘーズを得る上でより好ましくは5質量部〜25質量部である。
前記粒子は、基材フィルムを作製する組成物(ドープ)の調製時にセルロースエステル、他の添加剤および有機溶媒とともに含有させて分散させてもよく、また、単独で溶液中に分散させてもよい。
粒子の分散方法としては、前もって有機溶媒に浸してから高剪断力を有する分散機(高圧分散装置)で細分散させておくのが好ましい。
ドープ調製方法としては、多量の有機溶媒に粒子を分散しておき、セルロースエステル溶液と合流させ、インラインミキサーで混合してドープにすることが好ましい。この場合、粒子分散液に紫外線吸収剤を加え紫外線吸収剤液としてもよい。
また、上記の劣化防止剤、紫外線吸収剤は、セルロースエステルやセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなる溶液の調製の際に、セルロースエステル、セルロースエステル樹脂とアクリル樹脂は溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
(有機溶媒)
ドープには、製膜性や生産性の点から、有機溶媒を含有することが好ましい。有機溶媒としては、セルロースエステル、その他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることができる。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。
ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒系でのセルロースエステルの溶解を促進する役割もある。
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよく、且つ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。
ドープ中のセルロースエステルの濃度は15〜40質量%、ドープ粘度は10〜50Pa・sの範囲に調整されることが良好なフィルム面品質を得る上で好ましい。
(溶液流延法)
セルロースエステルフィルム、およびセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルムは、溶液流延法による製造では、セルロースエステル或いはセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂、および添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープをベルト状もしくはドラム状の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸または幅保持する工程、更に乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻き取る工程により行われる。
ドープ中のセルロースエステル、およびセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂の濃度は、濃度が高い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が高過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、更に好ましくは、15〜25質量%である。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルト若しくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤が沸騰して発泡しない温度以下に設定される。温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
好ましい支持体温度としては0〜100℃で適宜決定され、5〜30℃が更に好ましい。または、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。
金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。
温風を用いる場合は溶媒の蒸発潜熱によるウェブの温度低下を考慮して、溶媒の沸点以上の温風を使用しつつ、発泡も防ぎながら目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
特に、流延から剥離するまでの間で支持体の温度および乾燥風の温度を変更し、効率的に乾燥を行うことが好ましい。
セルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましく、更に好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
なお、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、セルロースエステルフィルム或いはセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂からなるフィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、更に乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールをウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
(溶融製膜法)
セルロースエステルフィルム、およびセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルムは、溶融製膜法によって製膜されることも好ましい。溶融製膜法は、セルロースエステルおよびセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂、および可塑剤などの添加剤を含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステルを含む溶融物を流延することをいう。
加熱溶融する成形法は、更に詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。
これらの中で、機械的強度および表面精度などに優れるセルロースエステルフィルム、およびセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルムを得るためには、溶融押出し法が優れている。
溶融押出しに用いる複数の原材料は、通常予め混錬してペレット化しておくことが好ましい。
ペレット化は、公知の方法でよく、例えば、乾燥セルロースエステルや可塑剤、その他添加剤をフィーダーで押出し機に供給し1軸や2軸の押出し機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押出し、水冷または空冷し、カッティングすることでできる。
添加剤は、押出し機に供給する前に混合しておいてもよいし、それぞれ個別のフィーダーで供給してもよい。
粒子や酸化防止剤等少量の添加剤は、均一に混合するため、事前に混合しておくことが好ましい。
押出し機は、剪断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないようにペレット化可能でなるべく低温で加工することが好ましい。例えば、2軸押出し機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。もちろんペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出し機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
上記ペレットを1軸や2軸タイプの押出し機を用いて、押出す際の溶融温度を200〜300℃程度とし、リーフディスクタイプのフィルターなどで濾過し異物を除去した後、Tダイからフィルム状に流延し、冷却ロール上で固化させる。
供給ホッパーから押出し機へ導入する際は真空下または減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。
押出し流量は、ギヤポンプを導入するなどして安定に行うことが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。
ステンレス繊維焼結フィルターは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し接触箇所を焼結し一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変え、濾過精度を調整できる。
可塑剤や粒子などの添加剤は、予め樹脂と混合しておいてもよいし、押出し機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサーなどの混合装置を用いることが好ましい。
冷却ロールと弾性タッチロールでフィルムをニップする際のタッチロール側のフィルム温度はフィルムのTg以上Tg+110℃以下にすることが好ましい。このような目的で使用する弾性体表面を有するロールは、公知のロールが使用できる。
弾性タッチロールは挟圧回転体ともいう。弾性タッチロールとしては、登録特許3194904号、登録特許3422798号、特開2002−36332号、特開2002−36333号などで開示されているタッチロールを好ましく用いることができる。これらは市販されているものを用いることもできる。
冷却ロールからフィルムを剥離する際は、張力を制御してフィルムの変形を防止することが好ましい。
また、上記のようにして得られたフィルムは、冷却ロールに接する工程を通過後、前記延伸操作により延伸することが好ましい。
延伸する方法は、公知のロール延伸機やテンターなどを好ましく用いることができる。延伸温度は、通常フィルムを構成する樹脂のTg〜Tg+60℃の温度範囲で行われることが好ましい。
巻き取る前に、製品となる幅に端部をスリットして裁ち落とし、巻き中の貼り付きやすり傷防止のために、ナール加工(エンボッシング加工)を両端に施してもよい。ナール加工の方法は凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、フィルムが変形しており製品として使用できないので切除されて、再利用される。
<基材フィルムと低屈折率層以外の層>
本発明の反射防止フィルムに設けることができる、ハードコート層、帯電防止層、バックコート層について述べる。
〈ハードコート層〉
本発明による反射防止フィルムには、基材フィルムと低屈折率層との間に、ハードコート層として、活性線硬化樹脂を含有する層を設けることが、反射防止フィルムの取り扱い性や、反射防止フィルムを後述する偏光板にする際の工程で、傷が付きにくくなることから好ましい。
本発明に係る活性線硬化樹脂層とは、紫外線や電子線のような活性線(活性エネルギー線ともいう。)照射により、架橋反応を経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。
活性線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて活性線硬化樹脂層が形成される。
活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が機械的膜強度(耐擦傷性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。
紫外線硬化型アクリレート系樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、およびジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基またはメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
多官能アクリレートのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、イソボロニルアクリレート等が好ましく挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。
また、ハードコート層には活性線硬化樹脂の硬化促進のため、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤量としては、質量比で、光重合開始剤:活性線硬化樹脂=20:100〜0.01:100で含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等およびこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
こうして得た硬化樹脂層には耐擦傷性、滑り性や屈折率を調整するために無機化合物または有機化合物の微粒子を含んでも良い。
無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。特に、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が好ましく用いられる。
また、有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、またはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を添加することができる。
好ましい微粒子は、架橋ポリスチレン粒子(例えば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(例えば、綜研化学製MX150、MX300)、フッ素含有アクリル樹脂微粒子が挙げられる。フッ素含有アクリル樹脂微粒子としては、例えば日本ペイント製:FS−701等の市販品が挙げられる。また、アクリル粒子として、例えば日本ペイント製:S−4000、アクリル−スチレン粒子として、例えば日本ペイント製:S−1200、MG−251等が挙げられる。
これらの微粒子粉末の平均粒子径は特に制限されないが、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜5.0μm、さらには、0.1〜4.0μmであることが特に好ましい。また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有することも好ましい。紫外線硬化樹脂組成物と微粒子の割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。
微粒子の平均粒子径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
これらのハードコート層はグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、ハードコート層を形成する塗布組成物を塗布し、塗布後、加熱乾燥し、UV硬化処理することで形成できる。
塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmが適当で、好ましくは、0.5〜30μmである。また、ドライ膜厚としては平均膜厚0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm、特に好ましくは6〜15μmである。
UV硬化処理の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm、好ましくは5〜200mJ/cmである。
また、活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、更に好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。付与する張力は30〜300N/mが好ましい。張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよく、テンターにて幅方向、または2軸方向に張力を付与してもよい。これによって更に平面性の優れたフィルムを得ることができる。
さらに、本発明のハードコート層には、帯電防止性を付与するために導電剤を含んでも良く、好ましい導電剤としては、金属酸化物粒子またはπ共役系導電性ポリマーが挙げられる。また、イオン液体も導電性化合物として好ましく用いられる。
ハードコート層は、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が0.001〜0.1μmのクリアハードコート層、または微粒子等を添加しRaが0.1〜1μmに調整された防眩性ハードコート層であってもよい。中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、例えばWYKO社製非接触表面微細形状計測装置WYKO NT−2000を用いて測定することができる。
また、防眩性ハードコート層では、ハードコート表面にロールや原盤でエンボスにて凹凸形状を形成してもよい。
更にハードコート層には、前述した低屈折率層で記載したシリコーン系界面活性剤或いはポリオキシエーテル化合物を含有させることが好ましい。これらは塗布性を高める。また、これら成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.01〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。
ハードコート層は、2層以上の重層構造を有していてもよい。その中の1層は例えば金属酸化物粒子を含有しない、いわゆるクリアハードコート層としてもよいし、また、種々の表示素子に対する色補正用フィルターとして色調調整機能を有する色調調整剤(染料もしくは顔料等)を含有させてもよいし、また電磁波遮断剤または赤外線吸収剤等を含有させそれぞれの機能を有するようにしてもよい。
〈バックコート層〉
本発明の反射防止フィルムは、基材フィルムのハードコート層や低屈折率層を設けた側と反対側の面にバックコート層を設けてもよい。
バックコート層に添加される粒子としては無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、ITO、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。
バックコート層に含まれる粒子は、バインダーに対して0.1〜50質量%が好ましい。バックコート層を設けた場合のヘーズの増加は1.5%以下であることが好ましく、0.5%以下であることが更に好ましく、特に0.1%以下であることが好ましい。
バインダーとしては、ジアセチルセルロース等のセルロースエステル樹脂が好ましい。
<反射防止層用組成物の塗設、硬化方法>
本発明の反射防止層である低屈折率層は、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、低屈折率層を形成する上記組成物を、前述の層構成となるようにそれぞれの層上に塗布し、塗布後、加熱乾燥し、硬化処理することで形成される。
本発明の反射防止層用組成物を塗布する前に、各層上をコロナ放電、プラズマ放電等表面処理を施すことも好ましい。
塗布量は、ウェット膜厚として0.05〜100μmが適当で、好ましくは、0.1〜50μmである。また、ドライ膜厚が上記膜厚となるように組成物の固形分濃度は調整される。
硬化方法としては、光照射によって硬化させる場合、照射光の露光量は10mJ/cm〜10J/cmであることが好ましく、100mJ/cm〜500mJ/cmがより好ましい。
ここで、照射される光の波長域としては特に限定されないが、紫外線領域の波長を有する光が好ましく用いられる。具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
加熱することによって熱硬化させる方法を併用することも可能であり、加熱温度は50〜300℃が好ましく、好ましくは60〜250℃、更に好ましくは80〜150℃である。
また、低屈折率層を形成後、温度50〜160℃で加熱処理を行う工程を含んでも良い。加熱処理の期間は、設定される温度によって適宜決定すればよく、例えば50℃であれば、好ましくは3日間以上30日未満の期間、160℃であれば10分以上1日以下の範囲が好ましい。
上記のように各層を塗布により形成するに際して、基材フィルムの幅が1.4〜4mでロール状に巻き取られた状態から繰り出して、上記塗布を行い、乾燥・硬化処理した後、ロール状に巻き取られることが好ましい。
また、反射防止フィルムにおいては反射防止層を積層した後、ロール状に巻き取った状態で、温度50〜160℃で加熱処理を行う製造方法によって製造されてもよい。
加熱処理期間は、設定される温度によって適宜決定すればよく、例えば、温度50℃であれば、好ましくは3日間以上、30日未満の期間、温度160℃であれば、10分以上、1日以下の範囲が好ましい。
通常は、巻外部、巻中央部、巻き芯部の加熱処理効果が偏らないように、比較的低温に設定することが好ましく、温度50〜60℃付近で、7日間程度行うことが好ましい。
加熱処理を安定して行うためには、温湿度が調整可能な場所で行うことが必要であり、塵のないクリーンルーム等の加熱処理室で行うことが好ましい。
ハードコートフィルムおよび反射防止フィルムをロール状に巻き取る際の、巻きコアとしては、円筒上のコアであれば特に限定されないが、好ましくは中空プラスチックコアであり、プラスチック材料としては加熱処理温度に耐える耐熱性プラスチックが好ましく、例えばフェノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂が挙げられる。
またガラス繊維などの充填材により強化した熱硬化性樹脂が好ましい。これらの巻きコアへの巻き数は、100巻き以上であることが好ましく、500巻き以上であることが更に好ましく、巻き厚は5cm以上であることが好ましい。
<反射防止層である低屈折率層>
本発明の低屈折率層の屈折率は、支持体である基材フィルムより低く、23℃、波長550nmで1.20〜1.49の範囲が好ましく、1.25〜1.44の範囲がより好ましく、1.30〜1.38の範囲が特に好ましい。
低屈折率層の膜厚は、光学干渉層としての特性から、5nm〜0.5μmが好ましく、10nm〜0.3μmがより好ましく、30nm〜0.2μmであることが更に好ましい。
<偏光板保護フィルム>
本発明の反射防止フィルムを偏光板保護フィルムとした場合、該保護フィルムの厚さは10〜500μmが好ましい。特に20μm以上、更に25μm以上が好ましい。また、150μm以下、更に120μm以下が好ましい。特に好ましくは25以上〜90μmが好ましい。
<偏光板>
本発明の反射防止フィルムを用いた偏光板について述べる。偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明の反射防止フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理した反射防止フィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。
もう一方の面に該反射防止フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。本発明の反射防止フィルムに対して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは面内リターデーションRoが590nmで、20〜70nm、Rtが70〜400nmの位相差を有する光学補償フィルム(位相差フィルム)を用いることが好ましい。
これらは例えば、特開2002−71957号の方法で作製することができる。または、更にディスコチック液晶等の液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有している光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることが好ましい。
例えば、特開2003−98348号記載の方法で光学異方性層を形成することができる。或いは、特開2003−12859号記載のリターデーションRoが590nmで0〜5nm、Rtが−20〜+20nmの無配向フィルムも好ましく用いられる。
本発明の反射防止フィルムと組み合わせて使用することによって、平面性に優れ、安定した視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができる。
裏面側に用いられる偏光板保護フィルムとしては、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2MW、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC4UEW、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC4FR−2、KC8UE、KC4UE(コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。
偏光板の主たる構成要素である偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがあるがこれのみに限定されるものではない。
偏光子は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光子の膜厚は5〜30μm、好ましくは8〜15μmの偏光子が好ましく用いられる。
該偏光子の面上に、本発明の反射防止フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
<画像表示装置>
本発明の反射防止フィルムを用いて作製した偏光板を表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた画像表示装置を作製することができる。
本発明の反射防止フィルムは前記偏光板に組み込まれ、反射型、透過型、半透過型液晶表示装置またはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型、OCB型等の各種駆動方式の液晶表示装置で好ましく用いられる。
また、本発明の反射防止フィルムは、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー等の各種画像表示装置にも好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1
<基材フィルム1;セルロースエステルフィルム1の製造>
[ドープ組成物1]
下記の材料を、順次密閉容器中に投入し、容器内温度を20℃から80℃まで昇温した後、温度を80℃に保ったままで3時間攪拌を行って、セルロースエステルを完全に溶解した。酸化ケイ素微粒子は予め添加する溶媒と少量のセルロースエステルの溶液中に分散して添加した。このドープを濾紙(安積濾紙(株)製、安積濾紙No.244)を使用して濾過し、ドープ組成物1を得た。
セルローストリアセテート(アセチル基置換度2.95) 100質量部
トリメチロールプロパントリベンゾエート 5質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 5質量部
酸化ケイ素微粒子 0.2質量部
(アエロジルR972V、日本アエロジル(株)製)
チヌビン109(チバ・ジャパン(株)製) 1質量部
チヌビン171(チバ・ジャパン(株)製) 1質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
ブタノール 5質量部
次に、得られたドープ組成物1を、温度35℃に保温した流延ダイを通じてステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる温度35℃の支持体上に流延して、ウェブを形成した。ついで、ウェブを支持体上で乾燥させ、ウェブの残留溶媒量が80質量%になった段階で、剥離ロールによりウェブを支持体から剥離した。
剥離後のウェブを、上下に複数配置したロールによる搬送乾燥工程で90℃の乾燥風にて乾燥させながら搬送し、続いてテンターでウェブ両端部を把持した後、温度130℃で幅方向に延伸前の1.1倍となるように延伸した。テンターでの延伸の後、ウェブを上下に複数配置したロールによる搬送乾燥工程で、温度135℃の乾燥風にて乾燥させた。
乾燥工程の雰囲気置換率15(回/時間)とした雰囲気内で15分間熱処理した後、室温まで冷却して巻き取り、幅1.5m、膜厚80μm、長さ4000m、屈折率1.49の長尺のセルロースエステルフィルム1(基材フィルム1)を作製した。またフィルムは、両端部に幅1cm、平均高さ10μmのナーリング加工を施して巻き取った。
ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出される剥離直後のウェブ搬送方向の延伸倍率は、1.1倍であった。
乾燥工程の雰囲気置換率とは、乾燥工程(加熱処理室)の雰囲気容量をV(m)、Fresh−air送風量をFA(m/hr)とした場合、下式によって求められる単位時間あたり熱処理室の雰囲気をFresh−airで置換する回数である。
Fresh−airは熱処理室に送風される風のうち、循環再利用している風ではなく、揮発した溶媒若しくは可塑剤などを含まない、若しくはそれらが除去された新鮮な風のことを意味している。
雰囲気置換率=FA/V(回/時間)
<反射防止フィルム1の作製>
上記作製した基材フィルム1(セルロースエステルフィルム1)上に、下記手順により反射防止層を設け反射防止フィルム1を作製した。
なお、以下の実施例において、低屈折率層の屈折率は、下記方法により測定した。
(屈折率)
低屈折率層の屈折率は、下記で作製したハードコートフィルム上に低屈折率層を塗設したサンプルについて、分光光度計の分光反射率の測定結果から求めた。
分光光度計はU−4000型(日立製作所製)を用いて、サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、23℃55%RHの雰囲気下、5度正反射の条件にて可視光領域(400〜700nm)の反射率の測定を行った。
〈ハードコート層1の作製〉
下記のハードコート層組成物1を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過したものを、マイクログラビアコーターを用いてセルロースエステルフィルム1の表面に塗布し、温度80℃で乾燥の後、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.2J/cmとして塗布層を硬化させ、ドライ膜厚10μmのハードコート層を形成した。
次に、下記バックコート層組成物1をウェット膜厚14μmとなるように、セルロースエステルフィルム1のハードコート層1を塗布した面とは反対の面に押出しコーターで塗布し、温度50℃にて乾燥し、バックコート層1を設けた。
[ハードコート層組成物1]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 90質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 60質量部
ウレタンアクリレート 10質量部
(新中村化学工業社製 商品名U−4HA)
イルガキュア184(チバ・ジャパン(株)製) 10質量部
シリコーン系界面活性剤 3質量部
(信越化学工業(株)製 商品名:KF−351A)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 80質量部
メチルエチルケトン 100質量部
[バックコート層組成物1]
酢酸メチル 730質量部
メタノール 260質量部
ジアセチルセルロース 0.4質量部
超微粒子シリカ2%メタノール分散液 7.0質量部
(日本アエロジル(株)製アエロジル200V)
〈反射防止層である低屈折率層の作製〉
次に、上記作製したハードコート層上に、下記のようにして本発明の反射防止用組成物である低屈折率層組成物1を塗布し、反射防止フィルム1を作製した。
[低屈折率層組成物1]
(カチオン重合性化合物)
例示化合物1−A 6.3質量部
(光カチオン重合開始剤)
例示化合物S−8 0.9質量部
(中空シリカ粒子)
中空シリカ粒子分散液D−1 30質量部
(含フッ素化合物)
含フッ素化合物F−1 0.7質量部
(添加剤)
シリコーン化合物(FZ−2207、東レダウコーニング(株)製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液 1.5質量部
(溶媒)
メチルイソブチルケトン 450質量部
メチルエチルケトン 180質量部
〈中空シリカ粒子分散液D−1の調製〉
平均粒子径25nm、SiO・Al濃度20質量%のシリカアルミナゾル100gと、純水3900gとの混合物を98℃に加温した。この温度を保持しながらSiOとして1.5質量%のケイ酸ナトリウム水溶液1750gとAlとして0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1750gを添加して、SiO・Al一次粒子分散液を得た。反応液のpHは12.0であった(工程a)。
ついで、濃度1.5質量%の硫酸ナトリウム3300gを添加し、SiOとして1.5質量%のケイ酸ナトリウム水溶液6300gとAlとして0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液2100gを添加して複合酸化物微粒子分散液を得た。反応液のpHは12.0であった(工程b)。
ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13質量%になった複合酸化物微粒子分散液500gに純水1125g、濃度0.5質量%の硫酸ナトリウム100gを加え、更に濃塩酸(濃度35.5質量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。
ついで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら、限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、固形分濃度20質量%のシリカ系微粒子の水分散液を得た(工程c)。
上記シリカ系微粒子の水分散液150gと、純水500g、エタノール1750g、および28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO28質量%)140gを添加し、シリカ被覆層を形成し、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して、固形分濃度20質量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系微粒子の水分散液を得た(工程d)。
次に、上記シリカ被覆層を形成したシリカ系微粒子分散液にアンモニア水を添加してpHを10.5に調整し、150℃で11時間熟成した後常温に冷却し、陽イオン交換樹脂によるイオン交換と、陰イオン交換樹脂によるイオン交換を繰り返し行い、ついで、限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20質量%の中空シリカ粒子分散液D−1を調製した。
この中空シリカ粒子の外殻層の厚さは10nm、平均粒子径は55nm、MO/SiO(モル比)は0.0019、屈折率は1.24であった。ここで、平均粒子径は動的光散乱法により測定した。
〈含フッ素化合物F−1の調製〉
滴下ロート、コンデンサー、温度計、攪拌装置を装着した2Lの3口フラスコにSUMIDUR N3300(住化バイエルウレタン製、ヘキサメチレンジイソシアネートの環状3量体、NCO基含有率21.9%)144gをHCFC−225の200gに溶解させ、ジブチルスズジラウレート(和光純薬製)0.2gを加え、空気中室温で攪拌しながら4.5時間かけてDEMNUM(ダイキン工業製、CFCFO−(CFCFCFO)−CFCFCHOH、n=10.9)202gをHCF−225の300gに溶かした溶液を滴下し、室温で6時間攪拌した。
その後、30〜40℃に加温し、ヒドロキシエチルアクリレート96gを30分間で滴下し6時間攪拌した。IRによってNCOの吸収が完全に消失したのを確認後(生成物の19F−NMRからも−CFCHOHの消失を確認)、50℃以下の減圧蒸留によりHCFC−225を留去し、次の2種類のパーフルオロポリエーテルウレタンアクリレートを含む下記構造の含フッ素化合物F−1(混合物)を442g得た。
Figure 2010217699
(低屈折率層の作製)
上記作製したハードコート層表面に低屈折率層塗布組成物1を、乾燥後の膜厚が92nmとなるように、マイクログラビアコーターで塗布し、温度80℃で1分間乾燥させ、ついで紫外線ランプを用い照射部の照度が200mW/cm、照射量を0.35J/cm条件で硬化させて低屈折率層を形成し、反射防止フィルム1を作製した。低屈折率層の屈折率は1.33であった。
<反射防止フィルム2〜7の作製>
反射防止フィルム1の作製において、ハードコート層組成物と低屈折率層組成物を表1のように変更して、反射防止フィルム2〜8を作製した。
[帯電防止性ハードコート層組成物ANS1]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 90質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 60質量部
ウレタンアクリレート 10質量部
(新中村化学工業社製 商品名U−4HA)
メタノール分散リンドープ酸化スズゾル 90質量部
(固形分50%、日産化学工業社製 商品名セルナックスCX−S501M)
イルガキュア184(チバ・ジャパン(株)製) 10質量部
シリコーン系界面活性剤 3質量部
(信越化学工業社製 商品名:KF−351A)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 50質量部
メタノール 20質量部
メチルエチルケトン 100質量部
[帯電防止性ハードコート層組成物ANS2]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 160質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
テトラヒドロフルフリルアクリレート 20質量部
(ビスコート#150、大阪有機化学工業製)
ポリスチレンスルホン酸ドープ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)2%溶液
(BAYTRON P ET V2、H.C.Stark社製) 20質量部
イルガキュア184(チバ・ジャパン(株)製) 14質量部
シリコーン系界面活性剤 2質量部
(信越化学工業社製 商品名:KF−351A)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 50質量部
メチルエチルケトン 100質量部
[防眩性ハードコート層組成物AG1]
シクロヘキサノン40質量部とメチルエチルケトン60質量部に、平均粒子径3.5μmのフッ素含有アクリル樹脂粒子10質量部を混ぜた後、エアーディスパーにて20分間攪拌し、粒子分散液を得た。この粒子分散液に以下の材料を混合、攪拌し、防眩性ハードコート層組成物1を調製した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 90質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
イルガキュア184(チバ・ジャパン(株)製) 10質量部
シリコーン系界面活性剤 3質量部
(信越化学工業社製 商品名:KF−351A)
[低屈折率層組成物2]
(カチオン重合性化合物)
例示化合物1−A 6.3質量部
(光カチオン重合開始剤)
4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 0.9質量部
(ロードシル2074、ローディアジャパン(株)製)
(中空シリカ粒子)
中空シリカ粒子分散液D−1 30質量部
(含フッ素化合物)
含フッ素化合物F−2 0.7質量部
(添加剤)
シリコーン化合物(FZ−2207、東レダウコーニング(株)製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液 1.5質量部
(溶媒)
メチルイソブチルケトン 450質量部
メチルエチルケトン 180質量部
〈含フッ素化合物F−2の調製〉
還流冷却器、温度計、攪拌装置、滴下漏斗を備えた500ml四口フラスコに、DEMNUM(ダイキン工業製、CFCFCFO−(CFCFCFO)−CFCFCHOH、n≒20)18g、ピリジン1.0g、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロメタキシレン125gを仕込み、5℃以下に氷冷した。ついで窒素気流下、攪拌を行いながらα−フルオロアクリル酸フルオライド0.84gを1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロメタキシレン5mlに溶解したものを約10分間かけて滴下した。
滴下終了後、室温まで温度を下げてからさらに4時間攪拌した。反応後のエーテル溶液を分液漏斗に入れ、水洗、2%塩酸水洗浄、5%NaCl水洗浄、さらに水洗と繰り返した後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ついで溶液を濾過により分離した。濾液からエバポレータによって溶液を留去した後、さらに70℃に加熱しながら真空乾燥を行い、CH=CFCOOCHCFCF(OCFCFCF)OCFCFCFである含フッ素化合物F−2を18.8g得た。
[低屈折率層組成物3]
(カチオン重合性化合物)
例示化合物1−D 6.3質量部
(光カチオン重合開始剤)
4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 0.9質量部
(ロードシル2074、ローディアジャパン(株)製)
(中空シリカ粒子)
中空シリカ粒子分散液D−2 30質量部
(含フッ素化合物)
含フッ素化合物F−1 0.7質量部
(添加剤)
シリコーン化合物(FZ−2207、東レダウコーニング(株)製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液 1.5質量部
(溶媒)
メチルイソブチルケトン 450質量部
メチルエチルケトン 180質量部
(中空シリカ粒子分散液D−2の調製)
平均粒子径5nm、SiO濃度20質量%のシリカゾル100gと、純水1900gとの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiOとして1.17質量%のケイ酸ナトリウム水溶液9000gとAlとして0.83質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。
その間、反応液の温度を80℃に保持した。反応液のpHは添加直後、12.5に上昇し、その後、ほとんど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20質量%のSiO・Al核粒子分散液を調製した。(工程e)。
この核粒子分散液500gに純水1700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、濃度0.5質量%の硫酸アンモニウム53200gを添加し、ついで、SiOとして濃度1.17質量%のケイ酸ナトリウム水溶液3000gとAlとして濃度0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gを添加して複合酸化物粒子1の分散液を得た。(工程f)。
これを限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13質量%になった複合酸化物粒子1の分散液500gに純水1125gを加え、更に濃塩酸(濃度35.5質量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。ついで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離して固形分濃度20質量%のシリカ系粒子分散液を得た。(工程g)。
純水1800gに苛性カリ(旭硝子(株)製:純度85質量%)57gを溶解した溶液中に三酸化アンチモン(住友金属鉱山(株)製:KN 純度98.5質量%)111gを懸濁させた。この懸濁液を95℃に加熱し、ついで、過酸化水素水(林純薬(株)製:特級、純度35質量%)32.8gを純水110.7gで希釈した水溶液を9時間で添加(0.1mol/hr)し、三酸化アンチモンを溶解し、その後11時間熟成した。
冷却後、得られた溶液から1000gを取り、この溶液を純水6000gで希釈した後、陽イオン交換樹脂に通して脱イオン処理を行った。このときのpHは2.1、電導度は2.4mS/cmであった。(工程h)。
上記で調製したシリカ系粒子分散液を、固形分濃度1質量%に希釈した分散液400gに、固形分濃度1質量%のアンチモン酸40gを加え、70℃で10時間攪拌し、限外濾過膜で濃縮し、固形分濃度20質量%の酸化アンチモン被覆シリカ系粒子(i)分散液を調製した。(工程i)。
この酸化アンチモン被覆シリカ系粒子(i)分散液100gに、純水300gとメタノール400gを加え、これに正ケイ酸エチル(SiO濃度28質量%)3.57gを混合し、50℃で15時間加熱攪拌してシリカ被覆層を形成した酸化アンチモン被覆シリカ系粒子(ii)分散液を調製した。この分散液を限外濾過膜を用いてメタノールに溶媒置換するとともに、固形分濃度20質量%になるまで濃縮した。ついで、ロータリーエバポレーターにてイソプロピルアルコールに溶媒置換して濃度20質量%のシリカ系粒子(ii)のイソプロピルアルコール分散液とした。(工程j)。
ついで、このシリカ被覆層を形成した酸化アンチモン被覆シリカ系粒子(ii)のイソプロピルアルコール分散液100gにメタクリル系シランカップリング剤(信越化学工業(株)製:KBM−503)0.73gを加え、50℃で15時間加熱攪拌し、シランカップリング剤により表面処理されたシリカ被覆層を形成した酸化アンチモン被覆中空シリカ粒子分散液D−2を調製した。この粒子の体積抵抗値は1500Ω/cm、平均粒子径は61nm、酸化アンチモン被覆層の厚さは1nmであった。
[低屈折率層組成物4]
(カチオン重合性化合物)
例示化合物1−D 6.3質量部
(光カチオン重合開始剤)
例示化合物S−8 0.9質量部
(中空シリカ粒子)
中空シリカ粒子分散液D−1 30質量部
(含フッ素化合物)
含フッ素化合物F−1 1.4質量部
(添加剤)
シリコーン化合物(FZ−2207、東レダウコーニング(株)製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液 1.5質量部
(溶媒)
メチルイソブチルケトン 450質量部
メチルエチルケトン 180質量部
[低屈折率層組成物5]
(カチオン重合性化合物)
例示化合物1−D 6.3質量部
(光カチオン重合開始剤)
例示化合物S−8 0.9質量部
(中空シリカ粒子)
中空シリカ粒子分散液D−1 30質量部
(含フッ素化合物)
パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 3.5質量部
(メガファックF−482、DIC(株)製)
(添加剤)
シリコーン化合物(FZ−2207、東レダウコーニング(株)製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液 1.5質量部
(溶媒)
メチルイソブチルケトン 450質量部
メチルエチルケトン 180質量部
比較例1
反射防止フィルム1の作製において、低屈折率層組成物を下記低屈折率層組成物6に変更した以外は同様にして、比較反射防止フィルム1を作製した。
[低屈折率層組成物6]
(カチオン重合性化合物)
例示化合物1−D 6.3質量部
(光カチオン重合開始剤)
例示化合物S−8 0.9質量部
(中空シリカ粒子)
中空シリカ粒子分散液D−1 30質量部
(添加剤)
シリコーン化合物(FZ−2207、東レダウコーニング(株)製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液 1.5質量部
(溶媒)
メチルイソブチルケトン 450質量部
メチルエチルケトン 180質量部
比較例2
反射防止フィルム1の作製において、低屈折率層組成物を特開2007−182511号(先行文献1)の実施例1記載の「低屈折率層コーティング材料」に変更し、ハードコート層表面にコロナ放電をしたのち塗布し、特開2007−182511号記載の硬化方法に準じて硬化し、比較反射防止フィルム2を作製した。
比較例3
特開2008−26493号(先行文献2)の実施例1記載の(B)層(ハードコート層)、(C)層(低屈折率層)用塗工液を作製し、セルロースエステルフィルム1にコロナ放電をしたのち塗布し、特開2008−26493号実施例1の記載の硬化処理を行い、比較反射防止フィルム3を作製した。
《評価》
上記作製した反射防止フィルム1〜8、および比較反射防止フィルム1〜3について、下記方法により評価した。得られた結果を表1に示した。
(反射率測定)
分光光度計V−550(日本分光製)を用いて、入射角5°にて380〜780nmの波長域の正反射分光反射率を測定した。反射率の評価においては、450〜650nmの波長域の最低反射率を用いた。なお、サンプルの測定面の裏面を粗面化処理した後、黒色スプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、反射率測定を行った。
(耐擦傷性)
23℃55%RHの雰囲気下で反射防止フィルムの低屈折率層面に、1000g/cmの荷重をかけた日本スチールウール(株)製の品番#0000のスチールウールを載せて20往復させ、20往復後の1cm幅当たりに生じた傷の本数を測定した。
傷の本数が5本/cm幅以下が好ましく、1本/cm幅以下が更に好ましい。スチールウールを往復させた装置は、新東科学(株)摩擦摩耗試験機(トライボステーションTYPE:32、移動速度4000mm/min)を使用した。
(接触角)
接触角計(DropMaster500、協和界面科学(株)製)を用いて23℃55%RH雰囲気下で、純水とヘキサデカンの接触角を測定した。なお、液滴の液量は3μlで行った。
また、反射防止フィルムの表面を、1000g/cmの荷重をかけたベンコット(M−3、旭化成(株)製)を載せて10往復擦り、擦った後のヘキサデカンの接触角を測定して防汚成分の脱離具合を評価した。ベンコットを往復させた装置は、新東科学(株)摩擦摩耗試験機(トライボステーションTYPE:32、移動速度4000mm/min)を使用した。
(指紋付着拭き取り性)
23℃55%RH雰囲気下で反射防止フィルムの表面に指を押し付けて、指紋の付きやすさと、付着した指紋をベンコット(M−3、旭化成(株)製)で3回拭き取った後の状態を観察し、以下の基準で評価した。
評価基準
○:指紋が付着しにくく、完全に拭き取ることができる
△:指紋の付着は少ないが、拭き取り跡が残る
×:指紋がはっきりと付着し、拭き取ることができない。
(耐光性(密着性を含む)試験)
反射防止フィルムの表面に、スーパーキセノンウェザーメーター(SX120、スガ試験機(株)製)を用いて、光量100W/m;300〜400nm、ブラックパネル温度50℃、湿度65%、試験時間2000時間の条件にてUV照射試験を行った。その後、上記方法により耐擦傷性の評価と、下記JIS K 5600−5−6に準拠して、23℃55%RHの雰囲気下、碁盤目テープ剥離試験を行って密着性を評価した。
試料表面をカッターを用いて縦横1mm幅の傷を11本ずつ入れて1mm四方の正方形を100個作り(クロスカット)、ニチバン(株)製のセロテープ(登録商標)を用いて、テープを圧着してから剥離することを同じ場所で3回繰り返して行った。その後、テープ剥離後の試料表面を目視観察し、以下の基準で評価を行った。
密着性評価基準
○:影響を受けている部分が5%以下
△:影響を受けている部分が5%を超えるが30%以下
×:影響を受けている部分が30%を超える。
(耐薬品性)
上記方法により耐光性処理した反射防止フィルムの表面を、LCDクリーナー(スコッチオフィスクリーナーOC−420、住友スリーエム(株)製)を染み込ませたベンコット(M−3、旭化成(株)製)を用いて、1000g/cmの荷重をかけて20往復擦り、擦った後の状態を観察して以下の基準で評価した。ベンコットを往復させた装置は、新東科学(株)摩擦摩耗試験機(トライボステーションTYPE:32、移動速度4000mm/min)を使用した。
耐薬品性評価基準
○:剥離なし
△:僅かな剥離が見られる
×:剥離が見られる
Figure 2010217699
表1の結果から明らかなように、本発明の反射防止フィルムは、低い反射率を有しながら耐擦傷性と防汚性がともに優れていることがわかる。さらに、含フッ素化合物が一般式(2)で示される構造を有している場合は特に防汚性に優れており、塗膜表面からの脱離も起きないため、半永久的に防汚性能を発揮できることがわかる。
また、カチオン重合性化合物を含むことによって、長期間の過酷な条件下での使用を想定した耐光性試験後においても優れた耐擦傷性と密着性、および耐薬品性を有していることがわかる。
実施例2
反射防止フィルム1の作製において、基材フィルムを下記の基材フィルム2および3に変更した以外は、同様にして、反射防止フィルム9および10を作製した。
〈基材フィルム2の作製〉
〈セルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルム1の作製〉
(ドープ液組成2)
アクリル樹脂ダイヤナールBR80(三菱レイヨン(株)製) 70質量部
(Mw95000)
CAP482−20(アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000 イーストマンケミカル(株)製)
30質量部
チヌビン109(チバ・ジャパン(株)製) 1質量部
チヌビン171(チバ・ジャパン(株)製) 1質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
ブタノール 5質量部
上記組成物を、加熱しながら十分に溶解し、ドープ液を作製した。なお、CAPとはセルロースアセテートプロピオネート樹脂のことである。
(セルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルム1の製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度22℃、2m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力162N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。
剥離したアクリル樹脂のウェブを35℃で溶媒を蒸発させ、1.6m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に1.1倍に延伸しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は10%であった。
テンターで延伸後130℃で5分間緩和を行った後、120℃、130℃の乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm高さ10μmのナーリング加工を施し、巻き取り、膜厚80μm、長さ4000m、屈折率1.50のルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルム1を得た。
ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.1倍であった。
〈基材フィルム3の作製〉
基材フィルム2の作製において、以下のドープ液組成3に変更した以外は、同様にして基材フィルム3(アクリル粒子含有のセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルム1)を作製した。
(アクリル粒子の調製)
内容積60リットルの還流冷却器付反応器に、イオン交換水38.2リットル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム111.6gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。APS0.36gを投入し、5分間攪拌後にMMA1657g、BA21.6g、およびALMA1.68gからなる単量体混合物を一括添加し、発熱ピークの検出後更に20分間保持して最内硬質層の重合を完結させた。次に、APS3.48gを投入し、5分間攪拌後にBA8105g、PEGDA(200)31.9g、およびALMA264.0gからなる単量体混合物を120分間かけて連続的に添加し、添加終了後更に120分間保持して,軟質層の重合を完結させた。
次に、APS1.32gを投入し、5分間攪拌後にMMA2106g、BA201.6gからなる単量体混合物を20分間かけて連続的に添加し、添加終了後更に20分間保持して最外硬質層1の重合を完結した。
ついで、APS1.32gを投入し、5分後にMMA3148g、BA201.6g、およびn−OM10.1gからなる単量体混合物を20分間かけて連続的に添加し、添加終了後に更に20分間保持した。ついで95℃に昇温し60分間保持して、最外硬質層2の重合を完結させた。
このようにして得られた重合体ラテックスを少量採取し、吸光度法により平粒子径を求めたところ0.10μmであった。残りのラテックスを3質量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させ、ついで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、3層構造のアクリル粒子を得た。
上記の略号は各々下記材料である。
MMA;メチルメタクリレート
MA;メチルアクリレート
BA;n−ブチルアクリレート
ALMA;アリルメタクリレート
PEGDA;ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量200)
n−OM;n−オクチルメルカプタン
APS;過硫酸アンモニウム
(アクリル粒子含有のセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルム1の作製)
(ドープ液組成3)
ダイヤナールBR80(三菱レイヨン(株)製) 70質量部
CAP482−20 30質量部
上記調製したアクリル粒子 20質量部
チヌビン109(チバ・ジャパン(株)製) 1質量部
チヌビン171(チバ・ジャパン(株)製) 1質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
ブタノール 5質量部
上記組成物を、加熱しながら十分に溶解し、ドープ液を作製した。
《評価》
実施例1で作製した反射防止フィルム1、および上記作製した反射防止フィルム9と10について、実施例1に記載した方法で評価を行った。更に、それぞれA4サイズにカットし、低屈折率層を表面にして、温度80℃、湿度90%RHの高温高湿サーモにて700時間保存し、湿熱処理サンプルを作製した。
ついで、湿熱処理した反射防止フィルムを、温度23℃、相対湿度55%の条件で24時間調湿して、下記の方法に従って鉛筆硬度について評価した。
以上より得られた結果を表2に示した。なお、表2に示した基材フィルムは以下の略称で示した。
基材フィルム1:セルロースエステルフィルム1
基材フィルム2:セルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルム1
基材フィルム3:アクリル粒子含有のセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルム1
(鉛筆硬度)
反射防止フィルムを25℃、60%RHの環境下で2時間調湿した後、JIS K5600−5−4に準拠して引っ掻き試験を行った。1kgのおもりを用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回場所を変えながら行い、傷が1本になるまでの硬度を測定した。なお、ここでいう傷とは、塗膜の破れ、擦り傷およびへこみを対象とした。数値が高いほど高硬度を示し、3H以上が好ましい。
Figure 2010217699
上記表2の結果から明らかなように、基材フィルムがセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルムや、アクリル粒子含有のセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルムであっても、セルロースエステルフィルムのときと同様に、優れた低反射性と耐擦傷性、防汚性を示し、良好な耐光性をも有していることがわかる。
また、過酷な湿熱処理後の評価では、基材フィルムが、セルロースエステルフィルムよりもセルロースエステル樹脂・アクリル樹脂からなるフィルムや、セルロースエステル樹脂・アクリル樹脂から構成され、かつアクリル粒子を含有するフィルムの方が、特に鉛筆硬度に優れていることがわかる。
実施例3
実施例1の反射防止フィルム1の作製において、基材フィルムであるセルロースエステルフィルム1を、下記のセルロースエステルフィルム2に、含フッ素化合物をオプツールDAC(固形分濃度20%、ダイキン工業(株)製)3.5質量部に変更した以外は同様にして反射防止フィルム11を作製した。上記作製した反射防止フィルム11について、実施例1と同様に処理および評価を行った結果を表2に示す。
<基材フィルム4;セルロースエステルフィルム2の製造>
(セルロースエステルC1の合成)
特表平6−501040号公報の例Bを参考にして、プロピオン酸、酢酸の添加量を調整して、アセチル基置換度、プロピオニル基置換度を下記のように調整したセルロースエステルC1を合成した。
C1:アセチル基置換度1.9、プロピオニル基置換度0.7、総アシル基置換度2.60
得られたセルロースエステルの置換度は、ASTM−D817−96に基づいて算出した。セルロースエステルC1の重量平均分子量は、前記高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した結果130000であった。
(セルロースエステルフィルム2の作製)
下記組成で、溶融流延によりセルロースエステルフィルム2を作製した。
〈セルロースエステルフィルム2組成物〉
セルロースエステル:C1 94質量部
可塑剤:グリセリントリベンゾエート 5質量部
Irganox 1010(チバ・ジャパン(株)製) 0.5質量部
Irgafos P−EPG(チバ・ジャパン(株)製) 0.3質量部
HP−136(チバ・ジャパン(株)製) 0.2質量部
上記セルロースエステルを70℃、3時間減圧下で乾燥を行い室温まで冷却した後、各添加剤を混合した。
以上の混合物を弾性タッチロールを用いた製造装置で製膜した。窒素雰囲気下、240℃にて溶融して流延ダイから第1冷却ロール上に押し出し、第1冷却ロールとタッチロールとの間にフィルムを挟圧して成形した。また押出し機中間部のホッパー開口部から、滑り剤としてシリカ粒子(日本アエロジル社製)を、0.1質量部となるよう添加した。
流延ダイのギャップの幅がフィルムの幅方向端部から30mm以内では0.5mm、その他の場所では1mmとなるようにヒートボルトを調整した。タッチロールとしては、その内部に冷却水として80℃の水を流した。
流延ダイから押し出された樹脂が第1冷却ロールに接触する位置P1から第1冷却ロールとタッチロールとのニップの第1冷却ロール回転方向上流端の位置P2までの、第1冷却ローラの周面に沿った長さLを20mmに設定した。その後、タッチロールを第1冷却ロールから離間させ、第1冷却ロールとタッチロールとのニップに挟圧される直前の溶融部の温度Tを測定した。第1冷却ロールとタッチロールとのニップに挟圧される直前の溶融部の温度Tは、ニップ上流端P2よりも更に1mm上流側の位置で、温度計(安立計器(株)製HA−200E)により測定した。測定の結果、温度Tは141℃であった。
タッチロールの第1冷却ロールに対する線圧は14.7N/cmとした。更に、テンターに導入し、巾方向に160℃で1.3倍延伸した後、巾方向に3%緩和しながら30℃まで冷却し、その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落とし、フィルム両端に幅20mm、高さ25μmのナーリング加工を施し、巻き取り張力220N/m、テーパー40%で巻芯に巻き取った。巻芯の大きさは、内径152mm、外径165〜180mm、長さ1550mmであった。この巻芯母材として、エポキシ樹脂をガラス繊維、カーボン繊維に含浸させたプリプレグ樹脂を用いた。巻芯表面にはエポキシ導電性樹脂をコーティングし、表面を研磨して、表面粗さRaは0.3μmに仕上げた。なお、膜厚は40μm、巻長は3500mとし、屈折率1.49のセルロースエステルフィルム2を作製した。
実施例4
実施例1〜3で作製した反射防止フィルム1〜11を用いて、下記のようにして偏光板を作製し、これらの偏光板を液晶表示パネル(画像表示装置)に組み込み、視認性を評価した。
下記の方法に従って、上記実施例1の反射防止フィルム1〜11をセルロースエステル系光学補償フィルムであるコニカミノルタタックKC8UCR5(コニカミノルタオプト(株)製)各々1枚を偏光板保護フィルムとして用いて、偏光板101〜111をそれぞれ作製した。
(a)偏光子の作製
けん化度99.95モル%、重合度2400のポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)100質量部に、グリセリン10質量部、および水170質量部を含浸させたものを溶融混練し、脱泡後、Tダイから金属ロール上に溶融押出し、製膜した。その後、乾燥・熱処理して、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムは、平均厚みが40μm、水分率が4.4%、フィルム幅が3mであった。
次に、得られたPVAフィルムを、予備膨潤、染色、湿式法による一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順番で、連続的に処理して、偏光子を作製した。即ち、PVAフィルムを温度30℃の水中に30秒間浸して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの温度35℃の水溶液中に3分間浸した。
続いて、ホウ酸濃度4%の50℃の水溶液中でフィルムにかかる張力が700N/mの条件下で、6倍に一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの温度30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。その後、PVAフィルムを取り出し、温度40℃で熱風乾燥し、更に温度100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光子は、平均厚みが13μm、偏光性能については透過率が43.0%、偏光度が99.5%、2色性比が40.1であった。
(b)偏光板の作製
ついで、下記工程1〜5に従って、偏光子と、偏光板用保護フィルムとを貼り合わせて実施例1〜3の反射防止フィルム1〜11、比較例1〜3に対応する偏光板101〜111、比較例101〜103を作製した。
工程1:光学補償フィルムと反射防止フィルムを、2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に、温度60℃で、90秒間浸漬し、ついで水洗、乾燥させた。各反射防止フィルムの低屈折率層を設けた面には、予め剥離性の保護フィルム(PET製)を張り付けて保護した。
同様にして、前述した光学補償フィルムを2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に、温度60℃で、90秒間浸漬し、ついで水洗、乾燥させた。
工程2:前述の偏光子を、固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤溶液の貯留槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、この偏光子を、工程1でアルカリ処理した光学補償フィルムと反射防止フィルムとで挟み込んで、積層配置した。
工程4:積層物を、2つの回転するローラにて20〜30N/cmの圧力で約2m/minの速度で貼り合わせた。このとき、気泡が入らないように注意して実施した。
工程5:工程4で作製した試料を、温度80℃の乾燥機中にて2分間乾燥処理し、偏光板101〜111を作製した。
次に、市販の液晶表示パネル(VA型)の最表面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた先に作製した偏光板を張り付けた。
こうして得られた液晶パネルを、床から80cmの高さの机上に配置し、床から3mの高さの天井部に、昼色光直管蛍光灯(FLR40S・D/M−X パナソニック(株)製)40W×2本を1セットとして、1.5m間隔で10セット配置した。
この場合、評価者が液晶表示パネルの表示面の正面にいるときに、評価者の頭上より後方に向けて天井部に蛍光灯がくるように配置した。各液晶パネルは机に対する垂直方向から25°傾けて、蛍光灯が写り込むようにして画面の見易さ(視認性)を、下記のランクに分けて評価した。
結果を表3に示す。
A:最も近い蛍光灯の写り込みが気にならず、フォントの大きさ8以下の文字もはっきりと読める
B:近くの蛍光灯の写り込みはやや気になるが、遠くは気にならず、フォントの大きさ8以下の文字もなんとかと読める
C:遠くの蛍光灯の写り込みも気になり、フォントの大きさ8以下の文字を読むのは困難である
D:蛍光灯の写り込みがかなり気になり、写り込みの部分はフォントの大きさ8以下の文字を読むことはできない
Figure 2010217699
表3の結果から明らかなように、本発明の偏光板を用いた液晶パネルは、何れもB以上の評価結果であり、より視認性が良好であった。

Claims (6)

  1. (A)中空シリカ粒子、(B)下記一般式(1)で表されるカチオン重合性化合物、(C)光カチオン重合開始剤および(D)含フッ素化合物を含有することを特徴とする反射防止層用組成物。
    Figure 2010217699
    ここでRは、炭素数1〜10のカチオン重合可能な基を表す。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基から選択される基を表す。nは、0、1、2のいずれかを表す。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物のRが、エポキシ構造またはオキセタン構造を有する基であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止層用組成物。
  3. 前記(D)含フッ素化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止層用組成物。
    Figure 2010217699
    ここでXはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基;Rは(n1+n4)価の連結基;Rfはパーフルオロポリエーテル基;Rはアルキル基、フルオロアルキル基、またはCH=CXCOO−(XはH、Cl、F、CFまたは炭素数1〜10のアルキル基);n1は1〜3の整数;n2は0または1;n3は0〜50;n4は1〜3の整数を表す。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を硬化した層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
  5. 請求項4に記載の反射防止フィルムを使用することを特徴とする偏光板。
  6. 請求項5に記載の反射防止フィルムを使用することを特徴とする画像表示装置。
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