JP2010217487A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クロストーク等を防止する。
【解決手段】電気光学装置は、基板上に第1電極(131)及び第2電極(132)からなる電気光学素子と、データ電位が供給される第1データ線(6a)及び第1電極間に設けられ、第1期間でオン状態、第2期間でオフ状態となる第1スイッチング素子(SW101)と、データ電位が供給される第2データ線(6b)及び第2電極間に設けられ、第1期間でオフ状態、第2期間でオン状態となる第2スイッチング素子(SW102)と、を備える。そして、基板を平面視すると、第2電極は、第1電極を覆うように形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶等を含む電気光学装置及び電子機器に関する。
従来、電気光学物質として液晶等を含む電気光学装置が提供されている。この電気光学装置では、液晶等に、画像データに応じた電位差を与えることで、その光透過率等の電気光学特性の変更が可能である。これを、当該液晶等を含む電気光学素子の複数の各々に個別的に適用すれば、画像の表示が可能となる。なお、前記電位差の液晶等への付与にあたっては、例えば、適当な形状、配置をもつ電極が利用される。
この電位差の液晶等への付与の仕方には様々な方法が提案されている。その中には、液晶等へ、一定の期間ごとに前とは逆極性の電位差を与える方法がある。これを実現するためには、例えば、2つの電極を用意するとともに、その双方の電極の各々に電気的に接続される2本のデータ線(それぞれ、前記画像データを供給する)を用意し、かつ、これら2組のデータ線及び電極間の導通・非導通を司る2つのスイッチング素子を設ける構成が知られている。これによると、ある期間において、一方のデータ線から一方の電極に対して画像データを供給するときは、他方の電極を接地電位等の基準電位に維持し、また、別の期間において、他方のデータ線から他方の電極に対して画像データを供給するときは、一方の電極を前記基準電位に維持する、等といった動作が行われる。これにより、液晶等へは交互に逆極性の電位差が与えられることになる。
このような電気光学装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものが知られている。
特開2008−065308号公報
ところで、上述したような電気光学装置においては、解決すべき様々な問題がある。
例えば、第1には、電気光学装置によって表示される画像の品質に関わる問題がある。より具体的には、電気光学物質が前述のように液晶を含む場合には、当該液晶がある所定の光透過率をもつ状態に設定されたときには、それが可能な限り維持されることが好ましいし、あるいは、コントラスト比は常に高く維持されることが好ましい。さらには、隣接し合う画素間で、いわゆる混色が生じることも回避されるのが好ましい。
また、第2に、電気光学装置の製造に関わる問題がある。上述の電気光学装置は、前記電極等を製造するに当たって様々な半導体プロセスが利用されるのが一般的であるが、その場合、当該電極、あるいはその周囲の各種構造・構成要素等には可能な限り欠陥等を生じさせないような配慮がなされるべきである。
さらに、第3に、製造後の電気光学装置の駆動に関わる問題がある。すぐ上に述べたように、前記電極、配線その他の回路要素は、様々な半導体プロセスによって製造されることが一般的であるが、その配置態様によっては、無用な寄生容量の生成等によって、各回路要素の反応速度の低落等が懸念されることになる。
加えて、第4に、いわゆるクロストークの問題がある。すなわち、上述の電気光学装置においては、液晶素子等の電気光学素子をマトリクス状に配列することが行われているが、その場合、前記画像データの供給は、その配列中のある特定の電気光学素子(例えば、ある特定の行に位置する電気光学素子)ごとに行われるのが一般的である。この場合、供給されてきた画像データに(いわば)反応すべきは、当該特定の電気光学素子だけであるべきことが当然想定されている。
しかしながら、この際、当該特定の電気光学素子以外の電気光学素子が、当該画像データに反応してしまうことがある。これは、前記データ線が通常、マトリクス状配列の各行を貫くように延在していること、また、そのデータ線と当該電気光学素子との間に意図に沿わない寄生容量が形成されること、等を主要因とする。これが、クロストークである。
このような現象は、当然、画質に影響を与える。特に、上述したような構成、即ち、それぞれ2つずつの、電極、データ線及びスイッチング素子を備える電気光学装置においては、各データ線が時宜に応じていわば交互に利用されるようなかたちとなること(ここで「利用」とは、現に画像データ供給用の配線として機能することを意味する)、また、各データ線と各電極との配置関係の設定如何、等々の要因が、前記主要因に重畳すること等によって、問題をより複雑にするおそれがある。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決することの可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかる態様の電気光学装置、あるいは電子機器に関連する課題を解決可能な、電気光学装置、あるいは電子機器を提供することをも課題とする。
本発明に係る電気光学装置は、上述した課題を解決するため、基板と、前記基板上に形成される第1電極と、前記第1電極の上に絶縁膜を介して形成され且つ当該第1電極と積層構造を構成するように形成される第2電極と、前記第1及び第2電極間の印加電圧に応じて光学特性が変化する電気光学物質と、第1期間において、表示すべき階調に応じたデータ電位が供給される第1データ線と、第2期間において、前記データ電位が供給される第2データ線と、前記第1電極及び前記第1データ線間に形成される第1スイッチング素子と、前記第2電極及び前記第2データ線間に形成される第2スイッチング素子と、を備え、前記基板を平面視して、前記第2電極は、その側端部の少なくとも一部が、前記第1電極の側端部の外方に位置するように、形成される。
本発明によれば、第1及び第2電極並びに電気光学物質から、電気光学素子が構成される。電気光学物質が液晶ならば、この電気光学素子は液晶素子である。また、本発明においては、第1期間においては、第1電極がデータ電位、第2電極が例えば基準電位となり、第2期間においては、その逆に、第1電極が例えば基準電位、第2電極がデータ電位となることが可能である。これを連続させれば、液晶等の電気光学物質に、交互に逆極性の電位差が与えられる。このような構成によると、まず、スイッチング素子が2つ備えられていることから、前記制御信号のON・OFF間の遷移に応じたフィードスルー(電気光学素子に印加される電圧の変化)の影響が第1及び第2電極に関してちょうど相殺されるかのようになることによるフリッカ低減効果、あるいは、電気光学素子に印加すべき電位差は原理的には1種だけ準備すればよいことによる消費電力低減効果等々の各種効果が享受される。
そして、本発明では特に、第1及び第2電極の配置関係が、上述のように規定されていることにより、以下の作用効果が奏される。すなわち、本発明において、第2電極の側端部の少なくとも一部は第1電極の側端部の外方に位置する、あるいは、第2電極は第1電極の周縁部の少なくとも一部を覆うように形成されることになる。したがって、前記絶縁膜の存在も考慮すると、これら第1及び第2電極からなる積層構造は、その局部的構造として、第1電極の側端部及び当該第1電極が形成される下地膜の双方を跨ぐように存在する絶縁膜と、当該側端部及び当該絶縁膜の全体を包み込むように存在する第2電極、という構造を含むことになる。
これによると、例えば第1及び第2電極の側端部がともに揃えられている場合に比べて、絶縁膜にクラック等の欠陥を生じさせるおそれが低くなる。なぜなら、そのような場合には、絶縁膜には、前述した、“跨ぐように存在する絶縁膜”に係る部分に、第1電極の高さ分に相当する段差が生じることになり、当該部分において前記欠陥を生じさせるおそれが高いのに対して、本発明では、当該部分を包み込むように第2電極が存在することになるからである。また、本発明によれば、仮に当該部分に前記欠陥が生じたとしても、それを覆い隠すように第2電極が存在することから、例えば第2電極形成時のエッチャントが前記欠陥に浸入していくなどといった不具合も殆ど生じえない。
このように、本発明によれば、第1及び第2電極の相対的配置関係という構造上の工夫により、欠陥のないより高品質な電気光学装置を提供することができる。
なお、本発明にいう「電気光学素子」の具体的な構造や材料は基本的に自由に定められ得るが、例えば、既に言及した液晶素子のほか、場合によっては有機EL材料や無機EL材料からなる発光層を電極間に介在させた素子が本発明の「電気光学素子」として採用され得る。
また、本発明にいう「外方に位置する」を満たす具体的態様は、第1及び第2電極の具体的形状のあり方如何等により、様々なものが想定され得る。後述する本発明の実施形態においては、その一具体例が、図3等が参照されながら、説明される。
これに関連して、本発明においては、第2電極の側端部の少なくとも一部が第1電極の側端部の外方に位置するようにされるが、より好ましくは、第2電極の側端部の全部が第1電極の側端部の外方に位置するようにされるとよい。これによって、上述した本発明に係る効果がより実効的になることは言うまでもない。
この発明の電気光学装置では、前記第1及び第2電極並びに前記第1及び第2スイッチング素子の一組は、前記基板の面上でマトリクス状配列に従って配列され、前記第1及び第2データ線は、それぞれ、前記マトリクス状配列の各列方向に沿って延びるように、かつ、前記組の各々に含まれる前記第2電極の両側辺に沿うように、かつ、前記基板上且つ前記第1電極よりも下層に位置付けられるように、形成される、ように構成してもよい。
この態様によれば、第1及び第2データ線の形成態様が、上述のように規定されていることにより、以下の作用効果が奏される。すなわち、本態様において例えば第1データ線に着目すると、まず(i)第1データ線は、第1電極よりも下層に位置付けられるように形成され、かつ、既述のように(ii)第2電極は第1電極の上に形成される、ということからすると、第1データ線及び第1電極間に生じる寄生容量の容量値(以下、「容量値A」ということがある。)は、第1データ線及び第2電極間に生じる寄生容量の容量値(以下、「容量値B」ということがある。)よりも大きくなる。ところが他方、この第1データ線は、本態様において(iii)第2電極の一方の側辺に沿うように形成され、また、前述のように(iv)第2電極の側端部が第1電極の側端部の外方に位置する、ということを併せ考えると、第1データ線が極めて異常な形状となるなどの特別の事情がない限り、一般的には、第1データ線は、第2電極により近く、第1電極により遠い、という位置づけを与えられるということがいえる。したがって、これらによれば、前記とは逆に、容量値Aは容量値Bよりも小さくなる。なお、以上の事項は、第2データ線についても同様にあてはまる。
結局、これら(i)(ii)及び(iii)(iv)の事情を併せ考えると、本発明の特徴の1つである「外方に位置する」要件(特にその具体的な充足のあり方)によって、容量値Aと容量値Bとを相互に近づけさせる、最好適には一致させることが可能になる。そして、これによれば、第1及び第2スイッチング素子がオフ状態にある場合において、第1又は第2データ線の電位の変動により、前記第1電極が受ける電位変動の影響、及び、前記第2電極が受ける電位変動の影響、の双方を等しくすることが可能になる。
よって、本態様によれば、第1及び第2電極が意図しない挙動を示すことが未然に防止され、前述したようなクロストークに係る問題を有効に解決することができる。
この態様では、前記マトリクス状配列中、前記組の各々に含まれる前記第1電極及び前記第1又は第2データ線間の距離は、第2電極の側端部と第1電極の側端部との間の距離以上である、ように構成してもよい。
この態様によれば、第1電極と第1又は第2データ線との間の距離が一定程度以上に確保されるので、これらの間に生じる寄生容量の容量値を小さくすることが可能になる。したがって、第1又は第2データ線を用いたデータ電位の供給におけるタイミングマージンをより大きくとること、あるいは、第1及び第2電極をより高速に駆動すること、等が可能になる。
前述の、第1電極等からなる一組がマトリクス状配列に従って配列される態様では、前記電気光学物質は、前記第2電極の上に配置され、前記マトリクス状配列中、隣り合う前記組の各々に含まれる前記第2電極の側端部間の距離は、当該第2電極に対応する前記第1電極の側端部間の距離以下である、ように構成してもよい。
この態様によれば、第2電極間の距離が一定程度以下に抑制されるので、前記第1及び第2データ線に起因して発生する電界が、第2電極上に位置する電気光学物質に影響を及ぼす可能性を低めることができる。この電界は、例えば電気光学物質が液晶である場合、本来実現したい光透過率をより高め又はより低める原因となるから、所望の階調での画像表示を行うための外乱要因(殊に、コントラスト比を貶める要因)となる。また、この電界は、前記マトリクス配列上、隣に位置する第2電極上の液晶に作用する場合には、いわゆる混色の問題を生じさせる要因ともなる。
本態様によれば、このような不具合が生じないのである。
なお、このような効果を得るために、本態様は、第2電極は、第1電極よりも、より稠密に(あるいは、相互により接近して)配列される、と表現することも可能である。
また、本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した各種の電気光学装置を備える。
本発明の電子機器は、上述した各種の電気光学装置を備えてなるので、クロストークの影響が事前に回避されるなどの結果、高品質な画像を表示することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る電気光学装置を示すブロック図である。 図1の電気光学装置を構成する画素回路の詳細を示す回路図である。 図1の電気光学装置の一例としてのFFS(Fringe Field Switching)モードの液晶装置の一部の構造を拡大して示す概略的な平面図である。 図3のX−X’断面図である。 本実施形態によって奏される作用効果(クラック等欠陥の発生防止)を説明するための説明図である。 本実施形態によって奏される作用効果(寄生容量(C11)の容量値低減)を説明するための説明図である。 本実施形態によって奏される作用効果(画質改善)を説明するための説明図である。 本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る電気光学装置を適用した他の電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る電気光学装置を適用したさらに他の電子機器を示す斜視図である。
以下では、本発明に係る実施の形態について図1乃至図4を参照しながら説明する。なお、ここに言及した図1乃至図4に加え、以下で参照する各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に異ならせてある場合がある。
本発明の本実施形態に係る電気光学装置は、電気光学材料として液晶を用いる。電気光学装置1は、主要部として液晶パネルAA(電気光学パネルの一例)を備える。液晶パネルAAは、スイッチング素子として薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;「TFT」)を形成した素子基板と対向基板とを互いに対向させ、かつ一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶を挟持している。
図1は本実施形態に係る電気光学装置1の全体構成を示すブロック図である。この電気光学装置1は、液晶パネルAA、制御回路300、及び画像処理回路400を備える。この液晶パネルAAは透過型であるが、半透過型であってもよいしあるいは反射型であってもよい。
液晶パネルAAは、その素子基板上に画像表示領域A、走査線駆動回路100、及びデータ線駆動回路200を備える。制御回路300は、X転送開始パルスDX及びXクロック信号XCKを生成してデータ線駆動回路200に供給するとともに、Y転送開始パルスDY及びYクロック信号YCKを生成して走査線駆動回路100に供給する。
画像表示領域Aには、複数の画素回路P1がマトリクス状に形成されており、画素回路P1ごとに透過率を制御することができる。バックライト(図示略)からの光は、画素回路P1を介して射出される。これによって、光変調による階調表示が可能となる。また、画像処理回路400は入力画像データDinに画像処理を施して出力画像データDoutを生成し、これをデータ線駆動回路200に出力する。
次に、画像表示領域Aについて説明する。画像表示領域Aには、m(mは2以上の自然数)本の走査線3が、X方向に沿って平行に配列して形成される一方、n(nは2以上の自然数)組の第1データ線6a及び第2データ線6bが、Y方向に沿って平行に配列して形成されている。くわえて、基準電位GNDを供給する電位線(図1において不図示。ただし、図2の符号30参照)がX方向に沿って平行に配列して形成される。そして、走査線3と第1データ線6a及び第2データ線6bとの交差に対応して、m(行)×n(列)個の画素回路P1が配置される。
n本の第1データ線6aには第1電位X1a〜Xnaが各々供給され、n本の第2データ線6bには第2電位X1b〜Xnbが各々供給される。また、各走査線3には、走査信号Y1、Y2、…、Ymが、パルス的に線順次で印加される。i(iは1≦i≦mの自然数)行、j(jは1≦j≦nの自然数)列の画素回路P1(i,j)は、i行の走査線3の走査信号Yiがアクティブになると、第1データ線6aを介して供給される第1電位Xja及び第2データ線6bを介して供給される第2電位Xjbを取り込む。
図2にi行j列の画素回路P1(i,j)の回路図を示す。なお、他の画素回路P1も同様に構成されている。この図に示すように画素回路P1(i,j)は、導電型がnチャネルの第1及び第2トランジスターSW101及びSW102、第1保持容量Cstg1、第2保持容量Cstg2、第3保持容量Cstg3、並びに電気光学素子13等を備える。
電気光学素子13は、第1電極131と第2電極132の間に電気光学物質を挟持して構成される。電気光学物質は、印加電圧に応じて光学特性が変化するものであればいかなるものであってもよいが、この例では、液晶LCを用いる。
電気光学素子13の第1電極131は第1ノードZaに接続される一方、その第2電極132が第2ノードZbに接続される。また、第1ノードZaと電位線30との間には第1保持容量Cstg1が設けられ、第2ノードZbと電位線30との間には第2保持容量Cstg2が設けられる。
さらに、電気光学素子13と並列に第3保持容量Cstg3が設けられる。
ここで、第1乃至第3保持容量Cstg1、Cstg2、及びCstg3の一部又は全部は、容量素子として形成してもよいし、あるいは、第1電極131と第2電極132との間に付随する寄生容量や第1ノードZa又は第2ノードZbと電位線30との間に発生する寄生容量であってもよい。
第1トランジスターSW101は、第1ノードZaと第1データ線6aとの間に設けられており、第2トランジスターSW102は、第2ノードZbと第2データ線6bとの間に設けられている。
これら第1及び第2トランジスターSW101及びSW102のゲートは走査線3と接続される。走査信号Yiがハイレベル(アクティブ)になると、第1トランジスターSW101及びSW102は共にオン状態となる。すると、第1電位Xjaが電気光学素子13の第1電極131に印加されるとともに第1保持容量Cstg1によって保持される。また、第2電位Xjbが電気光学素子13の第2電極132に印加されるとともに第2保持容量Cstg2によって保持される。これによって、電気光学物質たる液晶LCに電圧が印加され、透過率が制御される。
このような透過率制御を基本として、本実施形態に係る画素回路P1は特に、以下のように動作する(図2の下方参照)。
〔i〕最初の期間では、走査線駆動回路100は、走査線3にハイレベルの走査信号Yiを供給することによって、第1及び第2トランジスターSW101及びSW102をともにオン状態とする。この際、データ線駆動回路200は、第1データ線6aに前記第1電位X1a〜Xnaとしてデータ電位Vdataを供給するとともに、第2データ線6bに前記第2電位X1b〜Xnbとして基準電位GNDを供給する。これによって、電気光学素子13においては、その第1電極131がデータ電位Vdata、第2電極132が基準電位GNDとなり、液晶LCに所定の電位差が与えられる。
〔ii〕次の期間でも、走査線駆動回路100に起因する第1及び第2トランジスターSW101及びSW102のオン状態への遷移は同様に行われる。ただ、この場合、前記の〔i〕とは逆に、データ線駆動回路200は、第1データ線6aに前記第1電位X1a〜Xnaとして基準電位GNDを供給するとともに、第2データ線6bに前記第2電位X1b〜Xnbとしてデータ電位Vdataを供給する。これによって、電気光学素子13においては、その第1電極131が基準電位GND、第2電極132がデータ電位Vdataとなり、液晶LCに所定の電位差が与えられる。このように、仮に、データ電位Vdataと基準電位GNDとの差が前記〔i〕の場合と同じであったとしても、少なくともその極性は反転することになる(もちろん当該差が同じでなくても、その極性は同様に反転する。)。
〔iii〕以後は、以上の〔i〕〔ii〕の動作が繰り返し行われる(図2の下方参照)。
なお、以上の場合において、データ電位Vdataは、各画素回路P1(i,j)別に応じて、それぞれ固有の具体的な値を持ちうることは言うまでもない。その具体的な値は、主に入力画像データDinの値如何による。
ブロック図(図1)ないし回路図(図2)としては以上のような構成をもつ電気光学装置1は、実際上は、例えば図3及び図4に示すような構造をもつ。ここに図3は、電気光学装置の一例としてFFS(Fringe Field Switching)モードの液晶装置の一部の構造を拡大して示す概略的な平面図である。図4は、図3に示す液晶装置の一部を拡大して示す概略的な断面図である。
これら図3及び図4においては、平面視して略長方形状をもつ第1電極131及び第2電極132が、前述した図2に示す電気光学素子13を構成する第1電極131及び第2電極132に該当する(以下、同様にして、対応する要素については、その名称及び符号を共用する。)。このうち第1電極131は、図3に示すように、その長方形状の図中左下角部を一部切り欠いたような形状をもつ。他方、第2電極132は、逆に、図中右下角部分を一部切り欠いたような形状をもつ。この切り欠かれた部分に該当する領域は、第1電極131と第1データ線6a、又は第2電極132と第2データ線6bとの電気的接続を実現するためのコンタクトホールを形成するための領域などに利用される。図3においては、第1トランジスターSW101を構成する半導体層(ソース領域、ドレイン領域、チャネル領域を含む層)111と第1電極131とがコンタクトホールCH2を介して電気的に接続されるとともに、当該半導体層111と第1データ線6aとがコンタクトホールCH1を介して電気的に接続されている。また、同様にして、第2トランジスターSW102を構成する半導体層121と第2データ線6bとはコンタクトホールCH4を介し、半導体層121と第2電極132とはコンタクトホールCH3を介して、それぞれ電気的に接続される。
第2電極132はまた、図3及び図4に示すように、複数のスリット132sをもつ。本実施形態において、スリット132sは、図3中上下方向に長い略長方形状をもち、その1本1本が互いに平行となるようにして並べられる。
これら第1電極131及び第2電極132は、図3及び図4に示すように、前者が下層、後者が上層の関係となるように重なり合う。両者間には、図4に示すように、SiO、SiN等の適当な材料からなる層間絶縁膜303が形成され、当該両者間の電気的短絡が防止される。なお、これら第1電極131及び第2電極132と、その間に介在する層間絶縁膜303とによって、第3保持容量Cstg3は構成される(図4参照)。
このような、第1電極131及び第2電極132の一組の重なり合いからなる構成が、前述した画素回路P1の基本を形作る。
また、これら第1電極131及び第2電極132は、図3に示すように、後者が前者を覆うように形成される。より詳細には、以下のようである。
すなわち、まず、第2電極132は前述のように図3中右下角部を一部欠く長方形状をもつが、その他の部分については、第2電極132の輪郭形状は、第1電極131のそれよりも一回り大きい。つまり、図4に示すように、第2電極132の側端部132MSと、第1電極131の側端部131MSとの間には一定の距離Dsがある、あるいは、側端部131MSの位置を基準としてみれば、側端部132MSの位置は、第1電極131の中心位置から距離Ds分だけ遠のくのである。
もっとも、第2電極132は、前述の切り欠き部分をもつため、この部分については、第1電極131は第2電極132によって覆われない(図3参照)。
このように、一部の例外はあるものの、第2電極132は、その側端部が第1電極131の側端部の外方に位置するように、あるいは、第2電極132が第1電極131を覆うように、形成される。なお、第2電極132は、前述のようにスリット132sをもつが、このスリット132sの存在も、「第2電極が、第1電極を覆う」という場合の非該当性を基礎付けるものと考えてはならない。第2電極132がスリット132sをもっていたとしても、図3及び図4に示すところから明らかなように、「第2電極が、第1電極を覆う」と十分に言いうる場合は無限にある。
この液晶装置ではまた、図4中、第1電極131中の更に下層に位置付けられるようにして第1データ線6a及び第2データ線6bが形成される。
なお、第1データ線6aの図3中の左側辺は、第2電極132の同図中左側辺に概ね一致するように、これら両者間の配置関係は設定される。同様に、第2データ線6bの図3中の右側辺は、第2電極132の同図中右側辺に概ね一致するように、これら両者間の配置関係は設定される。
また、第1データ線6a及び第2データ線6bと、第1電極131との間には、図4に示すように、層間絶縁膜302が形成される。
以上の第1電極131、第1データ線6a等々の各要素は、図4に示すように、ガラス等からなる素子基板7を素地として形成される。
また、図4においては、この素子基板7と前記層間絶縁膜302との間に層間絶縁膜301が形成されることが描かれているが、これは、前述した走査線3、電位線30(これらについては図3参照)、さらには第1保持容量Cstg1(これについては図3及び図4において不図示)、等々の各種回路要素を形成するため、あるいは、そのような回路要素間の電気的短絡の防止、さらには当該回路要素間の好適な立体的配置関係の設定のため等に利用される(ただし、図3及び図4では、それらの回路要素及びその接続態様等の全部又は一部についての図示は省略している。)。
なお、図3及び図4では、以上のほか、第2電極132上の配向膜、液晶LC、あるいは各画素回路P1間の光の混色を防止するためのブラックマトリクス等々の各種要素が備えられ得るが、その図示は省略した。また、図3及び図4は単なる一例であるから、上述した層間絶縁膜301〜303以外のその他の層間絶縁膜等を設けることによって、前述した各種回路要素の配置態様とは異なる配置態様が採用されてよい。本発明は、基本的に、どのような配置態様でも、その範囲内に含む。
このような構成において、第1電極131と第2電極132との間に駆動電圧を印加すると、これらの電極の形状に応じた電界が生じる。より詳しくは、第2電極132の上面から出て第2電極132のスリット132sを通り第1電極131の上面に至る電気力線を有する電界が発生する。このとき、第2電極132の上方(即ち、液晶LCが配置されている領域)における電界は、素子基板7に平行な成分を有する横電界となる。液晶分子は、この横電界によって駆動され、素子基板7に平行な面内で配向方向を変える。FFSモードの液晶装置によれば、上記のように液晶分子が常に素子基板7に対して平行な状態で駆動されることに起因して、広い視野角が得られる。
次に、本実施形態における特徴部分、特に第1電極131と第2電極132との配置関係等から導き出される作用効果について、既に参照した図1乃至図4に加えて、図5乃至図7の各図面を参照しながら説明する。
(1) まず、本実施形態においては、上述のように第2電極132の側端部が第1電極131の側端部の外方に位置するように、あるいは、第2電極132が第1電極131を覆うように形成されるので、例えば第1及び第2電極131及び132の側端部がともに揃えられるような場合に比べて、構造上、より欠陥の少ない電気光学装置を提供することができる。
図5〔A〕及び〔B〕は、この事情を表現する。すなわち、図5〔A〕は図4の一部を拡大したものであり、第2電極132の側端部132MSが、第1電極131の側端部131MSの外方(図中左方)に位置する様子を表す。一方、図5〔B〕では、第2電極132の側端部132MSと、第1電極131の側端部131MSとが揃えられている場合(図中破線SL参照)の例が示されている。
これら図5〔A〕及び〔B〕においては、層間絶縁膜303の一部に段差SRが生じることが示されている。この段差SRは、第1電極131が一定の高さをもって成膜される以上、殆ど必然的に生じる。しかし、この段差SRの存在によると、図5〔B〕に示すように、クラックQ等の欠陥を生じさせやすい。これは、第側端部131MS周囲の層間絶縁膜303の成膜厚さの不足や、あるいは、応力集中の生じ易さ等を原因とする。そして、このようなクラックQ等が生じると、第1に、第3保持容量Cstg3の性能に悪影響を及ぼす(場合によっては、第1及び第2電極131及び132間の絶縁を破壊する)、第2に、第2電極132の製造段階におけるエッチング工程等において、そのエッチャントが当該クラックQに浸入する、などの様々な不具合を生じさせるおそれがある(後者の場合さらに、クラックQが第1電極131にまで達していると、形成済みの第1電極131のエッチングを進行させてしまうおそれがある。)。
この点、本実施形態に係る図5〔A〕においては、以上に述べたような不具合を被る可能性は極めて低い。というのも、図から明らかなように、本実施形態では、第2電極132が、段差SRの全体を包み込むように存在することになるため、そもそも、クラックQ等の欠陥が発生しにくい状況となっているからである。また、図5〔A〕において仮に図5〔B〕に示すようなクラックQが発生したとしても、第2電極132は、それを覆い隠すように存在することから、例えば前述のような第2電極132製造時のエッチャント浸入などといった不具合も殆ど発生し得ない。
このように、本実施形態によれば、第1及び第2電極131及び132の相対的配置関係という構造上の工夫により、欠陥のないより高品質な電気光学装置を提供することができる。
(2) 次に、本実施形態においては、クロストーク問題を有効に解消することが可能である。
上で参照した図2及び図4においては、第1電極131と第1及び第2データ線6a及び6bとの間、及び、第2電極132と第1及び第2データ線6a及び6bとの間に、第1〜第4寄生容量C11,C12,C21,C22が生じる様子を併せ示しておいた。ここで、第1寄生容量C11は、第1電極131と第1データ線6aとの間に構成される容量要素であり、第2寄生容量C12は、第1電極131と第2データ線6bとの間に構成される容量要素である。また、第3寄生容量C21は、第2電極132と第1データ線6aとの間に構成される容量要素であり、第4寄生容量C22は、第2電極132と第2データ線6bとの間に構成される容量要素である。
これら第1〜第4寄生容量C11,C12,C21,C22は、クロストークの原因となる。すなわち、本実施形態の電気光学装置1を構成する全画素回路P1(図1参照)は、上述のように、走査線3が線順次に選択されていく過程を通じて駆動されるが、この場合、本来であれば、選択の対象となっている画素回路P1以外の画素回路P1は、第1及び第2データ線6a及び6bを介して供給されてくるデータ信号Vdataに反応してはならない。しかしながら、図4に示したような、第1〜第4寄生容量C11,C12,C21,C22は、図2に示す第1及び第2トランジスターSW101及びSW102がオフ状態にあったとしても、第1又は第2データ線6a又は6bの電位変動を、第1又は第2電極131又は132の電位変動にいわば中継してしまうおそれがある。
この点、本実施形態においては、まず、図3及び図4に示すように、第1データ線6aは、第1電極131よりも下層に位置付けられ、また、第2電極132は第1電極131の上に形成される、ということから、第1寄生容量C11の容量値γ1は、第3寄生容量C21の容量値γ3よりも大きくなる。
他方、本実施形態においては、同じく図3及び図4に示すように、(i)第1データ線6aが第2電極132の側辺に沿うように延びる、(ii)第2電極132が第1電極131を覆うように形成される、ということから、第1データ線6aは、第2電極132により近く、第1電極131により遠いという位置付けが与えられる。これによると、前記とは逆に、容量値γ1は容量値γ3よりも小さくなる。
そうすると、このうちの特に、(ii)に係る、第2電極132によって第1電極131が覆われる程度、換言すると、図4に示す距離Dsの大きさの如何によっては、容量値γ1と容量値γ3とを相互に近づけさせる、最好適には一致させることが可能になる。そして、これによれば、第1及び第2スイッチング素子SW101及びSW102がオフ状態にある場合において、第1又は第2データ線6a又は6bの電位の変動により、第1電極131、及び、第2電極132が受ける電位変動の影響、の双方を等しくすることが可能になる。
このように、本実施形態によれば、第1及び第2電極131及び132が意図しない挙動を示すことが未然に防止され、クロストークに起因する悪影響を有効に回避することができる。
なお、以上のことは、第2データ線6bについてもいえる。ちなみに、図4左方では、図4右方に示す第1電極131に隣接する第1電極131の右側端が描かれているが、当該右側端は、図4右方に示される第1電極131の右側端の状態を描いたものとみなすことが可能である。
(3) さらに、本実施形態によれば、第1データ線6aが第2電極132の側辺に沿うように形成され、かつ、第2電極132が第1電極131を覆うように形成されていることから、第1データ線6aと第1電極131との間には一定程度大きな距離が置かれることになる。少なくとも図6に示すように、第1電極131の側端部131MSと、第1データ線6aの側端部とが揃うような場合に比べて、本実施形態に係る場合のほうが、第1電極131の第1データ線6aからの距離は遠ざかるということがいえる(図4及び図6対比参照)。そうすると、第1寄生容量C11の容量値γ1の値は、図4の場合のほうが、図6の場合よりも小さくなる。
これにより、本実施形態によれば、第1又は第2データ線6a又は6bを用いたデータ電位Vdataの供給におけるタイミングマージンをより大きくとること、あるいは、第1及び第2電極131及び132をより高速に駆動すること、等が可能になる。
(4) 加えて、本実施形態においては、図3及び図4に示すように、隣り合う第2電極132間の距離が一定程度狭い(図7〔A〕も参照)。したがって、本実施形態によれば、第1及び第2データ線6a及び6bに起因して発生する電界が、第2電極132上に位置する液晶に影響を及ぼす可能性を低めることができる。図7〔A〕及び〔B〕は、この事情を表現する。すなわち、図7〔B〕に示すように、第1電極131の側端部131MSと第2電極132の側端部132MSとが揃えられている場合には、前記電界が、液晶分子の存在する領域にいわば漏れ出るようなかたちになる(図中実線矢印参照)。これは、図示する2つの画素回路P1において本来実現したい光透過率をより高め又はより低める原因となるから、所望の階調での画像表示を行うための外乱要因(殊に、コントラスト比を貶める要因)となる。また、この電界は、前記マトリクス配列上、隣に位置する第2電極上の液晶に作用する場合には、いわゆる混色の問題を生じさせる要因ともなる(図中破線矢印参照)。
本実施形態においては、図7〔A〕に示すように、前記電界が第2電極132によっていわば遮蔽されるようなかたちになるので、そのような不具合を抑制することが可能となる。つまり、本実施形態に係る電気光学装置1によれば、より高品質な画像を表示し、あるいは、画像の品質を向上・維持することが可能になる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明に係る電気光学装置ないし画素回路は、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形が可能である。
(1) 上記実施形態においては、第2電極132の側端部が第1電極131の側端部の「外方に位置する」という場合の具体的形態について、図3等を参照して説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
想定され得る第1及び第2電極の具体的形状は様々である。例えば「マトリクス状」が、図1に示すような配列態様を意味する場合もあれば、行方向に並ぶ画素回路が1個ごと段違いに並ぶ場合(いわば画素回路全体が市松模様状に並ぶ場合)もあり、それに応じて、好適な第1及び第2電極の形状も変わってくる可能性がある。それ以外にも、様々な理由で、第1及び第2電極の具体的形状は上記実施形態と比べて変更を受ける可能性があるが、本発明は、基本的に、どのような形状であっても適用が可能である。
これに関連して、ここでは上記実施形態の特徴等について改めてまとめておく。
まず、(α)上記実施形態では、図3に示したように、第2トランジスターSW102の形成領域に対応する部分において、第2電極132の側端部が、第1電極131の側端部の外方に位置するようにはなっていないが、このことは、第1電極131と当該第2トランジスターSW102その他の回路要素との電気的接続を無理なく図ること等の他の目的に貢献している。つまり、「外方に位置する」とはいっても、それが第2電極132の側端部の全部について充足される必要は必ずしもない。むしろ、それが充足されない部分で、他の効果(例えば、すぐ上に述べた、無理なき電気的接続等)が享受される可能性があることからすると、外方に位置「しない」部分を設ける可能性について、積極的な考慮が払われてもよい。
(β) とはいえ、上記実施形態の説明において述べたように、第1及び第2電極131及び132と、第1及び第2データ線6a及び6bとの関連によって奏される効果は、本発明においてより重視されるべきであるから、第2電極132の側端部のうち、当該第1及び第2電極131及び132の形成領域に対応する部分については、より強く、第1電極131の側端部の外方に位置することが推奨される。なお、この点を重視すると、図3中、第2電極132の上辺及び下辺については、さほど強くは、「外方に位置する」ことは要求されない。
(γ) なお、以上によると、部分的には、本発明の観点とは逆に、第1電極131の側端部が第2電極132の側端部の外方に位置する、という状況も生じうることになるが、言うまでもなく、そのことが直ちに、本発明の範囲から外れることを意味するわけではない。本発明にいう「第2電極…の側端部の少なくとも一部が、前記第1電極の側端部の外方に位置する」というのは、その「少なくとも一部」以外の部分をどうすべきかについて、基本的には、自由に委ねる。
(2) 上記実施形態においては、第2電極132の各スリット132sは互いに平行であり、一定の間隔をおいて配置されるようになっているが、本発明はかかる形態に限定されない。
要は、第1電極131と第2電極132との間の斜め方向の電界により、液晶LC内の液晶分子が制御されるように、第2電極132のスリットは形成されていればよいから、例えば、第2電極132の各スリットは、走査線3の延在方向に沿って設けられていてもよく、あるいは、走査線3の延在方向に対し、所定の角度を持つように設けられていてもよい。さらには、走査線3の延在方向に対し、第1の角度を持つように設けられた第1スリットと、第2の角度を持つように設けられた第2スリットとがあってもよい。
(3) 上記実施形態においては、画素回路P1の動作について、〔i〕から〔iii〕までの段階に分けて説明を行ったが、これに関連して、データ電位Vdata及び基準電位GNDの切替えの態様ないしタイミングには、様々なものが想定される。
例えば、データ電位Vdataと基準電位GNDとの切替えはフレーム単位で行われてよい。この場合には、図1に示す全画素回路P1が一通り駆動されるまでは、当該全画素回路P1に関し、例えば第1データ線6aには常にデータ電位Vdata、第2データ線6bには常に基準電位GNDが供給されるなどということになる(V反転方式)。
あるいは、当該切替えはデータ線ごと(列ごと)に行われてもよい。この場合には、あるフレーム期間中において、ある画素回路P1(i,j)に対応する第1データ線6aにはデータ電位Vdata、第2データ線6bには基準電位GNDが供給されるが、その隣の画素回路P1(i,j+1)に対応する第1データ線6aには基準電位GND、第2データ線6bにはデータ電位Vdataが供給されるなどということになる(S反転方式)。
あるいは更に、当該切替えは走査線ごと(行ごと)に行われてもよい。この場合には、あるフレーム期間中において、ある行に位置する画素回路P1(i,1),…,P1(i,n)の複数を駆動する場合には第1データ線6aにはデータ電位Vdata、第2データ線6bには基準電位GNDが供給されるが、次の行に位置する画素回路P1(i+1,1),…,P1(i+1,n)の複数を駆動する場合には第1データ線6aには基準電位GND、第2データ線6bにはデータ電位Vdataが供給されるなどということになる(H反転方式)。
あるいは加えて、前記のS反転方式及びH反転方式を併用したドット反転方式が行われてもよい。
いずれにしても、このようなデータ電位Vdata及び基準電位GNDの切替えの態様は、ある特定の1個の画素回路P1に着目するとき、それ自身に対応する第1及び第2データ線6a及び6b以外のデータ線の電位変動が、当該画素回路P1に含まれる第1及び第2電極131及び132に与える影響に相違をもたらす可能性がある。前述した各寄生容量(C11,C12,C21,C22,C31,C32)の容量値及びその関係を決定するにあたっては(即ち、第2電極132が第1電極131を「覆う」ということの具体的態様を定めるにあたっては)、場合により、このような事情への配慮が加えられると好適である。
<応用>
次に、上記実施形態に係る電気光学装置1を適用した電子機器について説明する。
図8は、上記実施形態に係る電気光学装置1を画像表示装置に利用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての電気光学装置1と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。
図9に、上記実施形態に係る電気光学装置1を適用した携帯電話機を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての電気光学装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置1に表示される画面がスクロールされる。
図10に、上記実施形態に係る電気光学装置1を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての電気光学装置1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置1に表示される。
本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図8から図10に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
1……電気光学装置、100……走査線駆動回路、200……データ線駆動回路、P1,P2……画素回路、13……電気光学素子、131……第1電極、132……第2電極、3……走査線、30……電位線、6a……第1データ線、6b……第2データ線、Cstg1,Cstg2,Cstg3……第1〜第3保持容量、SW101……第1トランジスター、SW102……第2トランジスター、C11,C12,C21,C22……第1〜第4寄生容量

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成される第1電極と、
    前記第1電極の上に絶縁膜を介して形成され且つ当該第1電極と積層構造を構成するように形成される第2電極と、
    前記第1及び第2電極間の印加電圧に応じて光学特性が変化する電気光学物質と、
    第1期間において、表示すべき階調に応じたデータ電位が供給される第1データ線と、
    第2期間において、前記データ電位が供給される第2データ線と、
    前記第1電極及び前記第1データ線間に形成される第1スイッチング素子と、
    前記第2電極及び前記第2データ線間に形成される第2スイッチング素子と、
    を備え、
    前記基板を平面視して、
    前記第2電極は、
    その側端部の少なくとも一部が、前記第1電極の側端部の外方に位置するように、形成される、
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記第1及び第2電極並びに前記第1及び第2スイッチング素子の一組は、前記基板の面上でマトリクス状配列に従って配列され、
    前記第1及び第2データ線は、それぞれ、
    前記マトリクス状配列の各列方向に沿って延びるように、かつ、
    前記組の各々に含まれる前記第2電極の両側辺に沿うように、かつ、
    前記基板上且つ前記第1電極よりも下層に位置付けられるように、
    形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記マトリクス状配列中、前記組の各々に含まれる前記第1電極及び前記第1又は第2データ線間の距離は、第2電極の側端部と第1電極の側端部との間の距離以上である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記電気光学物質は、前記第2電極の上に配置され、
    前記マトリクス状配列中、隣り合う前記組の各々に含まれる前記第2電極の側端部間の距離は、
    当該第2電極に対応する前記第1電極の側端部間の距離以下である、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電気光学装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
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